JP7030322B2 - リチウムイオン電池用複合粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
リチウムイオン電池は、充電時には正極からリチウムがイオンとして脱離して負極へ移動して吸蔵され、放電時には負極から正極へリチウムイオンが挿入されて戻る構造の二次電池である。このリチウムイオン電池は、エネルギー密度が大きく、長寿命である等の特徴を有しているため、従来、パソコン、カメラ等の家電製品や、携帯電話機等の携帯型電子機器又は通信機器、パワーツール等の電動工具等の電源として広く用いられており、最近では、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)等に搭載される大型電池にも応用されている。
このようなリチウムイオン電池において、可燃性の有機溶剤を含む電解液に代えて固体電解質を用いると、安全装置の簡素化が図られるだけでなく、製造コスト、生産性等に優れることが知られている。また、硫化物からなる固体電解質は、導電率(リチウムイオン伝導度)が高く、電池の高出力化を図る上で有用であるといわれており、この硫化物固体電解質を用いた全固体型のリチウムイオン電池の開発が盛んとなっている。
ところで、液体電解質は、浸透性が高く電極の隅々にまで浸入し、充填されている活物質の夫々とその界面で接するため、負極から正極に至るまで連続的なイオン伝導のパスを容易に形成できる。一方で、固体電解質は、液体電解質に比べて流動性が乏しく、そのままでは電極に浸入しないため、電極内部までイオンを伝導させるために、固体電解質を活物質に混合した組成物を用いて電極が形成されている。
更に、上記特許文献2には、上記のように、乾式混練による複合粒子を製造する方法が記載されているが、活物質粒子は、通常、表面に凹凸を有するため、機械的な乾式混練では、硫化物系固体電解質の、活物質粒子表面への密着性を十分に確保できないという問題点があった。
本発明は、以下に示される。
[1]活物質を含む活物質部と、該活物質部の表面に配設されてなる固体電解質部とを備える複合粒子であって、上記固体電解質部は、チオリシコンを含み、上記活物質部の表面を被覆する被覆部分と、該被覆部分からその外側に延びた薄肉部分とからなることを特徴とするリチウムイオン電池用複合粒子。
[2]上記チオリシコンがβ-Li3PS4を含む上記[1]に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
[3]上記チオリシコンがLi7P2S8Iを含む上記[1]に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
[4]上記チオリシコンがガラスセラミックスである上記[1]乃至[3]のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
[5]上記活物質部及び上記固体電解質部の質量割合が、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、70~99質量%及び1~30質量%である上記[1]乃至[4]のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
[6]上記活物質が、Li元素を含む複合酸化物からなる正極活物質である上記[1]乃至[5]のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
[7]上記活物質が、グラファイト、シリコン、チタン酸リチウム、二酸化スズ及び三酸化モリブデンから選ばれた少なくとも1種からなる負極活物質である上記[1]乃至[6]のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
[8]上記[1]乃至[7]のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子を製造する方法であって、
活物質を含む粒子の表面に、第1硫化物が付着している第1複合粒子と、第2硫化物とを含有する原料を用いて、上記第2硫化物を溶解する溶媒の中で、上記第1硫化物及び上記第2硫化物を反応させ、チオリシコンを生成させる工程を備えることを特徴とする、リチウムイオン電池用複合粒子の製造方法。
[9]上記第1硫化物がLi2Sを含み、上記第2硫化物が下記一般式(1)で表される化合物を含む上記[8]に記載のリチウムイオン電池用複合粒子の製造方法。
a(Li2S)-b(P2S5)-c(LiX) (1)
