JP2016096695A - ブラシ付き電動モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】巻線に電流が流れることにより発生する磁界と永久磁石によって発生する磁界とを合成した合成磁界に生じる歪みを低減する。【解決手段】複数の巻線42のうち接点ブラシ70a(70b)が接触するセグメント61に対応するブラシ側巻線に流れる電流と、ブラシ側巻線に対して電線62により結線される結線巻線に流れる電流との間の位相差を補うために、永久磁石50a、50b、50c、50dは、円周方向にて隣り合う2つの永久磁石の間の間隔が不均等になっている。具体的には、永久磁石50a、50b、50c、50dのうち結線巻線側に位置する永久磁石が結線巻線に対して回転軸30の回転方向に角度Z°ずれている。【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシ付き電動モータに関するものである。
従来、ブラシ付き電動モータでは、円筒状に形成されているヨークと、ヨークの内側に固定されて複数の磁極を形成する界磁磁石と、回転軸に支持されてコアに巻装されてなる複数の巻線を備える電機子と、回転軸に固定されて回転軸を中心とする円周方向に配列されている複数のセグメントを備える整流子とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
複数のセグメントには、複数の巻線のうち対応する巻線の末端部がそれぞれ接続されている。正側接点ブラシおよび負側接点ブラシは、整流子の回転に伴って複数のセグメントに摺動して複数のセグメントのうち接触するセグメントを順次代える。
正側接点ブラシおよび負側接点ブラシは、複数の巻線に対して接触するセグメントを通して電圧を与える。このため、複数の巻線には正側接点ブラシおよび負側接点ブラシから与えられた電圧に基づいて電流が流れ、この電流と界磁磁石から発生する界磁束に基づき電機子に回転力が発生する。
特許3994010号明細書
近年、モータの磁極数を増やす多極化は、モータの小型・低コストを狙った手法として注目されている。一般的には、磁極数が増えると、接点ブラシの個数も磁極数と同数必要になるため、磁極数が増えていくと徐々に体格・コストの低減効果は減少してくる。
これに対して、図13に示すように、電動モータ内にて、回転軸を挟んで互いに対向する巻線1同士をセグメント2を介して電線3で結線することで、接点ブラシ4a、4bの本数を削減するといった手法を用いることが考えられる。図13は、16個の巻線1と16個のセグメント2と8個の電線3とを備える整流子6の展開図を示している。
具体的には、整流子6では、16個のセグメント2のうち互いに対向する巻線1に対応する2つのセグメント2同士が前記2つのセグメント2毎に電線3で結線されている。例えば、5番のセグメント2と6番のセグメント2との間に接続される巻線1aと、13番のセグメント2と14番のセグメント2との間に接続される巻線1bとは回転軸を挟んで互いに対向している。
例えば、図13に示すように、5番のセグメント2に正極接点ブラシ4aが接触し、かつ1番のセグメント2に負極接点ブラシ4bが接触している場合を想定する。
この場合、巻線1a、1bのうち、巻線1aが正極接点ブラシ4a側に位置する。このため、正極接点ブラシ4aから5番のセグメント2を通して巻線1aに電流Iaを流す電流経路の経路長よりも、正極接点ブラシ4aから電線3および13番のセグメント2を通して巻線1bに電流を流す電流経路の経路長の方が長くなる。このため、正極接点ブラシ4aから巻線1aに流れる電流Iaと、正極接点ブラシ4aから巻線1bに流れる電流Ibとの間には位相差(時間差)が生じる(図14参照)。
すなわち、互いに対向する2つの巻線1のうち接点ブラシ4a(或いは、4b)側に位置する巻線1(以下、ブラシ側巻線1という)に流れる電流Iaに対して、互いに対向する2つの巻線1のうちブラシ側巻線1に対向する対向巻線1に流れる電流Ibが遅れることになる。よって、ブラシ側巻線1に磁界が発生するタイミングに対して、対向巻線1に磁界が発生するタイミングが遅れてしまう。したがって、対向巻線1により発生する磁界と永久磁石5a、5bにより発生する磁界とを合成した合成磁界には、歪みが生じる(図15(a)、(b)参照)。
図15(a)において、K1は対向巻線1により発生する磁界、M1は永久磁石5a、5bにより発生する磁界、G1は磁界K1および磁界M1を合成した合成磁界を示している。図15(b)において、K2はブラシ側巻線1により発生する磁界、M2は永久磁石5a、5bにより発生する磁界、G2は磁界K2および磁界M2を合成した合成磁界を示している。
このような合成磁界の歪みの影響は、低入力・低回転で使用する電動モータでは、軽微であるため、市場で使われている電動モータでは特に問題視されていなかった。
しかし、ブロワモータのように大電流・高回転で使用する電動モータでは、駆動効率の低下や磁気振動音の悪化要因となるため影響を低減することが必要である。
通常、モータ取付け用のケース(フランジ)及び空調ユニット側の剛性を工夫(剛性UP/down)したり、磁気振動の伝播を低減させたり、モータに流れる電流をなめらかに変化させることで磁気振動を低減させる手法が一般である。
これに対して、巻線1に生じる誘起電圧が起因して巻線1に発生する磁界と永久磁石5a、5bに発生する磁界との合成磁界の波形に歪みが生じることを抑制するために、永久磁石5a、5bを等間隔のまま接点ブラシ4a、4bの切替りタイミングに対して永久磁石5a、5bを所定角度(図16(b)中W°と記す)でずらした配置にする手法が考えられる。しかし、この手法では、上述した電流の位相差による電動モータの駆動のロスを解決することができない。
なお、図16(a)は、2つの巻線1の中心線T1と、永久磁石5a、5bの中心線T2が一致した電動モータを示している。図16(b)は、巻線1の中心線T1に対して永久磁石5a、5bの中心線T2が永久磁石毎に回転方向に角度W°ずれている電動モータを示している。図17(a)(b)において、K3a、K3bは巻線1により発生する磁界、M3は永久磁石5a、5bにより発生する磁界、G3a、G3bは合成磁界を示している。図17(a)は、図16(a)の電動モータにおいて巻線1により発生する磁界、および合成磁界に歪みが生じている例を示している。図17(b)は、図16(b)の電動モータにおいて巻線1により発生する磁界、および合成磁界に歪みが低減されている例を示している。
