JP2013227006A - 車両用空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両用空気調和装置15は、第1通路52および第2通路57を備えている。また、第1通路に導入された外気をエバポレータ26、ヒータコア31で空調し、空調された外気をDEF吹出口96、サイドDEF吹出口97、サイドベント吹出口92から窓ガラス77,78に向けて空調風として吹出し可能とした。さらに、第2通路に導入された内気をエバポレータ、ヒータコアで空調し、空調された内気をセンタベント吹出口91、前後のヒート吹出口93,94から車室11内に空調風として吹出し可能とした。
【選択図】図4
Description
この車両用空気調和装置によれば、例えばヒートモードやヒート/デフロストモードにおいて、車室内で既に暖められている内気を内気通路で循環させ、循環させた内気をヒート吹出口から空調風として吹き出すことにより車室内を適正温度に暖房することが可能である。
同時に、車室外から外気を外気通路で導入し、低湿度に空調された外気をデフロスト吹出口から窓ガラスに空調風として吹き出すことにより窓ガラスの防曇性を良好に確保することが可能である。
ここで、通常安定状態とは、例えば、車室内に吹き出す空調風の風量や、車室内の温度などを中間範囲に設定した状態をいう。
よって、車両用空気調和装置の消費エネルギの低減と窓ガラスの防曇性との両方を良好に確保し難い。
このため、通常安定状態の作動中に、例えば、外気導入した空調風を加熱または冷却して車室内の適温性や窓ガラスの防曇性の両方を良好に確保する必要があり、そのことが車両用空気調和装置の消費エネルギを低減する妨げになっていた。
また、第2導入口から第2通路に導入された車室内の空気(内気)を、エバポレータ、ヒータコアで空調して、空調された内気をセンタベント吹出口、ヒート吹出口から車室内に空調風として吹出し可能とした。
ここで、空調風とは、エバポレータ、ヒータコアで冷却や加熱(すなわち、空気調和(空調))された外気、内気をいう。
さらに、車両用空気調和装置の作動中に、車室外から導入された低湿度の外気または空調された外気をデフロスト吹出口、サイドデフロスト吹出口、サイドベント吹出口から窓ガラスに向けて空調風として吹き出すことができる。
よって、車室外から導入した外気で窓ガラスに曇りが発生することを未然に抑えることができる。
加えて、内気を循環させて車室内の適温性を良好に確保した状態で、外気を導入して窓ガラスの防曇性を良好に確保できる。
すなわち、車両用空気調和装置の作動中に、車室内の適温性および窓ガラスの防曇性の両方を同時に良好に確保できる。
これにより、車室内に吹き出す空調風の風量を好適に抑えることができるので、消費エネルギの低減を図ることができる。
よって、第1ファンおよび第2ファンの駆動状態や停止状態の切替え、または回転数の調整をそれぞれ個別におこなうことができる。
さらに、第1通路に第1ファンを設け、第2通路に第2ファンを設けることにより、第1ファンと第2ファンとの間の風洩れを防止できる。
したがって、車室内の適温性および窓ガラスの防曇性の両方を同時に一層良好に確保でき、かつ消費エネルギを一層低減させることができる。
エバポレータの一端側の部位に第1通路を設け、エバポレータの他端側の部位に第2通路を設けた理由はつぎの通りである。
よって、車両用空気調和装置の作動中に第2通路に内気が導かれ、窓ガラスの曇りを未然に抑える場合に第1通路に外気が導かれる頻度が高い。
このため、車両用空気調和装置の低風量時に、エバポレータの下方側に導かれる凝縮水がチューブやファンで凍ることが考えられる。
よって、エバポレータのチューブやファンで凝縮水が凍ることを防止することができる。これにより、エバポレータを通過する外気や内気の導通性を良好に確保できるので、車両用空気調和装置の消費エネルギをさらに好適に低減することができる。
図1に示すように、車両10は、車室11の前部がインストルメントパネル13で仕切られ、インストルメントパネル13の車体前方に車両用空気調和装置15を備えている。
第1通路52および第2通路57は、第1仕切壁64、第2仕切壁65、第3仕切壁66でハウジング21内に区画されている。
また、センタベント入口58および前後ヒート入口60は、エバポレータ26やヒータコア31の車体後方側に設けられている。
