JP7233756B2 - 蛍光x線分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいてファンダメンタルパラメーター法または検量線法を用いる定量手段により試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置に関する。
従来、定量分析を行う蛍光X線分析装置は、検量線法によるものと、ファンダメンタルパラメーター法(FP法ともいう)によるものに大別される。検量線法による定量分析では、未知試料の分析のために、成分の含有率が既知である一組の標準試料を用いて、成分の含有率と成分に対応する測定元素の蛍光X線(測定線)の測定強度との相関として、検量線が求められる。なお、成分とは元素または化合物である。また、成分が元素である場合には、その元素そのものが成分に対応する測定元素であり、成分が化合物である場合には、その化合物を代表する元素が成分に対応する測定元素となる(例えば特許文献1の段落0002参照)。
一方、ファンダメンタルパラメーター法による定量分析では、未知試料の分析のために、成分の含有率が既知である一組の標準試料を用いて、既知の含有率に基づいて計算した理論強度と測定強度との相関として、装置感度曲線が求められる(例えば、特許文献1の段落0009、特許文献2の段落0003および図4参照)。なお、特許文献2における用語「濃度比」は、全体を1とした場合の、ある成分の全体に占める割合を示しており、本願での用語「含有率」に相当するものであって、後述する「含有率の比」に相当するものではない。
また、検量線法による定量分析、ファンダメンタルパラメーター法による定量分析の双方において、試料の形態によっては、より精確な分析のために、測定強度として、試料の分析面の高さと測定強度との相関に基づいて、試料の分析面の高さの変動が測定強度に及ぼす影響を除去するように補正した測定強度を用いる、いわゆる高さ補正が行われる(例えば特許文献3の請求項2、12参照)。
さて、電子材料等の試料の定量分析においては、主成分同士の含有率の比について高い精度が要求されるところ、2つの主成分からなるチタン酸バリウムの試料について、測定強度の比と含有率の比との相関である検量線を作成して用いる蛍光X線分析装置がある(非特許文献1の「e.検量線と測定例」、図13.45等参照)。
特開2021-51053号公報 国際公開第2018/168939号 特開2002-82075号公報
中井泉編,「蛍光X線分析の実際」,初版,第7刷,朝倉書店,2011年1月30日,p.194-195
しかしながら、非特許文献1には、試料の含有元素による蛍光X線の吸収、励起の影響を除去するためのマトリックス補正について記載がないため、主成分同士の含有率の比についてより精確な分析が要求された場合に、測定強度の比と含有率の比との相関である検量線に対してどのようにマトリックス補正を行うべきかが、技術常識を勘案しても不明である。
また、ファンダメンタルパラメーター法による定量分析においても、主成分同士の含有率の比についてより精確な分析をするために、複数の主成分について、測定強度の比と理論強度の比との相関である装置感度曲線を作成して用いることが考えられる。しかし、ファンダメンタルパラメーター法では、仮定した含有率から計算した理論強度と、装置感度曲線により理論強度スケールに換算した測定強度とに基づいて、含有率を更新するという繰り返し計算を行って、収束した含有率を分析結果とするので、測定強度の比と理論強度の比との相関である装置感度曲線を用いるとしても、どのように繰り返し計算を行うべきかが、技術常識を勘案しても不明である。
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、ファンダメンタルパラメーター法または検量線法を用いる定量手段により試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置において、主成分同士の含有率の比について十分精確に分析できる装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の第1構成は、まず、試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいてファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置である。
そして、前記定量手段が、基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知である標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、測定線ごとに、既知の含有率に基づいて理論強度を計算する標準試料理論強度計算ステップと、対比主成分に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の理論強度に対する対比主成分の理論強度の比である理論強度比との相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップとを実行する。
さらに、前記定量手段が、前記基準主成分および前記対比主成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知である未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、対比主成分に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比装置感度曲線作成ステップでの強度比装置感度曲線に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比を、理論強度スケールに換算して換算測定強度比とする強度比換算ステップと、各成分の含有率の初期値を設定する含有率初期値設定ステップとを実行する。
さらにまた、前記定量手段が、測定線ごとに、最新の含有率に基づいて理論強度を計算する未知試料理論強度計算ステップと、対比主成分ごとに、前記強度比換算ステップでの換算測定強度比と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度による理論強度比とに基づいて、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比を更新する含有率比更新ステップと、最新の含有率比に基づいて、各成分の含有率を更新する含有率更新ステップと、所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記未知試料理論強度計算ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める。
第1構成の蛍光X線分析装置においては、ファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段が、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の理論強度に対する対比主成分の理論強度の比である理論強度比との相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップ、強度比装置感度曲線に基づいて測定強度比を理論強度スケールに換算して換算測定強度比とする強度比換算ステップ、換算測定強度比に基づいて基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比を更新する含有率比更新ステップ、最新の含有率比に基づいて各成分の含有率を更新する含有率更新ステップを実行する。従来のファンダメンタルパラメーター法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比について十分に精確な分析がなされる。
本発明の第2構成は、まず、試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいてファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置である。
そして、前記定量手段が、基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分と、副成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知である標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、測定線ごとに、既知の含有率に基づいて理論強度を計算する標準試料理論強度計算ステップと、副成分に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度に基づいて、副成分の測定強度と、副成分の理論強度との相関である装置感度曲線を作成する装置感度曲線作成ステップと、対比主成分に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の理論強度に対する対比主成分の理論強度の比である理論強度比との相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップとを実行する。
さらに、前記定量手段が、前記基準主成分、前記対比主成分および前記副成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知である未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、副成分に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記装置感度曲線作成ステップでの装置感度曲線に基づいて、副成分の測定強度を理論強度スケールに換算して換算測定強度とする強度換算ステップと、対比主成分に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比装置感度曲線作成ステップでの強度比装置感度曲線に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比を、理論強度スケールに換算して換算測定強度比とする強度比換算ステップと、各成分の含有率の初期値を設定する含有率初期値設定ステップとを実行する。
さらにまた、前記定量手段が、測定線ごとに、最新の含有率に基づいて理論強度を計算する未知試料理論強度計算ステップと、副成分ごとに、前記強度換算ステップでの換算測定強度と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度とに基づいて、含有率を更新する副成分含有率更新ステップと、対比主成分ごとに、前記強度比換算ステップでの換算測定強度比と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度による理論強度比とに基づいて、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比を更新する含有率比更新ステップと、最新の含有率比および最新の副成分の含有率に基づいて、対比主成分の含有率および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップと、所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記未知試料理論強度計算ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める。
第2構成の蛍光X線分析装置においては、ファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段が、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の理論強度に対する対比主成分の理論強度の比である理論強度比との相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップ、強度比装置感度曲線に基づいて測定強度比を理論強度スケールに換算して換算測定強度比とする強度比換算ステップ、換算測定強度比に基づいて基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比を更新する含有率比更新ステップ、最新の含有率比に基づいて対比主成分の含有率および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップを実行する。従来のファンダメンタルパラメーター法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比について十分に精確な分析がなされる。
本発明の第3構成は、まず、試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいてファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置である。
そして、前記定量手段が、基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分と、副成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知である標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、測定線ごとに、既知の含有率に基づいて理論強度を計算する標準試料理論強度計算ステップと、測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度に基づいて、測定強度と理論強度との相関である装置感度曲線を作成する装置感度曲線作成ステップと、対比主成分に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の理論強度に対する対比主成分の理論強度の比である理論強度比との相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップとを実行する。
さらに、前記定量手段が、前記基準主成分、前記対比主成分および前記副成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知である未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記装置感度曲線作成ステップでの装置感度曲線に基づいて、測定強度を理論強度スケールに換算して換算測定強度とする強度換算ステップと、対比主成分に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比装置感度曲線作成ステップでの強度比装置感度曲線に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比を、理論強度スケールに換算して換算測定強度比とする強度比換算ステップと、各成分の含有率の初期値を設定する含有率初期値設定ステップとを実行する。
