JPWO2019031125A1 - 蛍光x線分析の測定方法及び蛍光x線分析の測定装置 - Google Patents

蛍光x線分析の測定方法及び蛍光x線分析の測定装置 Download PDF

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Abstract

複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる測定方法及び測定装置を提供することを目的とする。1種類以上の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する蛍光X線分析の測定方法であって、測定対象金属の検量線の多項式近似式を決定する検量線多項式決定工程S11と、測定対象金属の蛍光X線強度測定値に対して、添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式を決定する液種補正多項式決定工程S12と、測定対象金属の蛍光X線強度測定値に対して、被測定液の比重の違いによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式を決定する比重補正多項式決定工程S13と、検量線多項式決定工程、液種補正多項式決定工程及び比重補正多項式決定工程により決定した多項式近似式を用いて測定対象金属の各種金属濃度を測定する金属濃度測定工程S14を有する。

Description

本発明は、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線分析により測定する測定方法及び各種金属濃度を蛍光X線分析により測定する測定装置に関する。本出願は、日本国において2017年8月7日に出願された日本特許出願番号特願2017−152517を基礎として優先権を主張するものであり、この出願を参照することにより、本出願に援用される。
エレクトロニクス分野で使用されるめっき液等の被測定液に含まれる各種金属濃度を測定するために、蛍光X線分析が用いられる。被測定液には、金属成分のみならず複数の添加剤成分を含有する場合がほとんどである。そういった被測定液に含まれる各種金属濃度を測定する場合において、測定対象成分の蛍光X線強度が測定対象外の添加剤等によるX線の減弱の影響を受ける。
そのため、各種金属濃度を測定するためには、検量線を用いてX線強度からX線の特性に応じた強度の補正が必要となる。
例えば、特許文献1では、めっき液に含有する各種金属濃度と各成分についての蛍光X線強度との関係が、これらを変数として表された連立方程式の定数を各成分の濃度が既知である標準試料について蛍光X線強度を測定した結果によって各種金属濃度を求めている。
特公平3−32735号公報
しかしながら、上記の方法では、測定対象物質が同じ場合でも液種毎に含有する添加剤の成分種や混合比率が異なる場合や、各種金属や添加剤の濃度変化が生じた場合には、精度良く各種金属濃度を測定することはできない。
そこで、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる測定方法及び測定装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る測定方法は、1種類以上の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する蛍光X線分析の測定方法であって、前記測定対象金属の検量線の多項式近似式を決定する検量線多項式決定工程と、前記測定対象金属の前記蛍光X線強度測定値に対して、前記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式を決定する液種補正多項式決定工程と、前記測定対象金属の前記蛍光X線強度測定値に対して、前記被測定液の比重の違いによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式を決定する比重補正多項式決定工程と、前記検量線多項式決定工程、前記液種補正多項式決定工程及び前記比重補正多項式決定工程により決定した多項式近似式を用いて前記測定対象金属の各種金属濃度を測定する金属濃度測定工程を有することを特徴とする。
このようにすれば、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
このとき、本発明の一態様では、前記検量線多項式決定工程は、前記測定対象金属のみが含まれ前記添加剤は含まれない溶液の前記測定対象金属の濃度を変化させた検量線基準溶液を3種類以上作成し、それぞれの蛍光X線強度を測定し検量線強度A1,A2...,Anとし、前記検量線基準溶液の前記測定対象金属の濃度を縦軸の値、前記検量線強度A1,A2...,Anを横軸の値としてグラフ上に3点以上の点をプロットし、前記グラフから多項式近似式を算出し、前記多項式近似式を検量線多項式とすることとしてもよい。(但しnは3以上の整数とする)。
このようにすれば、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
このとき、本発明の一態様では、前記液種補正多項式決定工程は、前記検量線基準溶液各々に、前記被測定液を使用する際に含有させる前記添加剤の濃度と同じ濃度の前記添加剤を加えた液種補正基準溶液を3種類以上作成し、それぞれ蛍光X線強度を測定し液種補正強度B1,B2...,Bnとし、式A1/B1,A2/B2...,An/Bnで表される値を液種補正係数C1,C2...,Cnとし、前記液種補正係数C1,C2...,Cnを縦軸の値、前記液種補正強度B1,B2...,Bnを横軸の値としてグラフ上に3点以上の点をプロットし、前記グラフから多項式近似式を算出し、前記多項式近似式を液種補正多項式とすることとしてもよい。(但しnは3以上の整数とする)。
このようにすれば、全ての濃度範囲で正確な強度補正が可能となり、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
また、本発明の一態様では、前記比重補正多項式決定工程は、前記測定対象金属の濃度を、前記被測定液を使用する際の濃度とし、前記添加剤の濃度を変化させた比重補正基準溶液を3種類以上作成し、それぞれ蛍光X線強度を測定し第1比重補正強度D1,D2...,Dmとし、それぞれ比重を測定し基準比重E1,E2...,Emとし、前記第1比重補正強度D1,D2...,Dmを前記液種補正多項式に代入し得られた前記液種補正係数をそれぞれの前記第1比重補正強度D1,D2...,Dmに乗じた値を第2比重補正強度F1,F2...,Fmとし、前記比重補正基準溶液のうち、前記添加剤の濃度が前記被測定液を使用する際に含有させる濃度と同じである前記比重補正基準溶液の蛍光X線強度を測定し第3比重補正強度Dpとし、前記第3比重補正強度Dpを前記液種補正多項式に代入し得られた前記液種補正係数を前記第3比重補正強度Dpに乗じた値を第4比重補正強度Gpとし、式Gp/F1,Gp/F2...,Gp/Fmで表される値を比重補正係数H1,H2...,Hmとし、前記比重補正係数H1,H2...,Hmを縦軸の値、前記基準比重E1,E2...,Emを横軸の値としてグラフ上に3点以上の点をプロットし、前記グラフから多項式近似式を算出し、前記多項式近似式を比重補正多項式としてもよい。(但しmは3以上の整数とする)。
このようにすれば、添加剤濃度が異なることによる比重が変動する様々な被測定溶液の、より正確な測定が可能となり、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
また、本発明の一態様では、前記金属濃度測定工程は、前記被測定液の蛍光X線強度を測定し第1測定強度とする蛍光X線強度測定工程と、前記被測定液の比重を測定し測定比重とする比重測定工程と、前記蛍光X線強度、前記比重、前記検量線多項式、前記液種補正多項式及び前記比重補正多項式を用いて前記測定対象金属の濃度を算出する金属濃度算出工程とを有し、前記金属濃度算出工程は、前記第1測定強度を前記液種補正多項式に代入し得られた前記液種補正係数に前記第1測定強度を乗じた値を第2測定強度とし、前記測定比重を前記比重補正多項式に代入し得られた前記比重補正係数を前記第2測定強度に乗じた値を第3測定強度とし、前記第3測定強度を前記検量線多項式に代入し算出した前記測定対象金属の濃度を前記被測定液の前記測定対象金属の濃度の測定結果とすることを特徴とする。
