JP2003220317A - 燃焼排ガスの処理方法およびそのシステム - Google Patents

燃焼排ガスの処理方法およびそのシステム

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JP2003220317A
JP2003220317A JP2002021243A JP2002021243A JP2003220317A JP 2003220317 A JP2003220317 A JP 2003220317A JP 2002021243 A JP2002021243 A JP 2002021243A JP 2002021243 A JP2002021243 A JP 2002021243A JP 2003220317 A JP2003220317 A JP 2003220317A
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combustion exhaust
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temperature
catalyst
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JP2002021243A
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Tetsuya Sakuma
哲哉 佐久間
Kazuki Nishizawa
和樹 西澤
Kimitoshi Ose
公利 小瀬
Megumi Shida
惠 志田
Mamoru Ushiogi
守 潮木
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼排ガス中に含まれるダイオキシン等の有
害物質を、排ガス中から浄化処理するのに好適な燃焼排
ガスの処理方法を提供する。 【解決手段】 有害物質を含む燃焼排ガスの処理方法で
あって、バグフィルター出口における排ガス温度が13
0〜200℃の範囲で、該バグフィルターにて排ガス中
の有害物質の一部を除去した後、該バグフィルターの後
流に設けられる触媒反応塔にて、低温活性触媒に130
〜200℃で排ガスを流通させて、排ガス中の有害物質
を酸化分解することによって除去することを特徴とする
燃焼排ガスの処理方法、並びに、燃焼排ガスの処理シス
テム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば都市ゴミ焼
却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉、
熱分解炉、および、ガス化溶融炉もしくは灰溶融炉など
から排出される燃焼排ガスの処理方法およびそのシステ
ムに関し、特に、燃焼排ガス中に含まれるダイオキシン
等の有害物質や窒素酸化物(NOx)等を、浄化処理す
るのに好適な燃焼排ガスの処理方法およびそのシステム
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、廃棄物焼却炉から排出される燃焼
排ガス中に、多くの有害成分が含まれていることが問題
になっており、特にダイオキシン等の極めて有害な有機
物が含まれることが懸念されている。しかし、単に焼却
処理によってこれらの有害物質を無くそうとすると、焼
却温度を極めて高温にする必要があり、実際には、各種
の焼却炉でこのような極めて高温での連続運転による焼
却処理は容易でない。そこで窒素酸化物(NOx)やダイ
オキシン等を含む、ごみ焼却炉,産廃処理施設等からの
排ガスは、一般的にはバグフィルターにて、ダスト等を
除去後、約210℃以上の高温に昇温した後、触媒反応塔
により窒素酸化物やダイオキシン類を分解除去して、無
害化することが行われている。
【0003】しかしながら、従来の方法では、触媒反応
塔における触媒の十分な活性を引き出すため、排ガスを
210℃以上に昇温する必要があり、蒸気式再加熱器(SG
H)またはバーナ等の昇温設備とそのための蒸気や燃料
が必要となっており、運転コストの負担が大きく、シス
テムも複雑であった。また、触媒を200℃以下の低温
で用いる場合には、アンモニアと硫黄酸化物が共存する
雰囲気下では、反応によって硫安又は酸性硫安が生成す
る速度が速くなり、触媒表面、特に触媒の細孔内に硫安
が堆積してしまい、触媒活性が低下するという問題があ
り、困難であった。
