JP2013137273A - 蛍光x線分光装置及び蛍光x線分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 0.5ppm以下の微量元素を分光・分析可能とする蛍光X線分光装置及び蛍光X線分析装置を提供する。
【解決手段】 X線源からの一次X線2を測定試料に照射させて、測定試料1中の元素を励起し、測定試料1から蛍光X線3と散乱X線4を発生させる。分光系20は、第1の分光手段22と第2の分光手段23と1つのX線検出器24を最適化された光学系となるように配置する。第1の分光手段22は蛍光X線3を分光してX線検出器24に集光させ、第2の分光手段23は散乱X線4を分光してX線検出器24に集光させる。これによって、分光系20は、1つのX線検出器24によって蛍光X線3の強度と散乱X線4の強度を検出し得る態様に、分光する。一方、蛍光X線分析装置30は、蛍光X線3の強度と散乱X線4の強度の比に基づき、検量線を参照して微量の元素を高精度に分析する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、蛍光X線分光装置及び蛍光X線分析装置に関し、特に蛍光X線と散乱X線を分光する蛍光X線分光装置及びその分光系を用いて定量分析する蛍光X線分析装置に関する。
蛍光X線分析においては、分光方式によって、エネルギー分散型蛍光X線分析装置と波長分散型蛍光X線分析装置がある。前者は、小容量のX線管を用いるので、装置を卓上化・小型化できる反面、分析精度が高くないので、微量元素の分析には不向きである。
後者は、大容量のX線管を用いるので、分析精度が高い反面、液体窒素冷却が必要で、装置が大型化し高価となる。後者の装置には、特許文献1および特許文献2が知られている。
特許文献1は、元素の化学結合状態や電子構造を解析するために、蛍光X線を2つの分光結晶5A,5Bを用いて2段階で単色化するものである。特許文献2は、測定対象が超軽元素である窒素を分析するために、特性X線を分光素子7で分光し、バックグラウンドを分光素子8で分光し、特性X線の強度からバックグラウンドの強度を差し引くものである。
特開2005−140719号(図1、段落番号0016) 特開平08−201320号(図1、段落番号0016)
近年、環境問題の取り組みの一環として、オイル中に含まれる有害元素である微量イオウ(16S)の規格が決められ、その規制が段階的に強化されている。それに伴い、超微量イオウ分析に関する試験法が、ISOおよびJISで規格化されつつある。このような事情から、オイル中の0.5ppmレベル(従来の定量限界)以下のイオウを分析できる装置が求められている。
しかし、特許文献1および特許文献2のような従来の蛍光X線分析装置は、微量元素の分析の場合、一次X線を測定試料に照射して当該試料中の元素を励起しても、バックグラウンドの中に特性X線のピークが埋もれてしまうことがあるので、微量元素(例えば軽元素であるイオウや塩素等)を高精度に分析することが困難である。また、特許文献2は、超軽元素である窒素を分析するものであり、軽元素であるイオウや塩素等の分析には適さない。
一方、上記要望に応えるため、例えば、大容量(数kW)のX線管や液体窒素冷却による大面積検出素子を有する半導体検出器を用いたX線分析装置を用いて、元素を分析することも考えられる。
しかし、大容量のX線管や大面積のX線検出器を使用すると、大電力,冷却水,液体窒素等のユーティリティが必要となり、装置が大型化し、装置のコストが大幅に高くなる。また、設置面積が大きくなり、広い場所を必要とし、メンテナンスも頻繁に必要となり、装置の維持管理のコストが大幅に増加する。
本発明の主たる目的は、測定試料中の0.5ppmレベル以下の微量元素を、比較的安価で高精度に分析し得る、蛍光X線分光装置およびその分光系を用いた蛍光X線分析装置を提供することである。
本発明の他の目的は、分析元素のバックグラウンドを低減して、P/B(Peak/Background)比を向上し、測定試料中の微量元素の分析を可能とする、蛍光X線分光装置およびその分光系を用いた蛍光X線分析装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比に基づき含有量を分析でき、正確度を一層向上させた、蛍光X線分析装置を提供することである。
第1の発明は、X線源(実施例との対応関係を示せば、X線管21。括弧内の数字は以下同様)と、第1の分光手段(分光結晶22又はモノクロメータ等)と、第2の分光手段(分光結晶23又はモノクロメータ等)と、1つのX線検出器(24)とを備えた蛍光X線分光装置(10,20)である。
X線源は、一次X線を発生して測定試料に対して照射する。第1の分光手段は、測定試料から発生された蛍光X線を分光する。第2の分光手段は、測定試料から散乱された散乱X線を分光する。1つのX線検出器は、第1の分光手段によって分光された蛍光X線と、第2の分光手段によって分光された散乱X線を受光し得る位置に配置され、蛍光X線と散乱X線を受光する。
第1の発明によれば、測定試料中の0.5ppmレベル以下の微量元素を、比較的安価で高精度に分析するのに役立つ、蛍光X線分光装置が得られる。
また、測定試料から発生した蛍光X線と散乱X線を、第1の分光手段,第2の分光手段で分光し、単色化ビームにすることにより、さらにP/B比の良いスペクトルを得ることが出来る。さらに、オイル中の微量元素の検出下限値を0.5ppm以下にすることができ、分析時間を大幅に短縮できる。
第2の発明は、X線源(X線管21)と、分光結晶(28)と、第1の分光手段(分光結晶22等)と、第2の分光手段(分光結晶23等)と、1つのX線検出器(24)とを備えた蛍光X線分光装置(10,20A)である。
X線源は、一次X線を発生する。分光結晶は、X線源からの一次X線を単色化し、単色化された一次X線を測定試料に照射する。第1の分光手段は、一次X線を受けた測定試料から発生された蛍光X線を分光する。第2の分光手段は、測定試料から散乱された散乱X線を分光する。1つのX線検出器は、第1の分光手段によって分光された蛍光X線と、第2の分光手段によって分光された散乱X線を受光し得る位置に配置され、蛍光X線と散乱X線を受光する。
第2の発明によれば、第1の発明よりも、バックグラウンドを低減できるので、蛍光X線のピークを出現させることができ、高精度に検出可能となる。すなわち、一次X線を単色化した励起源にすることにより、測定試料から発生するバックグラウンドのX線強度を最小限に抑えることができ、P/B比の良いスペクトルを得られる。
第3の発明は、第1の分光手段が、湾曲面に形成されかつ蛍光X線をX線検出器へ集光し得る位置に配置される。第2の分光手段が、湾曲面に形成されかつ散乱X線をX線検出器へ集光し得る位置に配置される。それによって、第1の分光手段と第2の分光手段と1つのX線検出器とが最適な光学的配置となるように選定して配置される。X線検出器は、集光された蛍光X線と散乱X線を検出する。
