JP2005323295A - ラッチ回路及びフリップフロップ回路 - Google Patents

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洋 四浦
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健 山村
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Abstract

【課題】 低電圧で高速動作するラッチ回路の提供など。
【解決手段】この発明は、伝送ゲート5、インバータ回路6、データを記憶するキャパシタC2及びクロックドインバータ回路9からなる。伝送ゲート5を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧を、クロックドインバータ回路9を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧のよりも相対的に大きくした。クロック信号CKのHレベル時は、伝送ゲート5はオンして入力データを通過させてキャパシタC2の記憶データを更新するとともに、インバータ回路6はその更新データを反転出力し、かつ、クロックドインバータ回路9はオンして入力データを反転出力する。一方、クロック信号CKのLレベル時は、伝送ゲート5はオフしてキャパシタC2は記憶データを保持するとともに、インバータ回路6はその記憶データを反転出力し、かつ、クロックドインバータ回路9は出力を停止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低電圧で高速動作するラッチ回路およびそれを用いたフリップフロップ回路に関するものである。
近年、LSI(集積回路)の低消費電力化、高速化、小型化、低コスト化が求められている。LSIの低消費電力化のためには低電圧化が有効である。しかし、電源電圧を低くすると、MOSトランジスタの駆動能力が下がり、LSIの高速化が妨げられる。そこで、LSIを低電圧で高速に動作させるためには、MOSトランジスタのしきい値電圧を低く設定し、その駆動能力を向上させる必要がある。しかし、しきい値電圧を低くすると、MOSトランジスタのリーク電流が指数関数的に増加するという問題が生じる(例えば、非特許文献1参照)。
一方、LSIにおいて前記の要求を満たすためには、その主要な記憶回路であるフリップフロップ回路も同様の要求を満たす必要がある。LSIの小型化、低コスト化のためにはレイアウト面積の削減が必要であり、この目的のためスタティックフリップフロップ回路に比べて構成する素子が少ないダイナミックフリップフロップ回路が広く用いられている(例えば、非特許文献2参照)。
このようなダイナミックフリップフロップ回路を構成する、従来からのダイナミックラッチ回路の一例を図11に示す。
このダイナミックラッチ回路は、図11に示すように、クロック信号CKに基づいて反転信号CK1及び非反転信号CK2をそれぞれ生成するインバータ回路7、8と、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列接続した伝送ゲート5と、伝送ゲート5とインバータ回路6との間のノードに寄生する寄生容量であるキャパシタC2と、PMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2を組み合わせたCMOSインバータ回路からなるインバータ回路6と、から構成される。
次に、このような構成からなる従来のダイナミックラッチ回路の動作原理について、図12のタイミングチャートを参照して説明する。
いま、時刻t1における入力データDをデータDATA1とすると、時刻t1以前のクロック信号CKがLレベル(ローレベル)のときには、伝送ゲート5はオフとなり、キャパシタC2に保持されているデータDATA0がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力QはDATA0_Nとなる。
次に、時刻t1でクロック信号CKがHレベル(ハイレベル)に変化すると、伝送ゲート5はオンとなり、入力データDATA1が伝送ゲート5を通過してキャパシタC2に保持されるデータがDATA1に更新され、この更新データDATA1がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力Qが反転データDATA1_Nとなる。
さらに、クロック信号CKが再びLレベルになると、キャパシタC2に保持されているデータDATA1がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力Qが反転データDATA1_Nとなる。
以後、クロック信号CKがLレベルとHレベルになるたびに、上記の動作を繰り返すことになる。
ところで、LSIの高速化のためには、フリップフロップ回路の動作速度を上げる必要があり、これを構成するラッチ回路においては、クロック信号CKがHレベルに変化する時刻t1を起点として、データ入力端子21に供給される入力データDがデータ出力端子22へ伝搬されるまでの遅延時間Ta(図12参照)を短縮することが重要である。
桜井貴康他「低消費電力、高速LSI技術」リアライズ社、平成10年1月31日、P.60−61 富沢孝、松山泰男監訳「CMOSトランジスタVLSI設計の原理」丸善、昭和63年8月30日、P.174−175
ところが、従来のダイナミックラッチ回路を低電圧電源の下で用いると、上記のようにMOSトランジスタの駆動能力が下がるために、遅延時間Taが長くなる。
そこで、その遅延時間Taを短くするために、ダイナミックラッチ回路を構成する全てのMOSトランジスタのしきい値電圧を低く設定すると、伝送ゲート5のMOSトランジスタのリーク電流が増加する。このため、伝送ゲート5のオフ時にキャパシタC2の充電電荷が流れ出て、キャパシタC2はデータを安定して保持することができなくなり、ラッチ回路が誤動作してしまう。
すなわち、従来のダイナミックラッチ回路では、MOSトランジスタのしきい値電圧を低く設定することができず、低電圧で高速動作させることができないという不具合があった。
そこで、本発明の目的は、上記の点に鑑み、低電圧で高速動作できるラッチ回路およびそれを用いたフリップフロップ回路を提供することにある。
上記の課題を解決し本発明の目的を達成するために、請求項1〜請求項6に係る発明は以下のような構成からなる。
すなわち、請求項1に係る発明は、クロック信号に同期してオンオフ動作するとともにMOSトランジスタから構成するスイッチ回路と、このスイッチ回路の後段に接続されてMOSトランジスタから構成するインバータ回路と、前記スイッチ回路と前記インバータ回路との間に設けられデータを記憶するメモリ要素回路と、を備え、前記クロック信号が第1レベルのときには、前記スイッチ回路はオンして入力データを通過させて前記メモリ要素回路の記憶データを更新し、前記インバータ回路はその更新データを反転出力するようにし、一方、前記クロック信号が第2レベルのときには、前記スイッチ回路はオフして前記メモリ要素回路は記憶データを保持し、前記インバータ回路はその保持データを反転出力するようにし、さらに、前記スイッチ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を、前記インバータ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも相対的に大きくするようにした。
このような構成のラッチ回路によれば、スイッチ回路のオフ時にメモリ要素回路の記憶データを安定して保持でき、かつ、クロック信号が第1レベルに変化するときに入力データが出力端子に出力されるまでの遅延時間を短くできる。
