JP2002066336A - 有機ハロゲン化合物分解触媒、その製造方法、および用途 - Google Patents

有機ハロゲン化合物分解触媒、その製造方法、および用途

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昇 杉島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機ハロゲン化合物の除去性能に一層優れ、
排ガス中の有機ハロゲン化合物を除去するのに好適な触
媒、その製造方法および有機ハロゲン化合物の除去方法
を提供する。 【解決手段】 本発明に係る有機ハロゲン化合物分解触
媒は、チタン酸化物とバナジウム酸化物、更に必要によ
りモリブデン酸化物を含有する有機ハロゲン化合物の分
解触媒であって、窒素ガス吸着法で測定した細孔径分布
が、30〜150Åの範囲内にピークを有し、かつ、3
0〜150Åの範囲内の細孔容積が0.1cc/g以上
であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイオキシン類な
どの有機ハロゲン化合物の分解触媒、その製造方法、お
よび用途に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や都市廃棄物を処理する焼却
施設から発生する排ガス中には、ダイオキシン類、PC
B、クロロフェノールなどの極微量の毒性有機ハロゲン
化合物が含まれており、特にダイオキシン類は微量であ
ってもきわめて有毒であり、人体に重大な影響を及ぼす
ため、その除去技術が早急に求められている。一般に有
機ハロゲン化合物は化学的にきわめて安定であり、特に
ダイオキシン類においては自然界では半永久的に残存す
ると言われているほど分解しにくい物質であるのに加
え、排ガス中でのその含有量が非常に低いため、これを
効率良く除去することは従来の排ガス処理触媒では困難
であった。
【0003】このような事情に鑑み、本出願人は、チタ
ンの酸化物を含有する触媒が基本的に有効であることを
確認した上で、細孔分布、細孔容積、比表面積などの物
理特性に改良を加えることにより、排ガス中の希薄成分
の拡散を向上させ、分解効率を促進することを見出し、
この知見に基づいて、特願平9−358146号(特開
平10−235191号公報)、特願2000−995
93号を既に出願している。これらの触媒は優れた有機
ハロゲン化合物分解活性を有しているが、さらに高い活
性を有する有機ハロゲン化合物除去用触媒が出現するこ
とは好ましいことである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、有機ハロゲン化合物の除去性能に一層優れ、排ガス
中の有機ハロゲン化合物を除去するのに好適な触媒、そ
の製造方法および有機ハロゲン化合物の除去方法を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するべく鋭意検討を行った。そして、チタンの酸化
物を含有する触媒の物理特性をより詳細に調査した結
果、チタン酸化物に加えてバナジウム酸化物をも含有
し、さらに、窒素吸着法により測定される細孔径分布が
特定範囲内にピークを有し、かつ、細孔径分布が当該特
定範囲内の場合における細孔容積が一定以上である触媒
が、有機ハロゲン化合物の除去に有効であることを見出
し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る有機
ハロゲン化合物分解触媒は、チタン酸化物とバナジウム
酸化物、更に必要によりモリブデン酸化物を含有する有
機ハロゲン化合物の分解触媒であって、窒素ガス吸着法
で測定した細孔径分布が、30〜150Åの範囲内にピ
ークを有し、かつ、30〜150Åの範囲内の細孔容積
が0.1cc/g以上であることを特徴とする。
【0006】また、本発明に係る有機ハロゲン化合物分
解触媒の製造方法は、チタン酸化物にバナジウム化合物
を添加した後、400℃に到達するまでの昇温速度が1
℃/min以下で、且つ、最終焼成温度が400〜55
