JP2003112047A - 排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法 - Google Patents

排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法

Info

Publication number
JP2003112047A
JP2003112047A JP2001305599A JP2001305599A JP2003112047A JP 2003112047 A JP2003112047 A JP 2003112047A JP 2001305599 A JP2001305599 A JP 2001305599A JP 2001305599 A JP2001305599 A JP 2001305599A JP 2003112047 A JP2003112047 A JP 2003112047A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
titanium
exhaust gas
molybdenum
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001305599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3860734B2 (ja
Inventor
Ryoji Kuma
涼慈 熊
Nobuyuki Masaki
信之 正木
Noboru Sugishima
昇 杉島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2001305599A priority Critical patent/JP3860734B2/ja
Publication of JP2003112047A publication Critical patent/JP2003112047A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3860734B2 publication Critical patent/JP3860734B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒素酸化物の除去性能に一層優れた脱硝触
媒、及び、排ガス中のダイオキシン類等の有機ハロゲン
化合物を効率良く除去するのに好適な触媒として優れた
排ガス処理用触媒、および、それを用いた排ガス処理方
法を提供する。 【解決手段】 本発明の排ガス処理用触媒は、チタンお
よびバナジウムの酸化物を含有する触媒であって、触媒
の比表面積が50〜200m2/gの範囲内にあり、か
つ、アナターゼチタン結晶化度が2〜40%の範囲内に
あることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス処理用触
媒、および排ガスの処理方法に関する。特に、排ガス中
の窒素酸化物(NOx)を除去するための脱硝触媒、及
び排ガス中のダイオキシン類などの毒性有機ハロゲン化
合物を除去するための有機ハロゲン化合物の除去用触媒
として優れた排ガス処理用触媒、および、それを用いた
排ガスの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在実用化されている排ガス中の窒素酸
化物除去方法としては、アンモニアまたは尿素などの還
元剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒上で接触
還元し、無害な窒素と水とに分解する選択的触媒還元い
わゆるSCR法が一般的である。近年、酸性雨に代表さ
れるように窒素酸化物による環境汚染が世界的に深刻化
するに伴い、脱硝技術の高効率化が要求されている。こ
のような状況下、チタンとバナジウムの酸化物およびモ
リブデン、タングステンなどの酸化物からなる脱硝触媒
(特公昭53−28148号公報)や、チタンおよびケ
イ素からなる二元系酸化物と、バナジウム、タングステ
ン、モリブデンなどの金属酸化物とからなる脱硝触媒
(特公昭57−30532号公報)が実用化され、現
在、広く用いられている。
【0003】これらの触媒は、いずれも優れた窒素酸化
物の除去性能を有し、かつ耐久性に優れているが、さら
