JP2004081995A - 脱硝触媒および当該触媒を用いた脱硝方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、脱硝触媒、および排ガスの処理方法に関する。特に、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去するための脱硝触媒、および、それを用いた排ガスの処理方法に関するものである。
【解決手段】本発明は、バナジウム酸化物を含有する触媒であって、バナジウムイオンの価数が4.9未満であることを特徴とする脱硝触媒、および当該触媒を用いた窒素酸化物を含有する排ガスを処理することを特徴とする排ガス処理方法である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱硝触媒、および排ガスの処理方法に関する。特に、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去するための脱硝触媒、および、それを用いた排ガスの処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在実用化されている排ガス中の窒素酸化物除去方法としては、アンモニアまたは尿素などの還元剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒上で接触還元し、無害な窒素と水とに分解する選択的触媒還元いわゆるSCR法が一般的である。近年、酸性雨に代表されるように窒素酸化物による環境汚染が世界的に深刻化するに伴い、脱硝技術の高効率化が要求されている。
【0003】
このような状況下、チタンとバナジウムの酸化物およびモリブデン、タングステンおよびケイ素からなる脱硝触媒(特公昭53−28148号公報)や、チタンおよびケイ素からなる二元系酸化物と、バナジウム、タングステン、モリブデンなどの金属酸化物とからなる脱硝触媒(特公昭57−30532号公報)が実用化され、現在、広く用いられている。
【0004】
これらの触媒は、いずれも優れた窒素酸化物の除去性能を有し、かつ耐久性に優れているが、近年の高機能触媒の要求に答えるべく、さらに高性能な触媒が出現することは好ましいことである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、窒素酸化物の除去性能に一層優れた脱硝触媒、および、それを用いた排ガス処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、バナジウム酸化物を含有し、バナジウムイオンの価数を4.9未満とすることにより、脱硝性能に優れた脱硝触媒を提供できることを見出した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の脱硝触媒は、バナジウム酸化物を含有する触媒であって、バナジウムイオンの価数が4.9未満、好ましくは4.8価未満、より好ましくは4.7未満、さらに好ましくは4.6未満である事を特徴とする。
【0008】
脱硝反応は酸化還元反応であるため、バナジウムを活性種とする触媒の活性は、活性点の酸化還元(V5+⇔V4+)が活発であるほど高活性・高耐久性であると予想される。従来の技術で調製された触媒ではバナジウム種はV5+(V)として存在しており、V5+は安定であるために酸化還元の効率が低く、十分な触媒活性が得られない。この考えに基づき、触媒上に予めV4+を生成させることを試みたところ、バナジウムの酸化還元の効率が向上し、脱硝性能および耐久性が著しく高まることを見出した。この時、V4+が生成されると同時に、触媒全体のバナジウムの電子状態が均等化され、全体のバナジウム価数がV4+の生成量に応じて低下する。つまり、触媒上のバナジウムイオンの価数が4.9未満ということは、全バナジウム種中に占めるV4+の割合が10%より多いことと等価である。本発明においては、例えば後述の調製方法を用いることによってV4+をあらかじめ触媒上に存在させることができ、酸化還元の効率を高めることによって脱硝性能および耐久性に優れた排ガス処理用触媒を提供できる。
【0009】
バナジウム価数の評価方法については特に限定しないが、広く用いられている方法としてX線光電子分光法(XPS)が挙げられ、他の方法に比べ精度、信頼性ともに高い。実際には、以下の手順で測定・解析した。
【0010】
XPSの測定には JEOL JPS−9000MX を用い、MgをX線源として使用し、ピーク位置は炭素を基準として補正した。少量のサンプルをプレスして装置内に導入し、高真空に達したことを確認したのちに、加速電圧 10 kV、エミッション電流 10 mA、スキャン回数 50回の条件で測定した。イオンスパッタリングは試料の状態を変えるおそれがあるため行わなかった。
【0011】