さらにまた、前記定量手段が、測定線ごとに、最新の含有率に基づいて理論強度を計算する未知試料理論強度計算ステップと、副成分ごとに、前記強度換算ステップでの換算測定強度と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度とに基づいて、含有率を更新する副成分含有率更新ステップと、対比主成分および基準主成分について、前記強度換算ステップでの換算測定強度と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度とに基づいて、推定含有率を計算する推定含有率計算ステップと、対比主成分ごとに、前記強度比換算ステップでの換算測定強度比と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度による理論強度比とに基づいて、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比を更新する含有率比更新ステップと、前記推定含有率計算ステップでの対比主成分の推定含有率および基準主成分の推定含有率の合計と、最新の含有率比とに基づいて、対比主成分の含有率および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップと、所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記未知試料理論強度計算ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める。
第3構成の蛍光X線分析装置においては、ファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段が、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の理論強度に対する対比主成分の理論強度の比である理論強度比との相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップ、強度比装置感度曲線に基づいて測定強度比を理論強度スケールに換算して換算測定強度比とする強度比換算ステップ、対比主成分および基準主成分について推定含有率を計算する推定含有率計算ステップ、換算測定強度比に基づいて基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比を更新する含有率比更新ステップ、対比主成分の推定含有率および基準主成分の推定含有率の合計と最新の含有率比とに基づいて対比主成分の含有率および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップを実行する。従来のファンダメンタルパラメーター法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比について十分に精確な分析がなされる。
第3構成の蛍光X線分析装置において、前記定量手段が、標準試料および未知試料について副成分が成分として指定されない場合には、前記副成分含有率更新ステップをスキップする。
本発明の第4構成は、まず、試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいて検量線法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置である。
そして、前記定量手段が、基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知であって、全成分からマトリックス補正に用いられる加補正成分が指定される標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、対比主成分に対応する測定線ごとに、既知の含有率および前記標準試料測定ステップでの測定強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比との相関であってマトリックス補正項を含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップとを実行する。
さらに、前記定量手段が、前記基準主成分および前記対比主成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知であって、前記加補正成分が指定される未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、対比主成分ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比検量線作成ステップでの強度比検量線に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率比を計算する未補正含有率比計算ステップと、各成分について、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率を計算して含有率の初期値として設定する含有率初期値設定ステップとを実行する。
さらにまた、前記定量手段が、対比主成分ごとに、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比に対し、最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比を更新する含有率比更新ステップと、前記含有率比更新ステップで更新した含有率比に基づいて、各成分の含有率を更新する含有率更新ステップと、所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記含有率比更新ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める。
第4構成の蛍光X線分析装置においては、検量線法を用いる定量手段が、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比との相関であってマトリックス補正項を含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップ、強度比検量線に基づいてマトリックス補正前の未補正含有率比を計算する未補正含有率比計算ステップ、未補正含有率比に対し、最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比を更新する含有率比更新ステップ、更新した含有率比に基づいて各成分の含有率を更新する含有率更新ステップを実行する。従来の検量線法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比について十分に精確な分析がなされる。
本発明の第5構成は、まず、試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいて検量線法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置である。
そして、前記定量手段が、基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分と、副成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知であって、全成分からマトリックス補正に用いられる加補正成分が指定される標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、副成分に対応する測定線ごとに、既知の含有率および前記標準試料測定ステップでの測定強度に基づいて、副成分の測定強度と、副成分の含有率との相関であってマトリックス補正項を含む検量線を作成する検量線作成ステップと、対比主成分に対応する測定線ごとに、既知の含有率および前記標準試料測定ステップでの測定強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比との相関であってマトリックス補正項を含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップとを実行する。
さらに、前記定量手段が、前記基準主成分、前記対比主成分および前記副成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知であって、前記加補正成分が指定される未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、副成分ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記検量線作成ステップでの検量線に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率を計算して含有率の初期値として設定する副成分含有率初期値設定ステップと、対比主成分ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比検量線作成ステップでの強度比検量線に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率比を計算する未補正含有率比計算ステップと、対比主成分および基準主成分について、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比と、前記副成分含有率初期値設定ステップでの副成分の未補正含有率とに基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率を計算して含有率の初期値として設定する主成分含有率初期値設定ステップとを実行する。
さらにまた、前記定量手段が、副成分ごとに、前記副成分含有率初期値設定ステップでの未補正含有率に対し、最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率を更新する副成分含有率更新ステップと、対比主成分ごとに、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比に対し、前記副成分含有率更新ステップで用いた最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比を更新する含有率比更新ステップと、前記含有率比更新ステップで更新した含有率比および前記副成分含有率更新ステップで更新した副成分の含有率に基づいて、対比主成分および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップと、所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記副成分含有率更新ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める。
第5構成の蛍光X線分析装置においては、検量線法を用いる定量手段が、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比との相関であってマトリックス補正項を含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップ、強度比検量線に基づいてマトリックス補正前の未補正含有率比を計算する未補正含有率比計算ステップ、未補正含有率比に対し、最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比を更新する含有率比更新ステップ、更新した含有率比に基づいて対比主成分および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップを実行する。従来の検量線法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比について十分に精確な分析がなされる。
本発明の第6構成は、まず、試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいて検量線法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置である。
そして、前記定量手段が、基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分と、副成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知であって、全成分からマトリックス補正に用いられる加補正成分が指定される標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、測定線ごとに、既知の含有率および前記標準試料測定ステップでの測定強度に基づいて、測定強度と含有率との相関であってマトリックス補正項を含む検量線を作成する検量線作成ステップと、対比主成分に対応する測定線ごとに、既知の含有率および前記標準試料測定ステップでの測定強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比との相関であってマトリックス補正項を含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップとを実行する。
さらに、前記定量手段が、前記基準主成分、前記対比主成分および前記副成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知であって、前記加補正成分が指定される未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、各成分について、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記検量線作成ステップでの検量線に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率を計算して含有率の初期値として設定する含有率初期値設定ステップと、対比主成分ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比検量線作成ステップでの強度比検量線に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率比を計算する未補正含有率比計算ステップとを実行する。
