JP2014194455A - 基板貼り合わせ装置及び基板貼り合わせ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空環境下での基板貼り合わせ時に接着樹脂からの揮発成分の放出を抑え、基板を無気泡で貼り合せる。
【解決手段】真空ポンプにより真空容器内の脱気を開始後、圧力センサにより真空容器内が、表示基板とカバー基板の間に介在する紫外線硬化樹脂、並びに表示基板とカバー基板から生じる揮発成分が抑制された所定の圧力となったことを検出する。そして、所定の圧力となったとき、真空容器内を脱気する真空ポンプと真空ポンプとの間に配置された圧力調整部により当該圧力を維持し、その圧力を維持した状態(貼り合わせ期間203)で、表示基板とカバー基板の貼り合わせを行う。
【選択図】図7
【解決手段】真空ポンプにより真空容器内の脱気を開始後、圧力センサにより真空容器内が、表示基板とカバー基板の間に介在する紫外線硬化樹脂、並びに表示基板とカバー基板から生じる揮発成分が抑制された所定の圧力となったことを検出する。そして、所定の圧力となったとき、真空容器内を脱気する真空ポンプと真空ポンプとの間に配置された圧力調整部により当該圧力を維持し、その圧力を維持した状態(貼り合わせ期間203)で、表示基板とカバー基板の貼り合わせを行う。
【選択図】図7
Description
本発明は、基板貼り合わせ装置及び基板貼り合わせ方法に関し、特に、真空容器内において表示基板とカバー基板とを貼り合わせる基板貼り合わせ装置及び基板貼り合わせ方法に関する。
表示機器の表示部は、例えば、液晶モジュール(LCM)や有機発光ダイオードモジュール(OLED)などの表示基板に偏光板が設けられ、当該偏光板の上に、タッチセンサ付き基板や保護基板などのカバー基板が設けられた構成となっている。近年、このような表示部は、表示基板にカバー基板を貼り合わせる工程を経て生産される。そして、表示基板とカバー基板とを貼り合わせるときに用いる接合材料として、接着樹脂、例えば紫外線硬化樹脂が広く用いられるようになってきている。
表示基板にカバー基板を貼り合わせる工程は、両基板間に気泡が入らないようにするために、真空環境下で行われる。特許文献1には、真空容器内で表示デバイス(表示基板)と表示デバイスの保護板(カバー基板)とを貼り合わせる表示装置の製造方法が開示されている。この製造方法は、内部を真空にすることが可能な真空容器を用いて行われる。そして、真空容器には、表示基板を支持する基体と、カバー基板を支持して表示基板に対して相対的に移動させる移動機構と、表示基板とカバー基板との間に接着樹脂を介在させて密着させるための加圧部材が配設されている。
また、この製造方法は、接着樹脂を塗布した表示基板とカバー基板とを真空中で貼り合わせた後、真空容器内の真空を解除する。そして、貼り合わせられた表示基板及びカバー基板を真空容器から取り出し、位置合わせ装置において表示基板とカバー基板とを正確に位置合わせする。その後、紫外線照射などにより固定用接着樹脂を硬化させ、位置合わせされた表示基板とカバー基板との正確な位置関係を固定する。
この製造方法では、両基板を真空中で貼り合わせるようにしている。それにより、貼り合わせ時に封止用接着樹脂とカバー基板との間に空間が形成された場合にも、真空状態にある貼り合わせ環境を大気開放することにより、気圧差が生じ、空間体積が小さくなることで、空間を目視出来ない大きさにつぶすことができる。
例えば、貼り合わせる真空容器内の圧力を10Paとした場合、大気開放により貼り合わせ時にできた空間に約1/10,000の圧力差が生じる。空間を形成している周囲の材料が粘性流体であることから、その空間が圧力差により縮小し、目視では確認できない大きさとなる。
ところで、接着樹脂を塗布した基板は、真空容器内に入れて容器内圧力を真空状態にしていくことにより、接着樹脂から、その材料に含まれている水分やモノマー(単量体)からの揮発成分が放出され、真空圧力が低下(大気圧側に圧力変動)してしまう。
また、真空圧のレベルによって、接着樹脂から揮発されてくる成分は異なり、併せて、貼り合わせるその他の部材からの揮発ガスや、液晶基板などの場合に生じる基板間ギャップへの悪影響も考慮する必要がある。それゆえ、安易に真空圧を高く(大気圧からより下げる方向に)するべきではない。
例えば特許文献1に開示された表示装置の製造方法では、表示デバイスと保護板の貼り合わせ時において、真空容器内の圧力を任意に設定した真空状態にする際、接着樹脂や貼り合わせ部材から生じた揮発ガスが、設定した真空圧を低下させてしまう。
前述したとおり、貼り合わせる真空圧は高ければ高いほど、大気圧との差が大きくなり、貼り合わせ時に生じた空間を小さくすることができる。しかし、その分、貼り合わせ部材への悪影響も大きくなるため、あらかじめ貼り合わせ時の真空圧の低下分を見込んで真空圧を上げておくことは、貼り合わせ部材の品質に対するリスクとなる。
上記のような状況により、真空環境下での基板貼り合わせ時に接着樹脂からの揮発成分の放出を抑え、基板を無気泡で貼り合せることができる手法が望まれていた。
