JP3091820B2 - 排ガスの脱臭および脱硝用触媒およびその触媒を用いる脱臭および脱硝方法 - Google Patents

排ガスの脱臭および脱硝用触媒およびその触媒を用いる脱臭および脱硝方法

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JP3091820B2 JP06172615A JP17261594A JP3091820B2 JP 3091820 B2 JP3091820 B2 JP 3091820B2 JP 06172615 A JP06172615 A JP 06172615A JP 17261594 A JP17261594 A JP 17261594A JP 3091820 B2 JP3091820 B2 JP 3091820B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種排ガス中に含まれる
悪臭成分の脱臭及び窒素酸化物の脱硝用の触媒及びその
触媒を用いた脱臭及び脱硝方法に関する。さらに詳しく
は、各種焼却炉からの排ガス中に含まれる窒素酸化物
(NOx)、並びに硫黄化合物(SOx)、アルデヒド
類、硫化物類、脂肪酸類、アミン類及び芳香族系炭化水
素を含有する排ガス、例えば、下水処理用活性汚泥の焼
却ガスの脱臭および脱硝の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各焼却炉中の排ガス中には、窒素酸化物
(NOx)、並びに硫黄化合物(SOx)、アルデヒド
類、硫化物類、脂肪酸類、アミン類及び芳香族系炭化水
素が含まれ、特にこれらの物質は、微量であっても極め
て臭気性が高く、これらの物質を如何に除去するかが課
題となっている。
【0003】これらの物質の除去には、一般的には、ア
ルカリスクラバーにより排ガスを脱硫することで臭気を
除く方法、排ガスにアンモニアを添加し脱硝する方法等
が採用されている。
【0004】しかしなから、通常用いられる脱硝触媒で
は、アルデヒド類、硫化物類、脂肪酸類、アミン類等の
脱臭効率が低いため、これらの物質を処理するために
は、脱硝処理の後、さらに脱臭用の酸化触媒を必要とす
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、排ガス中に
含まれる悪臭成分の脱臭及び窒素酸化物の脱硝を同時に
効率よく行うことができる触媒及び悪臭成分の脱臭及び
窒素酸化物の脱硝方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意研究検討を加えた。その結果、特定の
金属の複合酸化物を選択し、更にその複合酸化物を特定
の金属の酸化物及び貴金属成分と組み合わせることによ
り目的とする高活性高寿命の悪臭成分の脱臭及び窒素酸
化物の脱硝を同時に効率よく行うことができる触媒及び
悪臭成分の脱臭及び窒素酸化物の脱硝方法を見い出し本
発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の通
り特定されるものである。
【0007】 (1)非晶質若しくはほぼ非晶質に近い
微細な構造を有する、Ti及びSiからなる二元系複合
酸化物、Ti及びZrからなる二元系複合酸化物、T
i、Si及びZrからなる三元系複合酸化物よりなる群
から選ばれた少なくとも1種の複合酸化物である触媒A
成分と、、Cu、Cr、Fe、V、W、Mn、Ni、M
o、Ce、Ca及びPbよりなる群から選ばれた少なく
とも1種の金属の酸化物である触媒B成分と、白金、パ
ラジウム、ロジウム、ルテニウム及びイリジウムよりな
る群から選ばれた少なくとも1種の貴金属又はその化合
物である触媒C成分とを含有することを特徴とする排ガ
スの脱臭及び脱硝用触媒。
【0008】(2)上記1記載の触媒を用いる排ガスの
脱臭及び脱硝方法。
【0009】(3)該排ガスが下水処理用活性汚泥の焼
却ガスである上記2記載の排ガスの脱臭及び脱硝方法。
【0010】(4)該排ガス中の窒素酸化物濃度が50
〜1000ppmである上記2記載の排ガスの脱臭及び
脱硝方法。
【0011】(5)該排ガス中の脱臭成分が、アルデヒ
ド類、硫化物類、脂肪酸類、アミン類、炭化水素及びア
ンモニアである上記2記載の排ガスの脱臭及び脱硝方
法。
【0012】(6)該排ガス中の脱臭成分の濃度が0.
