JP2982623B2 - アンモニア含有排ガスの無害化方法 - Google Patents

アンモニア含有排ガスの無害化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種排ガスに含まれる有
害なアンモニアを、窒素ガスと水とに酸化分解して無害
化する方法に関するものである。アンモニア含有排ガス
としては、コークス炉や各種工場からの排ガス、ア
ンモニアを含む水溶液に空気または水蒸気を吹き込むこ
とによりアンモニアを放散させるアンモニアストリッピ
ングプロセスにおける排ガス、アンモニアを還元剤と
する選択的接触還元による排煙脱硝プロセスにおける排
ガス、都市清掃施設、都市浄水施設、汚泥処理施設か
ら排出される排ガスなどがある。
【0002】
【従来の技術】前記アンモニアストリッピングプロセス
は排水中の全窒素濃度を低減させる方法であり、湖沼や
閉鎖海域の富栄養化を防ぐ技術として、最近特に検討さ
れつつあるが、その場合には排水中から放散したアンモ
ニア含有ガスの処理が必要である。
【0003】また、発電所などから排出される排煙中の
窒素酸化物の効果的な除去方法として採用されている排
煙脱硝法は、アンモニアを還元剤とする選択的接触還元
であり、火力発電所を中心に幅広く用いられている。近
年、電力需要の増加に対応するため、発電所用ガスター
ビン等の設置が都市部を中心に進められており、これら
から排出される窒素酸化物は、生活環境保全上の問題と
なるばかりか、設置地域が窒素酸化物総量規制対象地域
であることも多く、排ガス中の窒素酸化物量をきわめて
低いレベルに抑えることが望まれている。そのためアン
モニア注入量を化学量論量より増加させることにより、
脱硝装置を高脱硝率で運転するなどの方法が検討されて
いる。この場合は、過剰に添加され脱硝反応に利用され
なかった未反応アンモニア(ソークアンモニア)を低減
させることが必要となるが、過剰アンモニアの除去に際
してはアンモニアの酸化分解法が汎用されており、この
際窒素酸化物が多量に発生しない方法、即ち、窒素と水
への高選択率分解を達成することのできる処理方法が必
要となる。
【0004】アンモニア含有排ガスの処理方法として
は、古くから希硫酸水溶液により硫安を形成させる方法
が知られている。更には、図2に示す様な触媒による方
法として、原処理ガスを空気で希釈し、その後反応ガス
を所定温度まで昇温させてから酸化触媒でアンモニアを
分解し、生じた窒素酸化物(NOx)を反応ガスの一部
と混合し、下流に設けた還元触媒によってN2 とH2
に還元する方法がある(特開昭53−108065)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上に示した希硫酸水溶
液による硫安形成方法では、湖沼や閉鎖海域の富栄養化
防止のためにはその後の更なる処理が必要となる。ま
た、上記触媒によるアンモニアの無害化方法では、酸化
触媒と還元触媒の2つの触媒の使用を必要とし、さらに
はアンモニアの濃度が高い時には希釈空気を大量に必要
とするため装置が大きくなりコストが高くなるという問
題がある。
【0006】そこで本発明の目的は、酸素過剰存在下や
高濃度アンモニア存在下(500ppm以上)におい
て、アンモニア酸化分解触媒を用いてアンモニアを分解
し、さらにはNOxの排出量を極めて低くすることので
きるアンモニア含有排ガスの無害化方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため、鋭意研究検討を加えた。その結果、以下
に示す如き方法が提供されることとなった。すなわち本
発明の基本プロセスとは、触媒の充填された反応器にア
ンモニア含有排ガスを供給し、該触媒の存在下にアンモ
ニアを酸化分解して無害化する方法において、前記反応
器からの窒素酸化物含有出口ガスの一部をリサイクルし
て原処理ガスと混合し、再び前記反応器に導入して窒素
酸化物を還元処理することを特徴とするアンモニア含有
排ガスの無害化方法である。
【0008】ここで処理原ガスとしては、500ppm
以上のアンモニアを含有する排ガスが対象となる。この
排ガス中には、上記主旨から理解される様に若干の窒素
酸化物が含まれていてもよく、あるいは炭化水素系ガス
が含有されていてもよい。
【0009】本発明に用いる触媒としては、Tiを含む
酸化物である触媒A成分と、バナジウム、タングステン
及びモリブデンよりなる群から選ばれた少なくとも1種
の金属の酸化物である触媒B成分と、白金、パラジウ
ム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、クロム、マン
ガン、鉄、銅よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
金属あるいはその酸化物である触媒C成分とを含有する
触媒が最も有効である。また触媒A成分としては、Ti
