JP3860734B2 - 排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法 - Google Patents

排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス処理用触媒、および排ガスの処理方法に関する。特に、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去するための脱硝触媒、及び排ガス中のダイオキシン類などの毒性有機ハロゲン化合物を除去するための有機ハロゲン化合物の除去用触媒として優れた排ガス処理用触媒、および、それを用いた排ガスの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在実用化されている排ガス中の窒素酸化物除去方法としては、アンモニアまたは尿素などの還元剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒上で接触還元し、無害な窒素と水とに分解する選択的触媒還元いわゆるSCR法が一般的である。
近年、酸性雨に代表されるように窒素酸化物による環境汚染が世界的に深刻化するに伴い、脱硝技術の高効率化が要求されている。
このような状況下、チタンとバナジウムの酸化物およびモリブデン、タングステンなどの酸化物からなる脱硝触媒(特公昭53−28148号公報)や、チタンおよびケイ素からなる二元系酸化物と、バナジウム、タングステン、モリブデンなどの金属酸化物とからなる脱硝触媒(特公昭57−30532号公報)が実用化され、現在、広く用いられている。
【0003】
これらの触媒は、いずれも優れた窒素酸化物の除去性能を有し、かつ耐久性に優れているが、さらに高性能な触媒が出現することは好ましいことである。
また、産業廃棄物や都市廃棄物を処理する焼却施設から発生する排ガス中にはダイオキシン類、PCB、クロロフェノールなどの極微量の毒性有機ハロゲン化合物が含まれており、特にダイオキシン類は微量であってもきわめて有毒であり、人体に重大な影響を及ぼすため、その除去技術が早急に求められている。触媒分解法は最も有効な技術のひとつであり、一般的にチタン、バナジウム、タングステン、モリブデンなどの酸化物を含有する触媒が用いられているが、排ガス条件によっては充分な性能とはいえず、さらなる触媒性能の向上が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、窒素酸化物の除去性能に一層優れた脱硝触媒、及び、排ガス中のダイオキシン類等の有機ハロゲン化合物を効率良く除去するのに好適な触媒として優れた排ガス処理用触媒、および、それを用いた排ガス処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、チタン、ケイ素およびモリブデンの三元系混合酸化物とバナジウムの酸化物を含有する触媒の比表面積を特定の範囲内とし、かつ、アナターゼチタン結晶化度を特定の範囲内として、比表面積とアナターゼチタン結晶化度との2つの特性をバランス良く最適化することによって、触媒性能(脱硝性能、ダイオキシン類分解性能)に優れた、排ガス処理用触媒を提供できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明にかかる排ガス処理用触媒は、チタン、ケイ素およびモリブデンの三元系混合酸化物とバナジウムの酸化物を含有する触媒であって、触媒の比表面積が50〜200m/gの範囲内にあり、かつ、アナターゼチタン結晶化度が5〜30%の範囲内にあることを特徴とする。
【0006】
さらに、本発明にかかる排ガス処理方法は、本発明の触媒を用いて窒素酸化物を含む排ガスを処理することを特徴とする。
また、本発明にかかる排ガス処理方法は、本発明の触媒を用いて有機ハロゲン化合物を含む排ガスを処理することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の排ガス処理用触媒は、チタン、ケイ素およびモリブデンの三元系混合酸化物とバナジウムの酸化物を含有する触媒であって、触媒の比表面積が50〜200m/gの範囲内にあり、かつ、アナターゼチタン結晶化度が5〜30%の範囲内にあることを特徴とする。
