JP2000203830A - 高耐熱アルミナ粒子 - Google Patents

高耐熱アルミナ粒子

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JP2000203830A
JP2000203830A JP11009832A JP983299A JP2000203830A JP 2000203830 A JP2000203830 A JP 2000203830A JP 11009832 A JP11009832 A JP 11009832A JP 983299 A JP983299 A JP 983299A JP 2000203830 A JP2000203830 A JP 2000203830A
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lanthanum
aluminum
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Takao Tani
孝夫 谷
Kazumasa Takatori
一雅 鷹取
Nobuo Kamiya
信雄 神谷
Mareo Kimura
希夫 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ランタンで安定化されたアルミナの耐熱性をさ
らに向上させる。 【解決手段】アルミニウム1モルに対してランタンを0.
01〜0.08モル含み、中空状の粒子とした。中空状とする
ことにより、大きな一次粒子径と大きな比表面積との両
立が可能となり、α相への転移を抑制できるとともに触
媒担体としても用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス浄化触媒の
担体として有用な高耐熱アルミナ粒子に関し、さらに詳
しくは高温が作用した後にも大きな比表面積を有する高
耐熱アルミナ粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の排ガスを浄化する排ガス浄化用
触媒として、アルミナ( Al2O3)などの担体に白金(P
t)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)などの貴金属
を担持したものが広く用いられている。特にγ-Al2O3
多孔質で比表面積が大きいため、排ガスがアルミナの細
孔中に拡散し、高分散担持された貴金属粒子の表面にお
ける触媒反応が活発となるので、触媒用担体として広く
用いられている。
【0003】ところが従来用いられているアルミナ担体
では、1000℃以上の高温が作用するとγ-Al2O3がα-Al2
O3に構造転移し、これにより比表面積が低下して触媒活
性が低下するという不具合があった。このα化を防止す
るために、アルミナに希土類元素を添加したものが開発
されている。また特開平7-075735号公報には、層状アル
ミネート構造の前駆体であり、アルカリ土類金属あるい
は希土類元素が分散した高比表面積の非晶質アルミナ担
体が開示されている。この非晶質アルミナ担体では、ア
ルカリ土類金属あるいは希土類元素のイオン半径が大き
いため、アルミナの相転移が抑制される。さらに、イオ
ン半径の差が一定以上である2種以上のアルカリ土類金
属あるいは希土類元素が存在することにより、層状アル
ミネートの結晶化が抑制され、このイオン半径の違いに
より層状構造に歪みが生じ、その結果として比表面積が
高くなる。
【0004】またアルカリ土類金属あるいは希土類元素
は、NOx 吸蔵元素として作用する。上記非晶質アルミナ
担体は、担体粉末が結晶化しない温度においてNOx 吸蔵
元素が担体粉末と安定な化合物を形成しない。したがっ
て結晶化温度以下ではNOx 吸蔵元素は確実にNOx 吸蔵能
を発現し、NOx の吸蔵能力が低下することがない。また
非晶質アルミナ担体では、NOx 吸蔵元素が担体中に高分
散状態で混入できるため、排ガス中のSOx が接触しても
硫酸塩の粒成長が起こりにくく硫黄被毒が防止されると
いう利点を有する。
【0005】さらに特開平7-309619号公報、特開平9-02
5119号公報などには、ランタンの添加により安定化され
たアルミナが記載されている。ランタンの添加によりγ
相が安定化されるため、高温における比表面積の低下を
抑制することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年のエンジ
ンの高性能化、排ガス規制の強化、あるいは高速走行の
増加などにより、自動車の排ガス温度はきわめて高くな
っている。したがって排ガス浄化用触媒にはさらなる耐
熱性の向上が求められ、1200℃以上の高温が作用しても
比表面積の低下のない触媒担体が望まれている。
【0007】しかしながら特開平7-075735号公報に開示
の非晶質アルミナ担体を製造する手段としては、従来は
アルコキシドを用いるゾルゲル法による合成方法しか存
在しない。したがって高価なアルコキシドを用いざるを
得ず、合成された非晶質アルミナ担体も高価となるとい
う問題がある。また、ゾルゲル法で得られた非晶質アル
ミナ粉末はきわめて微粒子となるため、1000℃を越える
ような高温で使用すると、粒成長により比表面積が低下
するおそれがある。
【0008】また特開平7-309619号公報、特開平9-0251
19号公報などに開示されたランタン安定化アルミナであ
っても、1200℃以上の高温では比表面積が大きく低下す
るという不具合があった。本願発明は、上記の事情に鑑
みてなされたものであり、ランタンで安定化されたアル
ミナの耐熱性をさらに向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載の高耐熱アルミナ粒子の特徴は、アルミニウ
ム1モルに対してランタンを0.01〜0.08モル含み、中空
状であることにある。また請求項2に記載の高耐熱中空
アルミナ粒子の特徴は、請求項1に記載の高耐熱アルミ
ナ粒子において、中空殻の厚さが 100nm以下であること
にある。
【0010】さらに請求項3に記載の高耐熱アルミナ粒
子の特徴は、アルミニウム1モルに対してランタンを0.