また、請求項2に係る発明は、クロック信号に同期してオンオフ動作するとともにMOSトランジスタから構成するスイッチ回路と、このスイッチ回路の後段に接続されるインバータ回路と、前記スイッチ回路と前記インバータ回路との間に設けられデータを記憶するメモリ要素回路と、前記スイッチ回路の入力端子と前記インバータ回路の出力端子との間に接続され、前記クロック信号に同期してオンオフ動作するとともにMOSトランジスタから構成するクロックドインバータ回路とを備え、前記クロック信号が第1レベルのときには、前記スイッチ回路はオンして入力データを通過させて前記メモリ要素回路の記憶データを更新するとともに、前記インバータ回路はその更新データを反転出力し、かつ、前記クロックドインバータ回路はオンして前記入力データを反転出力するようにし、一方、前記クロック信号が第2レベルのときには、前記スイッチ回路はオフして前記メモリ要素回路は記憶データを保持するとともに、前記インバータ回路はその記憶データを反転出力し、かつ、前記クロックドインバータ回路はオフして前記入力データの出力を停止するようにし、さらに、前記スイッチ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を、前記クロックドインバータ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも相対的に大きくするようにした。
このような構成のラッチ回路によれば、スイッチ回路のオフ時にメモリ要素回路の記憶データを安定して保持できる。また、クロック信号が第1レベルに変化するときには、入力データがクロックドインバータ回路で反転出力されるので、クロック信号が第1レベルに変化するときにその入力データが出力端子に出力されるまでの遅延時間を短くすることができる。
また、請求項3に係る発明は、クロック信号に同期してオンオフ動作するとともにMOSトランジスタから構成するスイッチ回路と、このスイッチ回路の後段に接続され、前記クロック信号に同期してオンオフ動作する第1クロックドインバータ回路と、前記スイッチ回路と前記第1クロックドインバータ回路との間に設けられデータを記憶するるメモリ要素回路と、前記スイッチ回路の入力端子と前記第1クロックドインバータ回路の出力端子との間に接続され、前記クロック信号に同期してオンオフ動作するとともにMOSトランジスタから構成する第2クロックドインバータ回路とを備え、前記クロック信号が第1レベルのときには、前記スイッチ回路はオンして入力データを通過させて前記メモリ要素回路の記憶データを更新するとともに、前記第1クロックドインバータ回路はオフして出力を停止し、かつ、前記第2クロックドインバータ回路はオンして前記入力データを反転出力するようにし、一方、前記クロック信号が第2レベルのときには、前記スイッチ回路をオフして前記メモリ要素回路は記憶データを保持するとともに、前記第1クロックドインバータ回路はオンしてその記憶データを反転出力し、かつ、前記第2クロックドインバータ回路はオフして出力を停止するようにし、さらに、前記スイッチ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を、前記第2クロックドインバータ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも相対的に大きくするようにした。
このような構成のラッチ回路によれば、スイッチ回路のオフ時にメモリ要素回路の記憶データを安定して保持できる。また、クロック信号が第1レベルに変化したときに入力データが第2クロックドインバータ回路を通過して出力端子へ出力され、このとき、第1クロックドインバータ回路がオフして第1クロックドインバータ回路と第2クロックドインバータ回路の出力が衝突しないので、クロック信号が第1レベルに変化してから入力データが出力端子に出力するまでの遅延時間を短くできる。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3うちのいずれかに記載のラッチ回路において、前記ラッチ回路は、正電源電圧と負電源電圧との間で駆動するようにし、前記スイッチ回路は、1つのNMOSトランジスタにより構成するようにし、かつ、前記NMOSトランジスタがオンのときにはそのゲート電位が前記正電源電圧よりも高くなるようにした。
このような構成のラッチ回路によれば、スイッチ回路が安定した信号をドライブしかつ構成トランジスタ数が少なくレイアウト面積の削減において有利なラッチ回路を実現できる。
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項3うちのいずれかに記載のラッチ回路において、前記ラッチ回路は、正電源電圧と負電源電圧との間で駆動するようにし、前記スイッチ回路は、1つのPMOSトランジスタにより構成するようにし、かつ、前記PMOSトランジスタがオンのときにはそのゲート電位が前記負電源電圧よりも低くなるようにした。
このような構成のラッチ回路によれば、スイッチ回路が安定した信号をドライブしかつ構成トランジスタ数が少なくレイアウト面積の削減において有利なラッチ回路を実現できる。
さらに、請求項6に係る発明は、入力データをクロック信号に同期して取り込んで記憶するマスタ記憶回路と、このマスタ記憶回路に記憶されたデータを前記クロック信号に同期して取り込んで記憶するスレーブ記憶回路とを備え、前記マスタ記憶回路は、前記クロック信号が第2レベルのときに前記入力データに従って記憶データを更新するとともにその更新データを出力し、前記クロック信号が第1レベルのときに記憶データに従って出力を行い、前記スレーブ記憶回路は、前記クロック信号が第1レベルのときに前記マスタ記憶回路からのデータに従って記憶データを更新するとともにその更新データを出力し、前記クロック信号が第2レベルのときに記憶データに従って出力を行い、前記スレーブ記憶回路が請求項1乃至請求項5のうちのいずれかに記載のラッチ回路から構成するようにした。
このような構成のフリップフロップ回路によれば、請求項1〜請求項5に係るラッチ回路と同様の効果を持つフリップフロップ回路が実現できる。
本発明によれば、低電圧で高速動作するラッチ回路およびそれを用いたフリップフロップ回路を実現できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(ラッチ回路の第1実施形態)
本発明のラッチ回路の第1実施形態の構成について、図1を参照して説明する。
この第1実施形態に係るラッチ回路はダイナミックラッチ回路であり、図1に示すように、スイッチ制御回路24と、クロック信号CKに同期してオンオフ動作しスイッチ回路として機能する伝送ゲート5と、この伝送ゲート5の後段に接続されるインバータ回路6と、伝送ゲート5とインバータ回路6Aとの間に設けられデータを記憶するメモリ要素回路であるキャパシタC2とを備え、伝送ゲート5はスイッチ制御回路24によりオンオフ制御されるように構成する。
また、この第1実施形態では、伝送ゲート5を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を、インバータ回路6Aを構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも相対的に大きく設定するようにした。すなわち、伝送ゲート5は高しきい値電圧のMOSトランジスタからなり、インバータ回路6は低しきい値電圧のMOSトランジスタからなる。
さらに、この第1実施形態は、正電源電圧VDDと負電源電圧VSSとの間で駆動するようになっており、しかもその電源電圧が例えば3V以下というように低電圧で駆動するようになっている。
従って、第1実施形態と図11に示す従来のダイナミックラッチ回路との構成の相違点は、インバータ回路6Aを低しきい値電圧のMOSトランジスタM1’,M2’で構成するようにしたことである。
さらに詳述すると、スイッチ制御回路24は、クロック入力端子23に入力されるクロック信号CKを反転して反転信号CK1を生成するインバータ回路7と、そのインバータ回路7の生成した反転信号CK1を反転して非反転信号CK2を生成するインバータ回路8とからなる。
伝送ゲート5は、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列接続したものであり、その入力側が入力データDが供給されるデータ入力端子21に接続され、その出力側が後段のインバータ回路6Aの入力側に接続されている。伝送ゲート5を構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタとには、スイッチ制御回路24からの反転信号CK1と非反転信号CK2とが供給され、これにより伝送ゲート5のオンオフ制御が行われるようになっている。