触媒の比表面積が50〜200m/gの範囲内とし、かつ、アナターゼチタン結晶化度が5〜30%の範囲内とすることにより、触媒性能(脱硝性能、ダイオキシン類分解性能)に優れた排ガス処理触媒を得ることができる。触媒の比表面積とアナターゼチタン結晶化度がこれら範囲内にないときは、本発明の効果が発現できないので好ましくない。
【0008】
一般に、触媒の比表面積が高く、かつ、アナターゼチタン結晶化度が高いほど、触媒性能が向上することが予想されるが、従来の技術においてはそのような触媒は得られておらず、例えば、比表面積を高めようと触媒を調製するとアナターゼチタン結晶化度が小さいものしか得られず、一方で、アナターゼチタン結晶化度を高めようと触媒を調製すると比表面積が小さいものしか得られていない。本発明においては、例えば後述するような特定の調製方法を用いることなどによって、初めて、比表面積とアナターゼチタン結晶化度との2つの特性をバランス良く最適化できることに想到し、触媒性能(脱硝性能、ダイオキシン類分解性能)に優れた排ガス処理用触媒を提供できることを見出したのである。
【0009】
触媒の比表面積およびアナターゼチタン結晶化度は、後述の実施例で述べるような、通常一般に行われている方法で測定することができる。
本発明においては、触媒の比表面積が50〜200m/gの範囲内にあり、かつ、アナターゼチタン結晶化度が5〜30%の範囲内にあることを特徴とするが、好ましくは、触媒の比表面積が70〜180m/gの範囲内にあり、かつ、アナターゼチタン結晶化度が10〜30%の範囲内にあること、より好ましくは、触媒の比表面積が80〜150m/gの範囲内にあることである。
【0010】
本発明における触媒の比表面積およびアナターゼチタン結晶化度は、後述の実施例で述べるような、通常一般に行う方法で測定することができる。例えば、任意の触媒表面を少量切り出したものを測定試料とし、この測定試料における特定部分について測定を行う方法や、触媒が小さい場合にはそのまま測定試料とする方法などが挙げられるが、特に限定されない。
一般に、触媒表面の任意の一部分において観察される状態は触媒全体の状態をそのまま反映していると扱うことができる。なお、任意の数箇所の測定結果を平均してもよい。
【0011】
本発明の排ガス処理用触媒は、チタン、ケイ素およびモリブデンの三元系混合酸化物とバナジウムの酸化物を含有する触媒であり、触媒の製造に常用される沈殿法、酸化物混合法、混練法、担持法、含浸法などによって製造することができる。
本発明の排ガス処理用触媒は、予め調製されたチタン、ケイ素およびモリブデンからなる三元系混合酸化物を含有することが、本発明の効果をより高める点で好ましい。
【0012】
め調製されたチタン、ケイ素およびモリブデンからなる三元系混合酸化物を含有する場合の触媒の組成は、各元素の酸化物換算重量比で、チタンの酸化物は好ましくは5〜98.9重量%、より好ましくは10〜90重量%、ケイ素の酸化物は好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは5〜50重量%、モリブデン酸化物は好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%、バナジウム酸化物は好ましくは0.1〜15重量%である。
【0013】
タン−ケイ素−モリブデン混合酸化物を予め調製することにより、チタン、ケイ素、モリブデンをより均一に分散混合することができ、また、チタン、ケイ素、モリブデンの相互作用が強められることにより高い分解活性が得られるようになる。そのため、脱硝触媒として用いた場合には、脱硝性能が向上するものと考えられる。また、有機ハロゲン化合物の除去用触媒として用いた場合には、排ガス中のダイオキシン類等の有機ハロゲン化合物を効率良く除去することができるものと考えられる。
本発明の排ガス処理用触媒を調製するには、チタン化合物を含む水溶液またはスラリーと、モリブデン化合物およびケイ素化合物とを混合した後、水を除去する工程を含む製法により製造することが好ましい。チタン化合物を含む水溶液またはスラリーから水を除去する前(すなわち酸化チタンの結晶が生成する前)に、モリブデン化合物およびケイ素化合物を加えることで、チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物を容易に得ることができる。
【0014】
具体的には、以下の調製方法が挙げられる。
