JP6261260B2 - 船舶排ガス処理触媒および排ガス処理方法 - Google Patents

船舶排ガス処理触媒および排ガス処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、船舶用ディーゼル機関から発生する排ガスを処理するための触媒、及びその触媒を用いた排ガスの処理に関するものである。特に硫黄酸化物が含まれる排ガスの処理に関するものである。
一般にディーゼルエンジンは酸素過剰型の内燃機関であり、その排気ガスは比較的多量の窒素酸化物(以下NOxともいう)を含有している。このNOxは、公害や環境破壊の原因となり得るものであるため、ディーゼルエンジンには排気ガスからNOxを除去するための方法が不可欠である。その方法として、アンモニアまたは尿素などの還元剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を触媒上で接触還元して窒素と水に分解する選択的触媒還元法(SCR法)が一般的に用いられている。
SCR法に用いられる排ガス処理触媒としては、例えば、チタン酸化物、バナジウム酸化物およびタングステン酸化物を含有する触媒(特許文献1)、またはチタン酸化物、バナジウム酸化物およびモリブデン酸化物を含有する触媒(特許文献2)等が提案されている。
一方、船舶などでは、中速ディーゼル機関を搭載した船舶でのSCR法内燃機関の搭載例が数多くあり、低速ディーゼル機関においてもSCR内燃機関の搭載について検討が進められている。船舶用ディーゼル機関からの排気ガスの浄化に使用される触媒としては、耐硫黄被毒特性に優れる触媒成分として、シリカ/アルミナ比が大きなゼオライトや、バナジウム、タングステン、モリブデン、ニオブ、又はチタンから選ばれる一種以上の酸化物の使用が開示されている(特許文献3)。
船舶へのSCR搭載における最も注意すべき問題点は、燃料油中に含有される硫黄分による触媒の被毒である。還元剤に使用するアンモニアが排ガス中の硫黄酸化物(以下SOxともいう)等と反応し,酸性硫安(硫酸水素アンモニウム:NHHSO)を生成し、これが触媒表面に付着することで触媒の機能低下を招き、特に、この問題は排ガス温度が約300℃以下の雰囲気において顕著であるとされている。中速ディーゼル機関では,ほとんどの機関における排ガス温度が300℃以上あるために、この問題は軽減される。 これに対して、低速ディーゼル機関においてはほとんどの機関で排ガス温度が300℃以下であり、特に機関性能の優れた最新機種では250℃を下回るものまである。低速ディーゼル機関において、排ガス温度が低いということは捨てる熱量が少ないということを意味しており、高効率で、低燃費、低CO排出であることのあかしでもある。その反面、排ガスの処理温度が300℃以下になることからSOx等の被毒が顕著になり、触媒の耐久性という点で問題があった。そのため前の特許文献3に記載された耐硫黄被毒特性を優れる触媒であっても、高効率で、低燃費、低CO排出の性能を維持しつつNOxを効率よく除去し、さらにSOx等の被毒に対する耐久性を維持することにおいては改善の余地があった。
特許第3337634号公報 特許第3749078号公報 特開2011−32953号公報
本発明の目的は、従来の触媒に比べて硫黄酸化物などによる性能低下が少なく、特に、排ガスの低温度域においてもより長時間にわたって排ガス中の窒素酸化物を除去する事ができる船舶用ディーゼル機関からの排気ガスを処理する触媒、およびこの触媒を用いた船舶用ディーゼル機関から発生する排気ガスを処理する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決する為に鋭意検討を行った結果、以下に示す組成の触媒が有効である事を見出した。