第1仕切壁64、第2仕切壁65、第3仕切壁66については後で詳しく説明する。
以下、エバポレータ26の下半部27を「エバポレータ下半部27」と称す。
第1ファン23を駆動軸23aで回転することで、第1導入口51から外気または内気を導入し、導入した外気または内気を下流側のエバポレータ下半部27に向けて案内することができる。
なお、第1ファンモータに印加する電圧を調整することで、第1ファン23の回転数を調整することが可能である。
以下、エバポレータ26の上半部28を「エバポレータ上半部28」と称す。
第2ファン24を駆動軸24aで回転することで、第2導入口56から内気または外気を導入し、導入した内気または外気を下流側のエバポレータ上半部28に向けて案内することができる。
なお、第2ファンモータに印加する電圧を調整することで、第2ファン24の回転数を調整することが可能である。
よって、第1ファン23および第2ファン24の駆動状態や停止状態の切替え、または回転数の調整をそれぞれ個別におこなうことができる。
エバポレータ26は、車体後方から車体前方に向けて下り勾配に傾斜されている。
エバポレータ26の上半部にエバポレータ上半部28が位置し、エバポレータ26の下半部にエバポレータ下半部27が位置している。
すなわち、エアコンユニット16のコンプレッサを駆動することで冷媒が気体の状態でコンデンサに送られる。送られた冷媒がコンデンサにおいて冷却され、液体の状態でエキスパンションバルブ29へ送られる。このエキスパンションバルブ29で減圧された冷媒がエバポレータ26に送られる。
さらに、第2ファン24で第2通路57に案内された外気または内気をエバポレータ上半部28で冷却できる。
すなわち、第1通路52において、エバポレータ下半部27およびヒータコア31の下半部が第1導入口51から下流側に向けて順に配設されている。
また、第2通路57において、エバポレータ上半部28およびヒータコア31の上半部が第2導入口56から下流側に向けて順に配設されている。
よって、ヒータコア31は、エバポレータ26と同様に、車体後方から車体前方に向けて下り勾配に傾斜されている。
このヒータコア31は、通常のエアコンユニットに一般に用いられているヒータコアと同様に構成されている。
ヒータコア31にエバポレータ26で冷却された外気または内気を、第1、第2の冷暖房切替ダンパ38,39により導くことにより、外気または内気をヒータコア31で加熱することができる。
すなわち、第1ファン23の下流側にエバポレータ下半部27が設けられ、第2ファン24の下流側にエバポレータ上半部28が設けられている。
すなわち、第1通路52にデフロスト吹出口96、サイドデフロスト吹出口97、サイドベント吹出口92が連通され、第2通路57にセンタベント吹出口91、前ヒート吹出口93、後ヒート吹出口94(図5参照)が連通されている。
よって、車両用空気調和装置15の作動中に第2通路57に内気が導かれ、フロント窓ガラス77やサイド窓ガラス78(図5参照)の曇りを未然に抑える場合に第1通路52に外気が導かれる頻度が高い。
このため、車両用空気調和装置の低風量時に、エバポレータ上半部28からエバポレータ下半部27に導かれる凝縮水がチューブやファンで凍ることが考えられる。
よって、エバポレータ26のチューブやファンで凝縮水が凍ることを防止できる。これにより、エバポレータ26を通過する外気や内気の導通性を良好に確保できるので、車両用空気調和装置15の消費エネルギを好適に低減することができる。
エバポレータ下半部27の下流側にヒータコア31の下半部が設けられ、エバポレータ上半部28の下流側にヒータコア31の上半部が設けられている。
さらに、ヒータコア31の下流側が第3仕切壁66で第1通路52および第2通路57に仕切られている。
第1通路52に、エバポレータ下半部27およびヒータコア31の下半部が設けられている。また、第2通路57に、エバポレータ上半部28およびヒータコア31の上半部が設けられている。
ダンパ手段35は、第1導入口51の開閉を切り替える第1切替ダンパ36と、第2導入口56の開閉を切り替える第2切替ダンパ37と、エバポレータ下半部27の下流側に設けられた第1冷暖房切替(エアミックス)ダンパ38と、エバポレータ上半部28の下流側に設けられた第2冷暖房切替(エアミックス)ダンパ39とを備えている。
第1切替ダンパ36が第1導入口51のストッパ部51aに配置されることで、第1導入口51から外気を導入することができる。