ここで、伝送ゲート5を構成するMOSトランジスタは、しきい値電圧が例えば0.8〔V〕程度というように、高しきい値電圧のMOSトランジスタからなる。
キャパシタC2は、伝送ゲート5とインバータ回路6との間に形成される容量である。すなわち、キャパシタC2は、伝送ゲート5とインバータ回路6との間のノードに寄生する寄生容量であり、その一端側がそのノードに接続され、その他端側が接地されている。このキャパシタC2は、データ入力端子21に入力される入力データDを記憶する機能を有し、メモリ要素回路を形成する。
インバータ回路6Aは、PMOSトランジスタM1’とNMOSトランジスタM2’とから構成するCMOSインバータ回路からなり、キャパシタC2に記憶されるデータを反転して出力するものである。インバータ回路6Aの出力側は、データ出力端子22に接続されている。
ここで、インバータ回路6Aを構成するMOSトランジスタM1’,M2’は、しきい値電圧が例えば0.3〔V〕程度というように、低しきい値電圧のMOSトランジスタからなる。
次に、このような構成からなる第1実施形態の動作例について、図2を参照して説明する。
いま、時刻t1における入力データDをデータDATA1とすると、時刻t1以前のクロック信号CKが第2レベルであるLレベルのときには、伝送ゲート5はオフとなり、キャパシタC2に保持されているデータDATA0がインバータ回路6Aで反転されて、インバータ回路6Aの出力Qは反転データDATA0_Nとなる。
次に、時刻t1でクロック信号CKが第1レベルであるHレベルに変化すると、伝送ゲート5はオンとなり、入力データDATA1が伝送ゲート5を通過してキャパシタC2の保持データDATA0がデータDATA1に更新され、この更新データDATA1がインバータ回路6Aで反転されて、インバータ回路6Aの出力Qが反転データDATA1_Nとなる。
さらに、クロック信号CKが再びLレベルになると、キャパシタC2に保持されているデータDATA1がインバータ回路6Aで反転されて、インバータ回路6Aの出力Qが反転データDATA1_Nとなる。
以後、クロック信号CKがLレベルとHレベルになるたびに、上記の動作を繰り返すことになる。
以上説明したように、この第1実施形態では、伝送ゲート5を高しきい値電圧のMOSトランジスタで構成したので、伝送ゲート5のオフ時に漏れ電流を防止でき、キャパシタC2はデータを確実に保持できる。また、インバータ回路6Aを低しきい値電圧のMOSトランジスタで構成したので、クロック信号CKがHレベルになってからデータ入力端子21の入力データDがデータ出力端子22に出力されるまでの遅延時間Tb(図2参照)を、従来のダイナミックラッチ回路における遅延時間Ta(図12参照)と比較して短縮できる。
なお、この第1実施形態では、メモリ要素回路が、寄生容量C2によるダイナミックメモリの場合について説明したが、これに代えてインバータ回路などを用いた正帰還ループによるスタティックメモリでも良い。この点については、後述の第2実施形態〜第5実施形態についても同様である。
(ラッチ回路の第2実施形態)
本発明のラッチ回路の第2実施形態の構成について、図3を参照して説明する。
この第2実施形態に係るラッチ回路はダイナミックラッチ回路であり、図3に示すように、スイッチ制御回路24と、クロック信号CKに同期してオンオフ動作しスイッチ回路として機能する伝送ゲート5と、この伝送ゲート5の後段に接続されるインバータ回路6と、伝送ゲート5とインバータ回路6との間に設けられデータを記憶するメモリ要素回路であるキャパシタC2と、データ入力端子21とデータ出力端子22との間に接続されるクロックドインバータ回路9とを備え、伝送ゲート5およびクロックドインバータ回路9がスイッチ制御回路24によりそれぞれオンオフ制御されるように構成する。
また、この第2実施形態では、伝送ゲート5およびインバータ回路6を構成する各MOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を、クロックドインバータ回路9を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも相対的に大きく設定するようにした。すなわち、伝送ゲート5およびインバータ回路6は高しきい値電圧のMOSトランジスタからなり、クロックドインバータ回路9は低しきい値電圧のMOSトランジスタからなる。
さらに、この第2実施形態は、正電源電圧VDDと負電源電圧VSSとの間で駆動するようになっており、しかも低電圧で駆動するようになっている。
従って、第2実施形態と図11に示す従来のダイナミックラッチ回路との構成の相違点は、クロックドインバータ回路9を追加するとともに、そのクロックドインバータ回路9を低しきい値電圧のMOSトランジスタM91〜M94で構成していることである。
スイッチ制御回路24は、クロック入力端子23に入力されるクロック信号CKを反転して反転信号CK1を生成するインバータ回路7と、このインバータ回路7の生成した反転信号CK1を反転して非反転信号CK2を生成するインバータ回路8とからなる。
伝送ゲート5は、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列接続したものであり、その入力側が入力データDが供給されるデータ入力端子21に接続され、その出力側が後段のインバータ回路6の入力側に接続されている。伝送ゲート5を構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタとには、スイッチ制御回路24からの反転信号CK1と非反転信号CK2とが供給され、これにより伝送ゲート5のオンオフ制御が行われるようになっている。
ここで、伝送ゲート5を構成するMOSトランジスタは、しきい値電圧が例えば0.8〔V〕程度というように、高しきい値電圧のMOSトランジスタからなる。
キャパシタC2は、伝送ゲート5とインバータ回路6との間のノードに寄生する寄生容量であり、その一端側がそのノードに接続され、その他端側が接地されている。このキャパシタC2は、データ入力端子21に入力される入力データDを記憶する機能を有し、メモリ要素回路を形成する。
インバータ回路6は、PMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2とから構成するCMOSインバータ回路からなり、キャパシタC2に記憶されるデータを反転して出力するものである。インバータ回路6の出力側は、データ出力端子22に接続されている。
クロックドインバータ回路9は、PMOSトランジスタM94、PMOSトランジスタM93、NMOSトランジスタM92、およびNMOSトランジスタM91を直列に接続し、そのPMOSトランジスタM94のソースに正電源電圧VDDを印加するとともに、そのNMOSトランジスタM91のソースが共通接続部に接地されている。
PMOSトランジスタM94およびNMOSトランジスタM91の各ゲートは、データ入力端子21に接続され、入力データDが入力されるようになっている。また、PMOSトランジスタM93のゲートには、スイッチ制御回路24からの反転信号CK1が供給され、NMOSトランジスタM92のゲートには、スイッチ制御回路24からの非反転信号CK2が供給されるようになっている。さらに、PMOSトランジスタM93とNMOSトランジスタM92との共通接続部は、データ出力端子22と接続されている。
ここで、クロックドインバータ回路9を構成するMOSトランジスタM91〜M94は、しきい値電圧が例えば0.3〔V〕程度というように、低しきい値電圧のMOSトランジスタからなる。
次に、このような構成からなる第2実施形態の動作例について、図2を参照して説明する。
いま、時刻t1における入力データDをDATA1とすると、時刻t1以前のクロック信号CKがLレベルのときには伝送ゲート5はオフし、キャパシタC2に保持されているデータDATA0がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力Qは反転データであるDATA0_Nとなる。このとき、クロックドインバータ回路9はオフの状態にあり、入力データDであるDATA1の出力は行わない。