本発明は上記点に鑑みて、永久磁石の配置を工夫して、合成磁界の歪みを低減するようにしたブラシ付き電動モータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、回転軸(30)を中心とする円周方向に並べられている4つ以上の磁石(50a、50b、50c、50d、50e、50f)と、
回転軸に固定されて円周方向に並べられている複数の巻線(42)を有し、複数の巻線のうちいずれか2つ以上の巻線は、いずれか2つ以上の巻線毎に、結線されている電機子(40)と、
回転軸に固定されて円周方向に配列されている複数のセグメント(61)を有し、複数のセグメントには、複数の巻線のうち対応する巻線の末端部がそれぞれ接続されている整流子(60)と、
回転軸の回転に伴い、複数のセグメントに順次接触して、それぞれ当該接触するセグメントを通して複数の巻線に対して電圧を与える第1、第2のブラシ(70a、70b)と、を備え、
電圧に基づき複数の巻線に流れる電流と4つ以上の磁石により発生する磁界によって電機子に回転力が発生するブラシ付き電動モータであって、
複数の巻線のうち第1、第2のブラシのうち一方のブラシが接触するセグメントに接続される巻線をブラシ側巻線とし、ブラシ側巻線に結線される巻線を結線巻線とし、4つ以上の磁石から発生する磁界と結線巻線により発生する磁界とを合成した磁界を合成磁界としたとき、ブラシ側巻線に流れる電流と結線巻線に流れる電流との間の位相差に起因する合成磁界の歪みを補正するために、4つ以上の磁石は、円周方向にて並んだ2つの磁石の間の間隔が不均等になるように並べられていることを特徴とする。
以上により、結線巻線により発生する磁界と永久磁石により発生した磁界とを合成した合成磁界の歪みを低減することができる。
具体的には、請求項2に記載の発明では、4つ以上の磁石のうち、ブラシ側巻線に対応する第1対応磁石(50a、50b)が、円周方向に隣り合うように並べられており、
4つ以上の磁石のうち、結線巻線に対応する第2対応磁石(50c〜50f)が、複数、円周方向に並べられており、
隣り合うように並べられている第1対応磁石(50a、50b)の間の間隔と、複数の第2対応磁石(50c〜50f)のうち隣り合う2つの第2対応磁石の間の間隔とは、同一になっており、
第1対応磁石(50a、50b)は、ブラシ側巻線毎に、ブラシ側巻線に対して回転軸の回転方向にずれて配置されており、
第2対応磁石(50c〜50f)は、結線巻線毎に、結線巻線に対して回転方向にずれて配置されていることを特徴とする。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態におけるブラシ付き電動モータの内部構成を軸方向から視た図である。 図1の電機子および整流子を示す図である。 図1のブラシ付き電動モータの内部構成において巻線、永久磁石、接点ブラシの配置を示す図である。 図1のブラシ付き電動モータの内部構成において整流子の展開図である。 図1のブラシ付き電動モータの内部構成において巻線、永久磁石、接点ブラシの配置を示す図である。 巻線によって発生する磁界K4、永久磁石によって発生する磁界M4、磁界K4、M4を合成した合成磁界G4を示す図である。 接点ブラシから互いに対向する2つのコイルに流れる電流を示す模式図である。 巻線によって発生する磁界K5、永久磁石によって発生する磁界M5、磁界K5、M5を合成した合成磁界G5を示す図である。 比較例におけるブラシ付き電動モータの内部構成を示す図である。 本発明の第2実施形態におけるブラシ付き電動モータの内部構成を示す図である。 図10のブラシ付き電動モータの内部構成において整流子の展開図である。 巻線によって発生する磁界K6、K7、永久磁石によって発生する磁界M6、M7、および合成磁界G6、G7を示す図である。 比較例としての電動モータの整流子の展開図である。 比較例としての電動モータにおいてブラシ側巻線に流れる電流と対向巻線に流れる電流との間の位相差を示す図である。 (a)比較例において対向巻線によって発生する磁界と永久磁石によって生じる磁界とを合成した合成磁界を示す図であり、(b)比較例においてブラシ側巻線によって発生する磁界と永久磁石によって生じる磁界とを合成した合成磁界を示す図である。 (a)比較例において、互いに対向する2つの巻線を通る中心線T1と互いに対向する2つの永久磁石を通る中心線T2とが一致した電動モータを示す図、(b)比較例において、中心線T1に対して中心線T2とが角度W°ずれた電動モータを示す図である。 (a)比較例において、巻線により発生する磁界と永久磁石により発生する磁界とを合成した合成磁界に歪みが生じている例を示す図、(b)比較例において、合成磁界の歪みが低減されている例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1〜図4に本発明のブラシ付き電動モータ10の第1実施形態を示す。
本実施形態のブラシ付き電動モータ10は、図1、図2、および図3に示すように、ケーシング20、回転軸30、電機子40、永久磁石50a、50b、50c、50d、整流子60、接点ブラシ70a、70bを備える。
ケーシング20は、磁性体により円筒状に形成されて、回転軸30、電機子40、永久磁石50a、50b、50c、50d、および整流子60を収納している。回転軸30は、その軸線がケーシング20の軸線に一致するように配置されている。本実施形態のケーシング20は、永久磁石50a、50b、50c、50dにより発生する磁束を通過させるヨークを構成している。
電機子40は、コア41、および複数の巻線42を備える。コア41は、円柱部41a、および複数のティース41bから構成されている。円柱部41aは、回転軸30の軸線を中心とする円柱状に形成されている。円柱部41aの中空部には、回転軸30が貫通している。
