JP5641674B2 - 有機酸含有排ガス処理用触媒 - Google Patents

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Description

本発明は有機酸含有排ガス処理用触媒に関する。詳しくは、化学品製造プラントなどから排出される排ガス中の酢酸、アクリル酸などの有機酸を分解除去する性能に優れ、しかも高い熱安定性を有する有機酸含有排ガス処理用触媒に関する。
化学品製造プラントなどから排出される排ガス中の酢酸、アクリル酸などの有機酸を分解除去するための有機酸含有排ガス処理用触媒として、既に多くの触媒が提案されている。しかし、有機酸の分解性能に優れ、しかも、高温において安定である触媒は未だ得られていないのが実情である。
ランタン酸化物を含有するアルミナを担体とし、これに貴金属を担持した触媒が内燃機関の排ガスの処理などに優れ、しかも、高温において安定であることは知られている。
例えば、特許文献1には、ランタン、ネオジウムおよびプラセオジウムから選ばれる少なくとも1種の希土類元素とアルミニウムとの複合酸化物であって、比表面積が少なくとも10m /gであるなどの条件を満たすものを担体として用い、これに触媒活性成分を担持した還元反応触媒、およびこの触媒を用いた触媒化学反応方法が記載されている。この触媒化学反応としては、内燃機関の排ガス中の窒素酸化物の還元分解反応(請求項13)、排ガス中の窒素酸化物のアンモニアによる還元分解反応(請求項14)、アルコールの脱水素反応(請求項15)、炭化水素を水素と接触させて脱硫する水素化脱硫反応(請求項17)、重質油などを水素と接触させて軽質油を得る軽質化反応(請求項18)などが挙げられている。
特許文献2には、アルミナ、シリカなどの耐熱性担体にランタン化合物およびセリウム化合物を添加、燃焼して得られる接触燃焼触媒と、この触媒にさらに貴金属元素を担持した接触燃焼触媒が記載されている。
特許文献3には、コバルトおよびランタンの少なくとも一方とアルミナとの複合酸化物からなる担体に貴金属およびNOx吸蔵材を担持した内燃機関からの排ガス浄化用触媒が記載されている。
また、特許文献4には、活性アルミナに希土類金属を担持させて1000℃以上で熱処理したアルミナに貴金属を担持した排ガス浄化触媒が記載されている。なお、この排ガスとは、二輪、四輪、特機などの燃焼によって発生する排気ガスである([0001])。
特開平6−182201号公報 特公平6−9654号公報 特開平9−38493号公報 特開2002−1130号公報
本発明の目的は、排ガス中の酢酸などの有機酸を分解除去するのに優れた活性を示し、しかも高温での安定性に優れた、すなわち耐久性に優れた触媒を提供することにある。
上記目的は次の発明により達成される。
(1)白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよび金からなる群から選ばれる少なくとも1種の貴金属とランタン安定化アルミニウム酸化物(ただし、LaAlOおよびランタンβ−アルミナを除く。)の多孔質耐火性無機酸化物と、タングステン酸化物とを含有する触媒であって、空気雰囲気下、800℃で50時間熱処理した後の触媒の比表面積(S2)と該熱処理前の触媒の比表面積(S1)との比率(S2/S1)が0.5/1〜1/1であることを特徴とする有機酸含有排ガス処理用触媒。
(2)S1が100〜400m2/gである上記(1)の有機酸含有排ガス処理用触媒。
(3)ブチルアミン滴定法により測定される固体酸量が0.05mmol/g〜0.4mmol/gである上記(1)または(2)の有機酸含有排ガス処理用触媒。
(4)塩基性貴金属水溶液を貴金属原料として使用する上記(1)〜(3)のいずれかの有機酸含有排ガス処理用触媒。
(5)上記(1)の有機酸含有排ガス処理用触媒を用いて、排ガス中の有機酸を処理することを特徴とする有機酸含有排ガスの処理方法。
本発明の触媒は、排ガス中の酢酸などの有機酸を分解除去するのに優れた活性を示し、しかも高温での安定性に優れている。したがって、有機酸含有排ガスを長期にわたり安定して、効率よく処理することができる。
本発明の触媒の処理の対象となる排ガスは、有機酸を含有する排ガスである。この有機酸の代表例としては、例えば、炭素数1〜6の有機酸、具体的には、ギ酸、酢酸、アクリル酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、酒石酸、フタル酸およびマレイン酸が挙げられる。なかでも、酢酸を含有する排ガスの処理に本発明の触媒は好適に用いられる。有機酸の濃度は、特に限定されないが、通常、1〜20000ppmであり、好ましくは1〜10000ppmである。上記のような有機酸含有排ガスとして、化学品製造プラントや印刷、塗装などの工程などから排出される排ガスを挙げることができる。