第3の発明によれば、分光手段のX線光学系の最適化を図り、1本の検出器によって蛍光X線と散乱X線を同時に検出できるので、蛍光X線の検出精度を一層高めることができる。
第4の発明は、第1の分光手段が第1の分光結晶であり、第2の分光手段が第2の分光結晶である。第1の分光結晶は、測定試料に含まれる測定対象となる元素の波長と結晶材料の格子面間隔との関係がブラッグ回析条件を満たすように選定され、その湾曲面の形状がローランド円に接するように選定される。第2の分光結晶は、X線源のターゲット材料の波長と結晶材料の格子面間隔との関係がブラッグ回析条件を満たすように選定され、その湾曲面の形状がローランド円に接するように選定される。X線検出器は、第1の分光結晶のローランド円と第2の分光結晶のローランド円との交点に配置される。
第4の発明によれば、X線検出器の効率を高めて、検出精度をさらに高めることができる。
第5の発明は、X線源が測定試料の下面から照射するように配置され、第1の分光手段と第2の分光手段とX線検出器が測定試料の下側に配置される。X線検出器は半導体X線検出器が用いられる。
第5の発明によれば、測定試料がオイルや水等の液体中の微量元素である場合に、気泡に起因する検出誤差を低減できる。また、半導体X線検出器を用いることにより、大出力(数kW以上)のX線管を用いる場合に比べ、低出力(数十W)のX線管で済むから、コストの低減を実現できる。
第6の発明は、X線源(X線管21)と、第1の分光手段(分光結晶22等)と、第2の分光手段(分光結晶23等)と、1つのX線検出器(24)と、演算手段(34)とを備えた蛍光X線分析装置(30)である。
X線源は、一次X線を発生して測定試料に対して照射する。第1の分光手段は、測定試料から発生された蛍光X線を分光する。第2の分光手段は、測定試料から散乱された散乱X線を分光する。1つのX線検出器は、第1の分光手段によって分光された蛍光X線と、第2の分光手段によって分光された散乱X線を受光し得る位置に配置され、蛍光X線と散乱X線を受光する。演算手段は、X線検出器によって検出された蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比を求め、当該求めた比と検量線に基づいて測定試料に含まれる微量元素の含有量を算出する。
第6の発明によれば、測定試料中の0.5ppmレベル以下の微量元素を、比較的安価で高精度に分析できる、蛍光X線分析装置が得られる。
第7の発明は、X線源(X線管)と、分光結晶(28)と、第1の分光手段(分光結晶22等)と、第2の分光手段(分光結晶23等)と、1つのX線検出器(24)と、演算手段(34)とを備えた蛍光X線分析装置(30)である。
X線源は、一次X線を発生して測定試料に対して照射する。分光結晶は、X線源からの一次X線を単色化し、単色化された一次X線を測定試料に照射する。第1の分光手段は、測定試料から発生された蛍光X線を分光する。第2の分光手段は、測定試料から散乱された散乱X線を分光する。1つのX線検出器は、第1の分光手段によって分光された蛍光X線と、第2の分光手段によって分光された散乱X線を受光し得る位置に配置され、蛍光X線と散乱X線を受光する。演算手段は、X線検出器によって検出された蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比を求め、当該求めた比と検量線に基づいて測定試料に含まれる微量元素の含有量を算出する。
第7の発明によれば、第6の発明よりも、バックグラウンドを一層低減した蛍光X線を検出できるので、微量元素をさらに高精度に分析できる。
第8の発明は、第6または第7の発明において、演算手段(34)が、検量線テーブル(343b)と、比算出手段(CPU341,S32)と、含有量算出手段(CPU341,S33)とから構成される。
検量線テーブルは、微量元素の含有量が既知の複数の測定試料であって異なる含有量別に、当該各測定試料の蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比を求めて、検量線として予め登録しておく。比算出手段は、X線検出器によって検出された、含有量が未知の元素を含む測定試料の蛍光X線の強度と散乱X線の強度との比を求める。含有量算出手段は、比算出手段によって算出された強度比に基づき、検量線テーブルを参照して未知の測定試料に含まれる微量元素の含有量を算出する。
第8の発明によれば、既知の含有量に基づいて蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比を求めた検量線をテーブルに登録しているので、蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比に基づき含有量を分析でき、正確度を一層向上できる。
第9の発明は、第6または第7の発明において、第1の分光手段が、湾曲面に形成されかつ蛍光X線をX線検出器へ集光し得る位置に配置される。第2の分光手段が、湾曲面に形成されかつ散乱X線をX線検出器へ集光し得る位置に配置される。それによって、第1の分光手段と第2の分光手段と1つのX線検出器とが最適な光学的配置となるように選定して配置される。X線検出器は、集光された蛍光X線と散乱X線を検出する。
第9の発明によれば、分光系の最適化を図り、1本の検出器によって蛍光X線と散乱X線を同時に検出できるので、検出精度を一層高めることができる。
本発明によれば、測定試料中の0.5ppmレベル以下の微量元素を、比較的安価で高精度に分析することができる、蛍光X線分光装置およびその分光系を用いた蛍光X線分析装置が得られる。
また、分析元素のバックグラウンドを低減して、P/B(Peak/Background)比を向上し、測定試料中の微量元素の分析が可能な、蛍光X線分光装置およびその分光系を用いた蛍光X線分析装置が得られる。さらに、蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比に基づき含有量を分析でき、正確度を一層向上させた、蛍光X線分析装置が得られる。
本発明の一実施例の蛍光X線分光装置の外観図である。 本発明の一実施例の蛍光X線分光装置の分光系の詳細図である。 分光系を模式的に示した図である。 本発明の他の実施例の蛍光X線分光装置の分光系の詳細図である。 本発明の一実施例の蛍光X線分析装置のブロック図である。 従来の大型・高精度の波長分散型蛍光X線分析装置を用いて、オイルの種類別にイオウ含有量が既知の測定試料の蛍光X線の強度を測定した特性図である。 本発明の蛍光X線分析装置を用いて、試料品種の影響を除く補正法により、既知の試料のイオウ含有量とレシオ強度との関係を測定した特性図(検量線)である。 本発明の一実施例の蛍光X線分析装置を用いて検量線テーブルを作成するためのフローチャートである。 本発明の一実施例の蛍光X線分析装置を用いて測定試料の含有量を分析するためのフローチャートである。