【0004】一般に、廃棄物の焼却炉から排出されるガ
スには、窒素酸化物が100〜150ppm程度は含ま
れている。触媒反応塔における脱硝触媒で窒素酸化物を
除去するには、窒素酸化物とアンモニアとは1対1で反
応することから、例えば窒素酸化物が150ppm存在
すると100%除去するには150ppmのアンモニアが
必要になる。実際のシステムでは要求される窒素酸化物
除去率に対応し、当量比(窒素酸化物に対するアンモニ
アの割合)1以下の0.5〜0.8のアンモニアを投入
することが行われ、例えば75〜100ppm程度のア
ンモニアを噴霧する。このように排ガス中に存在する硫
黄酸化物とともに注入されたアンモニアが存在する雰囲
気下では、硫安又は酸性硫安の生成が進行する。この硫
安又は酸性硫安の生成は平衡反応であり、硫黄酸化物濃
度やアンモニア濃度が高いほど、また温度が低いほど特
に200℃以下になると急速に硫安又は酸性硫安の生成す
る方向に反応が進行する。従って、200℃以下の温度
領域では、被毒物質となる硫安又は酸性硫安の生成が顕
著となり、触媒性能が低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点に鑑み、バグフィルター流通後の排ガスを200℃
を超えるような高温にまで加熱することなく、昇温設備
なしで触媒反応塔に通ガスして、ダイオキシン等の有害
物質を除去できるとともに、低温活性触媒を用いて20
0℃以下の例えば150℃程度で処理する場合に、触媒
表面に硫安が析出して活性低下を招くことを有効に防止
できる排ガスの処理方法を開発すべく、鋭意検討した。
その結果、本発明者らは、130〜200℃においても
活性の高い低温活性触媒を触媒反応塔に採用するととも
に、触媒反応塔に導入する排ガス中の触媒被毒物質の原
料である、硫黄酸化物(SOx)濃度を5ppm以下あるい
は供給するアンモニア(NH3)当量比を0.4以下にまで低減
することによって、かかる課題が解決されることを見い
出した。本発明は、かかる見地より完成されたものであ
り、触媒被毒物質である硫安を生じさせないために、硫
黄酸化物(SOx)濃度あるいはアンモニア濃度をシステ
ム中で調整して、触媒反応塔に流下させることにより、
触媒活性の低下を回避して、寿命を大幅に伸ばすことが
できる。また、システムとしても再加熱が不要となる利
点や、設備が簡略化できる利点もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、有
害物質を含む燃焼排ガスの処理方法であって、バグフィ
ルター出口における排ガス温度が130〜200℃の範
囲で、該バグフィルターにて排ガス中の有害物質の一部
を除去した後、該バグフィルターの後流に設けられる触
媒反応塔にて、低温活性触媒に130〜200℃で排ガ
スを流通させて、排ガス中の有害物質を酸化分解するこ
とによって除去することを特徴とする燃焼排ガスの処理
方法を提供するものである。ここで前記低温活性触媒に
は、Ti,Si,Al,Zr,P,BおよびCeからなる群より選ばれた
少なくとも1種の元素を含む酸化物よりなる担体と、V,
Nb,Ta,WおよびMoからなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素を含む酸化物と、を含む触媒が好適に挙げられ
る。また、前記低温活性触媒は、比表面積90m2/g以上で
あることが好ましい。
【0007】前記低温活性触媒の好適な例としては、特
許公報第2948578号、特許公報第3021420
号、特許公報第3212577号、公開特許公報特開2
000−93750号、あるいは公開特許公報特開平1
1−57469号、に記載された排ガス処理用触媒を用
いることができる。これら低温活性触媒として具体的に
は、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)もし
くはその複合酸化物を担体として、バナジウム酸化物(V
2O5),タングステン酸化物(WO3),MoO3やTa2O5あるい
はこれらの複合酸化物またはこれらの混合酸化物等を担
持した触媒が挙げられる。
【0008】バグフィルターと触媒反応塔との間におい
ては、湿式洗煙塔により燃焼排ガス中の硫黄酸化物を除
去することができ、この場合、湿式洗煙塔の後流におい
て、蒸気式再加熱器によって燃焼排ガスを昇温してから
触媒反応塔に流通させる。この態様では、触媒反応塔前
での湿式洗煙塔(湿式設備)により低温での触媒被毒の
要因となる硫黄酸化物SOxを5ppm以下まで低減すること