このようにすれば、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
また、本発明の一態様では、前記検量線多項式決定工程の前に、さらに前記被測定液を希釈して希釈被測定液を得る希釈工程を有し、前記希釈被測定液を用いて、少なくとも前記液種補正多項式決定工程を行うとしても良い。
このようにすれば、多項式近似式による算出式が簡易的になり、被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
また、本発明の一態様では、1種類以上の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する蛍光X線分析の測定方法であって、前記被測定液を希釈して希釈被測定液を得る希釈工程と、前記測定対象金属の検量線の多項式近似式を決定する検量線多項式決定工程と、前記測定対象金属の前記蛍光X線強度測定値に対して、前記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための補正係数を決定する液種補正係数決定工程と、前記検量線多項式決定工程により決定した多項式近似式と、前記液種補正係数決定工程により決定した補正係数を用いて前記測定対象金属の各種金属濃度を測定する金属濃度測定工程を有し、前記希釈工程では、前記測定対象金属の濃度が10〜200ppmになるように希釈することを特徴とする。
このようにすれば、液種補正係数が多項式近似で算出する方法ではなくなり1点の固定された補正係数と算出式が簡易的になり、比重補正が不要となり、簡便に被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
また、本発明の一態様では、1種類以上の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する蛍光X線分析の測定装置であって、前記蛍光X線強度測定値を測定する蛍光X線強度測定手段と、前記被測定液の比重測定値を測定する比重測定手段と、記憶手段と、算出手段とを備え、前記記憶手段は、前記測定対象金属の検量線の多項式近似式である検量線多項式と、前記測定対象金属の前記蛍光X線強度測定値に対して、前記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式である液種補正多項式と、前記測定対象金属の蛍光X線強度測定値に対して、前記被測定液の比重の違いによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式である比重補正多項式からなる多項式群が記憶されており、前記算出手段は、前記蛍光X線強度測定値、前記比重測定値及び前記多項式群を用いて前記各種金属濃度を算出することを特徴とする。
このようにすれば、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
また、本発明の一態様では、1種類以上の複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する蛍光X線分析の測定装置であって、前記被測定液を希釈する希釈手段と、前記蛍光X線強度測定値を測定する蛍光X線強度測定手段と、記憶手段と、算出手段とを備え、前記記憶手段は、前記被測定液に含まれる金属の濃度が10〜200ppmに希釈される希釈式と、前記測定対象金属の検量線の多項式近似式である検量線多項式と、前記測定対象金属の前記蛍光X線強度測定値に対して、前記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための補正係数が記憶されており、前記算出手段は、前記蛍光X線強度測定値、前記補正係数を用いて前記各種金属濃度を算出することを特徴とする。
このようにすれば、液種補正係数が多項式近似で算出する方法ではなくなり1点の固定された補正係数となるので、補正の算出式が簡易的になり、比重補正が不要となり、簡便に被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
以上説明したように本発明によれば、液種毎に含有する添加剤の成分種や混合比率が異なる場合や、各種金属や添加剤の濃度変化が生じた場合でも各種金属濃度を精度良く測定できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析の測定方法の概略を示す工程図である。 図2は、Au単体溶液の検量線を作成したときの図である。 図3は、液種毎のX線強度とAu濃度の相関関係を示す図である。 図4は、強度補正後の液種毎のX線強度とAu濃度の相関関係を示す図である。 図5は、補正係数算出近似グラフを示す図である。 図6は、多項式で近似した近似曲線を用いて補正を行った後の液種毎のX線強度とAu濃度の相関関係を示す図である。 図7は、比重とX線強度の相関関係を示す図である。 図8は、比重による補正係数算出近似グラフである。 図9は、比重補正後の比重とX線強度の関係を示す図である。 図10は、金属濃度測定工程概略を示す工程図である。 図11は、他の実施形態に係る蛍光X線分析の測定方法の概略を示す工程図である。 図12は、他の実施形態に係る蛍光X線分析の測定方法において、希釈したときの補正係数の推移を示した図である。 図13は、本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析の測定装置及び他の実施形態に係る蛍光X線分析の測定装置の概略を示すブロック図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図を用いながら詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.各種金属濃度の測定方法
1−1.検量線多項式決定工程
1−2.液種補正多項式決定工程
1−3.比重補正多項式決定工程
1−4.金属濃度測定工程
1−5.希釈工程
2.他の実施形態に係る各種金属濃度の測定方法
3.各種金属濃度の測定装置
3−1.サンプリング手段
3−2.蛍光X線強度測定手段
3−3.比重測定手段
3−4.記憶手段
3−5.算出手段
3−6.希釈手段
4.他の実施形態に係る各種金属濃度の測定装置
[1.各種金属濃度の測定方法]
図1は、本発明の一実施形態に係る各種金属濃度の測定方法の概略を示す工程図である。本発明の一実施形態に係る各種金属濃度の測定方法は、1種類以上の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する蛍光X線分析の測定方法である。そして、本発明の一実施形態に係る各種金属濃度の測定方法は、図1に示すように、検量線多項式決定工程S11、液種補正多項式決定工程S12、比重補正多項式決定工程S13及び金属濃度測定工程S14を有することを特徴とする。
上記検量線多項式決定工程S11は、上記測定対象金属の検量線の多項式近似式を決定する。また、上記液種補正多項式決定工程S12は、上記測定対象金属の上記蛍光X線強度測定値に対して、上記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式を決定する。また、上記比重補正多項式決定工程S13は、上記測定対象金属の上記蛍光X線強度測定値に対して、上記被測定液の比重の違いによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式を決定する。また、上記金属濃度測定工程S14は、上記検量線多項式決定工程S11、上記液種補正多項式決定工程S12及び上記比重補正多項式決定工程S13により決定した多項式近似式を用いて上記測定対象金属の各種金属濃度を測定する。