上記目的を達成するために、本発明の一側面の構成によれば、まず真空ポンプにより真空容器内の脱気を開始する。その後、圧力センサにより真空容器内が、表示基板とカバー基板の間に介在する紫外線硬化樹脂、並びに表示基板とカバー基板から生じる揮発成分が抑制された所定の圧力となったことを検出する。そして、真空容器内が所定の圧力となったとき、真空容器内を脱気する真空ポンプと真空ポンプとの間に配置された圧力調整部により当該圧力を維持し、その圧力を維持した状態で、表示基板とカバー基板の貼り合わせを行う。
上記構成によれば、表示基板とカバー基板の間に介在する紫外線硬化樹脂、並びに表示基板とカバー基板から生じる揮発成分が抑制された所定の圧力の真空環境において、基板の貼り合わせが行われる。
本発明によれば、真空環境下での基板貼り合わせ時に紫外線硬化樹脂からの揮発成分の放出を抑え、基板を無気泡で貼り合せることができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明や各図において、同一要素または同一機能を有する要素には同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
本発明の一実施の形態に係る基板貼り合わせ装置について説明する前に、当該基板貼り合わせ装置によって、紫外線硬化樹脂を介して貼り合わせる表示基板及びカバー基板の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
[表示基板]
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板貼り合わせ装置によって貼り合わせる表示基板の概略構成を示す図である。
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板貼り合わせ装置によって貼り合わせる表示基板の概略構成を示す図である。
図1に示すように、表示基板101は、例えば液晶モジュール(LCM)であり、液晶が用いられた基板本体102と、基板本体102の一方の面を露出させて収容するフレーム103と、基板本体102の一方の面に取り付けられた偏光板104とを備えている。
基板本体102において、カラー表示対応の表示基板101の場合、カラー画像を形成する単位となる1つの画素(絵素)は、複数の副画素(サブピクセル)から構成される。具体的には、図1に示すように、1つの画素は、例えば、赤色の副画素R、緑色の副画素G、青色の副画素Bの3種類の副画素から構成される。そして、3種類の副画素R,G,Bの発光状態を制御することによりカラー画像を表示することができる。3種類の副画素R,G,Bの配列は、図1ではストライプ配列となっているが、ストライプ配列に限られるものではない。
なお、本実施の形態では、表示基板として、液晶モジュール(LCM)を例に挙げて説明するが、本発明に係る表示基板101としては、液晶モジュールに限られるものではなく、有機発光ダイオード(OLED)モジュールや、その他の表示モジュールであってもよい。
基板本体102は、長方形の板状に形成されており、一方の面が表示面となる。また、基板本体102は、複数の部材が積層されて、図示しない長方形の枠状に形成されたブラックマトリクスからなる層を含む多層状に形成されている。このブラックマトリクスの内周の輪郭は、偏光板104の外周の輪郭と略等しい。ブラックマトリクスについては、例えば、金属クロムを基板本体102にスパッタリング蒸着させ、エッチングによって不要部分を除去することによって形成することができる。
フレーム103は、基板本体102の4辺と、基板本体102の他方の面を覆う。偏光板104は、基板本体102よりも外周の輪郭が小さくなるように長方形に形成されている。つまり、偏光板104は、その外周の輪郭が基板本体102の有効画素領域、即ち表示領域と略等しい大きさになるように形成されている。基板本体102は、偏光板104側において、後述するカバー基板(タッチセンサ付き基板121)に接着部材、例えば紫外線硬化樹脂を介して貼り付けられる。なお、接着部材は紫外線硬化樹脂に限定されない。例えば他の光硬化樹脂や熱硬化樹脂を用いてもよい。
[カバー基板]
続いて、カバー基板の構成について、図2を参照して説明する。
本実施の形態では、カバー基板として、タッチセンサが設けられた基板(以下、「タッチセンサ付き基板」と略称する)を例に挙げて説明するものとする。タッチセンサ付き基板は、タッチパネルと呼称される場合もある。タッチセンサ(タッチパネル)の方式としては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式など、種々の方式が知られている。
続いて、カバー基板の構成について、図2を参照して説明する。
本実施の形態では、カバー基板として、タッチセンサが設けられた基板(以下、「タッチセンサ付き基板」と略称する)を例に挙げて説明するものとする。タッチセンサ付き基板は、タッチパネルと呼称される場合もある。タッチセンサ(タッチパネル)の方式としては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式など、種々の方式が知られている。
図2は、本発明の一実施の形態に係る基板貼り合わせ装置によって貼り合わせるカバー基板の一例であるタッチセンサ付き基板の概略構成を示す図である。
