JP3507906B2 - 脱硝触媒 - Google Patents

脱硝触媒

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JP3507906B2
JP3507906B2 JP18197994A JP18197994A JP3507906B2 JP 3507906 B2 JP3507906 B2 JP 3507906B2 JP 18197994 A JP18197994 A JP 18197994A JP 18197994 A JP18197994 A JP 18197994A JP 3507906 B2 JP3507906 B2 JP 3507906B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱硝触媒に関する。更
に詳しくは、本発明は、ガスタービン、ボイラー、デイ
ーゼルエンジンなどのほか各種工業プロセスから排出さ
れる高温排ガス中に含まれる窒素酸化物(以下、「NO
x」という)を、還元剤として、アンモニア、または、
分解してアンモニアを生ずる固体化合物、例えば、尿
素、メラミン、シアヌル酸、炭酸アンモニウム、炭酸水
素アンモニウムなど、を用いて接触還元するのに好適な
脱硝触媒に関する。
【0002】本発明の「脱硝触媒」とは、排ガス中のN
Oxを上記還元剤を用いて接触還元することによつて無
害な窒素と水とに変換するための触媒を意味する。
【0003】
【従来の技術】現在、排ガス中のNOxを除去する方法
としては、アンモニアを還元剤として用いての接触還元
法が主流となつている。その理由は、該方法では、高濃
度の酸素を含む排ガスからでもNOxを選択的に除去で
き、また使用する還元剤も少量ですみ、経済的であるか
らである。
【0004】この接触還元法に用いられる触媒として
は、アルミナ、シリカ、ゼオライト、酸化チタンなどと
バナジウム、銅、タングステン、モリブデン、鉄などの
酸化物とを組み合わせた触媒がこれまでに数多く提案さ
れている。このなかでも、酸化チタンを主成分とする触
媒は、排ガス中の硫黄酸化物(SOx)の影響を受け
ず、また排ガス中のSO2をSO3へ酸化する能力が低い
ことから、現在では広く実用化されている。反応温度は
通常250〜400℃程度である。
【0005】上記のような酸化チタンを主成分とする触
媒の調製方法としては、例えば、可溶性チタン化合物の
水溶液にアンモニア水を加えて得られる水酸化チタン沈
澱物ゲルに可溶性タングステン化合物の水溶液を添加し
混合した後、成型し、乾燥し、そして焼成する方法、あ
るいは、成型用の触媒混合物の一部または全部を予め加
熱して酸化物に転化したものを成型し、乾燥し、そして
焼成する方法(特公昭52−35342号公報)、ある
いは、硫酸チタン溶液の熱加水分解によつて得られるメ
タチタン酸沈澱物をゾル化した後、タングステン化合物
を添加し、焼成し、成型し、乾燥し、そして焼成する方
法(特公平1−14808号公報)が知られている。
【0006】一方、ガスタービン排ガスやデイーゼルエ
ンジン排ガスのような往々にして400℃を超えるほど
の高い温度を有する排ガスからNOxを除去するために
は、比較的幅広い温度領域で優れた活性を示す脱硝触媒
が必要である。
【0007】しかし、上記特公昭52−35342号公
報に記載の、酸化チタンと酸化タングステンとを主成分
とする触媒は、同公報の実施例1にみられるように、4
00℃の温度で最も高い触媒活性を示し、500℃では
脱硝率が低下する。脱硝率を上げるためには、NOxに
対するアンモニアのモル比を高くすることが考えられる
が、アンモニアが過剰に存在する条件下では、アンモニ
アの消費量が増大し、経済性が低下するばかりでなく、
負荷変動時には排ガス中にアンモニアが多量にリークす
る危険性がある。
【0008】つまり、従来公知の脱硝触媒は、400℃
を超える高温排ガスのNOxを接触還元する場合、還元
剤としてのアンモニアの酸化(または分解)反応がNO
xの還元と同時に起こるため、脱硝率が低いという欠点
を有している。これらの触媒は、また、NOxに対する
アンモニアのモル比を大きくした場合には高い脱硝率を
示すが、その反面、アンモニアの消費が増大することに
原因して上記したような不利益及び不都合をもたらす。
加えて、これらの触媒は高温での耐久性にも問題があつ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、幅広