次に、時刻t1でクロック信号CKがHレベルに変化すると、伝送ゲート5はオンになり、データ入力端子21の入力データDであるDATA1が伝送ゲート5を通過してキャパシタC2のデータがDATA0からDATA1に更新され、この更新データDATA1がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力QはDATA1_Nとなる。このとき、クロックドインバータ回路9はオンになり、入力データDであるDATA1を反転させ、この反転させたデータDATA1_Nをインバータ回路6と並列にデータ出力端子22へ出力する。
その後、クロック信号CKが再びLレベルになると、キャパシタC2に保持されているデータDATA1がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力Qが反転データDATA1_Nとなる。このとき、クロックドインバータ回路9はオフとなり、入力データDの出力は行わない。
以後、クロック信号CKのLレベル、Hレベルごとに、上記のような動作を繰り返すことになる。
ここで、クロック信号CKが第1レベルであるHレベルに変化してからデータ入力端子21の入力データDをデータ出力端子22に伝搬する2つの経路(パス)に注目する。経路10は従来のダイナミックラッチ回路と同じく伝送ゲート5とインバータ回路6を通過するものであり、経路11はクロックドインバータ回路9を通過するものである。
2つの経路10、11について、クロック信号CKがHレベルになってからデータ入力端子21の入力データDがデータ出力端子22に出力されるまでの遅延時間を比較すると、伝送ゲート5とインバータ回路6が高しきい値電圧のMOSトランジスタで構成されるのに対して、クロックドインバータ回路9は低しきい値電圧のMOSトランジスタにより構成されるため、経路11の遅延時間の方が短い。
ただし、このとき経路10の出力と経路11の出力が衝突するため、経路11の出力を有効にするためにクロックドインバータ回路9の出力パワーをインバータ回路6の出力パワーに比べて充分に大きくしておくことが望ましい。
つまり、この第2実施形態のダイナミックラッチ回路によれば、クロック信号CKがHレベルになってからデータ入力端子21の入力データがデータ出力端子22に出力されるまでの遅延時間を、従来のダイナミックラッチ回路と比較して経路10による遅延時間と経路11による遅延時間との差分だけ短縮できる。
(ラッチ回路の第3実施形態)
本発明のラッチ回路の第3実施形態の構成について、図4を参照して説明する。
この第3実施形態に係るラッチ回路はダイナミックラッチ回路であり、図3に示す第2実施形態のインバータ回路6を、図4に示すようにクロックドインバータ回路12に置き換えるようにしたものである。
すなわち、この第3実施形態は、図4に示すように、スイッチ制御回路24と、クロック信号CKに同期してオンオフ動作しスイッチ回路として機能する伝送ゲート5と、この伝送ゲート5の後段に接続されるクロックドインバータ回路12と、伝送ゲート5とインバータ回路6との間に設けられデータを記憶するメモリ要素回路であるキャパシタC2と、データ入力端子21とデータ出力端子22との間に接続されるクロックドインバータ回路9とを備え、伝送ゲート5、クロックドインバータ回路12、およびクロックドインバータ回路9がスイッチ制御回路24によりそれぞれオンオフ制御されるように構成している。
また、この第3実施形態では、伝送ゲート5およびクロックドインバータ回路12を構成する各MOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を、クロックドインバータ回路9を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも相対的に大きく設定するようにした。すなわち、伝送ゲート5およびクロックドインバータ回路12は高しきい値電圧のMOSトランジスタからなり、クロックドインバータ回路9は低しきい値電圧のMOSトランジスタからなる。
さらに、この第3実施形態は、正電源電圧VDDと負電源電圧VSSとの間で駆動するようになっており、しかも低電圧で駆動するようになっている。
クロックインバータ回路12は、PMOSトランジスタM14、PMOSトランジスタM13、NMOSトランジスタM12、およびNMOSトランジスタM11を直列に接続し、そのPMOSトランジスタM14のソースに正電源電圧VDDを印加するとともに、そのNMOSトランジスタM11のソースが接地されている。
PMOSトランジスタM14およびNMOSトランジスタM11の各ゲートは、伝送ゲート5の出力側およびキャパシタC2の一端側に接続され、キャパシタC2の記憶データが入力されるようになっている。また、NMOSトランジスタM12のゲートには、スイッチ制御回路24からの反転信号CK1が供給され、PMOSトランジスタM13のゲートには、スイッチ制御回路24からの非反転信号CK2が供給されるようになっている。さらに、PMOSトランジスタM13とNMOSトランジスタM12との共通接続部は、データ出力端子22と接続されている。
なお、第3実施形態は、上記のように、図3に示すインバータ回路6を図4に示すクロックドインバータ回路12に置き換えた点を除けば、その他の構成は第2実施形態の構成と同様であるので、同一の構成要素には同一符号を付してその他の構成の詳細な説明は省略する。
次に、このような構成からなる第3実施形態の動作例について、図2を参照して説明する。
いま、時刻t1における入力データDをDATA1とすると、時刻t1以前のクロック信号CKがLレベルのときには伝送ゲート5はオフし、クロックドインバータ回路12はオンしている。このため、キャパシタC2に保持されているデータDATA0はクロックドインバータ回路12で反転されて、クロックドインバータ回路12の出力Qは反転データDATA0_Nとなる。このとき、クロックドインバータ回路9はオフであり、入力データDの出力は行わない。
次に、時刻t1でクロック信号CKがHレベルに変化すると、伝送ゲート5はオンとなり、入力データDATA1が伝送ゲート5を通過してキャパシタC2の記憶データがDATA0からDATA1に更新されるが、クロックドインバータ回路12はオフであり、その更新データDATA1の出力は行わない。このとき、クロックドインバータ回路9はオンになり、入力データDであるDATA1を反転させ、この反転させたデータDATA1_Nをデータ出力端子22へ出力する。
その後、クロック信号CKが再びLレベルになると、クロックドインバータ回路12はオンとなり、キャパシタC2に保持されているデータDATA1がクロックドインバータ回路12で反転されて、クロックドインバータ回路12の出力Qが反転データDATA1_Nとなる。このとき、クロックドインバータ回路9はオフとなり、入力データDの出力は行わない。
以後、クロック信号CKのLレベル、Hレベルごとに、上記のような動作を繰り返すことになる。
ここで、第2実施形態と同様にクロック信号CKがHレベルに変化してからデータ入力端子21の入力データDをデータ出力端子22に伝搬する経路に注目すると、伝送ゲート5とクロックドインバータ回路12を通過する経路10は、クロック信号CKがHレベルのときクロックドインバータ回路12はオフしているため、入力データを出力しない。つまり、クロックドインバータ回路9を通過する経路11のみ入力データを出力し、第2実施形態のようにデータの衝突がない。
つまり、この第3実施形態のダイナミックラッチ回路によれば、クロック信号CKがHレベルになってからデータ入力端子21の入力データDをデータ出力端子22に伝搬するまでの遅延時間を、第2実施形態のダイナミックラッチ回路と比較して更に短縮することができる。
(ラッチ回路の第4実施形態)
本発明のラッチ回路の第4実施形態の構成について、図5を参照して説明する。
この第4実施形態に係るラッチ回路はダイナミックラッチ回路であり、図3に示す第2実施形態を基本とし、図3に示すスイッチ制御回路24と伝送ゲート5とを、図5に示すようにスイッチ制御回路24AとNMOSトランジスタのみで構成する伝送ゲート51とに置き換えるようにしたものである。
