JP2002295241A - 船舶排気ガスの浄化方法および浄化装置 - Google Patents

船舶排気ガスの浄化方法および浄化装置

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JP2002295241A
JP2002295241A JP2001095372A JP2001095372A JP2002295241A JP 2002295241 A JP2002295241 A JP 2002295241A JP 2001095372 A JP2001095372 A JP 2001095372A JP 2001095372 A JP2001095372 A JP 2001095372A JP 2002295241 A JP2002295241 A JP 2002295241A
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Japan
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exhaust gas
catalyst
adsorbent
temperature
nox
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JP2001095372A
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Masamichi Ishikawa
川 正 道 石
Katsunori Yogo
語 克 則 余
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Mitsubishi Research Institute Inc
Ship and Ocean Foundation
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Mitsubishi Research Institute Inc
Ship and Ocean Foundation
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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ガスが低温である場合にもNOx排出量を
低減できる、船舶排気ガス浄化方法の提供。 【解決手段】 エンジンと、脱硝触媒との間に窒素酸化
物を吸着し得る吸着剤を配置し、触媒に接触する排気ガ
スの温度が低いときは、排気ガス中の窒素酸化物を前記
吸着剤に吸着させ、高温となったときに脱離させて、選
択接触還元法によって、排気ガスに初期から含まれる窒
素酸化物と、吸着剤から脱離した窒素酸化物とを還元さ
せる、船舶用ディーゼルエンジンから排出される排気ガ
スを浄化する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本願発明は、船舶のディーゼルエンジンから排出される
排気ガスを浄化する方法に関するものである。
【0002】背景技術 一般にディーゼルエンジンは酸素過剰型の内燃機関であ
り、その排気ガスは比較的多量の窒素酸化物(以下NOx
という)を含有している。このNOxは、公害や環境破壊
の原因となり得るものであるため、ディーゼルエンジン
には排気ガスからNOxを除去するための方法(以下、脱
硝方法という)が不可欠である。
【0003】排気ガスの脱硝方法は各種知られている
が、効率がよく、実用性の高い方法としては非選択接触
還元である三元触媒法と選択接触還元(Selective Catal
ytic Reduction)による方法が挙げられる。ディーゼル
エンジンは排気ガス中の酸素濃度が比較的高いため、そ
の浄化には非選択接触還元による方法を用いることが困
難であり、船舶などでは一般にアンモニアを用いた選択
接触還元による方法(以下、アンモニアSCR法という)
が用いられている。
【0004】アンモニアSCR法は、排気ガス中にアンモ
ニアを注入し、その下流に設置された脱硝触媒に接触さ
せて、下記の反応によってNOxを無害化、すなわち浄化
するものである。 4NO + 4NH3 + O2 → 4N2 + 6H2O NO + NO2 + 2NH3 → 2N2 + 3H2O これらの反応は、触媒がない場合には900〜1100℃で、
触媒がある場合には300〜400℃の温度で進行する。
【0005】
【発明の概要】しかしながら、一般にエンジンを始動し
てしばらくの間は排気ガスの温度は比較的低い。脱硝に
