JP3457917B2 - 排ガス処理用触媒、排ガス処理方法及び処理装置 - Google Patents

排ガス処理用触媒、排ガス処理方法及び処理装置

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JP3457917B2
JP3457917B2 JP26525399A JP26525399A JP3457917B2 JP 3457917 B2 JP3457917 B2 JP 3457917B2 JP 26525399 A JP26525399 A JP 26525399A JP 26525399 A JP26525399 A JP 26525399A JP 3457917 B2 JP3457917 B2 JP 3457917B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミ焼却炉,
産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉から排出
される排ガスを浄化する技術に関し、特に排ガス中に含
有される窒素酸化物やダイオキシン類等の塩素化芳香族
化合物を個別に、又は同時に無害化するための排ガス処
理用触媒、排ガス処理方法及び処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】都市ゴ
ミ焼却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各種焼却
炉から排出される排ガス中には、焼却対象物の種類や焼
却条件によって、窒素酸化物の他、ダイオキシン類やP
CB類に代表される有害な塩素化芳香族化合物、高縮合
度芳香族炭化水素等の有害物質が含有されることがあ
り、環境ホルモンとして人体や動植物に被害をもたら
し、自然環境を破壊するものとして、深刻な社会問題化
している。そのため、ダイオキシン等の有機塩素化合物
の除去方法として、活性炭吸着法,熱分解法,接触分解
法等の種々の方法が提案されており、その中でも触媒を
用いる接触分解法は、灰処理や排水処理が不要となるた
め、最も効率的な除去方法であると考えられる。
【0003】しかしながら、従来提案された接触分解法
における触媒は、活性が低いため多量の触媒を必要とす
る問題があった。また、所定量の触媒でダイオキシン類
を分解するためには、排ガスを高温に加熱する必要があ
り、加熱に要する費用は膨大なものになる。さらに、燃
焼排ガス中に含まれている窒素酸化物,硫黄酸化物,重
金属を含むダスト類により、触媒の耐久性に欠けるとい
う問題点も有していた。例えば、従来提案されていた触
媒例には、バナジウム(V)酸化物を活性金属としてチ
タン(Ti)酸化物を担体とした脱硝触媒が挙げられ
る。この場合、Ti酸化物がアンモニアを吸着し、V酸
化物が吸着アンモニアを窒素酸化物で酸化する役割を有
する。この脱硝触媒をそのままダイオキシン等の有機塩
素化合物の分解触媒に供すると、現状では触媒活性や耐
久性等の面で必ずしも高性能の触媒とは言えず、上記の
ような問題点を有していた。
【0004】また、従来においては、排ガスの煤塵の除
去と同時にダイオキシン類を吸着して除去する試みが提
案されているが、例えば除塵装置(例えばバグフィル
タ)で煤塵と共にダイオキシン類を除去した場合には、
該除塵装置のフィルタには、ダイオキシン類が吸着され
ているので、該ダイオキシン類を吸着したフィルタを別
途二次処理する必要があり、手間がかかるという問題が
ある。同様に、ダイオキシン類含んだ有害物質を高温で
溶融処理する場合も該溶融物の二次処理が必要となり、
別途処理工程が増大するという問題がある。
【0005】また、ダイオキシン類は焼却炉内での高温
時においては熱分解されるが、ガス冷却装置を通過して
除塵装置で除塵する場合に、400℃以下の低温領域で
はダイオキシン類の再生成がされる場合があり、問題と
なる。
【0006】このため、従来において白金等を触媒とし
て高温(300〜500℃)で処理することが提案され
ている(特公平4−63288号公報)が、400℃近
傍での処理には、上述したようにダイオキシン類の再生
成があり、より低温での分解処理が望まれている。
【0007】本発明は、上記問題に鑑み、低温域(特に
200℃以下)におけるダイオキシン類及び高縮合度芳
香族炭化水素等の有害物質の分解活性を向上させ、排ガ
ス中の有害物質を確実に分解する排ガス処理用触媒、排
ガス処理方法及び処理装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑み、高活性であり、かつ耐久性にも優れた安価な
触媒を開発すべく、鋭意検討した。その結果、本発明者
らは、先ず、ダイオキシン等の有機塩素化合物の触媒に
よる分解メカニズムを種々の分光学的手法等により解析
し、下記の触媒メカニズムを解明した。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】上記の触媒分解メカニズムに基づき、高活
性・高性能な触媒の条件としては、下記の要件〜を
満たす必要があると考えられる。 ダイオキシンを容易に吸着する高比表面積物質 ダイオキシンのO−C,C−Cl結合を開裂するこ
とができる固体酸物質 開裂した中間生成物を酸化する酸化能力物質 そこで、本発明者らは、Ti等の酸化物の比表面積や固