複数のティース41bは、円柱部41aから径方向外側から径方向外側に突起している。複数のティース41bは、回転軸30の軸線を中心とする円周方向に同一間隔で並べられている。なお、本実施形態では、16個のティース41bがコア41に用いられている。このように構成されるコア41は、回転軸30に固定されている。
複数の巻線42は、図1および図3に示すように、複数のティース41bのうち対応する4つのティース41bに対して回巻きされている。複数の巻線42が回巻きされる4つのティース41bは、巻線42毎に相違する。
換言すれば、複数の巻線42は、それぞれ、中心線T1(図2参照)を中心として回巻きされている。つまり、中心線T1は、回転軸30の中心線と巻線42の円周方向の中心とを結ぶ仮想線である。巻線42毎の中心線T1は、回転軸30の軸線を中心とする円周方向に並べられている。これにより、複数の巻線42は、回転軸30の軸線を中心とする円周方向に並べられることになる。
本実施形態の複数の巻線42の個数は、偶数個であり、複数の巻線42のうち対となる2つの巻線42は、回転軸30を挟んで対向している。以上により、電機子40が回転軸30に対して固定されることになる。なお、本実施形態では、複数の巻線42は、中心線T1が延びる方向(すなわち、径方向外側)から視て矩形になるように巻かれている(図2参照)。
永久磁石50a、50b、50c、50dは、それぞれ、ケーシング20の内周側で、かつ電機子40に対して径方向外側に配置されている。永久磁石50a、50b、50c、50dは、それぞれ、回転軸30の軸線を中心とする円周方向に並べられている。
永久磁石50a、50b、50c、50dは、それぞれ、ケーシング20の内周に固定されている。永久磁石50a、50b、50c、50dは、N極およびS極が円手方向に交互に並ぶように、それぞれ磁極を形成するものである。永久磁石50a、50b、50c、50dは、それぞれ、回転軸30の軸線を中心とする円弧状に形成されている。なお、永久磁石50a、50b、50c、50dと複数の巻線42の配置関係については、後述する。
整流子60は、電機子40に対して回転軸30の軸方向一方側に配置されている。整流子60は、回転軸30に固定されている。整流子60は、複数のセグメント61を備える。複数のセグメント61は、それぞれ、導電性金属材料等から長板状に形成されている。複数のセグメント61は、それぞれの板面を径方向外側に向けた状態で回転軸30の軸線を中心とする円周方向に並べられている。
本実施形態の整流子60は、16個のセグメント61を備えている。複数のセグメント61のうち隣り合う2つのセグメント61の間には、図4に示すように、それぞれ、複数の巻線42のうち対応する巻線42が前記隣り合う2つのセグメント61毎に、接続されている。図4は、実際には円周方向に並べられる16個のセグメント61を展開して16個のセグメント61を一列に並べた状態を示している。
複数のセグメント61のうち回転軸30を挟んで互いに対向する2つのセグメント61の間は、前記互いに対向する2つのセグメント61毎に、電線62によって結線されている。このことにより、複数の巻線42のうち回転軸30を挟んで対向する2つの巻線42の末端部が前記対向する2つの巻線42毎に電線62を介して結線されることになる。図4では、8個の電線62が用いられている例を示している。
接点ブラシ70a、70bは、回転軸30の軸線を中心とする所定角度(例えば、90°)オフセットして配置されている。接点ブラシ70a、70bは、ケーシング20に支持されている。接点ブラシ70a、70bは、それぞれ、複数のセグメント61のうち1つ又は2つのセグメント61に接触する。接点ブラシ70a、70bは、後述するように、それぞれ接触するセグメント61を介して複数の巻線42に電圧を与える。
次に、本実施形態において、永久磁石50a、50b、50c、50dと複数の巻線42の配置関係について図5を参照して説明する。
まず、複数のセグメント61のうち接点ブラシ70aが接触しているセグメント61に末端部が接続されるブラシ側巻線を巻線42aとし、巻線42aに対して回転軸30を介して対向する結線巻線を巻線42cとする。このため、巻線42a、42cが結線されていることになる。
複数のセグメント61のうち接点ブラシ70bが接触しているセグメント61に末端部が接続されるブラシ側巻線を巻線42bとし、巻線42に対して回転軸30を介して対向する結線巻線を巻線42dとする。このため、巻線42b、42dが結線されていることになる。
永久磁石50a、50b、50c、50dのうち巻線42aに対応する永久磁石(第1対応磁石)を永久磁石50aとする。永久磁石50a、50b、50c、50dのうち巻線42cに対応する永久磁石(第2対応磁石)を永久磁石50cとする。永久磁石50a、50b、50c、50dのうち巻線42bに対応する永久磁石(第1対応磁石)を永久磁石50bとする。永久磁石50a、50b、50c、50dのうち巻線42dに対応する永久磁石(第2対応磁石)を永久磁石50dとする。
本実施形態では、永久磁石50a〜50dのうち巻線(42a〜42d)に対して回転軸30を中心とする径方向外側(半径方向)から視たときに重なる位置に配置されている永久磁石を、前記巻線毎に、前記巻線に対応する永久磁石とする。より具体的には、永久磁石50a〜50dのうち巻線(42a〜42d)の中心線T1が重なる位置に配置されている永久磁石を、前記巻線毎に、前記巻線に対応する永久磁石とする。
巻線42aに対して永久磁石50aは、角度Y°回転方向にずれている。具体的には、巻線43aの中心線T1に対して永久磁石50aの中心線T2が角度Y°回転方向にずれている。中心線T2は、永久磁石50aの円周方向の中心と回転軸30の回転中心とを結ぶ仮想線である。以下、永久磁石50b、50c、50dの中心線T2も同様に、中心線T2を、永久磁石の円周方向の中心と回転軸30の回転中心とを結ぶ仮想線とする。巻線43bの中心線T1に対して永久磁石50bの中心線T2が角度Y°回転方向にずれている。
巻線43cの中心線T1に対して永久磁石50cの中心線T2が角度Z°回転方向にずれている。巻線43dの中心線T1に対して永久磁石50dの中心線T2が角度Z°回転方向にずれている。
