JP2014029680A - 信号処理回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間の電源の供給停止により消費電力を抑えることができる信号処理回路を提供する。
【解決手段】記憶素子は、電源供給停止前に、第1の記憶回路から第2の記憶回路にデータを退避するとともに、第2の記憶回路からデータを読み出し、ベリファイ回路において第2の記憶回路に保持されたデータが、第1の記憶回路に保持されているデータと一致するか、否かを判定することができる。また、電源供給再開後に、第2の記憶回路から第1の記憶回路にデータを復元するとともに、ベリファイ回路において、第2の記憶回路に保持されていたデータが、第1の記憶回路に復元されたデータと一致するか、否かを判定することができる。これにより、ベリファイのための時間を別途設けることなく、ベリファイを行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、短時間の電源の供給停止により消費電力を抑えることができる記憶装置、及びそれを用いた信号処理回路に関する。また、当該記憶装置及び当該信号処理回路の駆動方法に関する。更に当該信号処理回路を用いた電子機器に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化及び大規模化に伴い、回路動作が複雑になっている。また、半導体集積回路のプロセスの微細化に伴い、トランジスタのリーク電流が増加し、半導体集積回路が動作していないときも、リーク電流により、余分な電力を消費してしまうことが問題となっている。
そこで、半導体集積回路が動作していない期間において、半導体集積回路への電源の供給を一時的に停止するという方法が提案されている。例えば、特許文献1には、レジスタ、キャッシュメモリ等の揮発性の記憶装置の周辺に、不揮発性の記憶装置を配置し、レジスタ、キャッシュメモリ等のデータを、不揮発性の記憶装置に一時記憶させる方法が開示されている。
また、上記の方法において、長時間の電源の供給停止を行う際には、電源の供給停止の前に、揮発性の記憶装置内のデータを、ハードディスク、フラッシュメモリ等の外部記憶装置に移すことで、データの消失を防ぐこともできる。
特開平7−141074号公報
しかしながら、電源の供給を停止する間、外部記憶装置に揮発性の記憶装置のデータを記憶させる方法では、外部記憶装置から揮発性の記憶装置にデータを戻すのに時間を要する。よって、外部記憶装置によるデータのバックアップは、消費電力の低減を目的とした短時間の電源停止には適さない。
また、揮発性の記憶装置の周辺に配置された不揮発性の記憶装置は、主に磁気素子や強誘電体素子が用いられているため、信号処理回路の作製工程が複雑である。例えば、磁気素子では、希土類元素を使用するため、金属汚染を嫌うシリコン半導体のプロセスに組み入れるには、相当の注意を要する。
上述の課題に鑑み、本発明の一態様は、短時間の電源の供給停止により消費電力を抑えることができる信号処理回路を提供することを目的の一つとする。また、複雑な作製工程を必要とせず、消費電力を抑えることができる信号処理回路を提供することを目的の一とする。
本発明の一態様に係る信号処理回路は、レジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置に、電源の供給を停止する前に、第1の記憶回路から第2の記憶回路へデータの書き込みを行うとともに、ベリファイ回路において、第1の記憶回路に保持されたデータと、第2の記憶回路から読み出されたデータとが一致するか否かを判定することができる記憶素子を用いる。また、当該記憶素子は、電源の供給が再開されると、第2の記憶回路から第1の記憶回路にデータが再び保持させるとともに、ベリファイ回路において、第2の記憶回路から読み出されたデータと、第1の記憶回路に再び保持されたデータと、が一致するか否かを判定する。
本発明の一態様に係る信号処理回路は、第1の記憶回路と、第2の記憶回路と、ベリファイ回路と、第1及び第2のスイッチと、インバータと、低電位側の第1の電源線と、高電位側の第2の電源線と、を有し、第1の記憶回路は、電源が供給されている期間のみ第1のデータを保持するとともに、データ信号を出力し、第2の記憶回路は、第1の制御信号に基づいて、第1のデータに対応する第2のデータを保持し、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、第2の制御信号に基づいて、第2の記憶回路を介して第1の電源線と、インバータの入力端子と、を電気的に接続、又は第2の電源線と、インバータの入力端子と、を電気的に接続し、インバータは、出力端子から第2の記憶回路に保持された第2のデータを出力し、ベリファイ回路は、第1のデータと、第2のデータと、が一致するか否かを判定し、一致すると判定する場合には、第1の記憶回路に対して電源の供給を停止する。
上記構成において、第1の記憶回路に対して電源の供給が再開された場合に、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、第2の制御信号に基づいて、第2の記憶回路を介して第1の電源線と、インバータの入力端子と、を電気的に接続、又は第2の電源線と、インバータの入力端子と、を電気的に接続し、インバータの出力端子から、第2の記憶回路に保持された第2のデータを出力し、第2のデータは、第1の記憶回路に第1のデータとして再び保持され、ベリファイ回路は、第1のデータと、第2のデータと、が一致するか否かが判定する。
上記構成において、ベリファイ回路は、選択回路と、インバータと、を有する、信号処理回路である。
上記構成において、第2の記憶回路は、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、及び容量素子を有し、第1のトランジスタは、酸化物半導体層にチャネルが形成される、信号処理回路である。また、第1のトランジスタは、第2のトランジスタが形成された層の上に形成されている。
酸化物半導体層にチャネルが形成されるトランジスタは、チャネルが形成される領域が金属酸化物でなること以外は、素子構造や動作原理は、シリコンを用いたトランジスタと同様である。よって、シリコンを用いた集積回路と、非常に整合性がよいといえる。
本発明の一態様によれば、短時間の電源の供給停止により消費電力を抑えることができる信号処理回路を提供することができる。また、複雑な作製工程を必要とせず、消費電力を抑えることができる信号処理回路を提供することができる。
記憶素子の回路図。 記憶素子の回路図。 記憶素子の動作を示すタイミングチャート。 記憶素子の回路図。 記憶素子の回路図。 記憶素子の動作を示すタイミングチャート。 記憶装置のブロック図。 信号処理回路のブロック図。 記憶装置を用いたCPUのブロック図。 携帯用電子機器のブロック図。 メモリ回路のブロック図。 電子書籍のブロック図。 半導体装置の断面図。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れかわることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」の用語は、入れかえて用いることができるものとする。
「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限はない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
回路図上は独立している構成要素どうしが電気的に接続しているように図示されている場合であっても、実際には、例えば配線の一部が電極としても機能する場合など、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。本明細書において電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が「直上」または「直下」であることを限定するものではない。例えば、「ゲート絶縁層上のゲート電極」の表現であれば、ゲート絶縁層とゲート電極との間に他の構成要素を含むものを除外しない。また、「上」「下」の用語は説明の便宜のために用いる表現に過ぎない。
図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものである。
(実施の形態1)
信号処理回路は記憶装置を有し、記憶装置は1ビットのデータを記憶することができる記憶素子を、単数または複数有する。
なお、CPU、マイクロプロセッサ、画像処理回路、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のLSI(Large Scale Integrated Circuit)等が、本発明の信号処理回路の範疇に含まれる。
まず、本発明の一態様に係る記憶素子として、図1乃至図2を参照して説明する。
(記憶素子の構成)
図1に示す記憶素子100は、記憶回路101(第1の記憶回路とも呼ぶ)と、記憶回路102(第2の記憶回路とも呼ぶ)と、ベリファイ回路103と、スイッチ104と、スイッチ105と、インバータ106と、を有する。記憶回路101は、電源が供給されている期間のみノードM1において第1のデータを保持するとともに、出力信号Qを出力する、揮発性の記憶回路である。なお、記憶回路101は、必要に応じて、スイッチやアナログスイッチなどを、さらに有していてもよい。
記憶回路102は、トランジスタ112と、トランジスタ113と、容量素子114と、を有する。トランジスタ112のソース及びドレインの一方は、トランジスタ113のゲートと、容量素子114の一対の電極のうちの一方と、が電気的に接続されて、ノードN1を構成する。また、トランジスタ112のソース及びドレインの他方は、記憶回路101のノードM1と電気的に接続される。トランジスタ112は、制御信号S1に基づいて、オン状態またはオフ状態が制御される。
記憶回路102において、トランジスタ112は、例えば、シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体にチャネルが形成される。このような半導体としては、例えば、シリコンの2倍以上のバンドギャップを有することが好ましく、例えば、酸化ガリウムなどの酸化物半導体、窒化ガリウムなどの窒化物半導体、炭化シリコン、ガリウムヒ素などの化合物半導体が挙げられる。
本実施の形態では、トランジスタ112が有する半導体として、酸化物半導体を用いる場合について説明する。
トランジスタ112に用いる酸化物半導体は、電子供与体(ドナー)となる水または水素などの不純物が低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより、高純度化された酸化物半導体(purified Oxide Semiconductor)であることが好ましい。高純度化された酸化物半導体は、i型(真性半導体)又はi型に限りなく近い。そのため、上記酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が著しく小さいという特性を有する。また、酸化物半導体のバンドギャップは、2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3.0eV以上である。水または水素などの不純物濃度が十分に低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより、高純度化された酸化物半導体膜を用いることにより、トランジスタのオフ電流を著しく小さくすることができる。
なお、本明細書等において、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態のときに、ソースとドレインとの間に流れる電流をいう。nチャネル型トランジスタ(例えば、しきい値電圧が0V乃至2V程度)では、ゲートとソースの間に印加される電圧が負の電圧の場合に、ソースとドレインとの間を流れる電流のことをいう。
具体的に、高純度化された酸化物半導体膜を用いたトランジスタのオフ電流が小さいことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×10μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソースとドレイン間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。この場合、オフ電流をトランジスタのチャネル幅で除した数値に相当するオフ電流密度は、100zA/μm以下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流入または容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電流密度の測定を行った。当該測定では、上記トランジスタに高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジスタのオフ電流密度を測定した。その結果、トランジスタのソースとドレイン間の電圧が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに低いオフ電流密度が得られることが分かった。従って、高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、シリコンを用いたトランジスタに比べてオフ電流が著しく小さいといえる。