本発明の触媒は、空気雰囲気下、800℃で50時間熱処理した後の比表面積(S2)とこの熱処理前の触媒の比表面積(S1)との比率(S2/S1)が0.5/1〜1/1、好ましくは0.6/1〜1/1の範囲にあるものである。
上記比表面積(S2)は、触媒を、ボックス型電気炉に入れ、空気雰囲気下、800℃の温度に5時間保持した後、取り出し、常温まで放冷してから、マウンテック社製Macsorb HM model−1201を用いてBET一点法により測定したBET比表面積である。また、上記比表面積(S1)は、熱処理する前の触媒を、上記と同様に、マウンテック社製Macsorb HM model−1201を用いてBET一点法により測定したBET比表面積である。
上記比表面積(S1)は、特に限定されないが、大きいのが好ましく、例えば、100〜400m/g、特に100〜300m/gの範囲にあるものがよい。
上記S2/S1が0.5/1未満では、表面積の低下により貴金属の凝集が促進され活性が低下する。なお、1/1を超えることは通常起こり得ない。
上記本発明の触媒のなかでも、ブチルアミン滴定法により測定される固体酸量が0.05〜0.4mmol/g、好ましくは0.1〜0.3mmol/g、より好ましくは0.1〜0.25mmol/gであるものが排ガス処理性能の点から好ましい。
本発明の「ブチルアミン滴定法により測定される固体酸量」とは、次の方法により測定したものである。
触媒試料をディスクミルなどにより十分に粉砕し、120℃で少なくとも3時間乾燥し、この触媒試料0.2gを精密天秤で秤量し、試験管に入れた後、約20mlのベンゼンを加える。そこに、指示薬としてのメチルレッドをベンゼンに溶かした溶液を数滴加え、栓をしてよく振り混ぜると、指示薬の酸性色である赤色となる。これに0.13mmol/mlのn−ブチルアミンのベンゼン溶液をミクロビウレットで加え、試料が指示薬の塩基性色である黄色に変色した時点を滴定の終点とし、滴定量と試料の質量とから、次式に従って固体酸量(mmol/g)を算出する。
固体酸量(mmol/g)=(ブチルアミン溶液濃度(mmol/ml)×滴定量(ml)/(試料質量(g))
上記固体酸量が0.05mmol/g未満では、十分な触媒活性が得られないおそれがある。また、0.4mmol/gを超えると酸性が強すぎるため有機酸の吸着が阻害される。
本発明の触媒は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)および金(Au)からなる群から選ばれる少なくとも1種の貴金属と多孔性耐火性無機酸化物とを含有する。
上記貴金属のなかでも、Pt、PdおよびRhが好ましく、特にPtおよびPdが好ましく用いられる。
上記貴金属の原料としては、各貴金属元素の硝酸塩、ハロゲン化物、アンモニウム塩、アンミン錯体、エタノールアミン錯体、ジニトロジアンミン塩、水酸化物、コロイド溶液などを挙げることができる。なかでも、貴金属のアンミン錯体、エタノールアミン錯体、水酸化物などの塩基性溶液が好適に用いられる。
上記貴金属溶液のpHとしては、4〜14の範囲が好ましく、7〜14の範囲であることがより好ましい。pHが上記範囲を下回る場合、貴金属の分散性が低下し、活性が低下するおそれがある。
貴金属の量は、触媒組成物全体の0.01〜5質量%、好ましくは0.02〜4質量%、より好ましくは0.1〜4質量%である。貴金属含量が0.01質量%未満では触媒の活性が低下し、一方、5質量%を超えて添加しても、それに見合った触媒活性の向上は望めず、かえって原料コストが増大する。
上記多孔質耐火性無機酸化物としては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアなど、この種の触媒に一般に用いられる多孔質耐火性無機酸化物が用いられる。これらのうち、比表面積が大きく、高温耐熱性に優れていることから、アルミナが好適に用いられる。さらに耐熱性を高めるため、アルミナに加えて、ランタン酸化物を含むものが好適に用いられる。つまり、多孔質耐火性無機酸化物としては、ランタンを含有するアルミニウム酸化物が好適に用いられる。
本発明の触媒において、ランタンを含有するアルミニウム酸化物は、アルミナがランタンで安定化された、いわゆるランタン安定化アルミナの形態で存在するのが好ましい。