ここで、本発明の一実施形態に係る各種金属濃度の測定方法に用いられる被測定液は、主にめっき液や、めっき前処理液などのめっき用処理液、パターン形成に用いられるエッチング液、めっき液やエッチング液等を含む溶液の排水処理溶液等、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線分析が必要になる測定液をいう。以下、めっき用処理液を例に挙げ、本発明の一実施形態に係る各種金属濃度の測定方法について、図を用いながら以下詳細に説明する。
[1−1.検量線多項式決定工程]
検量線多項式決定工程S11から説明する。まず、蛍光X線強度を用いて定量を行うためには、X線強度と測定対象金属の各種金属濃度で検量線を作成し、多項式の近似曲線を算出する必要がある。具体的には、上記検量線多項式決定工程S11は、測定対象金属のみが含まれ添加剤は含まれない溶液の測定対象金属の濃度を変化させた検量線基準溶液を3種類以上作成し、それぞれ蛍光X線強度を測定し検量線強度A1,A2...,Anとし、(但しnは3以上の整数とする)、上記検量線基準溶液の測定対象金属の濃度を縦軸の値、上記検量線強度A1,A2...,Anを横軸の値としてグラフ上に3点以上の点をプロットし、上記グラフから多項式近似式を算出し、上記多項式近似式を検量線多項式と決定する。
このようにすれば、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。例として、図2に添加剤を含まないAu単体溶液の検量線を作成したときの図を示し、そのときの多項式近似(検量線多項式)を下記する。
(検量線多項式)
Au濃度(g/L)=1.07781277×10−10×(X線強度)+4.89087647×10−5×(X線強度)−3.31795782×10−2・・・(1)
検量線多項式(1)のX線強度部分に測定で得られたX線強度を代入することにより濃度を算出する。図2に示すように、Auが測定対象金属である場合にはAu単体溶液で検量線を作成する。また、Ni(ニッケル)が測定対象金属である場合にはNi単体溶液で検量線を作成する。そして、多項式近似式を算出する。検量線においてはRの値が1に近い程定量性がよくなる。検量線のRとしては小数点以下2桁目までが9、つまり0.99以上になるように多項式近似式の次数を調整することが好ましい。データプロットの点数としては、定量精度を上げるためにプロットを多くとる必要があるが最低でも3点以上の点数を取る必要がある。ここでRは相関係数(決定係数)を示し、近似曲線のデータプロットに対する適合度を示す数値である。
次に、検量線を用いる事で測定対象金属単体であれば定量が可能となるが測定対象物質+他含有成分、例えばめっき用処理液であれば有機酸・無機酸・無機塩等の単一もしくは複数の添加剤が含まれる場合にはX線が他成分に阻害もしくは吸収(X線の減弱)されるため、精度よく定量する事が出来ない。X線の減弱の詳細については後述する。
さらに、めっき用処理液は測定対象物質が同じ場合でも液種毎に含有する添加剤の成分種や混合比率が異なるため、単純な補正では定量が不可能である。例として含有成分の異なるAuめっき液2種のAu濃度とX線強度の関係を検量線グラフにプロットしたグラフを図3に示す。
図3に示すように、A部の破線の丸で示したプロットは、3液種(Au単体溶液、めっき用処理液(I)及びめっき用処理液(II):3種)で、含有するAu濃度(Au濃度=6g/L)が全て同じ金属濃度におけるプロットである。Au単体溶液と比較して添加剤を含有するめっき用処理液(I)では減弱の影響によりX線強度が低くなっている事がわかる。さらにめっき用処理液(I)と添加剤種の異なるめっき用処理液(II)では添加剤による減弱効果が異なるため、めっき用処理液(I)と比べてさらにX線強度が低下する。以上の事から単純な補正ではX線強度の補正をしきれないため、液種毎に液種補正係数を算出する。
次に、図4に、強度補正後の液種毎のX線強度とAu濃度の相関関係を示す。これについては、Au濃度6g/Lを基準液とし、当該基準液のX線強度を、Au濃度6g/Lにおける添加剤を含有した各めっき用処理液のX線強度で割ることにより、液種補正係数を算出し、補正を行った結果である。このように、金属濃度が既知である上記測定対象金属のみからなる基準液の上記蛍光X線強度測定値と、上記基準液に上記被測定液に含まれる上記測定対象金属以外の添加剤を添加した液種補正用溶液の上記蛍光X線強度測定値の比である液種補正係数を算出する。このようにすれば、図4に示すように、液種補正係数を算出するために基準とした6g/LのX線強度では正確に強度の補正ができている。ちなみに、基準液の基準とする金属濃度や金属物質は上記のAu6g/Lには勿論限定されない。
しかしながら例えば基準としたAu濃度6g/Lから大きく逸脱する図4中のB部の破線の丸やC部の実線の丸で示した濃度では、強度補正が完全ではないことがわかる。これもまたX線の特性によるものである。測定対象物質の含有濃度が基準となる濃度から大きく逸脱しない場合には簡易的に補正係数を算出する事が可能であるが、対象となる濃度範囲が広い場合には多項式近似式で補正係数を算出する必要がある。
[1−2.液種補正多項式決定工程]
そこで、液種補正多項式決定工程S12にて、上記基準液及び上記液種補正用溶液の上記金属濃度を変化させて、X線強度に対して上記液種補正係数をプロットしたものを多項式で近似した近似曲線を用いて補正を行う。具体的には、上記検量線基準溶液各々に、上記被測定液を使用する際に含有させる上記添加剤の濃度と同じ濃度の上記添加剤を加えた液種補正基準溶液を3種類以上作成し、それぞれ蛍光X線強度を測定し液種補正強度B1,B2...,Bnとし、上記検量線強度A1,A2...,Anを用いて、式A1/B1,A2/B2...,An/Bnで表される値を液種補正係数C1,C2...,Cnとし、上記液種補正係数C1,C2...,Cnを縦軸の値、上記液種補正強度B1,B2...,Bnを横軸の値としてグラフ上に3点以上の点をプロットし、上記グラフから多項式近似式を算出し、上記多項式近似式を液種補正多項式と決定する。(但しnは3以上の整数とする)。
このようにすれば、全ての濃度範囲で正確な強度補正が可能となり、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。また、上記被測定液を使用する際に含有させる上記添加剤の濃度は、被測定液を使用する際に最適な濃度とすることが好ましく、最適な濃度とは、使用条件に合わせた好ましい濃度である。このようにすれば、さらに精度良く測定を行うことができる。
例として、図5にめっき用処理液(I)及び(II)の多項式近似式を導くためのグラフと近似式を示す。図5に示すように、グラフは横軸に液種補正強度B1,B2...,B7、縦軸に液種補正係数C1,C2...,C7を取りプロットを行う。上記グラフで示した2種類のめっき用処理液の多項式(液種補正多項式)を下記する。
(めっき用処理液(I)液種補正多項式)
めっき用処理液(I)補正多項式=−1.176304401×10−20×(X線強度)+3.734773138×10−15×(X線強度)−3.918288266×10−10×(X線強度)+ 1.269494772×10−5×(X線強度)+1.220713864・・・(2)
(めっき用処理液(II)液種補正多項式)
めっき用処理液(II)液種補正多項式=−1.15601383×10−20×(X線強度)+2.833635253×10−15×(X線強度)−2.370999176×10−10×(X線強度)+4.169263348×10−6×(X線強度)+1.560132796・・・(3)
上記多項式(2)及び(3)に後述する蛍光X線強度測定工程S22で得られたX線強度を代入することにより各X線強度における液種補正係数を算出する。液種補正係数の多項式近似式におけるRとしても最低限小数点以下2桁目までが9、つまり0.99以上になるように多項式近似式の次数を調整することが好ましい。データプロットの点数としても、定量精度を上げるためにプロットを多くとる必要があるが最低でも3点以上の点数を取る必要がある。
