JP4578624B2 - 排ガス処理用触媒の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス処理用触媒、その製造方法および排ガス処理方法に関する。
特に、排ガス中のダイオキシン類などの毒性有機ハロゲン化合物を除去する有機ハロゲン化合物除去用触媒、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去するための脱硝触媒として優れた排ガス処理用触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物や都市廃棄物を処理する焼却施設から発生する排ガス中には、ダイオキシン類、PCB、クロロフェノールなどの極微量の毒性有機ハロゲン化合物が含まれており、特にダイオキシン類は微量であってもきわめて有毒であり、人体に重大な影響を及ぼすため、その除去技術が広く開発されて、実用化が進められている。中でも、触媒分解法は有効な技術のひとつであり、一般的にチタン、バナジウム、タングステン、モリブデンなどの酸化物を含有する触媒が用いられている。
【0003】
また、現在実用化されている排ガス中の窒素酸化物除去方法としては、アンモニアまたは尿素などの固体還元剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒上で接触還元し、無害な窒素と水とに分解する選択的触媒還元(SCR)法が一般的である。これに用いられる脱硝触媒としては、例えば特開平10−235206号公報に記載のチタン−バナジウム系触媒などが知られている。
一方、各種焼却施設から排出される排ガスには、硫黄化合物、重金属類、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが含まれており、触媒を長期間に渡って使用した場合、前述した物質が触媒に付着したり、活性成分と反応することにより、触媒の活性が低下する問題がある。近年、廃棄物の低減やリサイクルの観念から、これら劣化した触媒を再生して再利用する方法が種々提案されている。
【0004】
そのひとつは、劣化した触媒を水洗することにより、前述した物質を洗い流す方法である。この場合、可溶性の物質は除去可能であるが、溶解性の低いもの十分に除去できない。また、水洗時に活性成分まで溶出するため、完全に再生することはできず、再度活性成分を補充する方法もあるが、コストがかかる問題点がある。さらに、水洗により、触媒の強度が低下してしまう恐れがあり、好ましい方法とは言えない。
また、加熱による再生方法も提案されているが(特公昭62−57382号公報など)、硫黄化合物など熱分解する物質の除去は可能であるが、重金属やアルカリ金属などは除去できないため触媒活性を完全に回復させることはできない。
【0005】
さらに、上記特公昭62−57382号公報は脱硝触媒の再生に関するものであり、実施例では300℃以上の高温での脱硝処理に用いられ劣化した触媒を再生している。これに対して、有機ハロゲン化合物の分解用触媒など300℃未満での低温で使用された触媒は、高温で使用された場合と比べて硫黄化合物の付着量が多いため、特公昭62−57382号公報の実施例に記載の方法では、触媒活性を完全に回復させることはできない。
さらに、使用済み触媒を詳細に分析したところ、触媒の長さ方向において、ガスの入口側で上記活性被毒物質の付着量が多いが、出口側では少なく、被毒物質の付着量に分布がある。このことから、上記に示した、水洗方法や加熱方法では、触媒全体を均一に再生することは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、劣化した触媒の活性を効率良く回復させることで、性能の優れた触媒を低コストで製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の排ガス処理用触媒の製造方法は、金属酸化物を含む排ガス処理用触媒の製造方法であって、排ガス処理用触媒材料として、排ガス処理に使用されて硫黄化合物が付着し活性の劣化した金属酸化物を含む排ガス処理用触媒を粉砕することで得られる劣化触媒の粉体と未使用触媒の担体成分とを混合したのち未使用触媒の活性成分を加えたものを用いることとし、当該劣化触媒の粉体の使用量を、製造する触媒重量の50重量%以下とするとともに、触媒材料の焼成温度を350〜500℃とする、ことを特徴とする。