01〜1000ppmである上記2記載の排ガスの脱臭
及び脱硝方法。
【0013】以下に更に具体的に本発明を説明する。本
発明の脱臭及び脱硝の対象となる排ガスとは、脱臭成分
および窒素酸化物を含有する排ガスであり、例えば下水
処理用活性汚泥の焼却ガスのような排ガスである。本発
明に係る排ガス中の脱臭の対象となる脱臭成分(以下、
悪臭成分ともいう)としては、アセトアルデド、ホルム
アルデヒド、アクロレイン等のアルデヒド類;硫化水
素、メルカプタン、硫化メチル等の硫化物類;酪酸、プ
ロピオン酸、吉草酸等の脂肪酸類;ジメチルアミン、ト
リメチルアミン等のアミン類;脂肪酸、芳香族、脂環族
等の炭化水素;アンモニア等である。これらの悪臭成分
を本発明で処理しうる排ガス中の濃度は、排ガスの空間
速度、排ガスの処理温度等によって適宜選択しうるもの
であるが、本発明の他の要件を考慮すると好ましくは
0.01〜1000ppm、さらに好ましくは0.01
〜100ppmである。0.01ppm未満である場合
は、特に悪臭公害の影響が少ないため悪臭処理を必要と
せず、また1000ppmを超える場合には、悪臭処理
に伴い触媒層の温度が上昇するため、添加アンモニアが
熱分解を起こし脱硝反応に寄与しうる添加アンモニア量
が低下するめ脱硝効率が低下するため好ましくはないも
のである。
【0014】また、本発明の触媒および方法で処理しう
る排ガス中には、上記悪臭成分等の他、排ガス中の未燃
焼成分、例えば一酸化炭素を含むものであってもよい。
【0015】 本発明の触媒を構成する成分のうち、第
一の特徴は触媒成分Aとして非晶質若しくはほぼ非晶質
に近い微細な構造を有する、Ti及びSiからなる二元
系複合酸化物、Ti及びZrからなる二元系複合酸化
物、Ti、Si及びZrからなる三元系複合酸化物より
なる群から選ばれた少なくとも1種の複合酸化物を用い
るところにある。
【0016】一般にチタンおよびケイ素からなる二元系
複合酸化物、例えば、田部浩三(触媒,第17巻,No
3,72頁,1975年)によっても周知のように、固
体酸として知られ、構成するおのおの単独の酸化物には
みられない顕著な酸性を示し、また高表面積を有するも
のである。すなわち、上記のTiO2−SiO2(チタン
とケイ素の複合酸化物、以下、各複合酸化物の表示法と
して、酸化物と酸化物の間に「−」を用いて示すことも
ある。)は酸化チタンおよび酸化ケイ素を単に混合した
ものではなく、チタンおよびケイ素がいわゆる二元系酸
化物を形成することにより、その特異的な物性を発現す
るものと認められるものである。またチタン、ケイ素お
よびジルコニウムからなる三元系複合酸化物もTiO2
−SiO2と同様な性質を有する複合酸化物である。さ
らに、上記の複合酸化物はX線回折による分析の結果、
非晶質若しくはほぼ非晶質に近い微細な構造を有してい
ることが判った。
【0017】本発明においてかかる金属の複合酸化物が
優れた効果をもたらす理由については明確ではないが、
かかる金属の複合酸化物を構成する酸化物単独では認め
られない複合酸化物の特性、すなわち高表面積、高細孔
容積などに帰因すると考えられる。つまり、高表面積か
つ高細孔容積を有し、触媒の活性成分の高分散化が可能
であることから少量の活性成分で幅広い温度範囲で高活
性を示し、シンタリングなどによる熱劣化もなく長寿命
の触媒が得られるものと推測される。
【0018】以上の点について、一般的に使用される酸
化物、例えばアルミナ等と、本発明に係る酸化物または
複合酸化物とを比べると、さらに明確に効果が判る。例
えば、本発明に係る複合酸化物に代えアルミナ、シリ
カ、ゼオライト、チタニア等は低温での脱臭効率が低下
する等があり好ましくない。
【0019】このような理由から、本発明において使用
される触媒A成分の物性及び組成は本発明の脱臭、脱硝
用の触媒の特性に大きな影響を与える。例えばそのBE