及びSiを含有する二元系複合酸化物、Ti及びZrを
含有する二元系複合酸化物、Ti,Si及びZrを含有
する三元系複合酸化物よりなる群から選ばれた少なくと
も1種の複合酸化物を用いるものが最も有効である。
【0010】
【作用】以下更に具体的に本発明を説明する。本発明の
アンモニア含有排ガスの無害化方法の概念を図1に示し
た。まず、原処理ガスを空気により希釈する。この希釈
された反応ガスを送風器、加熱器経由で300〜400
℃に昇温した後、触媒を充填してなる反応器に導入酸化
分解する。そして出口ガスの一部をリサイクルし処理原
ガスに導入する。この様に反応器出口ガスの一部をリサ
イクルすることにより、反応器で生成した窒素酸化物を
原処理ガスのアンモニアと混合するので、触媒を充填し
てなる反応器では窒素酸化物がアンモニアによって窒素
と水に分解され、排出ガス中の窒素酸化物を極めて低く
抑えることが可能となる。さらに、反応器出口ガスは高
温であるので、これをリサイクルすることにより原処理
ガスの温度を上昇させることができ、熱効率がよくなる
というメリットも生じる。さらにリサイクルガスをアン
モニアの希釈ガスとして利用することができ、多量の希
釈空気を必要としなくなる。この様に反応器出口ガスを
リサイクルすることにより多くのメリットが生じる。リ
サイクルガス量は原処理ガス量の1〜100倍の範囲で
行うことが好ましい。原処理ガス中のNH3 濃度が非常
に高い場合は希釈するために100倍に近いリサイクル
ガス量を必要とするが、処理原ガス中のNH3 濃度があ
まり高くない場合(例えば2vol%)は希釈ガス量も
少なくてよいので、1倍程度のリサイクルガス量でよ
い。100倍以上は触媒増加で経済的でない。1倍未満
では上に記したリサイクルの効率が少なくなる。
【0011】以下反応器に充填する触媒について説明す
る。本発明のアンモニア分解触媒を構成する成分のう
ち、第一の特徴は触媒成分Aとして特定の金属、即ち少
なくともTiを含む酸化物を用いるところにある。より
好ましいのは、Tiと他の金属を含む複合酸化物であ
り、例えばTi及びSiからなる二元系複合酸化物、T
i及びZrからなる二元系複合酸化物及びTi、Siと
Zrとからなる三元系複合酸化物が推奨される。
【0012】一般にTi及びSiからなる二元系複合酸
化物は、例えば、田部浩三(触媒,第17巻,No3,
72頁,1975年)によって周知であるように固体酸
であり、構成する各単独の酸化物ではみられない顕著な
酸性を示し、また高表面積を有するものである。すなわ
ち、上記のTiO2 −SiO2 (チタンとケイ素の複合
酸化物、以下、各複合酸化物の表示法として、酸化物と
酸化物の間に「−」を用いて示すこともある。)は酸化
チタン及び酸化ケイ素を単に混合したものではなく、チ
タン及びケイ素がいわゆる二元系酸化物を形成すること
により、その特異的な物性を発現するものと認められる
ものである。またチタン、ケイ素及びジルコニウムから
る三元系複合酸化物もTiO2 −SiO2 と同様の性質
を有する複合酸化物である。さらに、上記の複合酸化物
はX線回折による分析の結果、非晶質若しくは非晶質に
近い微細な構造を有していることが分かった。
【0013】かかる複合酸化物が本発明において優れた
効果をもたらす理由については未解明の部分を残すが、
複合酸化物を構成する酸化物単独では認められない特有
の性質、即ちアンモニア吸着性能、高表面積、高細孔容
積、耐イオウ化合物性などに帰因されると考えている。
つまり、本発明において用いられる複合酸化物はガス中
に共存するイオウ酸化物などの影響を受けにくいこと、
アンモニア吸着性能に優れること、高表面積かつ高細孔
容積を有し触媒活性成分の高分散酸化が可能であること
等から、少量の活性成分で且つ幅広い温度範囲で高活性
を示し、シンタリングなどによる熱劣化もなく長寿命の
触媒が得られるものと推測される。
【0014】以上の点については、一般的に使用される
酸化物、例えばアルミナ等と、本発明に係る複合酸化物
とを比べると、さらに明確に効果上の相違が理解でき
る。例えば、本発明に係る複合酸化物に代えてアルミナ
を用いた場合は、アンモニアの分解(水と窒素ガスへの
分解)活性が低くなり、また、処理ガス中にイオウ化合
物が存在すると、アルミナが硫酸塩に変化し、分解活性
の低下や触媒強度の低下を生じる。
【0015】またシリカを用いる場合は、アンモニアの
分解活性が低く、高温下において、特に水分を含むガス
を処理すると、シンタリングによって表面積の大幅な低
下を生じ、アンモニアの分解活性が一層低くなる。
【0016】またゼオライトを使用すると耐熱性に劣
り、高温条件下では結晶構造が変化し表面積の大幅な低
下を生じるとともに、分解活性も著しく低下する。以上
のような欠点は本発明に係る複合酸化物では殆ど見られ
ず、アンモニア分解触媒として極めて有効なものとな
る。
【0017】本発明に係る複合酸化物である触媒A成分
に触媒B成分を組み合わせると、アンモニアの分解によ