したがって、トランジスタ112として、酸化物半導体膜にチャネルが形成されるトランジスタを用いることにより、トランジスタ112のソース及びドレインの一方と、容量素子114の一対の電極のうちの一方とが電気的に接続されたノードN1の電位が一定に保たれた後、トランジスタ112をオフ状態としても、トランジスタ112を介してリークする電荷量を、著しく小さく抑えることができる。よって、ノードN1に、第1のデータに対応する第2のデータの電位を保持した後、トランジスタ112をオフ状態とすることにより、第2のデータの電位を長期間にわたり保持することができる。
トランジスタ113のソース及びドレインの一方と、容量素子114の一対の電極のうちの他方は、低電位(例えば、VSS)が与えられる第1の電源線V1と電気的に接続され、ソース及びドレインの他方は、スイッチ104の第1の端子と電気的に接続される。スイッチ104の第2の端子は、スイッチ105の第1の端子と、インバータ106の入力端子と電気的に接続される。スイッチ105の第2の端子は、高電位(例えば、VDD)が与えられる第2の電源線V2と電気的に接続される。
スイッチ104は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ115を用いて構成され、スイッチ105は、一導電型とは異なる導電型(例えば、pチャネル型)のトランジスタ116を用いて構成される。スイッチ104の第1の端子が、トランジスタ115のソース及びドレインの一方に相当し、第2の端子が、トランジスタ115のソース及びドレインの他方に相当する。スイッチ105の第1の端子が、トランジスタ116のソース及びドレインの一方に相当し、第2の端子が、トランジスタ116のソース及びドレインの他方に相当する。スイッチ104及びスイッチ105は、制御信号S2によって、第1の端子と第2の端子との間の導通状態または非導通状態が選択され、一方のスイッチの第1の端子と第2の端子との間が導通状態のときは、他方のスイッチの第1の端子と第2の端子との間が非導通状態となる。
例えば、制御信号S2がハイレベル電位の場合は、スイッチ104の第1の端子と第2の端子との間が導通状態、スイッチ105の第1の端子と第2の端子との間が非導通状態となり、トランジスタ113を介して、第1の電源線と、インバータ106の入力端子と、が電気的に接続される。または、制御信号S2がローレベル電位の場合は、スイッチ105の第1の端子と第2の端子との間が導通状態、スイッチ104の第1の端子と第2の端子との間が非導通状態となり、第2の電源線と、インバータ106の入力端子と、が電気的に接続される。
インバータ106の入力端子が、第1の電源線または第2の電源線と電気的に接続されることによって、インバータ106の出力端子から第1のデータに対応する第2のデータを出力する。
ベリファイ回路103は、第1のデータと、第2のデータと、が一致するか否かを判定する機能を有する。ベリファイ回路103は、インバータ117と、選択回路118と、を有する。インバータ106の出力端子は、選択回路118の入力端子の一方及びインバータ117を介して入力端子の他方と電気的に接続される。選択回路118は、ノードM1の電位に応じて、入力端子の一方または他方を選択して、出力端子から出力信号VERIを出力する。なお、インバータ106の出力端子と、ベリファイ回路103との接続部分をノードN2と記す。
記憶回路101は、選択回路111を有する。データ信号Dが入力される信号線と、選択回路111の入力端子の一方と、が電気的に接続され、インバータ106の出力端子(ノードN2)と、選択回路111の入力端子の他方と、が電気的に接続される。選択回路111は、制御信号S3に応じて、入力端子の一方または他方を選択する。
また、トランジスタ112以外のトランジスタ113、トランジスタ115、トランジスタ116などは、酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。例えば、シリコン層またはシリコン基板などのシリコン領域にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。または、記憶素子100は、トランジスタ112以外にも、酸化物半導体領域にチャネルが形成されるトランジスタを含んでいてもよく、残りのトランジスタは、酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることもできる。
なお、トランジスタ112は、酸化物半導体層を挟んで上下に2つのゲートを有していてもよい。一方のゲートには、トランジスタ112のオン状態またはオフ状態を制御するための制御信号S2が与えられ、他方のゲートは、電気的に絶縁しているフローティングの状態であってもよいし、電位が他から与えられている状態であってもよい。後者の場合、一対の電極に、同じ高さの電位が与えられていてもよいし、他方のゲートにのみ接地電位などの固定電位が与えられていてもよい。他方のゲートに与える電位の高さを制御することで、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。
以上が、記憶素子100の構成の説明である。
次に、図1に示す記憶素子とは、一部異なる記憶素子について、図2を参照して説明する。
図2に示す記憶素子150が、図1に示す記憶素子100と異なる点は、ベリファイ回路103の構成である。図2に示す記憶素子150のベリファイ回路103では、選択回路118を有しており、インバータ117を有していない。インバータ106の出力端子は、選択回路118の入力端子の一方と電気的に接続され、インバータ106の入力端子は、選択回路118の入力端子の他方と電気的に接続される。選択回路118は、ノードM1の電位に応じて、入力端子の一方または他方を選択する。なお、インバータ106の入力端子と、ベリファイ回路103の接続部分をノードN3と記す。
選択回路118の入力端子の一方を、インバータ106の出力端子と電気的に接続し、入力端子の他方を、インバータ106の入力端子と電気的に接続することで、図1に示す記憶素子100と比較して、トランジスタの数を低減することができる。これにより、記憶素子100と比較して、記憶素子の面積の縮小化を図ることができる。
(記憶素子の駆動方法)
次に、図1に示す記憶素子100へ電源の供給の後、データの保持時における消費電力を削減するために電源の供給を停止し、再び電源を供給する場合の駆動方法について、図3を参照して説明する。
図3のタイミングチャートにおいて、V0は電源を示し、記憶素子100全体の電源である。また、S1は制御信号S1の電位を示し、S2は制御信号S2の電位を示し、S3は制御信号S3の電位を示し、M1はノードM1の電位を示し、N1はノードN1の電位を示し、N2はノードN2の電位を示し、VERIはベリファイ回路103の出力信号VERIの電位を示す。
また、制御信号S3としてローレベル電位が選択回路111に入力されると、入力端子の一方が選択され、ハイレベル電位が選択回路111に入力されると、入力端子の他方が選択される。また、ノードM1の電位としてローレベル電位が選択回路118に入力されると、入力端子の一方が選択され、ハイレベル電位が選択回路118に入力されると、入力端子の他方が選択される。
(通常動作)
図3中、期間1の動作について説明する。期間1では、電源が記憶素子100に供給されている。ここで、電源V0は、ハイレベル電位(例えば、VDD)である。制御信号S1、制御信号S2、及び制御信号S3は、いずれもローレベル電位である。制御信号S3がローレベル電位の場合、選択回路111の入力端子の一方は、データ信号Dが入力される信号線と電気的に接続され、出力端子から、データ信号Dに対応する第1のデータ(図3中、dataXと表記)が出力される。記憶素子100へ電源が供給されている間は、記憶回路101は、ノードM1において第1のデータを保持する。また、ノードN1及びノードN2はどのような電位(図3中、Aと表記)であってもよく、出力信号VERIもどのような電位(図3中、Aと表記)であってもよい。また、制御信号S2がローレベル電位なので、スイッチ104の第1の端子と第2の端子との間が非導通状態、スイッチ105の第1の端子と第2の端子との間が導通状態となるので、インバータ106の入力端子と第2の電源線V2と、が電気的に接続され、インバータ106の入力端子にハイレベル電位が入力される。以上、期間1の動作を通常動作と呼ぶ。
(電源供給停止前の動作)
図3中、期間2の動作について説明する。期間2では、記憶素子100への電源の供給を停止する前に、制御信号S1をハイレベル電位として、トランジスタ112をオン状態とする。こうして、記憶回路101のノードM1に保持された第1のデータの電位が、トランジスタ112を介して、トランジスタ113のゲートに入力される。トランジスタ113のゲートに入力された電位は、容量素子114によって保持される。こうして、ノードN1に、記憶回路101に保持された第1のデータに対応する第2のデータの電位(図3中、VXと表記)が書き込まれる。
記憶回路102のノードN1に保持された第2のデータがハイレベル電位の場合、第2のデータを読み出すためには、制御信号S2をハイレベル電位として、スイッチ104の第1の端子と第2の端子との間を導通状態とし、スイッチ105の第1の端子と第2の端子との間を非導通状態とする。ノードN1はハイレベル電位であるため、トランジスタ113はオン状態となり、トランジスタ113を介して、第1の電源線と、インバータ106の入力端子と、が電気的に接続される。これにより、通常動作においてインバータ106の入力端子に入力されていたハイレベル電位がローレベル電位となる。こうして、ノードN2の電位は、記憶回路102に保持された第2のデータの電位(図3中、VXと表記)となる。
ベリファイ回路103では、第1のデータと第2のデータとが一致するか、否かが判定される。ベリファイ回路103は、ノードM1における電位と、ノードN2における電位とが、互いにローレベル電位、またはハイレベル電位である場合に、出力信号VERIとしてローレベル電位を出力する。
ノードM1に保持された第1のデータがハイレベル電位であるので、選択回路118にハイレベル電位が入力され、ノードN2における第2のデータのハイレベル電位が、インバータ117を介して選択回路118の入力端子の他方に入力される。よって、選択回路118の出力端子から、出力信号VERIとしてローレベル電位が出力される。制御回路(図示せず)において、規定期間、出力信号VERIとしてローレベル電位が検知されると、制御回路においてノードM1における第1のデータと、ノードN2における第2のデータと、が一致すると判定される。
なお、ノードN1に保持された第2のデータがローレベル電位の場合、第2のデータを読み出すためには、制御信号S2をハイレベル電位として、スイッチ104の第1の端子と第2の端子との間を導通状態とし、スイッチ105の第1の端子と第2の端子との間を非導通状態とする。ノードN1はローレベル電位であるため、トランジスタ113はオフ状態となり、インバータ106の入力端子は、第1の電源線V1及び第2の電源線V2とも電気的に接続されない。これにより、通常動作においてインバータ106の入力端子に入力されていたハイレベル電位がそのまま保持され、インバータ106の出力端子からローレベル電位が出力される。こうして、ノードN2の電位は、記憶回路102に保持された第2のデータの電位となる。
ノードM1に保持された第1のデータがローレベル電位であるので、選択回路118にローレベル電位が入力され、ノードN2における第2のデータのローレベル電位が、選択回路118の入力端子の一方に入力される。よって、選択回路118の出力端子から、出力信号VERIとしてローレベル電位が出力される。制御回路(図示せず)において、規定期間、出力信号VERIとしてローレベル電位が検知されると、制御回路においてノードM1における第1のデータと、ノードN2における第2のデータと、が一致すると判定される。
制御回路において、第1のデータと、第2のデータとが一致すると判定された場合には、制御信号S1及び制御信号S2をローレベル電位として、記憶回路102に第2のデータを書き込むことを終了する。
以上、期間2の動作を、電源供給停止前の動作と呼ぶ。
(電源供給停止の動作)
図3中、期間3の動作について説明する。電源供給停止前の動作を行った後、期間3のはじめに、記憶素子100への電源の供給を停止する。ここで、電源V0をローレベル電位(例えば、VSS)とする。記憶素子100へ電源の供給が停止すると、記憶回路101に保持されていた第1のデータ(dataX)は消えてしまう。しかしながら、記憶回路102では、トランジスタ112として、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタを用いており、当該トランジスタは、オフ電流が極めて小さいため、容量素子114によって保持された電位を長期間保持することができる。したがって、記憶素子100は、電源の供給が停止した後も、記憶回路102において、第2のデータ(VX)を保持することができる。以上、期間3の動作を、電源供給停止の動作と呼ぶ。
(電源供給再開の動作)
