JP5044315B2 - 電動モータ用アーマチュア、および電動モータ - Google Patents
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Description
この種の電動モータの作用を図13〜図15に基づいて説明する。図13〜図15は、アーマチュア100への通電パターンを示す説明図であり、図13は2つの陽極側ブラシ101,103と2つの陰極側ブラシ102,104との4つのブラシに通電した状態、図14は1つの陽極側ブラシ101と2つの陰極側ブラシ102,104との3つのブラシに通電した状態、図15は1つの陽極側ブラシ101と1つの陰極側ブラシ102との2つのブラシに通電した状態を示す。
4つのブラシ101,102,103,104に通電すると(図13参照)、回路C1にブラシ101からブラシ104に向かう電流I1が流れ、回路C2にブラシ101からブラシ102に向かう電流I2が流れ、回路C3にブラシ103からブラシ102に向かう電流I3が流れ、回路C4にブラシ103からブラシ104に向かう電流I4が流れる。すなわち、全ての回路C1,C2,C3,C4に電流が流れる。
一方、2つのブラシ101,102に通電すると(図15参照)、各回路C1,C2,C3,C4に電流I1,I2,I3,I4’が流れる。
このように、各ブラシ101,102,103,104の通電パターンを変えることで、有効導体数や通電電流を変えてトルクを変化させ、回転速度を切替えることができる。
図1に示すように、電動モータ1は、例えば、自動車のパワーウインドウモータ、ワイパモータ、およびファンモータ等に用いられる車両搭載用の直流モータであって、有底円筒形状のヨーク2内にアーマチュア3を回転自在に配置している。ヨーク2の内周面には周方向に永久磁石4が磁極を順番に変えながら4個固定されている。
図3はアーマチュア3のセグメント14(ライザ15)とティース9を展開した図面であり、隣接するティース9間の空隙がスロット11に相当している。なお、以下の図面においては、各セグメント14、各ティース9、および巻装された巻線12にそれぞれ符号を附して説明する。
ここで、スロット11dから引き出された巻線12は、4番セグメント14dのライザに掛け回されず、再び1番セグメント14aのライザ15に掛け回されて1番セグメント14aに巻き終わり端40が接続される。
同様して、4−6番セグメント14間には、4−6番ティース9にそれぞれ巻線12が3相集中巻にて巻装されたコイル7d,7e,7fを有する2極3スロットの閉回路H2が形成される。
図4に示すように、例えば、陽極側ブラシ21a,21aがそれぞれ1−2番セグメント14a,14b間、4−5番セグメント14d,14e間に存在し、陰極側ブラシ21b,21bがそれぞれ3番セグメント14c、6番セグメント14fに存在している場合、つまり、各閉回路H1,H2上に各々一対のブラシ21a,21bが存在している場合であって、4つのブラシ21a,21a,21b,21b全てを通電させた状態では、4つのコイル7b,7c,7e,7fに電流が流れる。
このため4つのブラシ21a,21a,21b,21b全てを通電させたときには、4つのアーマチュアコイル7(この第一実施形態では、コイル7b,7c,7e,7f)に電流が流れ、通常の4極6スロット集中巻方式と同様のトルク(モータ特性)を得ることができる。一方、3つのブラシに通電させたときには、2つのアーマチュアコイル7(この第一実施形態では、コイル7b,7c)に電流が流れる。よって、3ブラシ通電時のトルクを4ブラシ通電時の半分のトルクとすることができる。
したがって、上述の第二実施形態によれば、3相集中巻で4極6スロットの閉回路H1,H2を2つ形成することで並列回路数を合計4回路とすることができるため、上述の第一実施形態と同様の効果を奏することができる。
この第三実施形態と上述の第一実施形態、および第二実施形態の相違点は、上述の第一実施形態、および第二実施形態のアーマチュア3が3相集中巻構造であったのに対し、第三実施形態のアーマチュア3は、5相集中巻構造となっている。
具体的に、図9に示すように、電動モータ1は、永久磁石4(磁極)が8個、スロット11が10個、セグメント14が20個設けられた8極10スロット20セグメントで構成されている。
したがって、11−20番セグメント14間には、6−10番ティース9にそれぞれコイル7f,7g,7h,7i,7jを有する5相集中巻で4極5スロットの閉回路H2が形成されている。
なお、閉回路H1,H2は、周方向に並列した状態で形成されているので、アーマチュア3は、回転軸5を中心にして点対称に2つの閉回路H1,H2を配置した状態になることはいうまでもない。
同図に示すように、4つのブラシ21a,21a,21b,21bへの通電パターンを変えることでトルクが異なることが確認できる。
同図に示すように、4つのブラシ21a,21a,21b,21bへの通電パターンによらず、同じトルクを得るのに、同じ電流が必要であることが確認できる。すなわち、通電パターンによらず、電流が確実にトルクに変換され、モータとして成立していることが確認できる。