0℃となるように焼成することを特徴とする。また、本
発明に係る有機ハロゲン化合物の除去方法は、有機ハロ
ゲン化合物を含有する排ガスを、本発明の有機ハロゲン
化合物分解触媒に接触させて処理することを特徴とす
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る有機ハロゲン化合物
分解触媒は、チタン酸化物とバナジウム酸化物を必須成
分として含有し、好ましくはモリブデン酸化物をも含有
する。さらに、本発明に係る有機ハロゲン化合物分解触
媒は、前記酸化物の少なくとも一部が複合酸化物の形態
を有していてもよい。すなわち、単純酸化物(Ti
2 、V2 5 、MoO3 など)に加えて、複合酸化物
を含有していてもよい。特に、チタンとシリカおよび/
またはモリブデンの複合酸化物である、チタニア−シリ
カ複合酸化物、チタニア−モリブデン複合酸化物、チタ
ニア−シリカ−モリブデン複合酸化物などの複合酸化物
は、チタン酸化物の高比表面積化、高細孔容積化に効果
があるため好ましい。
【0008】本発明に係る有機ハロゲン化合物分解触媒
の調製方法としては、例えば、チタン酸化物の粉末に、
活性成分であるバナジウム(通常は、供給源としてバナ
ジウムの塩類などのバナジウム化合物)を、溶液もしく
は粉体の状態で添加後、成形、焼成する方法やチタン酸
化物の成形体に活性成分を含浸担持する方法が挙げられ
る。この時、従来通常の方法を用い、チタン酸化物と活
性成分を混在して焼成すると、酸化チタンの結晶化が促
進され、比表面積や細孔容積が低下するが、細孔径が2
00Å以下のものが顕著に減少してしまうという問題が
あった。そこで、本発明者は、細孔径が200Å以下の
ごく小さい細孔を保持する調製条件を検討した結果、チ
タン酸化物に活性成分源としてのバナジウム化合物を添
加した後、400℃に到達するまでの昇温速度を1℃/
min以内とし、且つ、最終焼成温度が400〜550
℃となるように、徐々に熱を加えることにより、酸化チ
タンの結晶化を抑制し、細孔径が200Å以下のごく小
さい細孔の減少を防止することができることを見い出し
た。
【0009】チタン酸化物としては、酸化チタン(Ti
2 )の他、予めチタンにシリカおよび/またはモリブ
デンを添加して調製したチタニア−シリカ複合酸化物、
チタニア−モリブデン複合酸化物、チタニア−シリカ−
モリブデン複合酸化物を用いることができる。これらの
チタン酸化物は、シリカおよび/またはモリブデンを添
加することにより、より高比表面積化、高細孔容積化し
た複合酸化物であって、より好適に用いられる。上記複
合酸化物の供給原料は、チタン源としては、可溶性の無
機および有機のいずれの化合物も使用することができ、
例えば、四塩化チタン、硫酸チタン、蓚酸チタン、テト
ライソプロピルチタネートなどを用いることができる。
また、シリカ源としては、コロイド状シリカ、水ガラ
ス、微粒子ケイ素、テトラエチルシリケートなどから適
宜選択して使用できる。さらに、モリブデン源として
は、パラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸など
が使用できる。
【0010】これら複合酸化物は、例えば、次のように
調製することができる。チタニア−シリカ複合酸化物の
場合は、シリカゾルとアンモニア水を混合し均一溶液と
し、硫酸チタンの硫酸水溶液を添加して沈澱を生じさ
せ、得られた沈澱物を洗浄・乾燥し、次いで400〜7
00℃で焼成する。チタニア−モリブデン複合酸化物の
場合は、パラモリブデン酸アンモニウムとアンモニア水
を均一溶液として調製する。チタニア−シリカ−モリブ
デン複合酸化物の場合は、シリカゾルとパラモリブデン
酸アンモニウムとアンモニア水を均一溶液として調製す
ることができる。
【0011】本発明の触媒の組成は、特に限定されない
が、チタン酸化物が50〜99.9重量%、バナジウム
酸化物が0.1〜25重量%、モリブデン酸化物が0〜
25重量%である。より好ましくは、チタン酸化物が7
0〜98.5重量%、バナジウム酸化物が0.5〜15
重量%、モリブデン酸化物が1〜15重量%である。チ