このように構成されている本実施形態では、永久磁石50a、50bの間にて回転方向に形成されている間隔Daと、永久磁石50c、50dの間にて回転方向に形成されている間隔Dbとは同一になっている。図5では、永久磁石50c、50dの間の角度θaと永久磁石50a、50bの間の角度θaが同一になっている。
永久磁石50d、50aの間にて回転方向に形成されている間隔Ddと、永久磁石50b、50cの間にて回転方向に形成されている間隔Dbとは不一致になっている。これにより、円周方向に並ぶ永久磁石の間の間隔が不均等になるように永久磁石50a、50b、50c、50dが並べられていることになる。つまり、円周方向に並ぶ永久磁石の間の間隔が等間隔にならないように永久磁石50a、50b、50c、50dが並べられている。
ここで、角度Y°は、巻線42a(或いは、42b)に流れる電流波形に生じる歪みを補うために設定されている。歪みは、永久磁石50a、50b、50c、50dにより発生する磁界に基づいて巻線42a(或いは、42b)に発生する誘電電圧が起因して電流波形に生じる歪みである。
角度Z°は、巻線42c(或いは、42d)に流れる電流波形に生じる歪みを補うために設定されている。歪みは、誘電電圧および電流の位相差が起因して電流波形に生じる歪みである。誘電電圧は、永久磁石50a、50b、50c、50dにより発生する磁界に基づいて巻線42c(或いは、42d)に発生する誘電電圧である。電流の位相差は、巻線42aに流れる電流と巻線42cに流れる電流との間の位相差である。或いは、電流の位相差は、巻線42bに流れる電流と巻線42dに流れる電流との間の位相差である。
ここで、角度Z°は、角度Y°よりも大きな角度に設定されている。角度Z°と角度Y°との間の角度差(Z°−Y°)は、例えば、角度1°〜2°になっている。角度Z°は、回転軸30の回転速度に応じて設定される。回転軸30の回転速度が高い場合ほど、角度Z°は大きくなる。このため、駆動ロスや磁気振動音の低減を望む回転速度域に対応する角度Z°の値を決めることが望ましい。
次に、本実施形態のブラシ付き電動モータ10の作動について説明する。
まず、永久磁石50a、50cをN極とし、永久磁石50b、50dをS極とすると、永久磁石50a、50cから複数の巻線42を通過して永久磁石50b、50dに磁束が流れる。つまり、永久磁石50a、50b、50c、50dによって磁界が発生する。
次に、接点ブラシ70aがバッテリのプラス電極に接続され、接点ブラシ70bにバッテリのマイナス電極に接続されると、接点ブラシ70a、70bの間の電圧が複数の巻線42に付与される。
ここで、複数のセグメント61のうち回転軸30を挟んで対向する2つのセグメント61は、前記対向する2つのセグメント61毎に、結線されている。このため、複数のセグメント61のうち回転軸30を挟んで対向する2つのセグメント61は、前記対向する2つのセグメント61毎に、同電位になる。したがって、複数の巻線42および複数のセグメント61において、接点ブラシ70a、70bの間の電圧に基づいて電流が流れる電流経路K1、K2、K3、K4が形成される。
電流経路K1では、接点ブラシ70a→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42b→セグメント61→接点ブラシ70bの順に電流が流れる。
電流経路K2では、接点ブラシ70a→セグメント61→巻線42a→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61aの順に電流が流れる。セグメント61aは、接点ブラシ70bが接触しているセグメント61に対して電線62で結線されているセグメントである。
電流経路K3では、セグメント61b→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→接点ブラシ70bの順に電流が流れる。セグメント61bは、接点ブラシ70aが接触しているセグメント61に対して電線62で結線されているセグメントである。
電流経路K4では、セグメント61b→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61aの順に電流が流れる。
このように電流経路K1〜K4が形成されることにより、複数の巻線42に電流が流れる。複数の巻線42には、コア41、および回転軸30とともに回転する回転力が発生する。このことにより、電機子40および回転軸30が回転することになる。
この際、電機子40が回転すると、複数のセグメント61のうち接点ブラシ70aが接触するセグメント61と接点ブラシ70bが接触するセグメント61とが順次代わる。このため、電流経路K1〜K4が円周方向に進む。このようにして、接点ブラシ70a、70b、整流子60、および複数の巻線42が回転磁界を自己制御的に形成することにより、電機子40に回転力が発生して、整流子60、電機子40、および回転軸30が回転し続ける。
このとき、巻線42aに対して永久磁石50aは、角度Y°回転方向にずれている。このため、巻線42aに発生する誘電電圧が起因して電流波形に生じる歪みを低減することができる。これにより、巻線42aに電流が流れることにより発生する磁界K4(図6参照)と永久磁石50a、50b、50c、50dによって発生する磁界M4とを合成した合成磁界G4に生じる歪みが低減されることになる。
巻線42bに対して永久磁石50bは、角度Y°回転方向にずれている。このため、巻線42bに発生する誘電電圧が起因して電流波形に生じる歪みを低減することができる。これにより、巻線42bに電流が流れることにより発生する磁界と永久磁石50a、50b、50c、50dによって発生する磁界とを合成した合成磁界に生じる歪みが低減される。
巻線42cに対して永久磁石50cは、角度Z°(>Y°)回転方向にずれている。巻線42cに発生する誘電電圧が起因して電流波形に生じる歪みを低減することができる。
ここで、角度Z°は、角度Y°よりも大きくなっている。このため、巻線42aに流れる電流Iaと接点ブラシ70aから巻線42cに流れる電流Icとの間には位相差が生じるものの、巻線42cに電流が流れることにより発生する磁界K5(図7参照)と永久磁石50a、50b、50c、50dによって発生する磁界M5とを合成した合成磁界G5に生じる歪みが低減される。
