JP2001286729A - 塩素化有機化合物の分解方法および燃焼排ガスの処理方法 - Google Patents

塩素化有機化合物の分解方法および燃焼排ガスの処理方法

Info

Publication number
JP2001286729A
JP2001286729A JP2000104906A JP2000104906A JP2001286729A JP 2001286729 A JP2001286729 A JP 2001286729A JP 2000104906 A JP2000104906 A JP 2000104906A JP 2000104906 A JP2000104906 A JP 2000104906A JP 2001286729 A JP2001286729 A JP 2001286729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
chlorinated organic
sio
organic compound
moo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000104906A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3860708B2 (ja
Inventor
Kenichi Kiyono
健一 清野
Masaaki Uchida
雅昭 内田
Kentaro Adachi
健太郎 足立
Kazuhiro Nishii
一博 西井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Engineering Corp
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd, Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Chemical Engineering Corp filed Critical Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Priority to JP2000104906A priority Critical patent/JP3860708B2/ja
Publication of JP2001286729A publication Critical patent/JP2001286729A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3860708B2 publication Critical patent/JP3860708B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】ダイオキシン類の再合成の問題や触媒層の加熱
源であるスチームの使用量の削減の観点から要求される
250℃以下(好ましくは200℃以下)の反応温度を
採用し得る、塩素化有機化合物の分解方法を提供する。 【解決手段】塩素化有機化合物含有ガスを触媒と接触さ
せる塩素化有機化合物の分解方法であって、SiO2
MoO3−TiO23元系複合酸化物担体に活性成分が担
持された触媒を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素化有機化合物
の分解方法および燃焼排ガスの処理方法に関するもので
あり、詳しくは、低温度でダイオキシン等の塩素化有機
化合物を高効率で分解することが出来る塩素化有機化合
物の分解方法および当該分解方法を特定条件下に利用す
る燃焼排ガスの処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミや産業廃棄物を処理する焼却炉
などから排出される燃焼排ガスは、各種の有害成分を含
有しているが、毒性の強いダイオキシンとその前駆体で
ある芳香族塩素化合物などの塩素化有機化合物および光
化学スモッグの原因物質である窒素酸化物の除去は、特
に重要である。
【0003】燃焼排ガス中の塩素化有機化合物の除去方
法としては、各種の方法が知られているが、特に接触分
解法は、500℃以下の条件で塩素化有機化合物を分解
する優れた方法である。ところで、塩素化有機化合物の
接触分解は、300℃以上の分解温度では一旦分解され
たダイオキシン等が再生成するため、250℃以下の温
度で行うことが要求されている。
【0004】更に近年、都市ゴミ焼却設備では、ゴミ焼
却時に発生した熱を回収する目的で得たスチームで発電
し、都市ゴミ焼却設備に電力供給すると共に余剰電力の
売電が行なわれている。ところで、塩素化有機化合物分
解用触媒層の反応温度の維持に上記のスチームが利用さ
れている場合、反応温度が高い程に多量のスチームが消
費される不利益がある。従って、斯かる観点からも可及
的に低い反応温度、具体的には200℃以下の反応温度
での運転が要求されている。
【0005】一方、塩素化有機化合物の接触分解は、酸
化反応と考えられ、反応温度が低下すると反応速度が必
然的に低下する。従って、より低い温度で接触分解を行
って所定の分解率を得ようとした場合は、触媒量の増加
や単位時間当たりの処理ガス量の低下が必要となる。し
かしながら、都市ゴミ焼却設備では、処理ガス量の低下
が困難なため、処理装置が巨大化するという問題があ
る。
【0006】一方、触媒の担体としては、一般的に、T
iO2、SiO2、Al23、ZrO 2等が使用できる
が、塩素化有機化合物分解用触媒の場合は、燃焼排ガス
中にSO2が含有されている場合が多いため、SO2に耐
性を有するTiO2が一般的に使用される。例えば、特
許第2633316号公報においてはTiO2担体に活
性成分V25とWO3を担持した触媒が使用され、特許
第2916259号公報においては、担体として、T
i、Si、Zrの2元または3元複合酸化物を使用する
ことにより活性成分の分散性を向上させて触媒性能の向
上を図っている。
【0007】そして、特許第2633316号公報にお
いては、270〜290℃の反応温度が採用されている
が、斯かる温度は十分に低温とは言い難く、また、特許
第2916259号公報においては、温度が200℃で
SVが2000hr-1の反応条件が採用されており、多
量の触媒を使用する必要がある。
【0008】上述の様に、従来の塩素化有機化合物分解
用触媒は、何れも、低温条件で且つコンパクトな処理装
置で使用するには十分に満足し得る性能ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、ダイオキシン類
の再合成の問題や触媒層の加熱源であるスチームの使用
量の削減の観点から要求される250℃以下(好ましく
は200℃以下)の反応温度を採用し得る、塩素化有機
化合物の分解方法を提供することにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、上記の塩素化
有機化合物の分解方法を特定条件下に利用した燃焼排ガ
スの処理方法であって、しかも、窒素酸化物の分解のた
めに排ガス中に導入されたアンモニアと排ガス中の二酸
化イオウとによって生成する酸性硫酸アンモニウムの触
媒表面への析出を防止し得る様に改良された燃焼排ガス
の処理方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々検討を
重ねた結果、次の様な種々の知見を得た。すなわち、S
iO2とMoO3が高分散しているSiO2−MoO3−T
iO23元系複合酸化物担体に活性成分が担持された触
媒は、塩素化有機化合物の分解性能が著しく高い。就
中、200℃以下の低い反応温度において高い分解性能
を示す。しかも、斯かる担体は、耐SO2性が高いた
め、酸性硫安生成条件下で使用しても性能劣化が小さ
い。更に、特定性能の2種類の触媒を特定条件下に使用
するならば、酸性硫酸アンモニウムの触媒表面への析出
を防止し得る。
【0012】本発明は、上記の知見に基づき完成された
ものであり、その第1の要旨は、塩素化有機化合物含有
ガスを触媒と接触させる塩素化有機化合物の分解方法で
あって、SiO2−MoO3−TiO23元系複合酸化物
担体に活性成分が担持された触媒を使用することを特徴
とする塩素化有機化合物の分解方法に存する。
【0013】そして、本発明の第2の要旨は、塩素化有
機化合物、二酸化イオウ及び窒素酸化物を含有する燃焼
排ガスの処理方法であって、次の(a)〜(d)の条件
を満足することを特徴とする燃焼排ガスの処理方法に存
する。
【0014】(a)触媒として、塩素化有機化合物分解
能とアンモニア存在下における窒素酸化物分解能とを有
し且つ以下に規定する二酸化イオウの酸化転化率が1.