図2に示すように、タッチセンサ付き基板121は、基板本体122と、この基板本体122の一方の面に設けられた加飾印刷部123とを備えている。基板本体122は、長方形の板状に形成されている。このタッチセンサ付き基板121はその外周の輪郭が、表示基板101におけるフレーム103の外周の輪郭よりも大きくなるように形成されている。
加飾印刷部123の外周の輪郭は、基板本体122の外周の輪郭と略等しい。また、加飾印刷部123の内周の輪郭は、表示基板101における偏光板104の外周の輪郭と略等しい。加飾印刷部123については、例えば、基板本体122の一方の面に表示画面枠のマスキングを行い、加飾印刷した後、マスキングした不要部分を除去することによって形成することができる。
なお、本実施の形態では、カバー基板として、タッチセンサ付き基板121を例に挙げて説明するが、本発明に係るカバー基板としては、タッチセンサ付き基板121に限られるものではなく、例えば、ガラス材などの透過性の部材によって形成された保護基板であってもよい。
[基板貼り合わせ装置]
次に、本発明の一実施の形態に係る基板貼り合わせ装置の構成について、図3〜図4を用いて説明する。
まず、図3を用いて、表示基板101及びタッチセンサ付き基板121を搬送する、基板貼り合わせ装置1(図4参照)の搬送部について説明する。図3は、基板を搬送する搬送部を示す斜視図である。
次に、本発明の一実施の形態に係る基板貼り合わせ装置の構成について、図3〜図4を用いて説明する。
まず、図3を用いて、表示基板101及びタッチセンサ付き基板121を搬送する、基板貼り合わせ装置1(図4参照)の搬送部について説明する。図3は、基板を搬送する搬送部を示す斜視図である。
図3に示すように、搬送部25は、略長方形の平板状に形成された本体部21と、本体部21を移動又は回転させる搬送部動作機構(図示省略)と、を備えている。搬送部動作機構は、本体部21における短辺部の略中央を通る軸線を中心に本体部21を回転させる。
本体部21は、一方の短辺部から本体部21における長手方向の略中央部まで切り欠かれた切欠部22が形成されている。また、本体部21の一側面における切欠部22の周囲には、弾性部材からなる筒状の吸着部23が複数形成されている。吸着部23の筒孔24は、図示しない真空ポンプに接続されている。
搬送部25には、配線(不図示)の一端が接続されている。この配線の他端は、後述する制御部14(図8参照)に接続されている。制御部14は、搬送部動作機構を駆動して、本体部21を移動又は回転させる。また、真空ポンプを駆動して搬送部25に表示基板101及びタッチセンサ付き基板121を吸着保持させる。
タッチセンサ付き基板121は、表示基板101と貼り合せるため、表示基板101との接合面に接着樹脂を塗布する必要があり、予め樹脂塗布装置(本文では記述しない)にて接着樹脂を塗布する。
なお、搬送部25を用いて、搬送部25の搬送動作と接着樹脂の塗布を同じ制御系により自動化することも可能である。
なお、搬送部25を用いて、搬送部25の搬送動作と接着樹脂の塗布を同じ制御系により自動化することも可能である。
図4は、本発明の一実施の形態に係る基板貼り合わせ装置の構成の一例を示す断面図である。図4には、表示基板101とタッチセンサ付き基板121を貼り合わせる際に真空容器10(図12参照)内の真空圧を調整する弁部61の断面構造も示しめしている。
基板貼り合わせ装置1は、有機溶剤の拡散を防止するエンクロージャー2に収容される。図4において、エンクロージャー2の内底面2aに沿った一方向をX方向(左右方向)とし、この内底面2aに平行でX方向に直交する方向をY方向とする。また、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向(上下方向)とする。
図4に示すように、基板貼り合わせ装置1は、支持フレーム3を備えている。支持フレーム3は、X方向に沿って延在する平板状の懸架部31と、懸架部31のX方向の両端部から下方に延びる一対の脚部32a,32bと、を備えている。懸架部31のX方向及びY方向の略中央部には、後述する保持部移動機構4が取り付けられている。保持部移動機構4は、後述する基板保持部5を上下方向(Z方向)に移動可能に支持している。脚部32a,32bの下端部は、エンクロージャー2の内底面2aに固定されている。
基板貼り合わせ装置1はさらに、上部材7と、下部材8と、下部材移動機構9と、を備えている。
上部材7は、下部が開口した中空の直方体状に形成されており、四角形の板状に形成された上蓋部71と、この上蓋部71の四辺に連続して下方に延びる周壁部72と、を有している。周壁部72は、X方向に対向する壁辺72a,72bと、Y方向に対向する壁辺(不図示)と、を有しており、壁辺72a,72bにて支持フレーム3の脚部32a,32bに固定されている。
上部材7の上蓋部71には、基板保持部5が設けられている。この基板保持部5は、略矩形板状の保持板部51と、保持板部51の辺部に設けられた吸着保持部52と、保持板部51の略中央部から上方へ延びるシャフト53と、を備えている。シャフト53は、支持フレーム3の懸架部31の略中央部に設けられた軸受機構6によって、上下方向に移動可能に保持されている。基板保持部5は、機械的なクランプ機構、又は静電チャックにより構成される。