T表面積は、低すぎると脱臭性能が低く耐久性も低下す
るため30m2/g以上であることが好ましく、40m2
/g以上であることがより好ましい。表面積の上限は特
に限定されないが、本発明における金属の複合酸化物は
一般に500m2/g以下の表面積を有し、さらに好ま
しくは、40〜300m2/gである。40m2/g未満
である場合は、脱臭効率が低くなり、500m2/gを
超える場合は、初期活性は高いが触媒性能についての経
時変化が大きくなることもあるので長期間の使用には好
ましくないことも生じる。
【0020】さらに本発明に係る二成分系の複合酸化
物、TiO2−SiO2又はTiO2−ZrO2の二元系複
合酸化物であり、これらのうち表面積の大きさ、脱臭及
び脱硝等を考慮すると好ましくは、TiO2−SiO2
複合酸化物である。
【0021】またTiO2−SiO2又はTiO2−Zr
2の二元系複合酸化物である場合の各成分の組成比
は、酸化物に換算(酸化チタンはTiO2、酸化ケイ素
はSiO2、酸化ジルコニウムはZrO2)で、二成分の
合計モル量を100モル%とした場合、TiO2−Si
2の二元系複合酸化物であるときは、TiO2が40〜
95モル%、好ましくは60〜95モル%である。40
モル%未満である場合および95モル%を超える場合
は、脱硝効率が低くなるからである。
【0022】TiO2−ZrO2の二元系複合酸化物であ
るとき、TiO2が45〜98モル%、好ましくは、6
5〜95モル%である。45モル%未満である場合は、
表面積が低くなるため脱硝効率が低くなるからであり、
98モル%を超える場合は、触媒強度が低くなるからで
ある。
【0023】また触媒A成分が三元系の複合酸化物であ
る場合の組成比は酸化物に換算(酸化チタンはTi
2、酸化ケイ素はSiO2、酸化ジルコニウムはZrO
2)の合計を100モル%とした場合、TiO2が40〜
95モル%、より好ましくは60〜95モル%の範囲内
にあることが好ましい。TiO2がその範囲を超える場
合は複合酸化物としての特徴が十分発揮されず、またそ
の範囲未満である場合は、触媒活性が低下する。
【0024】SiO2が1〜60モル%、好ましくは、
5〜40モル%、1モル%未満である場合は、表面積が
低くなり脱臭性能も低くなるからであり、60モル%を
超える場合は、脱臭性能が低くなるからである。
【0025】ZrO2が1〜55モル%、好ましくは、
5〜40モル%、1モル%未満である場合は、三元系の
複合酸化物としての上記特性が十分発揮されず、55モ
ル%を超える場合は、表面積が低くなるため脱臭効率等
が低くなるものである。
【0026】なお、本発明においては、使用条件によっ
ては、上記の二元系複合酸化物と三元系複合酸化物とを
併用することもできる。
【0027】かかる金属の複合酸化物の調製方法は、例
えばTi及びSiからなる二元系複合酸化物について説
明すれば、チタン源としては、塩化チタン、硫酸チタン
等の無機チタン化合物、テトライソプロビルチタネート
等の有機チタン化合物などから適宜選択使用することが
できる。また、ケイ素源としては、コロイド状シリカ、
水ガラス、微粒子ケイ酸、四塩化ケイ素等の無機ケイ素
化合物、テトラエチルシリケート等の有機物ケイ素化合
物等から適宜選択使用することができる。これらの原料
のなかには、微量の不純物、混入物等を含有することが
あるが、ある程度の量であれば、目的とするチタン−ケ
イ素の複合酸化物の物性には、大きく影響を及ぼすもの
ではないので、問題なく使用することができる。上記チ
タンーケイ素の複合酸化物の好ましい調製方法として
は、以下に示す手順により達成できる。
【0028】(1)四塩化チタンをシリカゾルと混合
し、アンモニアを添加して沈殿を生じさせ、得られた沈
殿物を洗浄、乾燥し、次いで、300〜650℃で焼成
し、目的の複合物を得ることができる。