以下、この発明の各実施形態を図面に従って説明する。
この実施形態では、オイル中に含まれる人体に有害な元素、例えばイオウ(16S)や塩素(17Cl)等を分析して、精製したオイル中のイオウ等の含有量が所定の基準値の範囲内か否かの判定を行う場合の蛍光X線分光装置を例にとって説明する。
(実施例1)
図1において、本発明の一実施例の蛍光X線分光装置10は、本体ハウジング11と、その内部に収納される分光系20(図2参照)を含む。本体ハウジング11には、その上部に蓋部材12が上方向へ開閉自在に装着される。本体ハウジング11の内部は、蓋部材12を開いたときに露出し、測定試料(以下、「試料」と略称することもある)1を保持するための載置部(又は保持台)13が設けられる。好ましくは、試料1に対して均一にX線を照射するために、載置部13の一部が回転テーブルで構成され、回転自在に支持される。載置部13の中央には、X線を照射するための窓14(図1に図示していないが、図2参照)が形成される。また、載置部13が本体ハウジング11内を上下に分離することにより、上部の測定室15と、分光系20の各種部材を収納するための下部の収納室16に分けられる。
収納室16の内部は、一次X線2及び蛍光X線3の光学パスが数10パスカル程度の真空あるいはヘリウム置換を行い、X線の空気による減衰を抑える方が望ましい。
さらに、本体ハウジング10には、蓋部材12に関連してロック機構(図示せず)や、蓋部材12の開閉状態を検出するスイッチ(図示せず)が設けられる。さらに、本体ハウジング10の収納室16の壁面には、鉛等の遮蔽部材(図示せず)が取り付けられる。これによって、本体ハウジング11内は、密閉されて、X線が外部に漏洩するのを防止している。
図2において、蛍光X線分光装置10の分光系20は、測定試料1の下方に、X線源の一例のX線管21と第1の分光手段22と第2の分光手段23と1つのX線検出器24とを最適化された光学配置となるように、配置して構成される。
具体的には、試料1の下方の一方側(図示の左側、「一次側」ともいう)には、X線管21が試料1の下面の水平面に対して、所定の角度で一次X線(Pd−Lα線)2を直接照射するように、上方(又は斜め上方)に向けて配設される。試料1の水平面に対するX線管21の角度は、X線管21から発生される一次X線が最大強度となるように、一次X線のビーム中心の試料1への入射角が例えば45度又は90度に選ばれる。
測定試料1の下方の他方側(図示の右側、「二次側」ともいう)には、試料1から発生された蛍光X線(S−Kα線)2を取り出し得る位置に、第1の分光手段の一例の分光結晶(又は湾曲モノクロメータ)22が配設される。また、試料1から発生(又は反射)された散乱X線4を取り出し得る位置に、第2の分光手段の一例の分光結晶(又は湾曲モノクロメータ)23が配設される。
分光結晶22は、その反射面が湾曲面であって、測定試料1から発生された蛍光X線3を取り出し得る角度φ1(すなわち蛍光X線3の取出角、例えばφ1=30°〜40°)であって、蛍光X線3のビーム中心の延長線上に配置される。分光結晶23は、その反射面が湾曲面であって、試料1から発生(又は反射)された散乱X線4を取り出し得る角度φ2(すなわち散乱X線4の反射角、例えばφ2=45°)であって、散乱X線4のビーム中心の延長線上に配置される。
そして、反射角φ1で発生された蛍光X線3は、試料1の近傍に設けられたスリット25によって分光結晶22の湾曲面に集光される。反射角φ2で発生された散乱X線4は、試料1の近傍に設けられたスリット26によって分光結晶23の湾曲面に集光される。
これらの分光結晶22,23の湾曲面の形状およびスリット25,26との距離ℓ1,ℓ2の選定条件については後述する。
さらに、測定試料1から発生された蛍光X線3が分光結晶22によって分光されて、単色化ビーム5として集光される位置であり、かつ散乱X線2が分光結晶23によって分光されて、単色化ビーム6として集光される位置(後述の半径R1のローランド円と半径R2のローランド円の交点の位置)に、1つのX線検出器24が配設される。
換言すれば、X線検出器24は、分光結晶22によって集光された単色化ビーム5と分光結晶23によって集光された単色化ビーム6との交点の位置に配設される。
また、分光結晶22,23とX線検出器24との間であって、X線検出器24の手前には、透孔を有する散乱防止板27が配設される。散乱防止板27は、分光結晶22,23以外から到来する散乱されたX線がX線検出器24に入るのを制限する働きをする。
このような分光系20の最適な光学配置が、図3の模式図に示される。
次に、分光系20の最適な光学配置と各部の選定条件等の詳細を説明する。
X線源として用いられるX線管21は、バックグラウンドの低減、特に妨害線の除去の観点から、ターゲットの材料として、好ましくはパラジウム(46Pd)が用いられる。その他にも、ロジウム(45Rh),銀(47Ag),クロム(24Cr)を用いてもよい。このX線管21は、実施例では数十Wの低容量のものが用いられる。
また、一次X線2が測定試料1を照射するために、載置部13の中央には窓(透孔)14が形成される。この窓(透孔)14に装着される窓カバー(又はフイルタ)の材料は、微量のイオウの蛍光X線の吸収をできる限り少なくするために、高分子(マイラー,キャプトン等)の数ミクロン厚さの膜やベリリウム(Be)の20μm程度の薄膜を用いるのが望ましい。
分光結晶22は、その反射面が湾曲面であって、測定試料1から発生された蛍光X線3の反射角φ1の延長線上の集光される位置に配置される。また、分光結晶22は、平板結晶を直径(2・R1)で円筒状に曲げ、結晶表面(反射面)の中心に接する半径R1がローランド円となるように研磨されて、湾曲面に形成される。
一方、分光結晶23は、その反射面が湾曲面であって、試料1から発生された散乱X線2の反射角φ2の延長線上の集光される位置に配置される。また、分光結晶23は、平板結晶を直径(2・R2)で円筒状に曲げ、結晶表面(反射面)の中心に接する半径R2のローランド円となるように研磨されて、湾曲面に形成される。
このように、分光結晶22の分光系は、その湾曲面の半径R1のローランド円の円周上にスリット25を配置し、湾曲面でブラッグ反射させた蛍光X線3の単色化ビーム5をローランド円の円周上で集光させる。分光結晶23の分光系は、その湾曲面の半径R2のローランド円の円周上にスリット26を配置し、湾曲面でブラッグ反射させた蛍光X線3の単色化ビーム6をローランド円の円周上で集光させる。そして、分光結晶22のローランド円(R1)と分光結晶23のローランド円(R2)との交点に、X線検出器24を配置することにより、エネルギー分解能が高く、かつ高感度な分光系20が得られる。