利用される触媒は排気ガスの温度によって昇温されるの
が一般的であるため、そのときの触媒の温度も低く、触
媒が活性となる温度より低いのが一般的である。このた
め、排気ガスの温度が十分高くなるまではNOxの除去が
できず、NOxを含んだ排気ガスがそのまま大気中に放出
されているのが現状である。
【0006】このような問題点に対して、ディーゼルエ
ンジンにおいて、排気ガスが触媒によって脱硝できる温
度になるまでの比較的低温の排気ガスのNOxを除去する
方法が求められていた。
【0007】本発明は、このような問題点を鑑みて、デ
ィーゼルエンジンを始動してから排気ガスの温度が高く
なり、触媒が活性となる温度に至るまで、排気ガス中の
NOxの濃度を低減させることを目的とするものである。
【0008】すなわち、本発明による船舶用ディーゼル
エンジンから排出される排気ガスを浄化する方法は、前
記ディーゼルエンジンと、窒素酸化物と還元剤との反応
を活性化させる触媒との間に窒素酸化物を吸着し得る吸
着剤を配置し、前記触媒と接触する排気ガスの温度が前
記触媒が活性となる温度未満であるときは、排気ガス中
の窒素酸化物を前記吸着剤に吸着させ、前記触媒に接触
する排気ガスの温度が前記触媒が活性となる温度以上に
なったときに、吸着剤が吸着している窒素酸化物を脱離
させて、前記還元剤と前記触媒とによって、排気ガスに
初期から含まれる窒素酸化物と、吸着剤から脱離した窒
素酸化物とを還元させることを特徴とするものである。
【0009】本発明によれば、エンジンを起動してから
排気ガスの温度が高温になるまでの期間においても排気
ガス中のNOxを低減させることができる。
【0010】
【発明の具体的説明】選択接触還元法 本発明による船舶排気ガスの浄化方法は、選択接触還元
法と吸着剤とを組み合わせたものである。この方法に用
いることのできる選択接触還元法はNOxを触媒に接触さ
せて還元させる方法であればとくに限定されない。具体
的には、アンモニアSCR法、尿素SCR法、炭化水素SCR
法、およびその他のNOxを触媒を用いて還元する方法が
挙げられる。これらの方法は、排気ガスに還元剤物質を
混合し、触媒の作用によってNOxを還元するものであ
る。
【0011】脱硝触媒 本発明による船舶排気ガスの浄化方法には、従来用いら
れている任意の脱硝触媒を用いることができる。このよ
うな触媒の活性成分としては、(a)金属酸化物、たと
えばV2O5、WO3、CuO、Fe2O3、Cr2O3、Mn2O3、Nb2O5、Mo
O3、CaO、ZnO、SnO2、CeO2、ZnO、NiOなど、および
(b)貴金属、たとえば、Pt、Pd、Rh、Agなど、が挙げ
られる。また、前記の活性成分を担持する担体として
は、TiO2、Al2O 3、ZrO2、MgO、SiO3、SnO2、ZnOなどが
挙げられる。前記触媒活性成分を担体に担持させた触媒
を用いることが一般的である。
【0012】触媒には、第一にNOx還元活性が求められ
る。しかし、触媒の活性は共存するガス、たとえばイオ
ウ酸化物(以下SOxという)によって、触媒の活性は著
しく変化する。このため、本発明による方法が用いられ
る環境や、燃料の種類などに応じて適切に選択されるべ
きである。
【0013】一方、担体は触媒の活性成分に応じて決め
られるのが普通である。担体の表面構造、細孔構造など
は触媒の性能に寄与するので、これらを適切に制御する
ことが好ましい。一般的にはコストや取り扱い性などの
点からTiO2が好ましく利用される。
【0014】また、そのほかゼオライトなども脱硝触媒
として用いることができる。
【0015】本発明による船舶排気ガスの浄化方法にお
いては、具体的には、V2O5/TiO2(TiO2に担持されたV2O
5を意味する)、WO3/V2O5/TiO2、Fe2O3/TiO2、MnO2/TiO
2、Cr2O3/TiO2、CoO/TiO2、CuO/TiO2、ZnO/TiO2、NiO/T
iO2、WO3/TiO2、MoO/TiO2、V 2O5/TiO2、Fe2O3/WO3/Ti
O2、MoO/WO3/TiO2、V2O5/ゼオライトなどを脱硝触媒と
して用いることができる。これらのうち、V2O5/TiO2
脱硝効率の点から好ましい。一方で、V2O5/TiO2のSOxに
よる活性低下を抑制するために、V2O5/TiO2にWやMoを組
み合わせた触媒は、コストや脱硝効率の点からより好ま
しい。
【0016】触媒の形状は、特に限定されず、ペレット
状であっても、ハニカム構造を有するものであってもよ
いが、排気ガスとの接触面積を大きく、排気ガス系統に