るNOxの生成は非常に少なくなる。また仮に処理ガス
中にNOxが含まれていてもアンモニアによる脱硝反応
を受けるため、出口ガスにはNOxはほとんど存在しな
いものとなる。しかし一方では、当該処理ガス中にNO
xが存在しない場合、特に低温でのアンモニア分解活性
が低くなる。また触媒A成分に触媒C成分を組み合わせ
ると、アンモニア分解活性の点では優れるが、NOxの
発生が高くなり好ましくないものとなる。
【0018】ところが触媒A、B及びC成分の全てを組
み合わせることにより、触媒A成分の優れたアンモニア
吸着能に加え、触媒B及びC成分の働きが有効にプラス
され、アンンモニア分解活性の向上及びNOx発生の低
減という相乗効果を得ることができる。
【0019】このような理由から、本発明において使用
される触媒A成分の物性及び組成は本発明のアンモニア
分解触媒の特性に大きな影響を与える。例えばそのBE
T表面積は、低すぎるとアンモニア分解能が低く耐久性
も低下するため30m2 /g以上であることが好まし
く、40m2 /g以上であることがより好ましい。表面
積の上限は特に限定されないが、本発明における金属の
複合酸化物は一般に1000m2 /g以下の表面積を有
し、更に好ましくは、40〜300m2 /gである。4
0m2 /g未満である場合は、アンモニア分解活性が低
くなり、1000m2 /gを超える場合は、初期活性は
高いが触媒性能についての経時変化が大きくなることも
あるので長期間の使用には好ましくないことも生じる。
【0020】本発明で用いられる好適な二成分系の複合
酸化物は、TiO2 −SiO2 又はTiO2 −ZrO2
の二元系複合酸化物であり、これらのうち表面積の大き
さ、アンモニアの分解し易さ等を考慮すると、TiO2
−SiO2 の複合酸化物が特に好ましい。
【0021】TiO2 −SiO2 又はTiO2 −ZrO
2 の二元系複合酸化物を用いる場合の各成分の組成比
は、酸化物換算(酸化チタンはTiO2 として計算、酸
化ケイ素はSiO2 、酸化ジルコニウムはZrO2 とし
て計算)で、二成分の合計モル量を100モル%とした
とき、TiO2 −SiO2 の二元系複合酸化物では、T
iO2 が40〜95モル%、好ましくは60〜95モル
%である。40モル%未満である場合及び95モル%を
超える場合は、アンモニアの分解性が低くなる。またT
iO2 −ZrO2 の二元系複合酸化物では、TiO2
45〜98モル%、好ましくは、65〜95モル%であ
る。45モル%未満である場合は、表面積が低くなるた
めアンモニアの分解活性も低くなり、98モル%を超え
る場合は、アンモニア分解活性が低くなる。
【0022】また触媒A成分が三元系の複合酸化物であ
る場合の組成比は、酸化物換算(酸化チタンはTiO2
として計算、酸化ケイ素はSiO2 として計算、酸化ジ
ルコニウムはZrO2 として計算)の合計を100モル
%としたとき、TiO2 が40〜95モル%、より好ま
しくは60〜95モル%の範囲内にあることが好まし
い。TiO2 が多過ぎる場合は複合酸化物としての特徴
が十分発揮されず、また少な過ぎる場合は触媒活性が低
下する。
【0023】SiO2 は1〜60モル%、好ましくは、
5〜40モル%であり、1モル%未満である場合は、表
面積が低くなりアンモニア分解活性も低くなり、60モ
ル%を超える場合は、アンモニア分解活性が低くなる。
【0024】ZrO2 は1〜55モル%、好ましくは、
5〜40モル%であり、1モル%未満である場合は、三
元系の複合酸化物としての上記特性が十分発揮されず、
55モル%を超える場合は、表面積が低くアンモニア分
解活性も低くなる。なお、本発明においては、使用条件
によっては、上記の二元系複合酸化物と三元系複合酸化
物とを併用することもできる。
【0025】かかる金属の複合酸化物の調製方法は、例
えばTi及びSiからなる二元系複合酸化物について説
明すれば、チタン源としては、塩化チタン、硫酸チタン
等の無機チタン化合物、テトライソプロピルチタネート
等の有機チタン化合物などから適宜選択使用することが
できる。またケイ素源としては、コロイド状シリカ、水
ガラス、微粒子ケイ酸、四塩化ケイ素等の無機ケイ素化
合物、テトラエチルシリケート等の有機物ケイ素化合物
等から適宜選択使用することができる。これらの原料の
なかには、微量の不純物、混入物等を含有することがあ
るが、ある程度の量であれば、目的とするチタン−ケイ
素の複合酸化物の物性には、大きく影響を及ぼすもので
はないので、問題なく使用することができる。上記チタ
ン−ケイ素の複合酸化物の好ましい調製方法としては、
以下に示す手順により達成できる。
【0026】(1)四塩化チタンをシリカゾルと混合
し、アンモニアを添加して沈殿を生じさせ、得られた沈
殿物を洗浄、乾燥し、次いで、300〜650℃で焼成
すると、目的の複合酸化物を得ることができる。 (2)四塩化チタンにケイ酸ナトリウム水溶液を添加し