3%以下の低酸化性能触媒(X)と、SiO2−MoO3
−TiO23元系複合酸化物担体に活性成分が担持さ
れ、しかも、塩素化有機化合物分解能を有し且つ以下に
規定する二酸化イオウの酸化転化率が3.0%以上の高
酸化性能触媒(Y)との2種類を使用する。
【0015】<二酸化イオウの酸化転化率>圧力:常
圧、温度:250℃、SV(空間速度):1850Hr
-1、触媒量:450mlの条件下、O210乾体積%,S
2500ppm,H2O:10体積%,N2バランス量の
組成のガスを触媒が充填された反応管に供給し、反応管
出口のSO3濃度とトータルSOXの濃度を求め、次式に
より二酸化イオウの酸化転化率(%)を算出する。
【0016】
【数2】 (出口SO3濃度/出口トータルSOX)×100
【0017】(b)燃焼排ガスと低酸化性能触媒および
高酸化性能触媒との各接触工程を任意の順序で且つ10
0〜250℃の温度範囲で行う。
【0018】(c)低酸化性能触媒との接触工程を先行
させる場合、低酸化性能触媒との接触工程に流入する燃
焼排ガス中にアンモニアを導入するが、その量は当該工
程から流出する燃焼排ガス中のアンモニア濃度が20p
pm以下となる量に調節する。
【0019】(d)高酸化性能触媒との接触工程を先行
させる場合、低酸化性能触媒との接触工程に流入する燃
焼排ガス中にアンモニアを導入する。
【0020】
【発明の実施の形態】先ず、本発明に係る塩素化有機化
合物の分解方法について説明する。この発明において
は、塩素化有機化合物分解用触媒として、SiO2−M
oO3−TiO23元系複合酸化物担体に活性成分が担持
された触媒を使用する。上記のSiO2およびMoO3
特に非晶質であることが好ましい。すなわち、このこと
は、X線回折チャートにおいて、SiO2、MoO3の結
晶を示すピークが存在しないことを意味する。
【0021】SiO2−MoO3−TiO23元系複合酸
化物のチタン源は、塩化チタン、硫酸チタニル、メタチ
タン酸などから選択することが出来る。ケイ素源として
は、コロイド状シリカ、水ガラス、四塩化ケイ素などの
無機系ケイ素化合物およびテトラエチルシリケート等の
有機系ケイ素化合物から選択することが出来る。そし
て、SiO2−MoO3−TiO23元系複合酸化物は、
上記の様なチタン源とケイ素源から得られ、例えば、T
iO2含量が20〜50重量%の含水チタン酸(TiO2
の水和物)とシリカゾル及び可溶性モリブデン化合物と
を所定割合で混合し、十分に熟成させ後に濾過し、得ら
れたケーキを乾燥して焼成することにより得ることが出
来る。
【0022】上記の非晶質のMoO3は、具体的には、
TiO2に高分散して存在していると考えられる。更
に、非晶質のSiO2も微粒子状態で高分散していると
考えられる。そして、次の様な利点をもたらす。
【0023】すなわち、特許第2916259号明細書
にも記載されている様に、SiO2−TiO22元複合酸
化物の耐SO2性が高いため、当該複合酸化物担体に活
性成分を担持した触媒は、TiO2担体に同一の活性成
分を担持した触媒に比し、SO2とNH3が含有された排
ガスを250℃以下の温度で処理する場合の酸性硫安に
よる性能低下は低減する。ところが、斯かる効果を大き
くするためにSiO2量を単純に増加させた場合は、酸
化活性の低下を招き、塩素化有機化合物の分解能の絶対
値が低下する。しかしながら、本発明者らの検討の結果
によれば、後述の様にMoO3が高分散しているTiO2
にSiO2を高分散させる場合は、SiO2の含有量によ
って触媒の酸化活性は低下せず、むしろ、固体酸量の増
加に伴って脱硝性能が向上する。
【0024】また、触媒の製造においては、担体に対し
て活性成分を高分散させるため、原料として水溶性の塩
を使用するが、最終的に安定した酸化物とするため、必
ず焼成処理する。更に、成形体とする場合は、その強度
向上のために焼成処理する。しかも、触媒の使用時(接
触反応時)は常時加熱処理する。この様に、触媒にとっ
ては加熱処理は避けられず、それにより、担体の結晶化
が進行する。そして、担体の結晶化が進行した場合は、
活性成分の凝縮が起こり、その分散状態が悪化し、触媒
性能の低下が惹起される。ところが、MoO3が高分散
したTiO2担体は、上記の様に、加熱による結晶化、
すなわち、触媒性能の低下が抑制される。換言すれば、
触媒性能が相対的に向上する。斯かる効果は、特に接触
反応の温度が低い場合に顕著である。
【0025】SiO2−MoO3−TiO23元系複合酸
化物担体中のSiO2の割合は、通常1〜20重量%、
好ましくは3〜15重量%である。SiO2の割合が上
記の範囲より少ない場合はSiO2の高分散による前記
の効果が得られず、上記の範囲より多い場合はSiO2
の高分散が困難となる。
【0026】SiO2−MoO3−TiO23元系複合酸
化物担体中のMoO3の割合は、通常1〜15重量%、
好ましくは3〜8重量%である。MoO3の割合が上記
の範囲より少ない場合はMoO3の高分散による前記の
効果が得られず、上記の範囲より多い場合はMoO3
高分散が困難となる。
【0027】TiO2にSiO2とMoO3がそれぞれ非
晶質で高分散しているか否かの確認は、以下に説明する
様にX線回折によって行なうことが出来る。
【0028】すなわち、X線回折スペクトルにおいて、
ピーク強度はSiO2の含有量によって変化するが、S
iO2の分散性が悪くSiO2結晶が存在する場合は2θ
=26.6°の位置にピークが出現する。逆に、SiO
2が多量に存在する場合でもTiO2に高分散した非晶質
のSiO2として存在する場合は、2θ=26.6°の
位置にピークは出現せず、試薬特級のアナターゼ型Ti
2と同じ位置にのみピークが出現する。また、MoO3
の場合も同様であり、アナターゼ型TiO2と同じ位置
にのみピークが出現する場合は、TiO2にMoO3が非
晶質の状態で高分散していると判断し得る。
【0029】本発明において、塩素化有機化合物分解触
媒の活性成分は、通常、V、Cr、Mo、Mn、Fe、
Ni、Cu、Ag、Au、Pd、Y、Ce、Nd、W、
In及びIrの群から選ばれる少なくとも1種の金属お
よび/またはその酸化物である。これらの中では、バナ