基板保持部5の吸着保持部52は、制御部14(図5参照)による制御の下に、保持状態または解放状態を選択的にとることができる。ここで、保持状態とは、タッチセンサ付き基板121を吸着保持可能な状態である。また、解放状態とは、所定の位置に搬送されたタッチセンサ付き基板121を受け入れ可能な状態、または、吸着保持しているタッチセンサ付き基板121を解放する状態である。
基板保持部5は、タッチセンサ付き基板121を長方形の基板の長辺がY方向に沿って延在するように吸着保持部52にて吸着保持する。このとき、タッチセンサ付き基板121は、紫外線硬化樹脂が塗布された面が下側になるように基板保持部5によって保持される。なお、紫外線硬化樹脂の塗布は、図示しない樹脂塗布部において、タッチセンサ付き基板121の加飾印刷部123が形成されている面における当該加飾印刷部123の内側に対して行われる。
基板保持部5は、保持板部51の略中央部から上方に延びるシャフト53の上端部において保持部移動機構4に結合している。保持部移動機構4は、支持フレーム3の懸架部31の略中央部に固定されたガイド部材41と、ガイド部材41に形成された上下方向に延びる2本のガイド部42a,42bと、押圧部(移動体)43と、押圧部材43に固定されたシャフト44と、を備えている。押圧部材43は、上下方向に移動可能にガイド部42a,42bに結合している。保持部移動機構4のシャフト44と、基板保持部5のシャフト53とは、カップリング部45にて結合している。そして、制御部14(図8参照)による制御の下に、押圧部材43がガイド部42a,42bに沿って移動することで、これに連動して基板保持部5が上下方向に移動する(上昇/下降)。
保持部移動機構4はさらに、保持板部51の上面の任意の位置から上方へ延びるシャフト55a,55bと、上下方向に延びる2本のガイド部54a,54bを有する。ガイド部54a,54bは、シャフト55a,55bを上下方向に案内し、基板保持部5の円滑な移動を補助する。
下部材8は、上部が開口した中空の直方体状に形成されており、四角形の板状に形成された底部81と、この底部81の四辺に連続して上方に延びる周壁部82と、を有している。周壁部82は、その外周の輪郭が上部材7における周壁部72の外周の輪郭よりも小さくなるように形成され、また、その内周の輪郭が上部材7における周壁部72の内周の輪郭と略等しくなるように形成されている。
下部材8における周壁部82の先端部には、シール部材83が取り付けられている。このシール部材83は、上部材7における周壁部72の先端部に当接して密着し、周壁部82の先端部と上部材7との間を密閉する。シール部材83としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどのゴム部材を適用することができる。
下部材移動機構9は、エンクロージャー2の内底面2aに固定されている。下部材移動機構9は、上下移動機構91と、XYθステージ92と、を有しており、下部材8をX方向、Y方向、Z方向、及び、Z方向に延びる軸を中心としたθ方向へ移動または回転させる。この下部材移動機構9による駆動の下に、下部材8がシャフト93に沿って上昇し、当該下部材8における周壁部82の先端部が上部材7における周壁部72の先端部に当接することにより、密閉された内部空間である真空室10aを有する真空容器10(図12参照)が形成される。
下部材8の底部81には、基板支持部18が設けられている。基板支持部18は、所定の位置に搬送された表示基板101を下方から、長方形の基板の長辺がY方向に沿って延在するように支持する。これによって、表示基板101は、偏光板104が設けられた面が上側になるように基板支持部18によって支持される。基板支持部18は、貼り合わせるタッチセンサ付き基板121に合わせて柔軟に対応するように、ばねなどの弾性体を用いた支持手段で構成されている。
支持フレーム3の懸架部31には、ガイド部材41を挟んで対向するように撮像部20A,20Bが設けられている。撮像部20A,20Bは、支持フレーム3に設けられていることにより、真空容器10内を真空圧にしたときに生じる歪の影響等を受けない。それゆえ、撮像部20A,20Bで画像撮像時の光軸のずれを防止する。この撮像部20A,20Bは、真空容器10(図12参照)内に撮像部20A,20Bの少なくとも一部が配置され、基板支持部18に支持された表示基板101と、基板保持部5によって保持されたタッチセンサ付き基板121との相対的な位置を検出する。撮像部20A,20Bとしては、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの周知の撮像素子を用いることができる。
撮像部20A,20Bの検出結果(撮像結果)、即ち、基板支持部18によって支持された表示基板101と、基板保持部5によって保持されたタッチセンサ付き基板121との相対的な位置情報は、制御部14(図8参照)にフィードバックされる。制御部14は、撮像部20A,20Bの検出結果に基づいて、下部材移動機構9を駆動することにより、基板支持部18によって支持された表示基板101と、基板保持部5によって保持されたタッチセンサ付き基板121との相対的な位置の制御を行う。