が可能であり、触媒寿命が伸びるとともに、再加熱が不
要又はエネルギー低減となる。また、バグフィルターと
触媒反応塔との間においては、燃焼排ガス中にアンモニ
アを投入する態様、さらに燃焼排ガスを発生する焼却炉
の出口において、アンモニアを注入することによって排
ガス中の窒素酸化物の一部を除去する態様も好適に用い
られる。かかる態様によれば、焼却炉内にNH3を注入し
炉内脱硝を行うことで、SCR脱硝負荷を低減させ、前段
で供給するNH3が減少して好ましくは当量比0.4以下に減
ることで低温での触媒寿命を伸ばし、再加熱を不要とす
ることができる。一方、本発明の処理方法では、ダイオ
キシン等の有害物質の除去のみを目的とすることで、低
温での触媒被毒の要因となるNH3の触媒反応塔前段での
供給を止め、流下するNH3が減少して好ましくは5pp
m以下に減ることで低温での触媒寿命が伸び、再加熱を
不要とすることもできる。
【0009】本発明の処理対象である燃焼排ガス中に
は、有害物質としてダイオキシン類、ポリハロゲン化ビ
フェニル類、ハロゲン化ベンゼン類、ハロゲン化フェノ
ール類、ハロゲン化トルエン類などが含まれており、特
にダイオキシン類としては具体的には、例えばPCDDs,PC
DFs,PBDDs,PBDFs,PFDDs,PFDFs,PIDDs,PIDFsなどが挙げ
られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る方法につい
て、添付図面である図1〜図5のシステム例を参照しな
がら、その具体的な実施形態を詳細に説明する。
【0011】焼却炉1で燃焼したゴミについては、焼却
によって高温ガスが発生する。高温ガスは通常、熱を回
収するための熱交換用ボイラを経てから、減温塔(E
C)2に至る。減温塔の手前では、ガス温度は通常23
0〜300℃程度である。減温塔2では、後流のバグフ
ィルター3に導入するのに適した温度まで、ガスを減温
する。減温塔内では、水を噴霧・蒸発させることによっ
て、ガス温度を低下させる。
【0012】バグフィルター3では、消石灰を入れて硫
黄酸化物やHCl等の酸性ガスとの反応生成物の回収やダ
ストの回収を行うが、温度は低い方がダイオキシン等の
有害物質を捕捉・回収しやすい。バグフィルター3内に
はダストを濾過するための濾布が設置されているため、
ここでの濾過による捕捉に適した温度に減温するのが減
温塔2である。
【0013】湿式洗煙塔4は任意に設けられる装置であ
るが、バグフィルター3で酸性ガス除去のための薬品を
噴霧しなかった場合に用いる装置である。バグフィルタ
ー3で酸性ガスを回収するために、消石灰を投入する場
合には、この湿式設備は設置しない。
【0014】触媒反応塔6では、ガスに対して有効に触
媒を作用させるために、従来はガス温度が210℃以上
であることが必要であった。よってスチームガスヒータ
ー5(SGH)を用いて、後流の触媒反応塔(SCR)
6で用いられる触媒のために、従来はガス温度を210
℃以上に昇温していた。バグフィルターの出口ガス温度
は通常150℃程度であり、湿式設備が設置されている
システムでは、SGH入口のガス温度は60〜70℃程
度である。触媒反応塔(SCR)6は、内部に触媒を備
えた反応装置である。この触媒反応塔6あるいはその直
前では、窒素酸化物(NOx)を除去するためのアンモ
ニア(NH3)をガス中に導入する方法がある。触媒反応塔
6では、窒素酸化物を窒素と水に還元分解して、除去で
きる。これは内部に備えられた触媒が、窒素酸化物を還
元する作用を有しているためである。
【0015】この触媒反応塔で用いる脱硝触媒は、例え
ば発電所では最も効率の良い温度、具体的には約350
℃程度で使用されている。しかし、廃棄物処理システム
(廃棄物焼却炉の後段など)に用いる場合には、350
℃程度で使用してしまうと、排ガス中の塩類等の一部成
分が融点(m.p.)を超えてしまい、触媒の表面に付着して
しまう現象が生じ、活性が著しく低下する。よって、こ
れら排ガス中の各成分が固体の温度領域で触媒を使用す
ることが必要であり、従来、廃棄物処理システムでは排
ガス中の塩類等の成分が固体の温度領域、例えば210
℃付近で触媒が使用されていた。本発明では、上記低温
活性触媒を用いることによって、更に低い200℃以下
の温度で触媒を使用することを可能とするとともに、触
媒の劣化を抑制して、触媒寿命を大幅に伸ばすことがで
きる。
【0016】本発明で用いる低温活性触媒は、酸化作用