ジウム(V)酸化物が安価であり且つ塩素化有機化合物
の分解率が高いために好適に使用される。
【0030】上記のバナジウム酸化物の原料としては、
特に制限されないが、五酸化バナジウム(V25)又は
メタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)が好適に使
用される。これらの原料は、通常、シュウ酸水溶液また
はモノエタノールアミン水溶液に溶解して原料液として
使用される。塩素化有機化合物分解触媒中のバナジウム
酸化物の含有量は、活性成分として単独使用する他、触
媒の使用方法などによって異なるが、通常0.1〜30
重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。
【0031】上記の金属活性成分を使用する場合、活性
成分の水溶液と担体とをよく混合して成形した後に焼成
するか、成形した担体基材に活性成分の水溶液を含浸さ
せた後に焼成する方法により、触媒を調製する。そし
て、例えば銅を使用する場合は、硝酸銅を水に溶解して
活性成分の水溶液を調製する。
【0032】また、触媒の形状および大きさは、塩素化
有機化合物含有ガス中におけるダストの有無、処理ガス
量、反応器の大きさ等により、適宜選択される。触媒の
形状としては、ハニカム状、円柱状、球状、板状などが
挙げられる。
【0033】担体に活性成分が担持されたハニカム形状
の触媒を製造する方法として、(a)担体成分と活性成
分またはその原料を成形助材と共に混練した後に、押出
成形法など によりハニカム状の形状に賦形する方法、
(b)ハニカム形状の基材上に担体成分および活性成分
を含浸・担持する方法を挙げることが出来る。上述の製
造方法(a)の1例として、以下の方法が例示される。
【0034】(1)メタバナジン酸アンモニウムを約1
0重量%モノエタノールアミン水溶液に溶解する。 (2)硫酸チタン溶液を熱加水分解してメタチタン酸ス
ラリーを得る。 (3)メタチタン酸スラリーに15重量%アンモニア水
を加えてpH調整した後、リフラックス処理を1時間以
上行なう。 (4)パラモリブデン酸アンモニウムとシリカゾルを加
え、更に、リフラックス処理を1時間以上行なう。 (5)得られたスラリーを濾過し、得られたケーキを5
0〜150℃の温度で3〜50時間乾燥した後、400
〜650℃の温度で焼成し、冷却後に粉砕する。 (6)得られた粉末状の、SiO2−MoO3−TiO2
3元系複合酸化物担体と上述の(1)で調製した水溶液
とをニーダーで混練する。
【0035】(7)(i)更に成形助材を加えて混練し
た混練物を押出成形し、50〜150℃の温度で3〜5
0時間乾燥した後、SV100〜2000Hr-1の空気
気流中、450〜650℃の温度で焼成する、または
( ii )混練物を50〜150℃の温度で3〜50時間
乾燥し、450〜650℃の温度で焼成した後、成形助
材を加えて成形する。
【0036】また、上述の製造方法(b)の1例とし
て、次の方法が例示される。すなわち、円柱状、球状、
ハニカム状、板状など 、所望の形状の基材上に上記の
(2)〜(5)で調製した担体成分をコーティングし、
上記の(1)で調製した水溶液を塗布して活性成分を含
浸させ、50〜150℃で3〜50時間乾燥した後、4
50〜650℃の温度で焼成する。
【0037】基材上に形成された触媒の場合、基材とし
ては、TiO2にSiO2やAl23等を単独で又は併用
して使用する。SiO2−MoO3−TiO23元系複合
酸化物(担体成分)の量は、担体成分と活性成分との合
計量に対し、通常30重量%以上、好ましくは40〜9
9重量%である。また、担体成分と活性成分との合計量
は、基材、担体成分および活性成分の総量に対し、通常
5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%である。
【0038】混練・成形方法の様に添加した原料が全て
活性成分となる場合は、それぞれの金属塩など の原料
成分が対応する金属酸化物に変化したものとして、触媒
組成は添加量から推算する。また、含浸方法で製造され
た場合は、触媒をフッ化水素酸で処理した後、硫酸アン
モニウムで融解してプラズマ発光分析法(ICP−AE
S分析法)により触媒組成を測定する。
【0039】本発明に係る塩素化有機化合物の分解方法
は、塩素化有機化合物含有ガスを上記の触媒と接触させ
る。塩素化有機化合物含有ガスとしては、例えば、2,
3,7,8−テトラクロロジベンゾダイオキシン及び
2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフランで代
表されるダイオキシン類や3,3’,4,4’,5−ペ
ンタクロロビフェニルで代表されるコプラナーPCB類
が約0.1〜200ng/m3(N.T.P)(毒性等
価換算値)含有され、更に、ダイオキシン類の前駆体物
質である、モノクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等
のクロロベンゼン類、O−クロロフェノール、トリクロ
ロフェノール等のクロロフェノール類、クロロベンゾフ
ラン等が含有されたガス、具体的には、後述する燃焼排
ガスの処理方法における都市ごみや産業廃棄物などを燃
焼した際の排ガス等が挙げられる。斯かる塩素化有機化
合物含有ガスは、水分と共に酸素を含有し、その含有量
は、通常0.5〜25vol%、好ましく1〜21vo
l%である。
【0040】上記の様な塩素化有機化合物含有ガスは、
通常、バッグフィルターに通じて粉塵や重金属などを除
去した後に接触工程に導入される。また、必要に応じ、
バッグフィルターで処理する前に消石灰反応塔で処理し
て酸性ガスを除去してもよい。
【0041】塩素化有機化合物含有ガスと触媒との接触
温度は、通常100〜250℃、好ましくは100〜2
00℃である。接触温度が250℃を超える場合は、塩
素化有機化合物の分解率も増加するが、分解されたダイ
オキシン類が再合成する問題と共に触媒層加熱用スチー
ムの節約の観点からも不利である。接触温度が100℃
未満の場合は、運転上支障を来す結露が惹起される。触
媒層の圧力は、ゲージ圧として、通常−0.05〜0.