また、制御部14は、真空容器10内を真空引きする制御、基板支持部18と基板保持部5とを上下方向に相対的に移動させて表示基板101とタッチセンサ付き基板121とを貼り合わせる制御を行う。制御部14はさらに、貼り合わせ後の表示基板101とタッチセンサ付き基板121との相対的な位置についての撮像部20A,20Bの検出結果に基づいて、両基板101,121の相対的な位置を調整する制御を行う。
このようにして、撮像部20A,20Bの検出結果に基づいて、貼り合わされた表示基板101とタッチセンサ付き基板121との相対的な位置を調整する。それゆえ、表示基板101とタッチセンサ付き基板121とを貼り合わせるときに、両基板101,121に相対的な位置ずれが生じても、そのずれを補正することができる。
なお、当然のことながら、表示基板101とタッチセンサ付き基板121とを貼り合わせるときに、両基板101,121に相対的に位置ずれが生じなかった場合や、両基板101,121の相対的な位置ずれが許容範囲内であった場合は、相対的な位置を調整する必要はない。
真空容器10(図12参照)と真空ポンプ60(図8参照)との間には、弁部61(圧力調整部)が設けられている。弁部61は、真空室10a内の圧力を調整する圧力調整バルブであり、配管63を介して真空ポンプ60と通気可能に接続している。弁部61は、内部が中空で略直方体形状の弁部本体と、弁部本体内部で上下方向に駆動する圧力調整部材62を有する。弁部本体には、真空容器10側に設けられた真空室10aと外部を通気する通気孔611、真空室10aの気体を排気する真空排気側の通気孔612、及び真空室10aに大気を開放する通気孔613が形成されている。圧力調整部材62は、制御部14の制御の下、真空排気の際に上方に移動して通気孔611と通気孔612を連通させ、大気開放の際に下方に移動して通気孔611と通気孔613を連通させる。
上部材7の壁辺72bには、圧力センサ74が設けられている。圧力センサ74は、例えばピラニーゲージなどの真空圧力計を用いることができる。圧力センサ74で真空容器10内の圧力を監視し、圧力を一定に保つ制御が行われる。
上部材7の壁辺72a,72bにはそれぞれ、紫外線を出射する仮固定用光源75a,75bが設けられている。仮固定用光源75a,75bの光軸はX方向に平行であり、仮固定用光源75a,75bから出射された紫外線は、貼り合わせられた表示基板101とタッチセンサ付き基板121との間に介在する未硬化の紫外線硬化樹脂の側面側に照射される。適切な光量の紫外線を照射することにより、貼り合わせられた表示基板101とタッチセンサ付き基板121との間に介在する紫外線硬化樹脂を半硬化(仮硬化)させる。なお、仮固定用光源75a,75bを、上部材7と下部材8により形成される真空容器10に配備することで、容器内が真空圧状態や大気圧状態のどちらでも紫外線照射が可能で、接着樹脂の特性に合せた紫外線照射の圧力に対応できる。
[押圧部の機構]
次に、基板貼り合わせ装置1の押圧部材43を移動させる押圧部の機構を説明する。
図5は、基板貼り合わせ装置1の押圧部材43を移動させる押圧部を示す説明図である。
図5に示すように、押圧部430は、押圧部材43を駆動するサーボモータ432(駆動部の一例)と、押圧部材43の変位量を検出する変位検出センサ433と、サーボモータ432に駆動信号を供給するサーボドライバ431とから構成されている。サーボモータ432のシャフト(図示略)の先端部に押圧部材43が接合されている。サーボモータ432には、例えばボイスコイルモータが適用される。サーボドライバ431は、制御部14から供給される制御信号に従って動作する。変位検出センサ433は、いわゆるエンコーダである。
次に、基板貼り合わせ装置1の押圧部材43を移動させる押圧部の機構を説明する。
図5は、基板貼り合わせ装置1の押圧部材43を移動させる押圧部を示す説明図である。
図5に示すように、押圧部430は、押圧部材43を駆動するサーボモータ432(駆動部の一例)と、押圧部材43の変位量を検出する変位検出センサ433と、サーボモータ432に駆動信号を供給するサーボドライバ431とから構成されている。サーボモータ432のシャフト(図示略)の先端部に押圧部材43が接合されている。サーボモータ432には、例えばボイスコイルモータが適用される。サーボドライバ431は、制御部14から供給される制御信号に従って動作する。変位検出センサ433は、いわゆるエンコーダである。
制御部14の制御の下、サーボドライバ431がサーボモータ432に駆動信号を供給することにより、サーボモータ432が駆動して押圧部材43を上下方向に駆動させる。押圧部材43の上下方向への運動が、シャフト44、カップリング部45、シャフト53を通じて基板保持部5の保持板部51に伝達し、保持板部51が移動する。
ここで、基板貼り合わせ時の押圧部430の制御を説明する。
例えばボイスコイルモータを用いたサーボモータ432では、内部のコイルに電流が流れると、流れる電流の量及び電流の向きに対応して、連結する押圧部材43が上方又は下方に移動する。制御部14は、変位検出センサ433が検出する押圧部材43の変位量に応じて、サーボドライバ431に制御信号を供給する。