に高性能な触媒が出現することは好ましいことである。
また、産業廃棄物や都市廃棄物を処理する焼却施設から
発生する排ガス中にはダイオキシン類、PCB、クロロ
フェノールなどの極微量の毒性有機ハロゲン化合物が含
まれており、特にダイオキシン類は微量であってもきわ
めて有毒であり、人体に重大な影響を及ぼすため、その
除去技術が早急に求められている。触媒分解法は最も有
効な技術のひとつであり、一般的にチタン、バナジウ
ム、タングステン、モリブデンなどの酸化物を含有する
触媒が用いられているが、排ガス条件によっては充分な
性能とはいえず、さらなる触媒性能の向上が望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、窒素酸化物の除去性能に一層優れた脱硝触媒、
及び、排ガス中のダイオキシン類等の有機ハロゲン化合
物を効率良く除去するのに好適な触媒として優れた排ガ
ス処理用触媒、および、それを用いた排ガス処理方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するべく鋭意検討を行った。その結果、チタンおよ
びバナジウムの酸化物を含有する触媒の比表面積を特定
の範囲内とし、かつ、アナターゼチタン結晶化度を特定
の範囲内として、比表面積とアナターゼチタン結晶化度
との2つの特性をバランス良く最適化することによっ
て、触媒性能(脱硝性能、ダイオキシン類分解性能)に
優れた、排ガス処理用触媒を提供できることを見出し
た。すなわち、本発明にかかる排ガス処理用触媒は、チ
タンおよびバナジウムの酸化物を含有する触媒であっ
て、触媒の比表面積が50〜200m2/gの範囲内に
あり、かつ、アナターゼチタン結晶化度が2〜40%の
範囲内にあることを特徴とする。
【0006】さらに、本発明にかかる排ガス処理方法
は、本発明の触媒を用いて窒素酸化物を含む排ガスを処
理することを特徴とする。また、本発明にかかる排ガス
処理方法は、本発明の触媒を用いて有機ハロゲン化合物
を含む排ガスを処理することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の排ガス処理用触媒は、チ
タンおよびバナジウムの酸化物を含有する触媒であっ
て、触媒の比表面積が50〜200m2/gの範囲内に
あり、かつ、アナターゼチタン結晶化度が2〜40%の
範囲内にあることを特徴とする。触媒の比表面積が50
〜200m2/gの範囲内とし、かつ、アナターゼチタ
ン結晶化度が2〜40%の範囲内とすることにより、触
媒性能(脱硝性能、ダイオキシン類分解性能)に優れた
排ガス処理触媒を得ることができる。触媒の比表面積と
アナターゼチタン結晶化度がこれら範囲内にないとき
は、本発明の効果が発現できないので好ましくない。
【0008】一般に、触媒の比表面積が高く、かつ、ア
ナターゼチタン結晶化度が高いほど、触媒性能が向上す
ることが予想されるが、従来の技術においてはそのよう
な触媒は得られておらず、例えば、比表面積を高めよう
と触媒を調製するとアナターゼチタン結晶化度が小さい
ものしか得られず、一方で、アナターゼチタン結晶化度
を高めようと触媒を調製すると比表面積が小さいものし
か得られていない。本発明においては、例えば後述する
ような特定の調製方法を用いることなどによって、初め
て、比表面積とアナターゼチタン結晶化度との2つの特
性をバランス良く最適化できることに想到し、触媒性能
(脱硝性能、ダイオキシン類分解性能)に優れた排ガス
処理用触媒を提供できることを見出したのである。
【0009】触媒の比表面積およびアナターゼチタン結
晶化度は、後述の実施例で述べるような、通常一般に行
われている方法で測定することができる。本発明におい
ては、触媒の比表面積が50〜200m2/gの範囲内
にあり、かつ、アナターゼチタン結晶化度が2〜40%
の範囲内にあることを特徴とするが、好ましくは、触媒
の比表面積が70〜180m2/gの範囲内にあり、か
つ、アナターゼチタン結晶化度が5〜30%の範囲内に
あること、より好ましくは、触媒の比表面積が80〜1
50m2/gの範囲内にあり、かつ、アナターゼチタン
結晶化度が10〜30%の範囲内にあることである。
【0010】本発明における触媒の比表面積およびアナ
ターゼチタン結晶化度は、後述の実施例で述べるよう
な、通常一般に行う方法で測定することができる。例え