体酸量を多く形成する担体を用いて有機塩素化合物の高
性能化を図るとの観点より、さらに検討を続けた結果、
比表面積や固体酸量の増大方法として、Ti等の酸化物
を複合酸化物化すること等によって、上記の問題点が解
決されることを見い出した。本発明は、かかる見地より
完成されたものである。
【0014】かかる知見による本発明の[請求項1]の
排ガス処理用触媒の発明は、チタン(Ti),シリコン
(Si),アルミニウム(Al),Zr(ジルコニウ
ム),P(リン),B(ボロン)から選ばれる少なくと
も二種の元素を含む複合酸化物からなる担体と、バナジ
ウム(V),タングステン(W),モリブデン(M
o),ニオブ(Nb)又はタンタル(Ta)の酸化物の
うち少なくとも一種類の酸化物からなる活性成分とから
なると共に、比表面積が100m2 /g以上であり固体
酸量が0.36mmol/g以上の触媒であり、150〜
250℃で排ガス中の有害物質を分解することを特徴と
する。
【0015】[請求項3]の発明は、請求項1におい
て、複合酸化物を構成する担体が、チタン(Ti)とシ
リコン(Si),チタン(Ti)とアルミニウム(A
l),チタン(Ti)とジルコニウム(Zr),チタン
(Ti)とリン(P),チタン(Ti)とボロン(B)
のいずれか一種からなる二成分系の複合酸化物であるこ
とを特徴とする。 [請求項4]の発明は、請求項1において、複合酸化物
が共沈法又は加熱加水分解法のいずれかによりなり、そ
の後200〜650℃で焼成してなることを特徴とす
る。 [請求項5]の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項
の触媒において、上記排ガス中の有害物質がダイオキシ
ン類,ポリ塩化ビフェニル類,クロルベンゼン類,クロ
ロフェノール及びクロロトルエンから選ばれる少なくと
も一種の塩素化芳香族化合物であることを特徴とする。
【0016】[請求項]の発明は、排ガス中の有害物
質を請求項1乃至3のいずれか一項の触媒に接触させ、
排ガス中の有害物質を分解処理することを特徴とする。
【0017】[請求項]の発明は、請求項におい
て、上記排ガス中の有害物質がダイオキシン類,ポリ塩
化ビフェニル類,クロルベンゼン類,クロロフェノール
及びクロロトルエンから選ばれる少なくとも一種の塩素
化芳香族化合物であることを特徴とする。
【0018】[請求項]の発明は、請求項におい
て、アンモニアの存在下に、窒素酸化物を選択的に還元
して分解することを特徴とする。
【0019】[請求項]の発明は、焼却炉から排出さ
れる排ガスを浄化する排ガス処理装置であって、排ガス
中の煤塵を除塵する除塵装置と、該除塵装置の後流側に
設けた請求項1乃至3のいずれか一項の排ガス処理用触
媒を有する触媒装置とからなることを特徴とする。
【0020】[請求項10]の発明は、請求項におい
て、上記触媒装置に塩基性物質を導入する手段を設けた
ことを特徴とする。
【0021】[請求項11]の発明は、請求項9又は1
において、上記触媒装置に導入する排ガスの温度を1
50〜250℃としたことを特徴とする。[請求項12]の発明は、請求項9乃至11のいずれか
一項の排ガス処理装置において、上記排ガス中の有害物
質がダイオキシン類,ポリ塩化ビフェニル類,クロルベ
ンゼン類,クロロフェノール及びクロロトルエンから選
ばれる少なくとも一種の塩素化芳香族化合物であること
を特徴とする
【0022】本発明の触媒はTi系の複合酸化物を担体
とするので、比表面積、固体酸量を大幅に増大させるこ
とができ、有機塩素化合物の分解に多量の触媒を必要と
することがなく、また、加熱等に要する費用も少なくで
きる。さらに、本発明の触媒は、燃焼排ガス中に含まれ
ている硫黄酸化物,重金属等を含むダスト類に対する耐
久性にも優れるのである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】本発明の排ガス処理用触媒の発明は、チタ
ン(Ti),シリコン(Si),アルミニウム(A
l),Zr(ジルコニウム),P(リン),B(ボロ
ン)から選ばれる少なくとも二種以上の元素を含む複合
酸化物からなる担体と、バナジウム(V),タングステ
ン(W),モリブデン(Mo),ニオブ(Nb)又はタ
ンタル(Ta)の酸化物のうち少なくとも一種類の酸化
物からなる活性成分とからなる触媒であり、150〜2
50℃で排ガス中の有害物質を分解するものである。
【0025】ここで、担体においては、特にチタンを用
いるのが好ましく、チタンの複合酸化物を担体として、
バナジウム,タングステン又はモリブデンの酸化物のう
ち少なくとも一種の酸化物を活性金属種として担持させ
た有機塩素化合物の分解触媒が触媒活性が良好である。
【0026】本発明では、分解触媒の比表面積や固体酸
量を増大させるために、複合酸化物化したTi酸化物を
用いるのが好ましい。Tiの複合酸化物を形成する金属
としては、例えばシリコン(Si),アルミニウム(A
l),ジルコニウム(Zr),リン(P),ボロン
(B)等が挙げられる。すなわち、TiとSi,Tiと
Al,TiとZr,TiとP,TiとBなどの複合酸化
物を用いることができる。これらいずれの複合酸化物と
もに、硫酸塩を形成しにくいため安定な構造を維持する
ことができ、比表面積や固体酸量の増大が可能である。
【0027】また、TiとSi+Al,TiとSi+Z