一方、第1切替ダンパ36が第1導入口51のストッパ部51bに配置されることで、第1導入口51から内気を導入することができる。
すなわち、車両用空気調和装置15の通常安定状態の作動中において、第1導入口51から第1通路52に外気が導入される。
ここで、通常安定状態とは、例えば、車室内が乗員に対して快適な環境に至った状態をいう。
第2切替ダンパ37が第2導入口56のストッパ部56aに配置されることで、第2導入口56から内気を導入することができる。
一方、第2切替ダンパ37が第2導入口56のストッパ部56bに配置されることで、第2導入口56から外気を導入することができる。
すなわち、車両用空気調和装置15の通常安定状態の作動中において、第2導入口56から第2通路57に内気が導入される。
第1冷暖房切替ダンパ38をクール第1連通口71およびヒート第1連通口72間で矢印C方向に揺動させることで、クール第1連通口71やヒート第1連通口72を開閉可能である。
以下、エバポレータ下半部27で冷却された外気や内気を「第1冷却空調風」という。
ヒータコア31の下半部に導かれた外気や内気はヒータコア31の下半部で加熱される。
以下、ヒータコア31の下半部で加熱された外気や内気を「第1加熱空調風」という。
これにより、第1冷却空調風の一部をDEF入口53やサイドベント入口54に向けて導き、残りの第1冷却空調風をヒータコア31の下半部に向けて導くことができる。
ヒータコア31の下半部で加熱された第1加熱空調風は、ヒータコア31の下半部の下流側で第1冷却空調風の一部と混合する。
以下、第1加熱空調風および第1冷却空調風を混合した外気や内気を「第1混合空調風」という。
第2冷暖房切替ダンパ39をクール第2連通口74およびヒート第2連通口75間で矢印D方向に揺動させることで、クール第2連通口74やヒート第2連通口75を開閉可能である。
以下、エバポレータ上半部28で冷却された内気や外気を「第2冷却空調風」という。
ヒータコア31の上半部に導かれた外気はヒータコア31の上半部で加熱される。
以下、ヒータコア31の上半部で加熱された内気や外気を「第2加熱空調風」という。
これにより、第2冷却空調風の一部をセンタベント入口58および前後ヒート入口60などに向けて導き、残りの第2冷却空調風をヒータコア31の上半部に向けて導くことができる。
ヒータコア31の上半部で加熱された第2加熱空調風は、ヒータコア31の上半部の下流側で第2冷却空調風の一部と混合する。
以下、第2加熱空調風および第2冷却空調風を混合した内気や外気を「第2混合空調風」という。
サイドベント/DEF切替ダンパ41をサイドベント入口54およびDEF連通口55間で矢印E方向に揺動させることで、サイドベント入口54やDEF連通口55を開閉可能である。
DEF連通口55は、サイドベント入口54およびDEF入口53を連通可能な開口である。
以下、第1冷却空調風、第1加熱空調風や第1混合空調風を「第1空調風」という。
また、サイドベント/DEF切替ダンパ41でDEF連通口55を閉じることにより、第1空調風をサイドベント入口54に向けて導くことができる。
これにより、第1空調風の一部をサイドベント入口54に向けて導き、残りの第1空調風をDEF連通口55に向けて導くことができる。
DEF温風切替ダンパ42を矢印F方向に回動することでサイドベント連通口59を開閉可能である。
センタベント/ヒート切替ダンパ43をセンタベント入口58および前後ヒート入口60間で矢印G方向に揺動させることで、センタベント入口58や前後ヒート入口60を開閉可能である。
また、センタベント/ヒート切替ダンパ43でセンタベント入口58を閉じることにより、エバポレータ上半部28やヒータコア31の上半部を通過した内気や外気を、前後ヒート入口60に向けて導くことができる。
これにより、エバポレータ上半部28やヒータコア31の上半部を通過した内気の一部や外気の一部をセンタベント入口58に向けて導き、残りの内気や残りの外気を前後ヒート入口60に向けて導くことができる。
ダクトユニット18は、フロントシートに着座した乗員の顔に空調風を導くセンタベントダクト81と、フロントシートに着座した乗員の側部に空調風を導くサイドベントダクト82と、フロントシートに着座した乗員の足元に空調風を導く前ヒートベントダクト83(図5参照)と、リヤシートに着座した乗員の足元に空調風を導く後ヒートベントダクト84(図5参照)とを備えている。
