JP5044360B2 - 電動モータ - Google Patents
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Description
アーマチュアコイルは、回転軸に取り付けられた各セグメントに導通している。各セグメントはブラシと摺接可能になっており、このブラシからセグメント端子に電圧を印加することによってアーマチュアコイルに電流が給電されるようになっている。このとき、アーマチュアコイルに磁界が形成され、ヨークの磁石との間に生じる磁気的な吸引力や反発力によって回転軸が駆動するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
この種の電動モータの作用を図11〜図13に基づいて説明する。図11〜図13は、アーマチュア100への通電パターンを示す説明図であり、図11は2つの陽極側ブラシ101,103と2つの陰極側ブラシ102,104との4つのブラシに通電した状態、図12は1つの陽極側ブラシ101と2つの陰極側ブラシ102,104との3つのブラシに通電した状態、図13は1つの陽極側ブラシ101と1つの陰極側ブラシ102との2つのブラシに通電した状態を示す。
4つのブラシ101,102,103,104に通電すると(図11参照)、回路C1にブラシ101からブラシ104に向かう電流I1が流れ、回路C2にブラシ101からブラシ102に向かう電流I2が流れ、回路C3にブラシ103からブラシ102に向かう電流I3が流れ、回路C4にブラシ103からブラシ104に向かう電流I4が流れる。すなわち、全ての回路C1,C2,C3,C4に電流が流れる。
一方、2つのブラシ101,102に通電すると(図13参照)、各回路C1,C2,C3,C4に電流I1,I2,I3,I4’が流れる。
このように、各ブラシ101,102,103,104の通電パターンを変えることで、有効導体数や通電電流を変えてトルクを変化させ、回転速度を切替えることができる。
このように構成することで、ティースに集中巻き方式にて巻線を巻装しても2つのセグメント群にそれぞれ各相の巻線が接続されるので、5相構造の2つの閉回路が形成される。すなわち、集中巻き方式にて構成されている閉回路は、並列回路数が2回路であるため、これを2つ設けることで並列回路数が4回路になる。
また、各相の巻線はそれぞれ回転軸を中心に対向配置されている同相同士のティースに直列に巻装されているので、ブラシの通電パターンを変化させて例えば、3つのブラシに通電した場合であっても通電される巻線のバランスが悪化することを防止できる。すなわち、ブラシの通電パターンを変化させることで、2つの閉回路のうち、一方の閉回路の巻線のみが通電される場合であってもこの通電されている巻線が一方に偏ることなく、回転軸を中心に互いに点対称位置に存在する各巻線に通電される。
このように構成することで、各相のコイルを形成するにあたり、巻線の巻き始めとなるティースと巻き終わりとなるティースとを同じティースに設定するので、巻き始め端から巻き始めのティースに至るまでの配線長さ、および巻き終わりのティースから巻き終わり端に至るまでの配線長さを短く設定することができる。
このように構成することで、各相の巻線の巻き始め端と巻き終わり端とをコンミテータの首下周りで捻った状態にすることができる。
このため、4ブラシ通電時、3ブラシ通電時、および2ブラシ通電時において、電流が流れる巻線の本数を変化させることができ、それぞれトルクの大きさを変化させることが可能になる。よって、巻線を集中巻き方式にて巻装した場合であっても、4つのブラシの通電パターンを変えることで回転速度の切替えを行うことができる。
このため、通電巻線によるアーマチュアの振れ回りを低減することが可能になると共に、回転軸を中心に対向する相の電磁気バランスの差異や抵抗差によって生じる循環電流を低減させることが可能になる。
このため、アーマチュアコアとコンミテータとの間の巻き太りを容易に解消することができ、アーマチュアをさらに小型化することが可能になる。
図1に示すように、電動モータ1は、例えば、自動車のパワーウインドウモータ、ワイパモータ、およびファンモータ等に用いられる車両搭載用の直流モータであって、有底円筒形状のヨーク2内にアーマチュア3を回転自在に配置している。ヨーク2の内周面には周方向にセグメント型の永久磁石4が磁極を順番に変えながら8個固定されている。
ブラシホルダ19には、それぞれブラシ21がスプリング29を介して付勢された状態で出没自在に内装されている。これらブラシ21の先端部は、スプリング29によって付勢されているためコンミテータ13に摺接しており、外部からの電源がブラシ21を介してコンミテータ13に供給されるようになっている。
図3、図4はアーマチュア3のセグメント14(ライザ15)とティース9を展開した図面であり、隣接するティース9間の空隙がスロット11に相当している。なお、以下の図面においては、各セグメント14、各ティース9、および巻装された巻線12にそれぞれ符号を附し、各ティース9にU相、V相、W相、X相、Y相をこの順で割り当てて説明する。