【0029】(2)四塩化チタンにケイ酸ナトリウム水
溶液を添加し、反応し沈殿を生じさせ、得られた沈殿物
を洗浄、乾燥し、次いで、300〜650℃で焼成し、
目的の複合物を得ることができる。
【0030】(3)四塩化チタンの水−アルコール溶液
に、エチルシリケート((C36O)4Si)を添加
し、次いで加水分解することにより沈殿物を生じさせ、
得られた沈殿物を洗浄、乾燥し、次いで、300〜65
0℃で焼成し、目的の複合物を得ることができる。
【0031】(4)酸化塩化チタン(TiOCl3
と、エチルシリケートとの水−アルコール溶液に、アン
モニアを加わえ、沈殿を生じさせ、得られた沈殿物を洗
浄、乾燥、次いで、300〜650℃で焼成し、目的の
複合物を得ることができる。
【0032】上記の方法のうち(1)の方法が特に好ま
しく、さらに具体的には、チタン源(TiO2)および
ケイ素源(SiO2)のモル比が所定量となるように取
り、酸性の水溶液またはゾル状態(1〜100g/リッ
トル(以下、Lで表示する、なお、この量は、チタン源
はTiO2で、ケイ素源はSiO2で、換算する)の濃度
の酸性の水溶液またはゾルの状態)で、10〜100℃
に保ち、その中に中和剤としてアンモニア水を滴下し、
pH2〜10で10分から3時間保持してチタンおよび
ケイ素との共沈物を生成し、この沈殿物をろ過し、充分
洗浄後、80℃〜140℃で10分間〜3時間乾燥し、
400〜700℃で1〜10時間焼成し、チタン−ケイ
素複合酸化物を得ることができる。またケイ素の代わり
に、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコ
ニウム等の無機系ジルコニウム化合物、または蓚酸ジル
コニウムなどの有機系ジルコニウム、または場合によっ
てはジルコニアゾルを用いることにより、チタンとジル
コニアの複合酸化物チタニア−ジルコニア、チタン−シ
リカ−ジルコニアの複合酸化物を得ることができる。
【0033】本発明の第二の特徴である触媒B成分、す
なわちCu、Cr、Fe、V、W、Mn、Ni、Cu、
Mo、Ce、Ca及びPbよりなる群から選ばれた少な
くとも1種の金属の酸化物である。これらの酸化物と触
媒A成分とを用いて触媒とする場合は、前記触媒A成分
の粉体又はスラリーにかかる金属の塩類もしくはその溶
液を添加混合し必要に応じてニーダーなどで練ってハニ
カム状などに成型することも可能であるし、前記複合酸
化物を成型、乾燥、焼成して得られる成型体にかかる金
属の塩類の溶液を含浸担持させる方法によって添加する
ことも可能である。かかる金属の塩類としては、例え
ば、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等が挙げられるが、好まし
くは水溶性の塩である。
【0034】また、触媒C成分と組合わせる場合は、触
媒B成分の酸化物に通常の方法により触媒C成分を担持
し触媒とすることもできる。
【0035】本発明の第三の特徴である触媒C成分すな
わち白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム及びイリ
ジウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の貴金属
又はその化合物は、前記触媒A成分および/または触媒
B成分の混合物の粉体又はスラリーに例えばこれら貴金
属の塩類もしくはその溶液で添加することができ、ま
た、触媒A成分および/または触媒B成分より成る成型
体にこれら貴金属の塩類の溶液を含浸担持させる方法に
よっても添加することもできる。
【0036】すなわち本発明によって提供される脱臭お
よび脱硝触媒の成型体は、上記触媒A成分、触媒B成
分、触媒C成分又はそれらの塩類よりなる粉体やスラリ
ーなどから成型して用いてもよく、また上記触媒A成分
及び/又は触媒B成分よりなる成型体に触媒C成分を担