(式中、Xはハロゲン原子であり、aは0以上の数、cは0以上の数、b=a+c、a+c>0である。)
[10]上記溶媒が飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む上記[8]又は[9]に記載のリチウムイオン電池用複合粒子の製造方法。
[11]上記[1]乃至[7]のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子を含むことを特徴とするリチウムイオン電池用電極。
[12]上記[11]に記載のリチウムイオン電池用電極を備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
本発明のリチウムイオン電池用複合粒子の製造方法によれば、活物質部と固体電解質部との密着性に優れ、チオリシコンを含み、実質的にLi2Sを含有しない固体電解質部を備えるリチウムイオン電池用複合粒子を効率よく得ることができる。
リチウムイオン電池で用いられる複合粒子において、イオン伝導性の観点からは、活物質の表面全体にわたって固体電解質が吸着していることが良いとされる。電池容量の観点からは、電極中の活物質充填量が多い方が望ましいため、活物質に吸着する固体電解質は、より少ない方が好ましい。ところが、活物質に吸着する固体電解質が少なくなると、イオン伝導パスが途切れたり、電極形成時のプレス成形によって活物質が割れ易くなってしまう。
ここで、本発明のリチウムイオン電池用複合粒子は、異形粒子であるので、活物質表面全体に形成された被覆部分22にてイオン伝導性の確保と、固体電解質の付着量の低減とを図ることができる上、局所的に形成された薄肉部分24により、プレス成形時の応力を緩和する作用を備えることができる。
正極活物質としては、MoOx、WOx、VOx、LixCoOy(LiCoO2等)、LixMnOy(LiMnO2、LiMn2O4等)、LixNiOy(LiNiO2等)、LixVOy(LiVO2等)、LixMnyNizCowO(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等)、LixFePxOy(LiFePO4等)、LixMnPxOy(LiMnPO4等)、LixNiPxOy(LiNiPO4等)、LixCuPxOy(LiCuPO4等)等の酸化物(複合酸化物)系材料;(MoSx,CuSx,TiSx,WSx)、LixSy、LixPySz等の硫化物系材料;セレン化物系材料等が挙げられる。これらのうち、Li元素を含む複合酸化物が好ましい。
また、負極活物質としては、グラファイト等の炭素材料;リチウム、インジウム、アルミニウム、シリコン等の金属又はこれらを含む合金;チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、SnxOy(SnO2等)、MoOx(MoO3等)、WOx等が挙げられる。これらのうち、グラファイト、シリコン、チタン酸リチウム、二酸化スズ、三酸化モリブデン等が好ましい。
上記チオリシコンは、一般式:mLi4-xM1 1-xM2 xS4-nLiX(式中、M1及びM2は、P、Ge、Si、Al及びGaから選ばれた原子であり、Xは、ハロゲン原子であり、mは1~2、nは0~1である)で表される化合物である。本発明においては、M1がP原子である化合物が好ましい。このような化合物としては、β-Li3PS4、Li7P2S8I、Li7P3S11等が挙げられる。尚、上記チオリシコンの中には、結晶質の化合物もあれば、非晶質の化合物もあり、本発明では、結晶性に関わりなく、リチウムイオン電池用複合粒子の構成材料として好適である。また、上記チオリシコンは、イオン伝導性の観点から、ガラスセラミックスであることが好ましい。
上記固体電解質部に含まれるチオリシコンは、1種のみであってよいし、2種以上であってもよい。
上記薄肉部分24の、上記被覆部分22における基礎部の位置及び数、並びに、上記薄肉部分24の延長方向は、特に限定されない。本発明のリチウムイオン電池用複合粒子は、後述する、他の本発明におけるリチウムイオン電池用複合粒子の製造方法により得られたものであり、薄肉部分の形状及びサイズ、被覆部分における基礎部の位置及び数、並びに、上記薄肉部分の延長方向を制御することはできないため、1の薄肉部分の形状及びサイズと、他の薄肉部分の形状及びサイズとは、通常、異なり、被覆部分における、1の基礎部の位置及び数と、他の基礎部の位置及び数とは、やはり、異なる。