(1)パラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸などのモリブデンの化合物を水中に分散させ、アンモニア水を加える。得られたモリブデン水溶液を攪拌しつつ、予めシリカゾルを加えてから、四塩化チタン、硫酸チタン、テトラアルコキシチタンなどの水溶性チタン化合物の液または水溶液を徐々に滴下し、スラリーを得る。これを濾過、洗浄し、さらに乾燥した後に高温で、好ましくは300〜600℃で、焼成させることによりチタン−モリブデン混合酸化物が得られる
(2)水溶性チタン化合物の水溶液にアンモニア水、水等を加え加水分解してチタンの水酸化物を得る。これにモリブデンの水溶液を加え、さらに、これと同時に、または順次、シリカゾルを加えて、混練しつつ水分を蒸発させて乾燥し、さらに高温で、好ましくは300〜600℃で、焼成させる
(3)メタチタン酸スラリーにモリブデン化合物シリカゾルを加え、混練しつつ水分を蒸発させて乾燥し、さらに高温で、好ましくは300〜600℃で、焼成させる。
【0015】
上記の調製方法の中で、本発明の構成を発現するためには、(1)の方法がより好ましい。
さらに、上記(1)の方法の場合には、共沈反応時の最終pHを6以下とするのが好ましく、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜6、特に好ましくは3〜5である。共沈反応時の最終pHをこのように調整することにより、触媒の比表面積を大きく維持しつつアナターゼチタン結晶化度を高めることが促進され、本発明の効果が得られやすい。
タン−ケイ素−モリブデン混合酸化物の供給源のうち、チタン源としては、焼成してチタン酸化物を生成するものであれば、無機および有機のいずれの化合物も使用可能で、例えば、四塩化チタン、硫酸チタンなどの無機チタン化合物または蓚酸チタン、テトライソプロピルチタネートなどの有機チタン化合物を用いることができる。ケイ素源としては、コロイド状シリカ、水ガラス、微粒子ケイ素、四塩化ケイ素、シリカゲルなどの無機ケイ素化合物およびテトラエチルシリケートなどの有機ケイ素化合物から適宜選択して使用することができる。また、モリブデン源については、焼成によりモリブデン酸化物を生成するものであれば、無機および有機のいずれの化合物でもよく、例えば、モリブデンを含む酸化物、水酸化物、アンモニウム塩、ハロゲン化物などから適宜用いることができ、具体的にはパラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸等が挙げられる。
【0016】
このようにして得られたチタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物は、単独で用いても良いし、他のチタンの酸化物、例えば、酸化チタンと混合して使用してもよい。
バナジウム酸化物の供給原料としては、バナジウム酸化物自体の他、焼成によってバナジウム酸化物を生成するものであれば、無機および有機のいずれの化合物も用いることができる。例えば、バナジウムを含む水酸化物、アンモニウム塩、蓚酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩などを用いることができる。
【0017】
バナジウム酸化物の添加方法は、特に限定されず、上記のような調製方法で得られたチタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物の粉末にバナジウム源を含む水溶液を、一般にこの種の成形を行う際に用いられる有機または無機の成形助剤と共に加え、混合、混錬しつつ加熱して水分を蒸発させ、押出し可能なペースト状とし、これを押出し成形機でハニカム状等に成形する。その後、乾燥し空気中にて高温で焼成する方法が挙げられる。また、別の方法として、上記のような調製方法で得られたチタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物を予め球状、円柱状のペレット、格子状のハニカムなどの形に成形、焼成した後、バナジウム源を含む水溶液を含浸担持させる方法も採用することができる。また、チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物の粉体を酸化バナジウム粉体と直接混練する方法で調製することもできる。
【0018】