このセンタベント吹出口91は、インストルメントパネル13の略中央13aに設けられている。
よって、フロントシートに着座した乗員の顔に向けてセンタベント吹出口91から空調風を吹き出すことができる。
このサイドベント吹出口92は、インストルメントパネル13の両側部13bに設けられている。
よって、フロントシートに着座した乗員の側部に向けてサイドベント吹出口92から空調風を吹き出すことができる。
さらに、サイドベント吹出口92は、サイド窓ガラス78(図5参照)に向けて空調風を吹き出すことができる。
この前ヒート吹出口93は、フロアパネル14においてフロントシートの車体前方に設けられている。
よって、フロントシートに着座した乗員の足元に向けて前ヒート吹出口93から空調風を吹き出すことができる。
この後ヒート吹出口94は、フロアパネル14においてリヤシートの車体前方に設けられている。
よって、リヤシートに着座した乗員の足元に向けて後ヒート吹出口94から空調風を吹き出すことができる。
このDEFダクト86は、インストルメントパネル13の上前部13c、すなわちフロント窓ガラス77の車体後方に隣接して設けられている。
よって、フロント窓ガラス77に向けてDEF吹出口96から空調風を吹き出すことができる。
このサイドDEFダクト87は、インストルメントパネル13の両側部においてサイドベント吹出口92の上部13d、すなわちサイド窓ガラス78の車体前方に設けられている。
よって、サイド窓ガラス78に向けてサイドDEF吹出口97から空調風を吹き出すことができる。
さらに、車両用空気調和装置15は、第2導入口56から内気や外気を導入し、導入した内気や外気をエバポレータ上半部28やヒータコア31の上半部で空気調和させ、空気調和させた内気や外気を空調風として車室11内に吹き出すことが可能である。
さらに、車室11内の内気を車両用空気調和装置15を経て車室11内に循環させることができる。
湿度センサ102は、車室11内の湿度を検知し、検知した湿度情報を制御部(図示せず)に伝えるように構成されている。
制御部は、湿度センサ102から伝えられた湿度情報を、予め設定されているしきい値と比較し、比較結果に基づいて窓ガラスが曇り始める状態にあるか否かを判断する。
このように、湿度センサ102を備えることで、窓ガラス(フロント窓ガラス77、サイド窓ガラス78)に曇りが発生することを未然に抑えることができる。
また、センタベント吹出口91、前後のヒート吹出口93,94に第2通路57を連通可能とし、この第2通路57にエバポレータ上半部28およびヒータコア31の上半部を設けた。さらに、第2通路57に内気、外気を導入可能とした。
これにより、車両用空気調和装置15の作動中に、車室11内で既に適温に保たれている内気を循環させて各々の吹出口91,93,94から空調風として吹き出して車室11内の暖房や冷房状態を効率よく調整することができる。
よって、車両用空気調和装置15の作動中に、車室11外から導入された低湿度の外気または空調された外気を各々の吹出口96,97,92からフロント窓ガラス77やサイド窓ガラス78に向けて空調風として吹き出すことができる。
これにより、車室11外から導入した外気でフロント窓ガラス77やサイド窓ガラス78の曇りを未然に防止することができる。
よって、第1ファン23および第2ファン24の駆動状態や停止状態の切替え、または回転数の調整をそれぞれ個別におこなうことができる。
したがって、車室11内の適温性および窓ガラス(フロント窓ガラス77、サイド窓ガラス78)の防曇性の両方を同時に一層良好に確保でき、かつ消費エネルギを一層低減させることができる。
まず、車両用空気調和装置15で車室11内を冷房状態に保つ例を図6〜図13に基づいて説明する。
図6(a)に示すように、第1切替ダンパ36を第1導入口51のストッパ部51bに配置し、第2切替ダンパ37を第2導入口56のストッパ部56aに配置する。
図6(b)に示すように、第1冷暖房切替ダンパ38をヒート第1連通口72に配置し、エアコンユニット16の第2冷暖房切替ダンパ39をヒート第2連通口75に配置する。
また、DEF温風切替ダンパ42をサイドベント連通口59を閉塞する位置に配置し、サイドベント/DEF切替ダンパ41をDEF連通口55に配置する。