て沈殿を生じさせ、得られた沈殿物を洗浄、乾燥し、次
いで300〜650℃で焼成すると、目的の複合酸化物
を得ることができる。 (3)四塩化チタンの水−アルコール溶液にエチルシリ
ケートを添加し、次いで加水分解することにより沈殿物
を生じさせ、得られた沈殿物を洗浄、乾燥し、次いで、
300〜650℃で焼成すると、目的の複合酸化物を得
ることができる。 (4)酸化塩化チタン(TiOCl2 )とエチルシリケ
ートとの水−アルコール溶液にアンモニアを加えて沈殿
を生じさせ、得られた沈殿物を洗浄、乾燥し、次いで3
00〜650℃で焼成すると、目的の複合酸化物を得る
ことができる。
【0027】上記の方法のうち(1)の方法が特に好ま
しく、さらに具体的には、チタン源(TiO2 )及びケ
イ素源(SiO2 )のモル比が所定量となるように取
り、酸性の水溶液またはゾル状態(1〜100g/リッ
トル(チタン源はTiO2 でケイ素源はSiO2 で、夫
々換算する)の濃度の酸性の水溶液またはゾルの状態)
で、10〜100℃に保ち、その中に中和剤としてアン
モニア水を滴下し、pH2〜10で10分〜3時間保持
してチタン及びケイ素との共沈物を生成させる。この沈
殿物をろ過し、充分洗浄後、80℃〜140℃で10分
間〜3時間乾燥し、400〜700℃で1〜10時間焼
成すると、チタン−ケイ素複合酸化物を得ることができ
る。またケイ素の代わりに、塩化ジルコニウム、硝酸ジ
ルコニウム、硫酸ジルコニウム等の無機系ジルコニウム
化合物、または硫酸ジルコニウムなどの有機系ジルコニ
ウム、または場合によってはジルコニアゾルを用いるこ
とにより、チタンとジルコニアの複合酸化物(チタニア
−ジルコニア、チタン−シリカ−ジルコニアの複合酸化
物)を得ることができる。
【0028】本発明の第二の特徴である触媒B成分、す
なわちバナジウム、タングステン及びモリブデンよりな
る群から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物の添加
については、前記複合酸化物の粉体又はスラリーに、上
記金属の塩類もしくはその溶液を添加混合し必要に応じ
てニーダーなどで練ってハニカム状などに成形すること
によっても可能であるし、前記複合酸化物を成形、乾
燥、焼成して得られる成形体に、上記金属の塩類の溶液
を含浸担持させる方法によって添加することも可能であ
る。かかる金属の塩類のとしては、例えばメタバナジン
酸アンモン、パラタングステン酸アンモニウム、パラモ
リブデン酸アンモンが挙げられる。
【0029】本発明に係る触媒B成分としては、バナジ
ウム及びタングステンの少なくとも1種が特に好まし
く、また、触媒B成分を併用する場合は、1〜99モル
%、好ましくは2〜98モル%の比率で混合することも
できる。
【0030】本発明の第三の特徴である触媒C成分、す
なわち白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリ
ジウム、クロム、マンガン、鉄、銅よりなる群から選ば
れた少なくとも1種の金属又はその酸化物は、前記触媒
A成分又は触媒A成分と触媒B成分の混合物の粉体又は
スラリーに、例えばこれら金属の塩類もしくはその溶液
で添加することで配合でき、また、触媒A成分もしくは
触媒A成分と触媒B成分より成る成形体にこれら金属の
塩類の溶液を含浸担持させる方法によっても添加するこ
ともできる。
【0031】触媒C成分のうち特に好ましいのは、アン
モニア分解活性が高い白金またはパラジウムの少なくと
も1種であり、更に好ましくはパラジウムである。ま
た、触媒B成分を併用する場合は、1〜99モル%、好
ましくは2〜98モル%の比率で混合することもでき
る。
【0032】本発明によって提供されるアンモニア分解
触媒の成形体は、上記触媒A成分、触媒B成分、触媒C
成分又はそれらの塩類よりなる粉体やスラリーなどから
成形して用いてもよく、また上記触媒A成分及び触媒B
成分よりなる成形体に触媒C成分を担持してもよく、ま
た上記触媒A成分よりなる成形体に触媒B成分及び触媒
C成分を担持して用いることもできる。また、本発明に
よって得られる触媒組成物は、板状、液板状、網状、ハ
ニカム状、円柱状、円筒状などの形状に成形して用いて
も良いし、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、コーデ
ィライト、チタニア、ステンレス金属などよりなる板
状、液板状、網状、ハニカム状、円柱状、円筒状などの
形状の担体に担持して使用してもよい。
【0033】この様にして得られたアンモニア分解触媒
における触媒A成分、触媒B成分及び触媒C成分の組成
比は、そのアンモニア分解特性に大きい影響を与える。
触媒A成分が多すぎると触媒B成分及び触媒C成分添加
の効果が十分に得られず、一方少なすぎてもアンモニア
分解活性が低下する。触媒B成分が少なすぎると高温で
の触媒活性が低くなり、ある程度を超えて大きくしても
触媒活性の大きな向上は認められない。また、触媒C成