によってダイオキシン等の有害物質を酸化分解する作用
を有している。そして、本発明の処理方法では、触媒反
応塔6で用いる触媒を、低温活性触媒にすることによっ
て、システム全体としての設備の簡略化や省エネルギー
化が可能となり、排ガス中からダイオキシン等の有害物
質を分解除去できる。
【0017】本発明において、低温活性触媒を130〜
200℃にて触媒反応塔(SCR)6で使用するために
は、硫安又は酸性硫安の析出を抑制する必要から、先ず
1つには、投入される排ガス中の硫黄酸化物の量を5p
pm以下にする方法が挙げられる。SCRの直前で5p
pm以下にするには、例えば湿式洗煙塔4を設けて硫黄
酸化物の濃度を低減させることがよい。窒素酸化物をダ
イオキシン等の有害物質と共に除去するには、アンモニ
アを注入することが必要であるが、硫黄酸化物がなけれ
ばアンモニアを注入しても触媒の劣化が少ないからであ
る。システム構成として図2等の態様では、ECとバグ
フィルターの間にて、消石灰(Ca(OH)2)等の酸性ガス
除去のための中和剤を投入する。
【0018】図1のシステムでは、SGH5において1
50℃まで昇温すれば足り、210℃までの昇温は必要
ない。これは、触媒反応塔6において低温で触媒活性の
高い触媒を用いることによって、150℃のガスを流通
させることで処理可能となるためである。この場合、湿
式設備4の出口ガス温度は通常60〜70℃程度であ
り、このガスを昇温する。触媒反応塔6の直前では、湿
式設備を設けることによって、排ガス中の硫黄酸化物濃
度を5ppm以下にする。バグフィルター3出口におい
て、例えば一般廃棄物の焼却によるガスに10〜200
ppmの硫黄酸化物が存在していても、湿式設備4を通
過させることによって、1〜5ppmあるいは1ppm
以下の濃度に低減できる。また、産業廃棄物の焼却によ
るガスに100〜2000ppm程度の硫黄酸化物が存
在していても、同様に湿式設備4によって、濃度を低減
できる。
【0019】図1のシステムでは、湿式設備によってガ
ス温度が低下するので、必ずSGH5によるガスの昇温
が必要とされる。よって、システムとしてはSGHは必要
であるが、運転においては、排ガスの昇温が少なくて足
りるので、エネルギー的には従来より有利である。焼却
炉1は超大型から小型に至るまでの種々の焼却炉が対象
であり、1日の処理量が500〜1000トン規模の大
型のマルチタイプの焼却炉、あるいは、1日の処理量が
50〜100トン規模の中型・小型焼却炉まで対象であ
る。
【0020】次いで本発明において、低温活性触媒を1
30〜200℃にて触媒反応塔(SCR)6で使用する
ためには、硫安又は酸性硫安の析出を抑制する必要か
ら、他の1つには、排ガス中へ供給するアンモニア当量
比を0.4以下にする方法が挙げられる。
【0021】図2のシステムは、ガス化溶融炉や灰溶融
炉から排出されるガスを処理するものである。ガス化溶
融炉10は、1日の処理量が50トン程度の小型の溶融
炉から、1日の処理量が200〜300トンクラスの大
型の溶融炉までが対象である。また、溶融炉の前段で廃
棄物を1日1000トン焼却すれば、その約15%程度
は灰として排出され、150トン程度の灰を処理する必
要があり、灰溶融炉11で処理される。ここでの灰溶融
炉11には、通常、電気溶融炉が用いられる。図2のシ
ステムでは、硫黄酸化物の量が触媒反応塔6入口で20
ppm以下に抑制されていれば、炉からの排ガスのアン
モニア濃度が5ppm以下であるので、触媒上での硫安
又は酸性硫安の生成速度が極めて遅くなる。
【0022】図3のシステムでは、図1のシステムから
湿式設備とSGHが除かれている。このシステムでは、
湿式設備を設置していないために、バグフィルター3か
ら排出される150℃程度のガスをそのまま触媒反応塔
6に導入することができる。従来の触媒を用いる場合に
は、触媒反応塔6にて210℃以上にガス温度を上げて
おく必要から、このような湿式設備を有しないシステム
においてもSGHが必要であった。本発明では低温活性
触媒を用いるのでSGHが不要であり、図3のシステム
では湿式設備を設置しないので、システムとして簡略化
できる。この図3のシステムでは、仮にアンモニアを注
入してしまうと、バグフィルター3を通過しても硫黄酸
化物(SOx)は一定量存在しているため、150℃程
度のガスが触媒反応塔6に投入されて、硫安の析出が起
こる。これでは触媒の劣化が生じてしまう。そこで、本
システムでは、窒素酸化物を除去するためのアンモニア