持してもよく、また上記触媒A成分よりなる成型体に触
媒B成分及び触媒C成分を担持して用いることもでき
る。また、本発明によって得られる触媒組成物は、板
状、波板状、網状、ハニカム状、円柱状、円筒状などの
形状に成形して用いても良いし、アルミナ、シリカ、シ
リカアルミナ、コーディライト、チタニア、ステンレス
金属などよりなる板状、波板状、網状、ハニカム状、円
柱状、円筒状などの形状の担体に担持して使用してもよ
い。
【0037】この様にして本発明により得られた脱臭及
び脱硝用触媒において触媒A成分、触媒B成分及び触媒
C成分の組成比は、その脱硝活性に大きい影響を与え
る。触媒A成分が多すぎると触媒B成分及び触媒C成分
添加の効果が十分に得られず脱臭活性が低下する。触媒
B成分は、少なすぎると高温での触媒活性が低くなり、
ある程度を越えて大きくしても触媒活性の大きな向上は
認められない。また、触媒C成分が少ないと本発明に係
る触媒の活性、特に低温での脱臭性能が低くなり、多す
ぎると触媒コストが高くなる他に、脱臭性能は向上する
が、脱硝せいのうは低下するため好ましくはない。
【0038】本発明に係る触媒B成分としては、Cu、
Cr、Fe、V、W、Mn、Ni、Cu、Mo、Ce、
Ca及びPbよりなる群から選ばれた少なくとも1種の
金属の酸化物であり、この成分のうち好ましくは、V、
Wの少なくとも一種である。また、触媒B成分を併用す
る場合は、1〜99モル%、好ましくは2〜98モル%
の比率で混合することもできる。
【0039】本発明に係る触媒C成分としては、白金、
パラジウム、ロジウム、ルテニウム及びイリジウムより
なる群から選ばれた少なくとも1種の貴金属又はその化
合物であり、この成分のうち好ましくは、脱臭活性の高
い白金またはパラジウムの少なくとも一種であり、さら
に好ましくはパラジウムである。また、触媒B成分を併
用する場合は、1〜99モル%、好ましくは2〜98モ
ル%の比率で混合することもできる。
【0040】以上の触媒A、B及びC成分の比率は、好
ましくは触媒A成分は酸化物の形で70〜99重量%、
より好ましくは75〜95重量%、触媒B成分は酸化物
の形で0.5〜30重量%、より好ましくは1〜20重
量%、触媒C成分は金属として0.001〜5重量%、
より好ましくは0.005〜2.5重量%の範囲にある
ことが好ましい。
【0041】触媒A成分が、70重量%未満である場合
は、脱硝および脱臭活性および耐久性が低くなり、99
重量%を超える場合には、触媒B及びC成分の効果が少
なくなるため脱硝および脱臭活性が低くなるからであ
る。
【0042】触媒B成分が、0.5重量%未満である場
合は、高温での脱硝活性が低く、特に低温での脱硝活性
が低くなり、30重量%を超えて添加しても大きな脱硝
活性の向上がないからである。
【0043】触媒C成分が、0.001重量%未満であ
る場合は、低温での脱臭活性が低くなり、5重量%を超
える場合は、添加に見合った活性が得られず好ましくは
ないものである。
【0044】また得られた触媒の物性は、触媒A成分の
物性において述べたごとく、例えばそのBET表面積
は、低すぎると脱臭及び脱硝活性が低く耐久性も低下す
るため30m2/g以上であることが好ましく、402
/g以上であることがより好ましい。更にその細孔容積
は低すぎると触媒活性が低く、また高すぎると一般に調
製した触媒の強度が低くなるため0.25〜0.9cc
/gの範囲にあることが好ましく、0.3〜0.7cc
/gの範囲にあることがより好ましい。0.25cc/
g未満である場合は、触媒活性が低くなり、0.9cc
/gを超える場合は、触媒強度が低下し、触媒の充填な
どの点に支障が生じるものである。
【0045】以下に触媒A成分としてTiO2−SiO2
複合酸化物、触媒B成分としてバナジウム及びタングス
テン酸化物、触媒C成分として白金よりなる本発明の触
