JP3785310B2 - 有機ハロゲン化合物分解触媒、その製造方法、および用途 - Google Patents

有機ハロゲン化合物分解触媒、その製造方法、および用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物の分解触媒、その製造方法、および用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物や都市廃棄物を処理する焼却施設から発生する排ガス中には、ダイオキシン類、PCB、クロロフェノールなどの極微量の毒性有機ハロゲン化合物が含まれており、特にダイオキシン類は微量であってもきわめて有毒であり、人体に重大な影響を及ぼすため、その除去技術が早急に求められている。
一般に有機ハロゲン化合物は化学的にきわめて安定であり、特にダイオキシン類においては自然界では半永久的に残存すると言われているほど分解しにくい物質であるのに加え、排ガス中でのその含有量が非常に低いため、これを効率良く除去することは従来の排ガス処理触媒では困難であった。
【0003】
このような事情に鑑み、本出願人は、チタンの酸化物を含有する触媒が基本的に有効であることを確認した上で、細孔分布、細孔容積、比表面積などの物理特性に改良を加えることにより、排ガス中の希薄成分の拡散を向上させ、分解効率を促進することを見出し、この知見に基づいて、特願平9−358146号(特開平10−235191号公報)、特願2000−99593号を既に出願している。
これらの触媒は優れた有機ハロゲン化合物分解活性を有しているが、さらに高い活性を有する有機ハロゲン化合物除去用触媒が出現することは好ましいことである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、有機ハロゲン化合物の除去性能に一層優れ、排ガス中の有機ハロゲン化合物を除去するのに好適な触媒、その製造方法および有機ハロゲン化合物の除去方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。そして、チタンの酸化物を含有する触媒の物理特性をより詳細に調査した結果、チタン酸化物に加えてバナジウム酸化物をも含有し、さらに、窒素吸着法により測定される細孔径分布が特定範囲内にピークを有し、かつ、細孔径分布が当該特定範囲内の場合における細孔容積が一定以上である触媒が、有機ハロゲン化合物の除去に有効であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る有機ハロゲン化合物分解触媒は、
チタン酸化物とバナジウム酸化物を含有する有機ハロゲン化合物の分解触媒であって、
前記チタン酸化物の少なくとも一部が複合酸化物の形態を有し、
窒素ガス吸着法で測定した細孔径分布が、30〜150Åの範囲内にピークを有し、かつ、30〜150Åの範囲内の細孔容積が0.1cc/g以上であることを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る有機ハロゲン化合物分解触媒の製造方法は、
チタン酸化物にバナジウム化合物を添加した後、400℃に到達するまでの昇温速度が1℃/min以下で、且つ、最終焼成温度が400〜550℃となるように焼成することを特徴とする。
また、本発明に係る有機ハロゲン化合物の除去方法は、
有機ハロゲン化合物を含有する排ガスを、本発明の有機ハロゲン化合物分解触媒に接触させて処理することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に係る有機ハロゲン化合物分解触媒は、チタン酸化物とバナジウム酸化物を必須成分として含有し、好ましくはモリブデン酸化物をも含有する。
さらに、本発明に係る有機ハロゲン化合物分解触媒は、前記酸化物の少なくとも一部が複合酸化物の形態を有していてもよい。すなわち、単純酸化物(TiO2 、V2 5 、MoO3 など)に加えて、複合酸化物を含有していてもよい。特に、チタンとシリカおよび/またはモリブデンの複合酸化物である、チタニア−シリカ複合酸化物、チタニア−モリブデン複合酸化物、チタニア−シリカ−モリブデン複合酸化物などの複合酸化物は、チタン酸化物の高比表面積化、高細孔容積化に効果があるため好ましい。
【0008】