すなわち、この第4実施形態は、図5に示すように、スイッチ制御回路24Aと、クロック信号CKに同期してオンオフ動作しスイッチ回路として機能する伝送ゲート51と、この伝送ゲート51の後段に接続されるインバータ回路6と、伝送ゲート51とインバータ回路6との間に設けられデータを記憶するメモリ要素回路であるキャパシタC2と、データ入力端子21とデータ出力端子22との間に接続されるクロックドインバータ回路9とを備え、伝送ゲート51およびインバータ回路6がスイッチ制御回路24Aによりそれぞれオンオフ制御されるように構成する。
また、この第4実施形態では、伝送ゲート51およびインバータ回路6を構成する各MOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を、クロックドインバータ回路9を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも相対的に大きく設定するようにした。すなわち、伝送ゲート51およびインバータ回路6は高しきい値電圧のMOSトランジスタから構成し、クロックドインバータ回路9は低しきい値電圧のMOSトランジスタから構成する。
さらに、この第4実施形態は、正電源電圧VDDと負電源電圧VSSとの間で駆動するようになっており、しかも低電圧で駆動するようになっている。
スイッチ制御回路24Aは、クロック信号CKを反転して反転信号CK1を生成するインバータ回路7と、反転信号CK1に反転して非反転信号CK2を生成する昇圧インバータ回路78とからなる。
昇圧インバータ回路78は、自己が生成する非反転信号CK2がHレベルのときに、その非反転信号CK2のHレベルの値が、正電源電圧VDDと伝送ゲート51を構成するNMOSトランジスタのしきい値電圧Vthnとを加算した電圧値(VDD+Vthn)以上に昇圧するようになっている。
このため、インバータ回路7は通常の正電源電圧VDDで駆動され、昇圧インバータ回路78はその正電源電圧VDDよりも高い電源電圧で駆動されるようになっている。
るようになっている。
伝送ゲート51を構成するNMOSトランジスタは、そのソースがデータ入力端子21に接続され、そのドレインがインバータ回路6の入力側およびキャパタC2の一端側に接続されている。また、そのNMOSトランジスタは、ゲートにスイッチ制御回路24Aからの非反転信号CK2が供給され、その非反転信号CK2によりオンオフ制御されるようになっている。
なお、第4実施形態は、上記のように、図3に示すスイッチ制御回路24および伝送ゲート5を図5に示すようなスイッチ制御回路24Aおよび伝送ゲート51に置き換えた点を除けば、その他の構成は第2実施形態の構成と同様であるので、同一の構成要素には同一符号を付してその他の構成の詳細な説明は省略する。
次に、このような構成からなる第4実施形態の動作例について、図2を参照して説明する。
いま、時刻t1における入力データDをDATA1とすると、時刻t1以前のクロック信号CKがLレベルのときには伝送ゲート51はオフし、キャパシタC2に保持されているデータDATA0がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力Qは反転データであるDATA0_Nとなる。このとき、クロックドインバータ回路9はオフの状態にあり、入力データDであるDATA1の出力は行わない。
次に、時刻t1でクロック信号CKがHレベルに変化すると、伝送ゲート51はオンになり、データ入力端子21の入力データDであるDATA1が伝送ゲート51を通過してキャパシタC2のデータがDATA0からDATA1に更新され、この更新データDATA1がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力Qは反転データDATA1_Nとなる。このとき、クロックドインバータ回路9はオンになり、入力データDであるDATA1を反転させ、この反転させたデータDATA1_Nをインバータ回路6と並列にデータ出力端子22へ出力する。
その後、クロック信号CKが再びLレベルになると、キャパシタC2に保持されているデータDATA1がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力Qが反転データDATA1_Nとなる。このとき、クロックドインバータ回路9はオフとなり、入力データDの出力は行わない。
以後、クロック信号CKのLレベル、Hレベルごとに、上記のような動作を繰り返すことになる。
ここで、第2実施形態と同様に、クロック信号CKがHレベルに変化してからデータ入力端子21の入力データDをデータ出力端子22に伝搬する2つの経路10、11に注目する。経路10はNMOSトランジスタからなる伝送ゲート51とインバータ回路6を通過するものであり、経路11はクロックドインバータ回路9を通過するものである。経路10は第2実施形態のダイナミックラッチ回路の経路10と比べて、相補型MOSトランジスタによるトランスファーゲート5をNMOSトランジスタのみで構成される伝送ゲート51に置き換えている。このため、データ入力端子21の入力データDがLレベルの時の遅延時間は変わらないが、Hレベルの時の遅延時間が大きくなる。
しかし、経路11の遅延時間は第2実施形態と変わらないため、クロックCKがHレベルになってからデータ入力端子21の入力データDをデータ出力端子22に伝搬するまでの遅延時間は第2実施形態のダイナミックラッチ回路と変わらない。また、伝送ゲート51がオン状態であるときに、その伝送ゲート51を構成するMOSトランジスタのゲート電位が(VDD+Vthn)以上になるので、伝送ゲート51は安定したHレベルを通過させることができる。
つまり、第4実施形態のダイナミックラッチ回路によれば、第2実施形態のダイナミックラッチ回路と比べてクロック信号CKがHレベルになってからデータ入力端子21の入力データDをデータ出力端子22に伝搬するまでの遅延時間の短縮の効果は変わらず、回路を構成する素子を減少できる。
(ラッチ回路の第5実施形態)
本発明のラッチ回路の第5実施形態の構成について、図6を参照して説明する。
この第5実施形態に係るラッチ回路はダイナミックラッチ回路であり、図3に示す第2実施形態を基本とし、図3に示すスイッチ制御回路24と伝送ゲート5とを、図6に示すようにスイッチ制御回路24BとPMOSトランジスタのみで構成する伝送ゲート52とに置き換えるようにしたものである。
すなわち、この第5実施形態は、図6に示すように、スイッチ制御回路24Bと、クロック信号CKに同期してオンオフ動作しスイッチ回路として機能する伝送ゲート52と、この伝送ゲート52の後段に接続されるインバータ回路6と、伝送ゲート52とインバータ回路6との間に形成されデータを記憶するメモリ要素回路であるキャパシタC2と、データ入力端子21とデータ出力端子22との間に接続されるクロックドインバータ回路9とを備え、伝送ゲート52およびインバータ回路6がスイッチ制御回路24Bによりそれぞれオンオフ制御されるように構成する。
また、この第5実施形態では、伝送ゲート52およびインバータ回路6を構成する各MOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を、クロックドインバータ回路9を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも相対的に大きく設定するようにした。すなわち、伝送ゲート52およびインバータ回路6は高しきい値電圧のMOSトランジスタから構成し、クロックドインバータ回路9は低しきい値電圧のMOSトランジスタから構成する。
さらに、この第5実施形態は、正電源電圧VDDと負電源電圧VSSとの間で駆動するようになっており、しかも低電圧で駆動するようになっている。
スイッチ制御回路24Bは、クロック信号CKを反転して反転信号CK1を生成する降圧インバータ回路87と、この降圧インバータ回路87の生成する反転信号CK1を反転して非反転信号CK2を生成するインバータ回路8とからなる。
降圧インバータ回路87は、自己が生成する反転信号CK1がLレベルのときに、その反転信号CK1のLレベルの値が、負電源電圧VSSから伝送ゲート52を構成するPMOSトランジスタのしきい値電圧Vthpを減算した電圧値(VSS−Vthp)以下に降圧するようになっている。