分が少ないとアンモニア分解活性、特に低温でのアンモ
ニア分解活性が低くなり、多すぎると触媒コストが高く
なる他アンモニア酸化によるNOx生成が特に高温にお
いて増加する傾向が見られるようになる。
【0034】具体的に述べるならば、好ましくは触媒A
成分は酸化物の形で70〜99重量%、より好ましくは
75〜95重量%、触媒B成分は酸化物の形で0.5〜
30重量%、より好ましくは1〜20重量%、触媒C成
分は酸化物として0.001〜20重量%、より好まし
くは0.005〜10重量%の範囲にあることが好まし
い。
【0035】触媒A成分が、70重量%未満である場合
は、アンモニア分解活性及び耐久性が低くなり、99重
量%を超える場合も同様にアンモニア分解活性が低くな
る。触媒B成分が、0.5重量%未満である場合は、高
温でのアンモニア分解活性が低くなり、30重量%を超
えて添加してもそれに見合った大きなアンモニア活性の
向上がない。触媒C成分が、0.001重量%未満であ
る場合は、低温でのアンモニア分解活性が低くなり、2
0重量%を超える場合は、高温でのNOx生成が増加す
る。
【0036】また得られた触媒の物性は、触媒A成分の
物性において述べたごとく、例えばそのBET表面積
は、低すぎるとアンモニア分解活性が低く耐久性も低下
するため30m2 /g以上であることが好ましく、40
2 /g以上でることがより好ましい。更にその細孔容
積は低すぎると触媒活性が低く、また高すぎると触媒の
強度が低くなるため0.25〜0.9cc/gの範囲に
あることが好ましく、0.3〜07cc/gの範囲にあ
ることがより好ましい。0.25cc/g未満である場
合は、触媒活性が低くなり、0.9cc/gを超える場
合は、触媒強度が低下し、触媒の充填などの点に支障が
生じる。
【0037】以下に触媒A成分としてTiO2 −SiO
2 複合酸化物、触媒B成分としてバナジウム及びタング
ステン酸化物、触媒C成分として白金よりなる本発明の
触媒の調製方法の一例を示す。
【0038】まず、前述の方法で得られたTiO2 −S
iO2 複合酸化物粉体にメタバナジン酸アンモン及びパ
ラタングステン酸アンモニウムのモノエタノールアミン
水溶液と成形助剤、例えば澱粉、ポリエチレンオキサイ
ドを加え十分混練りした後ハニカム型に押し出し成形す
る。この時触媒強度を高めるためにガラス繊維やガラス
粉末を加えることも可能である。続いてこの成形体を5
0〜150℃で乾燥した後300〜700℃で1〜10
時間焼成処理する。かくして得られたハニカム成形体を
塩化白金酸の水溶液に含浸し、50〜200℃で乾燥、
焼成して所望の触媒を得る。
【0039】本発明の触媒が使用されるアンモニア分解
処理の対象となるガスとしては、各種工場からのアンモ
ニアを含む排ガス、コークス炉排ガス、アンモニアを還
元剤とした選択的接触還元による排煙脱硝プロセスから
のリークアンモニアを含む排ガス、アンモニアストリッ
ピングプロセスからのアンモニア含有ガス、都市清掃施
設、都市浄水施設、汚泥処理施設等から排出されるガス
等が挙げられる。これらのガスは、本発明により得られ
る触媒の特性、すなわち低温から高温まで幅広い温度範
囲で高いアンモニア分解活性を示し窒素酸化物の生成も
極めて低くかつ処理ガス中にイオウ化合物が含まれても
優れた耐久性を有する特徴を十分に発揮させるものであ
る。
【0040】本発明の触媒に対する処理対象ガスの空間
速度は、100〜100000hr-1、好ましくは20
0〜50000hr -1 の範囲にあるのがよい。100h
-1未満である場合は、処理装置が大きくなりすぎ非効
率的であり、100000hr-1を超える場合は、分解
効率が低下する。
【0041】分解処理ガス温度は、25〜700℃の範
囲にあることが好ましく、より好ましくは100〜50
0℃の範囲がよい。25℃未満である場合は、分解効率
が低くなり、700℃を超える場合は、NOxの生成が
増加する。以下に実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0042】
【実施例】
実施例1 Ti及びSiからなる二元系複合酸化物を以下に述べる
方法で調製した。10重量%アンモニア水700リット
ルにスノーテックス−20(日産化学製シリカゾル、約
20重量%−SiO2 含有)35.5Kgを加え撹拌混
合した後、硫酸チタニルの硫酸水溶液(TiO2 として
125g/リットル、硫酸濃度0.55g/リットル)
300リットルを撹拌しながら徐々に滴下した。得られ
たゲルを3時間放置後、濾過水洗し続いて150℃で1
0時間乾燥した。次いで、500℃で6時間焼成した。
得られた粉体の組成はTi:Si=4:1(モル比)で
BET表面積は210m2 /gであった。こうして得ら
れた粉体のX線回折チャートはTiO2 やSiO2 の明
らかな固有ピークが認められず、ブロードな回折ピーク
から非晶質な微細構造を有するTi及びSiよりなる複