さらにまた、前記定量手段が、副成分ごとに、前記含有率初期値設定ステップでの未補正含有率に対し、最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率を更新する副成分含有率更新ステップと、対比主成分および基準主成分について、前記含有率初期値設定ステップでの未補正含有率に対し、前記副成分含有率更新ステップで用いた最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、推定含有率を計算する推定含有率計算ステップと、対比主成分ごとに、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比に対し、前記副成分含有率更新ステップで用いた最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比を更新する含有率比更新ステップと、前記推定含有率計算ステップでの対比主成分の推定含有率および基準主成分の推定含有率の合計と、前記含有率比更新ステップで更新した含有率比とに基づいて、対比主成分の含有率および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップと、所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記副成分含有率更新ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める。
第6構成の蛍光X線分析装置においては、検量線法を用いる定量手段が、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比との相関であってマトリックス補正項を含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップ、強度比検量線に基づいてマトリックス補正前の未補正含有率比を計算する未補正含有率比計算ステップ、対比主成分および基準主成分の未補正含有率に対し、最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、推定含有率を計算する推定含有率計算ステップ、未補正含有率比に対し、最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比を更新する含有率比更新ステップ、対比主成分の推定含有率および基準主成分の推定含有率の合計と最新の含有率比とに基づいて対比主成分の含有率および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップを実行する。従来の検量線法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比について十分に精確な分析がなされる。
第6構成の蛍光X線分析装置において、前記定量手段が、標準試料および未知試料について副成分が成分として指定されない場合には、前記副成分含有率更新ステップをスキップする。
本発明の蛍光X線分析装置においては、前記定量手段が、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記未知試料測定ステップでの測定強度として、試料の分析面の高さと測定強度との相関に基づいて、試料の分析面の高さの変動が測定強度に及ぼす影響を除去するように補正した測定強度を用いてもよい。試料の形態によっては、このように高さ補正を行うことにより、主成分同士の含有率の比についていっそう精確な分析がなされる。
本発明の第1実施形態の蛍光X線分析装置が備える定量手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の蛍光X線分析装置が備える定量手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態の蛍光X線分析装置が備える定量手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態の蛍光X線分析装置が備える定量手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の第5実施形態の蛍光X線分析装置が備える定量手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の第6実施形態の蛍光X線分析装置が備える定量手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1~第6実施形態の蛍光X線分析装置を示す概略図である。
以下、本発明の第1実施形態の蛍光X線分析装置について説明する。図7に示すように、第1実施形態の蛍光X線分析装置は、試料1,14(未知試料1と標準試料14の双方を含む)に1次X線3を照射して発生する2次X線5の強度を測定する走査型の蛍光X線分析装置であって、試料1,14が載置される試料台2と、試料1,14に1次X線3を照射するX線管などのX線源4と、試料1,14から発生する蛍光X線などの2次X線5を分光する分光素子6と、その分光素子6で分光された2次X線7が入射され、その強度を検出する検出器8とを備えている。検出器8の出力は、図示しない増幅器、波高分析器、計数手段などを経て、装置全体を制御するコンピューターなどの制御手段11に入力される。
第1実施形態の蛍光X線分析装置は、波長分散型でかつ走査型の蛍光X線分析装置であり、検出器8に入射する2次X線7の波長が変化するように、分光素子6と検出器8を連動させる連動手段10、すなわちいわゆるゴニオメーターを備えている。2次X線5がある入射角θで分光素子6へ入射すると、その2次X線5の延長線9と分光素子6で分光(回折)された2次X線7は入射角θの2倍の分光角2θをなすが、連動手段10は、分光角2θを変化させて分光される2次X線7の波長を変化させつつ、その分光された2次X線7が検出器8に入射するように、分光素子6を、その表面の中心を通る紙面に垂直な軸Oを中心に回転させ、その回転角の2倍だけ、検出器8を、軸Oを中心に円12に沿って回転させる。分光角2θの値(2θ角度)は、連動手段10から制御手段11に入力される。
第1実施形態の蛍光X線分析装置は、制御手段11に搭載されるプログラムとして定量手段13を備えており、蛍光X線5の測定強度に基づいて、ファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段13により、試料1,14中の成分の含有率を求める。なお、本発明においては、蛍光X線分析装置は、波長分散型でかつ多元素同時分析型の蛍光X線分析装置でもよいし、エネルギー分散型の蛍光X線分析装置でもよい。
次に、第1実施形態の蛍光X線分析装置が備える定量手段13の動作について、図1のフローチャートにしたがって説明する。定量手段13は、まず、標準試料測定ステップにおいて、基準となる主成分である単一の基準主成分bと、その基準主成分bに対比される単一または複数の対比主成分i1とが成分i(b,i1を包含する)として指定され、各成分iの含有率W(W,Wi1を包含する)が既知である標準試料14について、成分iに対応する蛍光X線5である測定線の強度を測定する。ここで、成分iについての測定強度IiMは、基準主成分bについての測定強度IbMと対比主成分i1についての測定強度Ii1Mを包含する。
次に、標準試料理論強度計算ステップにおいて、測定線ごとに、既知の含有率Wに基づいて公知の理論強度式により理論強度IiT(IbT,Ii1Tを包含する)を計算する。
次に、強度比装置感度曲線作成ステップにおいて、対比主成分i1に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度IiMおよび前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度IiTに基づいて、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRM(つまり、Ii1bRM=Ii1M/IbM)と、基準主成分bの理論強度IbTに対する対比主成分i1の理論強度Ii1Tの比である理論強度比Ii1bRT(つまり、Ii1bRT=Ii1T/IbT)との相関である強度比装置感度曲線を作成する。具体的には、強度比装置感度曲線を示す次式(1)の強度比装置感度係数Ai1R,Bi1R,Ci1Rを求める。
i1bRT=Ai1Ri1bRM +Bi1Ri1bRM+Ci1R …(1)
次に、未知試料測定ステップにおいて、前記基準主成分bおよび前記対比主成分i1が成分iとして指定され、各成分iの含有率Wが未知である未知試料1について、前記測定線の強度IiMを測定する。
次に、強度比換算ステップにおいて、対比主成分i1に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度Ii1M,IbMおよび前記強度比装置感度曲線作成ステップでの強度比装置感度曲線(式(1))に基づいて、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRMを、次式(2)に示すように理論強度スケールに換算して換算測定強度比Ii1bRTMとする。
i1bRTM=Ai1Ri1bRM +Bi1Ri1bRM+Ci1R …(2)
次に、含有率初期値設定ステップにおいて、各成分i1,bの含有率の初期値Wi1(0),W(0)を設定する。具体的には、まず、対比主成分i1ごとに、基準主成分bの含有率Wに対する対比主成分i1の含有率Wi1の比である含有率比Ri1bの初期値Ri1b(0)を、次式(3)に示すように設定する。
i1b(0)=Ii1bRTM/(Ii1TPure/IbTPure) …(3)
i1bRTM:強度比換算ステップで求めた換算測定強度比
i1TPure:対比主成分i1のみからなる試料での同成分i1の理論強度
bTPure:基準主成分bのみからなる試料での同成分bの理論強度
そして、含有率比の初期値Ri1b(0)に基づいて、各成分i1,bの含有率の初期値Wi1(0),W(0)を、次式(4)、(5)で求めて設定する。
(0)=100/(1+ΣRi1b(0)) …(4)
i1(0)=Ri1b(0)×W(0) …(5)
なお、ファンダメンタルパラメーター法における各成分i(i1,b)の含有率の初期値W(0)(Wi1(0),W(0))の設定については、種々の公知の手法があるので、それらの手法から適宜選択し、上述の式(3)~(5)を用いる手法に代えて利用してもよい。例えば、複数の標準試料において既知の各成分の含有率について平均値を求めて初期値Wi1(0),W(0)として設定してもよいし、単純に100(mass%)を成分数で除した値を各成分の含有率の初期値Wi1(0),W(0)として設定してもよい。この場合、含有率の初期値の比Wi1(0)/W(0)を、含有率比の初期値Ri1b(0)として含有率初期値設定ステップで設定してもよい。また、含有率初期値設定ステップでは含有率比の初期値Ri1b(0)を設定せずに、後述する含有率比更新ステップの1回目において、含有率の初期値の比Wi1(0)/W(0)を更新前の含有率比Ri1b(n-1)とすることで、含有率比の初期値Ri1b(0)を設定してもよい。
次に、繰り返し計算に入り、未知試料理論強度計算ステップにおいて、測定線ごとに、最新の含有率W(n-1)に基づいて公知の理論強度式により理論強度IiT(n-1)を計算する。ここで、含有率W(n)、次に述べる含有率比Ri1b(n)の()内の数値nは、含有率W、含有率比Ri1bを更新する繰り返し計算の回数であり、繰り返し計算に入って初回の計算を1回目(n=1)として起算し、繰り返し計算前の初期値の計算を0回目(n-1=0)とする。数値nの定義については、他の実施形態の装置においても同じである。
次に、含有率比更新ステップにおいて、対比主成分i1ごとに、前記強度比換算ステップでの換算測定強度比Ii1bRTMと、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度Ii1T(n-1),IbT(n-1)による理論強度比Ii1bRT(n-1)(つまり、Ii1bRT(n-1)=Ii1T(n-1)/IbT(n-1))とに基づいて、基準主成分bの含有率W(n-1)に対する対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)の比である含有率比Ri1b(n-1)(つまり、Ri1b(n-1)=Wi1(n-1)/W(n-1))を、次式(6)のようにRi1b(n)に更新する。ここで、更新前の含有率比Ri1b(n-1)として、繰り返し計算の1回目においては、前述したように、含有率の初期値の比Wi1(0)/W(0)が用いられ、繰り返し計算の2回目においては、前回の繰り返し計算で更新された含有率の比Wi1(n-1)/W(n-1)が用いられる。
i1b(n)=Ri1b(n-1)×(Ii1bRTM/Ii1bRT(n-1)) …(6)
次に、含有率更新ステップにおいて、各成分i1,bの含有率Wi1(n-1),W(n-1)を、最新の含有率比Ri1b(n)に基づいて次式(7)、(8)で求めたWi1(n),W(n)に更新する。
(n)=100/(1+ΣRi1b(n)) …(7)
i1(n)=Ri1b(n)×W(n) …(8)
次に、収束判定ステップにおいて、所定の収束条件に基づいて収束判定を行う。ここで、所定の収束条件としては、公知の手法に基づき、例えば、含有率更新ステップにおける更新前後の含有率の比W(n)/W(n-1)と1との差の絶対値が、所定の値未満であるという条件や、繰り返し計算の回数nが所定の回数に達したという条件が考えられる。そして、所定の収束条件を満たさない場合には、未収束(No)と判定して手順を未知試料理論強度計算ステップへ戻し、含有率更新ステップで更新した含有率W(n)を最新の含有率W(n-1)として、収束判定ステップまでの手順を繰り返す。一方、所定の収束条件が満たされた場合には、収束(Yes)と判定して繰り返し計算を終了し、手順を結果出力ステップへ進める。
結果出力ステップでは、求めるべき未知試料1中の成分iの含有率Wとして最新の含有率W(n)を出力する。
以上のように、第1実施形態の蛍光X線分析装置においては、ファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段13が、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRMと、基準主成分bの理論強度IbTに対する対比主成分i1の理論強度Ii1Tの比である理論強度比Ii1bRTとの相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップ、強度比装置感度曲線に基づいて測定強度比Ii1bRMを理論強度スケールに換算して換算測定強度比Ii1bRTMとする強度比換算ステップ、換算測定強度比Ii1bRTMに基づいて基準主成分bの含有率W(n-1)に対する対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)の比である含有率比Ri1b(n-1)をRi1b(n)に更新する含有率比更新ステップ、最新の含有率比Ri1b(n)に基づいて各成分i1,bの含有率Wi1(n-1),W(n-1)をWi1(n),W(n)に更新する含有率更新ステップを実行する。従来のファンダメンタルパラメーター法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比Ri1bについて十分に精確な分析がなされる。
