JP2001347167A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

排ガス浄化用触媒

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JP2001347167A
JP2001347167A JP2000173447A JP2000173447A JP2001347167A JP 2001347167 A JP2001347167 A JP 2001347167A JP 2000173447 A JP2000173447 A JP 2000173447A JP 2000173447 A JP2000173447 A JP 2000173447A JP 2001347167 A JP2001347167 A JP 2001347167A
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Hideo Sofugawa
英夫 曽布川
Mareo Kimura
希夫 木村
Takao Tani
孝夫 谷
Kazumasa Takatori
一雅 鷹取
Akira Morikawa
彰 森川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】担体の耐熱性をさらに向上させるとともに、高
温での耐久試験後にも触媒金属の高分散担持状態を維持
できるようにする。 【解決手段】 Al2O3と固溶可能な希土類元素の酸化物と
Al2O3との複合酸化物からなる中空状粉末よりなる担体
と、担体に担持された触媒活性を有する金属又は金属酸
化物とよりなり、担体中のアルミナに対する希土類元素
量を金属元素の原子比で1〜8モル%とした。希土類元
素の添加によりγ相が安定化されるため、高温における
比表面積の低下を抑制することができる。また中空状と
したことにより細孔容積が増大してガス拡散性が向上す
るとともに、比表面積の低下を抑制でき、かつ触媒金属
の固溶も抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐熱性を有し、
かつ耐久後にも浄化性能に優れた排ガス浄化用触媒に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車の排ガスを浄化する排ガス浄化用
触媒として、アルミナ( Al2O3)などの担体に白金(P
t)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)などの貴金属
を担持したものが広く用いられている。特にγ-Al2O3
末からなる担体は多孔質で比表面積が大きいため、排ガ
スが細孔中に拡散し、高分散担持された貴金属粒子の表
面における触媒反応が活発となるので、触媒用担体とし
て広く用いられている。
【0003】ところが従来用いられている Al2O3担体で
は、1000℃以上の高温が作用するとγ-Al2O3がα-Al2O3
に相転移し、これにより比表面積が低下して触媒活性が
低下するという不具合があった。このα化を防止するた
めに、 Al2O3に希土類元素を添加した担体が開発されて
いる。
【0004】例えば特開平7-075735号公報には、層状ア
ルミネート構造の前駆体であり、アルカリ土類金属ある
いは希土類元素が分散した高比表面積の非晶質 Al2O3
体が開示されている。この非晶質 Al2O3担体では、アル
カリ土類金属あるいは希土類元素のイオン半径が大きい
ため、 Al2O3の相転移が抑制される。さらに、イオン半
径の差が一定以上である2種以上のアルカリ土類金属あ
るいは希土類元素が存在することにより、層状アルミネ
ートの結晶化が抑制され、このイオン半径の違いにより
層状構造に歪みが生じ、その結果として比表面積が大き
くなる。
【0005】さらに特開平7-309619号公報、特開平9-02
5119号公報などには、ランタンの添加により安定化され
た Al2O3が記載されている。ランタンの添加によりγ相
が安定化されるため、高温における比表面積の低下を抑
制することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年のエンジ