r,TiとSi+P,TiとSi+B,TiとAl+
P,TiとAl+B,TiとZr+P,TiとZr+
B,TiとP+B,などの三成分系の複合酸化物を用い
ることができる。
【0028】また、複合酸化物の場合における担体組成
は、特に限定されるものではないが、例えばチタンが7
0〜95重量部に対して、シリコン(Si),アルミニ
ウム(Al),ジルコニウム(Zr),リン(P),ボ
ロン(B)等の酸化物が30〜5重量部とするのが好ま
しい。
【0029】複合酸化物化により比表面積や固体酸量が
増大する理由として、安定な4価のTiに電荷の異なる
他の元素を挿入した複合酸化物は電荷補償により固体酸
点が新たに発現し、さらに複合酸化物になると粒子の粒
径が小さくなるため、高比表面積化を図ることができる
と考えられる。
【0030】複合酸化物を形成する場合の元素の原料
は、塩化物,硫酸塩,硝酸塩等のいずれの金属塩でもよ
く、水溶液にした状態でアンモニアや炭酸ナトリウム等
のアルカリ水溶液を滴下して共沈させる。また、金属ア
ルコキシド原料を各々使用して、加水分解等により複合
水酸化物を得ることができる。共沈や加水分解等により
形成した複合水酸化物ケーキは洗浄後、乾燥させた上で
200〜650℃の範囲で焼成することにより、複合酸
化物が得られる。
【0031】本発明の触媒では、上記複合酸化物を担体
にして、バナジウム(V),タングステン(W),モリ
ブデン(Mo),ニオブ(Nb)又はタンタル(Ta)
並びにこれらの酸化物を活性金属酸化物として少なくと
も1種以上担持して用いる。上記酸化物はいずれも酸化
能力を有し、吸着して開裂したダイオキシンをCO 2
で酸化分解することができる。また、いずれの酸化物と
も硫黄化合物や重金属に対する耐久性に優れている特徴
を有する。特に、V酸化物は優れた酸化能力を有する。
【0032】本発明に係る触媒組成物の成分及び組成比
は特に限定されるものではないが、代表例として一種の
酸化物又は複合酸化物からなる担体100重量部に対し
て、触媒成分が五酸化バナジウム等の一成分系では1〜
20重量部が好ましい。同様に、二成分系では五酸化バ
ナジウムが1〜10重量部と三酸化タングステンが2〜
25重量部の配合、五酸化バナジウムが1〜10重量部
と三酸化モリブデンが2〜25重量部の配合、五酸化バ
ナジウムが1〜10重量部と五酸化ニオブが0.5〜5重
量部の配合が好ましい。同様に、三成分系では五酸化バ
ナジウムが1〜10重量部と三酸化タングステンが1〜
20重量部と三酸化モリブデンが1〜20重量部の配
合、五酸化バナジウムが1〜10重量部と三酸化タング
ステンが1〜10重量部と五酸化ニオブが0.5〜5重量
部の配合が好ましい。同様に、四成分系では五酸化バナ
ジウムが1〜10重量部と三酸化タングステンが1〜2
0重量部と三酸化モリブデンが1〜20重量部と五酸化
ニオブが0.5〜5重量部の配合等とするのが好ましい。
上記金属酸化物は単独で使用することもできるし、これ
に無機物等を添加したり、基材に担持して使用すること
もできる。
【0033】排ガス処理に使用される触媒は、ペレット
状,板状,円筒状,コルゲート状,ハニカム状等の一体
成型された任意の形状とすればよい。なお、ガスとの接
触面積を大とすることが好ましいことは当然であるが、
粉体状触媒の充填密度の程度によっては排ガスの流動背
圧が上がり好ましくない。この対策としては通常は粉体
をその比表面積を過度に低下させることなく所定の密度
に圧縮して得た、例えばハニカム状の成型体を使用する
のが特に好ましい。また、バグフィルターに触媒成分を
含有させ、除塵と触媒分解の両方を働かせる場合は、触
媒の粉末成分をバグフィルターにコートする方法も採用
できる。
【0034】上記排ガス処理用触媒の発明は、チタン
(Ti),シリコン(Si),アルミニウム(Al),
Zr(ジルコニウム),P(リン),B(ボロン)から
選ばれる少なくとも二種以上の元素を含む複合酸化物か
らなる担体と、バナジウム(V),タングステン
(W),モリブデン(Mo),ニオブ(Nb)又はタン
タル(Ta)の酸化物のうち少なくとも一種類の酸化物
からなる活性成分とからなる触媒であり、150〜25
0℃の温度範囲において、排ガス中の有害物質を分解す
ることができる。
【0035】ここで、本発明の触媒で分解処理する排ガ
ス中の有害物質とは、窒素酸化物の他、ダイオキシン類
やPCB類に代表される有害な塩素化芳香族化合物、高
縮合度芳香族炭化水素等の有害物質や気体状有機化合物
をいうが、本発明の酸化触媒作用により分解できる排ガ
ス中の有害物質(又は環境ホルモン)であればこれらに
限定されるものではない。
【0036】ここで、上記ダイオキシン類とは、ポリ塩
化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PCDDs)及びポ
リ塩化ジベンゾフラン類(PCDFs)の総称であり、
塩素系化合物とある種の有機塩素化合物の燃焼時に微量
発生するといわれ、化学的に無色の結晶である。塩素の
数によって一塩化物から八塩化物まであり、異性体には
PCDDsで75種類、PCDFsで135種類におよ
び、これらのうち、特に四塩化ジベンゾ−p−ダイオキ
シン(T4 CDD)は、最も強い毒性を有するものとし
て知られている。なお、有害な塩素化芳香族化合物とし
ては、ダイオキシン類の他にその前駆体となる種々の有