バナジウムの2p電子に帰属されるピークのバックグラウンドスペクトルをShirley法で除去し、Gauss−Lorentz関数でカーブフィットすることによりピークをV5+(ピーク位置517.4 eV±0.3 eV)とV4+(ピーク位置516.4 eV±0.5 eV)とに分離した。バナジウムの価数は、以下の式から求めた。
(Vの価数)=4×(V4+のピーク面積)÷(V4+とV5+のピーク面積の合計)+5×(V5+のピーク面積)÷(V4+とV5+のピーク面積の合計)バナジウムの価数を求める方法として、バナジウムのXPSピークのエネルギーシフトを用いて評価することもできるが、誤差が大きいため、上記の方法で評価することが好ましい。
【0012】
本発明の排ガス処理用触媒は、具体的には以下の方法により得られる。
【0013】
(A)担体物質の粉末に、バナジウム源を含む水溶液を、有機または無機の成形助材とともに加え、混練してハニカム状等に成形する。これに、還元剤(水素・一酸化炭素・炭化水素など)の存在下で焼成する、窒素雰囲気下で焼成する、低酸素濃度で焼成するなどの還元処理を施す。
【0014】
(B)担体物質の粉末を予め球状・円柱状ペレット・ハニカム状等に成形、焼成した後、バナジウム源を含む水溶液を含浸担持させる。これに、還元剤(水素・一酸化炭素・炭化水素など)の存在下で焼成する、窒素雰囲気下で焼成する、低酸素濃度で焼成するなどの還元処理を施す。
【0015】
(C)担体物質の粉末をV、VO、V等のバナジウム酸化物粉体と直接混練する。これに、還元剤(水素・一酸化炭素・炭化水素など)の存在下で焼成する、窒素雰囲気下で焼成する、低酸素濃度で焼成するなどの還元処理を施す。
【0016】
(D)V4+が形成され易い担体にバナジウムを一般的な添加方法(混練法、含浸法など)で担持する。これに、還元剤(水素・一酸化炭素・炭化水素など)の存在下で焼成する、窒素雰囲気下で焼成する、低酸素濃度で焼成するなどの還元処理を施してもよい。
【0017】
上記(A)〜(D)に示した、低酸素濃度とは、炉内酸素濃度18%以下である事が好ましく、16%以下である事がより好ましい。上記の方法の中で、本発明の効果をより高めるためには、(D)の方法がより好ましい。
【0018】
上記(A)〜(C)の調製方法に使用する担体物質としては、特に限定されるものではなく、例えばチタニア、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの酸化物および2種以上の金属酸化物からなる複合酸化物(Ti−Si、Ti−Al、Ti−Zn、Si−Al、Si−Zr、Al−Zr等)、天然鉱物(カオリン、タルク、パーライト、ケイソウ土、マイカ、セピオライト、石こう等)、ゼオライト等を用いることができる。また、これらのうち2種類以上を混合して使用してもよい。このうち、チタニア、Ti−Si複合酸化物など、チタン酸化物を含むことがより好ましい。
【0019】
また、上記(D)のV4+が形成され易い担体として、例えばチタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物が挙げられる。モリブデンがチタニア内部に均一に高分散されることにより担体の電子状態が変化し、担体とバナジウムの相互作用が強められることにより、V4+が形成され易くなる。
【0020】
チタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物粉体の具体的な調製方法としては、以下の方法が挙げられる。
【0021】
(1)パラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸等のモリブデンの化合物を水中に分散させ、アンモニア水およびシリカゾルを加える。選られたモリブデンの水溶液を攪拌しつつ四塩化チタン、硫酸チタン、テトラアルコキシチタンなどの水溶性チタン化合物の液または水溶液を徐々に滴下し、スラリーを得る。これを濾過・洗浄し、さらに乾燥した後に高温で、好ましくは300〜600℃で、焼成させることによりチタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物が得られる。
【0022】
(2)水溶性チタン化合物の水溶液にアンモニア水、シリカゾル、水等を加えて加水分解してチタンの水酸化物を得る。これにモリブデンの水溶液を加え、混練しつつ水分を蒸発させて乾燥し、さらに高温で、好ましくは300〜600℃で、焼成させる。
【0023】
(3)メタチタン酸スラリーにモリブデンの水溶液およびシリカゾルを加え、混練しつつ水分を蒸発させて乾燥し、さらに高温で、好ましくは300〜600℃で、焼成させる。
【0024】
