JP2013056319A5 - - Google Patents

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脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法
本発明は、脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法に関する。
近年、大気汚染防止の観点から、ボイラや各種燃焼炉から発生する窒素酸化物(以下、NOxという。)の除去方法として、アンモニアを還元剤に用い、触媒によって接触的に窒素と水に分解するアンモニア接触還元方式が広く用いられている。現在実用化されているNOx除去触媒は、排ガス中のダストによる閉塞を防止するため、およびガス接触面積を広くするため、正方形の孔形状を有するハニカム形状触媒が主流となっている。また、触媒成分としては、酸化チタンを主成分としたものが優れており、活性成分としてバナジウム、タングステン等を含んだものが一般的に用いられ、主に二元系のTiO2−WO3触媒若しくはTiO2−MoO3触媒、および三元系のTiO2−V25−WO3触媒若しくはTiO2−V25−MoO3触媒等が用いられている。
石炭焚ボイラ排ガスにおいては、主に排ガス中のダストに含有されるカルシウム分が触媒表面に付着し、排ガス中に含まれる無水硫酸カルシウムを生成して、触媒表面を覆い、触媒内部へのNOおよびNH3ガスの拡散が妨げられ、触媒の性能が低下する。従来、これらの劣化原因による性能低下触媒の再生に際しては、水および塩酸水溶液による洗浄が効果的であることが知られている。
また、排ガス中に存在するヒ素(As23)の蓄積による脱硝性能が低下した脱硝触媒の再生にあたり、アルカリ水溶液で触媒蓄積物質を洗浄除去した後、酸水溶液で触媒の活性化処理を行う技術を提案した(特許文献1)。
特開2000−037634号公報
ところで、本発明者らは、石炭焚ボイラ排ガスで用いられた脱硝触媒の再生試験を行っていく過程で、従来の洗浄工程では、SO2酸化率の再生効果がほとんど見られないことを確認した。特に前記方法で再生した脱硝触媒に例えばバナジウム等を含む触媒活性成分を含浸またはコートした場合は、SO2酸化率が上昇してしまう、という問題がある。
この要因について調査研究した結果、脱硝触媒に付着したシリカの存在であることが判明した。
これは、従来のボイラ燃焼においては、燃料に対する空気の比率が高く、しかも火炉容量も余裕のある大型ボイラ設備での燃焼であるので、燃料である石炭の完全燃焼が確保されていたが、近年のボイラでは空気の比率が低く、しかも小型のボイラ設備での燃焼であるので、これまでよりも還元雰囲気に近い条件での燃焼となり、石炭の未燃分が多くなり、この未燃分中の高温の蒸気状で存在するシリカ等の阻害要因が脱硝触媒の表面を覆い、脱硝触媒の再生処理が良好に行われなくなることによる。
この結果、脱硝触媒に再生工程を施した場合でも、再生が良好に行われず、脱硝触媒のSO2酸化率上昇の要因となる、という問題がある。
本発明は、前記問題に鑑み、脱硝触媒に付着したシリカ等ケイ素化合物の阻害要因を除去する脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、脱硝触媒の再生にあたり、アルカリ水溶液でSO2酸化率上昇要因となる阻害物質を洗浄除去するアルカリ処理工程と、
このアルカリ処理工程の後、酸水溶液で触媒の活性化処理を行う活性化処理工程とを有し、且つ前記脱硝触媒の担体が酸化チタンであり、阻害物質がケイ素化合物であると共に、前記脱硝触媒表面のチタンとケイ素の強度比(Si/Ti強度比)を求め、Si/Ti強度比が0.1の閾値を超える場合には、再度アルカリ処理工程と活性化処理工程とを行うことを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法にある。
の発明は、第の発明において、前記チタンとケイ素の強度比の測定は、電子線アナライザ分析(EPMA)により行うことを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法にある。