機塩素化合物(例えば、フェノール,ベンゼン等の芳香
族化合物(例えばクロルベンゼン類,クロロフェノール
及びクロロトルエン等)、塩素化アルキル化合物等)が
含まれており、排ガス中から除去する必要がある。
【0037】また、PCB類(ポリ塩化ビフェニル類)
はビフェニールに塩素原子が数個付加した化合物の総称
であり、塩素の置換数、置換位置により異性体がある
が、2,6−ジクロロビフェニル、2,2'−ジクロロビ
フェニル、2,3,5−トリクロロビフェニル等が代表
的なものであり、毒性が強く、焼却した場合にはダイオ
キシン類が発生するおそれがあるものとして知られてお
り、排ガス中から除去する必要がある。
【0038】また、高縮合度芳香族炭化水素は多核芳香
族化合物の総称であり、単数又は複数のOH基を含んで
もよく、発癌性物質として認められており、排ガス中か
ら除去する必要がある。
【0039】また、多くの製造工程においては、煤塵に
加えて、例えばホルムアルデヒド,ベンゼン又はフェノ
ールのような気体状有機化合物を含む排ガスが発生する
こともある。これらの有機化合物もまた、環境汚染物質
であり、人間の健康を著しく損ねるので、排ガスから除
去する必要がある。
【0040】また、本発明で処理される窒素酸化物と
は、通常NO及びNO2 の他、これらの混合物をいい、
NOxとも称されている。しかし、該NOxにはこれら
以外に各種酸化数の、しかも不安定な窒素酸化物も含ま
れている場合が多い。従ってxは特に限定されるもので
はないが通常1〜2の値である。雨水等で硝酸、亜硝酸
等になり、またはNOは光化学スモッグの主因物質の一
つであるといわれており、人体には有害な化合物であ
る。
【0041】すなわち、本発明による上記触媒を使用す
ることにより、上述した有害物質である窒素酸化物,ダ
イオキシン類,高縮合度芳香族炭化水素等の有害物質や
気体状有機化合物を接触的に還元又は分解して無害化処
理することができる。ここで、上記有害物質の内排ガス
中のダイオキシン類,ダイオキシン類の前駆体,PCB
等の塩素化芳香族化合物、高縮合度芳香族炭化水素は、
本発明の酸化触媒の酸化分解により無害化処理がなされ
る。
【0042】また窒素酸化物については本発明の触媒を
充填した装置の前流側に塩基性物質(例えばアンモニア
等)の存在させ、還元反応により無害化処理が行われ
る。
【0043】図1は上記触媒を用いた排ガス浄化装置の
概略図である。図1に示すように、排ガス浄化装置は、
都市ゴミ焼却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各
種焼却炉から排出される排ガス11中の煤塵を除去する
除塵装置12と、窒素酸化物,ダイオキシン類,高縮合
度芳香族炭化水素等の有害物質を除去する上述した排ガ
ス処理触媒を有する触媒装置13と、有害物質を分解・
除去した排ガスを外部へ排出する煙突14とから構成さ
れている。上記除塵装置12においては、排ガス中の煤
塵及び固体状のダイオキシン類を捕集することができ、
触媒装置13の劣化及び触媒の目詰まりを防止してい
る。
【0044】以下の排ガス中の窒素酸化物及び塩素化芳
香族化合物の濃度を示す。排ガス中の窒素酸化物の濃度
は、200〜50体積ppmである。排ガス中のダイオ
キシン類の塩素化芳香族化合物の濃度は、数十mg〜数
μg/Nm3 である。本発明では、上記排ガス11と触
媒の接触条件は、20〜2Nm3 /h/kg−触媒(接
触時間4〜0.4秒)である。また、排ガス処理温度は2
50〜150℃である。この排ガス処理温度範囲では、
ダイオキシン類の前駆体の再合成によりダイオキシン類
が発生せず、好ましい処理温度である。
【0045】また、除塵装置(例えばバグフィルタ等)
12で処理する際に排ガスを冷却して低温とした場合で
あっても、150℃前後であれば、再可熱することなく
排ガス中の有害物質を処理することが可能となる。な
お、除塵装置12での効率のよい捕集を行うために、除
塵装置12の前流側で冷却装置を用いて冷却した場合で
も、触媒装置に入る前に、再加熱する場合であってもダ
イオキシン類の再生成率が低い250℃を限度とするの
がよい。
【0046】本発明の焼却炉からの排ガス浄化装置で
は、脱硝及びダイオキシン類の除去を一つの触媒装置1
3で同時に行うことができ、その場合には、塩基性物質
として例えばアンモニアを注入する注入ノズル15を介
してアンモニアを触媒装置13内に導入すればよい。
【0047】本発明の処理対象としては、特に都市ゴミ
や産業廃棄物等の排ガスなどが挙げられる。このような
燃焼排ガスには、通常、テトラクロロジベンゾダイオキ
シンやペンタクロロジベンゾフランで代表されるダイオ
キシン類が1〜100ngTEQ/Nm3 含まれてい
る。さらに、排ガス中にはこれらダイオキシンの前駆体
となる種々の有機塩素化合物も多量に含まれている。ダ
イオキシンの排出に関しては、法律(平成10年度厚生
省排出規制値)により排出濃度として0.1ngTEQ/
Nm3 以下に制定されているが、本発明の触媒を適用す
ることにより、これらの基準を満たすことが可能とな
る。
【0048】本発明の触媒を用いて都市ゴミや産業廃棄
物等の排ガス中のダイオキシン等を含む有機塩素化合物
を除去する条件としては、好ましくは温度100〜25
0℃,GHSV1000〜20000h-1,酸素濃度0.
