JP2011128072A - キャリア組立装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造の簡素化を図ることができるキャリア組立装置を提供する。
【解決手段】キャリア組立装置1は、ダイ90が載置されたベース部材70を支持する組立台31と、カバー部材80を保持する保持ヘッド46と、カバー部材80を収容すると共に開口部444を持つ減圧室443を有し、組立台31と当接することで密閉空間を形成する減圧ヘッド44と、保持ヘッド46と減圧ヘッド44とを組立台31に同時に移動させる第1の昇降アクチュエータ43と、減圧ヘッド44に対して保持ヘッド46を相対移動させる第2の昇降アクチュエータ47と、を備えている。
【選択図】図10

Description

本発明は、ダイに造り込まれた集積回路素子等の電子回路素子を試験するために使用される試験用キャリアを組み立てるキャリア組立装置に関する。
ベアチップ状態の半導体チップが一時的に実装される試験用キャリアとして、2枚のフィルムの間に当該チップを挟み込むものが知られている。この試験用キャリアは、半導体チップと2枚のフィルムを真空炉内に搬入して、これらの位置合わせを行った後に真空炉内を減圧することで組み立てられる(例えば特許文献1参照)。
特開平7−263504号公報
しかしながら、上記の技術では、真空炉内に半導体チップと2枚のフィルムを搬送し、真空炉を密閉して減圧した後に、半導体チップが載置された下フィルムに上フィルムを被せる。そのため、外部から真空炉内に上フィルムを搬入する搬送系と、真空炉内において上フィルムをハンドリングする搬送系とが途切れてしまい、装置構造が複雑になるという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、構造の簡素化を図ることができるキャリア組立装置を提供することである。
[1]本発明に係るキャリア組立装置は、電子部品を間に挟み込むベース部材及びカバー部材を有する試験用キャリアを組み立てるキャリア組立装置であって、前記電子部品が載置された前記ベース部材を支持する組立台と、前記カバー部材を保持する保持ヘッドと、前記カバー部材を収容すると共に開口部を持つ減圧室を有し、前記組立台と当接することで密閉空間を形成する減圧ヘッドと、前記保持ヘッドと前記減圧ヘッドを前記組立台に同時に移動させる第1の移動手段と、前記減圧ヘッドに対して前記保持ヘッドを相対移動させる第2の移動手段と、を備えたことを特徴とする。
[2]上記発明において、前記減圧ヘッドは、前記カバー部材を収容可能な筒部と、前記筒部の一端を閉塞する蓋部と、を有してもよい。
[3]上記発明において、前記第2の移動手段は、前記保持ヘッドに連結されたシャフトを有しており、前記保持ヘッドが前記筒部内に位置するように、前記シャフトは前記蓋部を貫通していてもよい。
[4]上記発明において、前記組立台は、前記ベース部材を吸着保持する吸引孔を有してもよい。
[5]上記発明において、前記キャリア組立装置は、前記ベース部材と前記カバー部材とを接着する接着部に向かって紫外線を照射する照射手段を備えており、前記減圧ヘッドは、前記照射手段から前記接着部に向かって照射された紫外線を透過する窓部を有してもよい。
[6]上記発明において、前記キャリア組立装置は、前記減圧室に接続され、前記組立台と前記減圧ヘッドによって形成される前記密閉空間を減圧する減圧手段を備えてもよい。
[7]上記発明において、前記キャリア組立装置は、前記ベース部材を前記組立台に移動させる第3の移動手段と、前記組立台に支持された前記ベース部材の上に前記電子部品を載置する第4の移動手段と、を備えてもよい。
[8]上記発明において、前記キャリア組立装置は、前記ベース部材上に配線パターンを形成する配線形成手段を備えてもよい。
[9]上記発明において、前記ベース部材又は前記カバー部材の少なくとも一方は、フィルム状部材を有してもよい。
[10]上記発明において、前記電子部品は、半導体ウェハからダイシングされたダイであってもよい。
本発明では、第1の移動手段によって保持ヘッドと共に減圧ヘッドを移動させて組立台に当接させ、次いで、第2の移動手段によって保持ヘッドのみを移動させて、ベース部材の上にカバー部材を重ねることができるので、キャリア組立装置の構造の簡素化を図ることができる。
図1は、本発明の実施形態におけるデバイス製造工程の一部を示すフローチャートである。 図2は、本発明の実施形態における試験用キャリアの分解斜視図である。 図3は、本発明の実施形態における試験用キャリアの断面図である。 図4は、本発明の実施形態における試験用キャリアの分解断面図である。 図5は、図4のV部の拡大図である。 図6は、本発明の実施形態における試験用キャリアのベース部材を示す平面図である。 図7は、本発明の実施形態におけるキャリア組立装置の全体構成を示す平面図である。 図8は、図7のキャリア組立装置のベース供給部を示す側面図である。 図9は、図7のキャリア組立装置のダイ供給部を示す側面図である。 図10は、図7のキャリア組立装置のアッセンブリ部を示す断面図である。 図11は、本発明の実施形態における試験用キャリアの組立方法を示すフローチャートである。 図12は、本発明の実施形態におけるアッセンブリ部の動作を示す図であり、保持ヘッドと減圧ヘッドが同時に下降している様子を示す図である。 図13は、本発明の実施形態におけるアッセンブリ部の動作を示す図であり、減圧ヘッドに対して保持ヘッドが相対的に下降している様子を示す図である。 図14は、本発明の実施形態におけるアッセンブリ部の動作を示す図であり、照射装置が接着剤に向かって紫外線を照射している様子を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態におけるデバイス製造工程の一部を示すフローチャートである。
本実施形態では、半導体ウェハのダイシング後(図1のステップS10の後)であって最終パッケージングの前(ステップS50の前)に、ダイに造り込まれた電子回路素子の試験を行う(ステップS20〜S40)。この際、本実施形態では、先ずダイ90を試験用キャリア60に一時的に実装する(ステップS20)。次いで、この試験用キャリア60を介してダイ90と試験装置(不図示)とを電気的に接続することで、ダイ90に造り込まれた電子回路素子の試験を実行する(ステップS30)。そして、この試験が終了したら、試験用キャリア60からダイ90を取り出した後(ステップS40)に、このダイ90を本パッケージングすることで、デバイスが最終品として完成する(ステップS50)。
先ず、本実施形態において試験のためにダイ90が一時的に実装(仮パッケージング)される試験用キャリア60の構成について説明する。
図2〜図5は本実施形態における試験用キャリアを示す図であり、図6はその試験用キャリアのベース部材を示す平面図である。
本実施形態における試験用キャリア60は、図2〜図4に示すように、配線パターン76,78(図5及び図6参照)が形成され、ダイ90が実装されるベース部材70と、このベース部材70に被せられるカバー部材80と、を備えている。この試験用キャリア60は、ベース部材70とカバー部材80との間にダイ90を挟み込むことでダイ90を保持する。
ベース部材70は、中央に開口71aが形成されたリジッド基板71と、中央開口71aを含めたリジッド基板71の全面に積層されたフレキシブル基板74と、を備えている。このフレキシブル基板74は、その中央部において変形可能となっているのに対し、その外周部においてリジッド基板71によって変形不能となっており、試験用キャリア60のハンドリング性の向上が図られている。
リジッド基板71の具体例としては、例えば、ポリアミドイミド樹脂やセラミック、ガラス等から構成される単層基板又は多層の積層基板等を例示することができる。一方、フレキシブル基板74の具体例としては、例えば、ポリイミド樹脂から構成される単層基板又は多層の積層基板等を例示することができる。
フレキシブル基板74は、図5示すように、第2の配線パターン76が形成されたベースフィルム75と、このベースフィルム75を被覆するカバーレイ77と、を有している。
図5及び図6に示す第2の配線パターン76は、例えば、ベースフィルム75上に積層された銅箔をエッチングすることで予め形成されている。一方、カバーレイ77の表面には、インクジェット印刷によって第1の配線パターン78が形成されている。この第1の配線パターン78は、ダイ90をベース部材70に実装する直前に、後述するキャリア組立装置1の配線形成モジュール12によってリアルタイムに印刷される。
この第1の配線パターン78の一端は、カバーレイ77に形成された貫通孔77aを介して、第2の配線パターン76の一端に接続されている。一方、第1の配線パターン78の他端には、ダイ90の入出力端子91が接続されるパッド781が形成されている。なお、第1の配線パターン78の一端は、後述する配線形成モジュール12による印刷開始位置782に相当する。
リジッド基板71において第2の配線パターン76の他端に対応する位置には、スルーホール72が貫通している。第2の配線パターン76は、ベースフィルム75に形成された貫通孔75aを介してスルーホール72に接続されており、このスルーホール72は、リジッド基板71の下面に形成された接続端子73に接続されている。この接続端子73には、ダイ80に造り込まれた電子回路素子の試験の際に、試験装置の接触子が接触する。
なお、第2の配線パターン76の他端をリジッド基板71の中央開口71aの内側に位置させて、接続端子73をフレキシブル基板74の裏面に形成してもよい。また、第2の配線パターン76の他端を上側に露出させて、接続端子73をフレキシブル基板74の上面に形成してもよい。
図6に示すように、カバーレイ77の表面において対角線上に位置する2箇所の隅部には、第1の配線パターン78の印刷開始位置782の決定等に用いられるアライメントマーク79が形成されている。なお、カバーレイの表面において2箇所以上にアライメントマークが形成されていれば、アライメントマークの数や位置は特に限定されない。また、本実施形態では、アライメントマーク79が十字形状であるが、特にこの形状に限定されない。
図2〜図4に戻り、カバー部材80は、中央に開口81aが形成されたリジッド板81と、そのリジッド板81に積層されたフィルム82と、を備えている。フィルム82は、その中央部において変形可能になっているのに対し、その外周部においてリジッド板81によって変形可能となっている。
リジッド板81の具体例としては、例えば、ポリアミドイミド樹脂、セラミックス、ガラス等から構成される板状部材を例示することができる。一方、フィルム82の具体例としては、例えば、ポリイミド樹脂から構成されるシート状部材を挙げることができる。
なお、カバー部材80をフィルム82のみで構成してもよいし、開口81aが形成されていないリジッド板81のみでカバー部材80を構成してもよい。また、本実施形態では、カバー部材80に配線パターンが一切形成されていないが、特にこれに限定されず、ベース部材70に代えて又はベース部材70に加えて、カバー部材80に配線パターンを形成してもよい。この場合には、リジッド板81に代えて、上述のリジッド基板71と同様の、例えばポリアミドイミド樹脂やセラミック、ガラス等から構成される単層基板又は多層の積層基板等が用いられる。また、フィルム82に代えて、上述のフレキシブル基板74と同様の、例えばポリイミド樹脂から構成される単層基板又は多層の積層基板等が用いられる。さらに、カバー部材80がリジッド基板とフレキシブル基板を有する場合には、ベース部材70をフィルムのみで構成してもよい。
以上に説明した試験用キャリア60は次のように組み立てられる。すなわち、入出力端子91をパッド781に合わせた状態でダイ90をベース部材70上に載置した後に、減圧下においてベース部材70の上にカバー部材80を重ねる。次いで、ベース部材70とカバー部材80との間にダイ90を挟み込んだ状態で大気圧に戻すことで、ベース部材70とカバー部材80との間にダイ90が保持される。
なお、ダイ90の入出力端子91とフレキシブル基板74のパッド781とは、半田等で固定されてはいない。本実施形態では、ベース部材70とカバー部材80との間の空間が大気圧と比較して負圧となっているので、フレキシブル基板74とフィルム82がダイ90を押圧して、ダイ90の入出力端子91とフレキシブル基板74のパッド781とが相互に接触している。
因みに、ダイ90が比較的厚い場合には、図3に示す構成とは逆に、リジッド基板71とリジッド板81とが直接接触するようにベース部材70とカバー部材80とを積層してもよい。
図2〜図6に示すように、ベース部材70とカバー部材80は、位置ずれを防止すると共に密閉性を向上させるために、接着部741によって互いに固定されている。この接着部741を構成する接着剤としては、例えば紫外線硬化型接着剤を例示することができる。接着剤は、ベース部材70においてカバー部材80の外周部に対向する位置に予め塗布されており、ベース部材70にカバー部材80が被せられた後の紫外線照射によって当該接着剤が硬化することで接着部741が形成される。
次に、仮パッケージング工程(図1のステップS20)で用いられるキャリア組立装置1について説明する。なお、以下に説明するキャリア組立装置は一例に過ぎず、本発明におけるキャリア組立装置は特にこれに限定されない。
図7は本実施形態におけるキャリア組立装置の全体構成を示す平面図、図8はそのキャリア組立装置のベース供給部を示す側面図、図9はキャリア組立装置のダイ供給部を示す側面図、図10はキャリア組立装置のアッセンブリ部を示す断面図である。
本実施形態におけるキャリア組立装置1は、ダイ90に造り込まれた電気回路素子を試験するために、試験用キャリア60にダイ90を一時的に実装するための装置である。
このキャリア組立装置1は、図7に示すように、ベース部材70上に第1の配線パターン78を形成した後にそのベース部材70をアッセンブリ部30に供給するベース供給部10と、ダイ90の入出力端子91の位置を検出した後に、そのダイ90をアッセンブリ部30に供給するダイ供給部20と、ベース部材70、ダイ90及びカバー部材80を組み合わせるアッセンブリ部30と、を備えている。
ベース供給部10は、図7及び図8に示すように、ベース部材70を搬送する第1の搬送アーム11と、ベース部材70の表面に第1の配線パターン78を印刷する配線形成モジュール12と、を備えている。
第1の搬送アーム11は、X方向に沿って設けられたX方向レール111と、このX方向レール111上をX方向に沿って移動可能なY方向レール112と、Y方向レール112上をY方向に沿って移動可能なZ方向アクチュエータ113と、Z方向アクチュエータ113の先端に設けられ、ベース部材70を吸着保持する吸着ヘッド114と、を有しており、ベース部材70を三次元的に移動させることが可能となっている。この第1の搬送アーム11は、ベース部材70を多数収容した第1のストッカ13から回転ステージ126にベース部材70を搬送すると共に、印刷後のベース部材70を回転ステージ126からアッセンブリ部30の組立台31に搬送する。
配線形成モジュール12は、印刷ヘッド122、第1のカメラ123及びディスペンサ124を有する可動ユニット121と、可動ユニット121と移動させる移動機構125と、第1の配線パターン78が印刷されるベース部材70を保持する回転ステージ126と、を備えている。
可動ユニット121には、ベース部材70に第1の配線パターン78をインクジェット印刷によって形成する印刷ヘッド122が設けられている。なお、印刷ヘッド122が、インクジェット印刷に代えて、レーザ印刷等の配線パターンをリアルタイムに形成する方法によって、ベース部材70上に第1の配線パターン78を形成してもよい。
また、この可動ユニット121には、ベース部材70を撮像する第1のカメラ123と、接着剤が充填されたディスペンサ124が取り付けられている。特に図示しない画像処理装置が、この第1のカメラ123が撮像した画像からアライメントマーク79の位置を検出し、その検出結果に基づいて第1の配線パターン78の印刷開始位置782を決定する。また、ディスペンサ124は、印刷ヘッド122による配線パターン形成後に、接着部741を構成する接着剤をベース部材70上に塗布する。
移動機構125は、例えばボールねじ機構を有しており、可動ユニット121を三次元的に移動させることが可能となっている。なお、図7及び図8には一方向のボールねじ機構しか図示していないが、実際には、X方向に沿ったボールネジ機構とY方向に沿ったボールねじ機構を備えていると共に、可動ユニット121を上下動させるための昇降機構も備えている。
回転ステージ126は、ベース基板70を収容可能な凹状の2つの収容部127を有しており、モータ128から伝達される駆動力によって回転可能となっている。このため、一方の収容部127に第1の搬送アーム11がベース部材70を供給している際中に、他方の収容部127では、印刷ヘッド122がベース部材70に第1の配線パターン78を形成したり、ディスペンサ124がベース部材70に接着剤を塗布することが可能となっている。
以上の配線形成モジュール12によって第1の配線パターン78が形成されたベース部材70は、第1の搬送アーム11によって、回転ステージ126からアッセンブリ部30の組立台31に搬送される。
ダイ供給部20は、図7及び図9に示すように、ダイ90を搬送する第2の搬送アーム21と、ダイ90を撮像する第2のカメラ22と、を備えている。
第2の搬送アーム21は、Y方向に沿って設けられたY方向レール211と、このY方向レール211上をY方向に沿って移動可能なX方向レール212と、X方向レール212上をX方向に沿って移動可能なZ方向アクチュエータ213と、Z方向アクチュエータ213の先端に設けられ、ダイ90を吸着保持する吸着ヘッド214を有しており、ダイ90を三次元的に移動させることが可能となっている。この第2の搬送アーム21は、ダイ90を多数収容した第2のストッカ23からアッセンブリ部30の組立台31にダイ90を搬送する。
第2のカメラ22は、第2の搬送アーム21に保持されたダイ90を下方から撮像する。特に図示しない画像処理装置は、この第2のカメラ22が撮像した画像からダイ90の入出力端子91の位置を検出し、その検出結果に基づいてパッド形成位置781を決定する。
アッセンブリ部30は、図7及び図10に示すように、ベース供給部10及びダイ供給部20からベース部材70及びダイ90がそれぞれ供給される組立台31と、組立ステージ31にカバー部材80を搬送して試験用キャリア60を組み立てる組立アーム40と、試験用キャリア60の接着部741に紫外線を照射する照射装置33と、を備えている。
図9を参照しながら組立台31について説明すると、組立台31の中央部には、ベース部材70を収容可能な凹部311が形成されている。この凹部311の外周部には、第1の吸引ライン312を介して真空ポンプ50(図10参照)に連通した吸引孔313が開口している。この凹部311には、第1の搬送アーム11によってベース部材70が載置される。そして、組立台31に載置されたベース部材70を、第1の吸引ライン312及び吸引孔313を介して真空ポンプ50が吸引することで、ベース部材70を組立台31に固定することが可能となっている。さらに、このベース部材70の上には第2の搬送アーム21によってダイ90が載置される。
組立アーム40は、図7及び図10に示すように、Y方向レール21上をY方向に沿って移動可能なX方向レール42と、X方向レール42上をX方向に沿って移動可能な第1の昇降アクチュエータ43と、を有しており、第1の昇降アクチュエータ43は、減圧室443を有する減圧ヘッド44と、カバー部材80を保持する保持ヘッド46と、を同時に昇降させることが可能となっている。この組立アーム40は、カバー部材80が多数収容された第3のストッカ33からカバー部材80を組立台31に搬送し、減圧下でベース部材70にカバー部材80を貼り合わせて試験用キャリア60を組み立てる。
減圧ヘッド44は、図10に示すように、角筒状の筒部441と、筒部の上端を閉塞する蓋部442とから構成されている。この筒部441と蓋部442によって減圧室443が区画されている。この減圧室443は、底部を有しておらず、下側に開口部444を有している。
また、減圧ヘッド44の筒部441の下端には、シール部材が全周に亘って装着されており、減圧ヘッド44を組立台31に当接させることで、減圧室443が密閉空間となる。この減圧室443は、第2の吸引ライン445を介して真空ポンプ50に接続されている。そのため、減圧ヘッド44を組立台31に密着させた状態で真空ポンプ50を作動させることで、減圧室443内を減圧することが可能となっている。
また、この減圧ヘッド44の蓋部442には固定部材45が取り付けられている。この固定部材45には、減圧ヘッド44に対して保持ヘッド46を相対的に昇降させる第2のアクチュエータ47が固定されている。すなわち、第2の昇降アクチュエータ47は、固定部材45を介して減圧ヘッド44に間接的に固定されており、減圧ヘッド44の上に設けられている。なお、第2の昇降アクチュエータ47を減圧ヘッド44に直接固定してもよい。さらに、この固定部材45の上部には、組立アーム40の第1の昇降アクチュエータ43が連結されている。第1及び第2の昇降アクチュエータ43,47としては、例えばエアシリンダやモータを備えたボールネジ機構などを例示することができる。
保持ヘッド46は、第3の吸引ライン461を介して真空ポンプ50に接続されており、カバー部材80を吸着保持することが可能となっている。この保持ヘッド46は、第2の昇降アクチュエータ47の駆動シャフト471の先端に固定されていると共に、減圧ヘッド44の減圧室443内に収容されている。そのため、第2の昇降アクチュエータ47の駆動シャフト471は、減圧ヘッド44の蓋部442を貫通している。なお、蓋部442における駆動シャフト471の貫通部には、Oリングやオイルシール等のシール部材が配置されており、十分な気密性が確保されている。
さらに、減圧ヘッド44の筒部441の四面には、紫外線を透過可能な窓446がそれぞれ形成され、この窓446の近傍には照射装置32が配置されている。本実施形態では、この窓446が筒部441に形成されていることで、減圧室443の外に配置された照射装置32によって接着剤を硬化させることが可能となっている。
次に、本実施形態における試験用キャリア60の組立方法について、図11〜図14を参照しながら説明する。図11は本実施形態における試験用キャリアの組立方法を示すフローチャート、図12〜図14は本実施形態におけるアッセンブリ部の動作を示す断面図である。
図11に示すように、先ず、第1の搬送アーム11がベース部材70を第1のストッカ13から回転ステージ126に搬送し、第1のカメラ123が当該ベース部材70を撮像する(ステップS201)。画像処理装置がその画像からアライメントマーク79の位置を検出し、その検出結果に基づいて第1の配線パターン78の印刷開始位置782を決定する(ステップS202)。
一方、第2の搬送アーム21はダイ90を第2のストッカ23から第2のカメラ22上に搬送し、第2のカメラ22がそのダイ90を撮像する(ステップS203)。画像処理装置がその画像からダイ90の入出力端子91の位置を検出し、その検出結果に基づいて第1の配線パターン78のパッド形成位置781を決定する(ステップS204)。
次いで、配線形成モジュール12は、印刷開始位置782とパッド形成位置781との間に、第1の配線パターン78をインクジェット印刷によって形成する(ステップS205)。
次いで、第1の搬送アーム11がベース部材70を回転ステージ126から組立台31に搬送し、第2の搬送アーム21がそのベース部材70の上にダイ90を載置する(ステップS206)。
次いで、組立アーム40が減圧ヘッド44を組立台31の上方に移動させて、第1の昇降アクチュエータ43が減圧ヘッド44を下降させる。そして、図12に示すように、減圧ヘッド44が組立台31に当接すると、減圧ヘッド44の減圧室443が密閉空間となる(ステップS207)。この状態で、第2の吸引ライン445を介して真空ポンプ50が減圧室443内を吸引すると、減圧室443内が大気圧よりも減圧される(S208)。
この減圧下で、図13に示すように、第2の昇降アクチュエータ47によって保持ヘッド46を減圧ヘッド44に対して相対的に下降させて、ベース部材70にカバー部材80を貼り合わせる(ステップS209)。次いで、図14に示すように、減圧ヘッド44の窓446を介して照射装置32から接着剤に向かって紫外線を照射することで、接着剤を硬化させて接着部741を形成する(ステップS210)。
次いで、第2の吸引ライン445を介した減圧室443の減圧を停止させ、第1の昇降アクチュエータ43によって減圧ヘッド44と保持ヘッド46を共に上昇させ、減圧空間443を大気に開放する(ステップS211)。この開放によって、ベース部材70とカバー部材80との間の空間は大気圧に比べて負圧となっているので、半田等で固定されていないダイ90の入出力端子91とフレキシブル基板74のパッド781とが確実に接触する。
以上のように、本実施形態では、組立アーム40によって保持ヘッド46と共に減圧ヘッド44を移動させて組立台31に当接させ、次いで、第2の昇降アクチュエータ47によって保持ヘッド46のみを移動させて、ベース部材70の上にカバー部材80を貼り合わせることができる。このため、真空炉が不要になると共に、真空炉内で途切れていた搬送系を一つにすることができるので、キャリア組立装置1の構造を簡素化することができ、キャリア組立装置1の小型化やコストダウンを図ることができる。また、連続的な搬送が可能となるので、組立時間の短縮化も図ることもできる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…キャリア組立装置
10…ベース供給部
11…第1の搬送アーム(第3の移動手段)
12…配線形成モジュール
122…印刷ヘッド(配線形成手段)
124…ディスペンサ
20…ダイ供給部
21…第2の搬送アーム(第4の移動手段)
30…アッセンブリ部
31…組立台
313…吸引孔
32…照射装置
40…組立アーム
43…第1の昇降アクチュエータ(第1の移動手段)
44…減圧ヘッド
441…筒部
442…蓋部
443…減圧室
444…開口部
445…第2の吸引ライン
446…窓
45…固定部材
46…保持ヘッド
461…第3の吸着ライン
47…第2の昇降アクチュエータ(第2の移動手段)
471…駆動シャフト
50…真空ポンプ(減圧手段)
60…試験用キャリア
70…ベース部材
71…リジッド基板
74…フレキシブル基板
80…カバー部材
81…リジッド板
82…フィルム
90…ダイ(電子部品)

Claims (10)

  1. 電子部品を間に挟み込むベース部材及びカバー部材を有する試験用キャリアを組み立てるキャリア組立装置であって、
    前記電子部品が載置された前記ベース部材を支持する組立台と、
    前記カバー部材を保持する保持ヘッドと、
    前記カバー部材を収容すると共に開口部を持つ減圧室を有し、前記組立台と当接することで密閉空間を形成する減圧ヘッドと、
    前記保持ヘッドと前記減圧ヘッドを前記組立台に同時に移動させる第1の移動手段と、
    前記減圧ヘッドに対して前記保持ヘッドを相対移動させる第2の移動手段と、を備えたことを特徴とするキャリア組立装置。
  2. 請求項1に記載のキャリア組立装置であって、
    前記減圧ヘッドは、
    前記カバー部材を収容可能な筒部と、
    前記筒部の一端を閉塞する蓋部と、を有することを特徴とするキャリア組立装置。
  3. 請求項2に記載のキャリア組立装置であって、
    前記第2の移動手段は、前記保持ヘッドに連結されたシャフトを有しており、
    前記保持ヘッドが前記筒部内に位置するように、前記シャフトは前記蓋部を貫通していることを特徴とするキャリア組立装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のキャリア組立装置であって、
    前記組立台は、前記ベース部材を吸着保持する吸引孔を有することを特徴とするキャリア組立装置。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のキャリア組立装置であって、
    前記ベース部材と前記カバー部材とを接着する接着部に向かって紫外線を照射する照射手段を備えており、
    前記減圧ヘッドは、前記照射手段から前記接着部に向かって照射された紫外線を透過する窓部を有することを特徴とするキャリア組立装置。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のキャリア組立装置であって、
    前記減圧室に接続され、前記組立台と前記減圧ヘッドによって形成される前記密閉空間を減圧する減圧手段を備えたことを特徴とするキャリア組立装置。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載のキャリア組立装置であって、
    前記ベース部材を前記組立台に移動させる第3の移動手段と、
    前記組立台に支持された前記ベース部材の上に前記電子部品を載置する第4の移動手段と、を備えたことを特徴とするキャリア組立装置。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載のキャリア組立装置であって、
    前記ベース部材上に配線パターンを形成する配線形成手段を備えたことを特徴とするキャリア組立装置。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載のキャリア組立装置であって、
    前記ベース部材又は前記カバー部材の少なくとも一方は、フィルム状部材を有することを特徴とするキャリア組立装置。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載のキャリア組立装置であって、
    前記電子部品は、半導体ウェハからダイシングされたダイであることを特徴とするキャリア組立装置。
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