の発明は、第1の発明において、前記アルカリ水溶液が、NaOH、KOH、Na2CO3、NaHCO3又はK2CO3の水溶液であり、かつ、前記酸水溶液が、HCl、HNO3、HF又はH2SO4の水溶液であることを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法にある。
の発明は、第1の発明において、脱硝触媒を洗浄した後、該脱硝触媒に触媒活性成分を含浸担持することを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法にある。
の発明は、第1の発明において、脱硝触媒を洗浄した後、該脱硝触媒を粉砕し、脱硝触媒の原料とすることを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法にある。
の発明は、第1の発明において、脱硝触媒を洗浄した後、該該脱硝触媒に脱硝触媒のスラリー状の原料を該脱硝触媒の表面に再コートすることを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法にある。
本発明によれば、アルカリ水溶液によるアルカリ処理および酸水溶液による活性化処理によって、脱硝触媒の表面を覆うケイ素化合物等の阻害物質を除去でき、再生脱硝触媒のSO2酸化率の上昇がない、触媒を提供できる。また、触媒を再生して利用することにより、産業廃棄物の減少に寄与し、環境面においても産業上大きな意義を有する。
図1は、横軸をSi/Ti強度比とし、縦軸をSO2酸化率の実測値と予想値との比(実測値/予想値)とした図面である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明は、燃焼排ガス中の窒素酸化物除去に用いられている脱硝触媒において、SO2酸化率の上昇要因の阻害物質であるシリカ成分(ケイ素化合物)が、その触媒表面に蓄積した場合、触媒表面に蓄積したシリカ成分を溶解し、触媒を再生させるものである。
ここで、本発明により再生される脱硝触媒は、酸化チタンを主成分とし、活性成分としてバナジウム、タングステン又はモリブデン等を含んだものであり、具体的には、二元系のTiO2−WO3触媒、TiO2−MoO3触媒、あるいは三元系のTiO2−V25−WO3触媒、TiO2−V25−MoO3触媒等が挙げられる。
そして、本発明の再生処理方法を工程順に示すと、アルカリ処理工程の後、活性化処理工程を経る処理方法であり、さらに必要に応じて、触媒活性成分の含浸担持工程を、適宜経る処理方法である。
また、シリカ成分(ケイ素化合物)等のSO2酸化率の上昇要因の阻害物質が脱硝触媒の表面に所定量存在しないことを判定する判定工程も含まれる。
<アルカリ処理工程>
先ず、アルカリ処理工程では、脱硝触媒の表面に蓄積したシリカ成分の蓄積により性能低下した脱硝触媒を、アルカリ水溶液により洗浄し、該脱硝触媒から阻害物質であるシリカを除去するものである。
洗浄方法は特に限定されることはなく、アルカリ水溶液に脱硝触媒が接触することによって洗浄の目的は達成される。
具体的には、アルカリ水溶液中に脱硝触媒を浸漬する方法、あるいは硫酸水溶液もしくはアンモニア水溶液中に脱硝触媒を静置する方法又は静置脱硝触媒にバブリング空気や強制対流を発生させて、液の更新を促進する方法等が挙げられる。
また、このアルカリ処理工程では、アルカリ水溶液として、強塩基性物質のアルカリ水溶液が用いられ、シリカを除去する能力があるものとして、ナトリウム化合物又はカリ化合物を生成するような化合物が好適に用いられる。
本発明で用いられるアルカリ水溶液としては、具体的には、例えばNaOH、KOH、Na2CO3、NaHCO3又はK2CO3の水溶液等が挙げられる。
そして、アルカリ水溶液として前記NaOH、KOH、Na2CO3、NaHCO3又はK2CO3の水溶液を用いるような場合には、通常、水溶液中のアルカリ濃度は0.05〜20重量%の範囲とし、洗浄液であるアルカリ水溶液の温度は10〜90℃の範囲とすることが有効である。
これは、アルカリ水溶液の濃度が0.05重量%未満、あるいは洗浄液の温度が10℃未満では、洗浄効果が十分でない場合があり、逆に、アルカリ水溶液の濃度が20重量%より大きい、あるいは洗浄液の温度が90℃より高い範囲では、処理設備のコストが高くなる場合が生じるからである。