タン酸化物の含有量が50重量%未満であると、目的の
細孔径分布、および、細孔容積が得られないために好ま
しくなく、99.9重量%より大きいと、活性が低下す
るために好ましくない。バナジウム酸化物の含有量が、
0.1重量%より少ない場合は、触媒活性が低下し、2
5重量%を超える場合は、コストが高くなり、増加量に
対して活性の向上が得られないため好ましくない。
【0012】バナジウム酸化物やモリブデン酸化物の供
給原料としては、各々の酸化物自体のほかに、焼成によ
ってこれらの酸化物を生成するものであれば無機および
有機のいずれの化合物(これらをバナジウム化合物ある
いはモリブデン化合物と称することがある)も用いるこ
とができる。例えば、各々の金属を含む水酸化物、アン
モニウム塩、蓚酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩などを用い
ることができる。本発明に係る有機ハロゲン化合物分解
触媒は、さらに、窒素ガス吸着法で測定した細孔径分布
が、30〜150Åの範囲内にピークを有し、かつ、3
0〜150Åの範囲内の細孔容積が0.1cc/g以上
であることを特徴とする。
【0013】窒素吸着法により測定される細孔径分布が
上記範囲内にピークを有し、かつ、細孔径分布が当該特
定範囲内の場合における細孔容積が上記数値以上である
ことにより、本発明の効果、すなわち、有機ハロゲン化
合物の除去性能に一層優れ、排ガス中の有機ハロゲン化
合物を除去するのに好適な触媒を提供することができ
る。上記窒素吸着法により測定される細孔径分布が30
〜150Åの範囲内にピークを有さない場合には、活性
が低下するために好ましくなく、また、上記細孔径分布
が30〜150Åの範囲内の細孔容積が0.1cc/g
未満の場合にも、活性が低下するために好ましくない。
【0014】本発明の触媒は、任意の方法で調製するこ
とができる。以下にその一例を示すが、本発明の触媒の
調製方法はこれらに限定されない。本発明の触媒の調製
方法としては、たとえば、チタン酸化物の粉体に、バナ
ジウム化合物、例えば、バナジウムの塩類またはその溶
液を添加して調製することができる。また、チタン酸化
物の成形体に、バナジウムの塩類またはその溶液を含浸
担持してもよい。また、本発明の触媒にモリブデン酸化
物をも含有させる場合には、別の調製方法として、例え
ば、チタン酸化物とバナジウムの塩類の混合物に、モリ
ブデン源を添加する方法や、チタンの酸化物とモリブデ
ンの塩類の混合物にバナジウム源を添加する方法を挙げ
ることができる。
【0015】本発明の触媒の形状としては特に制限はな
く、板状、波板状、網状、ハニカム状、円柱状、円筒
状、球状などのうちから選んだ所望の形状で用いてもよ
く、また、アルミナ、シリカ、コーディライト、チタニ
ア、ステンレス金属などよりなる板状、波板状、網状、
ハニカム状、円柱状、円筒状、球状などのうちから選ん
だ所望の形状の担体に担持して使用してもよい。この
内、ハニカム形状のものがより好適に用いられる。チタ
ン酸化物に、バナジウム化合物を添加したあとの焼成方
法としては、空気雰囲気下で、最終到達温度を400〜
550℃で1〜10時間、好ましくは2〜6時間であ
る。この範囲より短い場合は、活性成分の酸化が不十分
となり活性が低下し、この範囲より長い場合は、熱によ
りチタンの結晶化が進行するため、目的の細孔が減少す
るため好ましくない。また、焼成工程における昇温速度
については、400℃に到達するまでの昇温速度を1℃
/min以下とし、好ましくは、0.05〜0.6℃/
minである。昇温速度が1℃/minより大きい場合
は、急激な温度変化によって、チタンの結晶化が進行し
易くなり、目的の細孔容積が得られない。また、昇温速
度が0.05℃/minより小さい場合は、製造工程と
して非効率となり、好ましくない。
【0016】本発明の触媒は、有機ハロゲン化合物除去
用に用いられ、例えば、産業廃棄物や都市廃棄物を処理
する焼却施設から発生する、有機ハロゲン化合物を含有
する排ガスの処理に好適に用いられる。中でも、有機ハ
ロゲン化合物として、ポリハロゲン化ジベンゾダイオキ