上記溶媒は、第2硫化物を溶解する化合物からなるが、第1硫化物を溶解せず(不溶又は難溶)生成するチオリシコンを溶解しない(不溶)化合物であることが好ましい。本発明において、溶媒に溶解する硫化物と、同じ溶媒に溶解しない硫化物とを併用することにより、異形粒子である、リチウムイオン電池用複合粒子を効率よく製造することができる。
上記溶媒は、好ましくは、飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートである。飽和脂肪酸エステルは、好ましくは、プロピオン酸エステルであり、このプロピオン酸エステルとしては、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル等が挙げられる。ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等が挙げられる。
a(Li2S)-b(P2S5)-c(LiX) (1)
(式中、Xはハロゲン原子であり、aは0以上の数、cは0以上の数、b=a+c、a+c>0である。)
上記一般式(1)で表される化合物としては、Li2S-P2S5(別称Li2P2S6)、Li2P2S6LiI等が挙げられる。
上記第2硫化物形成用化合物としては、Li2S、P2S5等が挙げられる。また、上記第2硫化物形成用化合物として、硫黄原子を含まない化合物、例えば、LiX(ハロゲン化リチウム)等を併用することができる。
上記第2硫化物形成用化合物のうち、単独で上記の飽和脂肪酸エステル又はジアルキルカーボネートに溶解する化合物としては、LiX(ハロゲン化リチウム)等が挙げられ、単独で上記の飽和脂肪酸エステル又はジアルキルカーボネート溶媒に溶解しない化合物としては、Li2S、P2S5等が挙げられる。尚、Li2Sは、モル比で1:1となるようP2S5を共存させると、各種溶媒に対する溶解性が向上する。また、後者の第2硫化物形成用化合物のうち、LiX(ハロゲン化リチウム)と併用することで上記溶媒に溶解する化合物としては、P2S5等が挙げられる。
また、上記溶媒の使用量は、第1複合粒子及び第2硫化物の合計量の固形分濃度が、好ましくは20~70質量%、より好ましくは30~50質量%となるように、選定される。
上記反応工程における反応系の雰囲気は、特に限定されず、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス、乾燥空気等からなるものとすることができる。
上記反応工程における反応時間は、接触反応の方法に依存することがあり、特に限定されないが、通常、1時間以上、好ましくは6時間以上である。
尚、使用する第2硫化物又は第2硫化物形成用化合物の組成によっては、第1硫化物の非存在下でチオリシコンが形成されることがあるので、上記第1複合粒子を用いる反応工程において、一部には、活物質粒子の表面に付着した第1硫化物を基点とせずにチオリシコンが遊離しつつ生成されることが考えられるが、接触反応の進行にともなって、最終的に、固体電解質部における薄肉部分の形成に寄与するものと推定している。
本発明に係る反応工程では、固体電解質部の形成にLi2Sを原料の1つに用いた場合であっても、反応生成物には、Li2Sが残存したり、反応後に、別途、析出したりすることがない。即ち、固体電解質を溶媒に溶解させてなる溶液を用いて、活物質粒子の表面に、固体電解質を析出させる手法とは異なり、チオリシコンの態様が維持される。言い換えれば、高伝導の固体電解質部を活物質粒子の表面に吸着させることができる。故に、得られるリチウムイオン電池用複合粒子を用いてリチウムイオン電池等とした場合にLi2Sを原因として硫化水素が発生することはない。また、Li2SやLi2S-P2S5(γ相)などのイオン伝導性が極めて低い抵抗相の生成が抑制されたリチウムイオン電池用複合粒子が得られるので、これを用いることにより、イオン伝導性の良好なリチウムイオン電池を構築することができる。
本発明のリチウムイオン電池用電極は、バインダー、導電助剤、他の固体電解質等を含むことができる。
上記バインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の含フッ素樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン・プロピレン・非共役ジエン系ゴム(EPDM等)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等が挙げられる。
上記導電助剤としては、炭素材料(グラフェン等の板状導電性物質;カーボンナノチューブ、炭素繊維等の線状導電性物質;ケッチェンブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、黒鉛等の粒状導電性物質等)、金属、金属化合物等が挙げられる。