本発明に係る有機ハロゲン化合物分解触媒の調製方法としては、例えば、チタン酸化物の粉末に、活性成分であるバナジウム(通常は、供給源としてバナジウムの塩類などのバナジウム化合物)を、溶液もしくは粉体の状態で添加後、成形、焼成する方法やチタン酸化物の成形体に活性成分を含浸担持する方法が挙げられる。この時、従来通常の方法を用い、チタン酸化物と活性成分を混在して焼成すると、酸化チタンの結晶化が促進され、比表面積や細孔容積が低下するが、細孔径が200Å以下のものが顕著に減少してしまうという問題があった。
そこで、本発明者は、細孔径が200Å以下のごく小さい細孔を保持する調製条件を検討した結果、チタン酸化物に活性成分源としてのバナジウム化合物を添加した後、400℃に到達するまでの昇温速度を1℃/min以内とし、且つ、最終焼成温度が400〜550℃となるように、徐々に熱を加えることにより、酸化チタンの結晶化を抑制し、細孔径が200Å以下のごく小さい細孔の減少を防止することができることを見い出した。
【0009】
チタン酸化物としては、酸化チタン(TiO2 )の他、予めチタンにシリカおよび/またはモリブデンを添加して調製したチタニア−シリカ複合酸化物、チタニア−モリブデン複合酸化物、チタニア−シリカ−モリブデン複合酸化物を用いることができる。これらのチタン酸化物は、シリカおよび/またはモリブデンを添加することにより、より高比表面積化、高細孔容積化した複合酸化物であって、より好適に用いられる。
上記複合酸化物の供給原料は、チタン源としては、可溶性の無機および有機のいずれの化合物も使用することができ、例えば、四塩化チタン、硫酸チタン、蓚酸チタン、テトライソプロピルチタネートなどを用いることができる。また、シリカ源としては、コロイド状シリカ、水ガラス、微粒子ケイ素、テトラエチルシリケートなどから適宜選択して使用できる。さらに、モリブデン源としては、パラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸などが使用できる。
【0010】
これら複合酸化物は、例えば、次のように調製することができる。
チタニア−シリカ複合酸化物の場合は、シリカゾルとアンモニア水を混合し均一溶液とし、硫酸チタンの硫酸水溶液を添加して沈澱を生じさせ、得られた沈澱物を洗浄・乾燥し、次いで400〜700℃で焼成する。チタニア−モリブデン複合酸化物の場合は、パラモリブデン酸アンモニウムとアンモニア水を均一溶液として調製する。チタニア−シリカ−モリブデン複合酸化物の場合は、シリカゾルとパラモリブデン酸アンモニウムとアンモニア水を均一溶液として調製することができる。
【0011】
本発明の触媒の組成は、特に限定されないが、チタン酸化物が50〜99.9重量%、バナジウム酸化物が0.1〜25重量%、モリブデン酸化物が0〜25重量%である。より好ましくは、チタン酸化物が70〜98.5重量%、バナジウム酸化物が0.5〜15重量%、モリブデン酸化物が1〜15重量%である。チタン酸化物の含有量が50重量%未満であると、目的の細孔径分布、および、細孔容積が得られないために好ましくなく、99.9重量%より大きいと、活性が低下するために好ましくない。
バナジウム酸化物の含有量が、0.1重量%より少ない場合は、触媒活性が低下し、25重量%を超える場合は、コストが高くなり、増加量に対して活性の向上が得られないため好ましくない。
【0012】
バナジウム酸化物やモリブデン酸化物の供給原料としては、各々の酸化物自体のほかに、焼成によってこれらの酸化物を生成するものであれば無機および有機のいずれの化合物(これらをバナジウム化合物あるいはモリブデン化合物と称することがある)も用いることができる。例えば、各々の金属を含む水酸化物、アンモニウム塩、蓚酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩などを用いることができる。
本発明に係る有機ハロゲン化合物分解触媒は、さらに、窒素ガス吸着法で測定した細孔径分布が、30〜150Åの範囲内にピークを有し、かつ、30〜150Åの範囲内の細孔容積が0.1cc/g以上であることを特徴とする。
【0013】
窒素吸着法により測定される細孔径分布が上記範囲内にピークを有し、かつ、細孔径分布が当該特定範囲内の場合における細孔容積が上記数値以上であることにより、本発明の効果、すなわち、有機ハロゲン化合物の除去性能に一層優れ、排ガス中の有機ハロゲン化合物を除去するのに好適な触媒を提供することができる。
上記窒素吸着法により測定される細孔径分布が30〜150Åの範囲内にピークを有さない場合には、活性が低下するために好ましくなく、また、上記細孔径分布が30〜150Åの範囲内の細孔容積が0.1cc/g未満の場合にも、活性が低下するために好ましくない。
【0014】