巻線42dに対して永久磁石50dは、角度Z°(>Y°)回転方向にずれている。巻線42dに発生する誘電電圧が起因して電流波形に生じる歪みを低減することができる。
ここで、角度Z°は、角度Y°よりも大きくなっている。このため、巻線42bに流れる電流Ibと巻線42dに流れる電流Idとの間には位相差が生じるものの、巻線42dに電流が流れることにより発生する磁界と永久磁石50a、50b、50c、50dによって発生する磁界とを合成した合成磁界に生じる歪みが低減される。
以上説明した本実施形態によれば、複数の巻線42のうち接点ブラシ70a、70bが摺動するセグメント61に対応するブラシ側巻線42a、42bに流れる電流と、ブラシ側巻線42a、42bに結線される結線巻線42c、42dに流れる電流との間の位相差を永久磁石50a〜50dから発生する磁界によって補うために、永久磁石50a〜50dは、円周方向にて隣り合う2つの永久磁石の間の間隔が不均等になっている。
具体的には、ブラシ側巻線42a、42bに対応する永久磁石50a、50bは、ブラシ側巻線42a、42bの中心線T1に対して角度Y°回転方向にずれている。結線巻線42c、42dに対応する永久磁石50c、50dは、ブラシ側巻線42c、42dの中心線T1に対して角度Z°回転方向にずれている。よって、結線巻線42c、42dに電流が流れることにより発生する磁界と永久磁石50a〜50dによって発生する磁界とを合成した合成磁界に生じる歪みが低減される。
つまり、前記ブラシ側巻線に流れる電流と前記結線巻線に流れる電流との間の位相差に起因する前記合成磁界の歪みを補正するために、永久磁石50a〜50dは、円周方向にて並んだ2つの永久磁石の間の間隔が均等にならないように並べられている。したがって、ブラシ付き電動モータ10の駆動効率を改善することができる。
一般的に、ブラシ付き電動モータ10において、上記合成磁界に歪みが生じると磁気変動による磁気振動音が大きくなる。磁気振動音とは、電機子40が回転軸30とともに回転する際に、永久磁石50a〜50dと電機子40の複数の巻線42との間で発生する磁気力の変化を起因としてケーシング20等が伸縮することにより発生する振動のことである。これに対して、本実施形態では、上述の如く、上記合成磁界に生じる歪みを低減するので、磁気振動音を低減することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、本発明のブラシ付き電動モータとして、4極の電動モータ10を用いた例について説明したが、これに代えて、本第2実施形態では、本発明のブラシ付き電動モータとして、6極の電動モータ10Bを用いた例について説明する。
図9に、対比例としての6極のブラシ付き電動モータ10Aの構成を示す模式図を示す。
ブラシ付き電動モータ10Aは、接点ブラシ70a、70b、70c、70d、70e、70f、および永久磁石50a、50b、50c、50d、50e、50fを備える。
永久磁石50a、50b、50c、50d、50e、50fは、回転軸30を中心とする円周方向に等間隔に並べられている。接点ブラシ70a、70b、70c、70d、70e、70fは、回転軸30を中心とする円周方向に等間隔に並べられている。接点ブラシ70a、70b、70c、70d、70e、70fは、永久磁石50a、50b、50c、50d、50e、50fのうち対応する永久磁石に重なるように配置されている。
具体的には、接点ブラシ70a〜70fは、複数の巻線42のうち接触する巻線の中心線T1に重なるように配置されている。接点ブラシ70a〜70fは、回転軸30を中心とする円周方向に等間隔に並べられている。
ここで、中心線T1は、巻線42毎に、回転軸30の回転中心および巻線42の円周方向の中心を結ぶ仮想線である。中心線T2は、永久磁石毎に、回転軸30の回転中心および永久磁石の円周方向の中心を結ぶ仮想線である。
複数の巻線42のうち永久磁石50aに対応する巻線43aの中心線T1に対して永久磁石50aの中心線T2が角度Y°回転方向にずれている。巻線43aは、接点ブラシ70aが接触するセグメント61に末端部が接続される巻線である。
複数の巻線42のうち永久磁石50bに対応する巻線43bの中心線T1に対して永久磁石50bの中心線T2が角度Y°回転方向にずれている。巻線43bは、接点ブラシ70bが接触するセグメント61に末端部が接続される巻線である。
複数の巻線42のうち永久磁石50cに対応する巻線43cの中心線T1に対して永久磁石50cの中心線T2が角度Y°回転方向にずれている。巻線43cは、接点ブラシ70cが接触するセグメント61に末端部が接続される巻線である。
複数の巻線42のうち永久磁石50dに対応する巻線43dの中心線T1に対して永久磁石50dの中心線T2が角度Y°回転方向にずれている。巻線43dは、接点ブラシ70dが接触するセグメント61に末端部が接続される巻線である。
複数の巻線42のうち永久磁石50eに対応する巻線43eの中心線T1に対して永久磁石50eの中心線T2が角度Y°回転方向にずれている。巻線43eは、接点ブラシ70eが接触するセグメント61に末端部が接続される巻線である。
複数の巻線42のうち永久磁石50fに対応する巻線43fの中心線T1に対して永久磁石50fの中心線T2が角度Y°回転方向にずれている。巻線43fは、接点ブラシ70fが接触するセグメント61に末端部が接続される巻線である。
これに対して、本実施形態のブラシ付き電動モータ10Bは、図10に示すように、図9のブラシ付き電動モータ10Aから4つの接点ブラシ70c、70d、70e、70fを削除したものである。
本実施形態のブラシ付き電動モータ10Bでは、削除した4つの接点ブラシに代えて、図11に示すように、複数のセグメント61のうち3つのセグメント61が前記3つのセグメント61毎に電線62で結線されている。前記3つのセグメント61は、前記3つのセグメント61毎に、回転軸30を中心とする円周方向に等間隔で並べられている。これにより、複数の巻線42のうち3つの巻線42が前記3つの巻線42毎に電線62およびセグメント61を介して接続されていることになる。前記3つの巻線42は、前記3つの巻線42毎に、回転軸30を中心とする円周方向に等間隔で並べられている。