例えばボイスコイルモータを用いたサーボモータ432では、内部のコイルに電流が流れると、流れる電流の量及び電流の向きに対応して、連結する押圧部材43が上方又は下方に移動する。制御部14は、変位検出センサ433が検出する押圧部材43の変位量に応じて、サーボドライバ431に制御信号を供給する。
図6は、押圧部430の制御を示す説明図である。
図6において、縦軸はサーボモータ432の内部のコイルに流れる電流値、横軸はタッチセンサ付き基板121の移動距離を表している。ここでは、基板保持部5に保持されたタッチセンサ付き基板121を下降し、紫外線硬化樹脂111が塗布された表示基板101に接触させる場合を想定する。制御部14がサーボドライバ431へ出力する指令値(二点鎖線)に基づく位置は、貼り合わせ位置よりも下側である。なお、図6の例では、説明の便宜上、表示基板101に紫外線硬化樹脂111が塗布されている例としている。
図6において、縦軸はサーボモータ432の内部のコイルに流れる電流値、横軸はタッチセンサ付き基板121の移動距離を表している。ここでは、基板保持部5に保持されたタッチセンサ付き基板121を下降し、紫外線硬化樹脂111が塗布された表示基板101に接触させる場合を想定する。制御部14がサーボドライバ431へ出力する指令値(二点鎖線)に基づく位置は、貼り合わせ位置よりも下側である。なお、図6の例では、説明の便宜上、表示基板101に紫外線硬化樹脂111が塗布されている例としている。
サーボモータ432内部の電流値は、タッチセンサ付き基板121が貼り合わせ位置(一点鎖線)に移動するまで略一定である。
次に、タッチセンサ付き基板121が紫外線硬化樹脂111を介して表示基板101に当接すると、変位検出センサ433が検出する変位量が小さくなる。そのため、制御部14はタッチセンサ付き基板121をもっと下降させて指令値に基づく位置に近づけようと、サーボモータ432に供給する電流値を上昇させる。
その結果、サーボモータ432内部のコイルに流れる電流値が急激に上昇する。この電流値が急激に上昇した時点で、サーボモータ432に供給する電流値を固定する(サーボ制御をロック)ことにより、タッチセンサ付き基板121を一定の圧力で表示基板101に押しつけることができる。それゆえ、紫外線硬化樹脂111を任意の設定厚に制御することができ、紫外線硬化樹脂111の広がりや液だれを防止できる。
次に、タッチセンサ付き基板121が紫外線硬化樹脂111を介して表示基板101に当接すると、変位検出センサ433が検出する変位量が小さくなる。そのため、制御部14はタッチセンサ付き基板121をもっと下降させて指令値に基づく位置に近づけようと、サーボモータ432に供給する電流値を上昇させる。
その結果、サーボモータ432内部のコイルに流れる電流値が急激に上昇する。この電流値が急激に上昇した時点で、サーボモータ432に供給する電流値を固定する(サーボ制御をロック)ことにより、タッチセンサ付き基板121を一定の圧力で表示基板101に押しつけることができる。それゆえ、紫外線硬化樹脂111を任意の設定厚に制御することができ、紫外線硬化樹脂111の広がりや液だれを防止できる。
上記の構成を備える基板貼り合わせ装置1において、まず、搬送部25により、表示基板101を下部材8に設けた基板支持部18に載置し、撮像部20A,20Bで表示基板101を撮影し、その位置を記憶しておく。
次に、搬送部25により、タッチセンサ付き基板121を上部材7に配置した基板保持部5に渡し、基板保持部5でタッチセンサ付き基板121の保持が完了した時点で、撮像部20A,20Bでタッチセンサ付き基板121を撮影し、位置検出を行う。そして、表示基板101とタッチセンサ付き基板121との相対的な位置ずれを、下部材移動機構9で補正する。
表示基板101とタッチセンサ付き基板121の相対的な位置ずれの補正が完了したところで、下部材8を上昇させ、上部材7の周壁部72と下部材8の周壁部82の先端部を当接させ、真空容器10を形成する。
そして、真空ポンプ60(図8参照)を起動し、真空容器10の真空室10a(図12参照)の真空排気を行なう。このとき真空室10aが必要以上の真空圧にならないように、真空容器10と接続する弁部61の圧力調整部材62を駆動して、任意の真空圧を維持する。紫外線硬化樹脂111や両基板101,121から生じる揮発成分の放出がほぼ飽和する時間まで真空圧を維持する。
揮発成分の放出が飽和した後、その真空圧を保ったまま表示基板101とタッチセンサ付き基板121の貼り合わせを行ない、大気開放する。
ところで、真空環境での基板の貼り合わせに関する先行技術(国際公開第2011/037035号パンフレットの段落[0058])として、例えば『重ねあわせの際の減圧雰囲気は、100Pa以下であり、10Pa以上が好ましい。(途中省略)また減圧雰囲気があまりに低圧であると、各成分が気化するおそれがあり、また、減圧雰囲気を提供するために時間がかかることがあるということから、減圧雰囲気の圧力は、15〜40Paがより好ましい。』とするものがある。
また、基板を貼り合わせた後の減圧の時間に関しては、特に限定しておらず、『生産効率の点から10分以内がより好ましい。』に留めている。