おける圧力損失を最小限にするものが好ましい。
【0017】吸着剤 本発明による船舶排気ガスの浄化方法には、従来知られ
ている任意のNOx吸着剤を用いることができる。この吸
着剤は、低温、すなわち用いる触媒が活性となる温度よ
り低い温度、ではNOxを吸着し、高温、すなわち用いる
触媒が活性となる温度以上の温度、ではNOxを脱離する
性質を有するものである。なお、NOxが吸着剤から脱離
を開始する温度は、上記の条件を満たしたうえで、著し
く高い温度でないことが好ましく、触媒が十分に活性と
なる温度では、実質的に吸着されているNOxがないこと
がより好ましい。このような吸着剤を選択したとき、エ
ンジンが停止して冷却された後、改めてエンジンが始動
されたときにも本発明による浄化効果が十分に発揮され
るためである。
【0018】なお、本発明において、「吸着」という用
語は前記の性質を示すものであれば物理吸着であっても
化学吸着であってもよいが、一般的には化学吸着に分類
されるものである。
【0019】このような吸着剤としては、(a)金属、
例えばCu、Ni、Co、Pt、Rh、Fe、Cr、Ce、Mnなど、
(b)金属酸化物および金属複合酸化物、例えばBaO、C
uO、Cr2O 3、Mn2O3、ZrO2、Al2O3、TiO2、Fe2O3、Fe
3O4、FeOOH、BaCrO4、BaMnOx、BaFeO3 -x、BaCoO3-x
ど、(c)無機多孔体、例えばCu、Niなどを含むゼオラ
イトなどが挙げられる。
【0020】本発明による方法においては、これらの吸
着剤から、本発明の方法を提供しようとする環境、浄化
しようとする排気ガスの成分などに応じて適宜選択され
るが、排気ガス中の水蒸気により、その構造が破壊され
たり、NOx吸着能が著しい変動を受けることの少ない、M
n2O3・2ZrO2、Mn2O3・Al2O3、Mn2O3・Fe2O3、SnO2、CeO 2
NiO、Co3O4、CuO・Al2O3、NiO・Al2O3、Co3O4・Al2O3、Fe2
O3・Al2O3、Fe2O3・SiO 2、およびFe2O3からなる群から選
択される酸化物、またはCa、Sr、Ba、Mg、Cu、Ag、Co、
Mn、Ni、Zn、Fe、Cr、Ce、およびLaからなる群から選択
される金属のイオンでイオン交換されたゼオライトが好
ましい。
【0021】本発明による方法において、吸着剤は任意
の形状で用いることができるが、NOxを吸着する部分の
面積が大きく、排気ガスの圧力損失を最小限にする形状
が好ましい。具体的には、前記した触媒の構造と同様の
ものから選択することができて、ペレット状、ハニカム
構造などが挙げられる。
【0022】なお、本発明による方法では、NOxの吸着
性に着目して吸着剤を選択することが必須であるが、SO
xの吸着性にも着目することが好ましい。排気ガス中のS
Oxは、還元剤として用いるアンモニア類と反応して硫酸
アンモニウム塩を生成することがある。この硫酸アンモ
ニウム塩は、触媒に付着し、その表面を被覆してしまう
ため、触媒活性を著しく阻害する性質がある。このた
め、触媒の上流に配置される吸着剤がSOxをも吸着する
性質を有するものであれば、硫酸アンモニウム塩による
触媒の被毒を防止することができる。
【0023】船舶排気ガスの浄化方法 本発明による、船舶排気ガスの浄化方法は、前記した選
択接触還元法に、前記吸着剤を組み合わせて、排気ガス
が低温であるときはNOxを吸着剤に吸着させ、高温時に
は選択接触還元法により、排気ガス中のNOx、および吸
着剤から脱離したNOxを還元するものである。
【0024】本発明による排気ガスの浄化方法を概念図
を用いて説明すると以下の通りである。
【0025】図1は本発明による方法を用いた場合を示
すものである。排気ガスの温度が低いとき(図1
(a))、エンジンから排出された排気ガス中のNOxは
吸着剤1に吸着される。このために、最終的に排出され
る排気ガス中のNOxの量は、エンジンから排出された生
の排気ガスよりも減少している。
【0026】排気ガスの温度が上昇して、触媒の活性温
度以上になったとき(図1(b))、吸着剤1から低温
時に吸着されたNOxが脱離を開始する。このとき還元剤
導入口2より還元剤の導入を開始する。排気ガス中のNO
xは、触媒3に吸着され、表面反応によって還元剤と反
応して窒素に変換される。従って、このとき最終的に排
出される排気ガス中のNOxの量はエンジンから排出され
た生の排気ガスよりも減少している。
【0027】従って、本発明に方法によれば、排気ガス
の温度によらず、常に排気ガス中のNOxを低減させるこ
とができる。