同図に示すように、例えば、この電動モータ1にファン(図12における負荷曲線α)を取り付けると、ファンは回転数が上がるに伴って負荷が大きくなる。このため、回転数とトルクのマッチングポイントが各通電パターンで異なり、回転軸5の回転速度の可変が可能になる。
この場合、図31に示すように、各閉回路H1,H2における同相同士のティース9に巻線12をそれぞれ一連の動作で直列に巻装してもよい。
また、上述の第一実施形態では電動モータ1が4極6スロット6セグメントの3相集中巻構造の場合、第二実施形態では8極12スロット12セグメントの3相集中巻構造の場合、第三実施形態では8極10スロット20セグメントの5相集中巻構造の場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、電動モータ1は、一対の陽極側ブラシ21aと陰極側ブラシ21bで成立する閉回路を2つ形成、つまり、4ブラシ21a,21a,21b,21bで2つの閉回路H1,H2を構成し、且つ同極側同士のブラシが機械角で180°、異極側同士のブラシが電気角で180°周方向に間隔をあけて配置されていればよい。
2 ヨーク
3 アーマチュア(電動モータ用アーマチュア)
4 永久磁石(磁極)
5 回転軸
6 アーマチュアコア
7 アーマチュアコイル
7a〜7l コイル
9 ティース
11,11a〜11e スロット
12 巻線
13 コンミテータ
14,14a〜14h セグメント
21 ブラシ
21a 陽極側ブラシ
21b 陰極側ブラシ
25a,25b 接続線(短絡部材)
H1,H2 閉回路
Claims (7)
- 複数の磁極を有するヨークに軸支される回転軸と、
前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線を巻装するための複数のティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる複数のスロットを有するアーマチュアコアと、
前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ複数のセグメントを周方向に配置したコンミテータと、
前記セグメントを介して前記巻線に給電を行うための4つのブラシとから成る電動モータ用アーマチュアであって、
前記巻線は、所定のセグメントに接続され全部で2つの閉回路を構成し、且つ該2つの閉回路を前記回転軸を中心にして点対称に配置させるように前記ティースに集中巻方式にて巻装され、
前記4つのブラシは、陽極側ブラシと陰極側ブラシとの組みを2つ備えて構成され、
同極側同士のブラシは、前記回転軸を中心にして対向配置されると共に、異極側同士のブラシは電気角で180°周方向に間隔をあけて配置されることを特徴とする電動モータ用アーマチュア。 - 前記磁極が4極、前記スロットが6個設けられ、2極3スロットの閉回路が2つ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ用アーマチュア。
- 前記磁極が8極、前記スロットが12個設けられ、4極6スロットの閉回路が2つ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ用アーマチュア。
- 前記磁極が8極、前記スロットが10個設けられ、4極5スロットの閉回路が2つ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ用アーマチュア。
- 前記閉回路毎に、同電位となるセグメント同士を短絡する短絡部材が設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電動モータ用アーマチュア。
- 請求項1〜請求項5の何れかに記載の電動モータ用アーマチュアを用いたことを特徴とする電動モータ。
- 複数の磁極を有するヨークに軸支される回転軸と、
前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線を巻装するための複数のティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる複数のスロットを有するアーマチュアコアと、
前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ複数のセグメントを周方向に配置したコンミテータと、
前記セグメントを介して前記巻線に給電を行うための4つのブラシとから成り、
前記コンミテータに、同電位となるセグメント同士を短絡する短絡部材を設けると共に、前記巻線を所定のセグメントに接続して全部で2つの閉回路を構成した電動モータ用アーマチュアであって、
前記巻線は、前記2つの閉回路を前記回転軸を中心にして点対称に配置させるように前記ティースに集中巻方式にて巻装され、
前記4つのブラシは、陽極側ブラシと陰極側ブラシとの組みを2つ備えて構成され、
同極側同士のブラシは、前記回転軸を中心にして対向配置されると共に、
異極側同士のブラシは、互いの間の角度をθ、極対数をP、Nを0または正の整数としたとき、
θ=(180/P)+(360/P)×N≦90°
を満たすように、θが決定されていることを特徴とする電動モータ用アーマチュア。
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