JP4182697B2 - 塩素化有機化合物分解用触媒およびその製造法 - Google Patents

塩素化有機化合物分解用触媒およびその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩素化有機化合物分解用触媒およびその製造法に関し、詳しくは、低温度でダイオキシン等の塩素化有機化合物を高効率で分解することが出来る触媒およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ゴミや産業廃棄物を処理する焼却炉などから排出される燃焼排ガスは、各種の有害成分を含有しているが、毒性の強いダイオキシンとその前駆体である芳香族塩素化合物などの塩素化有機化合物および光化学スモッグの原因物質である窒素酸化物の除去は、特に重要である。
【0003】
燃焼排ガス中の塩素化有機化合物の除去方法としては、各種の方法が知られているが、特に接触分解法は、500℃以下の条件で塩素化有機化合物を分解する優れた方法である。ところで、塩素化有機化合物の接触分解は、300℃以上の分解温度では一旦分解されたダイオキシン等が再生成するため、250℃以下の温度で行うことが要求されている。
【0004】
更に近年、都市ゴミ焼却設備では、ゴミ焼却時に発生した熱を回収する目的で得たスチームで発電し、都市ゴミ焼却設備に電力供給すると共に余剰電力の売電が行なわれている。ところで、塩素化有機化合物分解用触媒層の反応温度の維持に上記のスチームが利用されている場合、反応温度が高い程に多量のスチームが消費される不利益がある。従って、斯かる観点からも可及的に低い反応温度、具体的には200℃以下の反応温度での運転が要求されている。
【0005】
一方、塩素化有機化合物の接触分解は、酸化反応と考えられ、反応温度が低下すると反応速度が必然的に低下する。従って、より低い温度で接触分解を行って所定の分解率を得ようとした場合は、触媒量の増加や単位時間当たりの処理ガス量の低下が必要となる。しかしながら、都市ゴミ焼却設備では、処理ガス量の低下が困難なため、処理装置が巨大化するという問題がある。
【0006】
一方、触媒の担体としては、一般的に、TiO、SiO、Al、ZrO等が使用できるが、塩素化有機化合物分解用触媒の場合は、燃焼排ガス中にSOが含有されている場合が多いため、SOに耐性を有するTiOが一般的に使用される。例えば、特許第2633316号公報においてはTiO担体に活性成分VとWOを担持した触媒が使用され、特許第2916259号公報においては、担体として、Ti、Si、Zrの2元または3元複合酸化物を使用することにより活性成分の分散性を向上させて触媒性能の向上を図っている。
【0007】
そして、特許第2633316号公報においては、270〜290℃の反応温度が採用されているが、斯かる温度は十分に低温とは言い難く、また、特許第2916259号公報においては、温度が200℃でSVが2000hr−1の反応条件が採用されており、多量の触媒を使用する必要がある。
【0008】
上述の様に、従来の塩素化有機化合物分解用触媒は、何れも、低温条件で且つコンパクトな処理装置で使用するには十分に満足し得る性能ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、低温度でダイオキシン等の塩素化有機化合物を高効率で分解することが出来る触媒およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、次の様な種々の知見を得た。すなわち、ハニカム構造のセル内の表面にクラックを形成して幾何学的表面を増加するならば、これにより排ガス中の流れの乱流成分が増加し、排ガス中の塩素化有機化合物の触媒への拡散効率が向上し、その結果、低温においても塩素化有機化合物を高分解できる。そして、上記のクラックは、触媒担体として収縮率の異なる化合物を混合して使用することにより、その後の乾燥および/または焼成工程で容易に形成することが出来る。
【0011】