第2冷却空調風が、センタベント入口58およびセンタベントダクト81を経てセンタベント吹出口91から車室11内に矢印Iの如く空調風として吹き出される(図7も参照)。
第1冷却空調風が、クール第1連通口71およびサイドベント入口54を経てサイドベントダクト82に導かれる。
図7に示すように、サイドベントダクト82に導かれた第1冷却空調風がサイドベント吹出口92から車室11内に矢印Jの如く空調風として吹き出される。
これにより、高効率な作動が可能になり、消費エネルギの低減を図ることができる。
図8(a)に示すように、図6(a)のベントモード(最大冷房状態)から、第1切替ダンパ36を第1導入口51のストッパ部51aに配置する。
また、図8(b)に示すように、図6(b)のベントモード(最大冷房状態)から、第1冷暖房切替ダンパ38をクール第1連通口71およびヒート第1連通口72間に配置し、エアコンユニット16の第2冷暖房切替ダンパ39をクール第2連通口74およびヒート第2連通口75間に配置する。
なお、第1ファン23および第2ファン24は、図6(a)のベントモード(最大冷房状態)より各回転数が低く抑えられる。
第2通路57に導かれた内気がエバポレータ上半部28を通過する際に冷却されて第2冷却空調風となる。第2冷却空調風の一部が第2通路57に導かれる。
第2加熱空調風が、第2通路57に導かれ、第2通路57で第2冷却空調風と混合される。第2冷却空調風および第2加熱空調風が混合されることで、混合された第2混合空調風が車室11内を好適に冷房可能な温度に調整される。
この第2混合空調風がセンタベント入口58およびセンタベントダクト81を経てセンタベント吹出口91から車室11内に矢印Kの如く空調風として吹き出される(図9も参照)。
第1冷却空調風の一部が第1通路52に導かれる。
第1加熱空調風が、第1通路52に導かれ、第1通路52で第1冷却空調風と混合される。第1冷却空調風および第1加熱空調風が混合されることで、混合された第1混合空調風が車室11内を好適に冷房可能な温度に調整される。
図9に示すように、サイドベントダクト82に導かれた第1混合空調風がサイドベント吹出口92から車室11内に矢印Lの如く空調風として吹き出される。
これに対して、車両用空気調和装置15は、サイド窓ガラス78近傍のサイドベントダクト82のみに外気(第1混合空調風)を流し、センタベントダクト81に内気(第2混合空調風)を流すことで、最小限の冷却で快適性と換気、曇り防止との両立ができる。
これにより、車室11内に吹き出す空調風の冷却仕事量を抑えることができるので、消費エネルギの低減を図ることができる。
これにより、高効率な作動が可能になり、消費エネルギの低減をさらに図ることができる。
図10(a)に示すように、図8(a)のベントモード(通常安定状態)から、第2ファン24の回転数を上げて、第1ファン23の回転数を下げる。
一例として、第1ファン23の回転数と、第2ファン24の回転数との割合を25%:75%に設定する。
第2通路57に導かれた内気がエバポレータ上半部28を通過する際に冷却されて第2冷却空調風となる。第2冷却空調風の一部が第2通路57に導かれる。
第2加熱空調風が、第2通路57に導かれ、第2通路57で第2冷却空調風と混合される。第2冷却空調風および第2加熱空調風が混合されることで、混合された第2混合空調風が車室11内を好適に冷房可能な温度に調整される。
この第2混合空調風の一部が、センタベント入口58およびセンタベントダクト81を経てセンタベント吹出口91から車室11内に矢印Mの如く空調風として吹き出される(図9も参照)。
また、第2混合空調風の残りが前後ヒート入口60に導かれる。
図11に示すように、前後ヒート入口60に導かれた第2混合空調風の一部が、前ヒートベントダクト83を経て前ヒート吹出口93から車室11内に矢印Nの如く空調風として吹き出される。
また、第2混合空調風の残りが、後ヒートベントダクト84を経て後ヒート吹出口94から車室11内に矢印Oの如く空調風として吹き出される。
第1冷却空調風の一部が第1通路52に導かれる。
第1加熱空調風が、第1通路52に導かれ、第1通路52で第1冷却空調風と混合される。第1冷却空調風および第1加熱空調風が混合されることで、混合された第1混合空調風が車室11内を好適に冷房可能な温度に調整される。
図11に示すように、サイドベントダクト82に導かれた第1混合空調風がサイドベント吹出口92から車室11内に矢印Pの如く空調風として吹き出される。