すなわち、本発明の第一の発明は、船舶用ディーゼル機関から発生する排気ガスを処理する触媒は、触媒A成分として、チタンを必須元素とし、これとケイ素、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブおよびタンタルの少なくとも1種の元素との複合酸化物および/または混合酸化物、ならびに触媒B成分として、マンガン、鉄、コバルトおよび亜鉛の少なくとも1種の元素の化合物を含有することを特徴とするものである。
本発明の第二の発明は、第一の発明の触媒を用いることを特徴とする船舶用ディーゼル機関からの排ガスを処理する方法である。好ましくは、船舶用ディーゼル機関からの排ガスが硫黄酸化物、窒素酸化物を含むことを特徴とする船舶用ディーゼル機関からの排ガスを処理する方法である。
本発明を用いる事で、排ガスの温度が低温度域、特に300℃以下の温度域においても硫黄酸化物による性能低下を抑制する事が可能になり、排ガス中に含まれるNOxを長時間にわたって安定的に処理する事ができる。
本発明の排ガス処理触媒は、触媒A成分として、チタンを必須元素とし、これとケイ素、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブおよびタンタルの少なくとも1種の元素との複合酸化物および/または混合酸化物、触媒B成分として、マンガン、鉄、コバルトおよび亜鉛の少なくとも1種の元素の化合物を含むものである。
(触媒成分)
触媒A成分の組成はNOx除去性能および耐久性に大きく影響し、具体的には触媒A成分中で必須のチタン、これとケイ素、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブおよびタンタルの少なくとも1種の元素との複合酸化物および/または混合酸化物であるが、チタン、ケイ素及びモリブデンからなる三元系酸化物を含有していることが好ましい。触媒A成分中のチタンの含有量は酸化物換算で60〜98質量%であるのがよく、好ましくは70〜95質量%、更に好ましくは75〜93質量%であるのがよい。触媒A成分中のチタンの含有量が酸化物換算で98質量%を超えて多くすると充分な耐久性が得られず、60質量%未満ではNOxの除去性能が低下する。触媒中に占める触媒A成分の含有量としては、触媒A成分と触媒B成分の合計に対して90〜99.5質量%であるのが好ましく、より好ましくは92〜99質量%、更に好ましくは94〜98質量%であるのがよい。触媒A成分の含有量が90質量%未満あるいは99.5質量%を超えるとNOx除去性能あるいは耐久性が低下する。
また、触媒A成分を調製する際の出発原料としては、各元素の酸化物、水酸化物、無機塩、有機塩などが用いられる。例えばチタン供給源としては、硫酸チタニル、四塩化チタン、テトライソプロピルチタネートなどが用いられ、ケイ素供給源としてはシリカゾル、水ガラス、四塩化ケイ素などが用いられ、モリブデン源としてはパラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸などを用いる事ができ、タングステン源としては、メタタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウムなどを用いる事ができ、バナジウム源としてはメタバナジン酸アンモニウムなどを用いる事ができ、ニオブ源としてはシュウ酸ニオブやそのアンモニウム塩などを用いる事ができる。触媒A成分の調製方法としてはゾル−ゲル法、水熱合成、共沈法などを用いる事ができるが、好ましい方法として、ケイ素源、モリブデン源、タングステン源もしくはそれらの混合物の塩基性溶液にチタン源の酸性溶液またはチタン源とバナジウム源、ニオブ源、タンタル源の混合物の酸性溶液を添加する事によって触媒A成分の前駆体を得る共沈法が挙げられる。特に好適な一例として触媒A成分としてチタン、ケイ素及びモリブデンの三元系酸化物を調製する場合には、モリブデン源とケイ素源を混合した塩基性溶液にチタン源の酸性溶液を添加する事によって触媒A成分の前駆体を得る事ができる。この場合、共沈反応後のpHは好ましくは2〜6、より好ましくは3〜5に制御するのがよく、このように制御する事によって性能および耐久性に優れた触媒を得る事ができる。