分光系20の最適化の条件は、例えば次のように選ばれる。
分光結晶22,23の湾曲面(又は曲率面)は、ローランド円の半径Rと、分光結晶への入射角θと、距離ℓとがブラッグの回析条件である(1式)および(2式)を満足するように選ばれる。
2dsinθ=nλ ・・・(1)式
上記(1)式において、dは分光結晶の格子面間隔(Bragg角)、θは入射角(又は回析角)、λは蛍光X線の波長、nは反射の次数を示す。
ℓ=2Rsinθ ・・・(2)式
上記(2)式を、分光結晶22,23のそれぞれの距離ℓ1,ℓ2との関係で表すと、(2−1)式と(2−2)式で与えられる。
ℓ1=2R1sinθ1 ・・・(2−1)式
ℓ2=2R2sinθ2 ・・・(2−2)式
ここで、(2−1)式及び(2−2)式において、R1は分光結晶22のローランド円の半径、R2は分光結晶23のローランド円の半径である。
波長λの蛍光X線が、格子面間隔dの分光結晶22に入射したとき、(1)式の関係を満足する入射角θのときのみ、干渉を起こす。言い換えると、測定試料1に含まれる微量元素(イオウ)に相関する波長λは既知のため、分光結晶22,23の結晶材料が決まれば、入射角θ(実際には分光角度2θ)を上記(1)式に基づき算定できる。
上記(2−1)式及び(2−2)式より、距離ℓ1,ℓ2を決めると、各ローランド円の半径R1,R2が決まる。また、入射角θはブラッグの回析条件の(1)式で決まる。そして、(1)式において、格子面間隔dと反射の次数nは、分光結晶の材料で決まる。
例えば、分光結晶22(S−Kα線;サルファー)は、結晶「グラファイト」(Graphite)を用いる場合、2d=6.708Åであり、Bragg角=53.215°である。また、分光結晶23(Pd−Lα線;パラジウム)は、結晶「Pentaerythritol」(略称PET)を用いる場合、「2d=8.76Å」であり、Bragg角=29.903°である。
なお、分光結晶22及び分光結晶23は、結晶材料として、グラファイトの他、PET,Si,ゲルマニウム(Ge)の単結晶等の無機結晶、あるいはスパッタ多層薄膜の人工格子(W/Si,W/Cなど)からなる湾曲結晶を用いても良い。また、分光結晶22及び分光結晶23に代わる分光手段として、モノクロメータ又は湾曲ミラーを用いてもよい。
さらに、分光結晶22及び分光結晶23は、1重湾曲よりも2重湾曲(おわん型)を用い、試料表面に集光させるのが好ましい。そして、結晶材料としては、測定試料1中の測定すべき微量元素がイオウ以外の元素の場合、元素の種類によって最適の材料が選定される。
X線検出器24は、半導体X線検出器、例えばシリコンドリフト検出器(SDD)やSi/PIN検出器のように、エネルギー分解能に優れ、液体窒素冷却によらずにペルチェ素子による電子冷却を行うものを採用するのが好ましい。
また、X線検出器24の他の例として、ガス封入型の比例計数管やガスシンチレーション計数管を用いてもよい。
上述のように、分光系20の最適化条件を選定し、2つの分光結晶22,23を用いて、反射型集中光学系の一例のヨハンソン型分光器を構成することによって、蛍光X線3の単色化ビーム5と散乱X線4の単色化ビーム6が1つのX線検出器24の位置で集光されることになる。
なお、他の例として、ログ・スパイラル型分光器を用いてもよい。
また、この実施例の分光系20は、測定試料1の下面から照射する方式(下面照射式)である。これは、試料1がオイルや水等の液体の場合に、上面照射方式だと液体中に気泡が生じるので、その気泡により蛍光X線の検出誤差が生じ、検出精度が低下する場合もあるためである。もし、気泡に起因する検出誤差を考慮する必要のない程度に最適化された分光系を用いるならば、上面照射方式を用いてもよいことは勿論である。
次に、図2,図3を参照して、実施例1の分光系20の作用を説明する。
供給電圧が印加されると、X線管21は一次X線2(Pd−Lα線)を発生し、一次X線2を測定試料1に照射する。これに応じて、一次X線2に含まれる特性X線によって、試料1中の元素が励起されることにより、特定の角度φ1から蛍光X線3が発生する。これと同時に、特性X線が試料に衝突して、試料1の表面から散乱X線4が発生する。蛍光X線3は、分光結晶22によって分光され単色化されて単色化ビーム5となり、X線検出器24によって検出される。これと同時に、散乱X線4は、分光結晶23によって分光され単色化されて、単色化ビーム6となり、X線検出器24によって検出される。
ここで、X線検出器24は、一般にエネルギー分散型蛍光X線分析装置に採用されている半導体検出器を用いれば、当該検出器自身がエネルギー分解能を持っているので、同時に検出した蛍光X線3と散乱X線4のそれぞれの強度を分離して出力することが可能である。
このようにして、X線検出器24によって検出された蛍光X線3の単色化ビーム5および散乱X線4の単色化ビーム6に基づくそれぞれの信号比の高さとその数値に基づいて、測定元素(例えばイオウ)の定量分析(含有量の分析)が行われる。
微量元素の定量分析処理の詳細は、後述の図8のフローチャートを参照して説明する。
(実施例2)
実施例1の分光系20は、X線管21から発生された一次X線2を用いて、測定試料1を直接照射する場合を説明したが、これに代えて一次側を図4に示すように構成した分光系20Aを用いてもよい。
すなわち、一次側の構成は、単色化のための分光結晶28をX線管21と試料1の間に配置し、X線管21によって発生された一次X線2´を分光結晶28で単色化し、単色化ビーム7によって試料1を照射するようにしてもよい。
その場合、分光結晶28によって単色化されかつ反射された単色化ビーム7が、試料1に対して所定の角度で入射するように、X線管21と分光結晶28の位置及び角度を最適条件となるように選ぶ必要がある。
その他の構成(二次側の各部の構成)は、実施例1と同様のため、同一部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、分光系20Aの一次側の構成(21,28)は、図3の模式図には点線で示す。
実施例2の分光系20Aによれば、一次X線2’を単色化した単色化ビーム7によって測定試料1を照射しているので、バックグラウンドを一層低減できる利点がある。
(実施例3)
上述の蛍光X線分光装置10(分光系20)に含まれるX線検出器24によって検出された蛍光X線3と散乱X線4の出力は、図5に示す蛍光X線分析装置30によって処理されて、測定試料1中の微量元素(例えば、オイル中の0.5ppm以下のイオウ)の含有量が算出される。
図5を参照して、蛍光X線分析装置30は、図2又は図4に示す分光系20(又は20A)のX線管21,X線検出器24に関連して接続される。この実施例の蛍光X線分析装置30は、X線管制御回路31,信号処理回路32,分析制御回路33および測定用パソコン34から構成される。