上記ランタン安定化アルミナは、ゾルゲル法、共沈法、沈着法、含浸法など一般的な方法を用いることができるが、α−アルミナ、LaAlO あるいはランタンβ−アルミナ(La:11Al)を形成するような場合、比表面積が低下するため、これらの結晶構造を形成しないような調製条件とするのが好ましい。したがって、上記多孔質耐火性無機酸化物としては、ランタン安定化アルミナ(ただし、α−アルミナ、LaAlO およびはランタンβ−アルミナ(La:11Al)を除く。)が好適に用いられる。
上記のようなランタン安定化アルミナの調製法について、含浸法を例に挙げて説明すると次のとおりである。すなわち、高比表面積、例えば、100〜500m/g、好ましくは150〜500m/gのアルミナ粉体に、ランタン塩の水溶液を含浸し、十分に混合した後、100〜150℃の温度で1〜20時間乾燥し、600〜950℃、好ましくは650〜900℃の温度にて1〜10時間、好ましくは1〜5時間焼成することにより得られる。
上記焼成温度が上記範囲を下回ると十分な熱安定性が得られず、また、上記範囲を上回ると相転移によりα−アルミナ、LaAlO やランタンβ−アルミナ(La:11Al)などのような比表面積の低い状態となるため好ましくない。
ランタン安定化アルミナのなかでも、X線回折分析において、γ−Al に帰属されるブロードなピークのみが観測されるものが好ましい。このような形態のランタン安定化アルミナはランタン酸化物とアルミナとが固溶体を形成しているものと考えられる。
ランタン安定化アルミナの調製に用いるアルミナの原料としては、γ−アルミナ、θ−アルミナ、ベーマイトなどの高比表面積、具体的には、100〜500m/g、好ましくは150〜500m/g程度の比表面積を有するアルミナのほかに、水溶液アルミニウム塩(硝酸塩、酢酸塩など)の水溶液、アルミナゾル、アルミニウムアルコキシドなどを用いることができる。また、ランタン酸化物の原料としては、水溶性ランタン塩(硝酸塩、酢酸塩など)、酸化ランタンゾルなどを使用することができる。
ランタン酸化物とアルミナとの比率は、La:Al(質量比)として、0.5:99.5〜20:80、好ましくは1:99〜10:90である。
ランタン安定化アルミナの比表面積は、100〜400m/gであることが好ましく、100〜300m/gであることがより好ましく、120〜300m/gであることが特に好ましい。比表面積が100m/g未満では触媒の活性が低下し、一方、400m/gを超えると熱に対する安定性が不十分となるおそれがある。
本発明の触媒のなかでも、上記ランタン安定化アルミナと、これに担持されたPt、Pd、Rh、Ru、IrおよびAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の貴金属とを含有する触媒が好ましい。その理由は、ランタン安定化アルミナは、高温においても比表面積の減少が少なく、耐熱性に優れるため、これに貴金属元素を担持して構成された上記触媒は優れた耐熱性を示すからである。
ランタン安定化アルミナに貴金属を担持してなる触媒は、上述のとおり、優れた耐熱性を示すが、これに酸性質を示す物質(酸性物質)を加えることにより、触媒性能を向上させることができる。上記酸性物質としては、タングステン(W)酸化物が好適に用いられる。酸性物質の添加量を調整することにより、酸量をコントロールすることができる。
本発明の触媒のなかでも、上記ランタン安定化アルミナとタングステン酸化物との混合物を担体とし、この担体上に担持されたPt、Pd、Rh、Ru、IrおよびAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の貴金属とを含有する触媒が好ましい。この触媒は高い耐熱性を有するともに、優れた触媒活性を示す。
上記タングステン酸化物の原料としては、タングステン酸化物のほかに、焼成によって酸化物を生成するものであれば、無機および有機のいずれの化合物も用いることができる。例えば、タングステンを含む水酸化物、アンモニウム塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩などを用いることができる。
タングステン酸化物の含有量は、触媒組成物全体の0.5〜40質量%(WO として換算)の範囲であり、好ましくは1〜30質量%の範囲である。タングステン酸化物の含有量が0.5質量%未満では、タングステン酸化物により酸性質付与の効果が弱まるため十分な効果が得られず、一方、40質量%を超えると酸量が多くなりすぎるとともに、比表面積の低下により貴金属の分散性が低下し、十分な効果が得られない。