本発明の触媒において触媒B成分はSOx等の被毒に対する耐久性を向上するために重要な成分である。その触媒B成分はマンガン、鉄、コバルトおよび亜鉛の少なくとも1種の元素の化合物であるが、硫酸塩の形態で触媒に含有されているのが好ましい。触媒B成分としてマンガン、鉄、コバルトおよび亜鉛の少なくとも1種の元素の硫酸塩を用いる場合、その含有量は触媒A成分と触媒B成分の合計に対して0.5〜10質量%であるのが好ましく、より好ましくは1〜8質量%、更に好ましくは2〜6質量%であるのがよい。含有量が0.5質量%未満ではSOxの被毒に対する充分な耐久性が得られず、10質量%を超えて多くするとNOxの除去性能が低下する場合があるからである。なお、触媒B成分としてマンガン、鉄、コバルト、亜鉛の複数の元素の硫酸塩を用いる場合には、各化合物の合計量が上記範囲にあるのがよい。
なお、本発明にかかる触媒の性能を損なわないものであれば更に他の化合物を添加することもできる。
本発明の排ガス処理触媒の比表面積は、50〜200m/gの範囲にあるのがよく、より好ましくは70〜150m/g、更に好ましくは80〜120m/gの範囲にあるのがよい。触媒の比表面積が低すぎると充分な触媒性能が得られない他、活性成分のシンタリングが起こりやすくなり、高すぎても触媒性能はそれほど向上しないが、被毒物質の蓄積量が多くなって性能低下が大きくなる場合があるからである。
また、本発明で用いる脱硝触媒の細孔容積は、全細孔容積が0.20〜0.70mL/gの範囲にあるのがよく、より好ましくは0.25〜0.60mL/g、更に好ましくは0.28〜0.50mL/gの範囲にあるのがよい。触媒の細孔容積が小さすぎると十分な触媒性能が得られず、大きすぎても触媒性能はそれほど向上しないが、触媒の機械的強度が低下してハンドリングに支障をきたすことや耐磨耗性が低くなるなどの弊害が生じるおそれがあるので好ましくない。
(触媒製造方法)
本発明にかかる触媒調製方法としては、(1)触媒A成分にかかる複合酸化物および/または混合酸化物の前駆体を上記手順で得た後、触媒B成分の水性液を加えニーダーなどで十分混合し所定の形状成形し乾燥、焼成する方法、(2)触媒A成分および触媒B成分の原料を一度に混合し、乾燥、焼成し、更に水性媒体を加えスラリーとした後に所定形状に成形する方法、(3)触媒A成分および触媒B成分の原料を一度に混合し、場合によってはpH調整することで沈殿物(前駆体)を得た後、当該沈殿物を乾燥、焼成し、更に水性媒体を加えスラリーとした後に所定形状に成形する方法、(4)(2)または(3)で得られたスラリーを通常触媒用担体として用いられる担体に被覆することもできる。(5)なお、(1)、(2)または(3)で成形する場合、ハニカム、ペレット、粒体に成形し乾燥、焼成し触媒とすることもできる。
上述した触媒調製方法において、乾燥条件は特に限定されず、水素、窒素、空気またはこれらの混合ガス中、50〜100℃、好ましくは60〜80℃の温度で、20〜500分間、好ましくは30〜100分間で行うことができる。また、焼成条件についても特に限定されず、水素、窒素、空気またはこれらの混合ガス中、300〜600℃、好ましくは400〜550℃の温度で、2〜50時間、好ましくは3〜10時間で行うことができる。
本発明にかかる触媒は、押し出し成形、打錠成形、転動造粒などにより、サドル状、ペレット、球体、ハニカム状に成形して用いることができる。またサドル状、ペレット、球体、ハニカム状の担体に脱硝触媒の成分を被覆して用いる事もできる。排ガス処理装置の圧力損失を少なくするにはハニカム状が好ましい。また、その調製においては各種金属化合物を用いた一般的な調製方法を用いる事ができ、例えば、触媒A成分の成形体に触媒B成分の溶液を含浸する方法や、触媒A成分の粉体に触媒B成分の溶液または粉体を混合した後に混練する方法などが挙げられるが、細孔容積の制御などの点から混練法が好適に用いられる。
(排ガス処理方法)