本発明は、上記の知見に基づき達成されたものであり、その第1の要旨は、ハニカム構造の塩素化有機化合物分解用触媒であって、ハニカム構造のセル内の表面にクラックを形成して成り、クラックの幅が1〜100μmであり、その長さと幅の比が8/1〜30/1であることを特徴とする塩素化有機化合物分解用触媒に存する。
【0012】
そして、本発明の第2の要旨は、第1の要旨に係る、担体に活性成分が担持されたハニカム構造の塩素化有機化合物分解用触媒の製造方法であって、少なくとも、担体に活性成分を担持する工程とその後の焼成工程とを含み、そして、上記の担体として収縮率の異なる化合物の混合物を使用することを特徴とする塩素化有機化合物分解用触媒の製造方法に存する。
【0013】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の塩素化有機化合物分解用触媒(以下、単に「触媒」と略記する)について説明する。本発明の触媒は、担体に活性成分を担持して成るハニカム構造の触媒である。
【0014】
上記の担体および活性成分としては、塩素化有機化合物分解用触媒に使用されている従来公知のものを制限なく使用することが出来る。担体の例としては、TiO、SiO、Al、WO等の単一酸化物、これらの2元系複合酸化物(例えばTiO−SiO)又は3元系複合酸化物(例えばTiO−SiO−WO)又はこれらの複合酸化物と単一酸化物との混合物が挙げれる。活性成分の例としては、V、Cr、Mo、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Au、Pd、Y、Ce、Nd、W、In及びIrの群から選ばれる少なくとも1種の金属および/またはその酸化物が挙げられる。これらの中では、バナジウム(V)酸化物が安価であり且つ有機ハロゲン化合物の分解率が高いために好適に使用される。活性成分の担体に対する割合は、通常1〜10重量%の範囲である。
【0015】
ハニカム構造は平行に貫通した多数の小孔(セル)を有する構造である。斯かる構造の触媒は反応管内にぴったりと収めて使用される。そして、上記のセルの形としては、六角形、四角形、三角形、円形などがある。通常、セルの大きさ(径)は目開き、セルとセルとの間は壁、1つのセルに注目した場合に対向する左右または上下の壁の各中心間の距離はピッチと呼ばれる。
【0016】
本発明の触媒は、上記の様なハニカム構造を備え、セル内の表面にクラックを形成して成ることを特徴とする。斯かる本発明の触媒によれば、幾何学的表面が増加したことにより排ガス中の流れの乱流成分が増加し、排ガス中の塩素化有機化合物の触媒への拡散効率が向上し、その結果、低温においても塩素化有機化合物を高分解できる。
【0017】
ラックの幅は1〜100μmであり、その長さと幅の比は8/1〜30/1である。そして、クラックの本数は、1000μm当たり、通常3本以上、好ましくは4〜10本である。斯かるクラックの本数は走査型電子顕微鏡写真(倍率は通常1000倍以上)で確認することが出来る。また、クラックの深さは、特に制限されず、貫通構造である必要はないが、通常100nm以上とされる。
【0018】
また、上記のクラックに起因する100nm以上の細孔径の細孔容積は、通常0.02ml/g以上、好ましくは0.03〜0.2である。斯かる細孔容積はポロシメーターを使用する水銀圧入法で次の条件下で測定することが出来る。
【0019】
【表1】
機種:Quantachrome Corp.製「Pore Master-33PGT」
Hg接触角 :130.0°
Hg表面張力:473.0erg/cm
Hg圧入力 :32〜32,200psi
【0020】
次に、本発明に係る触媒の製造法について説明する。本発明の製造法は、少なくとも、担体に活性成分を担持する工程とその後の焼成工程とを含み、そして、上記の担体として収縮率の異なる化合物の混合物を使用することを特徴とする。
【0021】