サイドベント吹出口92から矢印Pの如く吹き出された空調風の一部がサイド窓ガラス78に導かれる。
これにより、サイドベント吹出口92から吹き出された空調風の一部で、サイド窓ガラス78の防曇状態を効率よく確保できる。
これにより、車室11内に吹き出す空調風の冷却仕事量を抑えることができるので、消費エネルギの低減を図ることができる。
これにより、最小限の外気導入量で換気や曇りを防止できるので、消費エネルギの低減をさらに図ることができる。
制御部から伝えられた制御信号に基づいて車両用空気調和装置15のエアコンユニット16がバイレベルモードにおいて防曇状態に調整される。
さらに、サイドベント/DEF切替ダンパ41がサイドベント入口54およびDEF連通口55間に配置される。
この状態において、図12(a)に示す第1ファン23の回転数を上げることにより第1ファン23の吹出風量を増す。
一例として、第1ファン23の回転数と、第2ファン24の回転数との割合を65%:35%に設定する。
第2冷却空調風の一部が、センタベント入口58およびセンタベントダクト81を経てセンタベント吹出口91から車室11内に矢印Mの如く空調風として吹き出される。
図13に示すように、前後ヒート入口60(図12(b)参照)に導かれた第2冷却空調風の一部が前ヒートベントダクト83を経て前ヒート吹出口93から車室11内に矢印Nの如く空調風として吹き出される。
また、第2冷却空調風の残りが、後ヒートベントダクト84を経て後ヒート吹出口94から車室11内に矢印Oの如く空調風として吹き出される。
第1冷却空調風の一部が、クール第1連通口71およびサイドベント入口54を経てサイドベントダクト82に導かれる。
サイドベントダクト82に導かれた第1冷却空調風がサイドベント吹出口92から車室11内に矢印Pの如く空調風として吹き出される。
DEFダクト86に分散された第1冷却空調風がDEF吹出口96からフロント窓ガラス77に向けて矢印Qの如く空調風として吹き出される。
DEF吹出口96から吹き出された空調風でフロント窓ガラス77の防曇状態を効率よく確保することができる。
加えて、サイドベント吹出口92から矢印Pの如く吹き出された空調風の一部がサイド窓ガラス78に導かれる。
よって、サイドDEF吹出口97から吹き出された空調風や、サイドベント吹出口92から吹き出された空調風の一部で、サイド窓ガラス78の防曇状態を効率よく確保できる。
すなわち、第1ファン23の回転数と、第2ファン24の回転数との割合が65%:35%に設定されている。
さらに、一例として、空調風の全風量が380m3/hに設定されている。
これにより、内気の風量が133m3/h、外気の風量が247m3/hとなる。
一方、第1ファン23の回転数を上げることにより、フロント窓ガラス77やサイド窓ガラス78の防曇状態を効率よく確保することができる。
すなわち、バイレベルモードにおける防曇状態を効率よく確保することができる。
これにより、車室11内に吹き出す空調風の冷却仕事量を抑えることができるので、消費エネルギの低減を図ることができる。
すなわち、バイレベルモードにおける防曇状態に対応させて空調風の風量を好適に調整することができる。これにより、バイレベルモードにおける防曇状態を一層効率よく調整することが可能になり、消費エネルギの低減をさらに図ることができる。
図14(a)に示すように、第1切替ダンパ36を第1導入口51のストッパ部51aに配置し、第2切替ダンパ37を第2導入口56のストッパ部56aに配置する。
図14(b)に示すように、第1冷暖房切替ダンパ38をクール第1連通口71およびヒート第1連通口72間に配置し、第2冷暖房切替ダンパ39をクール第2連通口74およびヒート第2連通口75間に配置する。
また、サイドベント/DEF切替ダンパ41をサイドベント入口54およびDEF連通口55間に配置する。
一例として、第1ファン23の回転数と、第2ファン24の回転数との割合を25%:75%に設定する。
第2加熱空調風が、第2通路57に導かれ、第2通路57で第2冷却空調風と混合される。第2冷却空調風および第2加熱空調風が混合されることで、混合された第2混合空調風が車室11内を好適に暖房可能な温度に調整される。
この第2混合空調風が前後ヒート入口60に導かれる。
図15に示すように、前後ヒート入口60に導かれた第2混合空調風の一部が、前ヒートベントダクト83を経て前ヒート吹出口93から車室11内に矢印Sの如く空調風として吹き出される。