本発明の排ガス処理方法は、前記本発明の触媒を用いて排ガス中のNOx除去する排ガス処理方法であるが、このときの排ガスの処理温度は、180〜330℃、好ましくは200〜300℃、より好ましくは220〜290℃、更に好ましくは230〜270℃の範囲にあるのがよい。排ガスの処理温度が180℃未満ではNOxの充分な除去効率が得られない他、酸性硫安の蓄積が多くなって触媒性能の低下が大きくなり、330℃を超えると触媒が熱的ダメージを受けて性能低下を引き起こす場合があるからである。SOxの被毒による触媒性能の劣化については、前記の排ガス処理の温度域において性能低下が抑制されるという効果を示す。特に排ガスの温度が300℃以下の温度域において、本願発明の触媒を用いた処理方法は従来触媒を用いた処理方法よりもSOx等の被毒に対する耐久性に優れた効果を示す。
本発明にかかる触媒が処理対象とする排ガスは窒素酸化物(NOx)を含むものであり、排ガス中のNOx濃度は5〜1000ppm(容量基準)であるのが好ましく、より好ましくは10〜500ppm、更に好ましくは20〜300ppmの範囲にあるのがよい。排ガス中のNOx濃度が5ppm未満では充分なNOx除去性能が発揮されず、一方、1000ppmを超えると排ガス中に硫黄化合物が含まれている場合、酸性硫安の蓄積量が増加して性能低下が大きくなるため好ましくはないからである。
排ガス中に有機化合物を含んでいても良いが、有機化合物の濃度は3000ppm以下(容量基準)であるのが好ましく、より好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは500ppm以下であるのがよい。排ガス中の有機化合物の濃度が3000ppmを超えると反応による発熱が大きくなり、触媒が熱的ダメージを受ける場合があるためである。
本発明の排ガスを処理する方法においては排ガス中にアンモニアまたは尿素(アンモニア等とも称する)を添加する形態が好適に用いられる。アンモニア等の添加量は、窒素酸化物(NO換算)1モルに対して、アンモニア換算(尿素の場合は1/2モル)で0.2〜2.0モル、好ましくは0.5〜1.0モルである。
更に排ガス中に含まれる成分として酸素、水、SOxなどがある。例えば、排ガス中に酸素が存在する条件下で好適に用いられるが、この場合の酸素濃度は、0.1〜50容量%の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは0.3〜20容量%、更に好ましくは0.5〜16容量%の範囲にあるのがよい。酸素濃度が0.1容量%未満では除去効率が低下し、50容量%を超えると副反応であるSO酸化が促進されるため、好ましくない。また、排ガス中に水分を含む場合には、その濃度は50容量%以下であるのが好ましく、より好ましくは40容量%以下、更に好ましくは30容量%以下であるのがよい。排ガス中の水分濃度が50容量%を超えると除去効率が低下する他、場合によっては性能低下が大きくなるからである。
本発明の排ガスの処理方法は排ガス中に硫黄酸化物(SOx)を含有している場合に好適に用いることができる。そのときの排ガス中のSOx濃度は5〜5000ppm(容量基準)、好ましくは10〜2000ppm、より好ましくは50〜1000ppm、更に好ましくは100〜500ppmの範囲にあるのがよい。SOx濃度が0.1ppm以上である排ガスの処理において本発明の効果が発揮される。一方、排ガス中のSOx濃度が2000ppmを超えるとSOxによる性能低下が大きくなるため、好ましくない。また、SOxの中でもSOは特に性能低下に大きく寄与するが、その濃度は0.1〜200ppm、好ましくは0.5〜100ppm、より好ましくは1〜50ppm、更に好ましくは2〜30ppmの範囲にあるのがよい。排ガス中のSO濃度が200ppmを超えるとSOxによる性能低下が大きくなるため、好ましくない。