い温度領域で、特に400℃を超える高温度領域で、し
かも低いアンモニア/NOxモル比の条件下でも、高い
脱硝活性を示し、なおかつ優れた耐久性を有する、実用
性の高い脱硝触媒を提供することである。
【0010】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、可溶性
チタン化合物と可溶性タングステン化合物とを水性媒体
中で沈澱させた後、乾燥し焼成してチタン−タングステ
ン酸化物を得るに際し、この沈澱操作を特定の条件下に
行うことにより、上記目的を達成できることを知り、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに到つた。
【0011】斯くして、本発明によれば、(1) 可溶
性チタン化合物および可溶性タングステン化合物を水性
媒体中で温度60℃以下およびpH5〜8の範囲の条件
下に共沈澱させ、生成した共沈澱物を乾燥し焼成して得
られるチタン−タングステン酸化物を含有することを特
徴とする脱硝触媒、および(2) 上記チタン−タング
ステン酸化物とセリウム(Ce)、ランタン(La)、
プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ニツケル
(Ni)およびスズ(Sn)よりなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素の酸化物とからなることを特徴とす
る脱硝触媒、が提供される。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明で使用する可溶性チタン化合物の種
類については、水性媒体に可溶であれば特に制限はな
く、好ましくは、例えば、四塩化チタン、硫酸チタニル
などのような無機チタン化合物、およびシユウ酸チタ
ン、テトライソプロピルチタネートなどのような有機チ
タン化合物を用いることができる。また、可溶性タング
ステン化合物の種類についても特に制限はなく、好まし
くは、例えば、メタタングステン酸アンモニウム、パラ
タングステン酸アンモニウムなどを用いることができ
る。可溶性チタン化合物と可溶性タングステン化合物と
の割合は、焼成したのちにおける酸化チタン/酸化タン
グステン(TiO2/WO3、以下同じ)の重量比が20
/1〜1/1、特に20/1〜1.5/1の範囲となる
ような割合であることが、高活性の脱硝触媒を与えるの
で、好ましい。
【0014】水性媒体としては、通常、水が用いられ
る。
【0015】水性媒体中に溶解した可溶性チタン化合物
および可溶性タングステン化合物を共沈澱させるには、
熱加水分解法、加熱分解法、或いは、塩基性化合物を用
いる中和法などのような従来公知の方法を用いることが
できる。特に好ましい方法は、中和法によつてチタンお
よびタングステンを共沈澱させる方法である。この塩基
性化合物の種類については特に制限はなく、例えば、ア
ンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウムなどを用いることができる。こ
れらのうち、共沈澱操作によつて形成されるスラリー
(もしくはゲル)状物の洗浄性および取扱性から、アン
モニアまたはその水溶液(アンモニア水)が好適に用い
られる。
【0016】そこで、以下においては、水性媒体として
水を用い且つ塩基性化合物としてアンモニア水を用いて
共沈澱させる方法を例にとつて、本願発明を具体的に説
明する。
【0017】先ず、可溶性チタン化合物(例えば四塩化
チタン)および可溶性タングステン化合物(例えばメタ
タングステン酸アンモニウム)を水に溶解して酸性のチ
タン−タングステン含有水溶液を調製する。次に、この
水溶液の温度を60℃以下、好ましくは50〜0℃の範
囲に保持しながら、系のpHが5〜8、好ましくは5以
上で7未満の範囲となるようにアンモニア水を添加する
ことによつて共沈澱を生じさせる。なお、タングステン
化合物の水溶液が塩基性である場合には、該タングステ
ン含有水溶液をアンモニア水と同時にチタン含有水溶液
に添加することによつて共沈澱させる。
【0018】上記の系のpHとは、共沈澱操作を終了し
た時点におけるスラリー(もしくはゲル)状物のpHを
意味する。
【0019】共沈澱操作における温度が60℃を超える
と得られる脱硝触媒の活性は低くなつて好ましくない。
最終pHが5より低いと得られる脱硝触媒の活性が低下