ンの高性能化、排ガス規制の強化、あるいは高速走行の
増加などにより、自動車の排ガス温度はきわめて高くな
っている。したがって排ガス浄化用触媒にはさらなる耐
熱性の向上が求められ、1000℃以上の高温が作用しても
比表面積の低下のない触媒担体が望まれている。
【0007】しかしながら特開平7-075735号公報に開示
の非晶質 Al2O3担体を製造する手段としては、従来はア
ルコキシドを用いるゾルゲル法による合成方法しか存在
しない。したがって高価なアルコキシドを用いざるを得
ず、合成された非晶質 Al2O3担体も高価となるという問
題がある。また、ゾルゲル法で得られた非晶質 Al2O3
末の一次粒子はきわめて微粒子となるため、1000℃を越
えるような高温で使用すると、粒成長により比表面積が
低下するおそれがある。
【0008】また特開平7-309619号公報、特開平9-0251
19号公報などに開示されたランタン安定化 Al2O3であっ
ても、一次粒子はきわめて微粒子であるために、1000℃
以上の高温では同様に粒成長が生じて比表面積が大きく
低下するという不具合があった。
【0009】したがって従来の非晶質 Al2O3あるいはラ
ンタン安定化 Al2O3を担体として製造された排ガス浄化
用触媒では、高温耐久後に浄化活性が大きく低下すると
いう不具合がある。
【0010】また担持される金属としては、Ptあるいは
Rhなどの貴金属が特に活性が高く好ましい。しかしなが
らPtには、高温の酸化雰囲気で粒成長しやすいという不
具合があり、またRhには Al2O3に固溶しやすいという不
具合がある。このように粒成長や固溶が生じると触媒活
性点の数が減少し、高温耐久後の浄化性能の低下の一因
となっている。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、担体の耐熱性をさらに向上させるととも
に、高温での耐久試験後にも触媒金属の高分散担持状態
を維持できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の排ガス浄化用触媒の特徴は、 Al2O3と固溶可能な希
土類元素の酸化物と Al2O3との複合酸化物からなる中空
状粉末よりなる担体と、担体に担持された触媒活性を有
する金属又は金属酸化物とよりなる排ガス浄化用触媒で
あって、担体にはアルミナに対して希土類元素が金属元
素の原子比で1〜8モル%添加されていることにある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の排ガス浄化用触媒では、
担体として、 Al2O3と固溶可能な希土類元素の酸化物と
Al2O3との複合酸化物からなる中空状粉末を用いてい
る。中空状粉末であることにより担体の細孔容積が大幅
に増大し、ガス拡散がきわめて向上する。したがって触
媒活性を有する金属又は金属酸化物(以下、触媒金属と
いう)と排ガスとの接触確率が増大し、高い浄化性能を
示す。
【0014】本発明の排ガス浄化用触媒における担体に
は、担体中に Al2O3と固溶可能な希土類元素が Al2O3
対して金属元素の原子比で1〜8モル%含まれている。
希土類元素の添加によりγ相が安定化されるため、高温
における比表面積の低下を抑制することができる。した
がって高温が作用した後にも中空状が維持され、大きな
細孔容積が維持されるので、高温耐久後における浄化性
能の低下度合いが小さい。
【0015】希土類元素の添加量が1モル%より少ない
と、γ相の安定化が困難となり高温での比表面積の低下
を抑制することが困難となる。また希土類元素の添加量
が8モル%より多くなると、高温が作用した際に安定な
化合物(LaAlO3など)が生成してしまい、比表面積が低
下してしまう。特に望ましい範囲は、希土類元素の添加
量が2〜6モル%の範囲である。
【0016】酸化物粉末は、一般に粒径が小さいほど高
活性である。従来の湿式製造方法で製造された Al2O3
体粉末は、その一次粒子径が数十nm以下と小さく、非常
に活性が高い。そのため希土類元素を添加しても、1200
℃程度の高温が作用するとα相への転移が生じ、比表面
積が大きく低下してしまう。一方、一次粒子径が数百nm