第1実施形態の蛍光X線分析装置でのファンダメンタルパラメーター法による定量分析においては、主成分について、式(1)で示したような測定強度比と理論強度比との相関である強度比装置感度曲線は利用されるが、測定強度と理論強度との相関である従来の装置感度曲線は利用されない。このような定量手法を第1成分定量法と呼ぶこととする。
次に、第2実施形態の蛍光X線分析装置について説明する。第2実施形態の蛍光X線分析装置では、第1実施形態の蛍光X線分析装置と同様にファンダメンタルパラメーター法の第1成分定量法が用いられるが、対象とする標準試料および未知試料が、主成分のみならず、副成分も含んでいる。副成分とは、例えば低含有率成分で、対応する測定線について強度比装置感度曲線が作成されない成分である。第2実施形態の蛍光X線分析装置の構成としては、備える定量手段13の動作のみが、第1実施形態の蛍光X線分析装置と異なるので、その異なる動作について、図2のフローチャートにしたがって説明する。
定量手段13は、まず、標準試料測定ステップにおいて、基準となる主成分である単一の基準主成分bと、その基準主成分bに対比される単一または複数の対比主成分i1と、単一または複数の副成分i2とが成分i(b,i1,i2を包含する)として指定され、各成分iの含有率W(W,Wi1,Wi2を包含する)が既知である標準試料14について、成分iに対応する蛍光X線5である測定線の強度を測定する。ここで、成分iについての測定強度IiMは、基準主成分bについての測定強度IbMと、対比主成分i1についての測定強度Ii1Mと、副成分i2についての測定強度Ii2Mを包含する。
次に、標準試料理論強度計算ステップにおいて、測定線ごとに、既知の含有率Wに基づいて公知の理論強度式により理論強度IiT(IbT,Ii1T,Ii2Tを包含する)を計算する。
次に、装置感度曲線作成ステップにおいて、副成分i2に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度Ii2Mおよび前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度Ii2Tに基づいて、副成分i2の測定強度Ii2Mと、副成分i2の理論強度Ii2Tとの相関である装置感度曲線を作成する。具体的には、装置感度曲線を示す次式(9)の装置感度係数Ai2,Bi2,Ci2を求める。
i2T=Ai2i2M +Bi2i2M+Ci2 …(9)
次に、第1実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、強度比装置感度曲線作成ステップにおいて、対比主成分i1に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度IiMおよび前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度IiTに基づいて、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRM(つまり、Ii1bRM=Ii1M/IbM)と、基準主成分bの理論強度IbTに対する対比主成分i1の理論強度Ii1Tの比である理論強度比Ii1bRT(つまり、Ii1bRT=Ii1T/IbT)との相関である強度比装置感度曲線を作成する。具体的には、強度比装置感度曲線を示す次式(1)の強度比装置感度係数Ai1R,Bi1R,Ci1Rを求める。
i1bRT=Ai1Ri1bRM +Bi1Ri1bRM+Ci1R …(1)
次に、未知試料測定ステップにおいて、前記基準主成分b、前記対比主成分i1および前記副成分i2が成分iとして指定され、各成分iの含有率Wが未知である未知試料1について、前記測定線の強度IiMを測定する。
次に、強度換算ステップにおいて、副成分i2に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度Ii2Mおよび前記装置感度曲線作成ステップでの装置感度曲線(式(9))に基づいて、副成分i2の測定強度Ii2Mを、次式(10)に示すように理論強度スケールに換算して換算測定強度Ii2TMとする。
i2TM=Ai2i2M +Bi2i2M+Ci2 …(10)
次に、第1実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、強度比換算ステップにおいて、対比主成分i1に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度Ii1M,IbMおよび前記強度比装置感度曲線作成ステップでの強度比装置感度曲線(式(1))に基づいて、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRMを、次式(2)に示すように理論強度スケールに換算して換算測定強度比Ii1bRTMとする。
i1bRTM=Ai1Ri1bRM +Bi1Ri1bRM+Ci1R …(2)
次に、含有率初期値設定ステップにおいて、各成分i1,b,i2の含有率の初期値Wi1(0),W(0),Wi2(0)を設定する。具体的には、まず、対比主成分i1ごとに、基準主成分bの含有率Wに対する対比主成分i1の含有率Wi1の比である含有率比Ri1bの初期値Ri1b(0)を、次式(3)に示すように設定する。
i1b(0)=Ii1bRTM/(Ii1TPure/IbTPure) …(3)
i1bRTM:強度比換算ステップで求めた換算測定強度比
i1TPure:対比主成分i1のみからなる試料での同成分i1の理論強度
bTPure:基準主成分bのみからなる試料での同成分bの理論強度
また、副成分i2ごとに、含有率の初期値Wi2(0)を、次式(11)に示すように設定する。
i2(0)=(Ii2TM/Ii2TPure)×100 …(11)
i2TM:強度換算ステップで求めた換算測定強度
i2TPure:副成分i2のみからなる試料での同成分i2の理論強度
そして、含有率比の初期値Ri1b(0)、副成分i2の含有率の初期値Wi2(0)に基づいて、対比主成分i1の含有率の初期値Wi1(0)、基準主成分bの含有率のW(0)を、次式(12)、(5)で求めて設定する。
(0)=(100-ΣWi2(0))/(1+ΣRi1b(0)) …(12)
i1(0)=Ri1b(0)×W(0) …(5)
なお、上述の手法に代えて、第1実施形態の蛍光X線分析装置について説明したのと同様に、例えば、複数の標準試料において既知の各成分の含有率について平均値を求めて初期値Wi1(0),W(0),Wi2(0)として設定してもよいし、単純に100(mass%)を成分数で除した値を各成分の含有率の初期値Wi1(0),W(0),Wi2(0)として設定してもよい。その場合の含有率比の初期値Ri1b(0)の設定についても、第1実施形態の蛍光X線分析装置について説明したのと同様である。
次に、繰り返し計算に入り、第1実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、未知試料理論強度計算ステップにおいて、測定線ごとに、最新の含有率W(n-1)に基づいて公知の理論強度式により理論強度IiT(n-1)を計算する。
次に、副成分含有率更新ステップにおいて、副成分i2ごとに、前記強度換算ステップでの換算測定強度Ii2TMと、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度Ii2T(n-1)とに基づいて、含有率Wi2(n-1)を、次式(13)のようにWi2(n)に更新する。
i2(n)=Wi2(n-1)×(Ii2TM/Ii2T(n-1)) …(13)
次に、第1実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、含有率比更新ステップにおいて、対比主成分i1ごとに、前記強度比換算ステップでの換算測定強度比Ii1bRTMと、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度Ii1T(n-1),IbT(n-1)による理論強度比Ii1bRT(n-1)(つまり、Ii1bRT(n-1)=Ii1T(n-1)/IbT(n-1))とに基づいて、基準主成分bの含有率W(n-1)に対する対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)の比である含有率比Ri1b(n-1)(つまり、Ri1b(n-1)=Wi1(n-1)/W(n-1))を、次式(6)のようにRi1b(n)に更新する。
i1b(n)=Ri1b(n-1)×(Ii1bRTM/Ii1bRT(n-1)) …(6)
次に、主成分含有率更新ステップにおいて、対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)および基準主成分bの含有率W(n-1)を、最新の含有率比Ri1b(n)および最新の副成分i2の含有率Wi2(n)に基づいて次式(14)、(8)で求めたWi1(n)およびW(n)に更新する。
(n)=(100-ΣWi2(n))/(1+ΣRi1b(n)) …(14)
i1(n)=Ri1b(n)×W(n) …(8)
次に、第1実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、収束判定ステップにおいて、所定の収束条件に基づいて収束判定を行い、所定の収束条件を満たさない場合には、未収束(No)と判定して手順を未知試料理論強度計算ステップへ戻し、所定の収束条件が満たされた場合には、収束(Yes)と判定して手順を結果出力ステップへ進める。
そして、第1実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、結果出力ステップでは、求めるべき未知試料1中の成分iの含有率Wとして最新の含有率W(n)を出力する。
以上のように、第2実施形態の蛍光X線分析装置においては、ファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段13が、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRMと、基準主成分bの理論強度IbTに対する対比主成分i1の理論強度Ii1Tの比である理論強度比Ii1bRTとの相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップ、強度比装置感度曲線に基づいて測定強度比Ii1bRMを理論強度スケールに換算して換算測定強度比Ii1bRTMとする強度比換算ステップ、換算測定強度比Ii1bRTMに基づいて基準主成分bの含有率W(n-1)に対する対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)の比である含有率比Ri1b(n-1)をRi1b(n)に更新する含有率比更新ステップ、最新の含有率比Ri1b(n)に基づいて対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)および基準主成分bの含有率W(n-1)をWi1(n),W(n)に更新する主成分含有率更新ステップを実行する。従来のファンダメンタルパラメーター法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比Ri1bについて十分に精確な分析がなされる。
次に、第3実施形態の蛍光X線分析装置について説明する。第3実施形態の蛍光X線分析装置では、第1、第2実施形態の蛍光X線分析装置とは異なり、後述するファンダメンタルパラメーター法の第2成分定量法が用いられる。対象とする標準試料および未知試料は、主成分のみならず、副成分も含んでいる。第3実施形態の蛍光X線分析装置の構成としては、備える定量手段13の動作のみが、第1、第2実施形態の蛍光X線分析装置と異なるので、その異なる動作について、図3のフローチャートにしたがって説明する。
定量手段13は、まず、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、標準試料測定ステップにおいて、基準となる主成分である単一の基準主成分bと、その基準主成分bに対比される単一または複数の対比主成分i1と、単一または複数の副成分i2とが成分i(b,i1,i2を包含する)として指定され、各成分iの含有率W(W,Wi1,Wi2を包含する)が既知である標準試料14について、成分iに対応する蛍光X線5である測定線の強度を測定する。ここで、成分iについての測定強度IiMは、基準主成分bについての測定強度IbMと、対比主成分i1についての測定強度Ii1Mと、副成分i2についての測定強度Ii2Mを包含する。
次に、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、標準試料理論強度計算ステップにおいて、測定線ごとに、既知の含有率Wに基づいて公知の理論強度式により理論強度IiT(IbT,Ii1T,Ii2Tを包含する)を計算する。
次に、装置感度曲線作成ステップにおいて、測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度IiMおよび前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度IiTに基づいて、測定強度IiMと理論強度IiTとの相関である装置感度曲線を作成する。具体的には、装置感度曲線を示す次式(15)の装置感度係数A,B,Cを求める。
iT=AiM +BiM+C …(15)
次に、第1、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、強度比装置感度曲線作成ステップにおいて、対比主成分i1に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度IiMおよび前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度IiTに基づいて、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRM(つまり、Ii1bRM=Ii1M/IbM)と、基準主成分bの理論強度IbTに対する対比主成分i1の理論強度Ii1Tの比である理論強度比Ii1bRT(つまり、Ii1bRT=Ii1T/IbT)との相関である強度比装置感度曲線を作成する。具体的には、強度比装置感度曲線を示す次式(1)の強度比装置感度係数Ai1R,Bi1R,Ci1Rを求める。
i1bRT=Ai1Ri1bRM +Bi1Ri1bRM+Ci1R …(1)