なお、以下では、「劣化触媒」を「劣化した触媒(A)」あるいは「触媒(A)」、「未使用触媒」「未使用の触媒(B)」あるいは「触媒(B)」と称することがある。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、排ガス中に含まれる活性被毒物質の影響について鋭意研究を行った。活性被毒物質としては、硫黄化合物、重金属類(Fe、Pb、Zn、As、P、Seなど)、アルカリ金属(Na、Kなど)、アルカリ土類金属(Ca、Mgなど)が挙げられる。
硫黄化合物の影響は、活性成分との反応により硫酸塩化が生じることと、排ガス中に含まれるアンモニアと反応して、硫安や酸性硫安を形成し、触媒の細孔を閉塞し、反応物の触媒への拡散を妨げ、活性を低下させることであることがわかった。また、重金属類、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類は、主にダスト中に含まれており、焼却施設の排ガス処理では、通常、バグフィルターや電気集塵機などの除塵装置が設置されているが、これらの除塵装置では除去しきれなかった微細なダストが、触媒の表面に強固に付着し、触媒の細孔を閉塞し、反応物の触媒への拡散を妨げ、活性を低下させることがわかった。
【0009】
これらの触媒活性劣化要因のうち、硫黄化合物に起因するものは、生成した硫黄化合物が熱分解が可能な温度域、具体的には、350℃以上で加熱することにより除去することができることがわかった。
その他の金属類については、触媒表面のごく表層部に局部的に付着し、触媒の細孔を閉塞し、活性を低下させることがわかった。そのため、劣化した触媒を細かく粉砕し、再度成形することにより、触媒中に広く分散し、新たに細孔を形成することにより活性が回復されることを発見した。
被毒物質の分布については、ガス流れに対して、触媒長さ方向に分布が存在し、特にガスの入口部、具体的には、入口から触媒全長の約1/3程度の部分に多く付着していることが判った。硫黄化合物の付着量は、特に有機ハロゲン化合物除去用触媒として用いられた場合は、その処理温度が低いことに起因して非常に多く、入口側で数%〜十数%の量にのぼる。金属類の付着量は、前段に設置されている除塵装置の能力にもよるが、およそ、アルカリ金属・アルカリ土類金属は、入口側で0.5重量%、重金属類は、入口側で0.1重量%程度であることが判明した。
【0010】
硫黄化合物はその付着量が多いため、単純に加熱しただけでは、十分に熱分解することができず、一部硫黄分が残存して性能が回復しない。また、完全に熱分解させるには、より高温の処理や長時間に渡る加熱が必要であり、そうした場合、触媒自体の熱的劣化が生じるため再生することができない。これらの点を考慮し、劣化した触媒を粉砕し、得られた粉体を再度混合・成形することにより、被毒物質を触媒全体に均一に分散させ、それを加熱処理することにより効率良く再生することができる。
以上をふまえ、本発明では、排ガス処理用触媒材料として、排ガス処理に使用されて硫黄化合物が付着し活性の劣化した金属酸化物を含む排ガス処理用触媒を粉砕することで得られる劣化触媒の粉体と未使用触媒の担体成分とを混合したのち未使用触媒の活性成分を加えたものを用いることとし、当該劣化触媒の粉体の使用量を、製造する触媒重量の50重量%以下とするとともに、触媒材料の焼成温度を350〜500℃とする。
【0011】
劣化した触媒(A)としては、排ガス処理に使用されて硫黄化合物が付着し活性の劣化した触媒であれば、特に限定されないが、有機ハロゲン化合物除去用触媒として用いられた場合(ゴミ焼却炉排ガス処理等)、あるいは300℃未満での排ガス処理に使用された場合は硫黄化合物付着量が多いので、本発明が有効である。このとき、劣化した触媒(A)の硫黄化合物付着量は、ガス流れ方向で分布があるが、触媒(A)の重量に対して、硫黄原子換算で、1〜15重量%程度である。
劣化した触媒(A)の粉砕方法は特に限定されるものではないが、ハンマーミル、ローラミル、ボールミル、気流粉砕機などを用いて粉砕することができる。
劣化触媒の粉体の平均粒子径は、200μm以下とすることが好ましく、100μm以下とすることがより好ましい。
【0012】
劣化触媒の粉体と、未使用の触媒(B)との混合の方法は特に限定されないが、例えば、次の3つの方法が挙げられる。