すなわち、本発明においては、担体として収縮率の異なる化合物の混合物を使用する点を除き、担体に活性成分を担持して成るハニカム構造の塩素化有機化合物分解用触媒として知られている従来公知の方法を採用することが出来る。担体に活性成分を担持する工程としては、具体的には、(a)担体成分と活性成分またはその原料を成形助材と共に混練した後に、押出成形法など によりハニカム構造の形状に賦形する方法、(b)ハニカム構造の基材上に担体成分および活性成分を含浸・担持する方法を挙げることが出来る。
【0022】
本発明において、収縮率の異なる化合物の混合物としては、前述の各種の担体用化合物(酸化物)から適宜選択することが出来る。本発明においては、収縮率の異なる各種のチタニア化合物を使用する方法が推奨される。
【0023】
収縮率の異なるチタニア化合物は、例えば、次の様に、熱履歴の度合いが異なるチタニア化合物として容易に調製することが出来る。
【0024】
<成分(A)>
メタチタン酸(TiO(OH))スラリーを脱水し、乾燥、焼成して酸化チタン(TiO)を得る。斯かるTiOは、熱履歴を受けているため、触媒調製工程における収縮率は小さい。塩基性水溶液としては、アンモニア水、カセイソーダ水溶液、尿素水溶液、上記のアミン水溶液など周知の塩基性水溶液が使用可能であるが、特にアンモニア水が好適である。通常、塩基性水溶液の添加は、pH7.5〜10.5の範囲となる様に行われ、その際の温度は80℃以上とされる。また、焼成温度は、通常300〜800℃である。
【0025】
<成分(B)>
可溶性チタン化合物に塩基性水溶液を添加してオルトチタン酸(Ti(OH))に変換した後に脱水してオルトチタン酸のケーキを得る。斯かるケーキは、熱履歴を受けていないため、触媒調製工程における収縮率は大きい。可溶性チタン化合物としては、塩化チタン、硫酸チタン等の無機チタン化合物が例示される。通常、塩基性水溶液の添加はpH7.5〜10.5の範囲となる様に行われ、その際の温度は60℃以下とされる。
【0026】
本発明において、上記の様な熱履歴の度合いが異なるチタニア化合物を適当な割合で混合して使用する。この場合、混合割合は、目的とするクラックの程度に応じて適宜選択される。しかしながら、収縮率は大きいチタニア化合物を多量に配合した場合は、クラックの数も増加し、その結果、触媒の強度が低下する。通常、後述の実施例に示す触媒強度試験法による測定値として147N/cm以上の強度が維持される様に上記の混合割合は決定される。前記の成分(A)及び(B)を使用した場合、両成分に対する成分(B)の割合は、TiO換算で10〜45重量%の範囲から選択するのがよい。
【0027】
成分(B)の割合が10重量%未満の場合は、十分なクラックの発生がないため、本発明が目的とする有機ハロゲン化合物分解性能の向上が十分に期待できない。また、成分(B)の割合が45重量%を超える場合は、クラックの本数が多すぎて幾何学的に触媒の強度が低くなる。
【0028】
活性成分としてバナジウム(V)酸化物を使用する場合、担体に担持するバナジウム(V)酸化物の原料としては、五酸化バナジウム(V)又はメタバナジン酸アンモニウム(NHVO)が好適に使用される。これらの原料は、通常、シュウ酸水溶液またはモノエタノールアミン水溶液に溶解して原料液として使用される。
【0029】
本発明においては、担体に活性成分を担持する工程の後、乾燥および焼成を行なう。乾燥温度は通常50〜150℃、焼成温度は通常300〜800℃であり、また、乾燥および焼成時間は、それぞれ、通常3〜50時間である。
【0030】
混練・成形方法の様に添加した原料が全て活性成分となる場合は、それぞれの金属塩など の原料成分が対応する金属酸化物に変化したものとして、触媒組成は添加量から推算する。また、含浸方法で製造された場合は、触媒をフッ化水素酸で処理した後、硫酸アンモニウムで融解してプラズマ発光分析法(ICP−AES分析法)により触媒組成を測定する。
【0031】