つまり、接点ブラシ70aが接触するセグメント61に末端部が接続される巻線を、巻線43aとすると、巻線43a、43c、43eは、電線62(61a)で結線されている。接点ブラシ70bが接触するセグメント61に末端部が接続される巻線を、巻線43bとすると、巻線43b、43d、43fは、電線62(61a)で結線されている。以下、巻線43a、43bをブラシ側巻線ともいう。巻線43c、43d、43e、43fを結線巻線ともいう。
なお、本実施形態では、複数の巻線42の個数としては、3の倍数の個数が用いられている。図11のブラシ付き電動モータ10Bでは、18個の巻線42および18個のセグメントが用いられている。
さらに、本実施形態では、図9の対比例と同様に、巻線43aの中心線T1に対して永久磁石50aの中心線T2は、角度Y°回転方向にずれている。巻線43bの中心線T1に対して永久磁石50bの中心線T2は、角度Y°回転方向にずれている。
永久磁石50cの中心線T2が巻線43cの中心線T1に対して角度X°回転方向にずれている。永久磁石50dの中心線T2は、巻線43dの中心線T1に対して角度X°回転方向にずれている。永久磁石50eの中心線T2は、巻線43eの中心線T1に対して角度Y°回転方向にずれている。永久磁石50fの中心線T2は、巻線43fの中心線T1に対して角度Y°回転方向にずれている。
本実施形態では、永久磁石50a〜50fのうち巻線(43a〜43f)に対して径方向外側から視たときに重なる位置に配置され、かつ前記巻線に対して回転方向にずれて配置されている永久磁石を、前記巻線毎に、当該巻線に対応する永久磁石とする。より具体的には、永久磁石50a〜50fのうち巻線(43a〜43f)の中心線T1が重なる位置に配置されている永久磁石を、前記巻線毎に、前記巻線に対応する永久磁石とする。このため、永久磁石50aは、ブラシ側巻線43aに対応する第1対応磁石であり、永久磁石50bは、ブラシ側巻線43bに対応する第1対応磁石である。永久磁石50cは、結線巻線43cに対応する第2対応磁石である。永久磁石50dは、結線巻線43dに対応する第2対応磁石である。永久磁石50eは、結線巻線43eに対応する第2対応磁石である。永久磁石50fは、結線巻線43fに対応する第2対応磁石である。
ここで、永久磁石50a、50bの間にて回転方向に形成される間隔をF1とし、永久磁石50c、50dの間にて回転方向に形成される間隔をF2とし、永久磁石50d、50eの間にて回転方向に形成される間隔をF3とし、永久磁石50e、50fの間にて回転方向に形成される間隔をF4とすると、間隔F1、F2、F3、F4がそれぞれ同一である(F1=F2=F3=F4)。永久磁石50b、50cの間にて回転方向に形成される間隔をF5とし、永久磁石50f、50aの間にて回転方向に形成される間隔をF6とすると、間隔F5と間隔F6とは不一致である(F5≠F6)。このように円周方向において並ぶ2つの永久磁石の間の間隔が不均等になるように永久磁石50a〜50fが並べられている。
つまり、円周方向において並ぶ2つの永久磁石の間の間隔が均等にならないように永久磁石50a〜50fが並べられている。
ここで、角度X°は、上記第1実施形態における角度Z°と同様に、巻線43c、43d、43e、43fのうちいずれか1つの結線巻線に流れる電流波形に生じる歪みを補うために設定されている。歪みは、誘電電圧および電流の位相差が起因して電流波形に生じる歪みである。誘電電圧は、永久磁石50a〜50dにより発生する磁界に基づいて結線巻線(43c、43d、43e、43f)に発生する誘電電圧である。電流の位相差は、結線巻線(43c、43d、43e、43f)に流れる電流とブラシ側巻線(43a、43b)に流れる電流との間の位相差である。
ここで、角度X°は、角度Y°よりも大きな角度に設定されている。本実施形態において、角度X°と角度Y°との間の角度差(X°−Y°)は、例えば、角度1°〜2°になっている。角度X°は、回転軸30の回転速度に応じて設定される。このため、駆動ロスや磁気振動音の低減を望む回転速度域に対応する角度X°の値を決めることが望ましい。
なお、図10において、永久磁石50a、50bの間の角度θb、永久磁石50c、50dの間の角度θb、永久磁石50d、50eの間の角度θb、および永久磁石50e、50fの間の角度θbが同一になっている。
次に、本実施形態のブラシ付き電動モータ10の作動について説明する。
まず、永久磁石50a、50c、50eをN極とし、永久磁石50b、50d、50fをS極とすると、永久磁石50a、50c、50eから複数の巻線42を通過して永久磁石50b、50d、50fに磁束が流れる。つまり、永久磁石50a、50b、50c、50d、50e、50fによって磁界が発生する。
次に、接点ブラシ70aがバッテリのプラス電極に接続され、接点ブラシ70bにバッテリのマイナス電極に接続されると、接点ブラシ70a、70bの間の電圧が複数の巻線42に付与される。
ここで、複数のセグメント61のうち円周方向に等間隔で並べられている3つのセグメント61は、前記3つのセグメント61毎に、電線62によって結線されている。このため、複数のセグメント61のうち前記3つのセグメント61は、前記3つのセグメント61毎に、同電位になる。このため、複数の巻線42および複数のセグメント61において、接点ブラシ70a、70bの間の電圧に基づいて電流が流れる電流経路S1、S2、S3、S4、S5、S6が形成される。
電流経路S1では、接点ブラシ70a→セグメント61a→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61b→接点ブラシ70bの順に電流が流れる。セグメント61aは、接点ブラシ70aが接触しているセグメントである。セグメント61bは、接点ブラシ70bが接触しているセグメントである。
電流経路S2では、セグメント61a→巻線42(43a)→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61fの順に電流が流れる。セグメント61fは、接点ブラシ70bが接触しているセグメント61に対して電線62で結線されているセグメントである。