図3中、期間4の動作について説明する。記憶素子100への電源の供給を再開する。ここで、電源V0をハイレベル電位とする。また、制御信号S2がローレベル電位なので、スイッチ104の第1の端子と第2の端子との間が非導通状態、スイッチ105の第1の端子と第2の端子との間が導通状態となるので、インバータ106の入力端子と第2の電源線V2と、が電気的に接続され、インバータ106の入力端子にハイレベル電位が入力される。
記憶回路102のノードN1に保持されていた第2のデータがハイレベル電位の場合、第2のデータを読み出すためには、制御信号S2をハイレベル電位として、スイッチ104の第1の端子と第2の端子との間を導通状態とし、スイッチ105の第1の端子と第2の端子との間を非導通状態とする。ノードN1はハイレベル電位であるため、トランジスタ113はオン状態となり、トランジスタ113を介して、第1の電源線と、インバータ106の入力端子と、が電気的に接続される。これにより、インバータ106の出力端子からハイレベル電位が出力される。こうして、ノードN2の電位は、記憶回路102に保持された第2のデータの電位(図3中、VXと表記)となる。
このとき、選択回路111に、制御信号S3としてハイレベル電位が入力されることで、選択回路111の入力端子の他方が選択される。これにより、選択回路111の入力端子の他方と、ノードM1とが電気的に接続され、選択回路111の出力端子から第2のデータに対応する第1のデータが出力される。こうして、記憶回路101は、電源の供給停止前に保持していた第1のデータ(dataX)として、ハイレベル電位を再び保持することができる。
再びノードM1に保持された第1のデータがハイレベル電位であるので、選択回路118にハイレベル電位が入力され、ノードN2における第2のデータとしてハイレベル電位が、インバータ117を介して選択回路118の入力端子の他方に入力される。よって、選択回路118の出力端子から、出力信号VERIとしてローレベル電位が出力される。制御回路(図示せず)において、規定期間、出力信号VERIとしてローレベル電位が検知されると、制御回路においてノードM1における第1のデータと、ノードN2における第2のデータと、が一致すると判定される。
なお、記憶回路102のノードN1に保持されていた第2のデータがローレベル電位の場合、第2のデータを読み出すためには、制御信号S2をハイレベル電位として、スイッチ104の第1の端子と第2の端子との間を導通状態とし、スイッチ105の第1の端子と第2の端子との間を非導通状態とする。ノードN1はローレベル電位であるため、トランジスタ113はオフ状態となり、インバータ106の入力端子は、第1の電源線V1及び第2の電源線V2とも電気的に接続されない。また、インバータ106の入力端子は、ハイレベル電位であるため、インバータ106の出力端子からローレベル電位が出力される。こうして、ノードN2の電位は、記憶回路102に保持された第2のデータの電位となる。
このとき、選択回路111に制御信号S3としてハイレベル電位が入力されることで、選択回路111の入力端子の他方が選択される。これにより、選択回路111の入力端子の他方と、ノードM1とが電気的に接続され、出力端子から第2のデータに対応する第1のデータが出力される。こうして、記憶回路101は、電源の供給停止前に保持していた第1のデータ(dataX)として、ローレベル電位を再び保持することができる。
再びノードM1に保持された第1のデータがローレベル電位であるので、選択回路118にローレベル電位が入力されることで、ノードN2における第2のデータとしてローレベル電位が、選択回路118の入力端子の一方に入力される。よって、選択回路118の出力端子から、出力信号VERIとしてローレベル電位が出力される。制御回路(図示せず)において、規定期間、出力信号VERIとしてローレベル電位が検知されると、制御回路においてノードM1における第1のデータと、ノードN2における第2のデータと、が一致すると判定される。
制御回路において、第1のデータと、第2のデータと、が一致すると判定された場合には、制御信号S2及び制御信号S3をローレベル電位とする。
以上、期間4の動作を、電源供給再開の動作と呼ぶ。
その後、期間5において、通常動作が再開される。
本発明の一態様に係る記憶素子及びその駆動方法では、記憶素子100に電源が供給されない間は、記憶回路101に保持されていたデータを、記憶回路102によって保持することができる。
記憶回路102に用いられるトランジスタ112は、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタである。当該トランジスタのオフ電流は、シリコンなどの半導体にチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流と比較して、著しく小さい。したがって、当該トランジスタを、トランジスタ112として用いることによって、トランジスタ112のソース及びドレインの一方と、容量素子114の一対の電極のうち一方と、が電気的に接続されたノードN1の電位が一定に保たれた後、トランジスタ112をオフ状態としても、トランジスタ112を介してリークする電荷量を、著しく小さくすることができる。つまり、記憶素子100に電源が供給されない間も容量素子114に保持された電位は、長期間にわたり保たれる。このようなトランジスタ112を用いて記憶素子を構成することにより、電源の供給が停止した間も記憶内容(データ)を保持することができる。
記憶素子100は、電源供給停止前に、記憶回路101から記憶回路102にデータを退避するとともに、記憶回路102からデータを読み出し、ベリファイ回路103において記憶回路102に保持されたデータが、記憶回路101に保持されているデータと一致するか、否かを判定することができる。また、電源供給再開後に、記憶回路102から記憶回路101にデータを復元するとともに、ベリファイ回路103において、記憶回路102に保持されていたデータが、記憶回路101に復元されたデータと一致するか、否かを判定することができる。このように記憶素子100は、ベリファイのための時間を別途設けることなく、記憶回路101から記憶回路102へデータを退避、または記憶回路102から記憶回路101へデータを復帰させると同時にベリファイを行うことができる。
また、このような記憶素子を複数用いてレジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置を構成する場合、各記憶素子への書き込みに要する時間が異なっていても、制御回路において、記憶素子の書き込みが終了するまで、書き込みを続けるように制御することで、正常に書き込みを行うことができる。
このような記憶素子100を一または複数用いて、信号処理回路が有する記憶装置を構成することにより、電源供給停止による記憶装置内のデータの消失を防止することができる。また、電源の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、短い時間でも記憶装置への電源停止を行うことができるため、信号処理回路全体、もしくは信号処理回路を構成する一または複数の記憶装置の消費電力を抑えることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、第2の記憶回路に不良が発生した場合に、不良が発生した第2の記憶回路と代替させるための第2の記憶回路をさらに有する記憶素子について、図4乃至図6を参照して説明する。
図4に示す記憶素子200は、図1に示す記憶素子100と同様に、記憶回路101と、記憶回路102と、ベリファイ回路103と、スイッチ104と、スイッチ105と、インバータ106と、を有する。記憶素子200は、さらに、スイッチ202と、記憶回路203と、スイッチ208と、スイッチ209と、インバータ210と、選択回路211と、選択回路212と、を有する。ここで、記憶回路203は、記憶回路102と同様の構成であり、スイッチ208はスイッチ104と同様の構成であり、スイッチ209はスイッチ105と同様の構成であり、インバータ210はインバータ106と同様の構成である。
スイッチ202の第1の端子は、制御信号S5が入力される信号線と電気的に接続され、第2の端子は、選択回路211及び選択回路212と、電気的に接続される。スイッチ202と、選択回路211及び選択回路212との接続部分をノードN4と記す。
スイッチ202は、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタ222を用いて構成される。スイッチ202の第1の端子が、トランジスタ222のソース及びドレインの一方に相当し、第2の端子が、トランジスタ222のソース及びドレインの他方に相当する。スイッチ202は、制御信号S4によって、第1の端子と第2の端子との間の導通状態または非導通状態を選択する。
スイッチ202として、酸化物半導体膜にチャネルが形成されるトランジスタ222を用いることにより、ノードN4の電位が一定に保たれた後、トランジスタ222をオフ状態としても、トランジスタ222を介してリークする電荷量を著しく小さく抑えることができる。よって、ノードN4に、制御信号S5の電位を保持した後、トランジスタ222をオフ状態とすることにより、ノードN4の電位を長期間にわたり保持することができる。
選択回路211の入力端子には、ノードM1が電気的に接続され、出力端子の一方は、記憶回路102が電気的に接続され、出力端子の他方は、記憶回路203が電気的に接続される。選択回路211は、ノードN4の電位に応じて、出力端子の一方または他方が選択される。
記憶回路102は、トランジスタ112と、トランジスタ113と、容量素子114と、を有する。トランジスタ112のソース及びドレインの一方は、トランジスタ113のゲートと、容量素子114の一対の電極のうちの一方と、電気的に接続されて、ノードN1を構成する。
記憶回路203は、記憶回路101と同様な構成を有しており、記憶回路102と代替させることができる。記憶回路203は、トランジスタ226と、トランジスタ227と、容量素子228と、を有する。トランジスタ226のソース及びドレインの一方は、トランジスタ227のゲートと、容量素子228の一対の電極のうちの一方と、が電気的に接続されて、ノードN5を構成する。
トランジスタ112のソース及びドレインの他方は、選択回路211の出力端子の一方と接続され、トランジスタ226のソース及びドレインの他方は、選択回路211の出力端子の他方と接続される。また、トランジスタ112及びトランジスタ226は、制御信号S1に基づいて、オン状態またはオフ状態が選択される。
トランジスタ226は、トランジスタ112と同様に、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタが用いられている。これにより、トランジスタ226のソース及びドレインの一方と、容量素子228の一対の電極のうちの一方とが電気的に接続されたノードN5の電位が一定に保たれた後、トランジスタ226をオフ状態としても、トランジスタ226を介してリークする電荷量を、著しく小さく抑えることができる。よって、ノードN5に、第1のデータに対応する第2のデータの電位を保持した後、トランジスタ226をオフ状態とすることにより、第2のデータの電位を長期間にわたり保持することができる。
トランジスタ113のソース及びドレインの一方と、容量素子114の一対の電極のうちの他方と、トランジスタ227のソース及びドレインの一方と、容量素子228の一対の電極のうちの他方は、低電位が与えられる第1の電源線V1と電気的に接続される。
トランジスタ113のソース及びドレインの他方は、スイッチ104の第1の端子と電気的に接続される。スイッチ104の第2の端子は、スイッチ105の第1の端子と、インバータ106の入力端子と電気的に接続される。
トランジスタ227のソース及びドレインの他方は、スイッチ208の第1の端子と電気的に接続される。スイッチ208の第2の端子は、スイッチ209の第1の端子と、インバータ210の入力端子と電気的に接続される。
スイッチ105の第2の端子及びスイッチ209の第2の端子は、高電位が与えられる第2の電源線V2と電気的に接続される。
スイッチ208は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ231を用いて構成され、スイッチ209は、一導電型とは異なる導電型(例えば、pチャネル型)のトランジスタ232を用いて構成される。スイッチ208の第1の端子が、トランジスタ231のソース及びドレインの一方に相当し、第2の端子が、トランジスタ231のソース及びドレインの他方に相当する。スイッチ209の第1の端子が、トランジスタ232のソース及びドレインの一方に相当し、第2の端子が、トランジスタ232のソース及びドレインの他方に相当する。スイッチ208及びスイッチ209は、制御信号S2によって、第1の端子と第2の端子との間の導通状態または非導通状態が選択され、一方のスイッチの第1の端子と第2の端子との間が導通状態のときは、他方のスイッチの第1の端子と第2の端子との間が非導通状態となる。