以上であれば、反応性が低いためα相への転移は抑制さ
れる。しかし一次粒子径が大きい粒子では、元々の比表
面積が数m2/g以下と小さいので、触媒担体として用い
るには不適当である。なお一次粒子とは、凝集を起こし
ていない粒子をいう。
【0017】そこで本発明では、中空状粉末からなる担
体としている。中空状とすることにより、大きな一次粒
子径と大きな比表面積との両立が可能となり、α相への
転移を抑制できるとともに触媒担体として好適に用いる
ことができる。なお中空状とは内部空間を有しているこ
とをいい、内部空間の数に制限はないが、内部空間の数
が多い多孔質体ほど好ましい。
【0018】さらに中空状粉末であるため、従来の中実
の Al2O3粉末に比べて一粒子当たりの Al2O3の絶対量が
少なくなる。したがって中空状粒子に担持された触媒金
属が殻壁に固溶したとしても、触媒金属の一部が固溶す
るだけであり表出する触媒金属が多く存在する。これに
より触媒活性点の減少が抑制され、高温耐久後の浄化活
性の低下が抑制される。
【0019】なお中空状粒子の比表面積は殻厚にほぼ反
比例し、殻厚が大きすぎると比表面積が小さくなる。し
たがって中空殻の厚さは 100nm以下であることが望まし
く、50nm以下であることが特に望ましい。中空殻の厚さ
を 100nm以下とすることにより、触媒担体として好まし
い比表面積を確保することができる。
【0020】中空状粉末は外径が20〜2000nmであり、外
径に対する内径の比が 0.5〜0.99であることが望まし
い。これにより殻壁の厚さをきわめて薄くすることがで
き、触媒金属の固溶による触媒性能の低下を抑制するこ
とができるので、高温耐久後の浄化活性の低下がさらに
抑制される。
【0021】担体は、径が10μm以下の細孔の合計容積
が2.0cm3/g以上であることが望ましい。このようにす
れば排ガスの拡散に最適な細孔分布となり、浄化性能が
向上する。
【0022】中空状粉末からなる担体は、1100℃以下で
あれば熱処理によって比表面積がほとんど変化せず、か
つ非晶質構造を保持する。これは、中空状粒子となって
いる点と密接に関連がある。例えば、中実状粒子で比表
面積50m2/g以上の Al2O3を主成分とする粉末を得よう
とすると、一次粒子径は約30nm以下である必要がある。
一般に小さい粒子は高活性なため、高温中では粒成長し
易い。それに対して、本発明にいう担体は非常に肉薄の
中空状粒子とすることができるため、粒径数百nm以上で
も50m2/g以上の比表面積となる。したがって、比表面
積の割に粒径が大きく、粒成長しにくい利点を有する。
【0023】このため本発明にいう担体は、50m2/g以
上の高比表面積と高耐熱性とを両立し、触媒担体として
十分な性能を有する。比表面積が50m2/g未満では触媒
担体としての性能が不十分な場合があり好ましくない。
【0024】酸化物が Al2O3に固溶可能な希土類元素と
しては、La,Nd及びSmが例示され、これらの一種又は複
数種を用いることができる。中でもLaが特に望ましい。
La酸化物を固溶させることにより耐熱性が特に向上する
とともに、触媒金属の担体への固溶が一層抑制される。
これは、 Al2O3にLa酸化物を固溶させることによって、
担体の結晶性が向上したためと考えられる。
【0025】担体は、中空状粉末をさらに 900〜1200℃
の温度で熱処理したものであることが望ましい。この熱
処理によりγ-Al2O3がθ-Al2O3に変化し、触媒金属の担
体への固溶が防止されるため、高温耐久後の浄化性能の
低下を一層抑制することができる。また本発明にいう中
空状粉末からなる担体は、この熱処理後にも中空形状が
破壊されることがなく20m2/g以上の比表面積を有して
いるので、排ガスの拡散性に優れ高い浄化性能が得られ
る。
【0026】上記した中空状粉末は、Al元素と希土類元
素とを含む水溶液又は水分散液が有機溶媒中に分散して
なるW/O型エマルジョンを噴霧燃焼することにより製
造することができる。
【0027】W/O型エマルジョンの噴霧燃焼では、エ
マルジョン中の一つの分散粒子の径(数nm〜数μm)が
一つの反応場の大きさとなる。つまり噴霧されたミスト
中では、エマルジョン中の分散粒子は有機溶媒からなる