合酸化物であることが確認された。こうして得られたT
i及びSiよりなる複合酸化物粉体20Kgにメタバナ
ジン酸アンモニウム1.43Kg及びパラタングステン
酸アンモニウム1.29Kgを含む10%モノエタノー
ルアミン水溶液12Kgを加え更に成形助剤として澱粉
を加えて混合しニーダーで混練りした後、押し出し成形
機で外形80mm角、目開き2.8mm、肉厚0.5m
m,長さ450mmのハニカム状に成形した。次いで8
0℃で乾燥後450℃で5時間空気雰囲気下で焼成し
た。得られたハニカム成形体の組成は、Ti−Si複合
酸化物:V25 :WO2=90:5:5(重量比)で
あった。この成形体を硝酸パラジウム水溶液(16g−
Pd/リットル)に含浸しその後150℃で3時間乾燥
し続いて空気雰囲気下で450℃で3時間焼成した。こ
うして得られた触媒のBET表面積は130m2 /gで
あり、細孔容積は0.45cc/gであった。また、触
媒の組成は、Ti−Si複合酸化物:V25 :WO
2 :Pd=89.4:5.0:5.0:0.6(重量
比)であった。
【0043】この触媒を用いて図1に示すテスト装置を
製作し、以下の条件で実施した。 NH3 27Nl/h 希釈空気 600Nl/h リサイクルガス 2100Nl/h 反応器入口ガス量 2727Nl/h 排出ガス量 634Nl/h 反応温度 350℃ 空間速度 5000h-1 結果を表1に示す。ここでNOx排出量は次式によって
求めた。 NOx排出量(l/h)=排出ガス濃度(ppm)×排
出ガス量(l/h)×10-6 またNOx生成率は次式によって示す。 NOx生成率(%)=(NOx排出量/NH3 導入量)
×100
【0044】実施例2 Ti及びZrからなる二元系複合酸化物を以下に述べる
方法で調製した。スノーテックスの代わりに酸化塩化ジ
ルコニウム(ZrOCl2 :8H2 O)を用いた以外は
実施例1と同様にしてTi及びZrからなる二元系複合
酸化物を調製した。得られた粉体の組成はTi:Zr=
4:1(モル比)でありX線の回折チャートからはTi
2 やZrO2 の明らかな固有ピークは認められず、ブ
ロードな回折ピークから非晶質な微細構造を有するTi
及びZrよりなる複合酸化物であることが確認された。
このTi及びZrからなる二元系複合酸化物の粉体を用
いて実施例1と同様にしてハニカム状触媒を得た。得ら
れた触媒のBET表面積は85m2 /gであり、細孔容
積は0.38cc/gであった。また、触媒の組成は、
Ti−Zr複合酸化物:V25 :WO2 :Pd=8
9.4:5.0:5.0:0.6(重量比)であった。
この触媒を用いて実施例1と同様の装置、条件で反応実
験を行った。結果を表2に示す。
【0045】実施例3 Ti及びSi、Zrからなる三元系複合酸化物を以下に
述べる方法で調製した。Zr源として酸化塩化ジルコニ
ウム(ZrOCl2 :8H2 O)を加えて用いた以外は
実施例1と同様にしてTi、Si、Zrからなる三元系
複合酸化物を調製した。得られた粉体の組成はTi:S
i:Zr=20:4:1(モル比)でありX線の回折チ
ャートからはTiO2 やSiO2 ,ZrO2 の明らかな
固有ピークは認められず、ブロードな回折ピークから非
晶質な微細構造を有するTi、Si及びZrよりなる複
合酸化物であることが確認された。このTi、Si、Z
rからなる三元系複合酸化物の粉体を用いて、実施例1
と同様にしてハニカム状触媒を得た。得られた触媒のB
ET表面積は115m2 /gであり、細孔容積は0.4
3cc/gであった。また、触媒の組成は、Ti−Si
−Zr複合酸化物:V25 :WO3 :Pd=89.
4:5.0:5.0:0.6(重量比)であった。この
触媒を用いて実施例1と同様の装置、条件で反応実験を
行った。結果を表2に示す。
【0046】実施例4 メタバナジン酸アンモニウムの代わりにパラモリブデン
酸アンモンを用いた他は実施例1と同様にして触媒を調
製した。得られた触媒のBET表面積は121m2 /g
であり、細孔容積は0.42cc/gであった。また、
触媒の組成は、Ti−Si複合酸化物:MoO3 :WO
3 :Pd=89.4:5.0:5.0:0.6(重量
比)であった。この触媒を用いて実施例1と同様の装
置、条件で反応実験を行った。結果を表2に示す。
【0047】実施例5 使用原料の量を変化させ硝酸パラジウム溶液の代わりに
塩化白金酸溶液を用いた以外は実施例1と同様にして触
媒を調製した。得られたTi及びSiからなる二元系複
合酸化物の組成はTi:Si=9:1(モル比)であ
り、X線の回折チャートからはTiO2 やSiO2 の明
らかな固有ピークは認められず、ブロードな回折ピーク
から非晶質な微細構造を有するTi及びSiよりなる複
合酸化物であることが確認された。最終的に得られた触
媒のBET表面積は110m2 /gであり、細孔容積は
0.41cc/gであった。また、触媒の組成は、Ti
−Si複合酸化物:V25 :WO3 :Pt=89.