上記の方法の中で、本発明の効果をより高めるためには、(1)の方法がより好ましい。さらに、上記(1)の方法の場合には、共沈反応時の最終pHを6以下とすることが好ましく、より好ましくはpH2〜6、さらに好ましくはpH3〜6、特に好ましくはpH3〜5である。共沈反応時の最終pHを2未満とするとチタンが溶解するために目的の複合酸化物が得られないため、好ましくない。また、pHを6より高くするとチタニア内部に取り込まれたモリブデンが粒子表面に析出したり水相に溶出したりするため、目的の複合酸化物が得られず、十分な効果が発揮できない。
【0025】
チタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物のチタンの供給原料としては、焼成してチタン酸化物を生成するものであれば、無機および有機いずれの化合物も使用可能で、例えば、四塩化チタン、硫酸チタンなどの無機チタン化合物またはシュウ酸チタン、テトライソプロピルチタネートなどの有機チタン化合物を用いることができる。ケイ素源としては、コロイド状シリカ、水ガラス、微粒子ケイ素、四塩化ケイ素、シリカゲルなどの無機ケイ素化合物およびテトラエチルシリケートなどの有機ケイ素化合物から適宜選択して使用することができる。また、モリブデン源については、焼成によりモリブデン酸化物を生成するものであれば、無機および有機いずれの化合物でもよく、例えば、モリブデンを含む酸化物、水酸化物、アンモニウム塩、ハロゲン化物などから適宜用いることができ、具体的にはパラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸等が挙げられる。
【0026】
チタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物を含有する場合の触媒の組成は、各元素の酸化物換算重量比で、チタンの酸化物は好ましくは5〜98.9重量%、より好ましくは10〜90重量%、ケイ素の酸化物は好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは5〜50重量%、モリブデン酸化物は好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%である。
【0027】
上記(A)〜(D)の触媒調製方法のバナジウム酸化物の供給原料としては、V、VO、V等のバナジウム酸化物自体の他、焼成によってバナジウム酸化物を生成するものであれば、無機および有機のいずれの化合物も用いることができる。例えば、バナジウム水酸化物、アンモニウム塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩などを用いることができる。また、これらのうち2種類以上を混合して使用してもよい。いずれの原料を使用しても、本発明の方法で調製すれば、V4+をあらかじめ触媒上に存在させることができる。
【0028】
また、上記(A)〜(D)の触媒調製方法のバナジウム酸化物の含有量は好ましくは0.1〜25重量%、より好ましくは1〜15重量%である。
【0029】
さらに、Na、K、Ca、Ba、Mo、W、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Nb、Sn、Ta、La、Ce、Ag、Au、Pd、Pt、Rh、Ru、Ir等、バナジウム以外の成分を1種類以上含有してもよい。
【0030】
触媒の形状は、特に限定されるものではなく、ハニカム状、板状、網状、円柱状、円筒状など所望の形状に成形して使用することができる。また、アルミナ、シリカ、コージェライト、ムライト、SiC、チタニア、ステンレス鋼などからなるハニカム状、板状、網状、円柱状、円筒状など所望の形状の担体に担持して使用してもよい。
【0031】
本発明の排ガス処理用触媒は、各種排ガスの処理に用いられる。排ガスの組成については特に制限はないが、本発明の触媒は、ボイラ、焼却炉、ガスタービン、ディーゼルエンジンおよび各種工業プロセスから排出される窒素酸化物の分解活性に優れるため、これら窒素酸化物を含む排ガス処理に好適に用いられる。
【0032】
本発明の触媒を用いて脱硝を行うには、本発明の触媒をアンモニアや尿素などの還元剤の存在下、排ガスと接触させ、排ガス中の窒素酸化物を還元除去する。この際の条件については、特に制限が無く、この種の反応に一般的に用いられている条件で実施することができる。具体的には、排ガスの種類、性状、要求される窒素酸化物の分解率などを考慮して適宜決定すればよい。
【0033】
なお、本発明の触媒を用いて脱硝を行う場合の排ガスの空間速度は、通常、100〜100000Hr−1(STP)であり、好ましくは200〜50000Hr−1(STP)である。100Hr−1未満では、処理装置が大きくなりすぎるため非効率となり、一方100000Hr−1を超えると分解効率が低下する。また、その際の温度は、100〜500℃である事が好ましく、より好ましくは150〜400℃である。
【0034】