次に、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、未知試料測定ステップにおいて、前記基準主成分b、前記対比主成分i1および前記副成分i2が成分iとして指定され、各成分iの含有率Wが未知である未知試料1について、前記測定線の強度IiMを測定する。
次に、強度換算ステップにおいて、測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度IiMおよび前記装置感度曲線作成ステップでの装置感度曲線(式(15))に基づいて、測定強度IiMを、次式(16)に示すように理論強度スケールに換算して換算測定強度IiTMとする。
iTM=AiM +BiM+C …(16)
次に、第1、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、強度比換算ステップにおいて、対比主成分i1に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度Ii1M,IbMおよび前記強度比装置感度曲線作成ステップでの強度比装置感度曲線(式(1))に基づいて、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRMを、次式(2)に示すように理論強度スケールに換算して換算測定強度比Ii1bRTMとする。
i1bRTM=Ai1Ri1bRM +Bi1Ri1bRM+Ci1R …(2)
次に、含有率初期値設定ステップにおいて、各成分i1,b,i2の含有率の初期値Wi1(0),W(0),Wi2(0)を設定する。具体的には、成分iごとに、含有率の初期値W(0)を、次式(17)に示すように設定する。
(0)=(IiTM/IiTPure)×100 …(17)
iTM:強度換算ステップで求めた換算測定強度
iTPure:成分iのみからなる試料での同成分iの理論強度
なお、上述の手法に代えて、第1実施形態の蛍光X線分析装置について説明したのと同様に、例えば、複数の標準試料において既知の各成分の含有率について平均値を求めて初期値Wi1(0),W(0),Wi2(0)として設定してもよいし、単純に100(mass%)を成分数で除した値を各成分の含有率の初期値Wi1(0),W(0),Wi2(0)として設定してもよい。その場合の含有率比の初期値Ri1b(0)の設定についても、第1実施形態の蛍光X線分析装置について説明したのと同様である。
次に、繰り返し計算に入り、第1、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、未知試料理論強度計算ステップにおいて、測定線ごとに、最新の含有率W(n-1)に基づいて公知の理論強度式により理論強度IiT(n-1)を計算する。
次に、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、副成分含有率更新ステップにおいて、副成分i2ごとに、前記強度換算ステップでの換算測定強度Ii2TMと、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度Ii2T(n-1)とに基づいて、含有率Wi2(n-1)を、次式(13)のようにWi2(n)に更新する。
i2(n)=Wi2(n-1)×(Ii2TM/Ii2T(n-1)) …(13)
次に、推定含有率計算ステップにおいて、対比主成分i1および基準主成分bについて、前記強度換算ステップでの換算測定強度Ii1TM,IbTMと、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度Ii1T(n-1),IbT(n-1)とに基づいて、最新の含有率Wi1(n-1),W(n-1)から、次式(18)、(19)のように推定含有率Wi1(S),W(S)を計算する。
i1(S)=Wi1(n-1)×(Ii1TM/Ii1T(n-1)) …(18)
(S)=W(n-1)×(IbTM/IbT(n-1)) …(19)
次に、第1、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、含有率比更新ステップにおいて、対比主成分i1ごとに、前記強度比換算ステップでの換算測定強度比Ii1bRTMと、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度Ii1T(n-1),IbT(n-1)による理論強度比Ii1bRT(n-1)(つまり、Ii1bRT(n-1)=Ii1T(n-1)/IbT(n-1))とに基づいて、基準主成分bの含有率W(n-1)に対する対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)の比である含有率比Ri1b(n-1)(つまり、Ri1b(n-1)=Wi1(n-1)/W(n-1))を、次式(6)のようにRi1b(n)に更新する。
i1b(n)=Ri1b(n-1)×(Ii1bRTM/Ii1bRT(n-1)) …(6)
次に、主成分含有率更新ステップにおいて、対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)および基準主成分bの含有率W(n-1)を、前記推定含有率計算ステップでの対比主成分i1の推定含有率Wi1(S)および基準主成分bの推定含有率W(S)の合計WTotal(S)(つまり、WTotal(S)=ΣWi1(S)+W(S))と、最新の含有率比Ri1b(n)とに基づいて、次式(20)、(8)で求めたWi1(n)およびW(n)に更新する。
(n)=WTotal(S)/(1+ΣRi1b(n)) …(20)
i1(n)=Ri1b(n)×W(n) …(8)
次に、第1、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、収束判定ステップにおいて、所定の収束条件に基づいて収束判定を行い、所定の収束条件を満たさない場合には、未収束(No)と判定して手順を未知試料理論強度計算ステップへ戻し、所定の収束条件が満たされた場合には、収束(Yes)と判定して手順を結果出力ステップへ進める。
そして、第1、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、結果出力ステップでは、求めるべき未知試料1中の成分iの含有率Wとして最新の含有率W(n)を出力する。
以上のように、第3実施形態の蛍光X線分析装置においては、ファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段13が、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRMと、基準主成分bの理論強度IbTに対する対比主成分i1の理論強度Ii1Tの比である理論強度比Ii1bRTとの相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップ、強度比装置感度曲線に基づいて測定強度比Ii1bRMを理論強度スケールに換算して換算測定強度比Ii1bRTMとする強度比換算ステップ、対比主成分i1および基準主成分bについて推定含有率Wi1(S),W(S)を計算する推定含有率計算ステップ、換算測定強度比Ii1bRTMに基づいて基準主成分bの含有率W(n-1)に対する対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)の比である含有率比Ri1b(n-1)をRi1b(n)に更新する含有率比更新ステップ、対比主成分i1の推定含有率Wi1(S)および基準主成分bの推定含有率W(S)の合計と最新の含有率比Ri1b(n)とに基づいて対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)および基準主成分bの含有率W(n-1)をWi1(n),W(n)に更新する主成分含有率更新ステップを実行する。従来のファンダメンタルパラメーター法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比Ri1bについて十分に精確な分析がなされる。
第3実施形態の蛍光X線分析装置でのファンダメンタルパラメーター法による定量分析においては、主成分について、式(1)で示したような測定強度比と理論強度比との相関である強度比装置感度曲線のみならず、式(15)で示したような測定強度と理論強度との相関である従来の装置感度曲線も利用される。このような定量手法を第2成分定量法と呼ぶこととする。
なお、第3実施形態の蛍光X線分析装置においては、定量手段13が、標準試料14および未知試料1について副成分i2が成分iとして1つも指定されない場合にも対応し、その場合には、前記副成分含有率更新ステップをスキップする。
次に、第4実施形態の蛍光X線分析装置について説明する。第4実施形態の蛍光X線分析装置では、第1~第3実施形態の蛍光X線分析装置とは異なり、備える定量手段13において検量線法が用いられる。対象とする標準試料および未知試料は、主成分のみを含んでいる。第4実施形態の蛍光X線分析装置の構成としては、備える定量手段13の動作のみが、第1~第3実施形態の蛍光X線分析装置と異なるので、その異なる動作について、図4のフローチャートにしたがって説明する。
定量手段13は、まず、標準試料測定ステップにおいて、基準となる主成分である単一の基準主成分bと、その基準主成分bに対比される単一または複数の対比主成分i1とが成分iとして指定され、各成分i(b,i1を包含する)として指定され、各成分iの含有率W(W,Wi1を包含する)が既知であって、全成分iからマトリックス補正に用いられる加補正成分jが指定される標準試料14について、成分iに対応する蛍光X線5である測定線の強度を測定する。
ここで、成分iについての測定強度IiMは、基準主成分bについての測定強度IbMと対比主成分i1についての測定強度Ii1Mを包含し、基準主成分b、対比主成分i1は、いずれも含有率を定量しようとする成分i、つまり分析成分iである。そして、分析成分iに対応する測定線の強度に対して、その測定線を吸収または励起して影響を及ぼす成分が加補正成分jであり、その影響を除去するために、分析成分iについてのマトリックス補正に用いられる。基準主成分b、対比主成分i1、分析成分i自身は、いずれも加補正成分jになり得るが、公知の手法により、すべての成分iの中から加補正成分jが選択されて指定される。
次に、強度比検量線作成ステップにおいて、対比主成分i1に対応する測定線ごとに、既知の含有率Wおよび前記標準試料測定ステップでの測定強度IiMに基づいて、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRM(つまり、Ii1bRM=Ii1M/IbM)と、基準主成分bの含有率Wに対する対比主成分i1の含有率Wi1の比である含有率比Ri1b(つまり、Ri1b=Wi1/W)との相関であってマトリックス補正項ΣαjRを含む強度比検量線を作成する。具体的には、強度比検量線を示す次式(21)の強度比検量線定数di1R,ei1R,fi1R、強度比マトリックス補正係数αjRを求める。なお、検量線法に含まれるセミファンダメンタルパラメーター法(SFP法)においては、測定強度と含有率との相関である従来の検量線についてのマトリックス補正係数を理論強度計算により求めるが、この強度比マトリックス補正係数αjRも理論強度計算により求めることができる。
i1b=(di1Ri1bRM +ei1Ri1bRM+fi1R)(1+ΣαjR) …(21)
次に、未知試料測定ステップにおいて、前記基準主成分bおよび前記対比主成分i1が成分iとして指定され、各成分iの含有率Wが未知であって、前記加補正成分jが指定される未知試料1について、前記測定線の強度IiMを測定する。
次に、未補正含有率比計算ステップにおいて、対比主成分i1ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度IiMおよび前記強度比検量線作成ステップでの強度比検量線(式(21))に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率比XRi1bを、次式(22)に示すように計算する。
Ri1b=(di1Ri1bRM +ei1Ri1bRM+fi1R) …(22)
次に、含有率初期値設定ステップにおいて、次式(23)、(24)に示すように、各成分i1,bについて、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比XRi1bに基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率Xi1,Xを計算して含有率の初期値Wi1(0),W(0)として設定する。
(0)=X=100/(1+ΣXRi1b) …(23)
i1(0)=Xi1=XRi1b×X …(24)
次に、繰り返し計算に入り、含有率比更新ステップにおいて、次式(25)に示すように、対比主成分i1ごとに、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比XRi1bに対し、最新の加補正成分jの含有率W(n-1)に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比をRi1b(n)に更新する。ここで、最新の加補正成分jの含有率W(n-1)として、繰り返し計算の1回目においては、含有率初期値設定ステップでの初期値Wi1(0),W(0)が用いられ、繰り返し計算の2回目以降においては、前回の繰り返し計算で更新された含有率Wi1(n-1),W(n-1)が用いられる。
i1b(n)=XRi1b(1+ΣαjR(n-1)) …(25)
次に、含有率更新ステップにおいて、各成分i1,bの含有率Wi1(n-1),W(n-1)を、前記含有率比更新ステップで更新した含有率比Ri1b(n)に基づいて次式(7)、(8)で求めたWi1(n),W(n)に更新する。
(n)=100/(1+ΣRi1b(n)) …(7)
i1(n)=Ri1b(n)×W(n) …(8)
次に、第1~第3実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、収束判定ステップにおいて、所定の収束条件に基づいて収束判定を行う。所定の収束条件を満たさない場合には、未収束(No)と判定して手順を含有率比更新ステップへ戻し、所定の収束条件が満たされた場合には、収束(Yes)と判定して手順を結果出力ステップへ進める。
そして、第1~第3実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、結果出力ステップでは、求めるべき未知試料1中の成分iの含有率Wとして最新の含有率W(n)を出力する。