6:5.0:5.0:0.4(重量比)であった。この
触媒を用いて実施例1と同様の装置、条件で反応実験を
行った。結果を表2に示す。
【0048】実施例6 使用原料の量を変化させ硝酸パラジウム水溶液の代わり
に硝酸ロジウム溶液を用いた以外は実施例1と同様にし
て触媒を調製した。得られたTi及びSiからなる二元
系複合酸化物の組成はTi:Si=4:1(モル比)で
ありX線の回折チャートからはTiO2 やSiO2 の明
らかな固有ピークは認められず、ブロードな回折ピーク
から非晶質な微細構造を有するTi及びSiよりなる複
合酸化物であることが確認された。最終的に得られた触
媒のBET表面積は95m2 /gであり、細孔容積は
0.39cc/gであった。また、触媒の組成は、Ti
−Si複合酸化物:V25 :WO3 :Rh=84.
8:10.0:5.0:0.2(重量比)であった。こ
の触媒を用いて実施例1と同様の装置、条件で反応実験
を行った。結果を表2に示す。
【0049】実施例7 使用原料の量を変化させメタバナジン酸アンモニウムを
添加しなかった以外は実施例1と同様にして触媒を調製
した。得られたTi及びSiからなる二元系複合酸化物
粉体の組成はTi:Si=4:1(モル比)でありX線
の回折チャートからはTiO2 やSiO2 の明らかな固
有ピークは認められず、ブロードな回折ピークから非晶
質な微細構造を有するTi及びSiよりなる複合酸化物
であることが確認された。最終的に得られた触媒のBE
T表面積は132m2 /gであり、細孔容積は0.44
cc/gであった。また、触媒の組成は、Ti−Si複
合酸化物:WO3 :Pd=89.4:10.0:0.6
(重量比)であった。この触媒を用いて実施例1と同様
の装置、条件で反応実験を行った。結果を表2に示す。
【0050】実施例8 使用原料の量を変化させ硝酸パラジウム水溶液の代わり
に塩化ルテニウム溶液を用いた以外は実施例1と同様に
して触媒を調製した。得られたTi及びSiからなる二
元系複合酸化物粉体の組成はTi:Si=4:1(モル
比)でありX線の回折チャートからはTiO2 やSiO
2 の明らかな固有ピークは認められず、ブロードな回折
ピークから非晶質な微細構造を有するTi及びSiより
なる複合酸化物であることが確認された。最終的に得ら
れた触媒のBET表面積は117m2 /gであり、細孔
容積は0.43cc/gであった。また、触媒の組成
は、Ti−Si複合酸化物:V25 :WO3 :Ru=
92.6:3.0:4.0:0.4(重量比)であっ
た。この触媒を用いて実施例1と同様の装置、条件で反
応実験を行った。結果を表2に示す。
【0051】実施例9 使用原料の量を変化させ硝酸パラジウム水溶液の代わり
に塩化イリジウムのアルコール溶液を用いパラタングス
テン酸アンモニウムを用いなかった以外は実施例1と同
様にして触媒を調製した。得られたTi及びSiからな
る二元系複合酸化物粉体の組成はTi:Si=4:1
(モル比)でありX線の回折チャートからはTiO2
SiO2 の明らかな固有ピークは認められず、ブロード
な回折ピークから非晶質な微細構造を有するTi及びS
iよりなる複合酸化物であることが確認された。最終的
に得られた触媒のBET表面積は92m2 /gであり、
細孔容積は0.40cc/gであった。また、触媒の組
成は、Ti−Si複合酸化物:V25 :Ir=89:
10:1(重量比)であった。この触媒を用いて実施例
1と同様の装置、条件で反応実験を行った。結果を表2
に示す。
【0052】実施例10 使用原料の量を変化させ硝酸パラジウム水溶液の代わり
硝酸クロム[Cr(NO2)3 ・9H2 O]と硝酸マン
ガン[Mn(NO32 ・6H2 O]の溶液を用いた以
外は実施例1と同様にして触媒を調製した。得られたT
i及びSiからなる二元系複合酸化物の組成はTi:S
i=4:1(モル比)でありX線の回折チャートからは
TiO2 やSiO2 の明らかな固有ピークは認められ
ず、ブロードな回折ピークから非晶質な微細構造を有す
るTi及びSiよりなる複合酸化物であることが確認さ
れた。最終的に得られた触媒のBET表面積は112m
2 /gであり、細孔容積は0.43cc/gであった。
また、触媒の組成は、Ti−Si複合酸化物:V2
2 :WO3 :Cr23 :MnO=83.0:5:5:
2:5(重量比)であった。この触媒を用いて実施例1
と同様の装置、条件で反応実験を行った。結果を表2に
示す。
【0053】実施例11 使用原料の量を変化させ硝酸パラジウム水溶液の代わり
に硝酸鉄[Fe(NO 33 9H2 O]と硝酸銅[Cu
(NO32 ・3H2 O]の溶液を用いた以外は実施例
1と同様にして触媒を調製した。得られたTi及びSi
からなる二元系複合酸化物の組成はTi:Si=4:1
(モル比)でありX線の回折チャートからはTiO2
SiO2 の明らかな固有ピークは認められず、ブロード
な回折ピークから非晶質な微細構造を有するTi及びS
iよりなる複合酸化物であることが確認された。最終的
に得られた触媒のBET表面積は110m2 /gであ
り、細孔容積は0.43cc/gであった。また、触媒
の組成は、Ti−Si複合酸化物:V25 :WO3
Fe23 :CuO=83.0:5:5:2:5(重量
比)であった。この触媒を用いて実施例1と同様の装