本発明の触媒は、その効果を損なわない範囲において、CeO 、あるいはCe−Zr、Ce−Zr−La、Ce−Zr−YなどのCe−Zr系複合酸化物を添加し、酸素吸蔵能を付与することができる。CeO および/またはCe−Zr系複合酸化物の含有量は、触媒組成物全体の2〜30質量%(酸化物として換算)の範囲であり、好ましくは2〜20質量%の範囲である。Ce−Zr系酸化物が2質量%未満であると十分な酸素吸蔵能が得られず、30質量%を超えると比表面積が低下し、活性が低下する恐れがある。
貴金属を担持する方法としては、含浸法、浸漬法など一般に知られている方法を採用することができる。含浸法を例に挙げて説明すると、前記多孔質耐火性無機酸化物、好ましくはランタン安定化アルミナを含有する担体に、前記貴金属溶液を含浸し、空気流にてセル内の余剰液を除去した後、80〜200℃にて1〜10時間乾燥した後、300〜700℃、好ましくは300〜600℃にて1〜10時間焼成することにより本発明の触媒が得られる。
本発明の形状については特に限定はなく、通常、排ガス処理用触媒として用いられるものであればいずれでもよい。例えば、ハニカム状、板状、波板状、球状、円柱状、円筒状などが挙げられる。本発明の触媒は、そのまま所望の形状に成形してもよく、また、コージェライトやアルミナ、ゼオライトなどの成形体にウオッシュコートしてもよい。特に、球状に成形するか、あるいはハニカム成形体上にウオッシュコートするのが好ましい。なお、ハニカム成形体上にウオッシュコートした場合、比表面積、固体酸量、X線回折等の分析は、触媒成分をハニカム成形体から採取して測定すればよい。
有機酸含有排ガスを本発明の触媒に接触させて排ガス中の有機酸を分解除去するにあたり、排ガスの温度は100〜700℃であることが好ましく、より好ましくは200〜700℃、さらに好ましくは250〜700℃である。排ガス量は、空間速度で100〜100000Hr−1、好ましくは1000〜100000Hr−1である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、分析方法などは次のとおりである。
<組成分析>
触媒組成の分析は、蛍光X線分析により、下記条件で行った。
分析装置:リガク製、RIX2000
分析時の雰囲気:真空
試料スピン速度:60rpm
X線源:Rh管球
<X線回折分析>
分析装置:スペクトリス社製、 X’Pert PRO
(分析条件)
X線源:Cu−Kα
X線出力:45 kV 、40mA
分析範囲:5°< 2 θ <9 0 °
<BET比表面積分析>
BET比表面積は、マウンテック社製Macsorb HM model−1201を用い、BET一点法により測定した。
<酢酸除去試験(昇温反応)>
(試験条件)
排ガス組成=酢酸:3000ppm、O :20%、N :バランス
空間速度(STP)=30000Hr- 1
反応器入口昇温速度=3℃/min
酢酸の30%を除去したときの温度(T30)を測定し、この温度を着火温度として酢酸除去性能の指標とした。着火温度が低いことは、低い温度でも酢酸を分解できること、すなわち酢酸除去性能が優れていることを示す。
<加熱処理試験>
完成触媒について、空気雰囲気下、ボックス型電気炉にて800℃で50時間加熱処理を施した。
(調製例1)
ランタン安定化アルミナ(以下、La/Al と表記する。)を以下の手順で調製した。1000mlの純水に硝酸ランタン(La(NO・6HO)106gを溶解して得られた水溶液を攪拌しつつ、これに高比表面積γ−Al (比表面積300m/g)粉体960gを添加し、適量の純水を加えてスラリーを得た。これを30分間攪拌した後、100℃にて5時間乾燥し、700℃にて5時間焼成した。これを粉砕してLa/Al 粉体を得た。得られた粉体のLa:Al の割合は4:96であり、比表面積は240m/gであった。図1に、得られたLa/Al 粉体のX線回折チャート、およびこの粉体をボックス型電気炉にて800℃で11時間加熱処理を施した後のX線回折チャートを示した。γ−アルミナに帰属されるブロードなピークのみが観測され、加熱処理後においてもピーク位置、ピーク強度はほぼ同じであった。このことから、ランタン酸化物とアルミナとは固溶体を形成しているものと考えられる。
(調製例2)
調製例1において、焼成温度を700℃×5時間から1100℃×5時間に変更した以外は調製例1と同様にランタン安定化アルミナ(La/Al (1100))粉体を得た。得られた粉体の比表面積は30m/gであり、X線回折分析によりLaAlO の結晶ピークが明らかに観察された。