以上のように、第4実施形態の蛍光X線分析装置においては、検量線法を用いる定量手段13が、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRMと、基準主成分bの含有率Wに対する対比主成分i1の含有率Wi1の比である含有率比Ri1bとの相関であってマトリックス補正項ΣαjRを含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップ、強度比検量線に基づいてマトリックス補正前の未補正含有率比XRi1bを計算する未補正含有率比計算ステップ、未補正含有率比XRi1bに対し、最新の加補正成分jの含有率W(n-1)に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比をRi1b(n)に更新する含有率比更新ステップ、更新した含有率比Ri1b(n)に基づいて各成分i1,bの含有率Wi1(n-1),W(n-1)をWi1(n),W(n)に更新する含有率更新ステップを実行する。従来の検量線法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比Ri1bについて十分に精確な分析がなされる。
第4実施形態の蛍光X線分析装置での検量線法による定量分析においては、主成分について、式(21)で示したような測定強度比と含有率比との相関である強度比検量線は利用されるが、測定強度と含有率との相関である従来の検量線は利用されない。このような定量手法も第1成分定量法に含める。
次に、第5実施形態の蛍光X線分析装置について説明する。第5実施形態の蛍光X線分析装置では、第4実施形態の蛍光X線分析装置と同様に検量線法の第1成分定量法が用いられるが、対象とする標準試料および未知試料が、主成分のみならず、副成分も含んでいる。副成分とは、例えば低含有率成分で、対応する測定線について強度比検量線が作成されない成分である。第5実施形態の蛍光X線分析装置の構成としては、備える定量手段13の動作のみが、第1~第4実施形態の蛍光X線分析装置と異なるので、その異なる動作について、図5のフローチャートにしたがって説明する。
定量手段13は、まず、標準試料測定ステップにおいて、基準となる主成分である単一の基準主成分bと、その基準主成分bに対比される単一または複数の対比主成分i1と、単一または複数の副成分i2とが成分i(b,i1,i2を包含する)として指定され、各成分iの含有率W(W,Wi1,Wi2を包含する)が既知であって、全成分iからマトリックス補正に用いられる加補正成分jが指定される標準試料14について、成分iに対応する蛍光X線5である測定線の強度を測定する。
ここで、成分iについての測定強度IiMは、基準主成分bについての測定強度IbMと、対比主成分i1についての測定強度Ii1Mと、副成分i2についての測定強度Ii2Mを包含し、基準主成分b、対比主成分i1、副成分i2は、いずれも含有率を定量しようとする成分i、つまり分析成分iである。そして、分析成分iに対応する測定線の強度に対して、その測定線を吸収または励起して影響を及ぼす成分が加補正成分jであり、その影響を除去するために、分析成分iについてのマトリックス補正に用いられる。基準主成分b、対比主成分i1、副成分i2、分析成分i自身は、いずれも加補正成分jになり得るが、公知の手法により、すべての成分iの中から加補正成分jが選択されて指定される。
次に、検量線作成ステップにおいて、副成分i2に対応する測定線ごとに、既知の含有率Wおよび前記標準試料測定ステップでの測定強度IiMに基づいて、副成分i2の測定強度Ii2Mと、副成分i2の含有率Wi2との相関であってマトリックス補正項Σαを含む検量線を作成する。具体的には、検量線を示す次式(26)の検量線定数di2,ei2,fi2、マトリックス補正係数αを求める。
i2=(di2i2M +ei2i2M+fi2)(1+Σα) …(26)
次に、第4実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、強度比検量線作成ステップにおいて、対比主成分i1に対応する測定線ごとに、既知の含有率Wおよび前記標準試料測定ステップでの測定強度IiMに基づいて、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRM(つまり、Ii1bRM=Ii1M/IbM)と、基準主成分bの含有率Wに対する対比主成分i1の含有率Wi1の比である含有率比Ri1b(つまり、Ri1b=Wi1/W)との相関であってマトリックス補正項ΣαjRを含む強度比検量線を作成する。具体的には、強度比検量線を示す次式(21)の強度比検量線定数di1R,ei1R,fi1R、強度比マトリックス補正係数αjRを求める。
i1b=(di1Ri1bRM +ei1Ri1bRM+fi1R)(1+ΣαjR) …(21)
次に、未知試料測定ステップにおいて、前記基準主成分b、前記対比主成分i1および前記副成分i2が成分iとして指定され、各成分iの含有率Wが未知であって、前記加補正成分jが指定される未知試料1について、前記測定線の強度IiMを測定する。
次に、副成分含有率初期値設定ステップにおいて、次式(27)に示すように、副成分i2ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度Ii2Mおよび前記検量線作成ステップでの検量線(式(26))に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率Xi2を計算して含有率の初期値Wi2(0)として設定する。
i2(0)=Xi2=di2i2M +ei2i2M+fi2 …(27)
次に、第4実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、未補正含有率比計算ステップにおいて、対比主成分i1ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度IiMおよび前記強度比検量線作成ステップでの強度比検量線(式(21))に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率比XRi1bを、次式(22)に示すように計算する。
Ri1b=(di1Ri1bRM +ei1Ri1bRM+fi1R) …(22)
次に、主成分含有率初期値設定ステップにおいて、次式(28)、(24)に示すように、対比主成分i1および基準主成分bについて、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比XRi1bと、前記副成分含有率初期値設定ステップでの副成分の未補正含有率Xi2とに基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率Xi1,Xを計算して含有率の初期値Wi1(0),W(0)として設定する。
(0)=X=(100-ΣXi2)/(1+ΣXRi1b) …(28)
i1(0)=Xi1=XRi1b×X …(24)
次に、繰り返し計算に入り、副成分含有率更新ステップにおいて、次式(29)に示すように、副成分i2ごとに、前記副成分含有率初期値設定ステップでの未補正含有率Xi2に対し、最新の加補正成分jの含有率W(n-1)に基づいてマトリックス補正を行い、含有率をWi2(n)に更新する。ここで、最新の加補正成分jの含有率W(n-1)として、繰り返し計算の1回目においては、副成分含有率初期値設定ステップでの初期値Wi2(0)、主成分含有率初期値設定ステップでの初期値Wi1(0),W(0)が用いられ、繰り返し計算の2回目以降においては、前回の繰り返し計算で更新された含有率Wi2(n-1),Wi1(n-1),W(n-1)が用いられる。
i2(n)=Xi2(1+Σα(n-1)) …(29)
次に、含有率比更新ステップにおいて、次式(25)に示すように、対比主成分i1ごとに、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比XRi1bに対し、前記副成分含有率更新ステップで用いた最新の加補正成分jの含有率W(n-1)に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比をRi1b(n)に更新する。
i1b(n)=XRi1b(1+ΣαjR(n-1)) …(25)
次に、主成分含有率更新ステップにおいて、対比主成分i1および基準主成分bの含有率Wi1(n-1),W(n-1)を、前記含有率比更新ステップで更新した含有率比Ri1b(n)および前記副成分含有率更新ステップで更新した副成分の含有率Wi2(n)に基づいて次式(14)、(8)で求めたWi1(n),W(n)に更新する。
(n)=(100-ΣWi2(n))/(1+ΣRi1b(n)) …(14)
i1(n)=Ri1b(n)×W(n) …(8)
次に、第1~第4実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、収束判定ステップにおいて、所定の収束条件に基づいて収束判定を行う。所定の収束条件を満たさない場合には、未収束(No)と判定して手順を副成分含有率更新ステップへ戻し、所定の収束条件が満たされた場合には、収束(Yes)と判定して手順を結果出力ステップへ進める。
そして、第1~第4実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、結果出力ステップでは、求めるべき未知試料1中の成分iの含有率Wとして最新の含有率W(n)を出力する。
以上のように、第5実施形態の蛍光X線分析装置においては、検量線法を用いる定量手段13が、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRMと、基準主成分bの含有率Wに対する対比主成分i1の含有率Wi1の比である含有率比Ri1bとの相関であってマトリックス補正項ΣαjRを含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップ、強度比検量線に基づいてマトリックス補正前の未補正含有率比XRi1bを計算する未補正含有率比計算ステップ、未補正含有率比XRi1bに対し、最新の加補正成分jの含有率W(n-1)に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比をRi1b(n)に更新する含有率比更新ステップ、更新した含有率比Ri1b(n)に基づいて対比主成分i1および基準主成分bの含有率Wi1(n-1),W(n-1)をWi1(n),W(n)に更新する主成分含有率更新ステップを実行する。従来の検量線法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比Ri1bについて十分に精確な分析がなされる。
次に、第6実施形態の蛍光X線分析装置について説明する。第6実施形態の蛍光X線分析装置では、第1~第5実施形態の蛍光X線分析装置とは異なり、後述する検量線法の第2成分定量法が用いられる。対象とする標準試料および未知試料は、主成分のみならず、副成分も含んでいる。第6実施形態の蛍光X線分析装置の構成としては、備える定量手段13の動作のみが、第1~第5実施形態の蛍光X線分析装置と異なるので、その異なる動作について、図6のフローチャートにしたがって説明する。
定量手段13は、まず、第5実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、標準試料測定ステップにおいて、基準となる主成分である単一の基準主成分bと、その基準主成分bに対比される単一または複数の対比主成分i1と、単一または複数の副成分i2とが成分i(b,i1,i2を包含する)として指定され、各成分iの含有率W(W,Wi1,Wi2を包含する)が既知であって、全成分iからマトリックス補正に用いられる加補正成分jが指定される標準試料14について、成分iに対応する蛍光X線5である測定線の強度を測定する。
次に、検量線作成ステップにおいて、測定線ごとに、既知の含有率Wおよび前記標準試料測定ステップでの測定強度IiMに基づいて、測定強度IiMと含有率Wとの相関であってマトリックス補正項Σαを含む検量線を作成する。具体的には、検量線を示す次式(30)の検量線定数d,e,f、マトリックス補正係数αを求める。
=(diM +eiM+f)(1+Σα) …(30)
次に、第4、第5実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、強度比検量線作成ステップにおいて、対比主成分i1に対応する測定線ごとに、既知の含有率Wおよび前記標準試料測定ステップでの測定強度IiMに基づいて、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRM(つまり、Ii1bRM=Ii1M/IbM)と、基準主成分bの含有率Wに対する対比主成分i1の含有率Wi1の比である含有率比Ri1b(つまり、Ri1b=Wi1/W)との相関であってマトリックス補正項ΣαjRを含む強度比検量線を作成する。具体的には、強度比検量線を示す次式(21)の強度比検量線定数di1R,ei1R,fi1R、強度比マトリックス補正係数αjRを求める。
i1b=(di1Ri1bRM +ei1Ri1bRM+fi1R)(1+ΣαjR) …(21)
次に、第5実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、未知試料測定ステップにおいて、前記基準主成分b、前記対比主成分i1および前記副成分i2が成分iとして指定され、各成分iの含有率Wが未知であって、前記加補正成分jが指定される未知試料1について、前記測定線の強度IiMを測定する。
次に、含有率初期値設定ステップにおいて、次式(31)に示すように、各成分iについて、前記未知試料測定ステップでの測定強度IiMおよび前記検量線作成ステップでの検量線(式(30))に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率Xを計算して含有率の初期値W(0)として設定する。
(0)=X=diM +eiM+f …(31)
次に、第4、第5実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、未補正含有率比計算ステップにおいて、対比主成分i1ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度IiMおよび前記強度比検量線作成ステップでの強度比検量線(式(21))に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率比XRi1bを、次式(22)に示すように計算する。
Ri1b=(di1Ri1bRM +ei1Ri1bRM+fi1R) …(22)
次に、繰り返し計算に入り、副成分含有率更新ステップにおいて、次式(29)に示すように、副成分i2ごとに、前記含有率初期値設定ステップでの未補正含有率Xi2に対し、最新の加補正成分jの含有率W(n-1)に基づいてマトリックス補正を行い、含有率をWi2(n)に更新する。ここで、最新の加補正成分jの含有率W(n-1)として、繰り返し計算の1回目においては、含有率初期値設定ステップでの初期値Wi2(0),Wi1(0),W(0)が用いられ、繰り返し計算の2回目以降においては、前回の繰り返し計算で更新された含有率Wi2(n-1),Wi1(n-1),W(n-1)が用いられる。