また、基板を貼り合わせた後の減圧の時間に関しては、特に限定しておらず、『生産効率の点から10分以内がより好ましい。』に留めている。
基板貼り合わせ装置1として、生産効率を上げるため、規定の真空圧により速く到達できるよう、必要最小限の真空容器の体積の確保、及び真空容器に対して大容量な真空排気系を配備している。
図7は、真空容器10内でタッチセンサ付き基板121に紫外線硬化樹脂を塗布していない場合(樹脂なし曲線201)と塗布した場合(樹脂あり曲線202)の真空排気時間の比較例を示す説明図であり、図7Aは圧力と時間の関係を示すグラフ、図7Bは図7Aの要部拡大図である。
図7Aに示すように、紫外線硬化樹脂から揮発が始まるが、200Pa辺りから紫外線硬化樹脂の揮発が始まり、真空排気の速度に紫外線硬化樹脂の揮発が追いついてこない状態となってしまう。この段階では、揮発成分は紫外線硬化樹脂の水分が支配的である。
例えば、貼り合わせ規定圧力が50Paとした場合に、真空排気を開始後に10秒で規定圧力に到達する。このとき基板の貼り合わせを行なったとしても、貼り合わせている最中にも、紫外線硬化樹脂から揮発ガスが発生する。
図7Aに示すように、紫外線硬化樹脂から揮発が始まるが、200Pa辺りから紫外線硬化樹脂の揮発が始まり、真空排気の速度に紫外線硬化樹脂の揮発が追いついてこない状態となってしまう。この段階では、揮発成分は紫外線硬化樹脂の水分が支配的である。
例えば、貼り合わせ規定圧力が50Paとした場合に、真空排気を開始後に10秒で規定圧力に到達する。このとき基板の貼り合わせを行なったとしても、貼り合わせている最中にも、紫外線硬化樹脂から揮発ガスが発生する。
さらに、真空排気を継続すると30秒後あたりから紫外線硬化樹脂の揮発が飽和したように見える。しかし、真空排気時間が40数秒を超え真空圧が30Pa程度まで下がってくると、再び揮発ガスが発生し真空度が下がる。この段階では、揮発成分は紫外線硬化樹脂のモノマや貼り合わせる基板から揮発するガスが支配的である。図7Bに示す図7Aの要部拡大図では、真空圧が30Paを下回ったところで、破線で示す樹脂あり曲線202aの真空圧が低下し始めている。したがって、真空環境において紫外線硬化樹脂や貼り合わせる基板の揮発が抑制された(ほとんど見られない)貼り合わせ時間203内に、基板の貼り合せを実施し、完了させることが望ましい。
貼り合わせ時間203は、真空排気を開始してから紫外線硬化樹脂から揮発する水分が飽和した圧力となってから、紫外線硬化樹脂のモノマや貼り合わせる基板の揮発成分が放出される圧力に移行するまでの時間である。
貼り合わせ時間203は、真空排気を開始してから紫外線硬化樹脂から揮発する水分が飽和した圧力となってから、紫外線硬化樹脂のモノマや貼り合わせる基板の揮発成分が放出される圧力に移行するまでの時間である。
なお、真空圧によって紫外線硬化樹脂から出てくる揮発ガスは、貼り合わせ面で気泡となって現れるが、大気圧状態で再び紫外線硬化樹脂に溶け込み消滅する。ただし、目視可能な小さな気泡だと、消滅するのに1〜3分の時間を費やしてしまうため、生産効率を考えると問題となる。
基板貼り合せ装置1では、上部材7の壁辺72bに、真空容器10内の真空度を安定的な状態に調整するための圧力制御機能付きバルブ(弁部61)を具備する。これにより、貼り合わせる表示基板101とタッチセンサ付き基板121からの揮発が飽和状態になるまで、その圧力を一定に維持することにより、設定圧力以下で発生する揮発ガスを抑える。
基板貼り合せ装置1はさらに、真空容器10内の容積に対し、大容量な排気量で真空排気を行う手段を備えることがより望ましい。このようにした場合、真空容器10内の圧力を貼り合わせ時の設定真空圧に早く到達させ、より早く紫外線硬化樹脂における揮発を飽和状態にすることができ、短いタクトタイムでの無気泡貼り合わせを実現できる。
[基板貼り合わせ装置の制御系]
次に、基板貼り合わせ装置1の制御系について、図8を参照して説明する。図8は、基板貼り合わせ装置1の制御系の構成の一例を示すブロック図である。
次に、基板貼り合わせ装置1の制御系について、図8を参照して説明する。図8は、基板貼り合わせ装置1の制御系の構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、基板貼り合わせ装置1は、制御部14を備えている。この制御部14は、例えば、CPU(中央演算処理装置)と、CPUが実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)とを有する。
制御部14は、撮像部20A,20Bが検出した、基板支持部18によって支持された表示基板101と、基板保持部5によって保持されたタッチセンサ付き基板121との相対的な位置情報を入力とする。また、圧力センサ74及び変位検出センサ433による検出結果を入力とする。
圧力センサ74は、上部材7と下部材8によって形成された真空容器10(図12参照)の内圧を検出し、検出結果を制御部14に出力する。
変位検出センサ433は、押圧部430におけるサーボモータ432(図5参照)の近傍に設けられている。変位検出センサ433は、サーボモータ432の基部(図示略)が上下方向に移動することによって変化する電圧を増幅器に出力する。