本発明の触媒は、任意の方法で調製することができる。以下にその一例を示すが、本発明の触媒の調製方法はこれらに限定されない。
本発明の触媒の調製方法としては、たとえば、チタン酸化物の粉体に、バナジウム化合物、例えば、バナジウムの塩類またはその溶液を添加して調製することができる。また、チタン酸化物の成形体に、バナジウムの塩類またはその溶液を含浸担持してもよい。
また、本発明の触媒にモリブデン酸化物をも含有させる場合には、別の調製方法として、例えば、チタン酸化物とバナジウムの塩類の混合物に、モリブデン源を添加する方法や、チタンの酸化物とモリブデンの塩類の混合物にバナジウム源を添加する方法を挙げることができる。
【0015】
本発明の触媒の形状としては特に制限はなく、板状、波板状、網状、ハニカム状、円柱状、円筒状、球状などのうちから選んだ所望の形状で用いてもよく、また、アルミナ、シリカ、コーディライト、チタニア、ステンレス金属などよりなる板状、波板状、網状、ハニカム状、円柱状、円筒状、球状などのうちから選んだ所望の形状の担体に担持して使用してもよい。この内、ハニカム形状のものがより好適に用いられる。
チタン酸化物に、バナジウム化合物を添加したあとの焼成方法としては、空気雰囲気下で、最終到達温度を400〜550℃で1〜10時間、好ましくは2〜6時間である。この範囲より短い場合は、活性成分の酸化が不十分となり活性が低下し、この範囲より長い場合は、熱によりチタンの結晶化が進行するため、目的の細孔が減少するため好ましくない。また、焼成工程における昇温速度については、400℃に到達するまでの昇温速度を1℃/min以下とし、好ましくは、0.05〜0.6℃/minである。昇温速度が1℃/minより大きい場合は、急激な温度変化によって、チタンの結晶化が進行し易くなり、目的の細孔容積が得られない。また、昇温速度が0.05℃/minより小さい場合は、製造工程として非効率となり、好ましくない。
【0016】
本発明の触媒は、有機ハロゲン化合物除去用に用いられ、例えば、産業廃棄物や都市廃棄物を処理する焼却施設から発生する、有機ハロゲン化合物を含有する排ガスの処理に好適に用いられる。中でも、有機ハロゲン化合物として、ポリハロゲン化ジベンゾダイオキシン、ポリハロゲン化ジベンゾフラン、ポリハロゲン化ビフェニルのうち少なくとも1種(いわゆるダイオキシン類)を含む排ガスの処理に好適に有用である。
本発明の触媒を用いて有機ハロゲン化合物の除去を行うには、本発明の触媒を排ガスと接触させ、排ガス中の有機ハロゲン化合物を分解除去する。この際の条件については特に制限はなく、この種の反応に一般的に用いられている条件で実施することができる。具体的には、排ガスの種類、性状、要求される有機ハロゲン化合物の分解率などを考慮して適宜決定すればよい。
【0017】
排ガスの空間速度は、通常、100〜100000hr-1(STP)であり、好ましくは200〜50000hr-1(STP)である。100hr-1未満では、処理装置が大きくなりすぎ非効率となり、一方、100000hr-1を超えると、分解率が低下する。また、その際の温度は、130〜450℃であることが好ましい。排ガス温度が130℃より低いと分解率が低下し、450℃を超えると活性成分のシンタリングなどの問題が起こる。
なお、本発明の有機ハロゲン化合物除去用触媒を用いて、排ガス中にアンモニアなどの還元剤を添加することにより、有機ハロゲン化合物と窒素酸化物を同時に除去することもできる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
なお、細孔径分布および細孔容積の測定方法は、一般には、水銀圧入法やガス吸着法が用いられるが、本発明において重要な細孔径300Å以下の細孔径分布の測定に適しているKelvin式によるガス吸着法によって測定を行った。また、使用するガスは、一般的な窒素ガスを用いた。
(実施例1)
市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)17.6kgに、メタバナジン酸アンモニウム1.8kg、蓚酸2.16kgを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム1.23kgおよびモノエタノールアミン0.48kgを水3リットルに溶解させた溶液とを加え、さらに成形助剤としてのデンプン0.45kgとを加えて混合し、ニーダーで混錬りした後、押出成形機で外形80mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、長さ500mmのハニカム状に成形した。次いで、100℃で乾燥した後、室温から400℃までの昇温速度を0.3℃/minに設定し、400℃から450℃までの昇温時間を1時間とし、最終焼成温度を450℃として5時間空気雰囲気下、焼成して触媒(1)を得た。この触媒(1)の組成は、V2 5 :MoO3 :TiO2 =7:5:88(酸化物換算重量%)であった。