01〜0.08モル含み、一次粒子径が 200nm以上で、かつ比
表面積が20m2/g以上であり、中空状であることにあ
る。そして請求項4に記載の高耐熱アルミナ粒子の特徴
は、水溶性アルミニウム化合物と水溶性ランタン化合物
が溶解されアルミニウム1モルに対してランタンを0.01
〜0.08モル含む水溶液を有機溶媒及び分散剤と混合して
W/O型エマルジョンを形成し、W/O型エマルジョン
を噴霧燃焼させることにより形成された粉末からなるこ
とにある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の高耐熱アルミナ粒子で
は、アルミニウム1モルに対してランタンが0.01〜0.08
モル含まれている。ランタンの添加によりγ相が安定化
されるため、高温における比表面積の低下を抑制するこ
とができる。ランタンの添加量がアルミニウム1モルに
対して0.01モルより少ないと、γ相の安定化が困難とな
り高温での比表面積の低下を抑制することが困難とな
る。またランタンの添加量がアルミニウム1モルに対し
て0.08モルより多くなると、高温が作用した際に複合酸
化物(LaAlO3)が生成してしまい、比表面積が低下して
しまう。特に望ましい範囲は、ランタンの添加量がアル
ミニウム1モルに対して0.02〜0.06モルの範囲である。
【0012】酸化物粉末は、一般に粒径が小さいほど高
活性である。従来の湿式製造方法で製造されたアルミナ
担体粉末は、その一次粒子径が数十nm以下と小さく、非
常に活性が高い。そのためランタンを添加しても、1200
℃程度の高温が作用するとα相への転移が生じ、比表面
積が大きく低下してしまう。一方、一次粒子径が数百nm
以上であれば、反応性が低いためα相への転移は抑制さ
れる。しかし一次粒子径が大きい粒子では、元々の比表
面積が数m2/g以下と小さいので、触媒担体として用い
るには不適当である。ここで一次粒子とは、凝集を起こ
していない粒子をいう。
【0013】そこで本発明では、アルミナ粒子の形状を
中空状としている。中空状とすることにより、大きな一
次粒子径と大きな比表面積との両立が可能となり、α相
への転移を抑制できるとともに触媒担体として好適に用
いることができる。なお中空状とは内部空間を有してい
ることをいい、内部空間の数に制限はないが、内部空間
の数が多い多孔質体ほど好ましい。
【0014】なお中空状粒子の比表面積は殻厚にほぼ反
比例し、殻厚が大きすぎると比表面積が小さくなる。し
たがって中空殻の厚さは 100nm以下であることが望まし
く、50nm以下であることが特に望ましい。中空殻の厚
さを 100nm以下とすることにより、触媒担体として好ま
しい比表面積を確保することができる。また請求項3に
記載の高耐熱アルミナ粒子では、アルミニウム1モルに
対してランタンを0.01〜0.08モル含み、一次粒子径が 2
00nm以上で、かつ比表面積が20m2/g以上である。好ま
しくは、一次粒子径が 400nm以上で、かつ比表面積は40
m2/g以上がよい。一次粒子径と比表面積の両者をこの
範囲とすることにより、α相への転移を抑制できるとと
もに触媒担体として好適に用いることができる。一次粒
子径が 200nmより小さいと活性が高すぎるため、1200℃
程度の高温が作用するとα相への転移が生じ、比表面積
が大きく低下してしまう。また比表面積が20m2/gより
小さいと、触媒担体として用いるには不適当である。な
お、上記した中空状とすることで、一次粒子径と比表面
積の両方をこの範囲とすることができる。
【0015】請求項4に記載の高耐熱アルミナ粒子は、
水溶性アルミニウム化合物と水溶性ランタン化合物が溶
解されアルミニウム1モルに対してランタンを0.01〜0.