を導入しておらず、低温活性触媒には専らダイオキシン
等の有害物質を酸化分解させるものである。よって、触
媒反応塔6ではアンモニアと硫黄酸化物とによる硫安の
生成が起こり難く、触媒の被毒、活性低下の問題が生じ
難いという利点がある。窒素酸化物については規制基準
は各国で異なるので、本発明の処理方法では、窒素酸化
物の排出量に応じたシステムとすることができる。
【0023】なお、図3のシステムにおいても、炉から
のアンモニア(リークアンモニア)が5ppm以下であ
るが排ガス中に存在する。これは、廃棄物中にアンモニ
ア成分が存在しているためである。廃棄物は焼却炉の中
でガス化燃焼しており、アンモニアの多くは焼却炉内部
で燃焼してしまっているが、燃え残りや反応が進行しな
い成分が残留してしまう。このリークアンモニアは、焼
却炉の出口からバグフィルターを通過して、脱硝触媒の
設置された触媒反応塔6まで流下する。図3のシステム
では、硫黄酸化物の量が触媒反応塔6入口で20ppm
以下に抑制されていれば、排ガス中のアンモニア濃度が
5ppm以下であるので、触媒上での硫安又は酸性硫安
の生成速度が極めて遅くなる。
【0024】図4のシステムでは、図3のシステムに加
えて、バグフィルター3の後段であって触媒反応塔6の
前段にて、アンモニアを投入している。このシステムで
は触媒反応塔内でアンモニアと硫黄酸化物が共存する雰
囲気下となるため、硫安又は酸性硫安の析出による触媒
劣化は起こるものの、硫黄酸化物濃度が低い排ガスの場
合には、SGHが不要になる分のシステムの簡略化やコ
ストメリットが大きい。
【0025】図5のシステムでは、図4のシステムに加
えて、焼却炉1においてアンモニアを投入している。通
常、焼却炉1では、ホッパーから廃棄物を投入して、フ
ィーダー部に廃棄物の層ができる。その廃棄物層には火
炎が立ち、炉内温度は例えば約900℃程度になってい
る。廃棄物を焼却した際には、ガス中にアンモニアと窒
素酸化物が存在し、焼却炉内部のような600℃以上の
高温領域では無触媒で脱硝反応が進行する。そこで燃焼
してしまったり、脱硝反応に使用したりすることによっ
て、廃棄物から生じるアンモニアの方が多く消費され
る。よって、その消費分のアンモニアを炉内に注入する
ことによって、より多くの窒素酸化物をアンモニアと反
応させることができる。本システムでは、このような焼
却炉1内部での無触媒脱硝法によって窒素酸化物を低減
するシステムである。図5のシステムでは、焼却炉1に
おける無触媒脱硝法によって窒素酸化物は低減され、通
常100〜150ppmの窒素酸化物を含む焼却炉から
のガスが、50〜70ppmの濃度にまで低下される。
これによって、触媒反応塔6の直前で投入するアンモニ
アの量を減少させることができ、触媒と共存するガス中
のアンモニア濃度を低減することが可能となる。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る処理方法およびシステムに
よれば、バグフィルター流通後の排ガスを200℃を超
えるような高温にまで加熱することなく、昇温設備なし
で触媒反応塔に通ガスして、ダイオキシン等の有害物質
を除去できるとともに、低温活性触媒を用いて200℃
以下の例えば150℃程度で処理する場合に、触媒表面
に硫安又は酸性硫安が析出して活性低下を招くことを有
効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法を用いるのに好適なシステム
の一例を模式的に示す構成図である。
【図2】本発明の処理方法を用いるのに好適なシステム
の他の一例を模式的に示す構成図である。
【図3】本発明の処理方法を用いるのに好適なシステム
の他の一例を模式的に示す構成図である。
【図4】本発明の処理方法を用いるのに好適なシステム
の他の一例を模式的に示す構成図である。
【図5】本発明の処理方法を用いるのに好適なシステム
の他の一例を模式的に示す構成図である。
【符号の説明】