例えば、制御信号S2がハイレベル電位の場合は、スイッチ208の第1の端子と第2の端子との間が導通状態、スイッチ209の第1の端子と第2の端子との間が非導通状態となり、トランジスタ227を介して、第1の電源線と、インバータ210の入力端子と、が電気的に接続される。また、制御信号S2がローレベル電位の場合は、スイッチ209の第1の端子と第2の端子との間が導通状態、スイッチ208の第1の端子と第2の端子との間が非導通状態となり、第2の電源線と、インバータ210の入力端子と、が電気的に接続される。
選択回路212の入力端子の一方は、インバータ106の出力端子と電気的に接続され、入力端子の他方は、インバータ210の出力端子と電気的に接続される。選択回路212は、ノードN4の電位に応じて、インバータ106の出力端子、またはインバータ210の出力端子の一方を選択する。
ノードN4の電位がローレベル電位の場合は、選択回路211によって、記憶回路102が選択され、選択回路212によって、インバータ106の出力端子が選択される。また、ノードN4の電位がハイレベル電位の場合は、選択回路211によって、記憶回路203が選択され、選択回路212によって、インバータ210の出力端子が選択される。
ベリファイ回路103は、選択回路212から出力された第2のデータと、ノードM1に保持されている第1のデータとが、一致するか否かを判定する。ベリファイ回路103は、図1と同様の構成とすることができる。ここで、選択回路212の出力端子と、ベリファイ回路103との接続部分をノードN2と記す。
記憶回路101は、選択回路111を有する。データ信号Dが入力される信号線と、選択回路111の入力端子の一方と、が電気的に接続され、選択回路212の出力端子(ノードN2)と、選択回路111の入力端子の他方と、が電気的に接続される。選択回路111は、制御信号S3に応じて、入力端子の一方または他方を選択する。
また、トランジスタ112、トランジスタ222、及びトランジスタ226以外のトランジスタ227、231、232などは、酸化物半導体以外の半導体でなる層または基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。例えば、シリコン層またはシリコン基板などのシリコン領域にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。または、記憶素子200は、トランジスタ112、トランジスタ222、及びトランジスタ226以外にも、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタを含んでいてもよく、残りのトランジスタは、酸化物半導体以外の半導体でなる層または半導体基板などの半導体領域にチャネルが形成されるトランジスタとすることもできる。
なお、トランジスタ226は、トランジスタ112と同様に酸化物半導体層を挟んで上下に2つのゲートを有していてもよい。一方のゲートには、トランジスタ112のオン状態またはオフ状態を制御するための制御信号S2が与えられ、他方のゲートは、電気的に絶縁しているフローティングの状態であってもよいし、電位が他から与えられている状態であってもよい。後者の場合、一対の電極に、同じ高さの電位が与えられていてもよいし、他方のゲートにのみ接地電位などの固定電位が与えられていてもよい。他方のゲートに与える電位の高さを制御することで、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。
次に、図4に示す記憶素子とは、一部異なる記憶素子について、図5を参照して説明する。
図5に示す記憶素子250が、図4に示す記憶素子200と異なる点は、記憶回路213の構成である。図5に示す記憶素子250の記憶回路213では、選択回路233及びトランジスタ234を有しており、トランジスタ113、トランジスタ227、スイッチ208、スイッチ209、インバータ210、選択回路212を有していない。選択回路233の入力端子の一方は、ノードN1と電気的に接続され、入力端子の他方は、ノードN5と電気的に接続され、選択回路233の出力端子は、トランジスタ234のゲートに電気的に接続される。選択回路233は、ノードN4の電位に応じて、入力端子の一方または他方を選択する。
トランジスタ234のソース及びドレインの一方と、容量素子114の一対の電極のうちの他方と、容量素子228の一対の電極のうちの他方は、低電位が与えられる第1の電源線V1と接続される。また、トランジスタ234のソース及びドレインの他方は、スイッチ104の第1の端子と電気的に接続される。スイッチ104の第2の端子は、スイッチ105の第1の端子と、インバータ106の入力端子と電気的に接続される。また、スイッチ105の第2の端子は、第2の電源線V2と電気的に接続される。
選択回路233の入力端子の一方を、ノードN1と電気的に接続し、入力端子の他方を、ノードN5と電気的に接続することで、図4に示す記憶素子200と比較して、トランジスタの数を低減することができる。これにより、記憶素子200と比較して、面積の縮小化を図ることができる。
(記憶素子の駆動方法)
図4に示す記憶素子200において、電源の供給の後、データの保持時における消費電力を削減するために電源の供給を停止し、再び電源を供給する場合の駆動方法について、図4及び図6を参照して説明する。
本実施の形態では、電源供給停止前の期間において、ベリファイ回路103から出力された出力信号VERIが、規定期間ハイレベル電位を出力し続けた場合について、図6を参照して説明する。
(通常動作)
図6中、期間1の動作について説明する。期間1では、電源が記憶素子200に供給されている。ここで、電源V0は、VDD(ハイレベル電位)である。制御信号S1乃至制御信号S5は、いずれもローレベル電位である。記憶回路101は、ノードM1において第1のデータを保持する。また、制御信号S2がローレベル電位なので、スイッチ104及びスイッチ208の第1の端子と第2の端子との間が非導通状態、スイッチ105及びスイッチ209の第1の端子と第2の端子との間が導通状態となる。これにより、インバータ106の入力端子と第2の電源線V2と、が電気的に接続され、インバータ106の入力端子にハイレベル電位が入力され、インバータ210の入力端子と第2の電源線V2と、が電気的に接続され、インバータ210の入力端子にハイレベル電位が入力される。また、ノードN1、ノードN2、ノードN5は、どのような電位であってもよい。なお、ノードN4の電位はローレベル電位であるため、選択回路211は出力端子の一方、選択回路212は入力端子の一方が選択されている。
(電源供給停止前の動作)
図6中、期間2の動作について説明する。期間2では、記憶素子200への電源の供給を停止する前に、制御信号S1をハイレベル電位として、トランジスタ112及びトランジスタ226をオン状態とする。こうして、記憶回路101のノードM1に保持された第1のデータの電位が、トランジスタ112を介して、トランジスタ113のゲートに入力される。トランジスタ113のゲートに入力された電位は、容量素子114によって保持される。こうして、ノードN1に、記憶回路101に保持された第1のデータに対応する第2のデータの電位(図6中、VXと表記)が保持される。
ここで、ベリファイ回路103から出力信号VERIとしてハイレベル電位が出力されたとする。規定期間、出力信号VERIとしてハイレベル電位が、制御回路(図示せず)にいて検知されると、制御回路においてノードM1における第1のデータと、ノードN2における第2のデータと、が一致しないと判定される。
制御回路は、規定期間、出力信号VERIがハイレベル電位であることを検知すると、制御信号S5をハイレベル電位とし、制御信号S4をハイレベル電位とする。制御信号S4がハイレベル電位となることにより、スイッチ202の第1の端子と第2の端子は導通状態となる。こうして、ノードN4は、ハイレベル電位となる。ノードN4の電位が一定に保たれた後、制御信号S4をローレベル電位とすることで、スイッチ202の第1の端子と第2の端子との間は、非導通状態となる。スイッチ202として、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタ222を用いることにより、ノードN4の電位が一定に保たれた後、トランジスタ222をオフ状態としても、ノードN4の電位を長期間にわたり保持することができる。
ノードN4がハイレベル電位となることにより、選択回路211は出力端子の他方、選択回路212は入力端子の他方を選択する。記憶回路203のトランジスタ226は、オン状態であるため、記憶回路101のノードM1に保持された第1のデータの電位が、トランジスタ226を介して、トランジスタ227のゲートに入力される。トランジスタ227のゲートに入力された電位は、容量素子228によって保持される。こうして、ノードN5に、記憶回路101に保持された第1のデータに対応する第2のデータの電位(図6中、VXと表記)が保持される。
記憶回路203のノードN5に保持された第2のデータがハイレベル電位の場合、第2のデータを読み出すためには、制御信号S2をハイレベル電位として、スイッチ208の第1の端子と第2の端子との間を導通状態とし、スイッチ209の第1の端子と第2の端子との間を非導通状態とする。ノードN5はハイレベル電位であるため、トランジスタ227はオン状態となり、トランジスタ227を介して、第1の電源線と、インバータ210の入力端子と、が電気的に接続される。これにより、インバータ210の出力端子からハイレベル電位が出力される。インバータ210の出力が選択回路212から出力されることにより、ノードN2の電位は、記憶回路101に保持された第1のデータに対応する第2のデータの電位(図6中、VXと表記)となる。
なお、記憶回路203のノードN5に保持された第2のデータがローレベル電位の場合、制御信号S2をハイレベル電位として、スイッチ208の第1の端子と第2の端子との間を導通状態とし、スイッチ209の第1の端子と第2の端子との間を非導通状態とする。ノードN1はローレベル電位であるため、トランジスタ227はオフ状態となり、インバータ210の入力端子は、第1の電源線V1及び第2の電源線V2とも電気的に接続されない。これにより、通常動作においてインバータ106の入力端子に入力されていたハイレベル電位がそのまま保持され、インバータ210の出力端子からローレベル電位が出力される。インバータ210の出力が選択回路212から出力されることにより、ノードN2の電位は、記憶回路101に保持された第1のデータに対応する第2のデータの電位となる。
ベリファイ回路103に、第1のデータと、第2のデータと、が入力される。制御回路(図示せず)において、規定期間、出力信号VERIとしてローレベル電位が検知されると、制御回路において、ノードM1における第1のデータと、ノードN2における第2のデータと、が一致すると判定される。
制御回路において、第1のデータと、第2のデータとが一致すると判定された場合には、制御信号S1及び制御信号S2をローレベル電位として、記憶回路203に第2のデータを書き込むことを終了する。
(電源供給停止の動作)
図6中、期間3の動作について説明する。電源供給停止前の動作を行った後、期間3のはじめに、記憶素子200への電源の供給を停止する。ここで、電源V0をVSSとする。記憶素子200へ電源の供給が停止すると、記憶回路101に保持されていた第1のデータ(dataX)は消えてしまう。しかしながら、記憶回路203では、トランジスタ226として、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタを用いており、当該トランジスタは、オフ電流が著しく小さいため、容量素子228によって保持された電位を長期間保持することができる。したがって、記憶素子200は、電源の供給が停止した後も、記憶回路203において、第2のデータ(VX)を保持することができる。
また、記憶素子200では、スイッチ202として、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタ222を用いており、当該トランジスタは、オフ電流が著しく小さいため、ノードN4によって保持された電位を長期間保持することができる。したがって、記憶素子200は、電源の供給が停止した後も、ノードN4の電位を保持することができる。
(電源供給再開の動作)
図6中、期間4の動作について説明する。記憶素子200への電源の供給を再開する。ここで、電源V0をVDDとする。また、制御信号S2がローレベル電位なので、スイッチ104及びスイッチ208の第1の端子と第2の端子との間が非導通状態、スイッチ105及びスイッチ209の第1の端子と第2の端子との間が導通状態となる。これにより、インバータ106の入力端子と第2の電源線V2と、が電気的に接続され、インバータ106の入力端子にハイレベル電位が入力され、インバータ210の入力端子と第2の電源線V2と、が電気的に接続され、インバータ210の入力端子にハイレベル電位が入力される。なお、ノードN4の電位はハイレベル電位であるため、選択回路211は出力端子の他方、選択回路212は入力端子の他方が選択されている。
記憶回路203のノードN5に保持されていた第2のデータがハイレベル電位の場合、第2のデータを読み出すためには、制御信号S2をハイレベル電位として、スイッチ208の第1の端子と第2の端子との間を導通状態とし、スイッチ209の第1の端子と第2の端子との間を非導通状態とする。ノードN5はハイレベル電位であるため、トランジスタ227はオン状態となり、トランジスタ227を介して、第1の電源線と、インバータ210の入力端子と、が電気的に接続される。これにより、インバータ210の出力端子からハイレベル電位が出力される。こうして、ノードN2の電位は、記憶回路203に保持された第2のデータの電位(図6中、VXと表記)となる。