し、また8を超えると活性が低下し、そのうえタングス
テンの再溶解も起こるため好ましくない。
【0020】上記共沈澱操作により得られたチタン−タ
ングステン共沈澱物をスラリーから分離し、よく洗浄
し、乾燥した後、焼成することにより、チタン−タング
ステン酸化物が得られる。上記の分離、洗浄、乾燥およ
び焼成は、この種の触媒の調製に一般に用いられている
条件下に行うことができる。焼成は、酸化チタン/酸化
タングステンの重量比が20/1〜1/1、特に20/
1〜1.5/1となるように、400〜750℃、特に
450〜700℃の範囲の温度で行なわれることが好ま
しい。また、焼成処理についても、(イ)チタン−タン
グステン共沈澱物を乾燥し、焼成した後に成型する方
法、(ロ)チタン−タングステン共沈澱物を成型した後
に焼成する方法、あるいは、(ハ)上記方法(イ)と方
法(ロ)とを組み合わせた方法などのいずれも用いるこ
とができる。なお、方法(ロ)の場合、焼成処理により
成型体の収縮、触媒物性の変化などが起こることもある
ので、方法(イ)または方法(ハ)が好ましい。方法
(ハ)の場合には、後段の焼成を前段の焼成と同じ温度
か、あるいはそれより低い温度で行うのが好ましい。
【0021】本願発明のチタン−タングステン酸化物か
らなる脱硝触媒が優れた脱硝活性を示し、かつ優れた耐
久性を有する理由は明らかではないが、上記特定の条件
下で沈澱を行うことにより酸化チタンに活性成分である
酸化タングステンが高分散状態で得られるためと推察さ
れる。
【0022】上記チタン−タングステン酸化物(以下、
「A成分」という)にセリウム(Ce)、ランタン(L
a)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ニツ
ケル(Ni)およびスズ(Sn)よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の元素の酸化物(以下、「B成分」と
いう)を組み合わせてなる脱硝触媒は、更に優れた脱硝
活性を示す。A成分/B成分の重量比は400/1〜1
0/1、特に300/1〜10/1の範囲にあるのが好
ましい。この重量比が400/1を超えるとB成分の添
加効果が得られず、また10/1より低いと高温におけ
る活性が低下し、さらに耐久性も低下するため好ましく
ない。
【0023】上記A成分とB成分とからなる脱硝触媒の
調製時に使用されるB成分の原料となる化合物について
は特に制限はなく、酸化物、水酸化物、アンモニウム
塩、シユウ酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩などの
いずれでもよい。例えば、前記のようにして得られたチ
タン−タングステン酸化物粉体に、B成分元素の硝酸塩
の水溶液及び成型助剤などを添加し、混合し、混練し、
成型し、得られた成型体を50〜200℃で乾燥した
後、400〜700℃の温度で1〜10時間、好ましく
は2〜6時間空気中で焼成することによつて、この脱硝
触媒を調製することができる。
【0024】本発明の脱硝触媒は、アルミナ;シリカ;
ジルコニア;チタニア;チタニア−シリカのような複合
酸化物;あるいは特定比でシリカ及びアルミナを含んで
なるゼオライト、などと組み合わせて使用することもで
きる。
【0025】本発明の脱硝触媒は、そのまま一体成型し
て使用することも、あるいは担体に担持して使用するこ
ともできる。担体としては、アルミナ;シリカ;シリカ
−アルミナ;チタニア−シリカのような複合酸化物;ベ
ントナイト;ケイソウ土;シリコンカーバイド;チタニ
ア;ジルコニア;マグネシア;コーデイライト;ムライ
ト;軽石;無機繊維;あるいはステンレスなどのような
金属の板や網、などを使用することができる。担持方法
については特に制限はなく、例えば、粒状のシリコンカ
ーバイドに脱硝触媒のスラリーを含浸させることによつ
て担持させる方法、ステンレス波板に脱硝触媒のスラリ
ーをコートすることによつて担持させる方法、などを用
いることができる。
【0026】本発明の脱硝触媒(担体担持触媒も含む)
の形状については特に制限はなく、ハニカム状、板状、
円筒状、リボン状、パイプ状、ドーナツ状、格子状、円
柱状、波板状、粒状などのいずれでもよい。
【0027】本発明の脱硝触媒の表面積は、低すぎると
脱硝活性が低く、高すぎるとアンモニア分解が促進され
るため、10〜120m2/g、好ましくは15〜10