次に、本発明の触媒の使用方法(塩素化有機化合物の分解方法)について説明する。本発明においては前記の触媒と塩素化有機化合物含有ガスを接触させる。塩素化有機化合物含有ガスとしては、例えば、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾダイオキシン及び2,3,4,7,8−ぺンタクロロジベンゾフランで代表されるダイオキシン類や3,3’,4,4’,5−ペンタクロロビフェニルで代表されるコプラナーPCB類が約0.01〜200ng/m(N.T.P)(毒性等価換算値)含有され、更に、ダイオキシン類の前駆体物質である、モノクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のクロロベンゼン類、O−クロロフェノール、トリクロロフェノール等のクロロフェノール類、クロロベンゾフラン等が含有されたガス、具体的には、都市ごみや産業廃棄物などを燃焼した際の排ガス等が挙げられる。斯かる塩素化有機化合物含有ガスは、水分と共に酸素を含有し、その含有量は、通常0.5〜25容量%、好ましく1〜21容量%である。
【0032】
上記の様な塩素化有機化合物含有ガスは、通常、バグフィルターに通じて粉塵や重金属などを除去した後に接触工程に導入される。また、必要に応じ、バグフィルターでの前段でガス中に消石灰粉末を添加して酸性ガスを除去してもよい。
【0033】
塩素化有機化合物含有ガスと触媒との接触温度は、通常100〜250℃、好ましくは100〜200℃である。接触温度が250℃を超える場合は、塩素化有機化合物の分解率も増加するが、分解されたダイオキシン類が再合成する問題と共に触媒層加熱用スチームの節約の観点からも不利である。接触温度が100℃未満の場合は、運転上支障を来す結露が惹起される。触媒層の圧力は、ゲージ圧として、通常−0.05〜0.9MPa、好ましくは−0.01〜0.5MPaである。また、空間速度(SV)は、通常100〜50000Hr−1、好ましくは1000〜20000Hr−1である。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0035】
<担体原料(A)の調製>
メタチタン酸スラリー(TiO濃度30重量%、石原産業(株)製)333.4Kgに、温度80℃を維持しながら3規定アンモニア水122.0Kgを15分間にて添加・中和し、更に、PH9.5〜10を維持し温度95℃で1時間加温熟成し、その後、冷却してスラリ−を取り出し、濾過脱水した。得られたケ−キを100℃で20時間乾燥した。これを550℃で焼成して原料(A)を得た。
【0036】
<担体原料( B)の調製>
硫酸チタニル結晶(TiO濃度32重量%、テイカ(株)製)78.1Kgを水312.4 Kgに溶解希釈して硫酸チタニル水溶液を得た。これに、温度60℃以下を維持しながら3規定アンモニア水168.6Kgを15分間にて添加・中和してTi(OH)スラリーを生成させ、更にPH9.5〜10を維持しながら温度60℃で1時間熟成し、その後、冷却してスラリ−を取り出し、濾過脱水し、原料(B)(TiO濃度30重量%)を得た。
【0037】
<収縮率測定>
TiOとして300g相当量の原料(A)及び(B)をそれぞれニーダーに取り出し、これに水を添加しTiO濃度が30wt%になる様に調節した後、TiO濃度が60wt%になるまで加熱捏和した。得られた捏和物をピストン成形機にて直径8mmの丸穴ダイスにて押し出し、長さ15mmの円柱状に成形した。これを110℃で20時間乾燥し、更に600℃で焼成した。その際の円柱状成形体の直径から(A)及び(B)の収縮率を算出した。表2に結果を示す。
【0038】
【表2】
Figure 0004182697
【0039】
実施例1
原料(A)21.3Kgと原料(B)8.3Kgに、モノエタノールアミン0.8kgに溶解したメタバナジン酸アンモニウム1.6kgを加え、次いで、3規定アンモニア水3.0kgとHOを加えて水分濃度30重量%に調節し、ニ−ダ−にて混練捏和後、ハニカム状に押し出し成型した。 その後、成型物を110℃で乾燥した後、マッフル炉にて500℃で焼成し触媒(a)を得た。
【0040】
実施例2