【0028】図2は、従来の接触還元による排気ガスの
浄化方法を示すものである。排気ガスの温度が低いとき
には、還元反応が起こらないため、NOxの含有量が高い
排気ガスがそのまま排出される(図2(a))。
【0029】排気ガスの温度が上昇して、触媒の活性温
度以上になったとき、還元剤導入口2より還元剤の導入
を開始する(図2(b))。排気ガス中のNOxは、触媒
3に吸着され、表面反応によって還元剤と反応して窒素
に変換される。従って、排気ガスの温度が高温であると
きにだけ、最終的に排出される排気ガス中のNOxの量は
エンジンから排出された生の排気ガスよりも減少してい
る。
【0030】このように従来の方法においては、排気ガ
スの温度が低い場合にはNOxの排出量が低減されておら
ず、本発明による方法がNOx排出量低減に有効であるこ
とがわかる。
【0031】さらに、本発明の方法では、排気ガスの温
度が上昇したときにNOxが吸着剤から脱離するため、使
用サイクルのなかで吸着剤が再生されることとなり、メ
ンテナンス性にも優れている。また、排気ガス中のNOx
以外の成分、例えばSOxや煤塵などにより吸着剤が劣化
しても、選択接触還元システムとは独立しているので、
交換が容易にできる。
【0032】さらに、吸着剤としてSOxを吸着するもの
を選択すれば、硫酸アンモニウム塩による触媒の被毒を
防止することができて、触媒の寿命を延ばすことができ
る。
【0033】なお、本願発明による方法において、吸着
剤は還元剤と接触しない位置に配置する、すなわち、吸
着剤は還元剤の導入口の上流に配置する、ことが好まし
い。これは、吸着剤に還元剤が吸着して、吸着能力を低
減させたり、還元剤自体が吸着剤の作用によって、新た
な汚染物質、例えばNOx、に変化することを防ぐためで
ある。
【0034】
【実施例】吸着剤の調製 (1)ゼオライト型吸着剤の調製 カチオンがアンモニウムイオンであるZSM-5型ゼオライ
ト(以下、NH4-ZSM-5という)のカチオンを以下のよう
に銅イオンに置換することにより、カチオンが銅イオン
であるZSM-5型ゼオライト(以下、Cu-ZSM-5という)を
調製した。
【0035】500mlの水に、2.08gの(CH3COO)2Cuと、5.1
4gのNH4-ZSM-5を加え、室温で24時間撹拌した。撹拌後
の分散液を吸引濾過し、水で洗浄した。得られた残留物
を、500mlの水と2.08gの(CH3COO)2Cuからなる混合溶液
に加え、室温で24時間撹拌した。この操作を3回繰り返
し、3回目の洗浄の後、オーブンにて一昼夜乾燥させ
た。得られた乾燥粉末をめのう乳鉢で粉砕して、Cu-ZSM
-5を得た。
【0036】(2)バリウム−銅焼成体の調製 硝酸バリウムおよび硝酸銅を焼成することにより、バリ
ウム−銅焼成体(以下、Ba-Cu-Oという)を調製した。
【0037】1.13gのBa(NO3)2と10.30gのCu(NO3)2・3H2O
とを、乳鉢にて粉砕し、物理混合した。得られた粉体を
マッフル炉にて、昇温速度5℃/分で750℃まで加熱
し、さらに5時間焼成してBa-Cu-Oを得た。
【0038】(3)Mn2O3・2ZrO2の調製 硝酸マンガンおよび硝酸ジルコニウムを焼成することに
より、マンガン−ジルコニウム焼成体Mn2O3・2ZrO2(以
下Mn-Zr-Oという)を調製した。14.98gのMn(NO3)2・6H2O
と13.93gのZrO(NO3)2・2H2Oとを100mlの水に加えて撹拌
した。粉末が溶解した後、63mlの28%アンモニア水を加
えて、pHを10.5とした。生成した沈殿物を蒸発乾固させ
た後、乳鉢で粉砕し、マッフル炉にて550℃で焼成してM
n-Zr-Oを得た。
【0039】NOx吸着試験 上記の方法により得られた吸着剤をそれぞれ所定量はか
り取り、100℃に保持した。ここにNOを含む模擬排気ガ
スを供給し、模擬排気ガス供給開始と同時に吸着剤を10
℃/分の一定速度で昇温させた。吸着剤を通過したあと
の模擬排気ガス中のNO濃度を測定し、そのNO濃度と、供
給した模擬排気ガスのNO濃度との差からNO吸着量を求め
た。この測定を、それぞれの吸着剤について、H2Oを含
有しない模擬排気ガスとH2Oを含有する模擬排気ガスと
について行った。得られた結果は下記の表に示すとおり
であった。
【0040】吸着剤 NO(ppm) O 2 (%) H 2 O(%) 吸着量(cm 3 ) H 2 O存在下での吸着能力 Ba-Cu-O 1,000 10 0 4.63* - 1,000 10 10 2.67 * 58% Mn-Zr-O 1,000 10 0 3.31 - 1,000 10 10 3.00 91% Cu-ZSM-5 1,000 10 0 2.15 - 1,000 10 10 0.413 19% * : 500℃まで昇温してもNOxは脱離せず、H2O存在下では構造破壊が観察された 。