ば、任意の触媒表面を少量切り出したものを測定試料と
し、この測定試料における特定部分について測定を行う
方法や、触媒が小さい場合にはそのまま測定試料とする
方法などが挙げられるが、特に限定されない。一般に、
触媒表面の任意の一部分において観察される状態は触媒
全体の状態をそのまま反映していると扱うことができ
る。なお、任意の数箇所の測定結果を平均してもよい。
【0011】本発明の排ガス処理用触媒は、チタンおよ
びバナジウムの酸化物を含有する触媒であり、触媒の製
造に常用される沈殿法、酸化物混合法、混練法、担持
法、含浸法などによって製造できる触媒であるが、本発
明の効果をより高めるために、好ましくは、モリブデン
の酸化物をも含む触媒である。本発明の排ガス処理用触
媒は、予め調製されたチタンとモリブデンからなる二元
系混合酸化物、および/または、予め調製されたチタ
ン、ケイ素およびモリブデンからなる三元系混合酸化物
を含有することが、本発明の効果をより高める点で好ま
しい。
【0012】予め調製されたチタンとモリブデンからな
る二元系混合酸化物を含有する場合の触媒の組成は、各
元素の酸化物換算重量比で、チタンの酸化物は好ましく
は55〜99.4重量%、より好ましくは60〜90重
量%、モリブデン酸化物は好ましくは0.5〜30重量
%、より好ましくは1〜25重量%、バナジウム酸化物
は好ましくは0.1〜15重量%である。また、予め調
製されたチタン、ケイ素およびモリブデンからなる三元
系混合酸化物を含有する場合の触媒の組成は、各元素の
酸化物換算重量比で、チタンの酸化物は好ましくは5〜
98.9重量%、より好ましくは10〜90重量%、ケ
イ素の酸化物は好ましくは0.5〜50重量%、より好
ましくは5〜50重量%、モリブデン酸化物は好ましく
は0.5〜30重量%、より好ましくは1〜25重量
%、バナジウム酸化物は好ましくは0.1〜15重量%
である。
【0013】チタン−モリブデン混合酸化物、および/
または、チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物を予め
調製することにより、チタン、ケイ素、モリブデンをよ
り均一に分散混合することができ、また、チタン、ケイ
素、モリブデンの相互作用が強められることにより高い
分解活性が得られるようになる。そのため、脱硝触媒と
して用いた場合には、脱硝性能が向上するものと考えら
れる。また、有機ハロゲン化合物の除去用触媒として用
いた場合には、排ガス中のダイオキシン類等の有機ハロ
ゲン化合物を効率良く除去することができるものと考え
られる。本発明の排ガス処理用触媒を調製するには、チ
タン化合物を含む水溶液またはスラリーと、モリブデン
化合物および/またはケイ素化合物とを混合した後、水
を除去する工程を含む製法により製造することが好まし
い。チタン化合物を含む水溶液またはスラリーから水を
除去する前(すなわち酸化チタンの結晶が生成する前)
に、モリブデン化合物および/またはケイ素化合物とを
加えることで、チタン−モリブデン混合酸化物、また
は、チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物を容易に得
ることができる。
【0014】具体的には、以下の調製方法が挙げられ
る。 (1)パラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸な
どのモリブデンの化合物を水中に分散させ、アンモニア
水を加える。得られたモリブデン水溶液を攪拌しつつ四
塩化チタン、硫酸チタン、テトラアルコキシチタンなど
の水溶性チタン化合物の液または水溶液を徐々に滴下
し、スラリーを得る。これを濾過、洗浄し、さらに乾燥
した後に高温で、好ましくは300〜600℃で、焼成
させることによりチタン−モリブデン混合酸化物が得ら
れる。チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物の場合
は、モリブデンとアンモニアの水溶液に予めシリカゾル
を加える。 (2)水溶性チタン化合物の水溶液にアンモニア水、水
等を加え加水分解してチタンの水酸化物を得る。これに
モリブデンの水溶液を加え、混練しつつ水分を蒸発させ
て乾燥し、さらに高温で、好ましくは300〜600℃
で、焼成させる。チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化