なお、記憶回路203のノードN5に保持されていた第2のデータがローレベル電位の場合、第2のデータを読み出すためには、制御信号S2をハイレベル電位として、スイッチ208の第1の端子と第2の端子との間を導通状態とし、スイッチ209の第1の端子と第2の端子との間を非導通状態とする。ノードN1はローレベル電位であるため、トランジスタ227はオフ状態となり、インバータ210の入力端子は、第1の電源線V1及び第2の電源線V2とも電気的に接続されない。また、インバータ210の入力端子はハイレベル電位であるため、インバータ210の出力端子からローレベル電位が出力される。インバータ210の出力が選択回路212から出力されることにより、ノードN2の電位は、記憶回路101に保持された第1のデータに対応する第2のデータの電位となる。
このとき、選択回路111に、制御信号S3としてハイレベル電位が入力されることで、選択回路111の入力端子の他方が選択される。これにより、選択回路111の入力端子の他方と、ノードN2とが電気的に接続され、選択回路111の出力端子から第2のデータに対応する第1のデータが出力される。こうして、記憶回路101は、電源の供給停止前に保持していた第1のデータ(dataX)を再び保持することができる。
ベリファイ回路103に、再びノードM1に保持された第1のデータと、ノードN2に保持されていた第2のデータと、が入力される。制御回路(図示せず)において、規定期間、出力信号VERIとしてローレベル電位が検知されると、制御回路において、ノードM1における第1のデータと、ノードN2における第2のデータと、が一致すると判定される。
制御回路において、第1のデータと、第2のデータと、が一致すると判定された場合には、制御信号S2及び制御信号S3をローレベル電位とする。
その後、期間5において、通常動作が再開される。
本発明の一態様に係る記憶素子及びその駆動方法では、記憶回路102に不具合が生じ、第2のデータが正しく保持できない場合であっても、記憶回路102と同様の機能を有する記憶回路203と代替させることで、記憶回路203に、第2のデータを保持することができる。
なお、記憶回路101に保持された第1のデータを、記憶回路102に第1のデータに対応する第2のデータとして保持する場合は、図6のタイミングチャートにおける期間1〜期間5において、ノードN4の電位を、ローレベル電位のままとして、記憶素子200を動作させればよい。
本実施の形態に示す記憶素子200は、記憶回路102と記憶回路203の一方の記憶回路において不良が発生した場合、他方の記憶回路によって代替させることができる。例えば、記憶回路102に不良が発生した場合には、速やかに記憶回路203を代替させることができる。
また、記憶素子200は、電源供給停止前に記憶回路101から記憶回路102にデータを退避するとともに、記憶回路102からデータを読み出し、ベリファイ回路103において記憶回路102に保持されたデータが、記憶回路101に保持されているデータと一致するか、否かを判定することができる。一致しないと判定された場合には、不良が生じた記憶回路102を、記憶回路203と代替し、記憶回路203に記憶回路101のデータを退避するとともに、記憶回路203からデータを読み出し、ベリファイ回路103において記憶回路203に保持されたデータが、記憶回路101に保持されているデータと一致するか、否かを判定することができる。また、電源供給再開後に、記憶回路203から記憶回路101にデータを復元するとともに、ベリファイ回路103において、記憶回路203に保持されていたデータが、記憶回路101に復元されたデータと一致するか、否かを判定することができる。このように記憶素子200は、ベリファイの時間を別途設けることなく、記憶回路101から記憶回路203へデータを退避、または記憶回路203から記憶回路101へデータを復帰させると同時にベリファイを行うことができる。
このような記憶素子200を一または複数用いて、信号処理回路が有する記憶装置を構成することにより、電源供給停止による記憶装置内のデータの消失を防止することができる。また、電源の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、短い時間でも記憶装置への電源停止を行うことができるため、信号処理回路全体、もしくは信号処理回路を構成する一または複数の記憶装置の消費電力を抑えることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、先の実施の形態に示す記憶素子を複数用いた記憶装置について、図7を参照して説明する。
図7に、記憶装置の一形態を示す。図7に示す記憶装置は、制御回路301と、記憶素子を複数有する記憶素子群303と、を有している。図7(A)では、記憶素子302a〜302cとして、実施の形態1に示す記憶素子100を用いる場合について示し、図7(B)では、記憶素子302a〜302cとして、実施の形態2に示す記憶素子200を用いる場合について示す。
図7(A)に示す記憶装置において、制御回路301は、電源V0、制御信号S1、制御信号S2、及び制御信号S3を出力し、記憶素子302a〜302cに供給する。また、制御回路301は、記憶素子302a〜302cにおけるベリファイ回路の出力信号VERIを検知し、出力信号VERIに応じて、電源V0、制御信号S1、制御信号S2、及び制御信号S3を制御して出力し、記憶素子302a〜302cに供給する。
また、記憶素子302aは、データ信号Dが入力され、データ信号Q[0]を出力する。記憶素子302bは、データ信号Q[0]が入力され、データ信号Q[1]を出力する。記憶素子302cは、データ信号Q[1]が入力され、データ信号Q[2]を出力する。
記憶装置に電源供給停止前の動作を行う場合、制御回路301において、記憶素子302a〜302c全てのベリファイ回路の出力信号VERIが、ローレベル電位であることを検知したら、制御回路301は、電源V0としてローレベル電位を出力する。これにより、記憶素子群303へ電源の供給を停止することができる。
記憶素子302a〜302cにおいて、第2の記憶回路への書き込みに要する時間がそれぞれ異なっている場合でも、制御回路301によって、全ての記憶素子302a〜302cが有する第2の記憶回路の書き込みが終了するまで、書き込みを続けるように制御することで、正常に書き込みを行うことができる。
記憶装置への電源供給を停止した後、再開した場合、制御回路301において、記憶素子302a〜302c全てのベリファイ回路の出力信号VERIが、ローレベル電位であることを検知したら、制御回路301は、記憶素子群303が通常動作を行うように制御する。
図7(B)に示す記憶装置において、制御回路301は、電源V0、制御信号S1、制御信号S2、制御信号S3、制御信号S4、及び制御信号S5を出力し、記憶素子302a〜302cに供給する。また、制御回路301は、記憶素子302a〜302cにおけるベリファイ回路の出力信号VERIを検知し、出力信号VERIに応じて、電源V0、制御信号S1、制御信号S2、制御信号S3、制御信号S4、及び制御信号S5を制御して出力し、記憶素子302a〜302cに供給する。
記憶素子302a〜302cとして、記憶素子200を用いる場合、各記憶素子は、第2の記憶回路の不良が生じたときのための代替用の第2の記憶回路を有する。そのため、電源供給停止前において、記憶素子302a〜302cの少なくとも一のベリファイ回路の出力信号VERIが、規定期間、ハイレベル電位であることを制御回路301において検知した場合、当該記憶素子を不良とみなし、制御信号S5を制御することで、不良の生じた記憶素子において、不良の生じた第2の記憶回路を、代替用の第2の記憶回路に代替させることができる。
なお、本実施の形態では、記憶装置の内部に設けられた制御回路によって電源V0の供給の制御を行う場合について示したが、記憶装置の外部に設けられた制御回路によって電源V0の制御を行っても良い。
本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1及び2で示した記憶素子や、実施の形態3で示した記憶装置を用いた信号処理回路の構成について、図8を参照して説明する。
図8に、本発明の一態様に係る信号処理回路の一例を示す。信号処理回路は、一または複数の演算回路と、一または複数の記憶装置とを少なくとも有する。具体的に、図8に示す信号処理回路450は、演算回路451、演算回路452、記憶装置453、記憶装置454、記憶装置455、制御装置456、電源制御回路457を有する。
演算回路451、演算回路452は、単純な論理演算を行う論理回路をはじめ、加算器、乗算器、さらには各種演算回路などを含む。そして、記憶装置453は、演算回路451における演算処理の際に、データを一時的に保持するレジスタとして機能する。記憶装置454は、演算回路452における演算処理の際に、データを一時的に保持するレジスタとして機能する。
また、記憶装置455はメインメモリとして用いることができ、制御装置456が実行するプログラムをデータとして記憶する、或いは演算回路451、演算回路452からのデータを記憶することができる。
制御装置456は、信号処理回路450が有する演算回路451、演算回路452、記憶装置453、記憶装置454、記憶装置455の動作を統括的に制御する回路である。なお、図8では、制御装置456が信号処理回路450の一部である構成を示しているが、制御装置456は信号処理回路450の外部に設けられていても良い。
実施の形態1及び実施の形態2で示した記憶素子や、実施の形態3で示した記憶装置を記憶装置453、記憶装置454、記憶装置455に用いることで、記憶装置453、記憶装置454、記憶装置455への電源の供給を停止しても、データを保持することができる。よって、信号処理回路450全体への電源の供給を停止し、消費電力を抑えることができる。或いは、記憶装置453、記憶装置454、または記憶装置455のいずれか一つまたは複数への電源の供給を停止し、信号処理回路450の消費電力を抑えることができる。また、電源の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。
また、記憶装置への電源の供給が停止されるのに合わせて、当該記憶装置とデータのやり取りを行う演算回路または制御回路への、電源の供給を停止するようにしても良い。例えば、演算回路451と記憶装置453において、動作が行われない場合、演算回路451及び記憶装置453への電源の供給を停止するようにしても良い。
また、電源制御回路457は、信号処理回路450が有する演算回路451、演算回路452、記憶装置453、記憶装置454、記憶装置455、制御装置456へ供給する電源の大きさを制御する。そして、電源の供給を停止するためのスイッチング素子は、電源制御回路457に設けられていても良いし、演算回路451、演算回路452、記憶装置453、記憶装置454、記憶装置455、制御装置456のそれぞれに設けられていても良い。後者の場合、電源制御回路457は、必ずしも本発明の信号処理回路に設ける必要はない。
なお、メインメモリである記憶装置455と、演算回路451、演算回路452、制御装置456の間に、キャッシュメモリとして機能する記憶装置を設けても良い。キャッシュメモリを設けることで、低速なメインメモリへのアクセスを減らして演算処理などの信号処理を高速化させることができる。キャッシュメモリとして機能する記憶装置にも、上述した記憶素子を用いることで、信号処理回路450の消費電力を抑えることができる。また、電源の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る信号処理回路の一つである、CPUの構成について説明する。
図9に、本実施の形態のCPUの構成を示す。図9に示すCPUは、基板9900上に、ALU9901、ALU・Controller9902、Instruction・Decoder9903、Interrupt・Controller9904、Timing・Controller9905、Register9906、Register・Controller9907、Bus・I/F9908、書き換え可能なROM9909、ROM・I/F9920と、を主に有している。なお、ALUはArithmetic logic unitであり、Bus・I/Fはバスインターフェースであり、ROM・I/FはROMインターフェースである。ROM9909及びROM・I/F9920は、別チップに設けても良い。勿論、図9に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。
Bus・I/F9908を介してCPUに入力された命令は、Instruction・Decoder9903に入力され、デコードされた後、ALU・Controller9902、Interrupt・Controller9904、Register・Controller9907、Timing・Controller9905に入力される。