08モル含む水溶液を有機溶媒及び分散剤と混合してW/
O型エマルジョンを形成し、このW/O型エマルジョン
を噴霧燃焼させることにより形成することができる。こ
のエマルジョンの噴霧燃焼法によれば、非常に肉薄の中
空状のアルミナ粒子が形成され、一次粒子径が 200nm以
上で、かつ比表面積が20m2/g以上のアルミナ粒子を形
成することができる。現時点ではこの理由は明らかでは
ないが、アルミニウムイオンの表面酸化膜形成速度が大
きいために、水滴収縮の小さい段階で水滴表面に表面酸
化膜が形成され、結果として非常に肉薄の中空状のアル
ミナ粒子となると推定される。
【0016】このエマルジョンの噴霧燃焼では、エマル
ジョンあるいは逆ミセル中の1つの水滴径(数nm〜数μ
m)が1つの反応場の大きさとなるので、燃焼時に水滴
中に温度分布が発生するのが抑制でき、より均質な非晶
質酸化物粉末が得られる。W/O型エマルジョンの噴霧
燃焼では、上記のように水滴径が反応の場となり、水滴
周囲の油燃焼によって水蒸発と酸化物生成とが同時に進
行する。エマルジョン中の水滴径が 100nmよりも小さい
と、表面酸化膜形成前に水滴が完全に収縮してしまい、
中空状とはならないため好ましくない。一方、水滴径が
10μmよりも大きいと、反応場が大きくなりすぎて不均
質になる可能性があり好ましくない。したがってエマル
ジョン中の水滴径が 100nm〜10μmの範囲となるように
調製することが望ましい。
【0017】エマルジョンにおける水溶液成分と有機溶
媒成分との混合比は、特に限定されない。しかし水の量
が体積比で70%を超えると、エマルジョンの分散相と分
散媒とが転相する場合があるので、安定したW/O型エ
マルジョンとするためには、水の量が体積比で70%以下
となるようにすることが望ましい。エマルジョンの噴霧
燃焼時の燃焼温度は、 600℃〜 800℃の範囲とすること
が望ましい。燃焼温度が 600℃未満では有機成分が完全
に燃焼せず、形成されたアルミナ粉末中に炭素成分が残
留するおそれがある。また燃焼温度が 800℃を超える
と、アルミナ粒子どうしが凝集して比表面積が低下する
おそれがある。
【0018】エマルジョンの燃焼雰囲気は特に限定され
ないが、酸素が不十分であると不完全燃焼によって有機
溶媒中の炭素成分が残留するおそれがある。したがって
有機溶媒が完全燃焼できる程度以上の酸素の存在下で燃
焼することが望ましい。水溶性アルミニウム化合物及び
水溶性ランタン化合物としては、硝酸塩、酢酸塩、硫酸
塩あるいは塩化物など、水溶性であれば特に制限なく用
いることができる。
【0019】有機溶媒としては、ヘキサン、オクタン、
ケロシン、ガソリン等、上記水溶液とW/Oエマルジョ
ンを形成可能な有機溶媒であればよい。使用する分散剤
の種類および添加量は特に限定されない。カチオン性界
面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性
剤のいずれでもよく、水溶液、有機溶媒の種類および必
要とする水滴径に応じて、分散剤の種類および添加量を
変化させればよい。
【0020】このエマルジョン燃焼法では、金属塩を含
む溶液から直接に中空状のアルミナ粒子が合成できる。
したがって、ゾルゲル法のように高価なアルコキシド原
料を必要とせず、又乾燥、仮焼、粉砕等の工程が不要な
ので、低コストで製造することができ安価な中空アルミ
ナ粒子を製造することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 (実施例1)市販の硝酸アルミニウム9水和物を脱イオ
ン水に溶解させて作製した 0.1〜2モル/Lの硝酸アル
ミニウム水溶液と、市販の硝酸ランタン6水和物を脱イ
オン水に溶解させて作製した 0.1〜2モル/Lの硝酸ラ
ンタン水溶液を、ランタンのアルミニウムに対するモル
比がLa/Al=0.05となるように所定量ずつ混合して水相
とした。
【0022】一方、有機溶媒には市販のケロシンを用
い、分散剤(太陽化学(株)製「サンソフトNo.818H 」)
をケロシンに対して5〜10重量%添加して油相とした。
水相と油相を、水相/油相=40〜70/60〜30(体積%)
となるように混合し、ホモジナイザを用いて1000〜2000
0rpmの回転数で5〜30分間攪拌することにより、W/O
型エマルジョンを得た。なお、光学顕微鏡観察の結果か
ら、上記のエマルジョン中の水滴径は、約1〜2μmで
あった。
【0023】上記で作製したW/O型エマルジョンを、