上記電解質層は、電解液、ゲル電解質、固体電解質等を含むものとすることができる。
上記正極集電体及び上記負極集電体は、いずれも、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、鉄、チタン等を含む、箔、板又はメッシュであることが好ましい。
実施例1
アルゴン雰囲気下において、0.0638gのLi2S粉末(ミツワ化学社製「Li2S」、純度99%、粒子径53μm)を、5mlのエタノールに投入し、50℃で30分間攪拌し、Li2S溶液を得た。
次いで、このLi2S溶液と、ニッケルマンガンコバルト酸リチウムLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2からなる粒子の表面にLiNbO3が被覆している正極活物質粒子(粒子径3~10μm、以下、「NMC」という)2.25gとを混合し、50℃で1時間攪拌した。そして、この混合液を170℃で2時間真空乾燥し、エタノールを蒸発させて、上記正極活物質粒子の表面にLi2Sが吸着されてなるNMC-Li2S複合体粒子(第1複合粒子)を得た。
一方、Li2S粉末と、P2S5粉末(Aldrich社製「P2S5」、純度99%、粒子径100μm)とを、Li2S及びP2S5が等モルとなるように、且つ、P2S5がNMC-Li2S複合体粒子に含まれるLi2Sを含む全Li2Sに対して1/3のモル比となるように秤量し、これらの粉末を混合した。そして、この混合物を、10mlのプロピオン酸エチルに投入し、超音波処理を1時間行って、Li2S-P2S5(第2硫化物)が溶解されてなる溶液を得た。
その後、この溶液と、上記得られたNMC-Li2S複合体粒子とを混合し、50℃で6時間攪拌することにより、上記正極活物質粒子の表面に固体電解質が密着形成された複合粒子(p1)の分散体(サスペンジョン)を得た。
次いで、この分散体を170℃で2時間真空乾燥し、プロピオン酸エチルを蒸発させることにより、複合粒子(p1)を単離した。尚、NMC粉末と生成するLi3PS4とが、質量比90:10となるように原料の仕込み量が設定されている。
電子線回折により得られた電子回折パターン(図7)の強度を、動径方向に対して積算することで、結晶構造を一次元的なプロファイルに変換し、その後、横軸2θにプロットすることで図8のX線回折パターンを得た。
アルゴン雰囲気下において、Li2S粉末と、P2S5粉末と、LiI粉末(Aldrich社製「LiI」、純度99%以上、粒子径100メッシュ以下)とを、Li2S、P2S5及びLiIが等モルとなるように、且つ、P2S5がNMC-Li2S複合体粒子に含まれるLi2Sを含む全Li2Sに対して1/3のモル比となるように秤量し、これらの粉末を混合した。そして、この混合物を、10mlのプロピオン酸エチルに投入し、超音波処理を1時間行って、Li2S-P2S5-LiI(第2硫化物)が溶解されてなる溶液を得た。
その後、この溶液と、実施例1と同じNMC-Li2S複合体粒子とを混合し、50℃で6時間攪拌することにより、上記正極活物質粒子の表面に固体電解質が密着形成された複合粒子(p2)の分散体(サスペンジョン)を得た。
次いで、この分散体を170℃で2時間真空乾燥し、プロピオン酸エチルを蒸発させることにより、複合粒子(p2)を単離した。
実施例3
アルゴン雰囲気下において、モル比3:1となるように、硫化リチウム粉体0.3827g及び五硫化二リン粉体0.6174gを秤量して合計1gとし、メノウ乳鉢を用いて軽く混合した。次いで、この混合物と、プロピオン酸エチル20mlと、直径4mmのジルコニアボール(合計21.6g)とを、内径28mm、長さ116mmの試験管型の樹脂製容器(内容積45ml)に入れ、温度24℃、振幅約1cm、及び、約1500回/分の穏和な条件で振とうを行い、6時間、接触反応させてサスペンジョンを得た。その後、このサスペンジョンから固形分を回収し、減圧条件下、170℃、2時間で熱処理を行って、固体電解質であるβ-Li3PS4を得た。
次に、上記にて作製した固体電解質80mgを、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製の筒状体の内部に充填し、一軸プレスにより180MPaで1分間加圧して予備成形し、電解質層用成形体を得た。そして、この電解質層用成形体を筒状体の内部に収容した状態で、その一方の表面側の全体に、実施例1にて作製した複合粒子(p1)10mgを充填し、500MPaで30分間加圧成形を行った。更に、電解質層用成形体の他方の面に、円形のインジウム箔(厚さ0.1 mm、直径0.8cm)を張り付け、180MPaで加圧して、複合体(全固体形リチウムイオン電池)とした。この複合体を収納した筒状体の両側から、それぞれステンレス-ニッケルの導通部を挿入し、治具で固定して、図14に示す測定セルを得た。そして、この測定セルごとガラス容器に封入し、ガラス容器内の気体をアルゴンガスに置換して、充放電試験を実施した。