<活性化処理工程>
この活性化処理工程では、先のアルカリ処理工程での処理後の洗浄された脱硝触媒について、酸水溶液を用いて活性化処理を行うものである。
すなわち、前記アルカリ処理工程では、脱硝触媒中からシリカを洗浄除去することができるが、洗浄除去に用いたアルカリ成分が触媒中に残存するため、脱硝触媒がアルカリにより被毒されることになる。アルカリ金属は、それ自体が脱硝触媒の劣化原因になりうる物質であるため、このままでは、シリカ成分(ケイ素化合物)の蓄積による性能低下は回避できても、アルカリ金属による劣化が生じてしまう。
そこで、本発明においては、アルカリ洗浄後に酸水溶液を用いた活性化処理を行うことにより、触媒上のアルカリを除去して、脱硝触媒から被毒物を全て除去するものである。
また、この活性化処理工程では、酸水溶液として、有機酸あるいは無機酸の酸水溶液を用いることが考えられるが、後処理の負担等を考慮すると、無機酸を用いた酸水溶液を用いることが好ましい。そして、ナトリウムやカリウムとイオン交換可能な無機酸であれば強酸・弱酸を問わず使用できる。
本発明で用いる酸水溶液としては、具体的には、例えばHCl、HNO3、HF又はH2SO4等の水溶液が挙げられる。そして、酸水溶液として前記HCl、HNO3、HF又はH2SO4の水溶液を用いる場合には、通常、水溶液中の濃度は0.1〜25重量%の範囲とし、水溶液の温度は10〜90℃の範囲とすることが有効である。これは、酸水溶液の濃度が0.1重量%未満、あるいは水溶液の温度が10℃未満では、イオン交換が十分でない場合があり、逆に、酸水溶液の濃度が20重量%より大きい、あるいは水溶液の温度が90℃より高い範囲では、処理設備のコストが高くなる場合が生じるからである。
本発明では、前記アルカリ処理工程および活性化処理工程を経た後、さらに必要に応じて、以下に示す触媒活性成分の含浸担持工程を経て、脱硝触媒を再生させることができる。前記アルカリ処理および酸による活性化処理を行う際には、触媒の活性成分であるバナジウムやタングステンが触媒から溶出して、触媒中の活性成分濃度の低下に起因する脱硝性能の低下が起こる場合がある。そこで、本発明においては、シリカ成分(ケイ素化合物)を洗浄除去し、水洗、乾燥後、触媒中の活性成分濃度が再生前と同じになるようにバナジウム及びまたはタングステンを含浸、担持することもできる。バナジウムの担持法としては、五酸化バナジウム、メタバナジン酸アンモニウム、硫酸バナジル等のバナジウム化合物を、水、有機酸、アミン溶液で溶解した水溶液中に触媒を浸漬する方法が挙げられる。タングステンの担持法としては、パラタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム、三酸化タングステン、塩化タングステン等のタングステン化合物を、水、塩酸、アミン溶液、有機酸で溶解した水溶液中に触媒を浸漬する方法が挙げられる。
以上のように、本発明の再生処理方法によれば、触媒に蓄積したシリカ成分(ケイ素化合物)を、先ずアルカリ処理工程にて、アルカリ水溶液で洗浄して触媒表面に蓄積したシリカ成分(ケイ素化合物)を除去することができる。
一方、この処理工程後には、Na+イオンが触媒に残留しうることになる。よって、前記工程に続く活性化処理工程においては、触媒上に残留して触媒の被毒物質となりうるNa+を、HCl等の酸水溶液を用いてイオン交換する。これにより、Na+イオンをH+イオンに変換し、触媒上からNa+が除去されて、脱硝触媒の活性を回復させることができる。
なお、上述したように、アルカリ水溶液によるアルカリ処理および酸水溶液による活性化処理によって、シリカ成分(ケイ素化合物)の洗浄効果は増大するものの、脱硝触媒の活性成分であるバナジウム等の溶出が大きくなり、触媒中に残留する活性成分濃度が低下する場合がある。これでは性能低下の原因物質であるシリカ成分(ケイ素化合物)は除去したにもかかわらず、見かけ上は脱硝性能が回復しないことにもなるので、洗浄条件によって触媒中の活性成分の溶出が大きいような場合には、適宜、脱硝触媒に、触媒活性成分の例えばバナジウム(V)等を含浸、担持して、触媒性能の回復をはかることが有効である。