【0041】脱硝触媒調製方法 本例においては、脱硝触媒として、1重量%のV2O5を担
持したTiO2触媒を用いた。この触媒は以下の通りにして
調製した。
【0042】バナジン酸アンモニウムを水に溶解させ
て、バナジン酸アンモニウム水溶液を調製した。アナタ
ーゼ型二酸化チタンを準備し、そこに含まれるTiO2に対
して、バナジン酸アンモニウムを酸化させたことにより
生成するV2O5の量が1重量%となる量のバナジン酸アン
モニウム水溶液を含浸させた。引き続き、酸化チタンを
加熱し、蒸発乾固させて粉末を得た。この粉末を550℃
で3時間焼成し、脱硝触媒を調製した。
【0043】脱硝反応装置 本発明の効果を評価するために、図3に示される装置を
準備した。この装置は、吸着剤1であるMn-Zr-Oと脱硝
触媒3であるV2O5/TiO2が二層構造を形成している。こ
の装置において、触媒量を0.43gまたは0.72g、吸着剤量
を1.3gとした。この二つの層の間にアンモニアの導入口
2が設置されている。また、触媒層の両端にはシリカウ
ール4が詰めてあり、触媒を固定している。また、装置
内に温度を測定するために熱電対5が、反応装置出口に
排出されるガスを検出する検出器6が配置されている。
【0044】排気ガス浄化試験 前記の反応装置を100℃に保持し、模擬排気ガスの供給
開始と同時に、反応装置の温度を10℃/分の速度で昇温
した。ガスの流量は総流量が100cm3/分となるように調
整した。模擬排気ガス中のNOで吸着剤が飽和し、反応装
置出口でNOが検出され始めた時点でアンモニアガス(還
元剤)の導入を開始し、さらに反応装置の昇温を続け
た。アンモニアガスは、吸着剤から脱離するNOxの濃度
と等しくなるように調整しながら、0〜3500ppmの濃度で
導入した。模擬排気ガスとして、下記の成分のガスを用
いた。 (a)NO (1000ppm)、O2(10%)、H2O(10%) (b)NO (1000ppm)、O2(10%)、H2O(10%)、SO2(200ppm)
【0045】得られた結果は図4に示すとおりであっ
た。
【0046】アンモニアを導入しない場合は、図中の4
1で示されるとおり、一度吸着されたNOが350℃付近か
ら脱離して排気されるが、還元剤がないために還元され
ず、そのまま排出される。
【0047】一方、アンモニアを導入すると、図中の4
2(ガス(a))および43(ガス(b))(これら
は、いずれも触媒量が0.43gの場合に対応している)で
示されるとおり、吸着したNOxが350℃付近から脱離しは
じめるが、還元反応がおこり、排出されるガス中のNOx
量は低減されている。これはSO2が存在するか否かに依
存していない。
【0048】また、触媒量を増加させた場合は、44で
示されるように、温度が100〜500℃の範囲でNOxはほと
んど排出されなかった。
【0049】また、前記の反応装置において、吸着剤を
配置しなかった場合には、温度が300℃を越えるまで、
導入したNOxがそのまま排出された。温度が300℃を越え
た時点から、NOxの排出量は徐々に減少し、400℃を越え
た時点でNOxの排出量はほとんど0となった。
【0050】これらの一連の試験の温度範囲100〜500℃
におけるNOx吸着量、NOx排出量、NOx除去量、NOx除去率
は下記の通りである。
【0051】 表1 触媒量 NOx吸着量 NOx排出量 NOx除去量 NOx除去率 (cc) (cc) (cc) (%) ガス(a) - 2.58 2.50 0 0 ガス(a)+NH3 0.43g - 0.47 3.53 88.3 ガス(b)+NH3 0.43g - 0.48 3.52 88.0ガス(a)+NH 3 0.72g - 0.08 3.92 98.0
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による排気ガスの浄化方法の概念図。
【図2】従来の方法による排気ガスの浄化方法の概念
図。
【図3】本発明による排気ガスの浄化方法を行うための
装置の概略図。
【図4】実施例における、排気ガス中のNOx排出パター
ンを示す図。
【符号の説明】