▲1▼劣化触媒の粉体と未使用の触媒(B)の粉体を混合し、成形助剤を加えて混練りし、成形後、焼成して調製する方法
▲2▼劣化触媒の粉体と触媒(B)の担体成分(例えばチタンの酸化物)の粉体を混合した後、触媒(B)の活性成分を含む溶液を成形助剤と共に加えて、混練りし、成形、焼成する方法
▲3▼上記▲1▼と▲2▼を組み合わせた方法、すなわち、劣化触媒の粉体と、触媒(B)の担体成分の粉体と、未使用の触媒(B)の粉体とを混合した後、触媒(B)の活性成分を含む溶液を成形助剤と共に加えて、混練りし、成形、焼成する方法
これら▲1▼〜▲3▼の中で、▲2▼および▲3▼が好ましい。未使用の触媒(B)の活性成分を液状で添加した方が成形性が良いためである。
【0013】
劣化触媒の粉体の使用量は、製造する触媒重量の50重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがより好ましい。50重量%を超えて用いた場合、初期性能は回復するが、耐久性が低下するため好ましくない。未使用の触媒(B)を担体成分と活性成分に分けて使用する場合にも、最終的に得られる触媒の重量を計算できるので、その値から劣化触媒の粉体の使用量を算出することができる。
劣化触媒の粉体と未使用の触媒(B)の混合物を焼成する温度は350〜500℃であり、400〜480℃が好ましい。350℃より低温の場合には硫黄化合物の熱分解が不十分となる。また、500℃より高温の場合、活性成分のシンタリングや比表面積の低下を引き起こすため好ましくない。
【0014】
触媒(A)および(B)の組成は、金属酸化物を含むものであれば特に限定されず、従来使用されている触媒が好適に用いられる。特に、チタンの酸化物と、バナジウム酸化物と、タングステン酸化物および/またはモリブデン酸化物とを含む触媒が好適である。
触媒(A)と触媒(B)とは同じ組成である必要はなく、最終的に目的とする組成の触媒が得られるように、触媒(A)の組成と使用量、触媒(B)の組成(担体成分・活性成分)の量と使用量を調節することが好ましい。触媒(A)と触媒(B)の組成が異なっていても、製造工程において両者は均密に混合されるので、均一な組成の触媒を得ることができる。
【0015】
本発明により製造された触媒は、産業廃棄物や都市廃棄物などの焼却炉排ガスを処理する際、バグフィルター、電気集塵器、サイクロンなどの除塵装置を用いてダストを除去した後の排ガス処理において好適に用いられる。排ガスの組成については特に制限はないが、本発明の触媒は、有機ハロゲン化合物除去用触媒および脱硝触媒として非常に有用である。
本発明により製造された触媒を有機ハロゲン化合物除去用触媒として用いる場合、処理する排ガスの組成については、有機ハロゲン化合物を含むものであれば特に制限はないが、本発明の触媒は特にダイオキシン類(ポリハロゲン化ジベンゾダイオキシン、ポリハロゲン化ジベンゾフランおよびポリハロゲン化ビフェニルのうちから選ばれた少なくとも1種)やPCBを含む排ガスの処理に好適である。本発明の触媒を用いて有機ハロゲン化合物を除去するには、排ガスを130〜350℃の温度、好ましくは150〜250℃の温度で、本発明により製造された触媒と接触させることが望ましい。
【0016】
本発明により製造された触媒を脱硝触媒として用いる場合、本発明により製造された触媒をアンモニアや尿素などの還元剤の存在下、排ガスと接触させ、排ガス中の窒素酸化物を還元除去する。この際の条件については、特に制限がなく、この種の反応に一般的に用いられている条件で実施することができる。具体的には、排ガスの種類、性状、要求される窒素酸化物の分解率などを考慮して適宜決定すればよいが、温度は、130〜650℃であることが好ましい。排ガス温度が130℃より低いと脱硝効率が低下し、650℃を超えると活性成分のシンタリングなどの問題が起こる。
【0017】
【実施例】
[参考例1]
市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)18Kgに、メタバナジン酸アンモニウム1.29Kg、蓚酸1.68Kgを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム1.23Kgおよびモノエタノールアミン0.55Kgを水3リットルに溶解させた溶液とを加えてよく混合し、成形助剤と共に適量の水を加えつつ、ニーダーで混錬りした後、押出成形機で外形80mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、長さ500mmのハニカム状に成形した。次いで、80℃で乾燥した後、450℃、5時間空気雰囲気下で焼成して触媒A−1を得た。