1〜21%の範囲に入ることが挙げられ、アンモニアを
添加して排ガス窒素酸化物を同時に除去することもでき
る。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限され
るものではない。
【0050】[実施例1]硫酸チタニル(TiSO4
水溶液及びコロイダルシリカ水溶液を、重量比でTiO
2 :SiO2 =90:10になるように混合し、この混
合水溶液を70℃に加熱した。加熱した混合水溶液に、
アンモニア水溶液をpH=7になるまで滴下して共沈物
スラリーを形成させた。このスラリーを70℃で2時間
撹拌・熟成した後、濾過・洗浄を行い、ケーキ物を得
た。次いで、上記ケーキ物を100℃で乾燥し、さらに
500℃で5時間焼成を行い、TiO2 ・SiO2 複合
酸化物を得た。この複合酸化物を複合酸化物1とする。
複合酸化物1の100重量部に対して、パラタングステ
ン酸アンモニウムとメタバナジウム酸アンモニウムを各
々WO3 は8重量部、V2 5 は5重量部となるように
メチルアミン水溶液に溶解させ、粉末状の上記複合酸化
物上に滴下し混練・乾燥を繰り返してWO3 及びV2
5 を担持した。このサンプルを500℃,5時間焼成
し、粉末触媒1を得た。上記粉末触媒1の100重量部
に対して、バインダーとしてグラスファイバーを3重量
部,カオリンを3重量部,さらに有機可塑剤として酢酸
セルロースを3重量部及びアンモニア水を添加して混練
した。この混練物を押し出し成形し、5.0mmピッチ
(壁厚1.0mm)の一体型ハニカム成形物を得た。この
成形物を乾燥させ、500℃,5時間焼成して有機可塑
剤を除去することにより、ハニカム触媒1を得た。
【0051】[実施例2]実施例1の調製方法におい
て、コロイダルシリカの代わりに硫酸アルミニウム又は
オキシ塩化ジルコニウムを重量比で、それぞれTi
2 :Al2 3 =90:10、TiO2 :ZrO2
90:10の割合で添加し、上記複合酸化物1と同様な
方法で複合酸化物を得た。これら複合酸化物を複合酸化
物2,3とする。また、実施例1の方法において、コロ
イダルシリカを添加せずに硫酸チタニル水溶液にアンモ
ニアを添加して、水酸化チタニウムスラリーが得られ
た。このスラリーを水洗・濾過してケーキ物を得た。該
ケーキ物にオルトリン酸又はホウ酸水溶液を重量比で、
それぞれTiO2 :P2 5 =95:5、TiO2 :B
2 3 =95:5の割合で添加して混練・乾燥を行い、
500℃,5時間の焼成を行った。これらの複合酸化物
を複合酸化物4,5とする。得られた複合酸化物2,
3,4,5を用いて実施例1と同様な方法によって、粉
末触媒2,3,4,5を得て、さらに実施例1と同様な
方法でハニカム触媒2,3,4,5を得た。
【0052】[実施例3]実施例1のハニカム触媒の調
製方法において、コロイダルシリカの添加量を重量比で
TiO2 :SiO2 =95:5,80:20,60:4
0となるように添加し、実施例1と同様な方法にて複合
酸化物6,7,8を得た。得られた複合酸化物から実施
例1と同様な方法にて、粉末触媒6,7,8を得て、さ
らにハニカム触媒6,7,8を得た。
【0053】[実施例4]実施例1のハニカム触媒の調
製方法において、硫酸チタニルの代わりに4塩化チタン
を用い、コロイダルシリカの代わりに4塩化シランを用
いて、重量比でTiO2 :SiO2 =90:10となる
ように添加し、実施例1と同様な方法にて複合酸化物9
を得た。また、実施例1のハニカム触媒の調製方法にお
いて、硫酸チタニルの代わりにイソプロポキシチタンを
用い、コロイダルシリカの代わりにエトキシシランを用
いて、重量比でTiO2 :SiO2 =90:10となる
ように秤量し混合した。この混合溶液を80℃加熱し
て、80℃に加熱した水の中に滴下して加水分解を行わ
せて、沈澱物スラリーを得た。このスラリーを2時間撹
拌・熟成し、洗浄・濾過して実施例1と同様な方法によ
り、複合酸化物10を得た。上記複合酸化物9,10を
用いて、実施例1と同様に粉末触媒9,10を得て、さ
らにハニカム触媒9,10を得た。
【0054】[実施例5]実施例1のハニカム触媒の調
製方法において、複合酸化物1の100重量部に対し
て、パラタングステン酸アンモニウムの代わりにモリブ
デン酸アンモニウムを用いて、MoO3 が8重量部にな
るように添加し、実施例1と同様に粉末触媒11、ハニ
カム触媒11を得た。
【0055】[比較例1]実施例1のハニカム触媒1の
調製方法において、コロイダルシリカを添加せずに、実
施例1と同様な方法により、比較酸化物1,比較粉末触
媒1,比較ハニカム触媒1を得た。
【0056】[触媒性能評価試験]実施例1〜5で得ら
れた上記粉末触媒1〜11、及び比較例1で得られた比
較粉末触媒1の物性値として、比表面積及び固体酸量の
測定を行った。比表面積及び固体酸量の測定方法を以下
に示す。 〔比表面積測定方法〕BET1点吸着法(窒素ガス吸着
法)による。測定条件を以下に記す。 サンプル量: 0.1g 前処理条件: 窒素雰囲気下、200℃、2時間パージ 吸着温度: −196℃ 脱着温度: 室温 検出器 : 熱伝導度検出器(TCD) 〔固体酸量測定方法〕ピリジン吸着昇温脱離法による。