図1に示す装置にて噴霧燃焼した。この装置は、円筒形
状の反応室1と、反応室1にエマルジョンを供給する定
量ポンプ2とから構成されている。反応室1は、反応通
路11と、反応通路11にエマルジョンを噴霧するアトマイ
ザ12と、噴霧されたエマルジョンを加熱するのバーナ13
と、得られた酸化物粉末を捕集する粉末捕集器14とから
構成されている。
【0024】アトマイザ12にはエアと定量ポンプ2から
のエマルジョンとが供給され、アトマイザ12は反応通路
11にエマルジョンを噴霧するとともにエアを供給する。
噴霧されたエマルジョンは、バーナ13によって着火され
て燃焼し、酸化物粉末が生成される。生成した酸化物粉
末は、反応室1の下部に位置する粉末捕集器14によって
捕集される。また燃焼排ガスは、粉末捕集器14から反応
室1外へ排出される。
【0025】この装置を用いて上記したW/O型エマル
ジョンを噴霧燃焼させ、油相を燃焼させるとともに酸化
物粉末を形成した。この合成は、噴霧したエマルジョン
が完全燃焼し、かつ火炎温度が 650〜 750℃の一定温度
になるように、エマルジョンの噴霧流量、空気量(酸素
量)などを制御した状態で行った。得られた酸化物粉末
の透過電子顕微鏡(TEM)写真を図2に示す。図2か
らわかるように、この酸化物粉末は多数の内部空間をも
つ中空状をなし、その中空殻の厚さは10nmである。また
表1にも示すように、この酸化物粉末の一次粒子径は 5
00nmであり、比表面積は55m2/gであった。一次粒子径
は粉末SEM像から50個の粒子の粒径を測定し、その平
均値から求めた。比表面積はBET法で測定した。
【0026】次に、得られた酸化物粉末の一部をアルミ
ナ製坩堝に入れ、電気炉(モトヤマ製「SUPER-C 」)中
に保持し、大気中1000℃,1100℃及び1200℃の3水準で
4時間加熱する熱処理を行った。熱処理後の酸化物粉末
の比表面積をそれぞれBET法で測定し、結果を図3に
示す。また、1200℃で熱処理された酸化物粉末の比表面
積の未熱処理の酸化物粉末の比表面積に対する比を算出
し、結果を図4に示す。
【0027】さらに、熱処理前後の酸化物粉末の結晶相
を、それぞれX線回折法にて同定し、結果を図5に示
す。 (実施例2〜6)硝酸アルミニウムと硝酸ランタンの混
合比を変化させたこと以外は実施例1と同様にして、La
/Alモル比が0.01、0.02、0.04、0.06及び0.08の酸化物
粉末をそれぞれ製造した。そして実施例1と同様にして
一次粒子径と比表面積を測定し、結果を表1に示す。ま
たそれぞれ熱処理を行い、比表面積を測定して、1200℃
で熱処理された酸化物粉末の比表面積の未熱処理の酸化
物粉末の比表面積に対する比をそれぞれ算出し、結果を
図4に示す。
【0028】(比較例1)市販の高比表面積のLa含有ア
ルミナ粉末(La/Alモル比=0.05)について、実施例1
と同様にして一次粒子径と比表面積を測定し、結果を表
1に示す。そして実施例1と同様にして熱処理を行い、
熱処理後のLa含有アルミナ粉末の比表面積をそれぞれB
ET法で測定し、結果を図3に示す。さらに、1200℃で
熱処理された酸化物粉末の比表面積の未熱処理の酸化物
粉末の比表面積に対する比を算出し、結果を図4に示
す。また熱処理前後の酸化物粉末の結晶相をそれぞれX
線回折法にて同定し、結果を図6に示す。
【0029】(比較例2〜3)硝酸アルミニウムと硝酸
ランタンの混合比を変化させたこと以外は実施例1と同
様にして、La/Alモル比が0.10及びゼロ(Alのみ)の酸
化物粉末をそれぞれ製造した。そして実施例1と同様に
して一次粒子径と比表面積を測定し、結果を表1に示
す。またそれぞれ熱処理を行い、比表面積を測定して、
1200℃で熱処理された酸化物粉末の比表面積の未熱処理
の酸化物粉末の比表面積に対する比をそれぞれ算出し、
結果を図4に示す。
【0030】<評価>
【0031】
【表1】 図3から、実施例1で合成された中空状のアルミナ粉末
は1200℃までの熱処理によって比表面積がほとんど変化
していないのに対し、比較例1の粉末では1200℃の熱処
理によって比表面積が大きく低下していることがわか
る。
【0032】また図5より、実施例1のアルミナ粉末は
非晶質に近いγ-Al2O3であり、1200℃の熱処理後もほと
んど結晶変化が起こっていない。しかし図6より、比較
例1のアルミナ粉末では、熱処理前は非晶質に近いγ-A
l2O3であるが、1200℃の熱処理によって結晶質となり、
一部がα相に相転移していることがわかる。以上の結果