9MPa、好ましくは−0.01〜0.5MPaであ
る。また、空間速度(SV)は、通常100〜5000
0Hr-1、好ましくは1000〜20000Hr-1であ
る。
【0042】次に、本発明に係る燃焼排ガスの処理方法
について説明する。この発明においては、触媒として、
塩素化有機化合物分解能とアンモニア存在下における窒
素酸化物分解能とを有し且つ以下に規定する二酸化イオ
ウの酸化転化率が1.3%以下の低酸化性能触媒(X)
と、SiO2−MoO3−TiO23元系複合酸化物担体
に活性成分が担持され、しかも、塩素化有機化合物分解
能を有し且つ以下に規定する二酸化イオウの酸化転化率
が3.0%以上の高酸化性能触媒(Y)との2種類を使
用する。
【0043】<二酸化イオウの酸化転化率>圧力:常
圧、温度:250℃、SV(空間速度):1850Hr
-1、触媒量:450mlの条件下、O210乾体積%,S
2500ppm,H2O:10体積%,N2バランス量の
組成のガスを触媒が充填された反応管に供給し、反応管
出口のSO3濃度とトータルSOXの濃度を求め、次式に
より二酸化イオウの酸化転化率(%)を算出する。
【0044】
【数3】 (出口SO3濃度/出口トータルSOX)×100
【0045】上記の様に規定された低酸化性能触媒
(X)は、排ガス中にアンモニアと二酸化イオウ(実際
は硫黄酸化物SOXとH2O)が存在する場合において、
SO2やSO3が物理的に吸着することはあっても、酸性
硫酸アンモニウムを殆ど生成しない特徴を有する。とこ
ろで、通常、二酸化イオウの酸化転化率が低い触媒は、
塩素化有機化合物の分解性能が低い。従って、低酸化性
能触媒(X)のみを使用した場合は、大量の触媒が塩素
化有機化合物の高い除去率のために必要となり、効率が
悪くなる。
【0046】そこで、本発明においては、上記の様に規
定された高酸化性能触媒(Y)、すなわち、塩素化有機
化合物の分解性能が高い触媒を使用することにより、換
言すれば、本発明に係る塩素化有機化合物の分解方法を
特定条件下に利用する(本発明に係る塩素化有機化合物
分解用触媒を二酸化イオウの酸化転化率3.0%以上に
修飾して利用する)ことにより、トータルとして比較的
少量の触媒量で塩素化有機化合物の高い除去率を達成し
ている。そして、高酸化性能触媒(Y)の場合は、排ガ
ス中にアンモニアと二酸化イオウが存在すると、100
〜250℃の温度において、酸性硫酸アンモニウムが生
成して触媒表面に付着して性能低下を惹起する。従っ
て、高酸化性能触媒(Y)は、後述する通り、燃焼排ガ
ス中のアンモニア濃度が20ppm以下の条件で使用さ
れる。
【0047】低酸化性能触媒(X)の二酸化イオウの酸
化転化率は、酸性硫酸アンモニウムの生成を一層確実に
防止する観点から0.8%以下が好ましく、高酸化性能
触媒(Y)の二酸化イオウの酸化転化率は、塩素化有機
化合物の除去率を一層高める観点から、5%以上が好ま
しく、6%以上が更に好ましい。
【0048】上記の二酸化イオウの異なる酸化転化率
は、組成や種類の異なる触媒を使用すること等により達
成することが出来る。例えば、銅酸化物(CuO)含有
量が5.0%以下の場合は低酸化性能触媒(X)、8.