測定条件を以下に記す。 サンプル量: 0.0125g 前処理条件: ヘリウム雰囲気下、450℃、30分パージ 吸着温度: 150℃(ピリジン0.2μlを繰り返しパルス吸着) 脱着条件: 150℃ → 800℃(昇温速度:30℃/分) 検出器 : 水素炎イオン検出器(FID) 下記表1に、測定結果を示す。
【0057】
【表1】
【0058】[参考例1] 実施例1の調製方法において、コロイダルシリカと共に
硫酸アルミニウムを重量比で、それぞれTiO2 :Si
2 :Al2 3 =80:10:10の割合で添加し、
上記複合酸化物1と同様な方法でTiO2 ・SiO2
Al2 3 からなる複合酸化物を複合酸化物を得た。こ
の複合酸化物を複合酸化物12とする。得られた複合酸化
物12を用いて実施例1と同様な方法によって、V2 5
(5重量%)及びWO3 (8重量%)を担持した粉末触
媒12を得て、さらに実施例1と同様な方法でハニカム触
媒12を得た。
【0059】[参考例2参考例1 の調製方法において、硫酸アルミニウムの代わ
りにオキシ塩化ジルコニウムを重量比で、それぞれTi
2 :SiO2 :ZrO2 =80:10:10の割合で
添加し、同様に操作してハニカム触媒13を得た。
【0060】[参考例3参考例1 の調製方法において、コロイダルシリカの代わ
りにオキシ塩化ジルコニウムを重量比で、それぞれTi
2 :Al2 3 :ZrO2 =80:10:10の割合
で添加し、同様に操作してハニカム触媒14を得た。
【0061】[参考例4参考例1 の調製方法において、硫酸アルミニウムの代わ
りにオルトリン酸を重量比で、それぞれTiO2 :Si
2 :P2 5 =85:10:5の割合で添加し、同様
に操作してハニカム触媒15を得た。
【0062】[参考例5参考例1 の調製方法において、硫酸アルミニウムの代わ
りにホウ酸を重量比で、それぞれTiO2 :SiO2
2 3 =85:10:5の割合で添加し、同様に操作
してハニカム触媒16を得た。
【0063】[参考例6参考例1 の調製方法において、コロイダルシリカの代わ
りにオルトリン酸を重量比で、それぞれTiO2 :Al
2 3 :P2 5 =85:10:5の割合で添加し、同
様に操作してハニカム触媒17を得た。
【0064】[参考例7参考例1 の調製方法において、コロイダルシリカの代わ
りにホウ酸を重量比で、それぞれTiO2 :Al
2 3 :B2 3 =85:10:5の割合で添加し、同
様に操作してハニカム触媒18を得た。
【0065】[参考例8,9参考例6,7 の調製方法において、硫酸アルミニウムの
代わりにオキシ塩化ジルコニウムを重量比で、それぞれ
TiO2 :ZrO2 :P2 5 =85:10:5の割
合、TiO2 :ZrO2 :B2 3 =85:10:5の
割合で添加し、同様に操作してハニカム触媒19,20を得
た。
【0066】[参考例10参考例4 の調製方法において、コロイダルシリカの代わ
りにホウ酸を重量比で、それぞれTiO2 :P2 5
2 3 =90:5:5の割合で添加し、同様に操作し
てハニカム触媒21を得た。
【0067】[実施例] 実施例1の複合酸化物1の100重量部に対して、パラ
タングステン酸アンモニウムの代わりに酸化ニオブを用
いてV2 5 が5重量%,Nb2 5 が1重量%となる
ように担持し、実施例と同様に操作してハニカム触媒22
を得た。
【0068】[実施例] 実施例1の複合酸化物1の100重量部に対して、さら
にモリブデン酸アンモニウムを追加してV2 5 が5重
量%,WO3 が5重量%,MoO3 が5重量%となるよ
うに担持し、実施例1と同様に操作してハニカム触媒23
を得た。
【0069】[実施例] 実施例1の複合酸化物1の100重量部に対して、さら
に酸化ニオブを追加してV2 5 が5重量%,WO3
5重量%,Nb2 5 が1重量%となるように担持し、
実施例1と同様に操作してハニカム触媒24を得た。
【0070】[実施例] 実施例1の複合酸化物1の100重量部に対して、パラ
タングステン酸アンモニウムの代わりにモリブデン酸ア
ンモニウム及び酸化ニオブを用いてV2 5 が5重量
%,MoO3 が5重量%,Nb2 5 が1重量%となる
ように担持し、ハニカム触媒25を得た。
【0071】[実施例10] 実施例1の複合酸化物1の100重量部に対して、さら
にモリブデン酸アンモニウム及び酸化ニオブを追加して
2 5 が5重量%,WO3 が5重量%,MoO3 が5
重量%,Nb2 5 が1重量%となるように担持し、実
施例1と同様に操作してハニカム触媒26を得た。
【0072】[触媒活性評価] 実施例1〜10、参考例1〜10で得られた上記ハニカ
ム触媒1〜26、及び比較例1で得られた比較ハニカム
触媒1を用いて実排ガスによるダイオキシンの触媒分解
試験を行った。試験条件や実排ガスの組成等を以下に示
す。 温 度 : 200℃ ガス量 : 152Nm3 /h 触媒形状: 150mm×150mm×750mm(16.9L) GHSV: 9000h-1 空塔速度: 3.3m/s 〔ガス組成〕 入口ダイオキシン濃度: 5ng−TEQ/m3 N H2 O : 20% O2 : 10% N2 : バランス なお、触媒前後におけるダイオキシン濃度はTEQ値に