シン、ポリハロゲン化ジベンゾフラン、ポリハロゲン化
ビフェニルのうち少なくとも1種(いわゆるダイオキシ
ン類)を含む排ガスの処理に好適に有用である。本発明
の触媒を用いて有機ハロゲン化合物の除去を行うには、
本発明の触媒を排ガスと接触させ、排ガス中の有機ハロ
ゲン化合物を分解除去する。この際の条件については特
に制限はなく、この種の反応に一般的に用いられている
条件で実施することができる。具体的には、排ガスの種
類、性状、要求される有機ハロゲン化合物の分解率など
を考慮して適宜決定すればよい。
【0017】排ガスの空間速度は、通常、100〜10
0000hr-1(STP)であり、好ましくは200〜
50000hr-1(STP)である。100hr-1未満
では、処理装置が大きくなりすぎ非効率となり、一方、
100000hr-1を超えると、分解率が低下する。ま
た、その際の温度は、130〜450℃であることが好
ましい。排ガス温度が130℃より低いと分解率が低下
し、450℃を超えると活性成分のシンタリングなどの
問題が起こる。なお、本発明の有機ハロゲン化合物除去
用触媒を用いて、排ガス中にアンモニアなどの還元剤を
添加することにより、有機ハロゲン化合物と窒素酸化物
を同時に除去することもできる。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定される
ものではない。なお、細孔径分布および細孔容積の測定
方法は、一般には、水銀圧入法やガス吸着法が用いられ
るが、本発明において重要な細孔径300Å以下の細孔
径分布の測定に適しているKelvin式によるガス吸
着法によって測定を行った。また、使用するガスは、一
般的な窒素ガスを用いた。 (実施例1)市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品
名)、ミレニアム社製)17.6kgに、メタバナジン
酸アンモニウム1.8kg、蓚酸2.16kgを水5リ
ットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニ
ウム1.23kgおよびモノエタノールアミン0.48
kgを水3リットルに溶解させた溶液とを加え、さらに
成形助剤としてのデンプン0.45kgとを加えて混合
し、ニーダーで混錬りした後、押出成形機で外形80m
m角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、長さ500
mmのハニカム状に成形した。次いで、100℃で乾燥
した後、室温から400℃までの昇温速度を0.3℃/
minに設定し、400℃から450℃までの昇温時間
を1時間とし、最終焼成温度を450℃として5時間空
気雰囲気下、焼成して触媒(1)を得た。この触媒
(1)の組成は、V2 5 :MoO3:TiO2 =7:
5:88(酸化物換算重量%)であった。
【0019】この触媒(1)をCOULTER社製OM
NISORP−360を用いて、窒素吸着法により細孔
径分布および細孔容積を測定した。その結果、細孔径8
0Åにピークを有する細孔径分布が確認され、細孔径3
0〜150Åの範囲の細孔容積は、0.18cc/gで
あった。 (実施例2)まず、チタニア−シリカ複合酸化物を次の
ように調製した。25重量%アンモニア水83リットル
とスノーテックス−20(日産化学(株)製シリカゾ
ル、約20重量%のSiO2 含有)20kgと水50リ
ットルを混合後、攪拌し、均一溶液とした後、硫酸チタ
ニルの硫酸溶液(TiO2 として125g/リットル、
硫酸濃度550g/リットル)100リットルを攪拌し
なが徐々に滴下した。得られたゲルを12時間放置した
後、ろ過、水洗し、続いて120℃で1時間乾燥した。
これを空気雰囲気下、550℃で2時間焼成し、更にハ
ンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級して平均粒子
径10μm の粉体を得た。得られた粉体の組成はTiO
2 :SiO2 =7:3(モル比)であった。
【0020】上記チタニア−シリカ粉体17.6kg
に、メタバナジン酸アンモニウム1.8kg、蓚酸2.