0m2/gの範囲内で選ばれる。また、本発明の脱硝触
媒の細孔容積は、低すぎると活性が低く、高すぎると触
媒強度が低下するため、0.1〜0.6cc/g、好まし
くは0.2〜0.5cc/gの範囲内で選ばれる。
【0028】本発明の脱硝触媒によつて処理されるべき
排ガスの組成については特に制限はなく、本発明の脱硝
触媒はNOxを含有する各種排ガスの処理に用いること
ができる。例えば、SOx0〜3000ppm、酸素1
〜20容量%、炭酸ガス1〜15容量%、水蒸気5〜1
5容量%、煤塵0.001〜30g/Nm3およびNOx
(主としてNO)20〜10000ppm程度を含有す
る排ガスの処理に用いられる。さらに、本発明の脱硝触
媒は、SOxを含まないNOx含有排ガス、ハロゲン化
合物を含むNOx含有排ガスなどのような特殊な排ガス
の処理にも用いることができる。
【0029】本発明の脱硝触媒を用いての排ガスの処理
条件は、排ガスの種類、性状、要求脱硝率などにより異
なるので一概に特定できないが、これら条件を考慮する
ことによつて適宜決定することができる。
【0030】還元剤としては、アンモニア、あるいは、
分解してアンモニアを生成する化合物、たとえば、尿
素、メラミン、シアヌル酸、炭酸アンモニウム、炭酸水
素アンモニウムなどが用いられる。取扱性やコストの点
からアンモニアが、また、安全性の面から尿素が、好ま
しく用いられる。還元剤の排ガス中への注入時形態は特
に限定されないが、排ガス中への還元剤の分散性および
取扱性の観点からすると、アンモニアガス、液体アンモ
ニア、アンモニア水、尿素水溶液、炭酸アンモニウム水
溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液などのような、気体
または液体の形態で注入することが好ましい。分解して
アンモニアを生成する還元剤を用いる場合には、その還
元剤から生成するアンモニア量によつて還元剤の添加量
がきまり、例えば尿素ならばアンモニアの1/2モルで
あり、メラミンならばアンモニアの1/3モルである。
【0031】還元剤としてのアンモニアの使用量は、脱
硝率、リークアンモニア量などを考慮して、アンモニア
/NOx(NO換算)モル比が0.3/1〜3/1の範
囲内、好ましくは0.3/1〜1.5/1の範囲内で適宜
選択することができる。特に、本発明の脱硝触媒の場
合、アンモニア/NOx(NO換算)モル比が1.5/
1以下の範囲でも高い脱硝率が得られ、効率よくNOx
を分解除去することができる。例えば、ボイラーの排ガ
ス処理の場合、この排ガス中に含まれるNOxの大部分
はNOであるので、アンモニア/NOx(NO換算)モ
ル比は1の近辺が特に好ましいが、要求される脱硝率、
リークアンモニア量などを考慮して、2/1以下程度の
範囲内で適宜選択される。
【0032】反応温度は400〜700℃であるが、特
に450〜650℃とするのが好ましい。空間速度は通
常1000〜100000Hr-1であり、特に3000
〜80000Hr-1の範囲が好ましい。圧力については
特に制限はないが、通常、0.01〜10kg/cm2
範囲が好ましい。
【0033】排ガスの処理に用いる反応器の形式につい
ても特に制限はなく、通常の固定床、移動床、流動床な
どの反応器を用いることができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0035】実施例1 水80リツトル(以下、Lで表示する)に四塩化チタン
(TiCl4)11.4kgを氷冷しながら撹拌下に徐々
に滴下して溶解し、この水溶液に日本無機化学工業
(株)製メタタングステン酸アンモニウム水溶液(酸化
タングステンとして50重量%含有)2.4kgを加え
た。この水溶液を温度約30℃に保持しつつ、よく撹拌
しながら、アンモニア水を系のpHが6となるまで加
え、更にそのまま放置して2時間熟成した。
【0036】このようにして得られたチタン−タングス
テン共沈澱物含有スラリーをろ過し、得られたチタン−
タングステン共沈澱物を水洗して、150℃で10時間
乾燥した後、600℃で5時間焼成して酸化チタン/酸
化タングステン=4/1(重量)のチタン−タングステ
ン酸化物を得た。
【0037】ニーダーを用い、上記チタン−タングステ
ン酸化物粉体1kgに適量の水を添加しつつ、よく混練
した後、押出成型機で直径4mm、長さ5mmのペレツ
ト状に成型した。次いで、このペレツトを60℃で乾燥