5%以上の場合は高酸化性能触媒(Y)が得られる。ま
た、V25含有量が2.5重量%以下の場合は低酸化性
能触媒(X)、3.5重量%以上の場合は高酸化性能触
媒(Y)が得られる。
【0049】先ず、低酸化性能触媒(X)について説明
する。この触媒は、通常、担体に活性成分を担持して形
成される。担体としては、特に制限されないが、SOX
含有燃焼排ガスを処理する観点から、耐酸性に優れるT
iO2が好適に使用される。TiO2は、TiO2−Si
2、TiO2−SiO2−ZrO2、TiO2−WO3−S
iO2等の複合酸化物であってもよい。
【0050】触媒の活性成分としては、前述の塩素化有
機化合物の分解方法におけるのと同様の成分、例えば、
V、Cr、Mn、Fe、Cu等の遷移金属の酸化物の
他、貴金属、ゼオライト等が挙げられる。これらの内、
バナジウム酸化物、銅酸化物、鉄酸化物および金が好ま
しい。更に、バナジウム酸化物を含有する触媒は、安価
であり、塩素化有機化合物の分解率が高く、しかも、ア
ンモニアの存在下に窒素酸化物が分解できるため、特に
好ましい。バナジウム酸化物の担持量は、上記と同様
に、通常は0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜2
0重量%である。
【0051】また、低酸化性能触媒(X)としては、上
記の二酸化イオウの酸化転化率の条件を満足する限り、
前記の塩素化有機化合物分解用触媒と同様の触媒を使用
することも出来る。触媒の形状および大きさ、触媒の調
製方法などは、前記の塩素化有機化合物分解用触媒の場
合と同様である。
【0052】次に、高酸化性能触媒(Y)について説明
する。この触媒は、既に述べた様に、前記の塩素化有機
化合物分解用触媒を二酸化イオウの酸化転化率3.0%
以上に修飾したものである。
【0053】次に、本発明の燃焼排ガスの処理方法につ
いて説明する。本発明においては、燃焼排ガスと低酸化
性能触媒および高酸化性能触媒との各接触工程を任意の
順序で且つ100〜250℃の温度範囲で行う。接触温
度250℃以下の条件は、前述の様に分解されたダイオ
キシン等の再生成を防止する観点から規定された条件で
あり、接触温度100℃以上の条件は、装置の運転に支
障を来す結露を確実に防止する観点から規定された条件
である。接触処理中の圧力は、ゲージ圧で通常−0.0
5〜0.9MPa、好ましくは−0.01〜0.5MP
aである。また、SVは、通常100〜50000Hr
-1、好ましくは1000〜20000Hr-1である。
【0054】本発明の処理方法が対象とする燃焼排ガス
としては、塩素化有機化合物、通常0.1ppm以上の
NOx、通常0.1ppm以上のSOxを含有する排ガ
ス、例えば都市ごみや産業廃棄物などを燃焼した際の排
ガス等が挙げられる。この様な燃焼排ガスには、水分お
よび酸素と共に、前記のダイオキシン類およびコプラナ
ーPCB類が0.1〜200ng/m3(N.T.P)
(毒性等価換算値)含まれている。更に、前述の通り、
ダイオキシン類の前駆体である種々の塩素化有機化合物
も含まれている。
【0055】上記の燃焼排ガスは、通常、バッグフィル
ターに通じて粉塵や重金属などを除去した後に接触工程
に導入される。また、必要に応じ、バッグフィルターで
処理する前に消石灰反応塔で処理して酸性ガスを除去し
てもよい。
【0056】本発明において、低酸化性能触媒との接触
工程を先行させる場合、低酸化性能触媒との接触工程に
流入する燃焼排ガス中にアンモニアを導入するが、その
量は当該工程から流出する燃焼排ガス中のアンモニア濃
度が20ppm以下となる量に調節する。
【0057】すなわち、上記の場合、第1工程である低
酸化性能触媒との接触工程は、窒素酸化物の分解のた
め、アンモニアの存在下に行う。この際、酸性硫酸アン
モニウムは、触媒が低酸化性であるため、殆ど生成しな
い。従って、窒素酸化物の分解と同時に、塩素化有機化
合物は、低酸化性能触媒の能力に応じた高い水準で分解
される。燃焼排ガス中へのアンモニアの導入量は、上記
の条件下、窒素酸化物を高分解し得る様に決定される。
なお、燃焼排ガス中でのアンモニアの消費量は、燃焼排
ガスの温度および処理量、触媒の使用量およびガス接触
面積などで決定される。上記の第1工程から流出する燃
焼排ガス中に残存する塩素化有機化合物は、第2工程で
ある高酸化性能触媒との接触工程によって分解される。
この際、酸性硫酸アンモニウムは、燃焼排ガス中のアン
モニア濃度が20ppm以下に抑えられているため、殆
ど生成しない。
【0058】一方、本発明に係る燃焼排ガスの処理方法
において、高酸化性能触媒との接触工程を先行させる場
合、低酸化性能触媒との接触工程に流入する燃焼排ガス
中にアンモニアを導入する。
【0059】すなわち、上記の場合、第1工程である高
酸化性能触媒との接触工程は、塩素化有機化合物の分解
を行い、実質的に窒素酸化物の分解を行わないためアン
モニアの不存在下に行う。なお、窒素酸化物の一部分解
のため焼却炉内にアンモニアを導入している場合は、燃
焼排ガス中のアンモニア濃度が20ppm以下となる様
に焼却炉内に導入するアンモニア量を調節する。上記の
第1工程から流出する燃焼排ガス中の窒素酸化物は、第
2工程である低酸化性能触媒との接触工程によって分解
される。この際、酸性硫酸アンモニウムは、触媒が低酸
化性であるため、殆ど生成しない。従って、低酸化性能
触媒との接触工程に流入する燃焼排ガス(上記の第1工
程からの流出ガス)中に導入されるアンモニアの量は、
窒素酸化物を高分解し得る様に任意に決定される。
【0060】上記の各接触工程における反応器の大きさ
及び形状は、本発明の目的を逸脱しない限り、任意に選
択することが出来る。また、各触媒は、別々の反応器に
充填しても、同一の反応器に異なる層として充填しても
よい。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に
より限定されるものではない。なお、以下の諸例で使用
した触媒(A)〜(H)は次の様に調製した。
【0062】<SiO2−MoO3−TiO23元系複合
酸化物の調製>硫酸法による酸化チタンの製造工程より