物の場合は上記チタン水酸化物へのモリブデン水溶液の
添加と同時にまたは順次、シリカゾルを上記チタン水酸
化物に加える。 (3)メタチタン酸スラリーにモリブデン化合物(及
び、チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物の場合はシ
リカゾル)を加え、混練しつつ水分を蒸発させて乾燥
し、さらに高温で、好ましくは300〜600℃で、焼
成させる。
【0015】上記の調製方法の中で、本発明の構成を発
現するためには、(1)の方法がより好ましい。さら
に、上記(1)の方法の場合には、共沈反応時の最終p
Hを6以下とするのが好ましく、より好ましくは2〜
6、さらに好ましくは3〜6、特に好ましくは3〜5で
ある。共沈反応時の最終pHをこのように調整すること
により、触媒の比表面積を大きく維持しつつアナターゼ
チタン結晶化度を高めることが促進され、本発明の効果
が得られやすい。チタン−モリブデン混合酸化物、また
は、チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物の供給源の
うち、チタン源としては、焼成してチタン酸化物を生成
するものであれば、無機および有機のいずれの化合物も
使用可能で、例えば、四塩化チタン、硫酸チタンなどの
無機チタン化合物または蓚酸チタン、テトライソプロピ
ルチタネートなどの有機チタン化合物を用いることがで
きる。ケイ素源としては、コロイド状シリカ、水ガラ
ス、微粒子ケイ素、四塩化ケイ素、シリカゲルなどの無
機ケイ素化合物およびテトラエチルシリケートなどの有
機ケイ素化合物から適宜選択して使用することができ
る。また、モリブデン源については、焼成によりモリブ
デン酸化物を生成するものであれば、無機および有機の
いずれの化合物でもよく、例えば、モリブデンを含む酸
化物、水酸化物、アンモニウム塩、ハロゲン化物などか
ら適宜用いることができ、具体的にはパラモリブデン酸
アンモニウム、モリブデン酸等が挙げられる。
【0016】このようにして得られたチタン−モリブデ
ン混合酸化物、および、チタン−ケイ素−モリブデン混
合酸化物は、それぞれを単独で用いても良いし、両者を
混合して用いても良いし、さらには他のチタンの酸化
物、例えば、酸化チタンと混合して使用してもよい。バ
ナジウム酸化物の供給原料としては、バナジウム酸化物
自体の他、焼成によってバナジウム酸化物を生成するも
のであれば、無機および有機のいずれの化合物も用いる
ことができる。例えば、バナジウムを含む水酸化物、ア
ンモニウム塩、蓚酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩などを用
いることができる。
【0017】バナジウム酸化物の添加方法は、特に限定
されず、上記のような調製方法で得られたチタン−モリ
ブデン混合酸化物および/またはチタン−ケイ素−モリ
ブデン混合酸化物の粉末にバナジウム源を含む水溶液
を、一般にこの種の成形を行う際に用いられる有機また
は無機の成形助剤と共に加え、混合、混錬しつつ加熱し
て水分を蒸発させ、押出し可能なペースト状とし、これ
を押出し成形機でハニカム状等に成形する。その後、乾
燥し空気中にて高温で焼成する方法が挙げられる。ま
た、別の方法として、上記のような調製方法で得られた
チタン−モリブデン混合酸化物および/またはチタン−
ケイ素−モリブデン混合酸化物を予め球状、円柱状のペ
レット、格子状のハニカムなどの形に成形、焼成した
後、バナジウム源を含む水溶液を含浸担持させる方法も
採用することができる。また、チタン−モリブデン混合
酸化物および/またはチタン−ケイ素−モリブデン混合
酸化物の粉体を酸化バナジウム粉体と直接混練する方法
で調製することもできる。
【0018】触媒の形状は、特に限定されるものではな
く、ハニカム状、板状、網状、円柱状、円筒状など所望
の形状に成形して使用することができる。また、アルミ
ナ、シリカ、コージェライト、ムライト、SiC、チタ
ニア、ステンレス鋼などからなるハニカム状、板状、網
状、円柱状、円筒状などの所望の形状の担体に担持して
使用してもよい。本発明の排ガス処理用触媒は、各種排
ガスの処理に用いられる。排ガスの組成については特に
制限はないが、本発明の触媒は、ボイラ、焼却炉、ガス
タービン、ディーゼルエンジンおよび各種工業プロセス