媒の調製方法の一例を示すが、本発明の趣旨に反しない
限りこれらに限定するものではない。
【0046】まず、前述の方法で得られたTiO2−S
iO2複合酸化物粉体にメタバナジン酸アンモン及びパ
ラタングステン酸アンモニウムのモノエタノールアミン
水溶液と成型助剤、例えば澱粉、ポリエチレンオキサイ
ドを加え十分混練りした後ハニカム型に押し出し成型す
る。この時触媒強度を高めるためにガラス繊維やガラス
粉末を加えることも可能である。続いてこの成型体を5
0〜150℃で乾燥した後300〜700℃で1〜10
時間焼成処理する。かくして得られたハニカム成型体を
塩化白金酸の水溶液に含浸し、50〜200℃で乾燥、
焼成して所望の触媒を得る。
【0047】本発明に係る排ガス中の窒素酸化物の除
去、即ち脱硝方法としては、排ガス中にアンモニアを添
加することにより行うことができる。アンモニアを添加
するに際しては、排ガス中の窒素酸化物(NO換算)に
対し、アンモニア0.5〜1.3モル、好ましくは1.
0〜1.2モルである。0.5モル未満である場合は、
脱硝効率が低下し好ましくはなく、1.3モルを超える
場合は、空間速度が大きくなる場合等においては、リー
クアンモニアが多くなることもあり好ましくはないから
である。
【0048】通常、上記の排ガス中に添加するアンモニ
アと排ガス中の窒素酸化物の含有比、即ちアンモニア/
NO比が、高い程高い脱硝効率を得ることができるが、
しかし通常の脱硝触媒では、上記アンモニア/NO比が
1を超えるような場合には、リークアンモニアが多くな
り、好ましくないものもとなる。しかし、本発明に係る
触媒においてはアンモニア/NO比が高い場合であって
も、上記のリークアンモニアが少ないため、高い脱硝効
率を得ることができるものである。
【0049】処理対象ガスの本発明の触媒に対する空間
速度は、2000〜20000hr~1、好ましくは20
00〜10000hr~1の範囲にあるのがよい。200
0hr~1未満である場合は、処理装置が大きく成りすぎ
非効率的だからであり、200000hr~1を超える場
合は、高すぎると脱臭および脱硝効率が低下するためだ
からである。
【0050】分解処理ガス温度は、200〜500℃の
範囲にあることが好ましく、より好ましくは250〜4
50℃の範囲がよい。200℃未満出ある場合は、分解
効率が低くなるからだからであり、500℃を超える場
合は、脱硝性能が低くなるためだからである。以下に実
施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。
【0051】
【実施例】
実施例1 Ti及びSiからなる二元系複合酸化物を以下に述べる
方法で調製した。10重量%アンモニア水700リット
ルにスノーテックス−20(日産化学製シリカゾル、約
20重量%−SiO2含有)35.5Kgを加え撹拌混合
した後、硫酸チタニルの硫酸水溶液(TiO2として1
25g/リットル、硫酸濃度0.55g/リットル)3
00リットルを撹拌しながら徐々に滴下した。得られた
ゲルを3時間放置後、濾過水洗し、続いて150℃で1
0時間乾燥した。次いで500℃で6時間焼成した。得
られた粉体の組成はTi:Si=4:1(モル比)でB
ET表面積は210m2/gであった。こうして得られ
た粉体のX線回折チャートはTiO2やSiO2の明らか
な固有ピークは認められずブロードな回折ピークによっ
て非晶質な微細構造を有するTi及びSiよりなる複合
酸化物であることが確認された。こうして得られたTi
及びSiよりなる複合酸化物粉体20Kgにメタバナジ
ン酸アンモニウム0.56Kg及びパラタングステン酸
アンモニウム1.79Kgを含む10%モノエタノール
アミン水溶液12Kgを加え更に成形助剤として澱粉を
加えて混合しニーダーで混練りした後、押し出し成型機