【0018】
この触媒の組成は、TiO:V:MoO:=90:5:5(酸化物換算重量%)であった。
[参考例2]
参考例1において、パラモリブデン酸アンモニウムの代わりにパラタングステン酸アンモニウムを使用した以外は同様の方法で調製し、触媒B−1を得た。この触媒の組成は、TiO:V:WO:=90:5:5(酸化物換算重量%)であった。
[参考例3]
まず、チタニア−シリカ複合酸化物を次のように調製した。10重量%アンモニア水700リットルにスノーテックス−20(日産化学(株)製シリカゾル、約20重量%のSiO含有)21.3Kgを加え、攪拌、混合した後、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiOとして125g/リットル、硫酸濃度550g/リットル)340リットルを攪拌しなが徐々に滴下した。得られたゲルを3時間放置した後、ろ過、水洗し、続いて150℃で10時間乾燥した。これを500℃で焼成し、得られた粉体の組成はTiO:SiO=8.5:1.5(モル比)であった。
【0019】
次に、市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)5.4Kgと上記チタニア−シリカ複合酸化物12.6Kgをニーダーに投入後、攪拌してよく混合した。次いで、メタバナジン酸アンモニウム1.29Kg、蓚酸1.68Kgを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム1.23Kgおよびモノエタノールアミン0.55Kgを水3リットルに溶解させた溶液とを加えてよく混合し、成形助剤と共に適量の水を加えつつ、ニーダーで混錬りした後、押出成形機で外形80mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、長さ500mmのハニカム状に成形した。次いで、80℃で乾燥した後、450℃で5時間空気雰囲気下、焼成して触媒C−1を得た。
【0020】
この触媒の組成は、TiO2:チタニア−シリカ複合酸化物:V25:MoO3=27:63:5:5(酸化物換算重量%)であった。
[実施例1]
触媒A−1を用いて、ゴミ焼却炉の排ガスを流通して、8000時間曝露試験を行った。曝露条件を下記に示す。
空間速度:3000h-1、温度:210℃、
ダイオキシン類濃度:約1ng、O2:16%、H2O:10%、
SO2:20ppm、煤塵:100mg/Nm3
曝露試験後の触媒A−1の硫黄化合物付着量は、排ガス入口部、中央部、出口部でそれぞれ、6.9、3.4、2.3重量%(硫黄原子換算)であった。
【0021】
曝露試験後の触媒A−1をハンマーミルを用いて粉砕し、平均粒子径20μmの粉体を得た。この粉体4kgと市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)14.4Kgをニーダーに投入後、よく混合した。そこにメタバナジン酸アンモニウム1.03Kg、蓚酸1.24Kgおよびモノエタノールアミン0.27Kgを水4リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム0.98Kgおよびモノエタノールアミン0.39Kgを水3リットルに溶解させた溶液とを加えてよく混合し、成形助剤と適量の水を加えつつニーダーで混錬りした後、押出成形機で外形80mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、長さ500mmのハニカム状に成形した。次いで、80℃で乾燥した後、450℃で5時間空気雰囲気下、焼成して触媒A−2を得た。触媒A−2における触媒A−1の使用量は20重量%であった。
【0022】
[実施例2]
実施例1において、触媒A−1の代わりに触媒B−1を用いて曝露試験を実施し、触媒調製時にパラモリブデン酸アンモニウムの代わりにパラタングステン酸アンモニウムを用いた以外は、同様の方法で調製し、触媒B−2を得た。