1 焼却炉 2 減温塔(EC) 3 バグフィルター 4 湿式洗煙塔 5 蒸気式再加熱器(SGH) 6 触媒反応塔 7 煙突 10 ガス化溶融炉 11 灰溶融炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小瀬 公利 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 志田 惠 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 潮木 守 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 4D002 AA02 AC04 BA02 BA03 BA14 CA01 CA11 DA05 GA01 GB03 4D048 AA06 AA11 AB02 AB03 AC04 BA03Y BA04Y BA06Y BA07Y BA08Y BA19Y BA23Y BA24Y BA26Y BA27Y BA44Y CA03 CC52 CD02 CD03 CD05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害物質を含む燃焼排ガスの処理方法で
    あって、 バグフィルター出口における排ガス温度が130〜20
    0℃の範囲で、該バグフィルターにて排ガス中の有害物
    質の一部を除去した後、該バグフィルターの後流に設け
    られる触媒反応塔にて、低温活性触媒に130〜200
    ℃で排ガスを流通させて、排ガス中の有害物質を分解す
    ることによって除去することを特徴とする燃焼排ガスの
    処理方法。
  2. 【請求項2】 前記低温活性触媒が、Ti,Si,Al,Zr,P,B
    およびCeからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素
    を含む酸化物よりなる担体と、V,Nb,Ta,WおよびMoから
    なる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む酸化物
    と、を含むことを特徴とする請求項1記載の燃焼排ガス
    の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記低温活性触媒が、比表面積90m2/g以
    上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼
    排ガスの処理方法。
  4. 【請求項4】 前記バグフィルターと触媒反応塔との間
    において、湿式洗煙塔により燃焼排ガス中の硫黄酸化物
    を除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の燃焼排ガスの処理方法。
  5. 【請求項5】 前記湿式洗煙塔の後流において、蒸気式
    再加熱器によって燃焼排ガスを昇温してから触媒反応塔
    に流通させることを特徴とする請求項4記載の燃焼排ガ
    スの処理方法。
  6. 【請求項6】 前記バグフィルターと触媒反応塔との間
    において、燃焼排ガス中にアンモニアを投入することを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃焼排ガス
    の処理方法。
  7. 【請求項7】 燃焼排ガスを発生する焼却炉の出口にお
    いて、アンモニアを注入することによって排ガス中の窒
    素酸化物の一部を除去することを特徴とする請求項1〜
    3および6のいずれかに記載の燃焼排ガスの処理方法。
  8. 【請求項8】 有害物質を含む燃焼排ガスの処理システ
    ムであって、 出口における排ガス温度が130〜200℃の範囲で、
    流通する排ガス中の有害物質の一部を除去する、バグフ
    ィルターと、 該バグフィルターの後流に設けられ、低温活性触媒に1
    30〜200℃で排ガスを流通させて、排ガス中の有害
    物質を分解する、触媒反応塔を含むことを特徴とする燃
    焼排ガスの処理システム。
  9. 【請求項9】 前記低温活性触媒が、Ti,Si,Al,Zr,P,B
    およびCeからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素
    を含む酸化物よりなる担体と、V,Nb,Ta,WおよびMoから
    なる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む酸化物
    と、を含むことを特徴とする請求項8記載の燃焼排ガス
    の処理システム。
JP2002021243A 2002-01-30 2002-01-30 燃焼排ガスの処理方法およびそのシステム Pending JP2003220317A (ja)

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