また、本発明の排ガス処理に際しての空間速度は、100〜100,000h−1(STP)、好ましくは200〜50,000h−1(STP)、より好ましくは500〜20,000h−1(STP)の範囲にあるのがよい。空間速度が100,000h−1(STP)を超えるとNOxや有機ハロゲン化合物の充分な除去効率が得られず、100h−1(STP)未満では除去効率は大きく変わらないが排ガス処理装置の圧力損失が高くなり、また装置自体も大きくなって船舶への搭載に支障をきたすからである。更に、本発明の排ガス処理に際しての触媒層を通過するガスの線速度は、0.1〜10m/s(Normal)、好ましくは0.5〜7m/s(Normal)、より好ましくは0.7〜4m/s(Normal)の範囲にあるのがよい。線速度が0.1m/s(Normal)未満では充分な除去効率が得られず、10m/s(Normal)を超えると除去効率は大きく変わらないが、排ガス処理装置の圧力損失が高くなるからである。
以下に実施例により発明を詳細に説明するが、本発明の効果を奏するものであれば以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<Ti−Si−Mo三元系酸化物の調製>
パラモリブデン酸アンモニウム2.5kgと、シリカゾル(スノーテックス−30(製品名)、日産化学社製、SiO2換算30質量%含有)6.0kgと、工業用アンモニア水(25質量%NH含有)124kgと、水142リットル(以下、Lと表記)との混合溶液に、硫酸チタニルの硫酸溶液(テイカ社製、TiOとして70g/L、HSOとして287g/L含有)231Lを、攪拌しながら徐々に滴下し、沈殿を生成させ後、適量のアンモニア水を加えてpHを5に調整した。この共沈スラリーを約20時間静置し、水で充分洗浄した後、濾過し、100℃で1時間乾燥させた。さらに、空気雰囲気下、550℃で5時間焼成し、さらにハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級してTi−Si−Mo三元系酸化物の粉体を得た。このようにして調製したTi−Si−Mo三元系酸化物粉体の組成は、TiO:SiO:MoO=81:9:10(質量比)であった。
<バナジウム酸化物および硫酸マンガンの添加>
11Lの水にメタバナジン酸アンモニウム2.06kgとシュウ酸2.47kg、さらにモノエタノールアミン0.5kgを混合し、溶解させ、均一溶液を調製した。先に調製したTi−Si−Mo三元系酸化物粉体17.8kgと、硫酸マンガン5水和物(MnSO・5HO)0.96kgをニーダーに投入後、有機バインダーなどの成形助剤とともにバナジウム含有溶液を加え、よく攪拌した。さらに適量の水を加えつつブレンダーでよく混合した後、連続ニーダーで充分混練りし、外形80mm角、長さ500mm、目開き3.2mm、肉厚0.5mmのハニカム状に押し出し成形した。得られた成形物を空気を通風しながら60℃で50分間乾燥後、空気雰囲気下500℃で5時間焼成して触媒Aを得た。この触媒Aの組成は、TiO:SiO:MoO:V:MnSO=72:8:9:8:3(質量比)であり、BET比表面積は96m/g、全細孔容積は0.35mL/gであった。
(実施例2)
実施例1において、硫酸マンガン5水和物0.96kgの代わりに硫酸鉄7水和物(FeSO・7HO)1.10kgを使用した以外は実施例1と同様にして、触媒Bを得た。この触媒Bの組成は、TiO:SiO:MoO:V:FeSO=72:8:9:8:3(質量比)であり、BET比表面積は95m/g、全細孔容積は0.36mL/gであった。
(実施例3)
実施例1において、硫酸マンガン5水和物0.96kgの代わりに硫酸コバルト7水和物(CoSO・7HO)1.09kgを使用した以外は実施例1と同様にして、触媒Cを得た。この触媒Cの組成は、TiO:SiO:MoO:V:CoSO=72:8:9:8:3(質量比)であり、BET比表面積は98m/g、全細孔容積は0.33mL/gであった。
(実施例4)