油膜に覆われた水相からなるアトマイズ粒子となり、一
旦着火されると油膜の燃焼が誘発される。この発熱によ
って、高温に晒されたアトマイズ粒子内部の水相中の金
属が酸化されて複合酸化物粉末が生成する。アトマイズ
粒子は微細であるため、それぞれの粒子間で温度分布が
発生するのが抑制でき、均質な複合酸化物粉末が得られ
る。また非晶質の複合酸化物粉末も容易に製造すること
ができる。
【0028】そしてW/O型エマルジョンの分散粒子が
Al元素を主成分としているので、噴霧燃焼により殻厚が
数十nmと非常に肉薄で多孔質の中空状粒子が形成され
る。現時点ではこの原因は明らかではないが、Alイオン
の表面酸化膜形成速度が大きいために、粒子収縮の小さ
い段階で粒子表面に表面酸化膜が形成され、結果として
非常に肉薄の多孔質中空体となると推定される。
【0029】W/O型エマルジョンの噴霧燃焼では、上
記のように一つの分散粒子径が一つの反応の場となる
が、エマルジョン中の分散粒子径が 100nmよりも小さい
と表面酸化膜形成前に粒子が完全に収縮してしまい、中
空状とはならないため、好ましくない。一方、分散粒子
径が10μmよりも大きいと、反応場が大きくなりすぎて
不均質になる可能性があり好ましくない。エマルジョン
中の分散粒子径が 100nm〜10μmの範囲であれば、製造
される複合酸化物からなる中空状粒子の外径が20〜2000
nmとなる。外径が20nmより小さいと中空部が存在しなく
なり、2000nmを超える中空状粉末を上記方法で製造する
ことは困難である。
【0030】また噴霧燃焼時の燃焼温度は1000℃以下、
さらには 650〜 950℃とすることが望ましい。燃焼温度
が1000℃を超えると生成物の一部が粒成長して結晶質の
粉末となり、比表面積が低下するとともに、希土類元素
とAlとの安定な化合物が生成して浄化性能が低下するの
で好ましくない。また燃焼温度が低すぎると、有機成分
が完全に燃焼せず、炭素成分が残留するおそれがある。
【0031】さらにW/O型エマルジョン中の分散粒子
の濃度は、金属換算で 0.2〜 2.5モル/Lとするのが望
ましい。分散粒子の濃度がこの範囲から外れると中空状
の複合酸化物粉末となりにくくなる。
【0032】上記製造方法で使用する各金属元素の原料
としては、金属硝酸塩、金属酢酸塩、金属硫酸塩、金属
塩化物、あるいは錯塩など、水溶性の金属塩を用いるこ
とができる。そしてW/Oエマルジョンは、この金属塩
の水溶液と有機溶媒とを分散剤を介して攪拌することで
形成できる。使用する有機溶媒としては、ヘキサン、オ
クタン、ケロシン、ガソリンなど、水溶液とW/Oエマ
ルジョンを形成可能な有機溶媒であればよい。また使用
する分散剤の種類および添加量は特に限定されない。カ
チオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン
性界面活性剤のいずれでもよく、水溶液、有機溶媒の種
類および必要とするエマルジョンの分散粒子径に応じ
て、分散剤の種類および添加量を変化させればよい。
【0033】W/Oエマルジョンの噴霧燃焼雰囲気は特
に限定しないが、酸素が充分でないと不完全燃焼によっ
て有機溶媒中の炭素成分が残留する恐れがある。したが
って、エマルジョン中の有機溶媒が完全燃焼できる程度
の酸素(空気)を供給することが望ましい。
【0034】上記した中空状粉末からなる担体に担持さ
れる触媒金属としては、酸化ニッケル,酸化鉄,酸化
銅,酸化コバルト,酸化スズ,酸化亜鉛などの卑金属の
酸化物、Pt,Rh,Pd,Ir,Ruなどの貴金属が例示され
る。中でも高温においても粒成長しにくいRhが最も好ま
しい。
【0035】この触媒金属の担持量は種類によって異な
り、例えばRhであれば、0.05〜 2.5重量%の範囲が望ま
しい。担持量がこの範囲より少ないと浄化活性が得られ
ず、この範囲より多く担持しても活性が飽和するととも
にコストが増大する。
【0036】また担体に触媒金属を担持するには、中空
状粉末に担持してから所定形状の担体を形成してもよい
し、所定形状の担体を形成後に担持してもよい。またW
/O型エマルジョン中に触媒金属元素を含ませておき、
中空状粉末の製造と同時に担持させることもできる。