置、条件で反応実験を行った。結果を表2に示す。
【0054】<比較例1>実施例1と同じ触媒を用いて
図1におけるリサイクルを行わないで、以下の条件で反
応実験を行った。 NH3 27Nl/h 希釈空気 2700Nl/h 反応器入口ガス量 2727Nl/h 排出ガス量 2734Nl/h 反応温度 350℃ 空間速度 5000h-1 結果を表1に示す。 <比較例2>実施例5と同じ触媒を用いて図1における
リサイクルを行わないで、比較例1の条件で反応実験を
行った。結果を表2に示す。
【0055】<比較例3>3mm角の孔径を持つコージ
ェライトハニカム担体にγ−アルミナ粉をコーティング
し、乾燥・焼成を行って触媒支持体を調製し、化学吸着
法によって触媒支持体上にPtを担持し、100℃で乾
燥した後、空気流通下において450℃、2時間焼成し
た。該触媒のPt担持量は0.4重量%であった。この
触媒を用いて図1におけるリサイクルを行わないで比較
例1の条件で反応実験を行った。
【0056】結果を表1,2に示す。表1は触媒C成分
としてパラジウムを使用したもの同士どうしを対比して
示すものであり、表2は触媒C成分としてパラジウムを
使用した例(実施例2〜4)、及びその他の金属を使用
したものを示す。実施例5と比較例2は同じ触媒を使用
したものである。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】表1、表2の結果を総覧すると、酸化分解
ガスの一部をリサイクルした実施例ではNOxの生成量
が非常に少ないことが分かる。なお実施例1〜4は触媒
C成分としてパラジュウムを使用しており、特に優れた
効果を示している。
【0060】
【発明の効果】本発明は上記の様に構成されているの
で、アンモニア濃度の高い排ガスであっても効率良くア
ンモニアを酸化分解することができ、この際NOxが多
く副生してもこれをリサイクルによってN2 とH2 に還
元分解できるのでNOxの発生量を総体的に抑制するこ
とができる。またリサイクル方式を採用しているので希
釈空気による熱ロスを大幅に抑制できることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわるフローシート。
【図2】公知のアンモニア含有排ガスの処理プロセスの
フローシート。
【符号の説明】
1,11 被処理ガス入口配管 2,12 送風器 3,13 加熱器 4 触媒充填層 5,17 スタック 6 リサイクル配管 14 酸化触媒充填層 15 ガス混合器 16 還元触媒充填層 18 被処理ガス分離配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B01J 21/06 B01J 23/64 102A 32/00 103A (72)発明者 奥原 一巳 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒 触媒研究所内 (56)参考文献 特開 昭49−59072(JP,A) 特開 昭62−282623(JP,A) 特開 昭52−58067(JP,A) 特開 平1−266849(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 53/86 - 23/94 B01J 21/00 - 38/74

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニア含有排ガスを触媒の充填され
    た反応器に供給し、該触媒の存在下に酸化分解して無害
    化する方法において、 前記反応器の出口から排出される窒素酸化物含有ガスの
    うち、原処理ガスの1〜100倍量をリサイクルして原
    処理ガスと混合し、再び前記反応器に導入して処理する
    ことを特徴とするアンモニア含有排ガスの無害化方法。
  2. 【請求項2】 原処理ガスが500ppm以上のアンモ
    ニアを含有する排ガスである請求項1に記載の無害化方
    法。
  3. 【請求項3】 反応器に充填する触媒として、Tiを含
    む酸化物である触媒A成分と、バナジウム、タングステ
    ン及びモリブデンよりなる群から選ばれた少なくとも1
    種の金属の酸化物である触媒B成分と、白金、パラジウ
    ム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、クロム、マン
    ガン、鉄、銅よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
    金属あるいはその酸化物である触媒C成分とを含有する
    触媒を用いる請求項1又は2に記載の無害化方法。
  4. 【請求項4】 触媒A成分として、Ti及びSiを含有
    する二元系複合酸化物、Ti及びZrを含有する二元系
    複合酸化物、Ti、Si及びZrを含有する三元系複合
    酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の複合酸
    化物を用いる請求項3に記載の無害化方法。
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