充放電試験の条件は、2-3.8V vs. In-Li、Cレート:0.1C、サイクル数:20として充放電試験とした。その結果を図15に示す。
実施例1で用いたNMC粉末と、上記で得られたβ-Li3PS4粉末とを、質量比90:10となるように秤量し、乳鉢にて15分間混合を行って混合粉末を得た。この混合粉末を用いて正極複合体を作製し、実施例3と同様の方法により、全固体形リチウムイオン電池を作製し、測定セルを得た。そして、充放電試験を行った。その結果を図16に示す。
10:活物質部
20:固体電解質部
22:被覆部分
24:薄肉部分
30:全固体形リチウムイオン電池
31:正極
33:負極
35:電解質層
37:正極集電体
39:負極集電体
40:測定セル
41:押さえ板
43:押さえピン
45:締め付けネジ
47:カプトン(登録商標)テープ
Claims (12)
- 活物質を含む活物質部と、該活物質部の表面に配設されてなる固体電解質部とを備える複合粒子であって、
前記固体電解質部は、チオリシコンを含み、前記活物質部の表面を被覆する被覆部分と、該被覆部分からその外側に延びた薄肉部分とからなることを特徴とするリチウムイオン電池用複合粒子。 - 前記チオリシコンがβ-Li3PS4を含む請求項1に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
- 前記チオリシコンがLi7P2S8Iを含む請求項1に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
- 前記チオリシコンがガラスセラミックスである請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
- 前記活物質部及び前記固体電解質部の質量割合が、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、70~99質量%及び1~30質量%である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
- 前記活物質が、Li元素を含む複合酸化物からなる正極活物質である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
- 前記活物質が、グラファイト、シリコン、チタン酸リチウム、二酸化スズ及び三酸化モリブデンから選ばれた少なくとも1種からなる負極活物質である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子を製造する方法であって、
活物質を含む粒子の表面に、第1硫化物が付着している第1複合粒子と、第2硫化物とを含有する原料を用いて、前記第2硫化物を溶解する溶媒の中で、前記第1硫化物及び前記第2硫化物を反応させ、チオリシコンを生成させる工程を備えることを特徴とする、リチウムイオン電池用複合粒子の製造方法。 - 前記第1硫化物がLi2Sを含み、前記第2硫化物が下記一般式(1)で表される化合物を含む請求項8に記載のリチウムイオン電池用複合粒子の製造方法。
a(Li2S)-b(P2S5)-c(LiX) (1)
(式中、Xはハロゲン原子であり、aは0以上の数、cは0以上の数、b=a+c、a+c>0である。) - 前記溶媒が飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む請求項8又は9に記載のリチウムイオン電池用複合粒子の製造方法。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用複合粒子を含むことを特徴とするリチウムイオン電池用電極。
- 請求項11に記載のリチウムイオン電池用電極を備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
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JP2019121499A (ja) | 2019-07-22 |
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