から排出される窒素酸化物の分解活性に優れるため、こ
れら窒素酸化物を含む排ガス処理に好適に用いられる。
【0019】本発明の触媒を用いて脱硝を行うには、本
発明の触媒をアンモニアや尿素などの還元剤の存在下、
排ガスと接触させ、排ガス中の窒素酸化物を還元除去す
る。この際の条件については、特に制限がなく、この種
の反応に一般的に用いられている条件で実施することが
できる。具体的には、排ガスの種類、性状、要求される
窒素酸化物の分解率などを考慮して適宜決定すればよ
い。なお、本発明の触媒を用いて脱硝を行う場合の排ガ
スの空間速度は、通常、100〜100000Hr
-1(STP)であり、好ましくは200〜50000H
-1(STP)である。100Hr-1未満では、処理装
置が大きくなりすぎるため非効率となり、一方1000
00Hr-1を超えると分解効率が低下する。また、その
際の温度は、100〜500℃であることが好ましく、
より好ましくは150〜400℃である。
【0020】また、本発明の触媒は、産業廃棄物や都市
廃棄物を処理する焼却施設から発生する、有機ハロゲン
化合物を含有する排ガスの処理にも好適に用いられる。
本発明の触媒を用いて有機ハロゲン化合物の処理を行う
には、本発明の触媒を、排ガスと接触させ、排ガス中の
有機ハロゲン化合物を分解除去する。この際の条件につ
いては、特に制限がなく、この種の反応に一般的に用い
られている条件で実施することができる。具体的には、
排ガスの種類、性状、要求される有機ハロゲン化合物の
分解率などを考慮して適宜決定すればよい。アンモニア
や尿素などの還元剤を添加することにより、同時に脱硝
することもできる。
【0021】なお、本発明の触媒を用いて有機ハロゲン
化合物の処理を行う場合の排ガスの空間速度は、通常、
100〜100000Hr-1(STP)であり、好まし
くは200〜50000Hr-1(STP)である。10
0Hr-1未満では、処理装置が大きくなりすぎるため非
効率となり、一方100000Hr-1を超えると分解効
率が低下する。また、その際の温度は、130〜500
℃であることが好ましく、より好ましくは150〜40
0℃である。
【0022】
【実施例】以下に実施例と比較例によりさらに詳細に本
発明を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるも
のではない。 (比表面積の測定)比表面積はBET法によって測定し
た。 (アナターゼチタン結晶化度の測定)アナターゼチタン
結晶化度の測定にはX線回折装置(リガクRU−30
0)を用い、標準サンプルとの相対比較により結晶化度
を算出した。
【0023】(実施例1) <チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物の調製>ま
ず、チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物を次のよう
に調製した。シリカゾル(スノーテックス−30、日産
化学社製、SiO2換算30wt%含有)6.7Kgと
工業用アンモニア水(25wt%NH3含有)103K
gと水53リットルの混合溶液に、モリブデン酸2.2
5Kgを加え、よく攪拌し、モリブデン酸を完全に溶解
させ、均一溶液を調製した。この溶液に硫酸チタニルの
硫酸溶液(テイカ社製、TiO2として70g/リット
ル、H2SO4として287g/リットル含有)228リ
ットルを、攪拌しながら徐々に滴下し、沈殿を生成させ
た後、適量のアンモニア水を加えてpHを4に調整し
た。この共沈スラリーを約20時間静置したのち、水で
十分洗浄した後、濾過し、100℃で1時間乾燥させ
た。さらに、空気雰囲気下、550℃で4時間焼成し、
さらにハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級して
平均粒子径10μmの粉体を得た。このようにして調製
したチタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物の組成は、
TiO2:SiO2:MoO3=80:10:10(酸化
物重量比)であった。
【0024】この粉体のアナターゼチタン結晶化度は1
4.7%、BET比表面積は120m2/gであった。 <バナジウム酸化物の添加>次に、8リットルの水にメ
タバナジン酸アンモニウム1.29Kgとシュウ酸1.