【0019】
この触媒(1)をCOULTER社製OMNISORP−360を用いて、窒素吸着法により細孔径分布および細孔容積を測定した。その結果、細孔径80Åにピークを有する細孔径分布が確認され、細孔径30〜150Åの範囲の細孔容積は、0.18cc/gであった。
(実施例2)
まず、チタニア−シリカ複合酸化物を次のように調製した。25重量%アンモニア水83リットルとスノーテックス−20(日産化学(株)製シリカゾル、約20重量%のSiO2 含有)20kgと水50リットルを混合後、攪拌し、均一溶液とした後、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiO2 として125g/リットル、硫酸濃度550g/リットル)100リットルを攪拌しなが徐々に滴下した。得られたゲルを12時間放置した後、ろ過、水洗し、続いて120℃で1時間乾燥した。これを空気雰囲気下、550℃で2時間焼成し、更にハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級して平均粒子径10μm の粉体を得た。得られた粉体の組成はTiO2 :SiO2 =7:3(モル比)であった。
【0020】
上記チタニア−シリカ粉体17.6kgに、メタバナジン酸アンモニウム1.8kg、蓚酸2.16kgを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム1.23kgおよびモノエタノールアミン0.48kgを水3リットルに溶解させた溶液とを加え、さらに成形助剤としてのデンプン0.45kgとを加えて混合し、ニーダーで混錬りした後、押出成形機で外形80mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、長さ500mmのハニカム状に成形した。次いで、100℃で乾燥した後、室温から400℃までの昇温速度を0.3℃/minに設定し、400℃から450℃までの昇温時間を1時間とし、最終焼成温度を450℃で5時間空気雰囲気下、焼成して触媒(2)を得た。この触媒の組成は、V2 5 :MoO3 :TiO2 :SiO2 =7:5:66:22(酸化物換算重量%)であった。
【0021】
この触媒(2)を実施例1と同様の方法で、窒素吸着法により細孔径分布および細孔容積を測定した。その結果、細孔径92Åにピークを有する細孔径分布が確認され、細孔径30〜150Åの範囲の細孔容積は、0.24cc/gであった。
(実施例3)
まず、チタン−シリカ−モリブデン複合酸化物を次のように調製した。25重量%アンモニア水83リットルとスノーテックス−20(日産化学(株)製シリカゾル、約20重量%のSiO2 含有)7.8kgと水50リットルの混合溶液に、パラモリブデン酸アンモニウム粉末1.9kgを加え、よく攪拌し、パラモリブデン酸アンモニウムを完全に溶解させ、均一溶液を調製した。この溶液に硫酸チタニル硫酸溶液(TiO2 として125g/リットル、硫酸濃度550g/リットル)100リットルを、攪拌しながら徐々に滴下し、沈殿を生成させた。この共沈スラリーを約20時間静置したのち、水で十分洗浄した後、濾過し、100℃で1時間乾燥させた。さらに、空気雰囲気下、550℃で2時間焼成し、更にハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級し平均粒子径10μmの粉体を得た。このようにして調製したチタン−シリカ−モリブデン複合酸化物の組成は、TiO2 :SiO2 :MoO3 =80:10:10(酸化物重量比)であった。
【0022】