得られる硫酸チタン溶液を熱加水分解してメタチタン酸
を得、これを酸化チタンとして800g取り出し、還流
器付撹拌槽に仕込み、これに15重量%アンモニア水6
00gを加えてpHを9.5に調整した後、95℃にて
1時間に亘り十分な撹拌を行いつつ加熱熟成した。次い
で、シリカゾル(触媒化成社製「キャタロイドS−20
L」)750gとパラモリブデン酸アンモニウム61g
を添加し、更に、上記と同一条件の加熱熟成を1時間行
なった。その後、冷却してスラリーを取り出し、濾過脱
水し、得られたケーキを100℃で20時間乾燥した
後、600℃まで75℃/Hrの速度で昇温し、同温度
で5時間保持した。そして、冷却後、適当な粒度に粉砕
し、SiO2/MoO3/TiO2比が15重量%/5重
量%/80重量%の、SiO2−MoO3−TiO23元
系複合酸化物を得た。
【0063】<SiO2−TiO22元系複合酸化物の調
製>上記の、SiO2−MoO3−TiO23元系複合酸
化物の調製において、パラモリブデン酸アンモニウムを
添加せず、シリカゾルの使用量を706gに変更した以
外は、上記と同様にしてSiO2/TiO2比が/15重
量%/85重量%の、SiO2−TiO22元系複合酸化
物を得た。
【0064】<触媒の調製> 触媒(A)の調製:メタバナジン酸アンモニウム643
gを80℃に加温した10重量%モノエタノールアミン
水溶液6000gに溶解して原料液(1)を調製した。
原料液(1)と、前記のSiO2−MoO3−TiO2
元系複合酸化物粉末8500gと、成形助材1000g
とを双腕型ニーダーで2時間混練し、得られた混練物を
押出機により口径5mmのハニカム構造に成形した。得
られた成形物を130℃の温度で24時間乾燥し、次い
でSV100Hr-1、温度500℃の条件下で3時間焼
成し、表1に示す触媒(A)を得た。
【0065】触媒(B)の調製:上記の触媒(A)の調
製において、原料液(1)にパラモリブデン酸アンモニ
ウム613gを加え、SiO2−MoO3−TiO23元
系複合酸化物粉末の使用量を8000gに変更した以外
は、触媒(A)の調製と同様にして表1に示す触媒
(B)を得た。
【0066】触媒(C)の調製:上記の触媒(A)の調
製において、前記のSiO2−TiO22元系複合酸化物
粉末を使用した以外は、触媒(A)の調製と同様にして
表1に示す触媒(C)を得た。
【0067】触媒(D)の調製:上記の触媒(A)の調
製において、メタバナジン酸アンモニウムの使用量を1
29g、SiO2−MoO3−TiO23元系複合酸化物
粉末の使用量を8900gに変更した以外は、触媒
(A)の調製と同様にして表1に示す触媒(D)を得
た。
【0068】触媒(E)の調製:メタバナジン酸アンモ
ニウム516gとパラタングステン酸アンモニウム10
70gを80℃に加温した10重量%モノエタノールア
ミン水溶液6000gに溶解して原料液(2)を調製し
た。原料液(2)と純粋なTiO27650gと成形助
材1000gとを双腕型ニーダーで2時間混練し、得ら
れた混練物を押出機により口径5mmのハニカム構造に
成形した。得られた成形物を130℃の温度で24時間
乾燥し、次いでSV100Hr-1、温度500℃の条件
下で3時間焼成し、表1に示す触媒(E)を得た。
【0069】<二酸化イオウ酸化転化率の測定>前記の
触媒の内、(A)、(D)及び(E)をそれぞれ450
ml(縦および横方向に夫々6個の孔を有し且つ高さが
500mmのハニカム構造)のサンプルに加工して石英
ガラス製の反応管に充填した。次いで、管状型電気炉に
反応管を入れ、窒素ガスと酸素ガスを所定量流通させな
がら触媒の温度を250℃に保持した。次いで、所定濃
度となる様にH2OとSO2ガスを添加した。ガス組成
は、O210乾体積%,SO2500ppm,H2O10体
積%,N2バランス量であり、ガス調製量(速度)は83
5L/Hr(at 0℃,101.325KPa)とし
た。
【0070】前記の反応管に上記のガスを70時間通過
させ、その後、反応管の出口のガスをサンプリングしS
3濃度を測定した。次いで、再度、反応管の出口のガ
スをサンプリングしトータルSOX濃度を測定した。S
3のサンプリングはスパイラル管式捕集管を使用して
SOXの内SO3のみを捕集することによって行った。そ
して、捕集したSO3は、水で洗い採り、JIS K
0103の沈殿滴定法にて分析した。トータルSOX
サンプリング及び分析は、JIS K 0103の方法
によって行った。二酸化イオウの酸化転化率は次式によ
り求めた。
【0071】
【数4】 (出口SO3濃度/出口トータルSOX)×100
【0072】
【表1】
【0073】<活性試験>ガラス製反応器に上記の各触
媒を30ml充填し、常圧固定床流通反応装置で活性試
験を行なった。触媒固定床の寸法は、縦28mm、横2
8mm、高さ38mmであった。原料ガス組成は、o−
クロルフェノール(OCP)100ppm、O210v
ol%、H2O10vol%、N2バランス量の組成であ
った。原料ガスのSVは5000Hr-1であった。16
0℃と180℃の各温度で5時間保持した後、反応装置
通過ガスをマイクロシリンジでサンプリングし、ガスク
ロマトグラフィーで分析した。分析は絶対検量線法で行
なった。
【0074】実施例1及び2 触媒(A)及び(B)をそれぞれ使用して活性試験を行
なった。その結果を表2に示す。
【0075】比較例1 触媒(C)を使用して活性試験を行なった。その結果を
表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】実施例3 3cm×3cm×50cmのハニカム構造の触媒を充填
した内径5cm、長さ60cmのガラス製反応器を3本
直列に接続し、縦内径80cm、横内径80cm、高さ
1.5mの恒温槽内に設置した。前2本の反応器に触媒
(D)、後1本の反応器に触媒(A)を充填して常圧固
定床流通反応装置を組み立てた。そして、この装置を使
用し、都市ゴミ焼却炉のモデル排ガスの処理試験を次の
要領で行った。
【0078】温度180℃、SV5000Hr-1の条件
下、平均濃度80ppmのアンモニアを添加しながら、
上記の装置に、平均濃度1ng−TEQ/m3(N.