また、脱硝触媒を洗浄した後、該脱硝触媒を粉砕し、脱硝触媒の原料とするようにしても有効である。
さらに、脱硝触媒を洗浄した後、該該脱硝触媒に脱硝触媒のスラリー状の原料を該脱硝触媒の表面に再コートするようにしても有効である。
以上、本発明によれば、ボイラ燃焼の際において、未燃分中の高温の蒸気状で排ガス中に存在するガス状シリカ(例えば有機性シリカ等ケイ素化合物)等の阻害要因が脱硝触媒の表面を覆い、脱硝触媒の再生処理が良好に行われない場合、アルカリ水溶液によるアルカリ処理および酸水溶液による活性化処理によって、脱硝触媒の表面を覆うシリカ成分等(ケイ素化合物)の阻害物質を除去でき、再生脱硝触媒のSO2酸化率の上昇がない触媒を提供できる。また、触媒を再生して利用することにより、産業廃棄物の減少に寄与し、環境面においても産業上大きな意義を有する。
<判定工程>
この判定工程は、再生処理した脱硝触媒において、シリカ成分が脱硝触媒の表面に所定量存在しないことを判定するものである。
この判定工程は、脱硝触媒の表面のチタンとシリカとの強度比を測定するものである。この測定は、電子線アナライザ分析(EPMA:Electron Probe MicroAnalyser)により行うのが好ましい。
また、EPMA以外としては、蛍光X線分析(X−ray Fluorescence Analysis:XRF)により、強度比を測定することもできる。
再生した脱硝触媒の表面のチタンとシリカ(ケイ素)の計測をする際、触媒を構成するガラス繊維がある場合、そのガラス繊維が存在しない箇所に電子線を照射し、発生する特性X線を検出するようにするのが好ましい。
これによりガラス繊維の影響がない、Si/Ti強度比を定量することが可能となる。
ここで、EPMAによる測定の際には、再生した脱硝触媒表面の複数個所を計測し、その平均値を求めて、強度比を求めるのが好ましい。
このSi/Ti強度比としては、例えば0.1以下、より好ましくは0.08以下とするのが良い。
この範囲であると、脱硝触媒のSO2酸化率の実測値と予想値との比(実測値/予想値)が、1.00〜1.30の範囲となるので好ましい。
これは、実測値/予想値が1.30を超えると、SO2酸化率の上昇が著しく多くなり、脱硝触媒の再生が不十分となり、再利用できないからである。
よって、Si/Ti強度比が所定の閾値(例えば0.1)を超える場合には、再度アルカリ処理工程と活性化処理工程とを行い、SO2酸化率の上昇要因の阻害物質であるシリカ(ケイ素化合物)を除去し、再度判定工程により判定を行い、再利用可能な脱硝触媒かを確認する。
これにより、担体であるTiの表面に例えばバナジウム(V)等の触媒活性成分が確実に担持され、触媒活性が良好となる。
すなわち、Si/Ti強度比が所定の閾値(例えば0.1)を超える場合には、担体であるチタン(Ti)の表面に、シリカ成分(ケイ素化合物)が覆われており、このような場合に、活性成分であるバナジウム(V)を担持しても、チタンの表面に直接バナジウムが担持できる割合が減少する結果、バナジウムの触媒活性が十分とならず、SO2酸化率の上昇要因となるからである。
例えば、アルカリ処理工程において、40℃の1N−NaOHによるアルカリ洗浄では再生が不十分(Si/Ti強度比が0.10以上)になる場合がある。その場合には、1N−NaOHによるアルカリ洗浄条件を60℃に上昇して洗浄を行うようにすればよい。
以上より、アルカリ水溶液によるアルカリ処理および酸水溶液による活性化処理を行うとともに、Si/Ti強度比が所定の閾値(例えば0.1)を超えないことを確認することで、脱硝触媒の表面を覆うシリカ成分(ケイ素化合物)等のSO2酸化率の上昇の阻害要因物質の残存率が減少した、SO2酸化率の上昇がない再生脱硝触媒を提供できる。
[試験例]
以下、試験例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
使用済脱硝触媒として、触媒表面にシリカ(ケイ素化合物)が堆積されている使用済脱硝触媒(6孔×7孔×900mmのハニカム触媒)を準備した。
この使用済脱硝触媒を用いて、アルカリ洗浄及び活性処理を行い、再生処理を行った。
処理後の再生脱硝触媒の表面のSi/Ti強度比をEPMA分析した。