電流経路S3では、セグメント61c→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61fの順に電流が流れる。セグメント61cは、接点ブラシ70aが接触しているセグメント61aに対して電線62で結線されているセグメントである。
電流経路S4では、セグメント61c→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61eの順に電流が流れる。セグメント61eは、接点ブラシ70bが接触しているセグメント61に対して電線62で結線されているセグメントである。
電流経路S5では、セグメント61d→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61eの順に電流が流れる。セグメント61dは、接点ブラシ70aが接触しているセグメント61に対して電線62で結線されているセグメントである。
電流経路S6では、セグメント61d→巻線42→セグメント61→巻線42→セグメント61→巻線42セグメント61b→接点ブラシ70aの順に電流が流れる。
このように電流経路S1〜S6が形成されることにより、複数の巻線42に電流が流れる。複数の巻線42には、コア41、および回転軸30とともに回転する回転力が発生する。このことにより、電機子40および回転軸30が回転することになる。
この際、電機子40が回転すると、複数のセグメント61のうち接点ブラシ70aが接触するセグメント61と接点ブラシ70bが接触するセグメント61とが順次代わる。このため、電流経路S1〜S6が円周方向に進む。このようにして、接点ブラシ70a、70b、整流子60、および複数の巻線42が回転磁界を自己制御的に形成することにより、電機子40に回転力が発生して、整流子60、電機子40、および回転軸30が回転し続ける。
このとき、巻線43aに対して永久磁石50aは、角度Y°回転方向にずれている。このため、巻線43aに発生する誘電電圧が起因して電流波形に生じる歪みを低減することができる。これにより、巻線43aに電流が流れることにより発生する磁界S6(図12(a)参照)と永久磁石50a、50b、50c、50dによって発生する磁界M6とを合成した合成磁界G6に生じる歪みが低減されることになる。
巻線43bに対して永久磁石50bは、角度Y°回転方向にずれている。このため、巻線43aの場合と同様に、巻線43bに電流が流れることにより発生する磁界と永久磁石50a、50b、50c、50dによって発生する磁界とを合成した合成磁界に生じる歪みが低減されることになる。
巻線43cに対して永久磁石50cは、角度X°(>Y°)回転方向にずれている。巻線43cに発生する誘電電圧が起因して電流波形に生じる歪みを低減することができる。
ここで、角度X°は、角度Y°よりも大きくなっている。このため、巻線43aに流れる電流Iaと接点ブラシ70aから巻線43cに流れる電流Icとの間には位相差が生じるものの、巻線43cに電流が流れることにより発生する磁界K7(図12(b)、(c)参照)と永久磁石50a、50b、50c、50dによって発生する磁界M7とを合成した合成磁界G7に生じる歪みが低減されることになる。図12(b)は、比較例における磁界G7、K7、M6を示し、図12(c)は、本実施形態における磁界G7、K7、M6を示している。
巻線43dに対して永久磁石50dは、角度X°回転方向にずれている。このため、巻線43cの場合と同様に、巻線43dに電流が流れることにより発生する磁界と永久磁石50a、50b、50c、50dによって発生する磁界とを合成した合成磁界に生じる歪みが低減されることになる。
巻線43eに対して永久磁石50eは、角度X°回転方向にずれている。このため、巻線43cの場合と同様に、巻線43eに電流が流れることにより発生する磁界と永久磁石50a、50b、50c、50dによって発生する磁界とを合成した合成磁界に生じる歪みが低減されることになる。
巻線43fに対して永久磁石50fは、角度X°回転方向にずれている。このため、巻線43cの場合と同様に、巻線43fに電流が流れることにより発生する磁界と永久磁石50a、50b、50c、50dによって発生する磁界とを合成した合成磁界に生じる歪みが低減されることになる。
以上説明した本実施形態によれば、永久磁石50a、50bは、巻線43a、43bのうち対応する巻線に対して、角度Y°回転方向にずれている。永久磁石50c、50d、50e、50fは、巻線43c、43d、43e、43fのうち対応する巻線に対して、角度X°回転方向にずれている。角度X°は、角度Y°よりも大きい。このため、ブラシ側巻線(43a、43b)に流れる電流と結線巻線(43c、43d、43e、43f)に流れる電流との間の位相差を永久磁石50a〜50fによって発生する磁界によって補うために、永久磁石50a〜50fは、隣り合う2つの永久磁石の間の間隔が不均等になるように並べられている。
つまり、永久磁石50a〜50fから発生する磁界と前記結線巻線により発生する磁界とを合成した磁界を合成磁界とする。前記ブラシ側巻線に流れる電流と前記結線巻線に流れる電流との間の位相差に起因する前記合成磁界の歪みを補正するために、永久磁石50a〜50fは、円周方向にて並んだ2つの永久磁石の間の間隔が均等にならないように並べられている。
これにより、結線巻線(43c、43d、43e、43f)に電流が流れることにより発生する磁界と永久磁石50a、50b、50c、50dによって発生する磁界とを合成した合成磁界に生じる歪みが低減される。したがって、ブラシ付き電動モータ10の駆動効率を改善するとともに、磁気変動による磁気振動音が発生することを低減することができる。
(他の実施形態)
上記第1、第2の実施形態では、本発明のブラシ付き電動モータ10(10A)の磁極数を「4」、「6」とした例について説明したが、これに代えて、本発明のブラシ付き電動モータ10(10A)の磁極数を8以上にしてもよい。
上記第1実施形態では、ブラシ側巻線42a、42bと結線巻線42c、42dとを足した総数Na(=4)と、永久磁石50a、50b、50c、50dNb(=4)の総数とが一致する例について説明したが、これに限らず、ブラシ側巻線42a、42bと結線巻線42c、42dとを足した総数Naと、永久磁石50a、50b、50c、50dの総数Nbとが不一致になるように本発明のブラシ付き電動モータ10を構成してもよい。