した後、600℃で5時間空気流通下で焼成し、酸化チ
タン/酸化タングステン=4/1(重量)の触媒(A)
を調製した。
【0038】実施例2 硫酸チタニルの硫酸水溶液(TiO2換算で250g/
L)19.2Lに、水80Lを加えた。この水溶液を温
度約30℃に保持しつつ、撹拌下に、これに、モノエタ
ノールアミン0.54kgと水2.7Lとの混合物にパラ
タングステン酸アンモニウム1.35kgを加えて溶解
した水溶液およびアンモニア水を徐々に滴下し、引続き
系のpHが6となるまでアンモニア水を加え、更にその
まま放置して2時間熟成した。以下、実施例1と同様に
して同一組成の触媒(B)を調製した。
【0039】実施例3〜7 実施例1において、酸化チタン/酸化タングステン重量
比を変えた以外は実施例1と同様にして触媒(C)〜
(G)を調製した。触媒組成は表1のとおりである。
【0040】
【表1】
【0041】比較例1 市販のアナターゼ型酸化チタン粉末(ローンプーラン社
製DT−50)4.8kgに、モノエタノールアミン0.
54kgと水2.7Lとの混合物にパラタングステン酸
アンモニウム1.35kgを加えて溶解した水溶液を加
え、ニーダーで適量の水を添加しつつ、よく混合し混練
した。以下、実施例1と同様にして、実施例1と同一組
成の比較触媒(a)を調製した。
【0042】前記触媒(A)〜(G)がチタン源として
可溶性チタン化合物を用いて調製されたものであるのに
対して、比較触媒(a)はチタン源として上記のような
不溶性の酸化チタンを用いて調製されたものである。
【0043】比較例2 TiO2として4.8kgのメタチタン酸スラリーに、モ
ノエタノールアミン0.54kgと水2.7Lとの混合物
にパラタングステン酸アンモニウム1.35kgを加え
て溶解した水溶液を添加し、ニーダー中で加熱しながら
混練し、得られたスラリーを150℃で10時間乾燥し
た後、600℃で5時間焼成し、実施例1と同一組成の
粉体を得た。以下、実施例1と同様にして、実施例1と
同一組成の比較触媒(b)を調製した。
【0044】前記触媒(A)〜(G)がチタン源として
可溶性チタン化合物を用いて調製されたものであるのに
対して、比較触媒(b)はチタン源として上記のような
難溶性のメタチタン酸を用いて調製されたものである。
【0045】評価例1 実施例1〜7および比較例1〜2で得られた触媒(A)
〜(G)および比較触媒(a)〜(b)の各触媒につい
て次のような方法により脱硝率を求めた。
【0046】触媒20mlを電気炉内に設置した石英製
反応管に充填し、下記組成の合成ガスを下記条件下に触
媒層に導入した。反応管入口でのガス中のNOx濃度
(入口NOx濃度)および反応管出口でのガス中のNO
x濃度(出口NOx濃度)を柳本製作所製化学発光式N
Ox計(ECL−77A型)により測定し、次式に従つ
て脱硝率を算出した。
【0047】 合成ガス組成 NOx=100ppm,O2=15%,SO2=200p
pm,H2O=10%,N2=残余 反応条件 ガス量=3.33NL/min,空間速度(SV)=1
0000Hr-1,NH3/NOx(NO換算)モル比=
1.0,温度=300〜700℃ 得られた結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】評価例2 実施例1で得られた触媒(A)について、NH3/NO
x(NO換算)モル比を変更した以外は評価例1と同様
にして、脱硝率を求めた。また、排出されるアンモニア
量(リークアンモニア量)をJIS−K−0099に準
じてインドフエノール法により測定した。得られた結果
を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】実施例8 実施例1において、共沈澱操作時の温度を約30℃から
55℃に変更した以外は実施例1と同様にして同一組成
の触媒(H)を調製した。
【0052】実施例9 実施例1において、共沈澱操作時の系のpHを6から5
に変更した以外は実施例1と同様にして同一組成の触媒
(I)を調製した。
【0053】実施例10 実施例1において、共沈澱操作時の系のpHを6から8
に変更した以外は実施例1と同様にして同一組成の触媒
(J)を調製した。
【0054】比較例3 実施例1において、共沈澱操作の温度を約30℃から8
0℃に変更した以外は実施例1と同様にして同一組成の
比較触媒(c)を調製した。
【0055】比較例4 実施例1において、共沈澱操作時の系のpHを6から4