ALU・Controller9902、Interrupt・Controller9904、Register・Controller9907、Timing・Controller9905は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALU・Controller9902は、ALU9901の動作を制御するための信号を生成する。また、Interrupt・Controller9904は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。Register・Controller9907は、Register9906のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてRegister9906の読み出しや書き込みを行なう。
また、Timing・Controller9905は、ALU9901、ALU・Controller9902、Instruction・Decoder9903、Interrupt・Controller9904、Register・Controller9907の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばTiming・Controller9905は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えており、クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。
本実施の形態のCPUでは、Register9906に、上記実施の形態で示した構成を有する記憶素子が設けられている。Register・Controller9907は、ALU9901からの指示に従い、Register9906が有する記憶素子において、記憶回路101によるデータの保持を行うか、記憶回路102(または記憶回路203)によるデータの保持を行うかを選択する。記憶回路102(または記憶回路203)によるデータの保持が選択されている場合、Register9906内の記憶素子への電源の供給を停止することができる。
この様にして、一時的にCPUの動作を停止し、電源の供給を停止した場合においてもデータを保持することが可能であり、消費電力の低減を行うことができる。具体的には、例えば、パーソナルコンピュータのユーザーが、キーボードなどの入力装置への情報の入力を停止している間でも、CPUを停止することができ、それにより消費電力を低減することができる。
本実施の形態では、CPUを例に挙げて説明したが、本発明の信号処理回路はCPUに限定されず、マイクロプロセッサ、画像処理回路、DSP、FPGA等のLSIにも応用可能である。
本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
本発明の一態様に係る信号処理回路を用いることで、消費電力の低い電子機器を提供することが可能である。特に電力の供給を常時受けることが困難な携帯用の電子機器の場合、本発明の一態様に係る消費電力の低い信号処理回路をその構成要素に追加することにより、連続使用時間が長くなるといったメリットが得られる。また、オフ電流が低いトランジスタを用いることで、オフ電流の高さをカバーするための冗長な回路設計が不要となるため、信号処理回路の集積度を高めることができ、信号処理回路を高機能化させることができる。
本発明の一態様に係る信号処理回路は、表示装置、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る信号処理回路を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。
本発明の一態様に係る信号処理回路を、携帯電話、スマートフォン、電子書籍などの携帯用の電子機器に応用した場合について説明する。
図10は、携帯用の電子機器のブロック図である。図10に示す携帯用の電子機器はRF回路421、アナログベースバンド回路422、デジタルベースバンド回路423、バッテリー424、電源回路425、アプリケーションプロセッサ426、フラッシュメモリ430、ディスプレイコントローラ431、メモリ回路432、ディスプレイ433、タッチセンサ439、音声回路437、キーボード438などより構成されている。ディスプレイ433は表示部434、ソースドライバ435、ゲートドライバ436によって構成されている。アプリケーションプロセッサ426はCPU427、DSP428、インターフェース429を有している。CPU427に上記実施の形態で示した信号処理回路を採用することによって、消費電力を低減することができる。また、一般的にメモリ回路432はSRAMまたはDRAMで構成されているが、メモリ回路432に上記実施の形態で示した記憶装置を採用することによって、消費電力を低減することが可能になる。
図11に、メモリ回路432の構成をブロック図で示す。メモリ回路432は、記憶装置442、記憶装置443、スイッチ444、スイッチ445、及びメモリコントローラ441を有している。
まず、ある画像データが、携帯用の電子機器において受信されるか、またはアプリケーションプロセッサ426によって形成される。この画像データは、スイッチ444を介して記憶装置442に記憶される。そして、スイッチ444を介して出力された画像データは、ディスプレイコントローラ431を介してディスプレイ433に送られる。ディスプレイ433が、画像データを用いて画像の表示を行う。
静止画のように、表示される画像に変更がなければ、通常30Hz〜60Hz程度の周期で、記憶装置442から読み出された画像データが、スイッチ445を介して、ディスプレイコントローラ431に送られ続ける。ユーザーが画面に表示されている画像を書き換える操作を行ったとき、アプリケーションプロセッサ426は、新たな画像データを形成し、その画像データはスイッチ444を介して記憶装置443に記憶される。この新たな画像データの記憶装置443への記憶が行われている間にも、記憶装置442からスイッチ445を介して定期的に画像データが読み出される。
記憶装置443への新たな画像データの記憶が完了すると、次のフレーム期間より、記憶装置443に記憶された新しい画像データが読み出され、スイッチ445、ディスプレイコントローラ431を介して、ディスプレイ433に上記画像データが送られる。ディスプレイ433では、送られてきた新しい画像データを用いて、画像の表示を行う。
この画像データの読み出しは、さらに次の新しい画像データが記憶装置442に記憶されるまで、継続される。このように、記憶装置442、記憶装置443が交互に画像データの書き込みと読み出しを行い、ディスプレイ433は画像の表示を行う。
記憶装置442、記憶装置443はそれぞれ別の記憶装置には限定されず、1つの記憶装置が有するメモリ領域を、分割して使用してもよい。これらの記憶装置に上記実施の形態で示した記憶装置を採用することによって、消費電力を低減することが可能になる。
図12は電子書籍のブロック図である。電子書籍はバッテリー471、電源回路472、マイクロプロセッサ473、フラッシュメモリ474、音声回路475、キーボード476、メモリ回路477、タッチパネル478、ディスプレイ479、ディスプレイコントローラ480によって構成される。上記実施の形態で示した信号処理回路をマイクロプロセッサ473に採用することで、消費電力を低減することが可能になる。また、上記実施の形態で示した記憶装置をメモリ回路477に採用することで、消費電力を低減することが可能になる。
例えば、ユーザーが、書籍データ中の特定の箇所において、表示の色を変える、アンダーラインを引く、文字を太くする、文字の書体を変えるなどにより、当該箇所とそれ以外の箇所との違いを明確にするハイライト機能を利用する場合、書籍データのうちユーザーが指定した箇所のデータを記憶する必要がある。メモリ回路477は、上記データを一時的に記憶する機能を持つ。なお、上記データを長期に渡って保存する場合には、フラッシュメモリ474に上記データをコピーしておいても良い。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、先の実施の形態に示す記憶素子の一形態について、図13を参照して説明する。図13では、図1に示す記憶素子100が有するトランジスタ113上に、トランジスタ112及び容量素子114が、積層されている断面図を示す。
なお、上記トランジスタ112及びトランジスタ113は、いずれもnチャネル型トランジスタである場合について説明するが、一方または双方がpチャネル型トランジスタであってもよい。
まず、下部に形成されたトランジスタ113について説明する。トランジスタ113は、絶縁層501を介して基板500上に形成されている。
基板500として、例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板等を用いることができる。また、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板や、多結晶半導体基板、GaAs基板、InP基板、GaN基板、GaP基板、GaInAsP基板、ZnSe基板等の化合物半導体基板を用いることができる。
絶縁層501は、トランジスタ113の下地絶縁膜として機能する。絶縁層501は、CVD法、スパッタリング法により、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を用いて形成される。
本実施の形態では、基板500上に、絶縁層501を介して形成された半導体層502を用いてトランジスタ113が形成される場合について説明するが、基板500に、トランジスタ113が形成されていても良い。
また、基板500として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に絶縁層501及びトランジスタ113を形成してもよい。または、基板500と絶縁層501との間に剥離層を設けても良い。剥離層は、その上に、トランジスタ113を一部または全部形成した後、基板500より分離することで、耐熱性の劣る基板や可撓性基板にトランジスタ113を転載することができる。
半導体層502は、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いて形成される。非晶質シリコンは、CVD法やスパッタリング法などにより成膜され、多結晶シリコンは、非晶質シリコンにレーザビームを照射することにより結晶化される。また、単結晶シリコンは、単結晶シリコン基板に水素イオンを注入して表層部を剥離することにより形成される。
半導体層502は、チャネル形成領域506と、チャネル形成領域506を挟んで設けられた一対の第1の不純物領域505a、505bと、一対の第1の不純物領域505a、505bを挟んで設けられた第2の不純物領域508a、508bと、を有する。チャネル形成領域506は、ゲート絶縁層503を介してゲート電極層504と重畳する領域に設けられる。また、第1の不純物領域505a、505bは、LDD(Lightly Doped Drain)領域として機能し、第2の不純物領域508a、508bは、ソース領域及びドレイン領域として機能する。なお、第2の不純物領域508a、508bの不純物濃度は、第1の不純物領域505a、505bよりも高い。n型のトランジスタを形成する場合には、第1の不純物領域505a、505b及び第2の不純物領域508a、508bに、n型の導電型を付与する不純物元素が添加される。n型を付与する不純物元素としては、リンやヒ素等を用いることができる。また、p型のトランジスタを形成する場合には、p型を付与する不純物元素として、硼素、アルミニウム、ガリウム等を用いることができる。
ゲート絶縁層503上に形成されたゲート電極層504の側面には、側壁絶縁層507が設けられている。半導体層502に上記の不純物元素を添加する際に、ゲート電極層504及び側壁絶縁層507をマスクとして用いることで、不純物濃度が異なる第1の不純物領域505a、505b、第2の不純物領域508a、508bを自己整合的に形成することができる。
ゲート絶縁層503は、CVD法、スパッタリング法により、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を用いて形成される。
ゲート電極層504は、スパッタリング法やCVD法により、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料、またはこれらを主成分とする合金材料を用いて形成される。
側壁絶縁層507は、CVD法、スパッタリング法により、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を用いて形成される。
半導体層502、ゲート電極層504、側壁絶縁層507を覆うように、絶縁層509、絶縁層510、及び絶縁層511が設けられている。絶縁層509、絶縁層510、及び絶縁層511は、CVD法、スパッタリング法等により、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン等を用いて形成される。また、低温酸化(LTO:Low Temperature Oxidation)法により形成された酸化シリコンを用いてもよい。また、TEOS(Tetraethyl−Ortho−Silicate)若しくはシラン等と、酸素若しくは亜酸化窒素等とを反応させて形成した段差被覆性のよい酸化シリコンを用いてもよい。