このため、降圧インバータ回路87は通常の負電源電圧VSSよりも低い電源電圧で駆動され、インバータ回路8は通常の負電源電圧VSSで駆動されるようになっている。
伝送ゲート52を構成するPMOSトランジスタは、そのソースがデータ入力端子21に接続され、そのドレインがインバータ回路6の入力側およびキャパタC2の一端側に接続されている。また、そのPMOSトランジスタは、ゲートにスイッチ制御回路24Bからの反転信号CK1が供給され、その反転信号CK1によりオンオフ制御されるようになっている。
なお、第5実施形態は、上記のように、図3に示すスイッチ制御回路24および伝送ゲート5を図6に示すようなスイッチ制御回路24Bおよび伝送ゲート52に置き換えた点を除けば、その他の構成は第2実施形態の構成と同様であるので、同一の構成要素には同一符号を付してその他の構成の詳細な説明は省略する。
次に、このような構成からなる第5実施形態の動作例について、図2を参照して説明する。
いま、時刻t1における入力データDをDATA1とすると、時刻t1以前のクロック信号CKがLレベルのときには伝送ゲート52はオフし、キャパシタC2に保持されているデータDATA0がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力Qは反転データであるDATA0_Nとなる。このとき、クロックドインバータ回路9はオフの状態にあり、入力データDであるDATA1の出力は行わない。
次に、時刻t1でクロック信号CKがHレベルに変化すると、伝送ゲート52はオンになり、データ入力端子21の入力データDであるDATA1が伝送ゲート52を通過してキャパシタC2のデータがDATA0からDATA1に更新され、この更新データDATA1がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力Qは反転データDATA1_Nとなる。このとき、クロックドインバータ回路9はオンになり、入力データDであるDATA1を反転させ、この反転させたデータDATA1_Nをインバータ回路6と並列にデータ出力端子22へ出力する。
その後、クロック信号CKが再びLレベルになると、キャパシタC2に保持されているデータDATA1がインバータ回路6で反転されて、インバータ回路6の出力Qが反転データDATA1_Nとなる。このとき、クロックドインバータ回路9はオフとなり、入力データDの出力は行わない。
以後、クロック信号CKのLレベル、Hレベルごとに、上記のような動作を繰り返すことになる。
ここで、第2実施形態と同様にクロック信号CKがHレベルに変化してからデータ入力端子21の入力データDをデータ出力端子22に伝搬する2つの経路10、11に注目する。経路10はPMOSトランジスタ52とインバータ回路6を通過する経路であり、経路11はクロックドインバータ回路9を通過する経路である。
経路10は第2実施形態のダイナミックラッチ回路の経路10と比べて、相補型MOSトランジスタによる伝送ゲート5をPMOSトランジスタのみで構成する伝送ゲート52に置き換えているので、データ入力端子21の入力データDがHレベルの時の遅延時間は変わらないが、Lレベルの時の遅延時間が大きくなる。
しかし、経路11の遅延時間は第2実施形態と変わらないため、クロックCKがHレベルになってからデータ入力端子21の入力データDをデータ出力端子22に伝搬するまでの遅延時間は、第2実施形態のダイナミックラッチ回路と変わらない。また、伝送ゲート52がオン状態であるときにその伝送ゲート52を構成するPMOSトランジスタのゲート電位が(VSS−Vthp)以下になることから、伝送ゲート52は安定したLレベルを通過させることができる。
つまり、この第5実施形態のダイナミックラッチ回路によれば、第2実施形態のダイナミックラッチ回路と比べてクロック信号CKがHレベルになってからデータ入力端子21の入力データDをデータ出力端子22に伝搬するまでの遅延時間の短縮の効果は変わらず、回路を構成する素子を減少できる。
(フリップフロップ回路の実施形態)
次に、本発明のフリップフロップ回路の実施形態の構成について、図7を参照して説明する。
この実施形態に係るフリップフロップ回路はダイナミックフリップフロップ回路であり、図7に示すように、スイッチ制御回路34と、データ入力端子31からの入力データDをクロック信号CKに同期して取り込んで記憶するマスタ記憶回路1と、このマスタ記憶回路1に記憶されたデータをクロック信号CKに同期して取り込んで記憶するスレーブ記憶回路2とを備え、マスタ記憶回路1およびスレーブ記憶回路2はスイッチ制御回路34により制御されるようになっている。
ここで、スレーブ記憶回路2としては、例えば図3に示すようなダイナミックラッチ回路が適用される。
スイッチ制御回路34は、クロック入力端子33に入力されるクロック信号CKを反転して反転信号CK1を生成するインバータ回路7と、そのインバータ回路7の生成した反転信号CK1を反転して非反転信号CK2を生成するインバータ回路8とからなる。
マスタ記憶回路1は、図7に示すように、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列接続した伝送ゲート3と、この伝送ゲート3の後段に接続されるインバータ回路4と、伝送ゲート3とインバータ回路4の間に形成されデータを記憶するキャパシタC1と、を備えている。
伝送ゲート3は、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列接続したものであり、その入力側が入力データDが供給されるデータ入力端子31に接続され、その出力側が後段のインバータ回路4の入力側に接続されている。伝送ゲート3を構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタとには、スイッチ制御回路34からの反転信号CK1と非反転信号CK2とが供給され、これにより伝送ゲート3のオンオフ制御が行われるようになっている。
キャパシタC1は、伝送ゲート3とインバータ回路4との間のノードに寄生する寄生容量であり、その一端側がそのノードに接続され、その他端側が接地されている。このキャパシタC1は、データ入力端子31に入力される入力データDを記憶する機能を有し、メモリ要素回路を形成する。
インバータ回路4は、例えばCMOSインバータ回路からなり、キャパシタC1に記憶されるデータを反転して出力するものである。
スレーブ記憶回路2は、図7に示すように、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列接続した伝送ゲート5と、この伝送ゲート5の後段に接続されるインバータ回路6と、伝送ゲート5とインバータ回路6の間に形成されデータを記憶するキャパシタC2と、マスタ記憶回路1の出力側とデータ出力端子32との間に接続されるクロックドンバータ回路9と、を備えている。
伝送ゲート5は、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列接続したものであり、その入力側がマスタ記憶回路1の出力側に接続され、その出力側が後段のインバータ回路6の入力側に接続されている。伝送ゲート5を構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタとには、スイッチ制御回路34からの反転信号CK1と非反転信号CK2とが供給され、これにより伝送ゲート5のオンオフ制御が行われるようになっている。
キャパシタC2は、伝送ゲート5とインバータ回路6との間のノードに寄生する寄生容量であり、その一端側がそのノードに接続され、その他端側が接地されている。このキャパシタC2は、マスタ記憶回路1からの出力データを記憶する機能を有し、メモリ要素回路を形成する。
インバータ回路6は、例えばCMOSインバータ回路からなり、キャパシタC2に記憶されるデータを反転して出力するものである。インバータ回路6の出力側は、データ出力端子32に接続されている。
クロックドインバータ回路9は、PMOSトランジスタM94、PMOSトランジスタM93、NMOSトランジスタM92、およびNMOSトランジスタM91を直列に接続し、そのPMOSトランジスタM94のソースに正電源電圧VDDを印加するとともに、そのNMOSトランジスタM91のソースが接地されている。