触媒の形状は、特に限定されるものではなく、ハニカム状、板状、網状、円柱状、円筒状など所望の形状に成形して使用することができる。また、アルミナ、シリカ、コージェライト、ムライト、SiC、チタニア、ステンレス鋼などからなるハニカム状、板状、網状、円柱状、円筒状などの所望の形状の担体に担持して使用してもよい。
本発明の排ガス処理用触媒は、各種排ガスの処理に用いられる。排ガスの組成については特に制限はないが、本発明の触媒は、ボイラ、焼却炉、ガスタービン、ディーゼルエンジンおよび各種工業プロセスから排出される窒素酸化物の分解活性に優れるため、これら窒素酸化物を含む排ガス処理に好適に用いられる。
【0019】
本発明の触媒を用いて脱硝を行うには、本発明の触媒をアンモニアや尿素などの還元剤の存在下、排ガスと接触させ、排ガス中の窒素酸化物を還元除去する。この際の条件については、特に制限がなく、この種の反応に一般的に用いられている条件で実施することができる。具体的には、排ガスの種類、性状、要求される窒素酸化物の分解率などを考慮して適宜決定すればよい。
なお、本発明の触媒を用いて脱硝を行う場合の排ガスの空間速度は、通常、100〜100000Hr-1(STP)であり、好ましくは200〜50000Hr-1(STP)である。100Hr-1未満では、処理装置が大きくなりすぎるため非効率となり、一方100000Hr-1を超えると分解効率が低下する。また、その際の温度は、100〜500℃であることが好ましく、より好ましくは150〜400℃である。
【0020】
また、本発明の触媒は、産業廃棄物や都市廃棄物を処理する焼却施設から発生する、有機ハロゲン化合物を含有する排ガスの処理にも好適に用いられる。
本発明の触媒を用いて有機ハロゲン化合物の処理を行うには、本発明の触媒を、排ガスと接触させ、排ガス中の有機ハロゲン化合物を分解除去する。この際の条件については、特に制限がなく、この種の反応に一般的に用いられている条件で実施することができる。具体的には、排ガスの種類、性状、要求される有機ハロゲン化合物の分解率などを考慮して適宜決定すればよい。アンモニアや尿素などの還元剤を添加することにより、同時に脱硝することもできる。
【0021】
なお、本発明の触媒を用いて有機ハロゲン化合物の処理を行う場合の排ガスの空間速度は、通常、100〜100000Hr-1(STP)であり、好ましくは200〜50000Hr-1(STP)である。100Hr-1未満では、処理装置が大きくなりすぎるため非効率となり、一方100000Hr-1を超えると分解効率が低下する。また、その際の温度は、130〜500℃であることが好ましく、より好ましくは150〜400℃である。
【0022】
【実施例】
以下に実施例と比較例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(比表面積の測定)
比表面積はBET法によって測定した。
(アナターゼチタン結晶化度の測定)
アナターゼチタン結晶化度の測定にはX線回折装置(リガクRU−300)を用い、標準サンプルとの相対比較により結晶化度を算出した。
【0023】
(実施例1)
<チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物の調製>
まず、チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物を次のように調製した。シリカゾル(スノーテックス−30、日産化学社製、SiO2換算30wt%含有)6.7Kgと工業用アンモニア水(25wt%NH3含有)103Kgと水53リットルの混合溶液に、モリブデン酸2.25Kgを加え、よく攪拌し、モリブデン酸を完全に溶解させ、均一溶液を調製した。この溶液に硫酸チタニルの硫酸溶液(テイカ社製、TiO2として70g/リットル、H2SO4として287g/リットル含有)228リットルを、攪拌しながら徐々に滴下し、沈殿を生成させた後、適量のアンモニア水を加えてpHを4に調整した。この共沈スラリーを約20時間静置したのち、水で十分洗浄した後、濾過し、100℃で1時間乾燥させた。さらに、空気雰囲気下、550℃で4時間焼成し、さらにハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級して平均粒子径10μmの粉体を得た。このようにして調製したチタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物の組成は、TiO2:SiO2:MoO3=80:10:10(酸化物重量比)であった。
