JP2013063019A - 直流モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブラシ付きの直流モータにおいて、アーマチュアは、ヨークハウジングに軸支される回転軸と、回転軸に外側から嵌めこまれて固定されるアーマチュアコアと、回転軸にアーマチュアコアと隣接して設けられ個のセグメントを周方向に配置したコンミテータとを備える。アーマチュアコアは、径方向に向かって放射状に延びる9つのティースと、ティース間に形成され軸方向に沿って延びる9つのスロットとを有し、同電位となるセグメント同士を短絡部材で接続し、セグメントに摺接する一対のブラシを回転軸を中心にして互いに点対称となるように配置される。本発明によれば、効果的に直流モータの扁平化を図ることができる。
【選択図】図1
Description
各セグメントは、ヨークハウジング内に収納されたブラシホルダに支持されている一対のブラシと摺接可能になっている。そして、これらブラシを介してコイルに直流電流が供給されると、アーマチュアコアに形成される磁界と永久磁石との間に生じる磁気的な吸引力や反発力によって回転軸が回転される。この回転によってブラシが摺接するセグメントが順次変更されコイルに流れる電流の向きが切り替えられる、所謂整流が行われ、アーマチュアコアが継続的に回転する。
また、小型、扁平化を図りつつ、ブラシ近傍にコンデンサやチョークコイル等の雑防素子を容易に組み付けることができる直流モータを提供する。
さらに、本発明によれば、アーマチュアコアから各々ティースを分割することができるため、ティース毎にコイルを巻くことができる。このため、コイルをティースに容易に巻くことができ、作業効率を向上させることができる。また、ティース周辺にコイルを巻くためのスペースを十分確保することができるため、アーマチュアコイルの占積率を向上させることができる。
図1は、本発明に係る直流モータ2が適用された車両のパワーウインドウ装置1の構成を示す断面図、図2は、図1のA−A線に沿う断面図、図3は、アーマチュア6の平面図、図4は、図1のB−B線に沿う断面図である。
図1〜図4に示すように、パワーウインドウ装置1は、直流モータ2と直流モータ2の回転軸3に連結されたウォームギヤ減速機4とを備えたものであって、車両のドア(不図示)に内装されている。なお、直流モータ2の周囲に記載されている2点鎖線は、この発明の直流モータ2との比較のため、従来の直流モータの外形を示したものである。
アーマチュア6は、回転軸3に固定されたアーマチュアコア8と、アーマチュアコア8に巻かれたアーマチュアコイル9と、アーマチュアコア8の一端側に配置されたコンミテータ10とから構成されている。アーマチュアコア8は、リング状の金属板11を軸方向に複数枚積層したものである。
このスロット13間にはエナメル被覆された巻線14が巻かれ、これによりアーマチュアコア8の外周に複数のアーマチュアコイル9が形成される。
セグメント15は軸方向に長い板状の金属片からなり、互いに絶縁された状態で周方向に沿って等間隔に並列に固定されている。各セグメント15のアーマチュアコア8側の端部には、外径側に折り返す形で折り曲げられたライザ16が一体形成されている。ライザ16には、アーマチュアコイル9の巻き始め端部と巻き終わり端部となる巻線14が掛け回わされ、巻線14はヒュージングによりライザ16に固定されている。これにより、セグメント15とこれに対応するアーマチュアコイル9とが電気的に接続される。
なお、図4においては、ブラシ21がブラシホルダ20に出没自在に設けられている場合について説明したが、図5に示すように、ブラシホルダ20に代わって板バネ60を使用し、この板バネ60によってブラシ21を支持してもよい。この場合、ブラシ21は板バネ60によって付勢され、コンミテータ10に摺接した状態となる。
ギヤハウジング23は、直流モータ2の回転軸3の一端に連結されたウォーム25を収容するウォーム収容部27と、ウォーム25に噛合されているウォームホイール26を収容するウォームホイール収容部28とで構成されている。
ウォームホイール26には、ウォームホイール23と共に回転可能に駆動連結された出力軸(不図示)が直流モータ2の回転軸3の直交方向に沿うように設けられている。因みに、この不図示の出力軸が回転することによって車両のウインドウガラスが開閉するようになっている。
図6、図7は、アーマチュア6の展開図であり、隣接するティース12間の空隙がスロット13に相当している。なお、以下の図面においては、各セグメント15、各ティース12及び巻かれた巻線14にそれぞれ符号を附して説明する。
さらに、6−7番ティース12の間のスロット13dから巻線14を引き出し、8−9番ティース12の間のスロット13eに引き込む。そして、9番ティース12にn回順方向に巻いて第三コイル9cを形成する。
同様にして、40°間隔に配置されたセグメント15間に、直列接続された3つのコイル9a,9b,9cを備えたアーマチュアコイル9を順次形成していく。このように、直流モータ2のアーマチュアコイル9は、3相集中巻き方式にて巻装されている。