絶縁層509、絶縁層510、及び絶縁層511には、第2の不純物領域508a、508bに達する開口及びゲート電極層504に達する開口が設けられている。それぞれの開口には、電極層512a、512b、512cが設けられている。電極層512a、512bは、ソース電極層及びドレイン電極層として機能する。電極層512a〜512cは、スパッタリング法やPECVD法により、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料、またはこれらを主成分とする合金材料を用いて形成される。
絶縁層511及び電極層512a〜512c上に、絶縁層513が設けられている。絶縁層513は、絶縁層509〜511と同様の方法により、同様の材料を用いて形成される。なお、絶縁層513は、その表面の平坦性を高めるために研磨処理(例えば、化学的機械研磨(Chemical MechanicalPolishing:CMP)法)、ドライエッチング処理、プラズマ処理が行われることが好ましい。
絶縁層513には、電極層512cに達する開口が設けられており、開口に配線層514aが形成されている。また、絶縁層513上には、配線層514bが形成されている。配線層514bは、トランジスタ112のゲート電極の一方として機能する。
また、配線層514a、514bに、絶縁層515が接して設けられている。絶縁層515は、配線層514a、514b上に絶縁膜を形成した後、配線層514a、514bの上面が露出するまで、CMP法などの研磨処理、ドライエッチング処理、プラズマ処理を行うことで形成される。
下層に形成されるトランジスタ113と、上層に形成されるトランジスタ112とは、配線層514aによってそれぞれ接続されている。
配線層514a、514b、絶縁層515上に、絶縁層516、絶縁層517、絶縁層518が形成されている。絶縁層516〜518は、絶縁層509〜511と同様の方法により、同様の材料を用いて形成される。本実施の形態では、配線層514a、514b、絶縁層515上に、3層の絶縁層を形成する例について示しているが、1層または2層であってもよいし、4層以上であってもよい。
絶縁層518上には、酸化物半導体層519が設けられている。
酸化物半導体層519は、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体層を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)のいずれか一または複数を含むことが好ましい。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を含んでいてもよい。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素を含んでいてもよい。In−Ga−Zn系酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、移動度も高い。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)あるいはIn:Ga:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)の原子比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
例えば、In−Sn−Zn系酸化物では比較的容易に高い移動度が得られる。しかしながら、In−Ga−Zn系酸化物でも、バルク内欠陥密度を低減することにより移動度を上げることができる。
以下では、酸化物半導体膜の構造について説明する。
酸化物半導体膜は、非単結晶酸化物半導体膜と単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜、多結晶酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、非晶質酸化物半導体膜などをいう。
まずは、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つであり、ほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。
CAAC−OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって観察すると、結晶部同士の明確な境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
CAAC−OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、CAAC−OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有していることがわかる。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。InGaZnOの単結晶酸化物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC−OS膜の形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS膜中の結晶化度が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くなることがある。また、CAAC−OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域の結晶化度が変化し、部分的に結晶化度の異なる領域が形成されることもある。
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。従って、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
次に、微結晶酸化物半導体膜について説明する。
微結晶酸化物半導体膜は、TEMによる観察像では、明確に結晶部を確認することができない場合がある。微結晶酸化物半導体膜に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下、または1nm以上10nm以下の大きさであることが多い。特に、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の微結晶であるナノ結晶(nc:nanocrystal)を有する酸化物半導体膜を、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)膜と呼ぶ。また、nc−OS膜は、例えば、TEMによる観察像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。
nc−OS膜は、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。従って、nc−OS膜は、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体膜と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きい径のX線を用いるXRD装置を用いて構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、nc−OS膜は、結晶部よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OS膜は、結晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、スポットが観測される。また、nc−OS膜のナノビーム電子線回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。また、nc−OS膜のナノビーム電子線回折を行うと、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも規則性の高い酸化物半導体膜である。そのため、nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OS膜は、CAAC−OS膜と比べて欠陥準位密度が高くなる。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
なお、非晶質酸化物半導体膜は、不純物が取り込まれやすくキャリア密度が高くなる傾向があるため、比較的容易に、比較的高い電界効果移動度を得ることができる。
また、平坦な表面上に酸化物半導体膜を成膜することにより、結晶性を高めることができる。酸化物半導体膜は、例えば、平均面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.3nm以下、より好ましくは0.1nm以下の表面上に形成するとよい。
なお、Raは、JIS B0601:2001(ISO4287:1997)で定義されている算術平均粗さを曲面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」で表現でき、以下の式にて定義される。
Figure 2014029680
ここで、指定面とは、粗さ計測の対象となる面であり、座標(x,y,f(x,y)),(x,y,f(x,y)),(x,y,f(x,y)),(x,y,f(x,y))の4点で表される四角形の領域とし、指定面をxy平面に投影した長方形の面積をS、基準面の高さ(指定面の平均の高さ)をZとする。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて測定可能である。
よって、絶縁層518において酸化物半導体層519が接して形成される領域に、平坦化処理を施すことが好ましい。平坦化処理としては、特に限定されないが、研磨処理(例えば、化学的機械研磨(Chemical MechanicalPolishing:CMP)法)、ドライエッチング処理、プラズマ処理を用いることができる。
また、CAAC−OS膜を成膜するために、以下の条件を適用することが好ましい。
成膜時の不純物混入を低減することで、不純物によって結晶状態が崩れることを抑制できる。例えば、成膜室内に存在する不純物濃度(水素、水、二酸化炭素および窒素など)を低減することが好ましい。また、成膜ガス中の不純物濃度を低減することが好ましい。具体的には、露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下である成膜ガスを用いる。
また、成膜時の基板加熱温度を高めることで、基板到達後にスパッタリング粒子のマイグレーションが起こる。具体的には、基板加熱温度を100℃以上740℃以下、好ましくは200℃以上500℃以下として成膜する。成膜時の基板加熱温度を高めることで、平板状のスパッタリング粒子が基板に到達した場合、基板上でマイグレーションが起こり、スパッタリング粒子の平らな面が基板に付着する。
また、成膜ガス中の酸素割合を高め、電力を最適化することで成膜時のプラズマダメージを軽減すると好ましい。成膜ガス中の酸素割合は、30体積%以上、好ましくは100体積%とする。
スパッタリング用ターゲットの一例として、多結晶のIn−Ga−Zn系酸化物ターゲットについて以下に示す。
多結晶のIn−Ga−Zn系酸化物ターゲットは、InO粉末、GaO粉末およびZnO粉末を所定のmol数で混合し、加圧処理後、1000℃以上1500℃以下の温度で加熱処理をすることで得られる。なお、X、YおよびZは任意の正数である。ここで、InO粉末、GaO粉末およびZnO粉末のmol数比は、例えば、2:2:1、8:4:3、3:1:1、1:1:1、4:2:3または3:1:2とする。なお、粉末の種類、およびその混合するmol数比は、作製するスパッタリング用ターゲットによって適宜変更すればよい。
酸化物半導体層519として、CAAC−OS膜を用いることにより、可視光や紫外光の照射による電気的特性の変動が低減されたトランジスタとすることができる。
また、酸化物半導体層519は、成膜前、成膜時、成膜後において、水素や水などの不純物が含まれないようにすることが好ましい。例えば、絶縁層518に含まれる水素や水などを極力除去することや、酸化物半導体層519の成膜時に、水素や水が極力含まれないように成膜することが好ましい。また、酸化物半導体層519の成膜後には、酸化物半導体層519に含まれてしまった水素や水などを除去するために加熱処理(脱水化または脱水素化処理ともいう)を行ってもよい。さらに、酸化物半導体層519に含まれる水素や水を低減するために、酸化物半導体層519と接する絶縁膜も、水素や水が極力含まれないように成膜することが好ましい。また、絶縁膜の成膜後に、脱水化または脱水素化処理を行ってもよい。
さらに、絶縁層516、絶縁層517の少なくとも一に、水素が透過することを防止する膜を用いることにより、下部のトランジスタ113や、絶縁層513、絶縁層515等に含まれる水素が、酸化物半導体層519に到達することを防止することができる。水素が透過することを防止する膜として、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム等を用いることが好ましい。また、絶縁層523として、水素が透過することを防止する膜を用いることにより、絶縁層524に含まれる水素が、酸化物半導体層519に到達することを防止することができる。