PMOSトランジスタM94およびNMOSトランジスタM91の各ゲートは、マスタ記憶回路1の出力側のノードBに接続されている。また、PMOSトランジスタM93のゲートには、スイッチ制御回路34からの反転信号CK1が供給され、NMOSトランジスタM92のゲートには、スイッチ制御回路34からの非反転信号CK2が供給されるようになっている。さらに、PMOSトランジスタM93とNMOSトランジスタM92との共通接続部は、データ出力端子32と接続されている。
次に、このような構成からなるフリップフロップ回路の実施形態の動作例について、図8を参照して説明する。
いま、図8に示すように、時刻t1における入力データDをDATA1とすると、時刻t1以前のクロック信号CKがLレベルのときには、マスタ記憶回路1の伝送ゲート3がオンする。このため、そのデータDATA1は、伝送ゲート3を通過してキャパシタC1の記憶データがDATA0からDATA1に更新され、この更新されたデータDATA1がインバータ回路4で反転され、インバータ回路4の出力側のノードBにはその反転データDATA1_Nが出力される。
このときには、スレーブ記憶回路2の伝送ゲート5はオフであり、キャパシタC2に保持されているデータDATA0_Nがインバータ回路6で反転され、データ出力端子32からは反転データであるDATA0が出力される。また、このときには、クロックドインバータ回路9はオフとなり、マスタ記憶回路1から取り込んだデータの出力動作は行わない。
次に、時刻t1でクロック信号CKがHレベルに変化すると、マスタ記憶回路1の伝送ゲート3はオフして、キャパシタC1に保持されたデータDATA1がインバータ回路4で反転されて、インバータ回路4の出力側のノードBはその反転データDATA1_Nとなり、そのノードBはクロック信号CKがHレベルの間はDATA1_Nのまま変化しない。
このとき、スレーブ記憶回路2の伝送ゲート5はオンとなり、インバータ回路4の出力側のノードBのデータDATA1_Nが伝送ゲート5を通過してキャパシタC1の記憶データがDATA1_Nに更新され、この更新データDATA1_Nがインバータ回路6で反転されて、データ出力端子32からその反転データであるDATA1として出力される。また、このときには、クロックドインバータ回路9はオンとなり、データ入力端子31の入力データDのデータDATA1の反転データであるDATA1_Nを、インバータ回路6と並列にデータ出力端子32へ出力する。
その後、クロック信号CKが再びLレベルになると、マスター記憶回路1のキャパシタC1がデータDATA2に更新され、キャパシタC2に保持されているデータDATA1_Nがインバータ回路6で反転され、データ出力端子32からその反転データDATA1が出力される。
以後、クロック信号CKのLレベル、Hレベルごとに、上記のような動作を繰り返すことになる。
ここで、クロック信号CKがHレベルに変化する時刻t1を起点として、スレーブ記憶回路2の入力データDATA1_Nをデータ出力端子32に伝搬する2つの経路10、11に注目する。経路10は伝送ゲート5とインバータ回路6を通過する経路であり、経路11はクロックドインバータ回路9を通過する経路である。
2つの経路10、11について、クロック信号CKがHレベルに変化してから入力データDATA1がデータ出力端子32に出力されるまでの遅延時間を比較すると、伝送ゲート5とインバータ回路6が高しきい値電圧のMOSトランジスタで構成されるのに対して、クロックドインバータ回路9は低しきい値電圧のMOSトランジスタにより構成されるため、経路11の遅延時間の方が短い。
ただし、このとき経路10の出力と経路11の出力が衝突するため、経路11の出力を有効にするためにクロックドインバータ回路9の出力パワーをインバータ回路6の出力パワーに比べて充分大きくしておくことが望ましい。
つまり、この実施形態のダイナミックラッチ回路によれば、クロック信号CKがハイレベルになってからマスター記憶回路1の出力信号をデータ出力端子32が出力するまでの遅延時間を、従来のダイナミックフリップフロップ回路と比較して経路10と経路11の時間差分短縮することができる。
なお、この実施形態に係るフリップフロップ回路では、スレーブ記憶回路2として図7に示すようなダイナミックラッチ回路(図3に示すラッチ回路の第2実施形態)を適用した場合について説明した。しかし、スレーブ記憶回路2として、図1または図3〜図6に示すいずれのラッチ回路を適用するようにしても良い。
(シフトレジスタ回路の実施形態)
次に、本発明のフリップフロップ回路を用いたシフトレジスタ回路の実施形態の構成について、図9を参照して説明する。
この実施形態に係るシフトレジスタ回路は、図9に示すように、直列に接続されるN個の従来のフリップフロップ回路FF1〜FFNと、フリップフロップ回路FFNの後段に接続される1つの本発明に係るフリップフロップ回路FFN+1と、から構成される。
ここで、終段のフリップフロップ回路FFN+1としては、例えば図7に示すようなフリップフロップ回路が適用される。
初段のフリップフロップ回路FF1は、入力データDを取り込むためにデータ入力端子41と接続されている。また、終段のフリップフロップFFN+1は、出力データを取り出すためにデータ出力端子22に接続されている。さらに、フリップフロップ回路FF1〜FFNとフリップフロップ回路FFN+1は、クロック入力端子43に接続され、そのクロック入力端子43に供給されるクロック信号CKに同期して動作するようになっている。
次に、このような構成からなるシフトレジスタ回路において、フリップフロップ回路FFNとフリップフロップ回路FFN+1の動作について、図10を参照して説明する。
図10に示すように、時刻t1において、フリップフロップ回路FFNは、前段のフリップフロップFFN−1の出力QN−1のデータDATANを保持し、この保持データを出力QNとして出力する。また、フリップフロップ回路FFN+1は、フリップフロップ回路FFNの出力QN+1のデータDATAN−1を保持し出力する。
そして、時刻t2でフリップフロップ回路FFNは、前段のフリップフロップ回路FFN−1の出力QN−1のデータDATAN+1を保持し、この保持データを出力QNとして出力する。また、フリップフロップ回路FFN+1は、フリップフロップ回路FFNの出力QN−1のデータDATANを保持し出力する。
他のフリップフロップ回路FF1〜FFN−1も同様に動作し、回路全体としてはクロック信号CKの立ち上がりエッジごとに入力データを次段のフリップフロップ回路にシフトさせる動作を行う。
次に、この実施形態に係るシフトレジスタ回路が、上記のように従来のフリップフロップ回路と本発明に係るフリップフロップ回路の双方を使用した理由について説明する。
従来のフリップフロップ回路と本発明に係るフリップフロップ回路とを比較すると、本発明に係るフリップフロップ回路を使用する場合には、低しきい値電圧のMOSトランジスタの増加により消費電流が増加し、またクロックドインバータ回路の付加によりレイアウト面積が増加する可能性がある。これらを最小限に抑えるためには、必要なところにのみ本発明によるフリップフロップ回路を使用すれば良い。
すなわち、シフトレジスタ回路において正しいシフト動作を行うためには、時刻t1で保持し出力するデータDATANは時刻t2までに確定しなければならないが、フリップフロップ回路FF1〜FFNの出力から次段のフリップフロップ回路の入力までの間は、出力遅延のみで論理遅延等を持たず出力を高速化する必要がない。このため、フリップフロップ回路FF1〜FFNは従来のフリップフロップ回路で構成し、最終段のフリップフロップ回路FFN+1のみ本発明によるフリップフロップ回路で構成すれば、シフトレジスタ回路全体としての出力遅延時間は短くなる。
つまり、この実施形態のシフトレジスタ回路によれば、最終段の1つのみ本発明によるフリップフロップ回路を使用することにより、消費電流とレイアウト面積の増加を抑えつつ、回路全体としてより高速動作が可能なシフトレジスタ回路を実現できる。
(その他の説明)
上記のように、ラッチ回路の各実施形態、およびフリップフロップ回路の実施形態では、その構成素子としてMOSトランジスタを使用した場合について説明したが、回路の一部分あるいは全部がMOSトランジスタ以外の回路要素、例えばバーポーラトランジスタ等の素子で実現しても良い。