67Kgさらにモノエタノールアミン0.4Kgを混合
し、溶解させ、均一溶液を調製した。先に調製したチタ
ン−ケイ素−モリブデン混合酸化物粉体19Kgをニー
ダーに投入後、成形助材とともにバナジウム含有溶液を
加え、よく攪拌した。さらに適量の水を加えつつブレン
ダーでよく混合した後、連続ニーダーで十分混練りし、
ハニカム状に押し出し成形した。得られた成形物を60
℃で乾燥後、空気雰囲気下、450℃で5時間焼成して
目的の触媒(1)を得た。この時の組成は、重量比で、
チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物:V25=9
5:5(酸化物換算重量比で、TiO2:SiO2:Mo
3:V25=76:9.5:9.5:5)であった。
【0025】触媒(1)のアナターゼチタン結晶化度は
15.1%、BET比表面積は87m2/gであった。 (比較例1)市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品
名)、ミレニアム社製)20Kgに、メタバナジン酸ア
ンモニウム1.47Kg、シュウ酸1.8Kgを水5リ
ットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニ
ウム2.8Kgおよびモノエタノールアミン1.07K
gを水3リットルに溶解させた溶液とを加え、成形助材
とともに混合し、ニーダーで混練りした後、押出成形機
でハニカム状に成形した。得られた成形物を60℃で乾
燥後、空気雰囲気下、350℃で5時間焼成して目的の
触媒(2)を得た。この時の組成は、酸化物換算重量比
で、TiO2:MoO3:V25=85:10: 5であ
った。
【0026】触媒(2)のアナターゼチタン結晶化度は
43.0%、BET比表面積は32m2/gであった。 (脱硝性能試験および有機塩素化合物分解試験)実施例
1および比較例1で得られた触媒(1)、(2)を用い
て下記の条件で脱硝性能試験および有機塩素化合物分解
試験を行った。処理対象となる有機塩素化合物としては
クロロトエルエン(以下、CTと略す)を用いた。脱硝
率およびCT分解率は下記の式に従って求めた。 脱硝率(%)=[(反応器入口NOx濃度)−(反応器
出口NOx濃度)]÷(反応器入口NOx濃度)×10
0 CT分解率(%)=[(反応器入口CT濃度)−(反応
器出口CT濃度)]÷(反応器入口CT濃度)×100 <脱硝反応ガス組成> NOx:200ppm SO2:1000ppm NH3:200ppm O2:10% H2O:15% N2:バランス ガス温度:250℃ 空間速度:12000Hr-1 <CT分解反応ガス組成> CT:300ppm O2:10% H2O:15% N2:バランス ガス温度:170℃ 空間速度:2000Hr-1 得られた脱硝率及びCT分解率を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明によると、比表面積とアナターゼ
チタン結晶化度との2つの特性をバランス良く最適化す
ることによって、触媒性能(脱硝性能、ダイオキシン類
分解性能)に優れた排ガス処理触媒を得ることができ
る。そのため、脱硝触媒として用いた場合には、脱硝性
能が向上する。また、有機ハロゲン化合物の除去用触媒
として用いた場合には、排ガス中のダイオキシン類等の
有機ハロゲン化合物を効率良く除去することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉島 昇 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 3G091 AB04 AB15 BA00 BA01 BA14 BA39 GA02 GA03 GA04 GA05 GA06 GB01W GB01X GB10W GB17X 4D048 AA06 AA11 AB02 AC04 BA06X BA07X BA13X BA23X BA26X BA42X BB02 BB17 4G069 AA02 BA02B BB06A BB06B BC50A BC50B BC54A BC54B BC59A BC59B BD05B CA02 CA08 CA13 CA19 EA19 EC02X EC02Y EC03X EC22X EC22Y EC27

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンおよびバナジウムの酸化物を含有す
    る触媒であって、 触媒の比表面積が50〜200m2/gの範囲内にあ
    り、かつ、アナターゼチタン結晶化度が2〜40%の範
    囲内にあることを特徴とする、 排ガス処理用触媒。
  2. 【請求項2】モリブデンの酸化物をも含有する、請求項
    1に記載の排ガス処理用触媒。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の触媒を用いて窒
    素酸化物を含む排ガスを処理する、排ガス処理方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の触媒を用いて有
    機ハロゲン化合物を含む排ガスを処理する、排ガス処理
    方法。
JP2001305599A 2001-10-01 2001-10-01 排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法 Expired - Fee Related JP3860734B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001305599A JP3860734B2 (ja) 2001-10-01 2001-10-01 排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001305599A JP3860734B2 (ja) 2001-10-01 2001-10-01 排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003112047A true JP2003112047A (ja) 2003-04-15
JP3860734B2 JP3860734B2 (ja) 2006-12-20

Family