そして、図6に多項式(2)及び(3)で近似した近似曲線を用いて補正を行った後の液種毎のX線強度とAu濃度の相関関係を示す。これは図3について、上記多項式(2)及び(3)により液種補正した補正結果である。図6に示したように、全ての濃度範囲で正確な強度補正が可能となる。
[1−3.比重補正多項式決定工程]
本発明の一実施形態に係る各種金属濃度の測定方法は、図1に示すように、比重補正多項式決定工程S13を有する。当該比重補正多項式決定工程S13は、上記被測定液の比重の違いによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式を決定する。
このようにすれば、添加剤濃度が異なることによる比重が変動する様々な被測定溶液の、より正確な測定が可能となり、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。以下詳細に説明する。
図7は、比重とX線強度の相関関係を示す図である。図7に示すように、X線の減弱効果は測定対象のめっき用処理液に含まれる添加剤の種類に大きく依存するが、種類に加えて添加剤の含有量にも依存する。図7は、例としてAu含有量を5.5g/Lに固定した状態で添加剤成分の含有量のみを変化させた場合の比重とX線強度の相関関係を確認した結果である。
めっき用処理液等の被測定液においては複数種の添加剤を含有するが添加剤の混合比率が詳細に決められている場合が多く、含有比率が一定のまま濃度変動する場合がほとんどであり、添加剤濃度の変動は簡易的に比重に置き換える事が可能である。図7では、Auの含有量が同一の場合においても、被測定液の比重の変化に伴いX線強度が変化しており正確に定量を行うためには比重(添加剤濃度の変動)による補正が必要である事を示している。
比重とX線強度の相関関係に着目し、比重による補正を行うことで定量精度をさらに上げている。具体的な多項式近似式の決定方法としては、測定対象物質の含有量を固定した状態で添加剤濃度(比重)を様々に変動させてX線強度を測定する。
比重補正多項式決定工程S13を詳細に説明する。まず、比重補正多項式決定工程S13は、上記測定対象金属の濃度を、上記被測定液を使用する際の濃度とし、上記添加剤の濃度を変化させた比重補正基準溶液を3種類以上作成し、それぞれ蛍光X線強度を測定し第1比重補正強度D1,D2...,Dmとし(但しmは3以上の整数)、それぞれ比重を測定し基準比重E1,E2...,Emとする。なお、上記測定対象金属の濃度は、上記被測定液を使用する際の最適な濃度とすることが好ましく、最適な濃度とは、使用条件に合わせた好ましい濃度である。このようにすれば、さらに精度良く測定を行うことができる。次に、上記第1比重補正強度D1,D2...,Dmを上記液種補正多項式に代入し得られた上記液種補正係数をそれぞれの上記第1比重補正強度D1,D2...,Dmに乗じた値を第2比重補正強度F1,F2...,Fmとする。次に、上記比重補正基準溶液のうち、上記添加剤の濃度が上記被測定液を使用する際に最適な濃度と同じである上記比重補正基準溶液の蛍光X線強度を測定し第3比重補正強度Dpとする。次に、上記第3比重補正強度Dpを上記液種補正多項式に代入し得られた上記液種補正係数を上記第3比重補正強度Dpに乗じた値を第4比重補正強度Gpとし、式Gp/F1,Gp/F2...,Gp/Fmで表される値を比重補正係数H1,H2...,Hmとする。次に、上記比重補正係数H1,H2...,Hmを縦軸の値、上記基準比重E1,E2...,Emを横軸の値としてグラフ上に3点以上の点をプロットし、上記グラフから多項式近似式を算出し、上記多項式近似式を比重補正多項式と決定する。
このようにすれば、添加剤濃度が異なることによる比重が変動する様々な被測定溶液の、より正確な測定が可能となり、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
図8は、比重による補正係数算出近似グラフであり、図7のAuめっき用処理液に対する上記グラフである。また、そのときの多項式近似式(比重補正多項式)を以下に示す。
(比重補正多項式)
比重補正多項式=−4.13956122×10×(比重)+1.32499699×10×(比重)−1.41314434×10×(比重)+5022.89613・・・(4)
上記多項式(4)に後述する比重測定工程S23で得られた比重を代入することにより各比重における比重補正係数を算出する。比重による補正係数の多項式近似式におけるRとしても最低限小数点以下2桁目までが9、つまり0.99以上になるように多項式近似式の次数を調整することが好ましい。データプロットの点数としても、定量精度を上げるためにプロットを多くとる必要があるが、最低でも3点以上の点数を取る必要がある。
図7のデータに液種補正多項式および比重補正多項式による補正を行った結果を図9に示す。図9は、比重補正後の比重とX線強度の関係を示す図である。液種補正だけでは強度の補正が十分に行われていないのに対して、液種補正に加え比重による比重補正を行うことで、添加剤濃度が異なることによる比重が変動する様々な被測定溶液の、より正確な測定が可能となる。被測定液は使用と共に含有成分の濃度が、その都度変化していくものであり、長期間めっき用処理液などの被測定液を使用し続ける場合には、比重による補正が分析精度を保つために重要な要素となる。
被測定液に含まれる各種金属の濃度が50mg/L以下とすることも可能である。特にめっき液、めっき用処理液やエッチング液などの溶液を含む排水処理液に含まれる金属濃度が低濃度である場合があり、そのような低濃度の状況においても、正確に測定を行うことができる。
[1−4.金属濃度測定工程]
金属濃度測定工程S14は、上記検量線多項式決定工程S11、上記液種補正多項式決定工程S12及び上記比重補正多項式決定工程S13により決定した多項式近似式を用いて上記測定対象金属の各種金属濃度を測定する工程である。以下、図10を用いながら金属濃度測定工程S14について、詳細に説明する。
金属濃度測定工程S14は、図10に示すように、被測定液をサンプリングするサンプリング工程S21と、上記サンプリングを行った被測定液の蛍光X線強度を測定する上記蛍光X線強度測定工程S22と、上記サンプリングを行った上記被測定液の比重を測定する比重測定工程S23と、上記蛍光X線強度、上記比重、上記検量線多項式、上記液種補正多項式及び上記比重補正多項式を用いて上記測定対象金属の濃度を算出する金属濃度算出工程S24を有する。
金属濃度測定工程S14を具体的に説明すると、まず、サンプリング工程S21により被測定液をサンプリングする。次に、蛍光X線強度測定工程S22により、サンプリングを行った上記被測定液の蛍光X線強度を測定し第1測定強度とする。次に、比重測定工程S23により、サンプリングを行った上記被測定液の比重を測定し測定比重とする。
次に、金属濃度算出工程S24により、上記第1測定強度を上記液種補正多項式に代入し得られた上記液種補正係数に上記第1測定強度を乗じた値を第2測定強度とし、上記測定比重を上記比重補正多項式に代入し得られた上記比重補正係数を上記第2測定強度に乗じた値を第3測定強度とし、上記第3測定強度を上記検量線多項式に代入し算出した上記測定対象金属の濃度を上記被測定液の上記測定対象金属の濃度の測定結果とする。このようにすれば、複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
[1−5.希釈工程]
また、上記検量線多項式決定工程S11の前に、さらに上記被測定液を希釈して希釈被測定液を得る希釈工程S10を有しても良い。希釈工程S10を有する場合は、検量線多項式決定工程S11及び液種補正多項式決定工程S12で用いる各種の基準溶液と、サンプリング工程S21でサンプリングする被測定液を希釈する。なお、比重補正多項式決定工程S13では希釈液ではなく原液を使用する。
希釈工程S10を有することで、多項式近似式による算出式が簡易的になり、被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。例えば希釈工程S10を有しない場合には、液種補正多項式決定工程S12では多項式近似式は4次の多項式で係数を算出しているが、希釈工程S10を行う事により、液種補正多項式決定工程S12における多項式近似式は、下記の2次の多項式で算出できるようになる。
式=−2.23810709×10−9×(X線強度)+1.03856703×10−5×(X線強度)+ 0.96462610
また、上記希釈工程S10では、測定対象金属の濃度が10〜200ppmになるように希釈することが好ましい。10ppm未満の場合や200ppmを超える濃度の場合、上記の多項式近似式を簡易化できない場合がある。
ここで蛍光X線の減弱について説明する。蛍光X線を発生させるためのX線が測定対象金属の元素に届く前に、測定対象金属の元素以外の元素で吸収又は、散乱されることにより測定対象金属の元素に当たるX線が減少する、若しくは、測定対象元素から発生した蛍光X線が検出器に届くまでに測定対象金属以外の元素に吸収または散乱されることによりX線強度が低くなる。蛍光X線の強度が元素の濃度に比例しない現象は、マトリックス効果と呼ばれている。また、測定対象金属以外の元素数が増減(測定対象金属以外の元素が濃度増減)する事によりX線もしくは蛍光X線の測定対象外元素に当たる確率が変動するためX線の減弱は測定対象外元素の濃度に依存する。
よって、本発明の一実施形態に係る各種金属濃度の測定方法によれば、検量線多項式決定工程S11、液種補正多項式決定工程S12、比重補正多項式決定工程S13及び金属濃度測定工程S14を有するので、液種毎に含有する添加剤の成分種や混合比率が異なる場合や、各種金属や添加剤の濃度変化が生じた場合でも被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。さらに、各種金属濃度が広範囲、例えば金属濃度が10mg/Lから10g/Lの被測定液を分析することができる。また、蛍光X線分析であるので、ICP発光分析とは異なり、短時間での各種金属濃度の測定が精度良く可能となる。よって例えば、本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析の測定方法を、後述する「3.各種金属濃度の測定装置」の様な装置に組み込めば、めっき作業現場における被測定液のタイムリーな分析が可能となる。また、タイムリーに分析できるので、めっき用処理液などの被測定液に使用される添加剤をタイムリーに補充できる。
ゆえに、めっき用処理液などの各種金属濃度の変動を最小限に抑えることができ、めっき用処理液などの液管理が非常に容易になり、ひいては例えば被めっき物などの製品の品質のばらつきを抑えることができる。また排水処理では安定した排水を行うことができる。従って、生産効率向上や環境面に対しても有用である。
[2.他の実施形態に係る各種金属濃度の測定方法]
次に他の実施形態に係る各種金属濃度の測定方法について説明する。他の実施形態に係る各種金属濃度の測定方法は、1種類以上の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する。そして、図11に示すように、上記測定方法は、希釈工程S31と、検量線多項式決定工程S32と、液種補正係数決定工程S33と、金属濃度測定工程S34を有する。
希釈工程S31は、上記被測定液を希釈して希釈被測定液を得る。希釈工程S31では、上記測定対象金属の濃度が10〜200ppmになるように希釈する。ここで、「1.各種金属濃度の測定方法」で説明した希釈しない方法では、測定対象金属以外の成分によりX線の強度が低くなるため、上述したように、液種補正係数(測定対象外成分の種類による補正)と比重補正係数(測定対象外成分の含有濃度による補正)を用いて補正を行う。また、上記両補正係数は、検体を測定して得られた強度データおよび比重データを用い事前にデータ取りを行い算出している補正係数算出用の多項式近似に代入し算出する。
しかし、他の実施形態に係る各種金属濃度の測定方法では、上記被測定液を希釈して希釈被測定液を得て、各種金属濃度を測定する。このように上記被測定液を希釈した場合、図12に示すように補正係数の推移は強度に対し一定となるので、液種補正係数が多項式近似で算出する方法ではなくなり1点の固定された補正係数でよく、比重補正をかける必要がなくなる。多項式近似による算出式が簡易になるとは、例えば現状4次の多項式で係数を算出しているが希釈を行う事により2次の多項式で算出できるようになる。
また、X線の減弱は測定対象外元素の濃度に依存する。この減弱の度合は理論上
I=I−μx
(I:照射された光子数,I:物質通過後の光子数,μ:物質毎の係数,x:距離)
で表される。μは測定対象外成分毎の係数、xは測定対象外成分の濃度もしくは測定対象金属の濃度となる。
式で表されているように減弱の効果は濃度と比例して直線的に増減するわけではなく指数関数的に増加する。つまり、希釈を行わない場合では、中心とする濃度の値から外れる程、液種補正係数値が大きくまたは小さくなり、センター値に近づく程、0次の係数に収束する。
一方、希釈を行った場合には、相対的に想定される濃度幅のブレが小さくなるためセンター値から外れた場合でも液種補正係数の幅が小さくなり最良の場合には0次の係数のみで補正が完了する。よって、液種補正係数と同様の理由で比重補正係数については補正を行う必要がなくなる。
一般的な滴定で希釈する目的として、滴定量を減らす事や阻害成分の効果を減らし分析を可能にする事等が挙げられるが、その目的は他の実施形態に係る蛍光X線分析の測定方法で希釈する目的とでは異なるものである。また、本発明の実施形態における蛍光X線分析の測定方法は、錯化剤、還元剤、pH緩衝剤等が含有する被測定液に対して有効である。
また、検量線多項式決定工程S32は、上記測定対象金属の検量線の多項式近似式を決定する。その決定方法は、検量線基準溶液を希釈すること以外は、上記検量線多項式決定工程S11と同様である。液種補正係数決定工程S33は、上記測定対象金属の上記蛍光X線強度測定値に対して、上記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための補正係数を決定する。具体的には、上記液種補正多項式決定工程S12と同様の工程を、希釈した液種補正基準溶液を用いて行い、多項式を決定し、この多項式に後述の金属濃度測定工程S34で得られたX線強度を代入することにより液種補正係数を決定する。なお、液種補正基準溶液の希釈を行う事により、液種補正係数決定工程S33における多項式近似式は、希釈工程に関する上記説明に示す通り、2次の多項式で算出できるようになる。
そして、金属濃度測定工程S34は、上記検量線多項式決定工程S32により決定した多項式近似式と、上記液種補正係数決定工程S33により決定した補正係数を用いて上記測定対象金属の各種金属濃度を測定する。なお、金属濃度測定工程S34は、液種補正多項式及び比重補正多項式に代入して算出すること以外は、「1−4.金属濃度測定工程」で説明した工程S14と同様である。また、希釈した分、濃度換算を行う。
[3.各種金属濃度の測定装置]
次に、本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析の測定装置について説明する。図13は、本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析の測定装置100の概略を示すブロック図である。以下で説明するように、本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析の測定方法を装置に組み込み、本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析の測定装置100とすることが可能である。