ここで、ブラシ側巻線42a、42bは、複数のセグメント61のうち接点ブラシ70a、70bが接触しているセグメント61に末端部が接続されている巻線を意味する。結線巻線42c、42dとは、ブラシ側巻線42a、42bに対して結線されて巻線を意味する。
同様に、上記第2実施形態において、ブラシ側巻線43a、43bと結線巻線43c、43d、43e、43fとを足した総数と、永久磁石50a、50b、50c、50d、50e、50fの総数とが不一致になるように本発明のブラシ付き電動モータ10Bを構成してもよい。
上記第1実施形態では、永久磁石の総数を4つとし、上記第2実施形態では、永久磁石の総数を6つとした例について説明したが、これに代えて、8つ以上の永久磁石を用いて本発明のブラシ付き電動モータ10(10B)を構成してもよい。
上記第1実施形態では、回転軸30を介して互いに対向する2つの巻線42を、セグメント61を介して結線した例について説明したが、これに代えて、互いに対向する2つの巻線42を、セグメント61に無関係に直接結線してもよい。
同様に、上記第2実施形態では、円周方向に等間隔で並べられている3つの巻線42をセグメント61に無関係に直接結線してもよい。
上記第1実施形態では、複数の巻線42のうち2つの巻線42を結線した例について説明し、上記第2実施形態では、複数の巻線42のうち3つの巻線42を結線した例について説明したが、これに代えて、複数の巻線42のうち4つ以上の巻線42を結線してもよい。
上記第1実施形態では、接点ブラシ70a、70bの間に4つの巻線42を介在した例について説明し、上記第2実施形態では、接点ブラシ70a、70bの間に3つの巻線42を介在した例について説明し、これに代えて、接点ブラシ70a、70bの間に5つ以上の巻線42を介在させるように、本発明のブラシ付き電動モータ10(10B)を構成してもよい。
上記第2実施形態では、複数の巻線42のうち円周方向に等間隔で並べられている3つの巻線42を結線した例について説明したが、複数の巻線42において、円周方向にて隣り合う2つの巻線の間の間隔が不均等になる3つの巻線を結線してもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
10、10B ブラシ付き電動モータ
20 ケーシング
30 回転軸
40 電機子
41 コア41
42 巻線
50a、50b、50c、50d、50e、50f 永久磁石
60 整流子
61 セグメント
62 電線
70a、70b 接点ブラシ

Claims (5)

  1. 回転軸(30)を中心とする円周方向に並べられている4つ以上の磁石(50a、50b、50c、50d、50e、50f)と、
    前記回転軸に固定されて前記円周方向に並べられている複数の巻線(42)を有し、前記複数の巻線のうちいずれか2つ以上の巻線は、前記いずれか2つ以上の巻線毎に、結線されている電機子(40)と、
    前記回転軸に固定されて前記円周方向に配列されている複数のセグメント(61)を有し、前記複数のセグメントには、前記複数の巻線のうち対応する巻線の末端部がそれぞれ接続されている整流子(60)と、
    前記回転軸の回転に伴い、前記複数のセグメントに順次接触して、それぞれ当該接触するセグメントを通して前記複数の巻線に対して電圧を与える第1、第2のブラシ(70a、70b)と、を備え、
    前記電圧に基づき前記複数の巻線に流れる電流と前記4つ以上の磁石により発生する磁界によって前記電機子に回転力が発生するブラシ付き電動モータであって、
    前記複数の巻線のうち前記第1、第2のブラシのうち一方のブラシが接触するセグメントに接続される巻線をブラシ側巻線とし、前記ブラシ側巻線に結線される巻線を結線巻線とし、前記4つ以上の磁石から発生する磁界と前記結線巻線により発生する磁界とを合成した磁界を合成磁界としたとき、前記ブラシ側巻線に流れる電流と前記結線巻線に流れる電流との間の位相差に起因する前記合成磁界の歪みを補正するために、前記4つ以上の磁石は、前記円周方向にて並んだ2つの磁石の間の間隔が不均等になるように並べられていることを特徴とするブラシ付き電動モータ。
  2. 前記4つ以上の磁石のうち、前記ブラシ側巻線に対応する第1対応磁石(50a、50b)が、前記円周方向に隣り合うように並べられており、
    前記4つ以上の磁石のうち、前記結線巻線に対応する第2対応磁石(50c〜50f)が、複数、前記円周方向に並べられており、
    前記隣り合うように並べられている前記第1対応磁石(50a、50b)の間の間隔と、前記複数の第2対応磁石(50c〜50f)のうち隣り合う2つの前記第2対応磁石の間の間隔とは、同一になっており、
    前記第1対応磁石(50a、50b)は、前記ブラシ側巻線毎に、前記ブラシ側巻線に対して前記回転軸の回転方向にずれて配置されており、
    前記第2対応磁石(50c〜50f)は、前記結線巻線毎に、前記結線巻線に対して前記回転方向にずれて配置されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシ付き電動モータ。
  3. 前記第1対応磁石(50a、50b)は、前記ブラシ側巻線に対して前記回転軸の回転方向に第1角度(Y°)、ずれて配置されており、
    前記第2対応磁石(50c〜50f)は、前記結線巻線に対して前記回転方向に第2角度(Z°、X°)、ずれて配置されており、
    前記第2角度は、前記第1角度よりも大きくなっていることを特徴とする請求項2に記載のブラシ付き電動モータ。
  4. 前記複数の巻線のうち、前記回転軸を挟んで対向する2つの巻線が、前記回転軸を挟んで対向する2つの巻線毎に、前記結線されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のブラシ付き電動モータ。
  5. 前記複数の巻線のうち3つ以上の巻線が、前記3つ以上の巻線毎に、前記結線されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のブラシ付き電動モータ。
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