また、ラッチ回路の実施形態では、伝送ゲート5をスイッチ回路として使用した場合について説明したが、スイッチ回路として伝送ゲート以外のクロックドインバータ回路等の信号経路をオン/オフできる回路で実現しても良い。
さらに、ラッチ回路の実施形態では、インバータ回路6,6Aとクロックドインバータ回路9を上記のように構成したが、NAND回路、NOR回路の形状をなしていても、インバータ動作(信号反転動作)を行うものであれば良い。
また、ラッチ回路の実施形態などを駆動するクロック信号は、いくつかのグループに分けて別個のインバータ回路やNAND回路、NOR等のドライバ素子でドライブされていても、またそれらが電源電圧の違うドライバ素子であっても、実質的に同じ位相であれば良い。
本発明のラッチ回路の第1実施形態の回路構成を示す図である。 その第1実施形態などの動作説明のための各部の波形図である。 本発明のラッチ回路の第2実施形態の回路構成を示す図である。 本発明のラッチ回路の第3実施形態の回路構成を示す図である。 本発明のラッチ回路の第4実施形態の回路構成を示す図である。 本発明のラッチ回路の第5実施形態の回路構成を示す図である。 本発明のフリップフロップ回路の実施形態の回路構成を示す図である。 その実施形態の動作時の各部の波形図である。 本発明のシフトレジスタ回路の実施形態の構成を示す図である。 その実施形態の動作例を示す各部の波形図である。 従来のダイナミックラッチ回路の回路構成を示す図である。 そのダイナミックラッチ回路の動作説明のための各部の波形図である。
符号の説明
1 マスタ記憶回路
2 スレーブ記憶回路
3,5,51,52 伝送ゲート(スイッチ回路)
4,6,6A インバータ回路
78 昇圧インバータ回路
87 降圧インバータ回路
9,12 クロックドインバータ回路
10,11 経路(パス)
C1,C2 キャパシタ(メモリ要素回路)
CK クロック信号

Claims (6)

  1. クロック信号に同期してオンオフ動作するとともにMOSトランジスタから構成するスイッチ回路と、
    このスイッチ回路の後段に接続されてMOSトランジスタから構成するインバータ回路と、
    前記スイッチ回路と前記インバータ回路との間に設けられデータを記憶するメモリ要素回路と、を備え、
    前記クロック信号が第1レベルのときには、前記スイッチ回路はオンして入力データを通過させて前記メモリ要素回路の記憶データを更新し、前記インバータ回路はその更新データを反転出力するようにし、
    一方、前記クロック信号が第2レベルのときには、前記スイッチ回路はオフして前記メモリ要素回路は記憶データを保持し、前記インバータ回路はその保持データを反転出力するようにし、
    さらに、前記スイッチ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を、前記インバータ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも相対的に大きくするようにしたことを特徴とするラッチ回路。
  2. クロック信号に同期してオンオフ動作するとともにMOSトランジスタから構成するスイッチ回路と、
    このスイッチ回路の後段に接続されるインバータ回路と、
    前記スイッチ回路と前記インバータ回路との間に設けられデータを記憶するメモリ要素回路と、
    前記スイッチ回路の入力端子と前記インバータ回路の出力端子との間に接続され、前記クロック信号に同期してオンオフ動作するとともにMOSトランジスタから構成するクロックドインバータ回路とを備え、
    前記クロック信号が第1レベルのときには、前記スイッチ回路はオンして入力データを通過させて前記メモリ要素回路の記憶データを更新するとともに、前記インバータ回路はその更新データを反転出力し、かつ、前記クロックドインバータ回路はオンして前記入力データを反転出力するようにし、
    一方、前記クロック信号が第2レベルのときには、前記スイッチ回路はオフして前記メモリ要素回路は記憶データを保持するとともに、前記インバータ回路はその記憶データを反転出力し、かつ、前記クロックドインバータ回路はオフして前記入力データの出力を停止するようにし、
    さらに、前記スイッチ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を、前記クロックドインバータ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも相対的に大きくするようにしたことを特徴とするラッチ回路。
  3. クロック信号に同期してオンオフ動作するとともにMOSトランジスタから構成するスイッチ回路と、
    このスイッチ回路の後段に接続され、前記クロック信号に同期してオンオフ動作する第1クロックドインバータ回路と、
    前記スイッチ回路と前記第1クロックドインバータ回路との間に設けられデータを記憶するるメモリ要素回路と、
    前記スイッチ回路の入力端子と前記第1クロックドインバータ回路の出力端子との間に接続され、前記クロック信号に同期してオンオフ動作するとともにMOSトランジスタから構成する第2クロックドインバータ回路とを備え、
    前記クロック信号が第1レベルのときには、前記スイッチ回路はオンして入力データを通過させて前記メモリ要素回路の記憶データを更新するとともに、前記第1クロックドインバータ回路はオフして出力を停止し、かつ、前記第2クロックドインバータ回路はオンして前記入力データを反転出力するようにし、
    一方、前記クロック信号が第2レベルのときには、前記スイッチ回路をオフして前記メモリ要素回路は記憶データを保持するとともに、前記第1クロックドインバータ回路はオンしてその記憶データを反転出力し、かつ、前記第2クロックドインバータ回路はオフして出力を停止するようにし、
    さらに、前記スイッチ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を、前記第2クロックドインバータ回路を構成するMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも相対的に大きくするようにしたことを特徴とするラッチ回路。
  4. 前記ラッチ回路は、正電源電圧と負電源電圧との間で駆動するようにし、
    前記スイッチ回路は、1つのNMOSトランジスタにより構成するようにし、かつ、前記NMOSトランジスタがオンのときにはそのゲート電位が前記正電源電圧よりも高くなるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載のラッチ回路。
  5. 前記ラッチ回路は、正電源電圧と負電源電圧との間で駆動するようにし、
    前記スイッチ回路は、1つのPMOSトランジスタにより構成するようにし、かつ、前記PMOSトランジスタがオンのときにはそのゲート電位が前記負電源電圧よりも低くなるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載のラッチ回路。
  6. 入力データをクロック信号に同期して取り込んで記憶するマスタ記憶回路と、
    このマスタ記憶回路に記憶されたデータを前記クロック信号に同期して取り込んで記憶するスレーブ記憶回路とを備え、
    前記マスタ記憶回路は、前記クロック信号が第2レベルのときに前記入力データに従って記憶データを更新するとともにその更新データを出力し、前記クロック信号が第1レベルのときに記憶データに従って出力を行い、
    前記スレーブ記憶回路は、前記クロック信号が第1レベルのときに前記マスタ記憶回路からのデータに従って記憶データを更新するとともにその更新データを出力し、前記クロック信号が第2レベルのときに記憶データに従って出力を行い、
    前記スレーブ記憶回路が請求項1乃至請求項5のうちのいずれかに記載のラッチ回路から構成するようにしたことを特徴とするフリップフロップ回路。
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