EPMA分析の際、電子顕微鏡(SEM)でその表面に存在するガラス繊維を避けて、電子線を照射した。
EPMA分析には、X線マイクロアナライザ(日本電子社製「XA−8900RL(商品名)」を用いた。
試験例1及び2はアルカリ洗浄を十分に行った脱硝触媒であり、比較例はアルカリ洗浄が十分ではなかった脱硝触媒である。
また、SO2酸化率の上昇は、再生した脱硝触媒の入口と出口におけるSO3を計測し、その上昇を確認し、実測値と予測値から、SO2酸化率の実測値と予想値との比(実測値/予想値)を求めた。
なお、使用した触媒は、試験例1では、TiO2が91.4重量%、WO3が8.0重量%、V25が0.63重量%である。
なお、使用した触媒は、試験例2では、TiO2が91.4重量%、WO3が8.0重量%、V25が0.59重量%である。
なお、使用した触媒は、比較例では、TiO2が91.2重量%、WO3が8.0重量%、V25が0.83重量%である。
図1は、横軸をSi/Ti強度比とし、縦軸をSO2酸化率の実測値と予想値との比(実測値/予想値)とした図面である。
試験例1及び2、比較例のSO2酸化率の実測値と予想値との比(実測値/予想値)を表1に示す。
Figure 2013056319
図1及び表1に示すように、試験例1の触媒は、Si/Ti強度比が0.036であり、試験例2の触媒は、Si/Ti強度比が0.072であり、各々SO2酸化率の実測値と予想値との比(実測値/予想値)は、1.3よりも低い、1.03と1.05であり1.0に近く、フレッシュな触媒のものよりもSO2酸化率の上昇が僅かであった。
これに対し、比較例の触媒は、Si/Ti強度比が0.132と0.1を大幅に超えており、SO2酸化率の実測値と予想値との比(実測値/予想値)は、1.3を超えた1.94であり、フレッシュな触媒のものよりもSO2酸化率が大幅に上昇した。
これにより、Si/Ti強度比が0.1以下とすることで、SO2酸化率がフレッシュな触媒よりも上昇しない再生触媒となることが確認された。

Claims (6)

  1. 脱硝触媒の再生にあたり、アルカリ水溶液でSO2酸化率上昇要因となる阻害物質を洗浄除去するアルカリ処理工程と、
    このアルカリ処理工程の後、酸水溶液で触媒の活性化処理を行う活性化処理工程とを有し、且つ
    前記脱硝触媒の担体が酸化チタンであり、阻害物質がケイ素化合物であると共に、
    前記脱硝触媒表面のチタンとケイ素の強度比(Si/Ti強度比)を求め、
    Si/Ti強度比が0.1の閾値を超える場合には、
    再度アルカリ処理工程と活性化処理工程とを行うことを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法。
  2. 請求項において、
    前記チタンとケイ素の強度比の測定は、電子線アナライザ分析(EPMA)により行うことを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法。
  3. 請求項1において、
    前記アルカリ水溶液が、NaOH、KOH、Na2CO3、NaHCO3又はK2CO3の水溶液であり、かつ、前記酸水溶液が、HCl、HNO3、HF又はH2SO4の水溶液であることを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法。
  4. 請求項1において、
    脱硝触媒を洗浄した後、該脱硝触媒に触媒活性成分を含浸担持することを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法。
  5. 請求項1において、
    脱硝触媒を洗浄した後、該脱硝触媒を粉砕し、脱硝触媒の原料とすることを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法。
  6. 請求項1において、
    脱硝触媒を洗浄した後、該脱硝触媒に脱硝触媒のスラリー状の原料を該脱硝触媒の表面に再コートすることを特徴とする脱硝触媒のSO2酸化率上昇低減方法。
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