【実施例】以下に実施例と比較例により更に詳細に本発明を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0035】
【実施例1】
<チタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物の調製>
まず、チタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物を次のように調製した。シリカゾル(スノーテックス−30、日産化学社製、SiO換算30wt%含有)6.7Kgと工業用アンモニア水(25wt%NH含有)103Kgと水58リットルの混合溶液に、モリブデン酸2.25Kgを加え、よく攪拌し、モリブデン酸を完全に溶解させ、均一溶液を調製した。この溶液に硫酸チタニルの硫酸溶液( テイカ社製、TiOとして70g/リットル、HSOとして287g/リットル含有)228リットルを、攪拌しながら徐々に滴下し、沈殿を生成させた後、適量のアンモニア水を加えてpHを4に調整した。この共沈スラリーを約20時間静置したのち、水で十分洗浄した後、濾過し、100℃で1時間乾燥させた。さらに、空気雰囲気下、550℃で4時間焼成し、さらにハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級して平均粒子径10μmの粉体を得た。このようにして調製したチタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物の組成は、チタン酸化物:ケイ素酸化物:モリブデン酸化物=80:10:10(重量比)であった。<バナジウム酸化物の添加>
次に、8リットルの水にメタバナジン酸アンモニウム1.29Kgとシュウ酸1.67Kgさらにモノエタノールアミン0.4Kgを混合し、溶解させ、均一溶液を調製した。先に調製したチタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物粉体19Kgをニーダーに投入後、有機バインダー(合計1.5Kg)などの成形助材とともにバナジウム含有溶液を加え、よく攪拌した。さらに適量の水を加えつつブレンダーでよく混合した後、連続ニーダーで十分混練りし、ハニカム状に押し出し成形した。得られた成形物を60℃で乾燥後、炉内酸素濃度をやや還元雰囲気である15%として、450℃で5時間焼成して目的の触媒(1)を得た。この時の組成は、重量比で、チタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物:バナジウム酸化物=95:5(重量比で、 チタン酸化物:ケイ素酸化物:モリブデン酸化物:バナジウム酸化物=76:9.5:9.5:5)であった。触媒(1)のバナジウムの価数は4.35であった(図1)。
【0036】
【実施例2】
<チタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物の調製>
まず、チタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物を次のように調製した。シリカゾル(スノーテックス−30、日産化学社製、SiO換算30wt%含有)6.7Kgと工業用アンモニア水(25wt%NH含有)110Kgと水58リットルの混合溶液に、モリブデン酸2.25Kgを加え、よく攪拌し、モリブデン酸を完全に溶解させ、均一溶液を調製した。この溶液に硫酸チタニルの硫酸溶液( テイカ社製、TiOとして70g/リットル、HSOとして287g/リットル含有)228リットルを、攪拌しながら徐々に滴下し、沈殿を生成させた後、適量のアンモニア水を加えてpHを7に調整した。この共沈スラリーを約20時間静置したのち、水で十分洗浄した後、濾過し、100℃で1時間乾燥させた。さらに、空気雰囲気下、550℃で4時間焼成し、さらにハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級して平均粒子径10μmの粉体を得た。このようにして調製したチタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物の組成は、チタン酸化物:ケイ素酸化物:モリブデン酸化物=80:10:10(重量比)であった。<バナジウム酸化物の添加>
次に、8リットルの水にメタバナジン酸アンモニウム1.29Kgとシュウ酸1.67Kgさらにモノエタノールアミン0.4Kgを混合し、溶解させ、均一溶液を調製した。先に調製したチタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物粉体19Kgをニーダーに投入後、有機バインダー(合計1.5Kg)などの成形助材とともにバナジウム含有溶液を加え、よく攪拌した。さらに適量の水を加えつつブレンダーでよく混合した後、連続ニーダーで十分混練りし、ハニカム状に押し出し成形した。得られた成形物を60℃で乾燥後、炉内酸素濃度をやや還元雰囲気である15%として、450℃で5時間焼成して目的の触媒(2)を得た。この時の組成は、重量比で、チタン−ケイ素−モリブデン複合酸化物:V=95:5(重量比で、 チタン酸化物:ケイ素酸化物:モリブデン酸化物:バナジウム酸化物=76:9.5:9.5:5)であった。触媒(2)のバナジウムの価数はは4.66であった。