つまり、図13に示すように、本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析の測定装置100は、被測定液をサンプリングするサンプリング手段101と、サンプリングした被測定液の蛍光X線強度測定値を測定する蛍光X線強度測定手段102と、サンプリングした被測定液の比重測定値を測定する比重測定手段103と、コンピューターなどの制御部106における記憶手段104及び算出手段105とを備える。上記の手段により、被測定溶液の上記各種金属濃度が測定される。
[3−1.サンプリング手段]
サンプリング手段101は、めっき用処理液などの被測定液107をサンプリングし、蛍光X線強度測定手段102及び比重測定手段103に被測定液107を送る。
[3−2.蛍光X線強度測定手段]
蛍光X線強度測定手段102では、サンプリング手段101から受け取った被測定液107の上記蛍光X線強度測定値を測定する。測定手段としては、溶液中の元素にX線を当て、各元素に固有の蛍光X線を発生させ、上記発生させたX線を検出器でとらえ、X線強度を測定する。一般的な蛍光X線装置を用い、一般的な条件により測定すればよい。
[3−3.比重測定手段]
比重測定手段103では、サンプリング手段101から受け取った被測定液107の比重測定値を測定する。測定手段としては、一般的な比重測定装置を用い、一般的な条件により測定すればよい。
[3−4.記憶手段]
記憶手段104には、上記測定対象金属の検量線の多項式近似式である検量線多項式と、上記測定対象金属の上記蛍光X線強度測定値に対して、上記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式である液種補正多項式と、上記測定対象金属の蛍光X線強度測定値に対して、上記被測定液の比重の違いによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式である比重補正多項式からなる多項式群が記憶されている。
記憶手段104に記憶されている多項式群は、前述の検量線多項式決定工程S11、液種補正多項式決定工程S12及び比重補正多項式決定工程S13により決定することができる。
[3−5.算出手段]
算出手段105は、上記蛍光X線強度測定値、上記比重測定値及び上記多項式群を用いて上記各種金属濃度を算出する。具体的な算出方法としては、上記金属濃度測定工程S14に示す方法を用いることができる。算出手段105としては、演算装置などの算出器により算出して補正を行う。上記を算出するには、ソフトウェア化(プログラム化)することが好ましい。
また、被測定液に含まれる各種金属の濃度が50mg/L以下、40〜50mg/L、30〜40mg/L、10〜30mg/L、1〜10mg/Lとすることも可能である。特にめっき用処理液、めっき用処理液やエッチング液などの溶液を含む排水処理液に含まれる金属濃度が低濃度である場合があり、そのような低濃度の状況においても、正確に測定を行うことができる。
[3−6.希釈手段]
さらに、図13に示すように、サンプリング手段101の後に被測定液を希釈する希釈手段108を用いても良い。希釈手段108は、サンプリング手段101によりサンプリングされた被測定液を希釈する。希釈方法は、「1−5.希釈工程」で説明した通りである。
よって、本発明の一実施形態に係る各種金属濃度の測定装置によれば、蛍光X線強度測定手段102と、比重測定手段103と、記憶手段104と、算出手段105とを有するので、液種毎に含有する添加剤の成分種や混合比率が異なる場合や、各種金属や添加剤の濃度変化が生じた場合でも各種金属濃度を精度良く測定できる。また、各種金属濃度が広範囲、例えば金属濃度が10mg/Lから10g/Lの被測定液を分析することができる。さらに、蛍光X線装置であるので、ICP発光分析とは異なり、短時間での各種金属濃度の測定が精度良く可能となる。さらに持ち運びが可能であるので、様々な場面で使用できる。よって例えば、めっき作業現場における被測定液のタイムリーな分析が可能となる。また、タイムリーに分析できるので、めっき用処理液などの被測定液に使用される添加剤をタイムリーに補充できる。
ゆえに、めっき用処理液などの各種金属濃度の変動を最小限に抑えることができ、めっき用処理液などの液管理が非常に容易になり、ひいては例えば被めっき物などの製品の品質のばらつきを抑えることができる。また排水処理では安定した排水を行うことができる。従って、生産効率向上や環境面に対しても有用である。
[4.他の実施形態に係る各種金属濃度の測定装置]
他の実施形態に係る各種金属濃度の測定装置は、1種類以上の複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する。他の実施形態に係る各種金属濃度の測定装置は、図13に示すように、上記被測定液を希釈する希釈手段108と、上記蛍光X線強度測定値を測定する蛍光X線強度測定手段102と、記憶手段104と、算出手段105とを備える。なお、「3.各種金属濃度の測定装置」と重複する記載は割愛する。
希釈手段108では、上記被測定液に含まれる金属の濃度が10〜200ppmになるように水等を用いて希釈する。
蛍光X線強度測定手段102では、サンプリング手段101から受け取った被測定液107を希釈手段108により希釈した希釈被測定液の上記蛍光X線強度測定値を測定する。測定手段としては、溶液中の元素にX線を当て、各元素に固有の蛍光X線を発生させ、上記発生させたX線を検出器でとらえ、X線強度を測定する。一般的な蛍光X線装置を用い、一般的な条件により測定すればよい。
記憶手段104では、上記被測定液に含まれる金属の濃度が10〜200ppmに希釈される希釈式が記憶されている。よって上記希釈手段108は、希釈式より算出されて10〜200ppmの濃度になるよう、水等を用いて希釈する。また、上記記憶手段104は、上記測定対象金属の検量線の多項式近似式である検量線多項式と、上記測定対象金属の上記蛍光X線強度測定値に対して、上記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための補正係数が記憶されている。つまり、ここでは比重補正多項式は記憶されていない。比重補正は不要となる。
算出手段105では、上記蛍光X線強度測定値、上記補正係数を用いて上記各種金属濃度を算出する。算出手段105としては、演算装置などの算出器により算出して補正を行う。
他の実施形態に係る各種金属濃度の測定装置によれば、液種補正係数が多項式近似で算出する方法ではなくなり1点の固定された補正係数となるので、補正の算出式が簡易的になり、比重補正が不要となり、簡便に被測定液に含まれる各種金属濃度を精度良く測定できる。
次に、本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析の測定方法について実施例により詳しく説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、被測定液に複数の添加剤と測定対象金属としてAu及びCoを含有しためっき液を用いた。また、上記めっき液の金属濃度は、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分析により測定を行い、その濃度はそれぞれAu:3.21g/L、Co:174mg/Lであった。蛍光X線分析は、上記の金属濃度が既知の被測定液を用い、上記検量線多項式決定工程S11により上記めっき液の検量線多項式を決定し、上記液種補正多項式決定工程S12により上記めっき液の液種補正多項式を決定し、上記比重補正多項式決定工程S13により上記めっき液の比重補正多項式を決定し、上記金属濃度測定工程S14により上記めっき液の金属濃度を測定した。
なお詳細には、検量線多項式決定工程では、上記めっき液の成分のうちAu及びCoのみを含有し、その他の成分(添加剤)を含有せず、各々Au及びCoの濃度が異なる検量線基準溶液を8種類作成し、それぞれ蛍光X線強度を測定し検量線強度A1,A2...,A8とし、上記検量線多項式決定工程S11に当てはめて上記めっき液の検量線多項式Xを決定した。
また、液種補正多項式決定工程S12では、上記8種類の検量線基準溶液と同じ濃度のAu及びCoと、上記めっき液を使用する際に最適な濃度の上記添加剤を含む液種補正基準溶液を8種類作成し、それぞれの溶液の蛍光X線強度を測定し液種補正強度B1,B2...,B8とし、上記液種補正多項式決定工程S12に当てはめて上記めっき液の液種補正多項式Yを決定した。
さらに、比重補正多項式決定工程S13では、Au及びCoの濃度を、上記めっき液を使用する際に最適な濃度とするとともに、上記添加剤の濃度を様々に変化させた比重補正基準溶液を7種類作成し、それぞれの溶液の蛍光X線強度を測定し第1比重補正強度D1,D2...,D7とし、それぞれの溶液の比重を測定し基準比重E1,E2...,E7とし、これらを上記比重補正多項式決定工程S13に当てはめて上記めっき液の比重補正多項式Zを決定した。
そして、金属濃度測定工程S14では、上記めっき液をサンプリングし(サンプリング工程)、サンプリングした上記めっき液の蛍光X線強度を測定し第1測定強度とし(蛍光X線強度測定工程)、サンプリングした上記めっき液の比重を測定し測定比重とし(比重測定工程)、上記第1測定強度、上記測定比重、上記検量線多項式X、上記液種補正多項式Y及び上記比重補正多項式Zの値を上記金属濃度算出工程S24に当てはめ、上記めっき液のAu及びCoの濃度を算出した。この金属濃度測定工程を10回行った。以上の結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例2では、上記めっき液の金属濃度を変え、Au:4.16g/L、Co:157mg/Lとした。その他の測定方法は実施例1と同様とした。以上の結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例3では、被測定液に複数の添加剤と測定対象金属としてAuを含有しためっき液を用いた。また、上記めっき液の金属濃度は、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分析により測定を行い、その濃度はAu:3.13g/Lであった。上記の金属濃度が既知の被測定液を用い、希釈工程S31にて、その被測定液の濃度が60ppmになるように希釈した。そして、上記検量線多項式決定工程S31により上記めっき液の検量線多項式を決定し、液種補正係数決定工程S33により測定値の誤差を補正するための補正係数を決定し、比重補正多項式決定工程は行わず、金属濃度測定工程S34により上記めっき液の金属濃度を10回測定した。以上の結果を表3に示す。
[比較例1]
比較例1では、実施例1のめっき液について、本発明の蛍光X線分析の測定方法を用いず、サンプリングした上記めっき液の蛍光X線強度を上記検量線多項式Xに代入して算出した金属濃度を分析結果とした。以上の結果を表4に示す。
[比較例2]
比較例2では、実施例2のめっき液について、本発明の蛍光X線分析の測定方法を用いず、サンプリングした上記めっき液の蛍光X線強度を上記めっき液の検量線多項式に代入して算出した金属濃度を分析結果とした。以上の結果を表5に示す。
[比較例3]
比較例3では、実施例3のめっき液について、本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析の測定方法を用いず、サンプリングした希釈無の上記めっき液の蛍光X線強度を実施例3の検量線多項式Xに代入して算出した金属濃度を分析結果とした。以上の結果を表6に示す。
Figure 2019031125
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実施例1では、表1に示すように、既知のAu濃度3.21g/Lに対し、蛍光X線強度から算出された濃度が、10回測定した濃度の平均で3.22g/Lとほぼ同じ値となり、標準偏差が0.03、CV値(標準偏差を平均で割ったもの)が1.1と非常に小さい値となった。また、既知のCo濃度174mg/Lに対し、蛍光X線強度から算出された濃度が、10回測定した濃度の平均で172mg/Lとほぼ同じ値となり、標準偏差が6.45、CV値が3.7と非常に小さい値となった。
実施例2でも同様に、表2に示すように、既知のAu濃度4.16g/Lに対し、蛍光X線強度から算出された濃度が、10回測定した濃度の平均で4.10g/Lとほぼ同じ値となり、標準偏差が0.03、CV値が0.8と非常に小さい値となった。また、既知のCo濃度157mg/Lに対し、蛍光X線強度から算出された濃度が、10回測定した濃度の平均で161mg/Lとほぼ同じ値となり、標準偏差が4.10、CV値が2.6と非常に小さい値となった。
実施例3でも同様に、表3に示すように、既知のAu濃度3.13g/Lに対し、蛍光X線強度から算出された濃度が、10回測定した濃度の平均で3.13g/Lと同じ値となり、標準偏差が0.01、CV値が0.4と非常に小さい値となった。
一方、比較例1では、表4に示すように、Auでは、標準偏差が0.03、CV値が1.1と実施例1と同様に非常に小さい値となったが、既知のAu濃度3.21g/Lに対し、蛍光X線強度から算出された濃度が、10回測定した濃度の平均で2.74g/Lと大きな測定誤差が出る結果となった。また、Coにおいても、標準偏差が5.45、CV値が3.7と実施例1と同様非常に小さい値となったが、既知のCo濃度174mg/Lに対し、蛍光X線強度から算出された濃度が、10回測定した濃度の平均で146mg/Lと大きな測定誤差が出る結果となり、補正の重要性を示す結果となった。
また、比較例2でも、表5に示すように、Auでは、標準偏差が0.02、CV値が0.8と実施例2と同様に非常に小さい値となったが、既知のAu濃度4.16g/Lに対し、蛍光X線強度から算出された濃度が、10回測定した濃度の平均で3.00g/Lと大きな測定誤差が出る結果となった。また、Coにおいても、標準偏差が2.98、CV値が2.6と実施例2と同様非常に小さい値となったが、既知のCo濃度158mg/Lに対し、蛍光X線強度から算出された濃度が、10回測定した濃度の平均で117mg/Lと大きな測定誤差が出る結果となり、比較例2においても補正の重要性を示す結果となった。
また、比較例3においては、表6に示すように、Auの標準偏差が0.03、CV値が1.0と実施例3と同様に非常に小さい値となったが、既知のAu濃度3.13g/Lに対し、蛍光X線強度から算出された濃度が、10回測定した濃度の平均で2.65g/Lと大きな測定誤差が出る結果となり、比較例3においては希釈の効果の重要性を示す結果となった。
以上のように実施例では、被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を、繰り返し精度よく測定できた。つまり、本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析の測定方法により検量線が正しく作成することができ、正確に補正されて、めっき液に含まれる複数の添加剤に影響されることなく、液種毎に含有する添加剤の成分種や混合比率が異なる場合や、各種金属や添加剤の濃度変化が生じた場合でも各種金属濃度を精度良く測定できた。
なお、上記のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、蛍光X線分析の測定方法及び蛍光X線分析の測定装置の動作、構成も本発明の各実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
S10 希釈工程、S11 検量線多項式決定工程、S12 液種補正多項式決定工程、S13 比重補正多項式決定工程、S14 金属濃度測定工程、S21 サンプリング工程、S22 蛍光X線強度測定工程、S23 比重測定工程、S24 金属濃度算出工程、
S31 希釈工程、S32 検量線多項式決定工程、S33 液種補正係数決定工程、S34 金属濃度測定工程
100 蛍光X線分析の測定装置、101 サンプリング手段、102 蛍光X線強度測定手段、103 比重測定手段、104 記憶手段、105 算出手段、106 制御部、107 被測定液、108 希釈手段

Claims (9)

  1. 1種類以上の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する蛍光X線分析の測定方法であって、