図6に示すように、例えば、陽極側ブラシ51a,52aがそれぞれ1−2番セグメント14a,14b間、11−12番セグメント14e,14f間に存在し、陰極側ブラシ51b,52bがそれぞれ4番セグメント14i、14番セグメント14jに存在している場合、つまり、各閉回路H1,H2上に各々一対のブラシ51a,51b,52a,52bが存在している場合であって、これら全てを通電させた状態では、V,W,X,Y相の8つのアーマチュアコイルV,V’,W,W’,X,X’,Y,Y’に電流が流れる。
このため4つのブラシ51a,51b,52a,52b全てを通電させたときには、例えば、V,W,X,Y相の8つのアーマチュアコイルV,V’,W,W’,X,X’,Y,Y’に電流が流れ、通常の8極10スロット集中巻き方式と同様のトルク(モータ特性)を得ることができる(図6参照)。一方、3つのブラシに通電させたときには、例えば、第一閉回路H1のV,W,X,Y相のアーマチュアコイルV,W,X,Yのみに電流が流れる。このため、3ブラシ通電時のトルクを4ブラシ通電時の半分のトルクとすることができる(図7参照)。
ここで、第二実施形態においては、各相のアーマチュアコイルU,U’,V,V’,W,W’,X,X’,Y,Y’を形成するにあたり、巻線12の巻き始めとなるティース9と巻き終わりとなるティース9とが同じティース9に設定されている。
この第三実施形態にあっては、各相のアーマチュアコイルU,U’,V,V’,W,W’,X,X’,Y,Y’の巻き始めの配線長さと巻き終わりの配線長さとがほぼ等しくなるように各セグメント郡41,42を配設している。
すなわち、例えば、第一セグメント郡41を構成する1番セグメント14aは1番ティース9の近傍に配置せず、この1番ティース9の近傍から周回り方向にずれた位置に配置されている。そして、各セグメント14は、1番セグメント14aから周回り方向に順に2〜20番セグメント14が配置されている。
また、巻線12の巻き始め端30、および巻き終わり端40がそれぞれ接続されるセグメント14は上述の実施形態に限られるものではなく、同じ閉回路内、つまり、対応するセグメント郡41,42であって、かつ接続線25a,25bによって短絡されている同電位のセグメント14であればよい。すなわち、上述の実施形態では、例えば、第一閉回路H1のU相のアーマチュアコイルUの巻き終わり端40が2番セグメント14bに接続されている場合について説明した。しかしながら、このアーマチュアコイルUの巻き終わり端40を同じセグメント郡41の7番セグメント14に接続してもよい。
2 ヨーク
3 アーマチュア
4 永久磁石(磁極)
5 回転軸
6 アーマチュアコア
7,U〜W’ アーマチュアコイル(コイル)
9 ティース
11,11a〜11d スロット
12 巻線
13 コンミテータ
14、14a〜14m セグメント
21 ブラシ
25a,25b 接続線(短絡部材)
30 巻き始め端
40 巻き終わり端
41 第一セグメント郡
42 第二セグメント郡
51a,52a 陽極側ブラシ
51b,52b 陰極側ブラシ
71 主コイル
72 副コイル
H1 第一閉回路
H2 第二閉回路
Claims (3)
- 8極の磁極を有するヨークと、
前記ヨークに軸支される回転軸と、
前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線が集中巻き方式にて巻装される10個のティースと、該ティース間に形成され軸線方向に沿って延びる10個のスロットとを有するアーマチュアコアと、
前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ20枚のセグメントを周方向に配置したコンミテータと、
前記セグメントを介して前記巻線に給電を行うための4つのブラシとを備え、
前記4つのブラシを陽極側ブラシと陰極側ブラシとの組みを2つ備えて構成し、
同極側同士のブラシを前記回転軸を中心にして対向配置すると共に、異極側同士のブラシを電気角で180度周方向に間隔をあけて配置している5相構造の電動モータであって、
前記セグメントを前記回転軸を中心にして互いに点対称位置に存在する2つのセグメント群で構成し、
各セグメント群の同電位となるセグメント同士を短絡部材で短絡すると共に、
各セグメント群の隣接するセグメント間に接続された各相の巻線をそれぞれ前記回転軸を中心に対向配置されている同相同士のティースに直列に巻装したことを特徴とする電動モータ。 - nを2以上の自然数、aを1以上の自然数で、かつnよりも小さい数としたとき、
前記各相の巻線は、この巻線に対応するティースで、かつ巻き始め端が接続されているセグメントの近傍に存在するティースにn−a回巻回し、
該ティースと同じ相であって、かつその他のティースにn回巻回した後、再度巻き始めのティースにa回巻回するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。 - 前記各相の巻線の巻き始めの配線長さと巻き終わりの配線長さとがほぼ等しくなる位置に、対応するセグメントを設定して各セグメント郡を配設したことを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
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