信号処理回路32は、DSP(デジタル信号処理回路)等が使用され、X線検出器24によって検出された蛍光X線3及び散乱X線4の単位時間当たりのX線強度(アナログ値)をディジタル値に変換する。
分析制御回路33は、信号処理回路32から入力される単位時間毎にサンプリングされたディジタル値を一時記憶するとともに、パソコン34から与えられる制御データに基づいてX線管制御回路31の供給電力を制御する。
パソコン34は、信号処理回路32からの検出データを演算処理して、測定試料1に含まれる元素(オイル中のイオウ等)の含有量を測定し、分析する。また、パソコン34は、測定条件の入力や必要な情報を出力指示等するために使用される。パソコン34は、汎用(市販)のパソコンに、専用CD−ROM又はDVDに記録された処理プログラムをプログラム用メモリ342にインストールして使用される。
より具体的には、分析制御回路33は、CPU331と、RAM等のメモリ332と、制御レジスタ回路332と、インタフェース334,335とを含む。メモリ332は、X線検出器24によって検出された単位時間毎の蛍光X線3のX線強度と、散乱X線4のX線強度を累積的に記憶することにより、測定時間中のそれぞれのX線強度を一時記憶するものである。
制御レジスタ回路333は、パソコン34からの制御情報(印加電圧,電流のデータ)を一時記憶し、X線管制御回路31に与える。これに応じて、X線管制御回路31は、X線管21に供給する電力(印加電圧,電流)を制御して、発生するX線のエネルギーを制御する。
インタフェ−ス334は、信号処理回路32からの入力をメモリ332に与えるとともに、制御レジスタ回路333に一時記憶されている制御データをX線管制御回路31に与えるように、入出力を制御する。インタフェ−ス335は、メモリ332に記憶されている測定時間中の蛍光X線と散乱X線のそれぞれのX線強度(ディジタル値)をパソコン34に転送し、パソコン34から与えられる制御データを制御レジスタ回路333に転送するように、入出力を制御する。
測定用パソコン34は、CPU341と、プログラム用メモリ342と、RAM等のメモリ343と、インタフェース344とを含む。蛍光X線分析装置30の最初の使用に際して、プログラム用メモリ342には、CD−ROM又はDVD等の外部記憶媒体に記録された処理プログラムがインストールされる。メモリ343は、ワーキングRAM(以下「W−RAM」という)として用いられる記憶領域343aと、テーブル記憶領域として用いられる検量線テーブル343bを有する。検量線テーブル343bには、単位数量(例えば、0.1ppm)ずつ段階的に増加する既知の含有量別に、蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比(これを「レシオ強度」という)が記憶され、結果として図6Bに示す検量線の関数に相当するデータが登録される。
インタフェース344には、キーボードやマウス等の入力部35及び表示部36が接続される。インタフェース344は、インタフェース335,入力部35及び表示部36との入出力を制御する。
ところで、オイルの品種(種類)がディーゼル,ケロシン,ガソリン別に、イオウの含有量が単位数量ずつ段階的に異なる既知の試料を準備し、従来の大型・高価で高精度の波長分散型蛍光X線装置を用いて各試料のX線強度を測定すると、その特性図が図6Aに示す3本の検量線で表すことができる。
図6Aより、同じ種類のオイルは、含有量が異なれば、蛍光X線の強度が直線的に増加する一次関数となり、オイルの種類によってその傾きが異なることが分かる。換言すると、同じ含有量でもオイルの種類によってX線強度が異なり、検量線が異なる。このことは、オイルの種類別に検量線テーブルの登録が必要になることを意味する。
しかし、オイルの種類別に検量線のテーブルを登録すると、データ容量が膨大となり、高価になる。また、オイルの種類の入力(又は指定)を誤ると、分析されたイオウの含有量が異なる値となり、検出誤差の原因になる。
そこで、本発明では、検量線をオイルの種類に係わらず1本化するために、試料品種の影響を除く補正法を採用する。
図6Bは、試料品種の影響を除く補正法によって検量線を一本化した特性図である。具体的には、含有量が所定数量(例えば、定量限界付近では0.1ppm、定量限界を大きく超える範囲では数ppm〜数十ppm)ずつ段階的に異なる複数の既知の試料を準備する。そして、本発明の蛍光X線分析装置30を用いて、試料毎に蛍光X線の強度と散乱X線の強度との比(レシオ強度)を求めて、横軸をイオウの含有量、縦軸を含有量別のレシオ強度で表すと、オイルの種類に影響を受けない1本の検量線が得られる。
何故ならば、試料の品種によりイオウの蛍光X線の強度と散乱X線の強度が異なるが、レシオ強度を求めることにより、オイルの種類に係わらず含有量の変化に比例してレシオ強度も変化する一次関数(オイルの種類に係わらず傾きが一定の関数)で表すことができるからである。
また、散乱X線の強度はオイル中に含まれる微量のイオウの含有量とは無関係に一定であるが、蛍光X線の強度は微量のイオウの含有量に比例して変化するので、レシオ強度を求めることにより、微量イオウの含有量とレシオ強度との相関を1本の検量線で表すことができる。
これによって、含有量が微量のイオウを検出したとき、X線強度のピーク波形がバックグラウンドより僅かに突出するか、バックグラウンドに埋もれる程度の低いレベルであっても、蛍光X線の強度と散乱X線の強度との比(レシオ強度)を求め、求めたレシオ強度と検量線に基づいて含有量を算出しているので、微量の含有量を高精度に検出できることになる。
次に、図5に示す蛍光X線分析装置30を用いて図6Aに示す検量線を求める場合の動作を、図7のフローチャートに沿って説明する。
検量線の算出及び検量線テーブルの作成に先だって、単位数量(例えば、0.1ppm)ずつ段階的に増加させた複数の既知の測定試料1が準備される。
そして、測定者がキーボード等の入力部35を操作して、作成スタートを指示すると、CPU341はメモリ342に記憶されているプログラムに基づいて、図7のフローチャートの処理を開始する。
ステップ(図示では「S」と略記する)1において、試料品種の入力と、既知の含有量別のサンプル数(例えばn)の入力を指示するメッセージが、表示部36に表示される。それに応じて、測定者が試料品種とサンプル数(n)を入力すると、ステップ2において、入力データ(試料品種,サンプル数)がW−RAM343aに含まれるある番地(例えば、サンプル数nは、サンプル数レジスタR1)にストアされる。
ステップ3において、既知の含有量を有する1番目の試料1(微量のイオウの入ったオイル)が、試料ホルダ(図示せず)に入れられた状態で、測定室15の載置部13に載せられて、蓋部材12が閉じられる。また、入力部35を操作して1番目の試料1の含有量(例えば、0.1ppm)が入力される。これに応じて、1番目の試料1の含有量が、W−RAM343aの検量線データ一時記憶領域(検量線テーブル343bに一括して設定登録する前段階のデータを記憶する領域)の最初の番地に書き込まれる。