で外形80mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、
長さ500mmのハニカム状に成形した。次いで80℃
で乾燥後450℃で5時間空気雰囲気下で焼成した。得
られたハニカム成形体の組成は、Ti−Si複合酸化
物:V25:WO3=91:2:7(重量比)であっ
た。この成形体を塩化白金酸水溶液(0.5g−Pt/
リットル)に含浸しその後150℃で3時間乾燥し続い
て空気雰囲気下450℃で3時間焼成した。こうして得
られた触媒のBET表面積は130m2/gであり、細
孔容積は0.45cc/gであった。また、触媒の組成
は、Ti−Si複合酸化物:V25:WO3:Pt=9
0.8:2.0:7.0:0.2(重量比)であった。
【0052】実施例2〜4及び比較例1 実施例1において、表1に示すように、触媒成分を種々
変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜4、及
び比較例1の触媒を得た。
【0053】
【表1】
【0054】試験例1 実施例1〜4及び比較例1で調製した触媒を用いて、表
2に示す条件で悪臭成分の脱臭及び窒素酸化物の脱硝を
実施した。結果を表3に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 23/89 ZAB B01D 53/36 102B 審査官 関 美祝 (56)参考文献 特開 平2−229547(JP,A) 特開 平3−224619(JP,A) 特開 平4−27418(JP,A) 特開 昭52−122293(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86 B01D 53/94

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質若しくはほぼ非晶質に近い微細な
    構造を有する、Ti及びSiからなる二元系複合酸化
    物、Ti及びZrからなる二元系複合酸化物、Ti、S
    i及びZrからなる三元系複合酸化物よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の複合酸化物である触媒A成分
    と、Cu、Cr、Fe、V、W、Mn、Ni、Mo、C
    e、Ca及びPbよりなる群から選ばれた少なくとも1
    種の金属の酸化物である触媒B成分と、白金、パラジウ
    ム、ロジウム、ルテニウム及びイリジウムよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の貴金属又はその化合物であ
    る触媒C成分とを含有することを特徴とする排ガスの脱
    臭及び脱硝用触媒。
  2. 【請求項2】 触媒A成分のBET表面積が30m 2
    g以上である請求項1記載の排ガスの脱臭及び脱硝用触
    媒。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の触媒を用いる排
    ガスの脱臭及び脱硝方法。
  4. 【請求項4】 該排ガスが下水処理用活性汚泥の焼却ガ
    スである請求項記載の排ガスの脱臭及び脱硝方法。
  5. 【請求項5】 該排ガス中の窒素酸化物濃度が50〜1
    000ppmである請求項記載の排ガスの脱臭及び脱
    硝方法。
  6. 【請求項6】 該排ガス中の脱臭成分が、アルデヒド
    類、硫化物類、脂肪酸類、アミン類、炭化水素及びアン
    モニアである請求項記載の排ガスの脱臭及び脱硝方
    法。
  7. 【請求項7】 該排ガス中の脱臭成分の濃度が0.01
    〜1000ppmである請求項記載の排ガスの脱臭及
    び脱硝方法。
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