より、同じLa/Alモル比のアルミナ粉末であっても、実
施例1で製造された中空状のアルミナ粉末は、比較例1
のアルミナ粉末に比べて耐熱性が格段に優れていること
を意味している。
【0033】そして図4より、実施例1〜6の中空状の
アルミナ粉末は1200℃の熱処理後も比表面積がほとんで
変化していないことが明らかである。しかし比較例2の
中空状のアルミナ粉末では、1100℃までは安定であった
が、1200℃の熱処理により比表面積が大きく低下してい
る。これはLa/Alモル比が 0.1と大きいために、熱処理
によってLaAlO3が生成したためと考えられる。また比較
例3のアルミナ粉末では、1100℃以上の熱処理により比
表面積が大きく低下している。これはα相への相転移が
発生したためと考えられる。
【0034】したがって実施例の範囲であるLa/Alモル
比が0.01〜0.08の範囲であれば、1200℃の熱処理によっ
ても比表面積が最大約20%低下するだけであり、きわめ
て耐熱性に優れていることが明らかである。
【0035】
【発明の効果】すなわち本発明の高耐熱アルミナ粒子に
よれば、1200℃の高熱が作用しても比表面積の低下がほ
とんど生じない。またα相への相転移も防止されてい
る。したがって本発明の高耐熱アルミナ粒子を排ガス浄
化用触媒の担体として用いれば、きわめて耐熱性に優れ
た触媒となり高温で使用後にも性能の劣化がなく耐久性
に優れた触媒とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の高耐熱アルミナ粒子の製造
に用いた製造装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例の高耐熱アルミナ粒子の粒子
構造を示す顕微鏡写真である。
【図3】熱処理温度と比表面積との関係を示すグラフで
ある。
【図4】未処理品の比表面積に対する熱処理品の比表面
積の比とLa/Alモル比との関係を示すグラフである。
【図5】実施例1のアルミナ粒子のX線回折ピークを示
す説明図である。
【図6】比較例1のアルミナ粒子のX線回折ピークを示
す説明図である。
【符号の説明】
1:反応室 2:定量ポンプ 11:反応通路 12:アトマイザ 13:バーナ 14:粉末捕集
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月24日(1999.6.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 信雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 木村 希夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4D048 AA06 BA03X BA03Y BA18X BA18Y BB01 BB17 4G069 AA01 AA08 BA01A BA01B BC16A BC16B BC16C BC42A BC42B BC42C BD01B BD01C BD02A BD02B BD02C BD06C CA03 EA02X EA02Y EB06 EB18X EB18Y FB35 FB63 4G076 AA02 AA18 AB07 AB18 BA06 CA02 CA05 CA26 CA28 DA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム1モルに対してランタンを
    0.01〜0.08モル含み、中空状であることを特徴とする高
    耐熱アルミナ粒子。
  2. 【請求項2】 中空殻の厚さが 100nm以下であることを
    特徴とする請求項1に記載の高耐熱アルミナ粒子。
  3. 【請求項3】 アルミニウム1モルに対してランタンを
    0.01〜0.08モル含み、一次粒子径が 200nm以上で、かつ
    比表面積が20m2/g以上であり中空状であることを特徴
    とする高耐熱アルミナ粒子。
  4. 【請求項4】 水溶性アルミニウム化合物と水溶性ラン
    タン化合物が溶解されアルミニウム1モルに対してラン
    タンを0.01〜0.08モル含む水溶液を有機溶媒及び分散剤
    と混合してW/O型エマルジョンを形成し、該W/O型
    エマルジョンを噴霧燃焼させることにより形成された粉
    末からなることを特徴とする高耐熱アルミナ粒子。
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