また、第2混合空調風の残りが、後ヒートベントダクト84を経て後ヒート吹出口94から車室11内に矢印Tの如く空調風として吹き出される。
第1冷却空調風の一部が第1通路52に導かれる。
第1加熱空調風が、第1通路52に導かれ、第1通路52で第1冷却空調風と混合される。第1冷却空調風および第1加熱空調風が混合されることで、混合された第1混合空調風が車室11内を好適に暖房可能な温度に調整される。
第1混合空調風の一部が、サイドベント入口54を経てサイドベントダクト82に導かれる。
サイドベント吹出口92から吹き出された空調風の一部がサイド窓ガラス78に向けて導かれる。
図15に示すように、DEFダクト86に分散された第1冷却空調風がDEF吹出口96からフロント窓ガラス77に向けて矢印Vの如く空調風として吹き出される。
DEF吹出口96から吹き出された空調風(低湿度に空調された外気)でフロント窓ガラス77の防曇状態を効率よく確保することができる。
これにより、サイドDEF吹出口97から吹き出された空調風(低湿度に空調された外気)、およびサイドベント吹出口92から吹き出された空調風(低湿度に空調された外気)の一部でサイド窓ガラス78の防曇状態を効率よく確保することができる。
さらに、一例として、空調風の全風量が320m3/hに設定されている。
これにより、内気の風量が240m3/h、外気の風量が80m3/hとなる。
これにより、車室11内に吹き出す空調風の冷却仕事量を抑えることができるので、消費エネルギの低減を図ることができる。
これにより、最小限の外気導入量で換気や曇りを防止できるので、消費エネルギの低減をさらに図ることができる。
なお、図16、図17おいては、図14、図15のヒートモード(通常安定状態)から防曇状態に切り替わる例について説明する。
よって、制御部から伝えられた制御信号に基づいて車両用空気調和装置15のエアコンユニット16がヒートモード(最大暖房状態)において防曇状態(いわゆる、最大ヒート/デフロストモード)に調整される。
さらに、図16(a)に示す第1ファン23の回転数を上げることにより第1ファン23の吹出風量を増す。
一例として、第1ファン23の回転数と、第2ファン24の回転数との割合を50%:50%に設定する。
加熱された第2加熱空調風が前後ヒート入口60に導かれる。
また、第2加熱空調風の残りが、後ヒートベントダクト84を経て後ヒート吹出口94から車室11内に矢印Tの如く空調風として吹き出される。
このように、車室11内の空気(既に適温に加熱されている内気)を加熱して前後のヒート吹出口93,94から空調風を吹き出すことで、吹き出された空調風で車室11内の暖房状態を効率よく調整することができる。
外気は、エバポレータ下半部27を通過することで低湿度に空調される。低湿度に空調された外気は、ヒータコア31の下半部を通過することにより加熱されて、低湿度に空調された第1加熱空調風となる。
第1加熱空調風の一部が、サイドベント入口54を経てサイドベントダクト82に導かれる。
サイドベント吹出口92から吹き出された空調風の一部がサイド窓ガラス78に向けて導かれる。
図17に示すように、DEFダクト86に分散された外気がDEF吹出口96からフロント窓ガラス77に向けて矢印Vの如く空調風として吹き出される。
よって、DEF吹出口96から吹き出された空調風(低湿度に空調された外気)でフロント窓ガラス77の防曇状態を効率よく確保することができる。
よって、サイドDEF吹出口97から吹き出された空調風(低湿度に空調された外気)、およびサイドベント吹出口92から吹き出された空調風(低湿度に空調された外気)の一部でサイド窓ガラス78の防曇状態を効率よく確保することができる。
さらに、一例として、空調風の全風量が350m3/hに設定されている。
これにより、内気の風量が175m3/h、外気の風量が175m3/hとなる。
同時に、第1ファン23の回転数を上げることにより、フロント窓ガラス77やサイド窓ガラス78の防曇状態を効率よく確保することができる。
すなわち、ヒートモード(最大暖房状態)における防曇状態を効率よく確保することができる。
これにより、車室11内に吹き出す空調風の冷却仕事量を抑えることができるので、消費エネルギの低減を図ることができる。
これにより、最小限の外気導入量で換気や曇りを防止できるので、消費エネルギの低減をさらに図ることができる。