実施例1において、硫酸マンガン5水和物0.96kgの代わりに硫酸亜鉛7水和物(ZnSO・7HO)1.07kgを使用した以外は実施例1と同様にして、触媒Dを得た。この触媒Dの組成は、TiO:SiO:MoO:V:ZnSO=72:8:9:8:3(質量比)であり、BET比表面積は96m/g、全細孔容積は0.34mL/gであった。
(実施例5)
実施例1において、Ti−Si−Mo三元系酸化物粉体の使用量を18.0kgとし、かつ硫酸マンガン5水和物0.96kgの代わりに硝酸マンガン6水和物(Mn(NO・6HO)1.62kgを使用した以外は実施例1と同様にして、触媒Eを得た。この触媒Eの組成は、TiO:SiO:MoO:V:MnO=73:8:9:8:2(質量比)であり、BET比表面積は106m/g、全細孔容積は0.35mL/gであった。
(比較例1)
実施例1において、硫酸マンガン5水和物0.96kgの代わりに硫酸銅5水和物(CuSO・5HO)0.94kgを使用した以外は実施例1と同様にして、触媒Fを得た。この触媒Fの組成は、TiO:SiO:MoO:V:CuSO=72:8:9:8:3(質量比)であり、BET比表面積は99m/g、全細孔容積は0.34mL/gであった。
(比較例2)
実施例1において、Ti−Si−Mo三元系酸化物粉体の使用量を18.4kgとし、かつ硫酸マンガン5水和物0.96kgを添加しなかった事以外は実施例1と同様にして、触媒Gを得た。この触媒Gの組成は、TiO:SiO:MoO:V=75:8:9:8(質量比)であり、BET比表面積は121m/g、全細孔容積は0.36mL/gであった。
(NOx除去試験)
実施例1〜5および比較例1〜2で得た触媒A〜Gを用い、下記条件でNOx除去性能の評価を行なった。
[供給ガス組成]
NOx:300ppm,NH:300ppm,SO:100ppm,SO:5ppm,O:13容量%,HO:10容量%,N:balance
[処理条件]
ガス温度:250℃,空間速度:20,000h−1(STP),ガス線速度:1.0m/s(Normal)
次に、触媒入口および触媒出口のNOx濃度を測定し、次式に従ってNOx除去率を算出した。なお、測定は反応開始10時間後と500時間後に行なった。結果を表1に示す。
Figure 0006261260
Figure 0006261260
本発明は排ガスを処理するための触媒及び排ガス処理に関する技術である。特に船舶用ディーゼル機関から発生する排ガス中に硫黄酸化物と窒素酸化物(NOx)を含む排ガスの処理に用いることができる。更に詳しくは、都市ごみや産業廃棄物を処理する焼却施設、重油焚きボイラや石炭焚きボイラ、ディーゼルエンジン、火力発電所および各種工業プロセスから排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)および/または有機ハロゲン化合物を接触還元または分解除去する為の排ガス処理触媒、およびこの触媒を用いた排ガス処理方法に応用することができる。

Claims (3)

  1. 船舶用ディーゼル機関からの排ガスを処理するための触媒であって、該排ガス中の窒素酸化物濃度は5〜1000ppm(容量基準)であり、該排ガス中のSO 濃度は1〜50ppm(容量基準)であり、触媒A成分として、チタン、ケイ素及びモリブデンからなる三元系酸化物を含有し、ならびに触媒B成分として、マンガン、鉄、コバルトおよび亜鉛の少なくとも1種の元素の硫酸塩を含有することを特徴とする船舶用ディーゼル機関からの排ガスを処理するための触媒。
  2. 前記排ガスを処理する温度が200〜300℃であることを特徴とする請求項1記載の触媒。
  3. 請求項1または2に記載の触媒を用いることを特徴とする船舶用ディーゼル機関からの硫黄酸化物、窒素酸化物を含み、該排ガス中の窒素酸化物濃度は5〜1000ppm(容量基準)であり、該排ガス中のSO 濃度は1〜50ppm(容量基準)である、排ガスを処理する方法。
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