さらに、巻き始め端34が接続されたセグメント15(例えば、9番セグメント15a)から周方向に120°間隔をあけて形成されているスロット13(例えば、スロット13a)に巻線14を引き込んで第一コイル9aを形成すると共に、第三コイル9cから引き出されたスロット13(例えば、スロット13f)から周方向に120°間隔をあけて配置されているセグメント15(例えば、4番セグメント15b)に巻線14の巻き終わり端35を接続している。すなわち、巻線14の巻き始め端34及び巻き終わり端35が接続されているセグメント15に対して120°周方向にずれて配置されているティース12に巻線14を巻いている。このため、コンミテータ10とアーマチュアコア8との間に配線されている巻線14が捩れた状態となることによるアーマチュアコイル9の大型化を解消することができ、より直流モータ2の小型化を図ることができる。
図8、図9に示すように、巻線14は、例えば、その巻き始め端34が1番セグメント15cより巻き始められた場合、まず、1番セグメント15cのライザ16に掛け回された後、巻線14を1番セグメント15c近傍に形成されている9−1番ティース12の間のスロット13gに引き込む。そして、1番ティース12にn回順方向に巻いて第一コイル9aを形成する。
さらに、4−5番ティース12の間のスロット13iから巻線14を引き出し、6−7番ティース12の間のスロット13dに引き込む。そして、7番ティース12にn回順方向に巻いて第三コイル9cを形成する。
この第二実施形態において、直流モータ2は、永久磁石7を有するヨークハウジング5内にアーマチュア6を回転自在に配置した6極9スロット9セグメントの3相集中巻き方式の直流モータである点、同電位となるセグメント15同士は、接続線17によって短絡されている点、一対のブラシ21が互いに回転軸3を中心にして点対称位置に配置されている点等の基本的構成は、前記第一実施形態と同様である。
アーマチュアコア本体80には、外周面のティース部81に対応する部位に接続凹部82が9箇所等間隔に長手方向(軸線方向)全体に渡って形成されている。この接続凹部82は、開口部83から回転軸3の中心に向かって末広がり状に形成されたものであって、斜壁84aと、底壁84bとを有している。つまり、開口部83の周方向の幅H1は、底壁84bの周方向の幅H2よりも小さく設定されている。
この第三実施形態において、直流モータ2は、永久磁石7を有するヨークハウジング5内にアーマチュア6を回転自在に配置した6極9スロット9セグメントの3相集中巻き方式の直流モータである点、同電位となるセグメント15同士は、接続線17によって短絡されている点の基本的構成は、前記第一実施形態と同様である。
ここで、第三実施形態にあっては、各ブラシ21,21が互いに周方向の間隔θが60°となるように配置されている。
ブラシホルダ20上には、一方の円弧壁62A側(図12における上側)の両平面壁61A,61B寄りに導電性の一対のステー63A,63Bが設けられている。
ここで、コンデンサ68は、電気的なノイズを吸収するための所謂雑防素子である。チョークコイル69も雑防素子であって、絶縁性の心材(不図示)に巻線69aを巻いてある。また、サーキットブレーカ70は、電気回路に過大な電流や異常電流が流れたとき、自動的に回路を遮断して機器(直流モータ2)の故障やショート等による火災を防止するものである。
この他に、ブラシホルダ20には、両円弧壁62A,62B側にブラシホルダ20をウォームギヤ減速機4に締結固定するためのボルト孔71,71が設けられている。
この第四実施形態において、直流モータ2は、永久磁石7を有するヨークハウジング5内にアーマチュア6を回転自在に配置した6極9スロット9セグメントの直流モータである点、同電位となるセグメント15同士は、接続線17によって短絡されている点、一対のブラシ21,21が互いに60°周方向に間隔を開けて配置されている点等の基本的構成は、前記第三実施形態と同様である。なお、第三実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図16は、この第五実施形態にてアーマチュアコイル9を巻いた状態を示すアーマチュア6の展開図である。図17は、巻線14の掛け渡し経路を示す説明図である。図18は、アーマチュア6のコンミテータ10の首下を拡大した斜視図である。なお、図16のアーマチュア6の展開図は、前述した図6のアーマチュア6の展開図と基本的構成が同様であるが、説明の都合上、図6とは図面の向きが上下反対になっている。
具体的には、例えば、巻線14の巻き始め端34が7番セグメント15fより巻き始められた場合、まず、7番セグメント15fのライザ16に掛け回された後、7番セグメント15fから周方向に120°間隔をあけて形成されている1−9番ティース12の間のスロット13fに引き込む。