て表示し、分析は排ガスを吸引して、種々の濃縮工程を
経て質量分析計を用いて行った。触媒反応装置の入口と
出口のダイオキシン類濃度をそれぞれ測定し、下記式
(1)より、ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾ−p−
ダイオキシン類(PCDDs)及びポリ塩化ジベンゾフ
ラン類(PCDFs))の分解率(η)を測定した。そ
の試験条件及び試験結果を「表2」,「表3」に示す。
【0073】 分解率(η)=(1−出口DXN濃度/入口DXN濃度)×100 …(1)
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】この結果より、実排ガスを開発触媒に接触
させることにより、いずれの場合も触媒出口ダイオキシ
ン濃度は、0.1ng−TEQ/m3 N以下を達成できる
ことがわかった。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の「請求項
1]によれば、チタン(Ti),シリコン(Si),ア
ルミニウム(Al),Zr(ジルコニウム),P(リ
ン),B(ボロン)から選ばれる少なくとも二種の元素
を含む複合酸化物からなる担体と、バナジウム(V),
タングステン(W),モリブデン(Mo),ニオブ(N
b)又はタンタル(Ta)の酸化物のうち少なくとも一
種類の酸化物からなる活性成分とからなると共に、比表
面積が100m2 /g以上であり固体酸量が0.36mm
ol/g以上の触媒であり、150〜250℃で排ガス
中の有害物質を分解するので、低温においてもダイオキ
シン類の分解及び脱硝率が良好なものとなる。
【0078】[請求項2]の発明によれば、請求項1に
おいて、請求項1において、比表面積が100〜150
2 /gであり固体酸量が0.36〜0.45mmol/g
触媒であるので、低温においてもダイオキシン類の分解
及び脱硝率が良好なものとなる。
【0079】[請求項3]の発明によれば、請求項1に
おいて、複合酸化物を構成する担体が、チタン(Ti)
とシリコン(Si),チタン(Ti)とアルミニウム
(Al),チタン(Ti)とジルコニウム(Zr),チ
タン(Ti)とリン(P),チタン(Ti)とボロン
(B)のいずれか一種からなる二成分系の複合酸化物で
あるので、固体酸量が増大するので、複合酸化物による
相乗効果が発揮され、ダイオキシン類等の分解が可能と
なる。
【0080】[請求項]の発明は、排ガス中の有害物
質を請求項1乃至のいずれか一項の触媒に接触させる
ので、排ガス中の有害物質を分解処理することができ
る。
【0081】[請求項]の発明は、特に上記排ガス中
の有害物質がダイオキシン類,ポリ塩化ビフェニル類,
クロルベンゼン類,クロロフェノール及びクロロトルエ
ンから選ばれる少なくとも一種の塩素化芳香族化合物を
分解処理することができる。
【0082】[請求項]の発明は、請求項におい
て、アンモニアの存在下においては、更に窒素酸化物を
選択的に還元して分解処理することができる。
【0083】[請求項]の発明は、焼却炉から排出さ
れる排ガスを浄化する排ガス処理装置であって、排ガス
中の煤塵を除塵する除塵装置と、該除塵装置の後流側に
設けた請求項1乃至の排ガス処理用触媒を有する触媒
装置とからなるので、固体酸量の増大により排ガス中の
ダイオキシン類,ダイオキシン類の前駆体,PCB等の
塩素化芳香族化合物、高縮合度芳香族炭化水素の酸化分
解が可能となる。
【0084】[請求項10]の発明は、請求項におい
て、上記触媒装置に塩基性物質を導入する手段を設けた
ので、また塩基性ガスの添加により脱硝が可能となり、
両者の併合した分解が可能となる。
【0085】[請求項11]の発明は、請求項9又は1
において、上記触媒装置に導入する排ガスの温度を1
50〜250℃としたので、低温においても有害物質の
分解が可能となる。
【0086】また、脱硝用の触媒と塩素化芳香族化合
物,高縮合度芳香族炭化水素の酸化分解用の触媒とを別
々にした触媒装置を並列にしても排ガスの分解が可能と
なる。
【0087】さらに、本発明による触媒装置と低温除塵
装置とを組み合わせることにより、排ガス中のダイオキ
シン類等の塩素化芳香族化合物、高縮合度芳香族炭化水
素の除去及び脱硝が可能となると共に、ダスト,HC
l,SOx,重金属等の有害物質を一括同時に除去する
ことが可能となる。
【0088】以上のように、本発明によれば、Ti系の
複合酸化物を担体とする触媒は比表面積、固体酸量を大
幅に増大させることができるため、ダイオキシン等の有
機塩素化合物を容易に、かつ効率的に分解除去できる。
そして、本発明の触媒を用いれば、環境問題等の生じな
い低濃度まで有害な有機塩素化合物を除去できるので、
産業上極めて大きな意義を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】排ガス処理装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