(調製例3)
調製例1において、焼成温度を700℃×5時間から500℃×5時間に変更した以外は調製例1と同様にランタン安定化アルミナ(La/Al (500))粉体を得た。得られた粉体の比表面積は260m/gであり、X線回折分析によりγ−LaAlO のブロードなピークのみが観察された。
比較例1
<工程1>
調製例1で得られたLa/Al 粉体600g、および硝酸水溶液600gを磁性ボールミルに投入し、混合、粉砕してスラリーを得た。このスラリーをコージェライトハニカム(1.0L、200セル/平方インチ)に付着させ、空気流にてセル内の余剰スラリーを除去した後、100℃で乾燥し、空気雰囲気下にて500℃で3時間焼成して、La/Al コートハニカム(以下、La−Alコートハニカムと表記する。)を得た。コート量は100g/Lであった。
<工程2>
ヘキサアンミン白金水溶液(pH12)を、上記La−Alコートハニカムに室温にて30分間含浸させ、空気流にてセル内の余剰液を除去した後、100℃で乾燥し、空気雰囲気下にて500℃で3時間焼成して、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、Ptの含有量は3.0g/Lであった。
(実施例1)
<工程1>
比較例1の工程1において、La/Al 粉体600gの代わりに、La/Al 粉体540gとWO 粉体60gを使用したこと以外は同様にして、La−Al−Wコートハニカムを得た。
<工程2>
比較例1の工程2において、La−Alコートハニカムの代わりに上記La−Al−Wコートハニカムを使用したこと以外は比較例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。
得られた触媒の組成を分析した結果、Ptの含有量は3.0g/Lであった。
実施例2
<工程1>
比較例1の工程1において、La/Al 粉体600gの代わりに、La/Al粉体480g、WO 粉体60gおよびCeO 粉体60gを使用したこと以外は同様にして、La−Al−W−Ceコートハニカムを得た。
<工程2>
比較例1の工程2において、La−Alコートハニカムの代わりに上記La−Al−W−Ceコートハニカムを使用したこと以外は比較例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、Ptの含有量は3.0g/Lであった。
実施例3
<工程1>
比較例1の工程1において、La/Al 粉体600gの代わりに、La/Al粉体480g、WO 粉体60gおよび市販Ce−Zr−La複合酸化物粉体(第一稀元素化学工業(株)製、CeO/ZrO/La 換算質量比=30/50/20、比表面積=60m2/g)60gを使用したこと以外は同様にして、La−Al−W−CeZrLaコートハニカムを得た。
<工程2>
比較例1の工程2において、La−Alコートハニカムの代わりに上記La−Al−W−CeZrLaコートハニカムを使用したこと以外は比較例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、Ptの含有量は3.0g/Lであった。
実施例4
実施例3の工程2において、ヘキサアンミン白金水溶液の代わりにヘキサアンミン白金とテトラアンミンパラジウムの混合溶液(pH9)を使用したこと以外は実施例3と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、PtおよびPdの含有量はそれぞれ2.0g/Lおよび1.0g/Lであった。
参考例1
<工程1>
比較例1の工程1において、La/Al 粉体600gの代わりに、La/Al 粉体540g、市販Ce−Zr−La複合酸化物粉体(第一稀元素化学工業(株)製、CeO/ZrO/La 換算質量比=30/50/20、比表面積=60m/g)60gを使用したこと以外は同様にして、La−Al−CeZrLaコートハニカムを得た。
<工程2>
実施例4の工程2において、La−Alコートハニカムの代わりに上記La−Al−CeZrLaコートハニカムを使用したこと以外は実施例4の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、PtおよびPdの含有量はそれぞれ2.0g/Lおよび1.0g/Lであった。
比較例2
比較例1の工程1において、La/Al 粉体の代わりに、γ−アルミナ粉体(比表面積=150m/g)を使用したこと以外は同様にして、Alコートハニカムを得た。
<工程2>