16kgを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリ
ブデン酸アンモニウム1.23kgおよびモノエタノー
ルアミン0.48kgを水3リットルに溶解させた溶液
とを加え、さらに成形助剤としてのデンプン0.45k
gとを加えて混合し、ニーダーで混錬りした後、押出成
形機で外形80mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0
mm、長さ500mmのハニカム状に成形した。次い
で、100℃で乾燥した後、室温から400℃までの昇
温速度を0.3℃/minに設定し、400℃から45
0℃までの昇温時間を1時間とし、最終焼成温度を45
0℃で5時間空気雰囲気下、焼成して触媒(2)を得
た。この触媒の組成は、V2 5 :MoO3 :Ti
2 :SiO2 =7:5:66:22(酸化物換算重量
%)であった。
【0021】この触媒(2)を実施例1と同様の方法
で、窒素吸着法により細孔径分布および細孔容積を測定
した。その結果、細孔径92Åにピークを有する細孔径
分布が確認され、細孔径30〜150Åの範囲の細孔容
積は、0.24cc/gであった。 (実施例3)まず、チタン−シリカ−モリブデン複合酸
化物を次のように調製した。25重量%アンモニア水8
3リットルとスノーテックス−20(日産化学(株)製
シリカゾル、約20重量%のSiO2 含有)7.8kg
と水50リットルの混合溶液に、パラモリブデン酸アン
モニウム粉末1.9kgを加え、よく攪拌し、パラモリ
ブデン酸アンモニウムを完全に溶解させ、均一溶液を調
製した。この溶液に硫酸チタニル硫酸溶液(TiO2
して125g/リットル、硫酸濃度550g/リット
ル)100リットルを、攪拌しながら徐々に滴下し、沈
殿を生成させた。この共沈スラリーを約20時間静置し
たのち、水で十分洗浄した後、濾過し、100℃で1時
間乾燥させた。さらに、空気雰囲気下、550℃で2時
間焼成し、更にハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で
分級し平均粒子径10μmの粉体を得た。このようにし
て調製したチタン−シリカ−モリブデン複合酸化物の組
成は、TiO2 :SiO2 :MoO3 =80:10:1
0(酸化物重量比)であった。
【0022】上記チタニア−シリカ−モリブデン粉体1
7.6kgに、メタバナジン酸アンモニウム1.8k
g、蓚酸2.16kgを水5リットルに溶解させた溶液
と、パラモリブデン酸アンモニウム1.23kgおよび
モノエタノールアミン0.48kgを水3リットルに溶
解させた溶液とを加え、さらに成形助剤としてのデンプ
ン0.45kgとを加えて混合し、ニーダーで混錬りし
た後、押出成形機で外形80mm角、目開き4.0m
m、肉厚1.0mm、長さ500mmのハニカム状に成
形した。次いで、100℃で乾燥した後、室温から40
0℃までの昇温時間を20時間に設定し、400℃から
450℃までの昇温速度を0.3℃/minに設定し、
最終焼成温度を450℃で5時間空気雰囲気下、焼成し
て触媒(3)を得た。この触媒(3)の組成は、V2
5 :MoO3 :TiO2 :SiO2 =7:9:74:1
0(酸化物換算重量%)であった。
【0023】この触媒(3)を実施例1と同様の方法
で、窒素吸着法により細孔径分布および細孔容積を測定
した。その結果、細孔径85Åにピークを有する細孔径
分布が確認され、細孔径30〜150Åの範囲の細孔容
積は、0.21cc/gであった。 (比較例1)触媒の成形物を焼成する際、室温から40
0℃までの昇温速度を1.2℃/minに設定した以外
は、実施例1と同様の調製方法で比較触媒(1)を得
た。この比較触媒(1)について、窒素吸着法により細
孔を測定したところ、細孔径87Åにピークを有する細
孔径分布が確認され、細孔径30〜150Åの範囲の細
孔容積は、0.04cc/gであった。
【0024】(比較例2)触媒の成形物を焼成する際、
最終焼成温度を600℃とした以外は実施例1と同様の
調製方法で比較触媒(2)を得た。この比較触媒(2)
について、窒素吸着法により細孔を測定したところ、細
孔径30〜150Åの範囲にはブロードな細孔径分布を
示しただけであり、細孔径30〜150Åの範囲の細孔
容積は、0.03cc/gであった。 (実施例4)実施例1〜3で得られた触媒(1)〜
(3)、および、比較例1、2で得られた比較触媒
(1)、(2)を用い、下記の条件で有機ハロゲン化合