ステップ4において、蓋部材12が閉じているか否かが判断される。蓋部材12を閉じていない場合は、ステップ5において、蓋を閉じることを促すメッセージが表示部36に表示される。そして、ステップ4において、蓋部材12が閉じられたことが判断されると、ステップ6において、蓋部材12がロックされる。
ステップ7において、X線管21に電力が供給される。具体的には、CPU21からX線管の21の印加電圧と電流値のデータが読み出され、制御レジスタ回路333に一時記憶される。この印加電圧値及び電流値のデータに基づき、X線管制御回路31がX線管21に供給する印加電圧と電流(結果的に電力)を制御する。
これに応じて、X線管21が励起されて一次X線(Pd−Lα線)2を発生し、一次X線2が測定試料1を照射する。試料1からは、当該試料に含まれる元素の種類(イオウ)に固有の波長の蛍光X線3(S−Kα線)が励起される。この蛍光X線3が分光結晶22によって分光されて単色化ビーム7となって、X線検出器24によって受光される。
これと同時に、一次X線2が試料1に反射して、試料1から散乱X線4が発生する。この散乱X線4が分光結晶23によって分光されて、単色化ビーム8となってX線検出器24によって受光される。散乱X線4は、試料1に含まれる微量元素(イオウ)の含有量に無関係であって、X線管21のターゲットの材料(パラジウム)に依存するので、「Pd−Lα線」の特性X線である。
ステップ8において、1番目の試料1の蛍光X線の強度が測定される。蛍光X線の強度は、短い所定時間単位で繰り返して測定され、その測定結果の累積値がメモリ332の所定のエリアに記憶される。ステップ9において、1番目の試料1の散乱X線の強度が測定される。散乱X線の強度は、短い所定時間単位で繰り返して測定され、その測定結果の累積値がメモリ332の所定のエリアに記憶される。
ステップ10において、予め定められた測定時間が経過したか否かが判断される。測定時間が経過してなければ、ステップ7へ戻り、ステップ8における蛍光X線の強度の測定と、ステップ9における散乱X線の強度の測定が繰り返される。
そして、ステップ10において、所定の測定時間(例えば5分)が経過したことが判断されると、ステップ11において、X線管21への電力供給が停止される。
これによって、蛍光X線の強度の累積値と散乱X線の強度の累積値がメモリ332の対応するエリアに記憶されることになる。
続くステップ12において、蛍光X線の強度の累積値と散乱X線の強度の累積値との比(レシオ強度)の算出が行われる。ステップ13において、算出された1番目の試料1の蛍光X線の強度(累積値)と散乱X線の強度(累積値)との比(レシオ強度)が、ステップ3において入力された含有量に対応するW−RAM343aの所定の番地に書き込まれる。
このようにして、1番目の試料1のレシオ強度が既知の含有量とともに、W−RAM343aの対応する番地に書き込まれる。
ステップ14において、サンプル数レジスタR1の値(当所はn)から数値「1」だけ減算されて、測定すべき残りのサンプル数(n−1)が当該レジスタR1にストアされる。
その後、ステップ15において、サンプル数レジスタR1の値が「0」か否かが判断される。これは、ステップ1において入力されたサンプル数の全て(n)について、レシオ強度の算定が終了したか否かを判断するためである。そして、サンプル数レジスタR1の値が「0」でなければ、上述のステップ3へ戻る。
再びステップ3において、2番目の試料1が測定室15の載置部13に載置され、当該試料1の含有量(例えば、0.2ppm)が入力部35を操作して入力される。そして、前述のステップ4〜15が繰り返されて、2番目の試料1の含有量とそれに対応するレシオ強度がW−RAM343aの対応する番地に書き込まれる。
以下同様にして、3番目〜n番目の試料1について、そのレシオ強度が順次算定され、その含有量とそのレシオ強度がW−RAM343aの対応する番地に書き込まれる。
その結果、1番目〜n番目の各試料1の含有量と算出されたレシオ強度が、W−RAM343aの対応する番地に順次書き込まれる。
このようにして、定量分析できる範囲は、例えば0ppm〜400ppmである。
一方、ステップ15において、サンプル数レジスタR1の値が「0」であることが判断されると、ステップ16へ進む。ステップ16において、W−RAM343aに一時記憶されている、既知の含有量の試料別(1番目〜n番目別)に測定されたレシオ強度のデータが検量線テーブル343bへ転送されて、検量線データとして格納される。これによって、検量線テーブル343bには、含有量の異なる1番目〜n番目の試料別に、段階的に増加する含有量とそれに対応するレシオ強度のデータが設定登録されることになる。
なお、ステップ16において、1番目〜n番目の試料1が微量元素の含有量の小さな順(昇順、又はその逆の大きい順の降順でも可)に測定されていない場合でも、検量線テーブル343bに含有量の昇順(又は降順)に登録するために、含有量を昇順(又は降順)にソートした後に、検量線テーブル343bに登録してもよい。
その後、ステップ17において、蓋部材12のロックが解除されて、一連の処理を終了する。
ところで、上述の検量線テーブルの作成処理において、ある品種のオイルについて、含有量に対応してレシオ強度を算出して、含有量別のレシオ強度を検量線テーブルに登録する場合を説明したが、別の試料品種の検量線テーブルを作成する場合は、上述のステップ1〜17の処理が行われる。
この場合、異なる既知の含有量別に、蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比を算出して、レシオ強度として登録しているので、オイルの種類が相違しても1本の検量線によって表すことができ、試料品種の影響を除く補正法によって算出したレシオ強度を登録したのと同じ結果になる。
以上説明した検量線テーブルの作成処理は、販売される蛍光X線分析装置30毎に行う必要はない。すなわち、製造者が事前に作成した検量線テーブルのデータを、CD−ROM又はDVDにプログラムデータとともに書き込んでおき、これらCD−ROM等が新しい蛍光X線分析装置30(又はパソコン34を除く蛍光X線分析装置30)の販売に際して附属して出荷される。
ユーザ(測定者)は、蛍光X線分析装置30を最初に使用するのに先だって、プログラムデータと検量線テーブルのデータをユーザのパソコン(測定用パソコン34)にインストールした上で、測定又は分析を実行することになる。インストールされた検量線テーブルのデータは、RAM343の検量線テーブル343bへ設定登録されて、後述の未知の試料1の含有量を分析処理する際に参照される。