11 排ガス 12 除塵装置 13 触媒装置 14 煙突 15 アンモニア注入ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 23/30 ZAB B01J 35/10 301F 27/199 B01D 53/36 102C 35/10 301 G (72)発明者 志田 惠 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地 1 三菱重工業株式会社 横浜研究所内 (72)発明者 野島 繁 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 飯田 耕三 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (56)参考文献 特開 平8−229402(JP,A) 国際公開92/19366(WO,A1)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン(Ti),シリコン(Si),ア
    ルミニウム(Al),Zr(ジルコニウム),P(リ
    ン),B(ボロン)から選ばれる二種の元素を含む複合
    酸化物からなる担体と、バナジウム(V),タングステ
    ン(W),モリブデン(Mo),ニオブ(Nb)又はタ
    ンタル(Ta)の酸化物のうち少なくとも一種類の酸化
    物からなる活性成分とからなると共に、比表面積が10
    0m2 /g以上であり固体酸量が0.36mmol/g以
    上の触媒であり、150〜250℃で排ガス中の有害物
    質を分解することを特徴とする排ガス処理用触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1において、比表面積が100〜
    150m2 /gであり固体酸量が0.36〜0.45mmo
    l/g触媒であることを特徴とする排ガス処理用触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1において、複合酸化物を構成す
    る担体が、,チタン(Ti)とシリコン(Si),チタ
    ン(Ti)とアルミニウム(Al),チタン(Ti)と
    ジルコニウム(Zr),チタン(Ti)とリン(P),
    チタン(Ti)とボロン(B)のいずれか一種からなる
    二成分系の複合酸化物であることを特徴とする排ガス処
    理用触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1において、複合酸化物が共沈法
    又は加熱加水分解法のいずれかによりなり、その後20
    0〜650℃で焼成してなることを特徴とする排ガス処
    理用触媒。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれか一項の触媒に
    おいて、上記排ガス中の有害物質がダイオキシン類,ポ
    リ塩化ビフェニル類,クロルベンゼン類,クロロフェノ
    ール及びクロロトルエンから選ばれる少なくとも一種の
    塩素化芳香族化合物であることを特徴とする排ガス処理
    用触媒。
  6. 【請求項6】 排ガス中の有害物質を請求項1乃至4の
    いずれか一項の触媒に接触させ、排ガス中の有害物質を
    分解処理することを特徴とする排ガス処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、上記排ガス中の有害
    物質がダイオキシン類,ポリ塩化ビフェニル類,クロル
    ベンゼン類,クロロフェノール及びクロロトルエンから
    選ばれる少なくとも一種の塩素化芳香族化合物であるこ
    とを特徴とする排ガス処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項6において、アンモニアの存在下
    に、窒素酸化物を選択的に還元して分解することを特徴
    とする排ガス処理方法。
  9. 【請求項9】 焼却炉から排出される排ガスを浄化する
    排ガス処理装置であって、排ガス中の煤塵を除塵する除
    塵装置と、該除塵装置の後流側に設けた請求項1乃至3
    のいずれか一項の排ガス処理用触媒を有する触媒装置と
    からなることを特徴とする排ガス処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、上記触媒装置に塩
    基性物質を導入する手段を設けたことを特徴とする排ガ
    ス処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10において、上記触媒
    装置に導入する排ガスの温度を150〜250℃とした
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項9乃至11のいずれか一項の排
    ガス処理装置において、上記排ガス中の有害物質がダイ
    オキシン類,ポリ塩化ビフェニル類,クロルベンゼン
    類,クロロフェノール及びクロロトルエンから選ばれる
    少なくとも一種の塩素化芳香族化合物であることを特徴
    とする排ガス処理装置。
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