比較例1の工程2において、La−Alコートハニカムの代わりに上記Alコートハニカムを使用したこと以外は比較例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、Ptの含有量は3.0g/Lであった。
比較例3
比較例1の工程1において、La/Al 粉体600gの代わりに、γ−アルミナ粉体(比表面積=150m/g)540gとWO 粉体60gを使用したこと以外は同様にして、Al−Wコートハニカムを得た。
<工程2>
比較例1の工程2において、La−Alコートハニカムの代わりに上記Al−Wコートハニカムを使用したこと以外は比較例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、Ptの含有量は3.0g/Lであった。
比較例4
<工程1>
比較例1の工程1において、La/Al 粉体の代わりに、調製例2で得られたLa/Al (1100)粉体を使用したこと以外は同様にして、La−Al(1100)コートハニカムを得た。
<工程2>
比較例1の工程2において、La−Alコートハニカムの代わりに上記La−Al(1100)コートハニカムを使用したこと以外は比較例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、Ptの含有量は3.0g/Lであった。
比較例5
<工程1>
比較例1の工程1において、La/Al 粉体の代わりに、調製例3で得られたLa/Al (500)粉体を使用したこと以外は同様にして、La−Al(500)コートハニカムを得た。
<工程2>
比較例1の工程2において、La−Alコートハニカムの代わりに上記La−Al(500)コートハニカムを使用したこと以外は比較例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、Ptの含有量は3.0g/Lであった。
実施例1〜4、参考例1および比較例1〜5で得られた触媒について、酢酸除去試験結果、固体酸量、加熱処理前後の比表面積(S1、S2)、およびその比率(S2/S1)を表1に示す。なお、着火温度は前述のとおりであり、処理後の着火温度とは、前記の<加熱処理試験>を行った後の触媒の着火温度である。
Figure 0005641674

実施例5〜8および比較例6
<工程1>
実施例1の工程1において、La/Al 粉体とWO 粉体の量を、表2に示す比率となるように変更したこと以外は同様にして、La−Al−Wコートハニカムを得た。ただし、WO 量(質量%)とは、La/Al 粉体とWO 粉体の合計量に対するWO の占める割合を示す。
<工程2>
実施例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、Ptの含有量は3.0g/Lであった。
実施例5〜8および比較例6で得られた触媒について、酢酸除去試験結果、固体酸量、加熱処理前後の比表面積(S1、S2)、およびその比率(S2/S1)を表2に示す。
Figure 0005641674
本発明は、排ガス処理に関する技術であり、特に有機酸を含む排ガス処理に好適に用いることができるものである。
比較例1で用いたLa/Al の、ボックス型電気炉にて800℃で11時間熱処理する前後のX線回折図である。

Claims (5)

  1. 白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよび金からなる群から選ばれる少なくとも1種の貴金属とランタン安定化アルミニウム酸化物(ただし、LaAlOおよびランタンβ−アルミナを除く。)の多孔質耐火性無機酸化物と、タングステン酸化物とを含有する触媒であって、空気雰囲気下、800℃で50時間熱処理した後の触媒の比表面積(S2)と該熱処理前の触媒の比表面積(S1)との比率(S2/S1)が0.5/1〜1/1であることを特徴とする有機酸含有排ガス処理用触媒。
  2. S1が100〜400m/gである請求項1に記載の有機酸含有排ガス処理用触媒。
  3. ブチルアミン滴定法により測定される固体酸量が0.05mmol/g〜0.4mmol/gである請求項1または2に記載の有機酸含有排ガス処理用触媒。
  4. 塩基性貴金属水溶液を貴金属原料として使用する請求項1〜3のいずれかに記載の有機酸含有排ガス処理用触媒。
  5. 請求項1の有機酸含有排ガス処理用触媒を用いて、排ガス中の有機酸を処理することを特徴とする有機酸含有排ガスの処理方法。
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