次に、未知の含有量の測定試料1を測定して含有量を分析する場合の処理を、図8のフローチャートに沿って説明する。
先ず、測定者は、含有量を測定しようとする試料1を試料ホルダに入れて、載置部13に載せ、蓋部材12を閉じた後、測定開始のボタン又はスイッチを押す。これに応じて、CPU341は、メモリ342に記憶されているプログラムに基づいて図8のフローチャートの処理を開始する。
ステップ21において、蓋部材12を閉じられているか否かが判断される。蓋部材12が閉じられてない場合(開状態の場合)は、ステップ22において、蓋部材12を閉じることを促すメッセージが表示部36に表示され、蓋部材12が閉じられるのを待機する。そして、蓋部材12が閉じられたことを検出すると、ステップ23において蓋部材がロックされる。これによって、測定中に蓋部材12が開けられることを禁止し、X線の漏洩を防止している。
ステップ24において、X線管21に電力が供給されて、一次X線2が発生する。この場合の詳細な動作は、前述のステップ7と同様であるため、省略する。
一次X線(Pd−Lα線)2は、蛍光X線分光装置20の場合であれば直接、蛍光X線分光装置20Aの場合であれば分光結晶28によって単色ビーム化されて、測定試料1を照射する。試料1からは、当該試料に含まれる元素の種類(イオウ)に固有の波長の蛍光X線3が励起(発生)される。この蛍光X線3が分光結晶22によって分光されて単色化ビーム5となって、X線検出器24によって受光される。これと同時に、一次X線2(又は単色化ビーム7)が試料1に反射して、試料1から散乱X線4が発生する。この散乱X線4が分光結晶23によって分光されて、単色化ビーム6となってX線検出器24によって受光される。
ステップ25において、X線検出器24は、蛍光X線3と散乱X線4を検出し、それぞれのアナログ値として出力する。これらの蛍光X線3および散乱X線4のアナログ値が信号処理回路32によってディジタル値に変換され、メモリ332に書き込まれて、累積的に記憶される。
ステップ26において、所定の測定時間(例えば5分)が経過したか否かが判断される。所定の測定時間が経過していなければ、測定時間が経過するまでステップ24〜ステップ26の処理が繰り返される。
このようにして、比較的短い時間(サンプリング周期)毎に検出された蛍光X線3と散乱X線4のそれぞれの強度のアナログ値がディジタル値に変換され、両ディジタル値が測定時間中にメモリ332に累積的に記憶される。そして、ステップ26において、所定の測定時間だけ経過したことが判断されると、ステップ27において、X線管21への電力供給が停止される。
ステップ28において、メモリ332に一時記憶されている測定時間中に検出された蛍光X線の強度の累積データ(累積値)及び散乱X線の累積データ(累積値)がインタフェース335及びインタフェース344を介してW−RAM343aに転送されて、一時記憶される。
ステップ29において、W−RAM343aに一時記憶されている蛍光X線強度の累積値に基づいて、蛍光X線の強度が算出(又は決定)される。ステップ30において、W−RAM343aに記憶されている散乱X線強度の累積値に基づいて、散乱X線の強度が算出(又は決定)される。
ステップ31において、W−RAM343aに記憶されている蛍光X線の強度(累積値)及び散乱X線の強度(累積値)に基づいて、スペクトル図が作成されて、表示部36に表示される。
ここで、散乱X線の強度を示すエネルギー(keV)のスペクトルは、X線管21のターゲット材料(Pd)に依存し、かつバックグラウンドと合成されるので、パラジウムの波長の付近で非常に大きな山型のピーク波形(なだらかな山型波形)となる。
一方、蛍光X線のエネルギー(keV)のスペクトルは、イオウがオイル中に定量限界(0.5ppm)付近の微量に含まれている場合に、そのピーク値が元素(イオウ)固有の波長付近のバックグラウンドよりも若干突出して見える程度の小さな山型のピーク波形であるか、バックグラウンドに埋もれて、そのピークが分かり難い程に小さな波形である。
このように、微量のイオウの蛍光X線の強度は、非常に小さいため、蛍光X線のエネルギー強度からイオウの波長付近のバックグラウンド成分を差し引くだけでは検出できないか、検出できたとしても検出精度が極めて低い。
そこで、後述のステップ32および33の処理が行われることになる。
ステップ32において、蛍光X線の強度と散乱X線の強度との比(レシオ強度)が算出される。このように、蛍光X線の強度と散乱X線の強度との比を求める理由は、バックグラウンドと合わせた(又は合成された)イオウの蛍光X線強度と、バックグラウンドと合わせた散乱X線強度との比を求めることにより、イオウの蛍光X線強度がバックグラウンドに埋もれていても、微量のイオウの含有量を正確に算出するためである。
そして、ステップ33において、レシオ強度と検量線に基づいて、微量のイオウの含有量の算出処理が行われる。すなわち、ステップ32において、算出されたレシオ強度に基づいて、検量線テーブル343bを参照することにより、当該テーブル343bに予め登録されている同じ値のレシオ強度に対応する含有量が算出結果として読み出される。
ステップ34において、算出されたイオウの含有量が表示部36に表示される。その後、ステップ35において、蓋部材12のロックが解除されて、一連の処理を終了する。
実施例3の蛍光X線分析装置30によれば、0.5ppm以下の微量のイオウ等の元素(軽元素)であっても、含有量が未知の測定試料1から算出(測定)した蛍光X線強度と散乱X線強度との比を求めて、その比に基づいて既知の含有量別に対応するレシオ強度を予め登録した検量線テーブルを参照することによって含有量を算出しているので、バックグラウンドに埋もれる程度に微量であっても、高精度に検出することができる。
ところで、実施例1及び実施例2では、二次側に2つの分光結晶(又は分光手段)22及び23を設けた場合を説明したが、二次側の分光手段を3個以上設けても良い。
例えば、オイル中の微量元素として、イオウに加えて、塩素の含有量も測定したい場合は、第3の分光結晶(又は分光手段)を上述の最適化の条件を考慮して、その配置位置,湾曲面,距離,結晶材料等を選定する。そして、イオウの蛍光X線(S−Kα線)を第1の分光結晶22で分光し、塩素の蛍光X線(Cl−Kα線)を第3の分光結晶で分光し、両分光結晶によって分光されかつ集光された単色化ビームを1つのX線検出器24で検出すればよい。
この場合、塩素の検量線データは、図7のフローチャートを参照して説明した微量のイオウの含有量とレシオ強度の関係として求められた検量線と同様にして、予め算出され、パソコン34の検量線テーブル343bにテーブルデータとして登録される。
また、上述の実施例では、微量元素を含む液体の一例として、オイルの場合を説明したが、この発明の技術思想は、その他の液体、例えば河川水又は工場廃液やメッキ液中の微量の有害元素の含有量の測定および/または分析にも適用できることは勿論である。