i2(n)=Xi2(1+Σα(n-1)) …(29)
次に、推定含有率計算ステップにおいて、次式(32)、(33)に示すように、対比主成分i1および基準主成分bについて、前記含有率初期値設定ステップでの未補正含有率Xi1,Xに対し、前記副成分含有率更新ステップで用いた最新の加補正成分jの含有率W(n-1)に基づいてマトリックス補正を行い、推定含有率Wi1(S),W(S)を計算する
i1(S)=Xi1(1+Σα(n-1)) …(32)
(S)=X(1+Σα(n-1)) …(33)
次に、第5実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、含有率比更新ステップにおいて、次式(25)に示すように、対比主成分i1ごとに、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比XRi1bに対し、前記副成分含有率更新ステップで用いた最新の加補正成分jの含有率W(n-1)に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比をRi1b(n)に更新する。
i1b(n)=XRi1b(1+ΣαjR(n-1)) …(25)
次に、主成分含有率更新ステップにおいて、対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)および基準主成分bの含有率W(n-1)を、前記推定含有率計算ステップでの対比主成分i1の推定含有率Wi1(S)および基準主成分bの推定含有率W(S)の合計WTotal(S)(つまり、WTotal(S)=ΣWi1(S)+W(S))と、前記含有率比更新ステップで更新した含有率比Ri1b(n)とに基づいて、次式(20)、(8)で求めたWi1(n)およびW(n)に更新する。
(n)=WTotal(S)/(1+ΣRi1b(n)) …(20)
i1(n)=Ri1b(n)×W(n) …(8)
次に、第1~第5実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、収束判定ステップにおいて、所定の収束条件に基づいて収束判定を行う。所定の収束条件を満たさない場合には、未収束(No)と判定して手順を副成分含有率更新ステップへ戻し、所定の収束条件が満たされた場合には、収束(Yes)と判定して手順を結果出力ステップへ進める。
そして、第1~第5実施形態の蛍光X線分析装置と同様に、結果出力ステップでは、求めるべき未知試料1中の成分iの含有率Wとして最新の含有率W(n)を出力する。
以上のように、第6実施形態の蛍光X線分析装置においては、検量線法を用いる定量手段13が、基準主成分bの測定強度IbMに対する対比主成分i1の測定強度Ii1Mの比である測定強度比Ii1bRMと、基準主成分bの含有率Wに対する対比主成分i1の含有率Wi1の比である含有率比Ri1bとの相関であってマトリックス補正項ΣαjRを含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップ、強度比検量線に基づいてマトリックス補正前の未補正含有率比XRi1bを計算する未補正含有率比計算ステップ、対比主成分i1および基準主成分bの未補正含有率Xi1,Xに対し、最新の加補正成分jの含有率W(n-1)に基づいてマトリックス補正を行い、推定含有率Wi1(S),W(S)を計算する推定含有率計算ステップ、未補正含有率比XRi1bに対し、最新の加補正成分jの含有率W(n-1)に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比をRi1b(n)に更新する含有率比更新ステップ、対比主成分i1の推定含有率Wi1(S)および基準主成分bの推定含有率W(S)の合計と最新の含有率比Ri1b(n)とに基づいて対比主成分i1の含有率Wi1(n-1)および基準主成分bの含有率W(n-1)をWi1(n),W(n)に更新する主成分含有率更新ステップを実行する。従来の検量線法のアルゴリズムにはなかったこれらのステップを実行することにより、主成分同士の含有率の比Ri1bについて十分に精確な分析がなされる。
第6実施形態の蛍光X線分析装置での検量線法による定量分析においては、主成分について、式(21)で示したような測定強度比と含有率比との相関である強度比検量線のみならず、式(30)で示したような測定強度と含有率との相関である従来の検量線も利用される。このような定量手法も第2成分定量法に含める。
なお、第6実施形態の蛍光X線分析装置においては、定量手段13が、標準試料14および未知試料1について副成分i2が成分iとして1つも指定されない場合にも対応し、その場合には、前記副成分含有率更新ステップをスキップする。このとき、繰り返し計算は、推定含有率計算ステップから始まるが、推定含有率計算ステップおよび含有率比更新ステップ中の「前記副成分含有率更新ステップで用いた最新の加補正成分jの含有率W(n-1)」としては、副成分含有率更新ステップの説明で述べたように、繰り返し計算の1回目においては、含有率初期値設定ステップでの初期値Wi2(0),Wi1(0),W(0)が用いられ、繰り返し計算の2回目以降においては、前回の繰り返し計算で更新された含有率Wi2(n-1),Wi1(n-1),W(n-1)が用いられる。
以上の各実施形態の蛍光X線分析装置において、前記定量手段13が、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記未知試料測定ステップでの測定強度IiMとして、試料1,14の分析面の高さと測定強度との相関に基づいて、試料1,14の分析面の高さの変動が測定強度に及ぼす影響を除去するように補正した測定強度を用いてもよい。試料1,14の形態によっては、このように高さ補正を行うことにより、主成分同士の含有率の比Ri1bについていっそう精確な分析がなされる。
なお、以上の各実施形態の蛍光X線分析装置において、必要に応じて、公知の手法により、例えば収束判定ステップに進む前に、全成分iの含有率W(n)の合計が100(mass%)になるように規格化する。
1 未知試料
3 1次X線
5 蛍光X線
13 定量手段
14 標準試料

Claims (9)

  1. 試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいてファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置であって、
    前記定量手段が、
    基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知である標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、
    測定線ごとに、既知の含有率に基づいて理論強度を計算する標準試料理論強度計算ステップと、
    対比主成分に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の理論強度に対する対比主成分の理論強度の比である理論強度比との相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップと、
    前記基準主成分および前記対比主成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知である未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、
    対比主成分に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比装置感度曲線作成ステップでの強度比装置感度曲線に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比を、理論強度スケールに換算して換算測定強度比とする強度比換算ステップと、
    各成分の含有率の初期値を設定する含有率初期値設定ステップと、
    測定線ごとに、最新の含有率に基づいて理論強度を計算する未知試料理論強度計算ステップと、
    対比主成分ごとに、前記強度比換算ステップでの換算測定強度比と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度による理論強度比とに基づいて、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比を更新する含有率比更新ステップと、
    最新の含有率比に基づいて、各成分の含有率を更新する含有率更新ステップと、
    所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、
    求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、
    前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記未知試料理論強度計算ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める蛍光X線分析装置。
  2. 試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいてファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置であって、
    前記定量手段が、
    基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分と、副成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知である標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、
    測定線ごとに、既知の含有率に基づいて理論強度を計算する標準試料理論強度計算ステップと、
    副成分に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度に基づいて、副成分の測定強度と、副成分の理論強度との相関である装置感度曲線を作成する装置感度曲線作成ステップと、
    対比主成分に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の理論強度に対する対比主成分の理論強度の比である理論強度比との相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップと、
    前記基準主成分、前記対比主成分および前記副成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知である未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、
    副成分に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記装置感度曲線作成ステップでの装置感度曲線に基づいて、副成分の測定強度を理論強度スケールに換算して換算測定強度とする強度換算ステップと、
    対比主成分に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比装置感度曲線作成ステップでの強度比装置感度曲線に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比を、理論強度スケールに換算して換算測定強度比とする強度比換算ステップと、
    各成分の含有率の初期値を設定する含有率初期値設定ステップと、
    測定線ごとに、最新の含有率に基づいて理論強度を計算する未知試料理論強度計算ステップと、
    副成分ごとに、前記強度換算ステップでの換算測定強度と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度とに基づいて、含有率を更新する副成分含有率更新ステップと、
    対比主成分ごとに、前記強度比換算ステップでの換算測定強度比と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度による理論強度比とに基づいて、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比を更新する含有率比更新ステップと、
    最新の含有率比および最新の副成分の含有率に基づいて、対比主成分の含有率および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップと、
    所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、
    求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、
    前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記未知試料理論強度計算ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める蛍光X線分析装置。
  3. 試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいてファンダメンタルパラメーター法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置であって、
    前記定量手段が、
    基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分と、副成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知である標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、
    測定線ごとに、既知の含有率に基づいて理論強度を計算する標準試料理論強度計算ステップと、
    測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度に基づいて、測定強度と理論強度との相関である装置感度曲線を作成する装置感度曲線作成ステップと、
    対比主成分に対応する測定線ごとに、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記標準試料理論強度計算ステップでの理論強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の理論強度に対する対比主成分の理論強度の比である理論強度比との相関である強度比装置感度曲線を作成する強度比装置感度曲線作成ステップと、