図18(a)に示すように、図16(a)の状態から、第2切替ダンパ37を第2導入口56のストッパ部56bに配置する。
図18(b)に示すように、図16(b)の状態から、DEF温風切替ダンパ42を回動させてサイドベント連通口59を開放する。
この状態において第1ファン23および第2ファン24を同様に回転する。
外気は、エバポレータ下半部27を通過することで低湿度に空調される。低湿度に空調された外気は、ヒータコア31の下半部を通過することにより加熱されて、低湿度に空調された第1加熱空調風となる。
第1加熱空調風の一部が、サイドベント入口54を経てサイドベントダクト82に導かれる。
サイドベント吹出口92から吹き出された空調風の一部がサイド窓ガラス78に向けて導かれる。
図18(b)に示すように、ヒータコア31の下半部で加熱された第1加熱空調風の残りが、DEF入口53に向けて導かれる。
外気は、エバポレータ上半部28を通過することで低湿度に空調される。低湿度に空調された外気は、ヒータコア31の上半部を通過することにより加熱されて、低湿度に空調された第2加熱空調風となる。
第2加熱空調風が、サイドベント連通口59を経てDEF入口53に導かれる。
図19に示すように、DEFダクト86に分散された第1、第2の加熱空調風がDEF吹出口96からフロント窓ガラス77に向けて矢印Yの如く空調風として吹き出される。
よって、DEF吹出口96から吹き出された空調風でフロント窓ガラス77の防曇状態を確保する。
よって、サイドDEF吹出口97から吹き出された空調風、およびサイドベント吹出口92から吹き出された空調風の一部でサイド窓ガラス78の防曇状態を確保する。
これにより、高効率な作動が可能になり、消費エネルギの低減を図ることができる。
例えば、前記実施例で示した車両10、車室11、車両用空気調和装置15、エアコンユニット16、第1ファン23、第2ファン24、エバポレータ26、ヒータコア31、第1導入口51、第1通路52、第2導入口56、第2通路57、フロント窓ガラス77、サイド窓ガラス78、センタベント吹出口91、サイドベント吹出口92、前後のヒート吹出口93,94、DEF吹出口96およびサイドDEF吹出口97などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
Claims (3)
- 車室外の空気、車室内の空気を第1導入口から導入して車室内に吹出し可能で、車室内の空気、車室外の空気を第2導入口から導入して車室内に吹出し可能な車両用空気調和装置であって、
前記第1導入口に連通され、かつデフロスト吹出口、サイドデフロスト吹出口、サイドベント吹出口に連通可能な第1通路と、
前記第2導入口に連通され、かつセンタベント吹出口、ヒート吹出口に連通可能な第2通路と、
前記第1通路および前記第2通路に設けられ、前記第1導入口および前記第2導入口の下流側に向けて順に配設されたエバポレータおよびヒータコアと、を備え、
前記第1導入口から前記第1通路に導入された前記車室外の空気が、前記エバポレータ、前記ヒータコアで空調され、空調された空気が前記デフロスト吹出口、前記サイドデフロスト吹出口、前記サイドベント吹出口から窓ガラスに向けて空調風として吹出し可能で、
前記第2導入口から前記第2通路に導入された前記車室内の空気が、前記エバポレータ、前記ヒータコアで空調され、空調された空気が前記センタベント吹出口、前記ヒート吹出口から前記車室内に空調風として吹出し可能としたことを特徴とする車両用空気調和装置。 - 前記第1通路に設けられ、前記第1導入口および前記エバポレータ間に配設された第1ファンと、
前記第2通路に設けられ、前記第2導入口および前記エバポレータ間に配設された第2ファンと、を備え、
前記第1ファンおよび前記第2ファンが個別の駆動軸に支持されたことを特徴とする請求項1記載の車両用空気調和装置。 - 前記エバポレータが傾斜状に設けられることにより、前記エバポレータの一端が下方で、他端が上方に配置され、
前記エバポレータの一端側の部位が前記第1通路に設けられ、
前記エバポレータの他端側の部位が前記第2通路に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用空気調和装置。
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