【0024】
この粉体のアナターゼチタン結晶化度は14.7%、BET比表面積は120m2/gであった。
<バナジウム酸化物の添加>
次に、8リットルの水にメタバナジン酸アンモニウム1.29Kgとシュウ酸1.67Kgさらにモノエタノールアミン0.4Kgを混合し、溶解させ、均一溶液を調製した。先に調製したチタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物粉体19Kgをニーダーに投入後、成形助材とともにバナジウム含有溶液を加え、よく攪拌した。さらに適量の水を加えつつブレンダーでよく混合した後、連続ニーダーで十分混練りし、ハニカム状に押し出し成形した。得られた成形物を60℃で乾燥後、空気雰囲気下、450℃で5時間焼成して目的の触媒(1)を得た。この時の組成は、重量比で、チタン−ケイ素−モリブデン混合酸化物:V25=95:5(酸化物換算重量比で、TiO2:SiO2:MoO3:V25=76:9.5:9.5:5)であった。
【0025】
触媒(1)のアナターゼチタン結晶化度は15.1%、BET比表面積は87m2/gであった。
(比較例1)
市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)20Kgに、メタバナジン酸アンモニウム1.47Kg、シュウ酸1.8Kgを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム2.8Kgおよびモノエタノールアミン1.07Kgを水3リットルに溶解させた溶液とを加え、成形助材とともに混合し、ニーダーで混練りした後、押出成形機でハニカム状に成形した。得られた成形物を60℃で乾燥後、空気雰囲気下、350℃で5時間焼成して目的の触媒(2)を得た。この時の組成は、酸化物換算重量比で、TiO2: MoO3:V25=85:10: 5であった。
【0026】
触媒(2)のアナターゼチタン結晶化度は43.0%、BET比表面積は32m2/gであった。
(脱硝性能試験および有機塩素化合物分解試験)
実施例1および比較例1で得られた触媒(1)、(2)を用いて下記の条件で脱硝性能試験および有機塩素化合物分解試験を行った。処理対象となる有機塩素化合物としてはクロロトエルエン(以下、CTと略す)を用いた。
脱硝率およびCT分解率は下記の式に従って求めた。
脱硝率(%)=[(反応器入口NOx濃度)−(反応器出口NOx濃度)]÷(反応器入口NOx濃度)×100
CT分解率(%)=[(反応器入口CT濃度)−(反応器出口CT濃度)]÷(反応器入口CT濃度)×100
<脱硝反応ガス組成>
NOx:200ppm
SO2:1000ppm
NH3:200ppm
2:10%
2O:15%
2:バランス
ガス温度:250℃
空間速度:12000Hr-1
<CT分解反応ガス組成>
CT:300ppm
2:10%
2O:15%
2:バランス
ガス温度:170℃
空間速度:2000Hr-1
得られた脱硝率及びCT分解率を表1に示した。
【0027】
【表1】
Figure 0003860734
【0028】
【発明の効果】
本発明によると、比表面積とアナターゼチタン結晶化度との2つの特性をバランス良く最適化することによって、触媒性能(脱硝性能、ダイオキシン類分解性能)に優れた排ガス処理触媒を得ることができる。
そのため、脱硝触媒として用いた場合には、脱硝性能が向上する。
また、有機ハロゲン化合物の除去用触媒として用いた場合には、排ガス中のダイオキシン類等の有機ハロゲン化合物を効率良く除去することができる。

Claims (3)

  1. チタン、ケイ素およびモリブデンの三元系混合酸化物とバナジウムの酸化物を含有する触媒であって、
    触媒の比表面積が50〜200m/gの範囲内にあり、かつ、アナターゼチタン結晶化度が5〜30%の範囲内にある
    ことを特徴とする、排ガス処理用触媒。
  2. 請求項1に記載の触媒を用いて窒素酸化物を含む排ガスを処理する、排ガス処理方法。
  3. 請求項1に記載の触媒を用いて有機ハロゲン化合物を含む排ガスを処理する、排ガス処理方法。
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