【0037】
【実施例3】
市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)20Kgに、メタバナジン酸アンモニウム1.47Kg、シュウ酸1.8Kgを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム2.8Kgおよびモノエタノールアミン1.07Kgを水3リットルに溶解させた溶液とを加え、有機バインダー(合計3Kg)などの成形助材とともに混合し、ニーダーで混練りした後、押出成形機でハニカム状に成形した。得られた成形物を60℃で乾燥後、炉内酸素濃度をやや還元雰囲気である15%として、450℃で5時間焼成して目的の触媒(3)を得た。この時の組成は、酸化物換算重量比で、チタン酸化物:モリブデン酸化物:バナジウム酸化物=85:10: 5(重量比)であった。触媒(3)のバナジウムの価数は4.75であった。
【0038】
【実施例4】
市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)20Kgに、市販のV結晶粉体1.2Kgと、市販のMoO結晶粉体2.4Kgを加え、有機バインダー(合計3Kg)などの成形助材および必要量の水とともに混合し、ニーダーで混練りした後、押出成形機でハニカム状に成形した。得られた成形物を60℃で乾燥後、炉内酸素濃度をやや還元雰囲気である15%として、450℃で5時間焼成して目的の触媒(4)を得た。この時の組成は、酸化物換算重量比で、チタン酸化物:モリブデン酸化物:バナジウム酸化物=85:10: 5(重量比)であった。触媒(4)のバナジウムの価数はは4.83であった。
【比較例1】
市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)20Kgに、市販のV結晶粉体1.2Kgと、市販のMoO結晶粉体2.4Kgを加え、有機バインダー(合計1.5Kg)などの成形助材および必要量の水とともに混合し、ニーダーで混練りした後、押出成形機でハニカム状に成形した。得られた成形物を60℃で乾燥後、空気雰囲気下(炉内酸素濃度20%)、450℃で5時間焼成して目的の触媒(5)を得た。この時の組成は、酸化物換算重量比で、チタン酸化物:モリブデン酸化物:バナジウム酸化物=85:10: 5であった。触媒(5)のバナジウムの価数は4.95であった(図2)。
(脱硝性能試験)
実施例1〜4および比較例1で得られた触媒(1)〜(5)を用いて下記の条件で脱硝性能試験を行った。
<脱硝反応ガス組成>
NOx:200ppm、SO:50ppm、NH:200ppm、O:10%、HO:15%、N:バランス
ガス温度:180℃、空間速度:9000Hr−1
なお、脱硝率は下記の式に従って求めた。
脱硝率(%)={(反応器入口NOx濃度)−(反応器出口NOx濃度)}÷(反応器入口NOx濃度)×100
得られた脱硝率を表1に示した。
【0039】
【表1】
Figure 2004081995
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る触媒におけるバナジウムのXPSのチャートを示すものである。実測チャート(波形)を5価のバナジウム(左側)と4価のバナジウム(右側)の波形成分に分けて図示したものである。
図1のピークの波形成分は、右側のピークである4価のバナジウムのピークが、左側のピークである5価のピークより高いことが判る。
【図2】比較例1に係る触媒におけるバナジウムのXPSのチャートわ示すものである。実測チャートを5価のバナジウム(左側)と4価のバナジウム(右側)の成分に分けて図示したものである。
図2のピークの波形成分は、右側の4価のバナジウムの成分は少なく、左側の5価のピークと重なるものであることより、殆どが5価のバナジウムにより構成されていることが判る。
図の説明
図1、図2とも横軸は、バナジウムの酸化度合いを示すものである。単位はeV(エレクトロン・ボルト)である。縦軸は電子線の強度を示すものである。

Claims (2)

  1. バナジウム酸化物を含有する触媒であって、バナジウムイオンの価数が4.9未満であることを特徴とする脱硝触媒。
  2. 請求項1に記載の触媒を用いて窒素酸化物を含む排ガスを処理することを特徴とする排ガス処理方法。
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