に変更した以外は実施例1と同様にして同一組成の比較
触媒(d)を調製した。
【0056】比較例5 実施例1において、共沈澱操作時の系のpHを6から
9.0に変更した以外は実施例1と同様にして同一組成
の比較触媒(e)を調製した。
【0057】評価例3 実施例8〜10および比較例3〜5で得られた完成触媒
(H)〜(J)および比較触媒(c)〜(e)について
評価例1と同様にして脱硝率を求めた。得られた結果を
表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】実施例11〜14 実施例1において、チタン−タングステン共沈澱物の焼
成温度を表5に示すように変更した以外は実施例1と同
様にして同一組成の触媒(K)〜(N)を調製した。
【0060】評価例4 実施例11〜14で得られた触媒(K)〜(N)につい
て評価例1と同様にして脱硝率を求めた。得られた結果
を表5に示す。
【0061】
【表5】
【0062】実施例15〜25 実施例1で得られたチタン−タングステン酸化物粉体
に、表6に示す割合(酸化物換算)となるように所定量
の各種元素化合物を加え、ニーダーを用いて適量の水を
添加しつつ、よく混練した。以下、実施例1と同様にし
て、A成分とB成分とからなる触媒(O)〜(Y)を調
製した。
【0063】
【表6】
【0064】評価例5 実施例15〜25で得られた触媒(O)〜(Y)につい
て、評価例1と同様にして脱硝率を求めた。得られた結
果を表7に示す。
【0065】
【表7】
【0066】評価例6 実施例1、5、9、13、15および22、並びに、比
較例2および3で得られた触媒(A)、(E)、
(I)、(M)、(O)、(V)、および比較触媒
(b)、(c)の耐久性を下記方法により評価した。
【0067】各触媒を空気流通下、550℃に調整した
電気炉内に置き、所定時間経過後に取り出した。以下、
評価例1と同様にして、反応温度500℃での脱硝率を
測定した。得られた結果を表8に示す。
【0068】
【表8】
【0069】
【発明の効果】本発明の脱硝触媒は、幅広い温度領域に
おいて、特に400℃以上の高温度領域において、高い
脱硝活性を示し、また優れた耐久性を有する。このた
め、本発明の脱硝触媒を用いることにより、ガスタービ
ン、ボイラー、ガスエンジン、デイーゼルエンジンなど
のほか各種工業プロセスから排出される高温排ガス中の
NOxを効率よく分解除去することができる。
【0070】本発明の脱硝触媒は、幅広い温度領域にお
いて、特に400℃以上の高温度領域において、低いア
ンモニア/NOxモル比でも優れた脱硝活性と耐久性を
示す。このため、本発明の脱硝触媒を用いることによ
り、アンモニアの消費を最小限にとどめながら、つまり
経済的に、かつアンモニアのリークなどの問題を引き起
こすことなく、高温排ガス中のNOxを効率よく分解除
去することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−56250(JP,A) 特開 昭52−122293(JP,A) 特開 昭59−147640(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86,53/94

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶性チタン化合物および可溶性タング
    ステン化合物を水性媒体中で温度60℃以下およびpH
    5〜8の範囲の条件下に共沈澱させ、生成した共沈澱物
    を乾燥し焼成して得られるチタン−タングステン酸化物
    を含有することを特徴とする脱硝触媒。
  2. 【請求項2】 可溶性チタン化合物および可溶性タング
    ステン化合物を水性媒体中で温度60℃以下およびpH
    5〜8の範囲の条件下に共沈澱させ、生成した共沈澱物
    を乾燥し焼成して得られるチタン−タングステン酸化物
    (A成分)とセリウム(Ce)、ランタン(La)、プ
    ラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ニツケル(N
    i)およびスズ(Sn)よりなる群から選ばれた少なく
    とも1種の元素の酸化物(B成分)とからなることを特
    徴とする脱硝触媒。
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