T.P)のダイオキシン類と平均濃度30ppmのSO
2と平均濃度75ppmのNOxを含有するガスを通過さ
せた。アンモニアの添加量は、触媒(A)の直前(前2
本の反応器の直後)のアンモニア濃度を測定し、その値
が20ppm以下となる様に調節した。
【0079】処理後の排ガスの分析は、ガスクロマトグ
ラフィー質量分析法で「廃棄物処理におけるダイオキシ
ン類標準測定分析マニュアル」(厚生省生活衛生局水道
環境部環境整備課(平成9年2月))に準じて行った。
分析は通ガス後2週間後と4ヶ月後に行った。評価結果
を表3に示す。
【0080】実施例4 実施例3において、常圧固定床流通反応装置を組み立て
る際、前1本に触媒(A)、後2本に触媒(D)を充填
した。そして、アンモニアの添加位置を触媒(D)の直
前(前1本の直後)とし、アンモニア添加量を平均NO
x濃度に対し、モル比(NOx/NH3)で1とした以
外は、実施例3と同様にして都市ゴミ焼却炉のモデル排
ガスの処理試験を行った。評価結果を表4に示す。
【0081】比較例2 実施例3において、全3本に触媒(E)を使用して組み
立てた常圧固定床流通反応装置を使用し、温度を200
℃に変更し、そして、前2本直後のアンモニア濃度の測
定結果に基づくアンモニア添加量の調節を行なわなかっ
たこと以外は、実施例3と同様な方法でモデル排ガスの
処理試験を行なった。評価結果を表5に示す。
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、SiO2
−MoO3−TiO23元系複合酸化物担体を使用した触
媒により、より低温度でダイオキシン等の塩素化有機化
合物を高効率で分解することが出来る。また、本発明に
よれば、一旦分解されたダイオキシン等が再生成するこ
とがない。更に、本発明によれば、硫黄酸化物から生成
する酸性硫酸アンモニウムを極力少なくすることによ
り、触媒の経時的性能劣化が抑制されるため、燃焼排ガ
ス中のダイオキシン等の塩素化有機化合物および窒素酸
化物を高効率で除去することが出来る。
フロントページの続き (72)発明者 清野 健一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 内田 雅昭 福岡県北九州市若松区北湊町13番2号 触 媒化成工業株式会社若松工場内 (72)発明者 足立 健太郎 福岡県北九州市若松区北湊町13番2号 触 媒化成工業株式会社若松工場内 (72)発明者 西井 一博 東京都港区芝五丁目34番6号 三菱化学エ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4D048 AA02 AA06 AA11 AB03 AC04 BA06X BA06Y BA07X BA07Y BA17Y BA18Y BA19Y BA23X BA23Y BA25Y BA26X BA26Y BA27Y BA28Y BA31Y BA33Y BA34Y BA35Y BA36Y BA38Y BA42X BA42Y BB02 4G069 AA03 AA08 BA02A BA02B BA04A BA04B BB04A BC31A BC32A BC33A BC38A BC40A BC41A BC43A BC50A BC50B BC54A BC54B BC58A BC59A BC59B BC60A BC62A BC66A BC67A BC68A BC72A BC74A CA02 CA12 CA13 CA19 DA06 FA01 FB15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化有機化合物含有ガスを触媒と接触
    させる塩素化有機化合物の分解方法であって、SiO2
    −MoO3−TiO23元系複合酸化物担体に活性成分が
    担持された触媒を使用することを特徴とする塩素化有機
    化合物の分解方法。
  2. 【請求項2】 SiO2およびMoO3が非晶質である請
    求項1に記載の分解方法。
  3. 【請求項3】 SiO2−MoO3−TiO23元系複合
    酸化物担体中のSiO2の割合が1〜20重量%である
    請求項1又は2に記載の分解方法。
  4. 【請求項4】 SiO2−MoO3−TiO23元系複合
    酸化物担体中のMoO3の割合が1〜15重量%である
    請求項1〜3の何れかに記載の分解方法。
  5. 【請求項5】 触媒の活性成分が、V、Cr、Mo、M
    n、Fe、Ni、Cu、Ag、Au、Pd、Y、Ce、
    Nd、W、In及びIrの群から選ばれる少なくとも1
    種の金属および/またはその酸化物である請求項1〜4
    の何れかに記載の分解方法。
  6. 【請求項6】 塩素化有機化合物含有ガスと触媒との接
    触温度が100〜250℃である請求項1〜5の何れか
    に記載の分解方法。
  7. 【請求項7】 塩素化有機化合物、二酸化イオウ及び窒
    素酸化物を含有する燃焼排ガスの処理方法であって、次
    の(a)〜(d)の条件を満足することを特徴とする燃
    焼排ガスの処理方法。 (a)触媒として、塩素化有機化合物分解能とアンモニ
    ア存在下における窒素酸化物分解能とを有し且つ以下に
    規定する二酸化イオウの酸化転化率が1.3%以下の低
    酸化性能触媒(X)と、SiO2−MoO3−TiO2
    元系複合酸化物担体に活性成分が担持され、しかも、塩
    素化有機化合物分解能を有し且つ以下に規定する二酸化
    イオウの酸化転化率が3.0%以上の高酸化性能触媒
    (Y)との2種類を使用する。 <二酸化イオウの酸化転化率>圧力:常圧、温度:25
    0℃、SV(空間速度):1850Hr-1、触媒量:4
    50mlの条件下、O210乾体積%,SO2500pp
    m,H2O:10体積%,N2バランス量の組成のガスを
    触媒が充填された反応管に供給し、反応管出口のSO3
    濃度とトータルSOXの濃度を求め、次式により二酸化
    イオウの酸化転化率(%)を算出する。 【数1】 (出口SO3濃度/出口トータルSOX)×100 (b)燃焼排ガスと低酸化性能触媒および高酸化性能触
    媒との各接触工程を任意の順序で且つ100〜250℃
    の温度範囲で行う。 (c)低酸化性能触媒との接触工程を先行させる場合、
    低酸化性能触媒との接触工程に流入する燃焼排ガス中に
    アンモニアを導入するが、その量は当該工程から流出す
    る燃焼排ガス中のアンモニア濃度が20ppm以下とな
    る量に調節する。 (d)高酸化性能触媒との接触工程を先行させる場合、
    低酸化性能触媒との接触工程に流入する燃焼排ガス中に
    アンモニアを導入する。