ID=19125365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001305599A Expired - Fee Related JP3860734B2 (ja) 2001-10-01 2001-10-01 排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3860734B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006132097A1 (ja) * 2005-06-09 2006-12-14 Nippon Shokubai Co., Ltd. チタン酸化物、排ガス処理用触媒および排ガスの浄化方法
JP2008264604A (ja) * 2007-04-16 2008-11-06 Nippon Shokubai Co Ltd 排ガス処理用触媒、当該触媒の製造方法及び当該触媒を用いた排ガス中の有機ハロゲン化合物の処理方法
KR100887249B1 (ko) 2007-11-09 2009-03-06 한국과학기술연구원 용매열합성 공정을 이용한 염소화 유기화합물 분해용바나디아-티타니아 촉매의 제조방법

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006132097A1 (ja) * 2005-06-09 2006-12-14 Nippon Shokubai Co., Ltd. チタン酸化物、排ガス処理用触媒および排ガスの浄化方法
JPWO2006132097A1 (ja) * 2005-06-09 2009-01-08 株式会社日本触媒 チタン酸化物、排ガス処理用触媒および排ガスの浄化方法
KR100944464B1 (ko) * 2005-06-09 2010-03-03 니폰 쇼쿠바이 컴파니 리미티드 티타늄 산화물, 배기 가스 처리용 촉매 및 배기 가스의정화 방법
US8173098B2 (en) 2005-06-09 2012-05-08 Nippon Shokubai Co., Ltd. Titanium oxide, catalyst for treating exhaust gas and method for purifying exhaust gas
CN101151096B (zh) * 2005-06-09 2014-05-07 株式会社日本触媒 钛氧化物、废气处理用催化剂及废气净化方法
JP2008264604A (ja) * 2007-04-16 2008-11-06 Nippon Shokubai Co Ltd 排ガス処理用触媒、当該触媒の製造方法及び当該触媒を用いた排ガス中の有機ハロゲン化合物の処理方法
KR100887249B1 (ko) 2007-11-09 2009-03-06 한국과학기술연구원 용매열합성 공정을 이용한 염소화 유기화합물 분해용바나디아-티타니아 촉매의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3860734B2 (ja) 2006-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100328892B1 (ko) 유기 할로겐 화합물을 제거하기 위한 촉매, 그의 제조방법및 유기 할로겐 화합물의 제거방법
KR100418225B1 (ko) 유기 할로겐화합물 제거용 촉매 및 유기 할로겐화합물의제거방법
JPWO2006132097A1 (ja) チタン酸化物、排ガス処理用触媒および排ガスの浄化方法
JP4113090B2 (ja) 排ガス処理方法
JP4098703B2 (ja) 窒素酸化物除去用触媒および窒素酸化物除去方法
KR100456748B1 (ko) 배기가스 처리용 촉매, 그 제조방법 및 배기가스 처리방법
JP4822740B2 (ja) 排ガス処理触媒および排ガス処理方法
JP2001286734A (ja) 塩素化有機化合物の分解方法および燃焼排ガスの処理方法
JP2003112047A (ja) 排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法
JP3739659B2 (ja) 排ガス処理用触媒、排ガスの処理方法、および排ガス処理用触媒の製造方法
JP3749078B2 (ja) 脱硝触媒および脱硝方法
JP3785310B2 (ja) 有機ハロゲン化合物分解触媒、その製造方法、および用途
JP3893014B2 (ja) 排ガス処理用触媒、その製造方法および排ガス処理方法
JP2006116537A (ja) 排ガスの処理方法
JP3868246B2 (ja) 排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法
JP4002437B2 (ja) 排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法
JP4499511B2 (ja) 窒素酸化物を含む排ガスの処理方法
JP3739032B2 (ja) 有機ハロゲン化合物の除去用触媒、その製造方法および有機ハロゲン化合物の除去方法
JP2002102696A (ja) 脱硝触媒およびこれを用いた排ガスの処理方法
JP2004081995A (ja) 脱硝触媒および当該触媒を用いた脱硝方法
JP4283092B2 (ja) 排ガス処理用触媒および排ガス処理方法
JP2001113170A (ja) 脱硝触媒の製造方法
JP3893020B2 (ja) 有機ハロゲン化合物の除去用触媒およびこれを用いた排ガスの処理方法
JP5038006B2 (ja) 排ガス処理用触媒、当該触媒の製造方法及び当該触媒を用いた排ガス中の有機ハロゲン化合物の処理方法
JP4098697B2 (ja) 排ガス処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060818

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060922

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3860734

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130929

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees