JP2005126317A - ハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハニカム構造体の製造過程において回収される未焼成の再生原料(SiCの場合、焼成物も可)を用いて、ハニカム構造体を製造する際に、元来の出発原料を用いた場合と同程度の低熱膨張性及び気孔率を有するとともに、歩留まりの向上と大幅なコスト削減が可能であるハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体を提供する。
【解決手段】ハニカム構造体の製造過程で発生したハニカム構造体の出発原料に由来する回収物から再生された再生原料を、出発原料の一部として用いたハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体である。再生原料が平均粒子径10〜2000μmであり、平均粒子径2800μm以上の粒子が10重量%以下に粉砕されている。
【選択図】なし
【解決手段】ハニカム構造体の製造過程で発生したハニカム構造体の出発原料に由来する回収物から再生された再生原料を、出発原料の一部として用いたハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体である。再生原料が平均粒子径10〜2000μmであり、平均粒子径2800μm以上の粒子が10重量%以下に粉砕されている。
【選択図】なし
Description
本発明は、ハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体に関する。
ディーゼルエンジン排気ガスのような含塵流体中に含まれる粒子状物質を捕集除去するためのフィルタ(ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF))、又は排気ガス中の有害物質を浄化する触媒成分を担持するための(排ガス浄化用)触媒担体として、複数のそれぞれ隣接したセルの複合体を形成するセル隔壁(リブ)と、このセル複合体の最外周に位置する最外周セルを囲繞して保持するハニカム外壁とから構成された多孔質のハニカム構造体が広く用いられ、また、その構成材料として、耐火性の炭化珪素(SiC)や、コージェライト等、又はこれらの複合材料等が用いられている。
また、従来のDPFに酸化触媒を担持し、堆積したパティキュレートを酸化及び燃焼して連続的に再生する再生方式が採用されたDPF(触媒再生用DPF)の開発が進展している。
ところで、上記ハニカム構造体を経済的に製造する方法としては、ハニカム構造体の製造過程で発生したハニカム構造体の出発原料に由来する回収物(例えば、乾燥工程から焼成工程に移行する際に何らかの理由により、除外された未焼成の成形体、若しくはその破片等の未焼成の乾燥物(SiCの場合、焼成物も含む))から、出発原料組成物を調製(再生)し、再生原料として成形体の成形に再び使用することが、歩留まりの向上とコスト削減の上で好ましい。
コージェライト・セラミック体の場合、再生原料として使用するため、回収物である未焼成の乾燥物を粉砕すると、その粉砕粉を用いて製造したコージェライト・セラミック体は多くの場合、元来の出発原料を用いて製造されたコージェライト・セラミック体に比べて熱膨張係数が大きく、耐熱衝撃性も低下するため、排気ガス浄化用ハニカム触媒担体として使用できなくなるという問題点があった。
以上の点を解消するため、例えば、回収物である未焼成の乾燥物を、軽粉砕工程にて解砕、粉砕及び分級により、調製(再生)した再生原料として使用したり(特許文献1参照)、未焼成の再生原料中に含まれるバインダーの少なくとも一部を再生原料から取り除いた後に、再生原料を粉砕して粉砕粉を作製し、粉砕粉に水分、バインダー等を加え、かつ混練することによって再生坏土を作製し、再生坏土を成形し焼成したり(特許文献2参照)、未焼成の再生原料を粉砕して粉砕物を作製し、その粉砕物より、直径1mm未満の粉砕物を除去し、残った粉砕物に水分を加え、且つ、混練することによって、再生粘土を作製し、再生粘土を成形し、焼成する(特許文献3参照)コージェライト・セラミック体及びその製造方法がそれぞれ提案されている。
特許第1703709号公報
特開2000−302533号公報
特開平8−119726号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、上記再生原料の粒度を10μm未満に粉砕した場合、粉砕効率が悪く、コストが掛かるだけでなく、粉砕設備の摩耗が大きくなり、不純物の混入が多くなる恐れがあった。特許文献2の方法では、再生原料を熱処理等してバインダーを除去するため、製造コストが高くなり、特許文献3の方法では、1mm以下の再生原料を除去するため、再生原料の収率が悪く、再生原料も粗いため、混練での溶解が不十分になり、ハニカム成形時に目詰まり等を起こす危険性があった。
また、DPFを製造する場合、気孔率を大きくするため、粗い原料を使用する必要があるが、平均粒子径45μm以下の粒子が20重量%を超過して粉砕した再生原料を使用すると、得られたDPFの平均気孔径が小さくなってしまうという問題点があった。
更に、DPFを製造する場合、平均粒子径2800μm以上の粒子が10重量%超過して粉砕した再生原料を使用すると、混練、土練工程で、再生原料が十分に溶解せず、成形時に口金に詰まり、得られたハニカム構造体にセル欠陥が発生する危険性があった。
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ハニカム構造体の製造過程において回収される未焼成の再生原料(SiCの場合、焼成物も可)を用いて、ハニカム構造体を製造する際に、元来の出発原料を用いた場合と同程度の低熱膨張性及び気孔率を有するとともに、歩留まりの向上と大幅なコスト削減が可能であるハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体を提供することにある。
即ち、本発明によれば、ハニカム構造体の製造過程で発生したハニカム構造体の出発原料に由来する回収物から再生された再生原料を、出発原料の一部として用いたハニカム構造体の製造方法であって、該再生原料が、平均粒子径10〜2000μmであり、平均粒子径2800μm以上の粒子が10重量%以下に粉砕されているハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体が提供される。
このとき、本発明では、上記再生原料が、平均粒子径100〜1000μmであり、平均粒子径45μm以下の粒子が20重量%以下であり、且つ粒子径1400μm以上の粒子が10重量%以下に粉砕されていることが好ましい。
また、本発明では、上記回収物が未焼成の乾燥物であることが好ましく、ハニカム構造体がコージェライト質であることが好ましい。
更に、本発明では、ハニカム構造体が、その両端面を千鳥格子状に互い違いに目封じされたフィルター構造であることが好ましい。
本発明によれば、不適合なハニカム構造体から回収された再生原料や、ハニカム構造体の製造過程で発生したハニカム構造体の出発原料に由来する回収物を少なくとも原料の一部に用いるため、元来の出発原料を用いた場合と同程度の低熱膨張性及び気孔率を有するハニカム構造体を得ることができる。このように、本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、歩留まりの向上と大幅なコスト削減が可能である。
本発明に係るハニカム構造体の製造方法は、ハニカム構造体の製造過程で発生したハニカム構造体の出発原料に由来する回収物から再生された再生原料を、出発原料の一部として用いたものであり、再生原料が、平均粒子径10〜2000μmであり、平均粒子径2800μm以上の粒子が10重量%以下に粉砕されていることにある。これは、再生原料を平均粒子径10μm未満に粉砕すると、粉砕効率が悪く、コストが掛かるだけでなく、粉砕設備の摩耗が大きくなり、不純物の混入が多くなる恐れがあるからである。また、再生原料内に平均粒子径2800μm以上の粒子が10重量%を超過する場合、混練、土練工程で、再生原料が十分に溶解せず、成形時に口金に詰まり、得られたハニカム成形体にセル欠陥が発生する危険性があるだけでなく、焼成後、得られたハニカム構造体(焼成体)の熱膨張率(CTE)が高くなってしまう。
このとき、本発明では、再生原料が、平均粒子径50〜1000μm、粒子径45μm以下の粒子が20重量%以下であり、且つ粒子径1400μm以上の粒子が10重量%以下に粉砕されていることがより好ましい。これは、特に、DPF素地として用いる場合、再生原料内に平均粒径が45μm未満の粒子が30重量%を超過する場合、得られたDPEの平均気孔径が小さくなってしまうからである。
また、本発明では、再生原料が、ハニカム構造体の製造過程における出発原料の1〜70重量%含有されていることが好ましい。これは、再生原料が70重量%を超過すると、粉砕により原料粒子の反応性が異常になり、熱膨張率が大きくなる恐れがあるからである。
更に、本発明では、ハニカム構造体の製造過程で発生したハニカム構造体の出発原料に由来する回収物が、未焼成の乾燥物であることが好ましい。これは、コージェライト質のハニカム構造体を製造する場合、再生原料として、コージェライト化原料として使用することが必要不可欠であるからである。また、炭化珪素質のハニカム構造体を製造する場合、再生原料は、未焼成の乾燥物であっても焼成物であっても構わない。更に、上記回収物が未乾燥物である場合、十分に乾燥させて使用することが好ましい。
以上のことから、本発明のハニカム構造体の製造方法は、ハニカム構造体の製造過程で発生したハニカム構造体の出発原料に由来する回収物を用いて、ハニカム構造体を製造する際に、元来の出発原料を用いた場合と同程度の低熱膨張性及び気孔率を有するとともに、歩留まりの向上と大幅なコスト削減が可能である。また、本発明のハニカム構造体の製造方法は、排気ガス中の有害物質を浄化する触媒成分を担持するための(排ガス浄化用)触媒担体のみならず、ハニカム構造体の両端面を千鳥格子状に互い違いに目封じされたフィルター構造であるDPFに好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1及び比較例2、参照例1)
DPF用のコージェライト化原料を用いたハニカム乾燥体をハンマーミルで粗粉砕し、ロールクラッシャーで粉砕し、必要に応じて篩いに通し、表1に記載の再生原料をそれぞれ得た。次に、コージェライト化原料70重量%に対し、再生原料30重量%添加した出発原料をそれぞれ用意し、バインダーを加えプローシェアーミキサーで3分間混合し、造孔材を添加し、プローシェアーミキサーで3分間混合し、更に、水を噴霧添加し、3分間混合し、シグマ型ニーダーで60分混練し坏土を得た。得られた坏土を真空土練機でシリンダー状坏土を成形し、ラム式押出し成形機でハニカム形状に成形した。得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥し、更に熱風乾燥しハニカム乾燥体を得た。得られたハニカム乾燥体を所定寸法に切断し、コージェライト化原料をスラリー化した目封じ材を、千鳥格子状に互い違いに目封じし、1420℃で6時間焼成し、DPF(セル構造:リブ厚0.3mm、セル数47セル/cm3、サイズ:φ229mm×L254mm)をそれぞれ得た(実施例1〜3、比較例1及び比較例2)。また、DPF用のコージェライト化原料100%を出発原料として上記と同様の製造方法でDPFを得た(参照例1)。得られたDPFの特性を表1に示す。
DPF用のコージェライト化原料を用いたハニカム乾燥体をハンマーミルで粗粉砕し、ロールクラッシャーで粉砕し、必要に応じて篩いに通し、表1に記載の再生原料をそれぞれ得た。次に、コージェライト化原料70重量%に対し、再生原料30重量%添加した出発原料をそれぞれ用意し、バインダーを加えプローシェアーミキサーで3分間混合し、造孔材を添加し、プローシェアーミキサーで3分間混合し、更に、水を噴霧添加し、3分間混合し、シグマ型ニーダーで60分混練し坏土を得た。得られた坏土を真空土練機でシリンダー状坏土を成形し、ラム式押出し成形機でハニカム形状に成形した。得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥し、更に熱風乾燥しハニカム乾燥体を得た。得られたハニカム乾燥体を所定寸法に切断し、コージェライト化原料をスラリー化した目封じ材を、千鳥格子状に互い違いに目封じし、1420℃で6時間焼成し、DPF(セル構造:リブ厚0.3mm、セル数47セル/cm3、サイズ:φ229mm×L254mm)をそれぞれ得た(実施例1〜3、比較例1及び比較例2)。また、DPF用のコージェライト化原料100%を出発原料として上記と同様の製造方法でDPFを得た(参照例1)。得られたDPFの特性を表1に示す。
尚、DPF用のコージェライト化原料は、平均粒径5〜10μmのカオリン10〜30重量%、平均粒径20〜30μmのタルク37〜41重量%、平均粒径2〜5μmの水酸化アルミニウム10〜20重量%、平均粒径4〜8μmの酸化アルミニウム10〜20重量%、平均粒径20〜50μmの溶融シリカ又は石英5〜20重量%の組成物を用いた。
(実施例4〜6、比較例3及び比較例4、参照例2)
ガソリンエンジン排ガス浄化用のコージェライト化原料を用いたハニカム乾燥体をロールクラッシャーで粉砕し、ディシンターで粉砕し、必要に応じて篩いに通し、表2に記載の再生原料をそれぞれ得た。次に、コージェライト化原料70重量%に対し、再生原料30重量%添加した出発原料を用意し、バインダーを添加、プローシェアーミキサーで5分間混合し、更に、水を噴霧添加、プローシェアーミキサーで5分間混合し、2軸連続成形機にてハニカム形状に成形した。得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥し、更に熱風乾燥しハニカム乾燥体を得た。得られたハニカム乾燥体を所定寸法に切断し、1420℃で4時間焼成し、ハニカム構造体(セル構造:リブ厚0.05mm、セル数140セル/cm3、サイズ:φ103mm×L129mm)をそれぞれ得た(実施例4〜6、比較例3及び比較例4)。また、ガソリンエンジン排ガス浄化用のコージェライト化原料100%を出発原料として上記と同様の製造方法でハニカム構造体を得た(参照例2)。得られたハニカム構造体の特性を表2に示す。
ガソリンエンジン排ガス浄化用のコージェライト化原料を用いたハニカム乾燥体をロールクラッシャーで粉砕し、ディシンターで粉砕し、必要に応じて篩いに通し、表2に記載の再生原料をそれぞれ得た。次に、コージェライト化原料70重量%に対し、再生原料30重量%添加した出発原料を用意し、バインダーを添加、プローシェアーミキサーで5分間混合し、更に、水を噴霧添加、プローシェアーミキサーで5分間混合し、2軸連続成形機にてハニカム形状に成形した。得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥し、更に熱風乾燥しハニカム乾燥体を得た。得られたハニカム乾燥体を所定寸法に切断し、1420℃で4時間焼成し、ハニカム構造体(セル構造:リブ厚0.05mm、セル数140セル/cm3、サイズ:φ103mm×L129mm)をそれぞれ得た(実施例4〜6、比較例3及び比較例4)。また、ガソリンエンジン排ガス浄化用のコージェライト化原料100%を出発原料として上記と同様の製造方法でハニカム構造体を得た(参照例2)。得られたハニカム構造体の特性を表2に示す。
尚、ガソリンエンジン排ガス浄化用のコージェライト化原料は、平均粒径2〜10μmのカオリン0〜40重量%、平均粒径5〜20μmのタルク37〜41重量%、平均粒径0.5〜5μmの水酸化アルミニウム0〜25重量%、平均粒径2〜8μmの酸化アルミニウム0〜25重量%、平均粒径3〜20μmの溶融シリカ又は石英0〜25重量%の組成物を用いた。
尚、再生原料の粒度分布測定は、以下の方法で行われた。45μm以上の粒子については、JISの標準篩いによって測定した。45μm以下の粒子については、レーザー回折法による粒度分布測定機(堀場製作所製:LA−910)で測定した。
また、ハニカム特性を以下に示す測定方法で行った。
(1)平均気孔径
マイクロメリティックス社製の水銀圧入式ポロシメーターで細孔分布、平均孔径を測定した。
(2)気孔率
コージェライトの真比重を2.52g/ccとし、全細孔容積から、気孔率を計算した。
(3)熱膨張係数
ハニカム焼成体を流路方向に切り出し、40〜800℃の熱膨張係数を測定した。
(4)セル欠陥数
ハニカム構造体を50ヶ連続整形し、51番目ハニカム構造体の1ヶ当りのセル欠陥数を数えた。
(1)平均気孔径
マイクロメリティックス社製の水銀圧入式ポロシメーターで細孔分布、平均孔径を測定した。
(2)気孔率
コージェライトの真比重を2.52g/ccとし、全細孔容積から、気孔率を計算した。
(3)熱膨張係数
ハニカム焼成体を流路方向に切り出し、40〜800℃の熱膨張係数を測定した。
(4)セル欠陥数
ハニカム構造体を50ヶ連続整形し、51番目ハニカム構造体の1ヶ当りのセル欠陥数を数えた。
(考察:実施例1〜3、比較例1及び比較例2、参照例1)
表1に示すように、実施例1〜3では、参照例1と比較しても得られたハニカム特性に遜色無く良好であった。一方、比較例1では、DPF用原料を平均粒径7μmまで微粉砕したため、ハニカム構造体の平均気孔径が14μmまで小さくなってしまった。また、その熱膨張係数は0.8×10-6/℃と大きくなってしまった。これは、微粉砕により原料粒子の反応性が異常になってしまったと考えられる。比較例2では、再生原料が粗粒であるため、混練、土練で十分再生原料が溶解せず、平均気孔径、気孔率及び熱膨張係数が大きくなり、セル欠陥が発生したと考えられる。
表1に示すように、実施例1〜3では、参照例1と比較しても得られたハニカム特性に遜色無く良好であった。一方、比較例1では、DPF用原料を平均粒径7μmまで微粉砕したため、ハニカム構造体の平均気孔径が14μmまで小さくなってしまった。また、その熱膨張係数は0.8×10-6/℃と大きくなってしまった。これは、微粉砕により原料粒子の反応性が異常になってしまったと考えられる。比較例2では、再生原料が粗粒であるため、混練、土練で十分再生原料が溶解せず、平均気孔径、気孔率及び熱膨張係数が大きくなり、セル欠陥が発生したと考えられる。
(考察:実施例4〜6、比較例3及び比較例4、参照例2)
表2に示すように、実施例4〜6では、参照例2と比較しても得られたハニカム特性に遜色無く良好であった。一方、比較例3では、微粉砕による設備からの摩耗粉の混入によってセル欠陥が発生したと考えられる。また、その熱膨張係数は、微粉砕により原料粒子の反応性が異常となって大きくなったと考えられる。比較例4では、比較例2と同様に再生原料が粗粒であるため、十分再生原料が溶解せず、平均気孔径、気孔率及び熱膨張係数が大きくなり、セル欠陥が発生したと考えられる。
表2に示すように、実施例4〜6では、参照例2と比較しても得られたハニカム特性に遜色無く良好であった。一方、比較例3では、微粉砕による設備からの摩耗粉の混入によってセル欠陥が発生したと考えられる。また、その熱膨張係数は、微粉砕により原料粒子の反応性が異常となって大きくなったと考えられる。比較例4では、比較例2と同様に再生原料が粗粒であるため、十分再生原料が溶解せず、平均気孔径、気孔率及び熱膨張係数が大きくなり、セル欠陥が発生したと考えられる。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、ディーゼルエンジン排気ガスのような含塵流体中に含まれる粒子状物質を捕集除去するためのフィルタ(ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF))、又は排気ガス中の有害物質を浄化する触媒成分を担持するための(排ガス浄化用)触媒担体の製造に好適に適用することができる。
Claims (6)
- ハニカム構造体の製造過程で発生したハニカム構造体の出発原料に由来する回収物から再生された再生原料を、出発原料の一部として用いたハニカム構造体の製造方法であって、該再生原料が、平均粒子径10〜2000μmであり、平均粒子径2800μm以上の粒子が10重量%以下に粉砕されているハニカム構造体の製造方法。
- 該再生原料が、平均粒子径100〜1000μmであり、平均粒子径45μm以下の粒子が20重量%以下であり、且つ粒子径1400μm以上の粒子が10重量%以下に粉砕されている請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 該回収物が、未焼成の乾燥物である請求項1又は2に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 該ハニカム構造体が、コージェライト質である請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 該ハニカム構造体が、その両端面を千鳥格子状に互い違いに目封じされたフィルター構造である請求項1〜4のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたハニカム構造体。
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