【0037】なお担体の形状としては、従来と同様に、
ペレット形状、耐熱性ハニカム基材表面にコートした形
状などとすることができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
【0039】(実施例1)市販硝酸アルミニウム9水和
物を脱イオン水に溶解させて作製した 0.1〜2モル/L
の硝酸アルミニウム水溶液と、市販の硝酸ランタン6水
和物を脱イオン水に溶解させて作製した 0.1〜2モル/
Lの硝酸ランタン水溶液とを、モル比がAl/La= 100/
1となるように所定量ずつ混合して水相とした。有機溶
媒には、市販のケロシンを用いた。
【0040】分散剤としては、太陽化学(株)製「サン
ソフト No.818H」を用いた。添加量はケロシンに対して
5〜10重量%とした。この分散剤入りのケロシンを油相
とした。水相と油相は、水相/油相=40〜70/60〜30
(体積%)となるように混合した。混合溶液を、ホモジ
ナイザを用いて1000〜20000rpmの回転数で5〜30分間攪
拌することにより、W/O型エマルジョンを得た。な
お、光学顕微鏡観察の結果から、上記のエマルジョン中
の分散粒子径は、約1〜2μmであった。
【0041】上記で作製したW/O型エマルジョンを、
図1に示す装置にて噴霧燃焼した。この装置は、円筒形
状の反応室1と、反応室1にエマルジョンを供給する定
量ポンプ2とから構成されている。反応室1は、反応通
路11と、反応通路11にエマルジョンを噴霧するアトマイ
ザ12と、噴霧されたエマルジョンを加熱するバーナ13
と、得られた酸化物粉末を捕集する粉末捕集器14とから
構成されている。
【0042】アトマイザ12にはエアと定量ポンプ2から
のエマルジョンとが供給され、アトマイザ12は反応通路
11にエマルジョンを噴霧するとともにエアを供給する。
噴霧されたエマルジョンは、バーナ13によって着火され
て燃焼し、酸化物粉末が生成される。生成した酸化物粉
末は、反応室1の下部に位置する粉末捕集器14によって
捕集される。また燃焼排ガスは、粉末捕集器14から反応
室1外へ排出される。
【0043】この装置を用いて上記したW/O型エマル
ジョンを噴霧燃焼させ、油相を燃焼させるとともにAl−
La複合酸化物からなる中空状粉末を形成した。この合成
は、噴霧したエマルジョンが完全燃焼し、かつ火炎温度
が 800〜 900℃の一定温度になるように、エマルジョン
の噴霧流量、空気量(酸素量)などを制御した状態で行
った。
【0044】この中空状粉末は多数の内部空間をもつ中
空状をなし、その中空殻の厚さは10nmである。また、こ
の中空状粉末の一次粒子径は 520nmであり、比表面積は
60m2/gであった。一次粒子径は粉末SEM像から50個
の粒子の粒径を測定し、その平均値から求めた。比表面
積はBET法で測定した。
【0045】このLa−Al複合酸化物からなる中空状粉末
を所定量秤量し、所定濃度の塩化ロジウム水溶液を含浸
させ、蒸発乾固後、大気中にて 120℃で12時間乾燥し、
250℃で1時間焼成して触媒粉末を調製した。この触媒
粉末では、中空状粉末 120gに対してRhが 0.2g担持さ
れている。
【0046】(実施例2)W/O型エマルジョン中の金
属組成を、モル比Al/La= 100/2としたこと以外は実
施例1と同様にして中空状粉末を調製し、同様にRhを担
持した。
【0047】(実施例3)W/O型エマルジョン中の金
属組成を、モル比Al/La= 100/3としたこと以外は実
施例1と同様にして中空状粉末を調製し、同様にRhを担
持した。
【0048】(実施例4)W/O型エマルジョン中の金
属組成を、モル比Al/La= 100/4としたこと以外は実
施例1と同様にして中空状粉末を調製し、同様にRhを担
持した。
【0049】(実施例5)W/O型エマルジョン中の金
属組成を、モル比Al/La= 100/6としたこと以外は実
施例1と同様にして中空状粉末を調製し、同様にRhを担
持した。
【0050】(実施例6)W/O型エマルジョン中の金
属組成を、モル比Al/La= 100/8としたこと以外は実
施例1と同様にして中空状粉末を調製し、同様にRhを担
持した。
【0051】(実施例7)W/O型エマルジョン中の金