物としてクロロトルエン(CT)を用いて、分解活性の
測定を行なった。
【0025】CT:30ppm、O2 :10%、H
2 O:15%、N2 :バランス、 ガス温度:200℃、空間速度:4000hr-1 なお、分解率は下記の式にしたがって求めた。 CT分解率(%)={(反応器入口CT濃度)−(反応
器出口CT濃度)}÷(反応器入口CT濃度)×100 得られたCT分解率を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】(実施例5)実施例1〜3で得られた触媒
(1)〜(3)、および、比較例1、2で得られた比較
触媒(1)、(2)を用い、ダイオキシン類を約0.5
ng−TEQ/Nm3 を含むゴミ焼却炉排ガスに接触さ
せ、ダイオキシン類の除去性能を測定した。ガス温度は
190℃であり、空間速度(STP)は2000hr-1
であった。ダイオキシン類の除去率は下記の式にしたが
って求めた。 ダイオキシン類除去率(%)={(触媒層入口ダイオキ
シン類濃度)−(触媒層出口ダイオキシン類濃度)}÷
(反応器入口CT濃度)×100 得られたダイオキシン類除去率を表2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、有機ハロゲン化合物の
除去性能に一層優れ、排ガス中の有機ハロゲン化合物を
除去するのに好適な触媒、その製造方法および有機ハロ
ゲン化合物の除去方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/08 C07B 35/06 C07B 35/06 37/06 37/06 C07C 25/18 C07C 25/18 C07D 307/91 C07D 307/91 319/24 319/24 B01D 53/36 G (72)発明者 杉島 昇 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 橋本 政一 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA15 BB00 BC01 BD13 4C037 SA03 4D048 AA11 AB03 BA06X BA07X BA23X BA26X BA41X BA42X BB02 CC39 4G069 BA02B BA04A BA04B BB04A BB06A BB06B BC50A BC50B BC54A BC54B BC59A BC59B CA04 CA10 CA19 DA06 EA19 EB18Y EC06X EC07X EC08X EC14X EC14Y EC15X FA02 FB30 FC07 4H006 AA05 AC13 AC26 BA10 BA12 BA14 BA30 BA81 BA85

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン酸化物とバナジウム酸化物、更に必
    要によりモリブデン酸化物を含有する有機ハロゲン化合
    物の分解触媒であって、 窒素ガス吸着法で測定した細孔径分布が、30〜150
    Åの範囲内にピークを有し、かつ、30〜150Åの範
    囲内の細孔容積が0.1cc/g以上であることを特徴
    とする、 有機ハロゲン化合物分解触媒。
  2. 【請求項2】前記酸化物の少なくとも一部が複合酸化物
    の形態を有する、 請求項1に記載の有機ハロゲン化合物分解触媒。
  3. 【請求項3】チタン酸化物にバナジウム化合物を添加し
    た後、400℃に到達するまでの昇温速度が1℃/mi
    n以下で、且つ、最終焼成温度が400〜550℃とな
    るように焼成することを特徴とする、 請求項1または2に記載の有機ハロゲン化合物分解触媒
    の製造方法。
  4. 【請求項4】有機ハロゲン化合物を含有する排ガスを、
    請求項1または2に記載の有機ハロゲン化合物分解触媒
    に接触させて処理することを特徴とする、 有機ハロゲン化合物の除去方法。
  5. 【請求項5】前記有機ハロゲン化合物が、ポリハロゲン
    化ジベンゾダイオキシン、ポリハロゲン化ジベンゾフラ
    ン、およびポリハロゲン化ビフェニルの中から選ばれる
    少なくとも1種である、 請求項4に記載の有機ハロゲン化合物の除去方法。
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