    前記基準主成分、前記対比主成分および前記副成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知である未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、
    測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記装置感度曲線作成ステップでの装置感度曲線に基づいて、測定強度を理論強度スケールに換算して換算測定強度とする強度換算ステップと、
    対比主成分に対応する測定線ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比装置感度曲線作成ステップでの強度比装置感度曲線に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比を、理論強度スケールに換算して換算測定強度比とする強度比換算ステップと、
    各成分の含有率の初期値を設定する含有率初期値設定ステップと、
    測定線ごとに、最新の含有率に基づいて理論強度を計算する未知試料理論強度計算ステップと、
    副成分ごとに、前記強度換算ステップでの換算測定強度と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度とに基づいて、含有率を更新する副成分含有率更新ステップと、
    対比主成分および基準主成分について、前記強度換算ステップでの換算測定強度と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度とに基づいて、推定含有率を計算する推定含有率計算ステップと、
    対比主成分ごとに、前記強度比換算ステップでの換算測定強度比と、前記未知試料理論強度計算ステップでの理論強度による理論強度比とに基づいて、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比を更新する含有率比更新ステップと、
    前記推定含有率計算ステップでの対比主成分の推定含有率および基準主成分の推定含有率の合計と、最新の含有率比とに基づいて、対比主成分の含有率および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップと、
    所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、
    求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、
    前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記未知試料理論強度計算ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める蛍光X線分析装置。
  4. 請求項3に記載の蛍光X線分析装置において、
    前記定量手段が、標準試料および未知試料について副成分が成分として指定されない場合には、前記副成分含有率更新ステップをスキップする蛍光X線分析装置。
  5. 試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいて検量線法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置であって、
    前記定量手段が、
    基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知であって、全成分からマトリックス補正に用いられる加補正成分が指定される標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、
    対比主成分に対応する測定線ごとに、既知の含有率および前記標準試料測定ステップでの測定強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比との相関であってマトリックス補正項を含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップと、
    前記基準主成分および前記対比主成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知であって、前記加補正成分が指定される未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、
    対比主成分ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比検量線作成ステップでの強度比検量線に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率比を計算する未補正含有率比計算ステップと、
    各成分について、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率を計算して含有率の初期値として設定する含有率初期値設定ステップと、
    対比主成分ごとに、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比に対し、最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比を更新する含有率比更新ステップと、
    前記含有率比更新ステップで更新した含有率比に基づいて、各成分の含有率を更新する含有率更新ステップと、
    所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、
    求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、
    前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記含有率比更新ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める蛍光X線分析装置。
  6. 試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいて検量線法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置であって、
    前記定量手段が、
    基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分と、副成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知であって、全成分からマトリックス補正に用いられる加補正成分が指定される標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、
    副成分に対応する測定線ごとに、既知の含有率および前記標準試料測定ステップでの測定強度に基づいて、副成分の測定強度と、副成分の含有率との相関であってマトリックス補正項を含む検量線を作成する検量線作成ステップと、
    対比主成分に対応する測定線ごとに、既知の含有率および前記標準試料測定ステップでの測定強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比との相関であってマトリックス補正項を含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップと、
    前記基準主成分、前記対比主成分および前記副成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知であって、前記加補正成分が指定される未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、
    副成分ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記検量線作成ステップでの検量線に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率を計算して含有率の初期値として設定する副成分含有率初期値設定ステップと、
    対比主成分ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比検量線作成ステップでの強度比検量線に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率比を計算する未補正含有率比計算ステップと、
    対比主成分および基準主成分について、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比と、前記副成分含有率初期値設定ステップでの副成分の未補正含有率とに基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率を計算して含有率の初期値として設定する主成分含有率初期値設定ステップと、
    副成分ごとに、前記副成分含有率初期値設定ステップでの未補正含有率に対し、最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率を更新する副成分含有率更新ステップと、
    対比主成分ごとに、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比に対し、前記副成分含有率更新ステップで用いた最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比を更新する含有率比更新ステップと、
    前記含有率比更新ステップで更新した含有率比および前記副成分含有率更新ステップで更新した副成分の含有率に基づいて、対比主成分および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップと、
    所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、
    求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、
    前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記副成分含有率更新ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める蛍光X線分析装置。
  7. 試料に1次X線を照射し、発生する蛍光X線の測定強度に基づいて検量線法を用いる定量手段により前記試料中の成分の含有率を求める蛍光X線分析装置であって、
    前記定量手段が、
    基準となる主成分である単一の基準主成分と、その基準主成分に対比される対比主成分と、副成分とが成分として指定され、各成分の含有率が既知であって、全成分からマトリックス補正に用いられる加補正成分が指定される標準試料について、成分に対応する蛍光X線である測定線の強度を測定する標準試料測定ステップと、
    測定線ごとに、既知の含有率および前記標準試料測定ステップでの測定強度に基づいて、測定強度と含有率との相関であってマトリックス補正項を含む検量線を作成する検量線作成ステップと、
    対比主成分に対応する測定線ごとに、既知の含有率および前記標準試料測定ステップでの測定強度に基づいて、基準主成分の測定強度に対する対比主成分の測定強度の比である測定強度比と、基準主成分の含有率に対する対比主成分の含有率の比である含有率比との相関であってマトリックス補正項を含む強度比検量線を作成する強度比検量線作成ステップと、
    前記基準主成分、前記対比主成分および前記副成分が成分として指定され、各成分の含有率が未知であって、前記加補正成分が指定される未知試料について、前記測定線の強度を測定する未知試料測定ステップと、
    各成分について、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記検量線作成ステップでの検量線に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率を計算して含有率の初期値として設定する含有率初期値設定ステップと、
    対比主成分ごとに、前記未知試料測定ステップでの測定強度および前記強度比検量線作成ステップでの強度比検量線に基づいて、マトリックス補正前の未補正含有率比を計算する未補正含有率比計算ステップと、
    副成分ごとに、前記含有率初期値設定ステップでの未補正含有率に対し、最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率を更新する副成分含有率更新ステップと、
    対比主成分および基準主成分について、前記含有率初期値設定ステップでの未補正含有率に対し、前記副成分含有率更新ステップで用いた最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、推定含有率を計算する推定含有率計算ステップと、
    対比主成分ごとに、前記未補正含有率比計算ステップでの未補正含有率比に対し、前記副成分含有率更新ステップで用いた最新の加補正成分の含有率に基づいてマトリックス補正を行い、含有率比を更新する含有率比更新ステップと、
    前記推定含有率計算ステップでの対比主成分の推定含有率および基準主成分の推定含有率の合計と、前記含有率比更新ステップで更新した含有率比とに基づいて、対比主成分の含有率および基準主成分の含有率を更新する主成分含有率更新ステップと、
    所定の収束条件に基づいて収束判定を行う収束判定ステップと、
    求めるべき未知試料中の成分の含有率として最新の含有率を出力する結果出力ステップとを実行し、
    前記収束判定ステップにおいて、未収束の判定である場合には手順を前記副成分含有率更新ステップへ戻し、収束の判定である場合には手順を前記結果出力ステップへ進める蛍光X線分析装置。
  8. 請求項7に記載の蛍光X線分析装置において、
    前記定量手段が、標準試料および未知試料について副成分が成分として指定されない場合には、前記副成分含有率更新ステップをスキップする蛍光X線分析装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の蛍光X線分析装置において、
    前記定量手段が、前記標準試料測定ステップでの測定強度および前記未知試料測定ステップでの測定強度として、試料の分析面の高さと測定強度との相関に基づいて、試料の分析面の高さの変動が測定強度に及ぼす影響を除去するように補正した測定強度を用いる蛍光X線分析装置。
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