曝露試験後の触媒B−1の硫黄化合物付着量は、排ガス入口部、中央部、出口部でそれぞれ、5.5、2.7、1.8重量%(硫黄原子換算)であった。
触媒B−2における触媒B−1の使用量は20重量%であった。
[実施例3]
実施例1において、触媒A−1の代わりに触媒C−1を用いて曝露試験を実施し、触媒調製時に酸化チタンとチタニア−シリカ複合酸化物を混合して調製した以外は、同様の方法で触媒C−2を得た。
【0023】
曝露試験後の触媒C−1の硫黄化合物付着量は、排ガス入口部、中央部、出口部でそれぞれ、4.6、2.2、1.5重量%(硫黄原子換算)であった。
触媒C−2における触媒C−1の使用量は20重量%であった。
[比較例1]
触媒A−1を用いて、実施例1と同様の曝露試験を行った後、触媒体積の10倍量の水に30分間浸漬し、80℃で乾燥後、450℃で空気雰囲気下、焼成し、触媒Dを得た。
[比較例2]
触媒A−1を用いて、実施例4と同様の曝露試験を行った後、450℃で20時間、空気雰囲気下、焼成して触媒Eを得た。
【0024】
[実施例4](ダイオキシン類分解性能評価)
参考例1〜3、実施例1〜3、比較例1〜2で調製した各触媒を用いて、下記の条件で、ダイオキシン類分解性能を測定した。初期性能、2000時間後、5000時間後の性能を表1に示す。
空間速度:3000h-1、温度:210℃、
ダイオキシン類濃度:約1ng、O2:16%、H2O:10%、
SO2:20ppm、煤塵:100mg/Nm3
なお、ダイオキシン類除去率は、次式に従って求めた。
【0025】
ダイオキシン類除去率(%)
=((入口ダイオキシン類濃度−出口ダイオキシン類濃度)
÷入口ダイオキシン類濃度)×100
【0026】
【表1】
Figure 0004578624
【0027】
[実施例5](脱硝性能評価)
参考例1〜3、実施例1〜3、比較例1〜2で調製した各触媒を用いて、下記の条件で、脱硝性能を測定した。初期性能、2000時間後、5000時間後の性能を表2に示す。
空間速度:15000h-1、温度:250℃、
NOx:100ppm、NH3:100ppm、O2:15%、
2O:10%、N2:残り
なお、脱硝率は、次式に従って求めた。
【0028】
脱硝率(%)
=((入口NOx濃度−出口NOx濃度)÷入口NOx濃度)×100
【0029】
【表2】
Figure 0004578624
【0030】
【発明の効果】
本発明によると、劣化した触媒の活性を効率良く回復させることで、性能の優れた触媒を低コストで製造することができる。

Claims (7)

  1. 金属酸化物を含む排ガス処理用触媒の製造方法であって、
    排ガス処理用触媒材料として、排ガス処理に使用されて硫黄化合物が付着し活性の劣化した金属酸化物を含む排ガス処理用触媒を粉砕することで得られる劣化触媒の粉体と未使用触媒の担体成分とを混合したのち未使用触媒の活性成分を加えたものを用いることとし、当該劣化触媒の粉体の使用量を、製造する触媒重量の50重量%以下とするとともに、
    触媒材料の焼成温度を350〜500℃とする、
    ことを特徴とする、排ガス処理用触媒の製造方法。
  2. 前記劣化触媒が、300℃未満での排ガス処理に使用されたものである、請求項1に記載の排ガス処理用触媒の製造方法。
  3. 前記劣化触媒および/または前記未使用触媒が、触媒活性成分として、チタンの酸化物と、バナジウム酸化物と、タングステン酸化物および/またはモリブデン酸化物とを含むものである、請求項1または2に記載の排ガス処理用触媒の製造方法。
  4. 除塵装置を用いて排ガス中のダストを除去した後の排ガス処理に用いられる触媒の製造方法である、請求項1から3までのいずれかに記載の排ガス処理用触媒の製造方法。
  5. 有機ハロゲン化合物除去用触媒の製造方法である、請求項1から4までのいずれかに記載の排ガス処理用触媒の製造方法。
  6. 有機ハロゲン化合物が、ポリハロゲン化ジベンゾダイオキシン、ポリハロゲン化ジベンゾフランおよびポリハロゲン化ビフェニルのうちから選ばれた少なくとも1種である、請求項5に記載の排ガス処理用触媒の製造方法。
  7. 脱硝触媒の製造方法である、請求項1から4までのいずれかに記載の排ガス処理用触媒の製造方法。
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