すなわち、図17において、巻き始め端34からスロット13fに向かって配される渡り線14aは、回転軸3を中心にして右側の最短経路(図17における2点鎖線X参照)を通らずに回転軸3を中心にして左側に迂回してスロット13fへと配される。
続いて、1−2番ティース12の間のスロット13gから巻線14を引き出し、3−4番ティース12の間のスロット13bに引き込む。このときも、スロット13gからスロット13bに至る間に配される渡り線14aが回転軸3に掛け渡される。そして、スロット13bに引き込まれた巻線14を4番ティース12にn回順方向に巻いて第二コイル9bを形成する。
さらに、上述の実施形態では、直流モータ2をパワーウインドウ装置1に適用した場合について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、車両のサンルーフ駆動用モータや、電動シート用のモータとして適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、永久磁石7としてネオジ焼結磁石を用いた場合について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、焼結フェライト磁石やネオジボンド磁石であってもよい。
3 回転軸
5 ヨークハウジング
6 アーマチュア
7 永久磁石
8 アーマチュアコア
9 アーマチュアコイル(コイル)
9a 第一コイル
9b 第二コイル
9c 第三コイル
10 コンミテータ
12 ティース
13,13a〜13i スロット
14 巻線
14a 渡り線
15,15a〜15f セグメント
17 接続線(短絡部)
20 ブラシホルダ
21 ブラシ
65,66 給電部
68 コンデンサ(雑防素子)
69 チョークコイル(雑防素子)
80 アーマチュアコア本体
81 ティース部(ティース)
また、前記永久磁石は、希土類磁石であることが望ましい。
また、その一対のブラシを回転軸を中心にして互いに点対称となるように配置しているため、ブラシを90°間隔に配置した場合と比較して直流モータの扁平化を図ることができる。
Claims (9)
- ヨークハウジングと、前記ヨークハウジングの内周面に固定され磁極数が6極の永久磁石と、前記永久磁石の内側に回転自在に支持されたアーマチュアとを備え、
前記アーマチュアは、前記ヨークハウジングに軸支される回転軸と、前記回転軸に外側から嵌めこまれて固定されるアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ9個のセグメントを周方向に配置したコンミテータとを備え、
前記アーマチュアコアは、径方向に向かって放射状に延びる9つのティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる9つのスロットとを有し、
同電位となる前記セグメント同士を短絡部材で接続し、
前記セグメントに摺接する一対のブラシを前記回転軸を中心にして互いに点対称となるように配置した直流モータ。 - 前記ティースにコイルが集中巻き方式にて巻かれている請求項1に記載の直流モータ。
- 前記永久磁石は、希土類磁石である請求項1に記載の直流モータ。
- 前記アーマチュアコアの前記ティースは、軸線方向に沿って分割可能に構成されている請求項1に記載の直流モータ。
- ヨークハウジングと、前記ヨークハウジングの内周面に固定され磁極数が6極の永久磁石と、前記永久磁石の内側に回転自在に支持されたアーマチュアとを備え、
前記アーマチュアは、前記ヨークハウジングに軸支される回転軸と、前記回転軸に外側から嵌めこまれて固定されるアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ9個のセグメントを周方向に配置したコンミテータとを備え、
前記アーマチュアコアは、径方向に向かって放射状に延びる9つのティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる9つのスロットとを有し、
同電位となる前記セグメント同士を短絡部材で接続し、
前記ヨークハウジング内に収納されたブラシホルダに、前記セグメントに摺接する一対のブラシを互いに60°周方向に間隔を開けて配置すると共に、前記ブラシホルダに外部電源に電気的に接続される一対の給電部を設け、
前記一対のブラシと前記一対の給電部とをそれぞれ電気的に接続した直流モータ。 - 前記一対のブラシと前記一対の給電部との間、又は前記一対の給電部の間の少なくとも何れか一方にそれぞれに跨る雑防素子を設け、前記雑防素子を介して各々電気的に接続されている請求項5に記載の直流モータ。
- 前記雑防素子は、前記ブラシホルダの前記ブラシと同一平面上に配置されている請求項6に記載の直流モータ。
- 前記ティースにコイルが集中巻き方式にて巻かれている請求項5に記載の直流モータ。
- 前記スロット間に渡り前記ティースに巻装されるコイルの全ての渡り線を前記回転軸に掛け渡した請求項1に記載の直流モータ。
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