JP2000104906A 2000-04-06 2000-04-06 燃焼排ガスの処理方法 Expired - Lifetime JP3860708B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000104906A JP3860708B2 (ja) 2000-04-06 2000-04-06 燃焼排ガスの処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000104906A JP3860708B2 (ja) 2000-04-06 2000-04-06 燃焼排ガスの処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001286729A true JP2001286729A (ja) 2001-10-16
JP3860708B2 JP3860708B2 (ja) 2006-12-20

Family

ID=18618368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000104906A Expired - Lifetime JP3860708B2 (ja) 2000-04-06 2000-04-06 燃焼排ガスの処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3860708B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004000943A (ja) * 2002-04-18 2004-01-08 Catalysts & Chem Ind Co Ltd ハニカム状排ガス処理触媒用二酸化チタン粉末およびその二酸化チタン粉末を使用したハニカム状排ガス処理触媒
JP2008264604A (ja) * 2007-04-16 2008-11-06 Nippon Shokubai Co Ltd 排ガス処理用触媒、当該触媒の製造方法及び当該触媒を用いた排ガス中の有機ハロゲン化合物の処理方法
JP2014079716A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Nippon Shokubai Co Ltd 排ガス処理触媒および排ガス処理方法
JP2020163368A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社日本触媒 排ガス処理触媒とその製造方法およびこれを用いた排ガス処理方法、並びに触媒の設計方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004000943A (ja) * 2002-04-18 2004-01-08 Catalysts & Chem Ind Co Ltd ハニカム状排ガス処理触媒用二酸化チタン粉末およびその二酸化チタン粉末を使用したハニカム状排ガス処理触媒
JP4538198B2 (ja) * 2002-04-18 2010-09-08 日揮触媒化成株式会社 ハニカム状排ガス処理触媒用二酸化チタン粉末およびその二酸化チタン粉末を使用したハニカム状排ガス処理触媒
JP2008264604A (ja) * 2007-04-16 2008-11-06 Nippon Shokubai Co Ltd 排ガス処理用触媒、当該触媒の製造方法及び当該触媒を用いた排ガス中の有機ハロゲン化合物の処理方法
JP2014079716A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Nippon Shokubai Co Ltd 排ガス処理触媒および排ガス処理方法
JP2020163368A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社日本触媒 排ガス処理触媒とその製造方法およびこれを用いた排ガス処理方法、並びに触媒の設計方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3860708B2 (ja) 2006-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2006132097A1 (ja) チタン酸化物、排ガス処理用触媒および排ガスの浄化方法
JP4113090B2 (ja) 排ガス処理方法
JP4098703B2 (ja) 窒素酸化物除去用触媒および窒素酸化物除去方法
KR20010089199A (ko) 배기가스 처리용 촉매, 그 제조방법 및 배기가스 처리방법
JP3860707B2 (ja) 燃焼排ガスの処理方法
JP3868705B2 (ja) 燃焼排ガスの処理方法
JP2001286729A (ja) 塩素化有機化合物の分解方法および燃焼排ガスの処理方法
KR100382050B1 (ko) 배가스 내의 다이옥신 및 질소산화물 제거용 저온 촉매 및이를 이용한 연소배가스의 처리방법
JPH1057760A (ja) 塩素化有機化合物の分解方法
JP2001038206A (ja) 排ガス処理用触媒、排ガス処理方法及び処理装置
JP3785310B2 (ja) 有機ハロゲン化合物分解触媒、その製造方法、および用途
JP3860706B2 (ja) 燃焼排ガスの処理方法
JP4182697B2 (ja) 塩素化有機化合物分解用触媒およびその製造法
JP4098698B2 (ja) 排ガス処理方法
JP3860734B2 (ja) 排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法
JP4177661B2 (ja) 排ガス処理用触媒の製造方法
JP4348912B2 (ja) 塩素化有機化合物分解用触媒および塩素化有機化合物の分解方法
JP3739659B2 (ja) 排ガス処理用触媒、排ガスの処理方法、および排ガス処理用触媒の製造方法
JP6016572B2 (ja) 排ガス処理触媒および排ガス処理方法
JP4283092B2 (ja) 排ガス処理用触媒および排ガス処理方法
JP2000042409A (ja) 塩素化有機化合物分解用触媒および燃焼排ガスの処理方法
JP2004130179A (ja) 塩素化有機化合物分解用触媒および塩素化有機化合物の分解方法
JP2000061305A (ja) 排ガス処理用触媒及び排ガス処理用方法
JP4002437B2 (ja) 排ガス処理用触媒、および排ガス処理方法
JP2005021780A (ja) 排ガス処理触媒の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060608

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060922

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3860708

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130929

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term