属組成を、モル比Al/La= 100/3としたこと以外は実
施例1と同様にして中空状粉末を調製した。これは実施
例3で調製された中空状粉末と同一のものである。この
中空状粉末を大気中にて1050℃で5時間焼成し、これに
実施例1と同様にしてRhを担持した。
【0052】(比較例1)W/O型エマルジョン中の金
属組成を、モル比Al/La= 100/0としたこと以外は実
施例1と同様にして中空状粉末を調製し、同様にRhを担
持した。
【0053】(比較例2)W/O型エマルジョン中の金
属組成を、モル比Al/La= 100/10としたこと以外は実
施例1と同様にして中空状粉末を調製し、同様にRhを担
持した。
【0054】(比較例3)Laを3モル%含むAl−La複合
酸化物からなる市販の中実状の粉末を用意し、実施例1
と同様にしてRhを担持した。
【0055】(比較例4)Laを3モル%含むAl−La複合
酸化物からなる市販の中実状の粉末を用意し、この中実
状粉末を大気中にて1050℃で5時間焼成し、これに実施
例1と同様にしてRhを担持した。
【0056】<試験・評価>実施例7で調製された中空
状粉末と、比較例4で用いた中実状粉末について、細孔
容積とその分布を水銀圧入法によってそれぞれ測定し、
結果を図2及び図3にそれぞれ示す。図2及び図3から
明らかなように、1050℃での熱処理を行ったにも関わら
ず実施例7で用いている中空状粉末は大きな細孔容積を
もち、比較例4の中実状粉末に比べてガス拡散性に優れ
ていることがわかる。
【0057】次に、各実施例及び比較例の触媒粉末をそ
れぞれ圧粉成形した後粉砕し、それを整粒して 0.5〜
1.0mmのペレット触媒をそれぞれ調製した。それぞれの
触媒を常圧固定床流通系反応装置に配置し、ストイキ相
当のモデルガスを流通させ、 100℃から 500℃まで12℃
/分の速度で昇温した。そしてそれぞれの触媒について
昇温時のHCの浄化率を連続的に測定し、50%浄化した時
の温度(HC50%浄化温度)を求めた。また各触媒の比表
面積をBET法によって測定した。それぞれの結果を初
期として表1に示す。
【0058】一方、それぞれの触媒を流通式の耐久試験
装置に配置し、ストイキ相当のモデルガスに水素を5%
過剰に加えたリッチモデルガスと、ストイキ相当のモデ
ルガスに酸素を5%過剰に加えたリーンモデルガスを、
触媒床温度1000℃で、それぞれ1分−5分の時間で交互
に5時間流す耐久試験を行った。耐久試験後のそれぞれ
の触媒について、上記と同様にHC50%浄化温度を求め、
比表面積を測定した結果を耐久試験後として表1に示
す。
【0059】
【表1】
【0060】表1より、各実施例の触媒は耐久試験後に
も低温域からHCを浄化でき、耐久試験後のHC50%浄化温
度の初期に対する上昇度合いが小さい。しかし比較例1
及び比較例2の触媒では、耐久試験後のHC50%浄化温度
の初期に対する上昇度合いが大きく、耐熱性が低い。こ
のことから、Laの含有により耐熱性が大幅に向上し、La
の添加量は1〜8モル%が適し2〜6モル%が最適であ
ることが明らかである。
【0061】さらに実施例3の触媒は比較例3の触媒に
比べて初期の浄化性能は劣るものの、耐久試験後のHC50
%浄化温度の初期に対する上昇度合いがきわめて小さ
い。また比較例3の触媒は初期における比表面積は大き
いものの、耐久試験による比表面積の低下度合いが実施
例3より大きい。つまり実施例3の触媒では、担体を中
空状粉末から形成したことによって比表面積の低下が抑
制されていることが明らかであり、耐久試験後の浄化活
性の差もこれに起因していると考えられる。
【0062】そして実施例7の触媒は実施例3の触媒に
比べて耐久試験後にも高い浄化性能を示し、これは中空
状粉末に対して1050℃で5時間焼成する熱処理を行った
効果であることが明らかである。
【0063】さらに実施例3と実施例7では初期と耐久
試験後における比表面積の差が小さいのに対し、比較例
3と比較例4では初期と耐久試験後における比表面積の
差がきわめて大きい。つまり中実状粉末は1050℃の熱処
理によって凝集して比表面積が低下するのに対し、中空
状とすることによって熱処理によっても比表面積の低下
がほとんど生じないことがわかる。