    前記測定対象金属の検量線の多項式近似式を決定する検量線多項式決定工程と、
    前記測定対象金属の前記蛍光X線強度測定値に対して、前記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式を決定する液種補正多項式決定工程と、
    前記測定対象金属の前記蛍光X線強度測定値に対して、前記被測定液の比重の違いによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式を決定する比重補正多項式決定工程と、
    前記検量線多項式決定工程、前記液種補正多項式決定工程及び前記比重補正多項式決定工程により決定した多項式近似式を用いて前記測定対象金属の各種金属濃度を測定する金属濃度測定工程を有することを特徴とする蛍光X線分析の測定方法。
  2. 前記検量線多項式決定工程は、
    前記測定対象金属のみが含まれ前記添加剤は含まれない溶液の前記測定対象金属の濃度を変化させた検量線基準溶液を3種類以上作成し、それぞれの蛍光X線強度を測定し検量線強度A1,A2...,Anとし、
    前記検量線基準溶液の前記測定対象金属の濃度を縦軸の値、前記検量線強度A1,A2...,Anを横軸の値としてグラフ上に3点以上の点をプロットし、
    前記グラフから多項式近似式を算出し、前記多項式近似式を検量線多項式とすることを特徴とする請求項1に記載の蛍光X線分析の測定方法。
    (但しnは3以上の整数とする)
  3. 前記液種補正多項式決定工程は、
    前記検量線基準溶液各々に、前記被測定液を使用する際に含有させる前記添加剤の濃度と同じ濃度の前記添加剤を加えた液種補正基準溶液を3種類以上作成し、それぞれ蛍光X線強度を測定し液種補正強度B1,B2...,Bnとし、
    式A1/B1,A2/B2...,An/Bnで表される値を液種補正係数C1,C2...,Cnとし、前記液種補正係数C1,C2...,Cnを縦軸の値、前記液種補正強度B1,B2...,Bnを横軸の値としてグラフ上に3点以上の点をプロットし、
    前記グラフから多項式近似式を算出し、前記多項式近似式を液種補正多項式とすることを特徴とする請求項2に記載の蛍光X線分析の測定方法。
    (但しnは3以上の整数とする)
  4. 前記比重補正多項式決定工程は、
    前記測定対象金属の濃度を、前記被測定液を使用する際の濃度とし、前記添加剤の濃度を変化させた比重補正基準溶液を3種類以上作成し、それぞれ蛍光X線強度を測定し第1比重補正強度D1,D2...,Dmとし、それぞれ比重を測定し基準比重E1,E2...,Emとし、
    前記第1比重補正強度D1,D2...,Dmを前記液種補正多項式に代入し得られた前記液種補正係数をそれぞれの前記第1比重補正強度D1,D2...,Dmに乗じた値を第2比重補正強度F1,F2...,Fmとし、
    前記比重補正基準溶液のうち、前記添加剤の濃度が前記被測定液を使用する際に含有させる濃度と同じである前記比重補正基準溶液の蛍光X線強度を測定し第3比重補正強度Dpとし、
    前記第3比重補正強度Dpを前記液種補正多項式に代入し得られた前記液種補正係数を前記第3比重補正強度Dpに乗じた値を第4比重補正強度Gpとし、
    式Gp/F1,Gp/F2...,Gp/Fmで表される値を比重補正係数H1,H2...,Hmとし、
    前記比重補正係数H1,H2...,Hmを縦軸の値、前記基準比重E1,E2...,Emを横軸の値としてグラフ上に3点以上の点をプロットし、前記グラフから多項式近似式を算出し、前記多項式近似式を比重補正多項式とすることを特徴とする請求項3に記載の蛍光X線分析の測定方法。
    (但しmは3以上の整数とする)
  5. 前記金属濃度測定工程は、
    前記被測定液の蛍光X線強度を測定し第1測定強度とする蛍光X線強度測定工程と、
    前記被測定液の比重を測定し測定比重とする比重測定工程と、
    前記蛍光X線強度、前記比重、前記検量線多項式、前記液種補正多項式及び前記比重補正多項式を用いて前記測定対象金属の濃度を算出する金属濃度算出工程とを有し、
    前記金属濃度算出工程は、前記第1測定強度を前記液種補正多項式に代入し得られた前記液種補正係数に前記第1測定強度を乗じた値を第2測定強度とし、前記測定比重を前記比重補正多項式に代入し得られた前記比重補正係数を前記第2測定強度に乗じた値を第3測定強度とし、前記第3測定強度を前記検量線多項式に代入し算出した前記測定対象金属の濃度を前記被測定液の前記測定対象金属の濃度の測定結果とすることを特徴とする請求項4に記載の蛍光X線分析の測定方法。
  6. 前記検量線多項式決定工程の前に、さらに前記被測定液を希釈して希釈被測定液を得る希釈工程を有し、
    前記希釈被測定液を用いて、少なくとも前記液種補正多項式決定工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の蛍光X線分析の測定方法。
  7. 1種類以上の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する蛍光X線分析の測定方法であって、
    前記被測定液を希釈して希釈被測定液を得る希釈工程と、
    前記測定対象金属の検量線の多項式近似式を決定する検量線多項式決定工程と、
    前記測定対象金属の前記蛍光X線強度測定値に対して、前記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための補正係数を決定する液種補正係数決定工程と、
    前記検量線多項式決定工程により決定した多項式近似式と、前記液種補正係数決定工程により決定した補正係数を用いて前記測定対象金属の各種金属濃度を測定する金属濃度測定工程を有し、
    前記希釈工程では、前記測定対象金属の濃度が10〜200ppmになるように希釈することを特徴とする蛍光X線分析の測定方法。
  8. 1種類以上の複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する蛍光X線分析の測定装置であって、
    前記蛍光X線強度測定値を測定する蛍光X線強度測定手段と、
    前記被測定液の比重測定値を測定する比重測定手段と、
    記憶手段と、
    算出手段とを備え、
    前記記憶手段は、前記測定対象金属の検量線の多項式近似式である検量線多項式と、
    前記測定対象金属の前記蛍光X線強度測定値に対して、前記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式である液種補正多項式と、
    前記測定対象金属の蛍光X線強度測定値に対して、前記被測定液の比重の違いによる測定値の誤差を補正するための多項式近似式である比重補正多項式からなる多項式群が記憶されており、
    前記算出手段は、前記蛍光X線強度測定値、前記比重測定値及び前記多項式群を用いて前記各種金属濃度を算出することを特徴とする蛍光X線分析の測定装置。
  9. 1種類以上の複数の添加剤と金属を含有する被測定液に含まれる測定対象金属の各種金属濃度を蛍光X線強度測定値に基づいて測定する蛍光X線分析の測定装置であって、
    前記被測定液を希釈する希釈手段と、
    前記蛍光X線強度測定値を測定する蛍光X線強度測定手段と、
    記憶手段と、
    算出手段とを備え、
    前記記憶手段は、前記被測定液に含まれる金属の濃度が10〜200ppmに希釈される希釈式と、
    前記測定対象金属の検量線の多項式近似式である検量線多項式と、
    前記測定対象金属の前記蛍光X線強度測定値に対して、前記添加剤を含有することによる測定値の誤差を補正するための補正係数が記憶されており、
    前記算出手段は、前記蛍光X線強度測定値、前記補正係数を用いて前記各種金属濃度を算出することを特徴とする蛍光X線分析の測定装置。
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