1 吸着剤 2 還元剤導入口 3 触媒 4 シリカウール 5 熱電対 6 ガス検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/74 B01J 20/08 C 53/86 ZAB 20/10 C 53/94 20/18 D F01N 3/10 B01D 53/34 129A // B01J 20/06 132Z 53/36 ZAB 20/08 101Z 20/10 20/18 (72)発明者 余 語 克 則 東京都千代田区大手町二丁目3番6号 株 式会社三菱総合研究所内 Fターム(参考) 3G091 AA04 AA18 AB04 AB09 BA03 CA17 FA01 FB02 FB03 FB10 GA01 GA06 GB01W GB05W GB09W GB10W GB16W 4D002 AA02 AA12 AC10 BA04 CA07 DA04 DA11 DA21 DA22 DA23 DA24 DA25 DA45 DA46 GA01 GB03 HA01 4D048 AA06 AB02 AC02 AC03 AC04 BA07X BA11Y BA23X BA25Y BA26Y BA27Y BA28Y BA30Y BA31Y BA33Y BA34Y BA35Y BA36Y BA37Y BA38Y BA41X BB01 CC38 CD01 DA01 DA02 DA03 DA13 4G066 AA15B AA20B AA21B AA22B AA23B AA27B AA62B BA36 CA23 CA28 DA02 FA11 GA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】船舶用ディーゼルエンジンから排出される
    排気ガスを浄化する方法であって、前記ディーゼルエン
    ジンと、窒素酸化物と還元剤との反応を活性化させる触
    媒との間に窒素酸化物を吸着し得る吸着剤を配置し、前
    記触媒に接触する排気ガスの温度が前記触媒が活性とな
    る温度未満であるときは、排気ガス中の窒素酸化物を前
    記吸着剤に吸着させ、前記触媒に接触する排気ガスの温
    度が前記触媒が活性となる温度以上になったときに、吸
    着剤が吸着している窒素酸化物を脱離させて、前記還元
    剤と前記触媒とによって、排気ガスに初期から含まれる
    窒素酸化物と、吸着剤から脱離した窒素酸化物とを還元
    させる、排気ガスの浄化方法。
  2. 【請求項2】還元剤が、アンモニア、尿素、および炭化
    水素からなる群から選択されるものである、請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】触媒が、金属酸化物、および貴金属からな
    る群から選択される活性成分を含んでなるものである、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】触媒の活性成分が、TiO2、Al2O3、ZrO2、M
    gO、SiO3、SnO2、およびZnOからなる群から選択される
    担体に担持されている、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】触媒が、TiO2に担持されたV2O5、またはTi
    O2に担持されたWO3およびV2O5である、請求項4に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】吸着剤が、金属、金属酸化物および金属複
    合酸化物、ならびに無機多孔体からなる群から選択され
    る、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】吸着剤が、Mn2O3・2ZrO2、Mn2O3・Al2O3、Mn
    2O3・Fe2O3、SnO2、CeO2、NiO、Co3O 4、CuO・Al2O3、NiO・
    Al2O3、Co3O4・Al2O3、Fe2O3・Al2O3、Fe2O3・SiO2、およ
    びFe2O3からなる群から選択される酸化物、またはCa、S
    r、Ba、Mg、Cu、Ag、Co、Mn、Ni、Zn、Fe、Cr、Ce、お
    よびLaからなる群から選択される金属のイオンでイオン
    交換されたゼオライトである、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】吸着剤が、硫黄酸化物を吸着する性質を有
    するものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    方法。
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