【0064】
【発明の効果】すなわち本発明の排ガス浄化用触媒によ
れば、担体の耐熱性がきわめて向上するとともに、高温
耐久後にも触媒金属の高分散担持状態を維持することが
でき、高温の排ガスが接触する雰囲気下でも高い浄化率
で排ガスを浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における担体の製造に用いた
製造装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】実施例7で用いた中空状粉末の細孔分布を示す
グラフである。
【図3】比較例4で用いた中実状粉末の細孔分布を示す
グラフである。
【符号の説明】
1:反応室 2:定量ポンプ 11:反応通路 12:アトマイザ 13:バーナ 14:粉末捕集
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 孝夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鷹取 一雅 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 森川 彰 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4D048 AA06 AA13 AA18 AB05 BA03X BA18X BA30Y BA31Y BA32Y BA33X BA42X BB01 BB17 4G069 AA03 AA08 BB06A BB06B BC42A BC42B BC44A BC69A BC71A BC71B CA03 CA09 EA01X EA01Y EB06 EB18X EB18Y EC02Y EC08X EC08Y ED06 FA01 FB30 FC07 FC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナと固溶可能な希土類元素の酸化
    物とアルミナとの複合酸化物からなる中空状粉末よりな
    る担体と、該担体に担持された触媒活性を有する金属又
    は金属酸化物とよりなる排ガス浄化用触媒であって、 該担体にはアルミナに対して該希土類元素が金属元素の
    原子比で1〜8モル%添加されていることを特徴とする
    排ガス浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 前記希土類元素は、La,Nd及びSmから選
    ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1
    に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 【請求項3】 前記希土類元素は、Laであることを特徴
    とする請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 【請求項4】 前記希土類元素は2〜6モル%添加され
    ていることを特徴とする請求項2に記載の排ガス浄化用
    触媒。
  5. 【請求項5】 前記中空状粉末は外径が20〜2000nmであ
    り、外径に対する内径の比が 0.5〜0.99であることを特
    徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  6. 【請求項6】 前記担体は、径が10μm以下の細孔の合
    計容積が2.0cm3/g以上であることを特徴とする請求項
    1に記載の排ガス浄化用触媒。
  7. 【請求項7】 前記担体は、前記中空状粉末を 900〜12
    00℃の温度で熱処理したものであることを特徴とする請
    求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  8. 【請求項8】 前記金属はRhであることを特徴とする請
    求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
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