また、酸化物半導体層519に含まれる酸素欠損を低減するために、酸化物半導体層519に酸素を供給する処理を行ってもよい。例えば、酸化物半導体層519と、酸素が過剰に含まれる絶縁膜とを接して設け、加熱処理を行うことで、酸素が過剰に含まれる絶縁膜から酸化物半導体層519に、酸素を供給することができる。酸化物半導体層519に酸素が供給されることにより、酸化物半導体層519に含まれる酸素欠損を低減することができる。また、酸化物半導体層519に脱水化または脱水素化処理を行った後、酸化物半導体層519に酸素を添加する処理を行ってもよい。酸素を添加する処理としては、例えば、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマ処理等により、酸素ラジカル、オゾン、酸素原子、酸素イオン等を、酸化物半導体層519に添加して行う。なお、酸素を添加する処理は、ゲート絶縁層521を介して行っても良い。
このように、電子供与体(ドナー)となる水分または水素などの不純物を低減し、なおかつ酸素欠損を低減することにより、高純度化された酸化物半導体(purified OS)を形成することができる。高純度化された酸化物半導体は、i型(真性半導体)又はi型に限りなく近い。そのため、高純度化された酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタは、オフ電流を著しく小さくすることができる。
また、酸化物半導体層519において、水素や水などの不純物や酸素欠損が低減されることにより、キャリアの発生を抑制することができる。キャリア密度が高まることを抑制することで、キャリア密度に起因して、トランジスタのしきい値電圧がマイナス方向にシフトしてしまうことを抑制することができる。そのため、トランジスタのゲート電極の他方に印加する電位によって、トランジスタのしきい値電圧を容易に制御することが可能となる。よって、信頼性の高いトランジスタとなる。
酸化物半導体層519と接するように、ソース電極層520a及びドレイン電極層520bが形成されている。ソース電極層520aは、容量素子114の一対の電極のうちの一方として機能する。また、ドレイン電極層520bは、絶縁層516、517、518に設けられた開口を介して、配線層514aと接続されている。
ソース電極層520a及びドレイン電極層520bは、スパッタリング法やPECVD法により、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて形成される。また、ソース電極層520a及びドレイン電極層520bは、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデン等の窒化金属材料を用いて形成されていてもよい。また、ソース電極層520a及びドレイン電極層520bは、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウムスズ酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウムスズ酸化物などの導電性材料を用いて形成されていても良い。
ソース電極層520a及びドレイン電極層520bは、チャネル長方向の断面において、その下端部が突出した領域を有する。このような形状は、絶縁層518及び酸化物半導体層519上に導電膜を形成した後、この導電膜にエッチングを複数行うことにより、形成することができる。ソース電極層520a及びドレイン電極層520bをこのような形状とすることにより、後に形成されるゲート絶縁層521のカバレッジを良好にすることができる。
酸化物半導体層519、ソース電極層520a、及びドレイン電極層520b上に、ゲート絶縁層521が形成されている。
ゲート絶縁層521は、スパッタリング法、MBE法、PECVD法、パルスレーザ堆積法、ALD法により、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、または窒化シリコン等を用いて形成される。また、ゲート絶縁層521として、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSiO(x>0、y>0))、ハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0))、酸化ランタンなどのhigh−k材料を用いることでゲートリーク電流を低減できる。また、ゲート絶縁層521は、上記の材料を用いて、単層構造または積層構造で形成される。
酸化物半導体層519と重畳する領域に、ゲート電極層522aが形成され、ソース電極層520aと重畳する領域に、電極層522bが形成されている。なお、ゲート電極層522aは、ゲート電極の他方として機能する。電極層522bは、容量素子114の一対の電極のうち他方として機能する。
ゲート電極層522a及び電極層522bは、スパッタリング法やPECVD法により、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて形成される。また、ゲート電極層522a及び電極層522bは、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデン等の窒化金属材料を用いて形成されていてもよい。また、ゲート電極層522a及び電極層522bは、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウムスズ酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウムスズ酸化物などの導電性材料を用いて形成されていても良い。
ゲート電極層522a、電極層522b上に、絶縁層523、絶縁層524が形成されている。絶縁層523及び絶縁層524は、絶縁層509〜511と同様の形成方法により、同様の材料を用いて形成される。上述したように、絶縁層523及び絶縁層524の少なくとも一方に、水素や水などが透過することを防止する膜を用いてもよい。
絶縁層523及び絶縁層524にドレイン電極層520bに達する開口が設けられ、開口に、配線層525が設けられている。配線層525は、配線層514a、514bと同様の形成方法により、同様の材料を用いて形成される。
さらに、絶縁層524及び配線層525上に、さらに絶縁膜や配線を有していてもよい。
なお、トランジスタ113が形成された層には、トランジスタ113の他、図1に示すスイッチ104及びスイッチ105を構成するトランジスタや、記憶回路101、ベリファイ回路103等が形成されている。
なお、実施の形態2に示す記憶素子200を形成する場合、記憶回路203が有するトランジスタ226及び容量素子228は、図13に示す記憶素子において、トランジスタ112及び容量素子114と同じ層に形成することもできるし、トランジスタ112及び容量素子114が形成された層(例えば、絶縁層524及び配線層525)上に形成することもできる。酸化物半導体を用いたトランジスタは、シリコンを用いたトランジスタと比較して、積層して形成することが容易である。また、磁気素子や強誘電体素子と比較して、3層以上の積層化が容易である。そのため、トランジスタ112及び容量素子114が形成された層の上に、トランジスタ226及び容量素子228を形成、さらにその上にトランジスタ226及び容量素子228を形成することによって、記憶素子200の占める面積を縮小することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
100 記憶素子
101 記憶回路
102 記憶回路
103 ベリファイ回路
104 スイッチ
105 スイッチ
106 インバータ
111 選択回路
112 トランジスタ
113 トランジスタ
114 容量素子
115 トランジスタ
116 トランジスタ
117 インバータ
118 選択回路
150 記憶素子
200 記憶素子
202 スイッチ
203 記憶回路
208 スイッチ
209 スイッチ
210 インバータ
211 選択回路
212 選択回路
213 記憶回路
222 トランジスタ
226 トランジスタ
227 トランジスタ
228 容量素子
231 トランジスタ
232 トランジスタ
233 選択回路
234 トランジスタ
250 記憶素子
301 制御回路
302a 記憶素子
302b 記憶素子
302c 記憶素子
303 記憶素子群
421 RF回路
422 アナログベースバンド回路
423 デジタルベースバンド回路
424 バッテリー
425 電源回路
426 アプリケーションプロセッサ
427 CPU
428 DSP
429 インターフェース
430 フラッシュメモリ
431 ディスプレイコントローラ
432 メモリ回路
433 ディスプレイ
434 表示部
435 ソースドライバ
436 ゲートドライバ
437 音声回路
438 キーボード
439 タッチセンサ
441 メモリコントローラ
442 記憶装置
443 記憶装置
444 スイッチ
445 スイッチ
450 信号処理回路
451 演算回路
452 演算回路
453 記憶装置
454 記憶装置
455 記憶装置
456 制御装置
457 電源制御回路
471 バッテリー
472 電源回路
473 マイクロプロセッサ
474 フラッシュメモリ
475 音声回路
476 キーボード
477 メモリ回路
478 タッチパネル
479 ディスプレイ
480 ディスプレイコントローラ
500 基板
501 絶縁層
502 半導体層
503 ゲート絶縁層
504 ゲート電極層
505a 不純物領域
505b 不純物領域
506 チャネル形成領域
507 側壁絶縁層
508a 不純物領域
508b 不純物領域
509 絶縁層
510 絶縁層
511 絶縁層
512a 電極層
512b 電極層
512c 電極層
513 絶縁層
514a 配線層
514b 配線層
515 絶縁層
516 絶縁層
517 絶縁層
518 絶縁層
519 酸化物半導体層
520a ソース電極層
520b ドレイン電極層
521 ゲート絶縁層
522a ゲート電極層
522b 電極層
523 絶縁層
524 絶縁層
525 配線層
9900 基板
9901 ALU
9902 ALU・Controller
9903 Instruction・Decoder
9904 Interrupt・Controller
9905 Timing・Controller
9906 Register
9907 Register・Controller
9908 Bus・I/F
9909 ROM
9910 ROM・I/F

Claims (4)

  1. 第1の記憶回路と、第2の記憶回路と、ベリファイ回路と、第1及び第2のスイッチと、インバータと、低電位側の第1の電源線と、高電位側の第2の電源線と、を有し、
    前記第1の記憶回路は、電源が供給されている期間のみ第1のデータを保持するとともに、データ信号を出力し、
    前記第2の記憶回路は、第1の制御信号に基づいて、前記第1のデータに対応する第2のデータを保持し、
    前記第1のスイッチ及び第2のスイッチは、第2の制御信号に基づいて、前記第2の記憶回路を介して前記第1の電源線と、前記インバータの入力端子と、を電気的に接続、又は第2の電源線と、前記インバータの入力端子と、を電気的に接続し、
    前記インバータは、出力端子から前記第2の記憶回路に保持された前記第2のデータを出力し、
    前記ベリファイ回路は、前記第1のデータと、前記第2のデータと、が一致するか否かを判定し、一致すると判定する場合には、前記第1の記憶回路に対して前記電源の供給を停止する、信号処理回路。
  2. 請求項1において、
    前記第1の記憶回路に対して前記電源の供給が再開された場合に、
    前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、前記第2の制御信号に基づいて、前記第2の記憶回路を介して前記第1の電源線と、前記インバータの入力端子と、を電気的に接続、又は第2の電源線と、前記インバータの入力端子と、を電気的に接続し、
    前記インバータの出力端子から、前記第2の記憶回路に保持された前記第2のデータを出力し、
    前記第2のデータは、前記第1の記憶回路に前記第1のデータとして再び保持され、
    前記ベリファイ回路は、前記第1のデータと、前記第2のデータと、が一致するか否かが判定する、信号処理回路。
  3. 請求項1又は2において、
    前記ベリファイ回路は、選択回路と、インバータと、を有する、信号処理回路。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、
    前記第2の記憶回路は、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、及び容量素子を有し、
    前記第1のトランジスタは、酸化物半導体領域にチャネルが形成される、信号処理回路。
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