上記チタニア−シリカ−モリブデン粉体17.6kgに、メタバナジン酸アンモニウム1.8kg、蓚酸2.16kgを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム1.23kgおよびモノエタノールアミン0.48kgを水3リットルに溶解させた溶液とを加え、さらに成形助剤としてのデンプン0.45kgとを加えて混合し、ニーダーで混錬りした後、押出成形機で外形80mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、長さ500mmのハニカム状に成形した。次いで、100℃で乾燥した後、室温から400℃までの昇温時間を20時間に設定し、400℃から450℃までの昇温速度を0.3℃/minに設定し、最終焼成温度を450℃で5時間空気雰囲気下、焼成して触媒(3)を得た。この触媒(3)の組成は、V2 5 :MoO3 :TiO2 :SiO2 =7:9:74:10(酸化物換算重量%)であった。
【0023】
この触媒(3)を実施例1と同様の方法で、窒素吸着法により細孔径分布および細孔容積を測定した。その結果、細孔径85Åにピークを有する細孔径分布が確認され、細孔径30〜150Åの範囲の細孔容積は、0.21cc/gであった。
(比較例1)
触媒の成形物を焼成する際、室温から400℃までの昇温速度を1.2℃/minに設定した以外は、実施例1と同様の調製方法で比較触媒(1)を得た。
この比較触媒(1)について、窒素吸着法により細孔を測定したところ、細孔径87Åにピークを有する細孔径分布が確認され、細孔径30〜150Åの範囲の細孔容積は、0.04cc/gであった。
【0024】
(比較例2)
触媒の成形物を焼成する際、最終焼成温度を600℃とした以外は実施例1と同様の調製方法で比較触媒(2)を得た。
この比較触媒(2)について、窒素吸着法により細孔を測定したところ、細孔径30〜150Åの範囲にはブロードな細孔径分布を示しただけであり、細孔径30〜150Åの範囲の細孔容積は、0.03cc/gであった。
(実施例4)
実施例1〜3で得られた触媒(1)〜(3)、および、比較例1、2で得られた比較触媒(1)、(2)を用い、下記の条件で有機ハロゲン化合物としてクロロトルエン(CT)を用いて、分解活性の測定を行なった。
【0025】
Figure 0003785310
得られたCT分解率を表1に示した。
【0026】
【表1】
Figure 0003785310
【0027】
(実施例5)
実施例1〜3で得られた触媒(1)〜(3)、および、比較例1、2で得られた比較触媒(1)、(2)を用い、ダイオキシン類を約0.5ng−TEQ/Nm3 を含むゴミ焼却炉排ガスに接触させ、ダイオキシン類の除去性能を測定した。ガス温度は190℃であり、空間速度(STP)は2000hr-1であった。
ダイオキシン類の除去率は下記の式にしたがって求めた。
Figure 0003785310
得られたダイオキシン類除去率を表2に示した。
【0028】
【表2】
Figure 0003785310
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、有機ハロゲン化合物の除去性能に一層優れ、排ガス中の有機ハロゲン化合物を除去するのに好適な触媒、その製造方法および有機ハロゲン化合物の除去方法を提供することができる。

Claims (5)

  1. チタン酸化物とバナジウム酸化物を含有する有機ハロゲン化合物の分解触媒であって、
    前記チタン酸化物の少なくとも一部が複合酸化物の形態を有し、
    窒素ガス吸着法で測定した細孔径分布が、30〜150Åの範囲内にピークを有し、かつ、30〜150Åの範囲内の細孔容積が0.1cc/g以上であることを特徴とする、
    有機ハロゲン化合物分解触媒。
  2. モリブデン酸化物をさらに含む
    請求項1に記載の有機ハロゲン化合物分解触媒。
  3. チタン酸化物とバナジウム酸化物を含有し、窒素ガス吸着法で測定した細孔径分布が、30〜150Åの範囲内にピークを有し、かつ、30〜150Åの範囲内の細孔容積が0.1cc/g以上である有機ハロゲン化合物分解触媒の製造方法であって、
    チタン酸化物にバナジウム化合物を添加した後、400℃に到達するまでの昇温速度が1℃/min以下で、且つ、最終焼成温度が400〜550℃となるように焼成することを特徴とする、
    機ハロゲン化合物分解触媒の製造方法。
  4. 有機ハロゲン化合物を含有する排ガスを、請求項1または2に記載の有機ハロゲン化合物分解触媒に接触させて処理することを特徴とする、
    有機ハロゲン化合物の除去方法。
  5. 前記有機ハロゲン化合物が、ポリハロゲン化ジベンゾダイオキシン、ポリハロゲン化ジベンゾフラン、およびポリハロゲン化ビフェニルの中から選ばれる少なくとも1種である、
    請求項4に記載の有機ハロゲン化合物の除去方法。
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