産業上の利用分野
この発明の蛍光X線分光装置10および蛍光X線分析装置30は、オイル中の微量のイオウや塩素等を測定し分析するのに有用であり、産業上の利用性が極めて高い。
1:測定試料
2:一次X線
3:蛍光X線
4:散乱X線
5:単色化ビーム
6:単色化ビーム
10:蛍光X線分光装置
11:本体ハウジング
12:蓋部材
13:載置部
14:窓
15:測定室
16:収納室
20:分光系
21:X線管
22:第1の分光手段(分光結晶又は湾曲モノクロメータ)
23:第2の分光手段(分光結晶又は湾曲モノクロメータ)
24:X線検出器
25:スリット(蛍光X線用)
26:スリット(散乱X線用)
27:散乱防止板
28:一次側分光結晶
30:蛍光X線分析装置
31:X線管制御回路
32:信号処理回路
33:分析制御回路
34:測定用パソコン(コンピュータ)
341:CPU
342:プログラムメモリ
343:RAM
343a:W−RAM
343b:検量線テーブル
344:入出力制御部
35:入力部(キーボード,マウス等)
36:表示部(ディスプレイ)

Claims (9)

  1. 一次X線を発生して測定試料に照射するX線源、
    前記測定試料から発生された蛍光X線を分光する第1の分光手段、
    前記測定試料から散乱された散乱X線を分光する第2の分光手段、および
    前記第1の分光手段によって分光された蛍光X線と、前記第2の分光手段によって分光された散乱X線を受光し得る位置に配置され、蛍光X線と散乱X線を受光する1つのX線検出器を備えた、蛍光X線分光装置。
  2. 一次X線を発生するX線源、
    前記X線源からの一次X線を単色化し、単色化された一次X線を測定試料に照射する分光結晶、
    前記一次X線を受けた測定試料から発生された蛍光X線を分光する第1の分光手段、
    前記測定試料から散乱された散乱X線を分光する第2の分光手段、および
    前記第1の分光手段によって分光された蛍光X線と、前記第2の分光手段によって分光された散乱X線を受光し得る位置に配置され、蛍光X線と散乱X線を受光する1つのX線検出器を備えた、蛍光X線分光装置。
  3. 前記第1の分光手段は、湾曲面に形成されかつ蛍光X線を前記X線検出器へ集光し得る位置に配置され、
    前記第2の分光手段は、湾曲面に形成されかつ散乱X線を前記X線検出器へ集光し得る位置に配置され、
    それによって、前記第1の分光手段と前記第2の分光手段と前記1つのX線検出器とが最適な光学的配置となるように選定され、
    前記X線検出器は、集光された蛍光X線と散乱X線を検出する、請求項1又は請求項2に記載の蛍光X線分光装置。
  4. 前記第1の分光手段は、第1の分光結晶であり、
    前記第2の分光手段は、第2の分光結晶であり、
    前記第1の分光結晶は、測定試料に含まれる測定対象となる元素の波長と結晶材料の格子面間隔との関係がブラッグ回析条件を満たすように選定され、その湾曲面の形状がローランド円に接するように選定され、
    前記第2の分光結晶は、X線源のターゲット材料の波長と結晶材料の格子面間隔との関係がブラッグ回析条件を満たすように選定され、その湾曲面の形状がローランド円に接するように選定され、
    前記X線検出器は、前記第1の分光結晶のローランド円と前記第2の分光結晶のローランド円との交点に配置される、請求項1または請求項2に記載の蛍光X線分光装置。
  5. 前記X線源は、測定試料の下面から照射するように配置され、
    前記第1の分光手段と前記第2の分光手段と前記X線検出器は、測定試料の下側に配置され、
    前記X線検出器は、半導体X線検出器である、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の蛍光X線分光装置。
  6. 一次X線を発生して測定試料に照射するX線源、
    前記測定試料から発生された蛍光X線を分光する第1の分光手段、
    前記測定試料から散乱された散乱X線を分光する第2の分光手段、
    前記第1の分光手段によって分光された蛍光X線と、前記第2の分光手段によって分光された散乱X線を受光し得る位置に配置され、蛍光X線と散乱X線を受光する1つのX線検出器、および
    前記X線検出器によって検出された蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比を求め、当該求めた比と検量線に基づいて前記測定試料に含まれる微量元素の含有量を算出する演算手段を備えた、蛍光X線分析装置。
  7. 一次X線を発生するX線源、
    前記X線源からの一次X線を単色化し、単色化された一次X線を測定試料に照射する分光結晶、
    前記一次X線を受けた測定試料から発生された蛍光X線を分光する第1の分光手段、
    前記測定試料から散乱された散乱X線を分光する第2の分光手段、
    前記第1の分光手段によって分光された蛍光X線と、前記第2の分光手段によって分光された散乱X線を受光し得る位置に配置され、蛍光X線と散乱X線を受光する1つのX線検出器、および
    前記X線検出器によって検出された蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比を求め、当該求めた強度の比と検量線を参照して測定試料に含まれる微量元素の含有量を算出する演算手段を備えた、蛍光X線分析装置。
  8. 前記演算手段は、
    微量元素の含有量が既知の複数の測定試料であって異なる含有量別に、当該各測定試料の蛍光X線の強度と散乱X線の強度の比を求めた結果を予め登録した検量線テーブルと、
    前記X線検出器によって検出された含有量が未知の元素を含む測定試料の蛍光X線の強度と散乱X線の強度との比を求める比算出手段と、
    前記比算出手段によって算出された強度比に基づき、前記検量線テーブルを参照して未知の測定試料に含まれる微量元素の含有量を算出する含有量算出手段を含む、請求項6または請求項7に記載の蛍光X線分析装置。
  9. 前記第1の分光手段は、湾曲面に形成されかつ蛍光X線を前記X線検出器へ集光し得る位置に配置され、
    前記第2の分光手段は、湾曲面に形成されかつ散乱X線を前記X線検出器へ集光し得る位置に配置され、
    それによって、前記第1の分光手段と前記第2の分光手段と前記1つのX線検出器とが最適な光学的配置となるように選定され、
    前記X線検出器は、集光された蛍光X線と散乱X線を検出する、請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の蛍光X線分析装置。
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