原料(A)16.3Kgと原料(B)25.0Kgに、モノエタノールアミン0.8kgに溶解したメタバナジン酸アンモニウム1.6kgを加え、次いで、3規定アンモニア水3.0kgとHOを加えて水分濃度30重量%に調節し、ニ−ダ−にて混練捏和後、ハニカム状に押し出し成型した。 その後、成型物を110℃で乾燥した後、マッフル炉にて500℃で焼成し触媒(b)を得た。この触媒の断面の電子顕微鏡写真(倍率2600倍)を図1として示す。なお、図1中の「30μm」は、その表記の下に描いた直線の全体長さを表す。
【0041】
比較例1
原料(A)23.8Kgにモノエタノールアミン0.8kgに溶解したメタバナジン酸アンモニウム1.6kgを加え、次いで、3規定アンモニア水3.0kgとHOを加えて水分濃度30重量%に調節し、ニ−ダ−にて混練捏和後、ハニカム状に押し出し成型した。 その後、成型物を110℃で乾燥した後、マッフル炉にて500℃で焼成し触媒(d)を得た。この触媒の断面の電子顕微鏡写真(倍率2600倍)を図2として示す。なお、図2中の「30μm」は、その表記の下に描いた直線の全体長さを表す。
【0042】
上記の諸例で得た触媒(a)〜(c)について、1000μm当たりのクラックの本数を走査型電子顕微鏡で観察・測定した結果を表3に示す。また、細孔径100nm以上が占める細孔容積も併せて示す。
【0043】
【表3】
Figure 0004182697
【0044】
<モノクロロベンゼン(MCB)分解能試験>
上記の諸例で得た触媒(a)〜(c)について、模擬ガスとしてMCBを使用し、その分解能試験を行なった。条件は次の通りである。表4に結果を示す。
【0045】
ガラス製反応器に上記の各触媒180mlを充填し、常圧固定床流通反応装置で活性試験を行った。触媒固定床の寸法は、縦30mm、横30mm、高さ200mmであった。原料ガス組成は、MCB:100ppm、O:10vol%、HO:10vol%、N:バランス量であった。原料ガスのSVは3000Hr−1であった。180℃の温度で5時間保持した後、反応装置通過ガスをマイクロシリンジでサンプリングし、ガスクロマトグラフィ−で分析した。分析は絶対検量線法で行った。
【0046】
<触媒強度試験>
上記の諸例で得た触媒(a)〜(c)について、その強度試験を行なった。条件は次の通りである。表4に結果を示す。
【0047】
圧縮試験装置を使用し、9×9目(70mm□)×70mmに切り出したハニカム成形体に対し、貫通孔軸方向に25kg/secの一定速度で圧力負荷を掛け、試料が完全に破壊されるまでの最大荷重を読み取り、これを負荷面積で割り圧縮強度値をN/cmとして表した。
【0048】
【表4】
Figure 0004182697
【0049】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、低温度でダイオキシン等の塩素化有機化合物を高効率で分解することが出来る触媒およびその製造方法が提供され、本発明の工業的価値は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で調製した触媒(b)の断面の電子顕微鏡写真
【図2】比較例1で調製した触媒(c)の断面の電子顕微鏡写真

Claims (4)

  1. ハニカム構造の塩素化有機化合物分解用触媒であって、ハニカム構造のセル内の表面にクラックを形成して成り、クラックの幅が1〜100μmであり、その長さと幅の比が8/1〜30/1であることを特徴とする塩素化有機化合物分解用触媒。
  2. クラックに起因する100nm以上の細孔径の細孔容積が0.02ml/g以上である請求項1に記載の塩素化有機化合物分解用触媒。
  3. 請求項1又は2に記載の触媒の製造方法であって、少なくとも、担体に活性成分を担持する工程とその後の焼成工程とを含み、そして、上記の担体として収縮率の異なる化合物の混合物を使用することを特徴とする塩素化有機化合物分解用触媒の製造方法。
  4. 担体として熱履歴の度合いが異なるチタン化合物を使用する請求項に記載の製造方法。
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