本実施の形態において、変位検出センサ433の出力電圧は、基部と変位検出センサ433とが最も接近しているときに最大になる。また、この出力電圧は、基部が上昇して変位検出センサから離れるにつれて小さくなり、基部と変位検出センサとが最も離れたときに最小となる。変位検出センサ433から出力された電圧は、不図示の増幅器で増幅され、不図示のA/D変換器でデジタル信号を生成し、生成したデジタル信号を制御部14に送信する。
制御部14は、真空ポンプ60の駆動を制御して、弁部61を介して、真空容器10の真空室10aの空気を吸引させる。これによって、真空室10aが脱気される。制御部14は、圧力センサ74の検出結果に基づいて、弁部61と真空ポンプ60を駆動して、真空容器10の内圧を所定の圧力に設定する。なお、所定の圧力は、大気圧よりも低い値、例えば30Pa程度に設定されている。
制御部14は、弁部61の動作を制御して、弁部61を吸引状態、閉止状態又は大気開放状態に選択的に設定する。
制御部14は、撮像部20A,20Bから与えられる相対的な位置情報や、変位検出センサ433に基づいて、保持部移動機構4、基板保持部5、下部材移動機構9、基板支持部18及びサーボドライバ431などの制御を行う。
より具体的には、制御部14は、基板保持部5の吸着保持部52の動作を制御して、当該吸着保持部52を解放状態または保持状態に選択的に制御する。吸着保持部52は、制御部14によって保持状態に制御されたときは、所定の貼り合わせ位置に配置されたタッチセンサ付き基板121を保持する。
制御部14は、下部材移動機構9の駆動を制御して、下部材8を上方へ移動(上昇)させることで、その周壁部82の先端部を上部材7における周壁部72の先端部に当接させる。これにより、上部材7と下部材8とによって、真空室10aを有する真空容器10が形成される。
制御部14は、保持部移動機構4の駆動を制御して、基板保持部5をZ方向へ移動させる。具体的には、制御部14は、タッチセンサ付き基板121を保持した基板保持部5を真空容器10内で下降させる。これにより、真空状態にある真空容器10内において、基板保持部5によって保持されたタッチセンサ付き基板121と、基板支持部18によって支持された表示基板101とが、未硬化の紫外線硬化樹脂111を介して貼り合わされる。
制御部14はさらに、撮像部20A,20Bの検出結果に基づいて、下部材移動機構9の駆動を制御することで、貼り合わせ後の表示基板101とタッチセンサ付き基板121との相対的な位置を調整する。
サーボドライバ431は、制御部14によって動作を制御され、制御部14によって指示された電流の向き及び電流量で押圧部430のサーボモータ432を駆動する。制御部14は、送信されたデジタル信号に基づいて、電流の向き及び電流量を決定し、決定した電流の向き及び電流量でサーボモータ432を駆動させるよう各サーボドライバ431に制御信号を送信する。
時計部15は、制御部14の制御の下、計時を行い、時間情報を制御部14に送信する。例えば、真空室10aの脱気(真空引き)を開始した時点からの経過時間を計測し、計測結果を制御部14に送信する。
[基板貼り合わせ装置の動作]
次に、基板貼り合せ装置1の動作について、図4及び図9〜図14を参照して説明する。
図9は、図4の基板貼り合わせ装置1の下部材8が上昇して表示基板101のアライメントを行う状態を示す説明図である。
図10は、図4の基板貼り合わせ装置1の下部材8が退避し、基板保持部5が下降してタッチセンサ付き基板121を保持する状態を示す説明図である。
図11は、図4の基板貼り合わせ装置1の基板保持部5が上昇してタッチセンサ付き基板121のアライメントを行う状態を示す説明図である。
図12は、図4の基板貼り合わせ装置1の下部材8が上昇し、真空容器10を形成した状態を示す説明図である。
図13は、図4の基板貼り合わせ装置1の基板保持部5が下降してタッチセンサ付き基板121と表示基板101を接触させた状態を示す説明図である。
図14は、図4の基板貼り合わせ装置1内のタッチセンサ付き基板121と表示基板101に介在する紫外線硬化樹脂に紫外線を照射した状態を示す説明図である。
次に、基板貼り合せ装置1の動作について、図4及び図9〜図14を参照して説明する。
図9は、図4の基板貼り合わせ装置1の下部材8が上昇して表示基板101のアライメントを行う状態を示す説明図である。
図10は、図4の基板貼り合わせ装置1の下部材8が退避し、基板保持部5が下降してタッチセンサ付き基板121を保持する状態を示す説明図である。
図11は、図4の基板貼り合わせ装置1の基板保持部5が上昇してタッチセンサ付き基板121のアライメントを行う状態を示す説明図である。
図12は、図4の基板貼り合わせ装置1の下部材8が上昇し、真空容器10を形成した状態を示す説明図である。
図13は、図4の基板貼り合わせ装置1の基板保持部5が下降してタッチセンサ付き基板121と表示基板101を接触させた状態を示す説明図である。
図14は、図4の基板貼り合わせ装置1内のタッチセンサ付き基板121と表示基板101に介在する紫外線硬化樹脂に紫外線を照射した状態を示す説明図である。
まず、表示基板101とタッチセンサ付き基板121を用意する。そして、不図示の樹脂塗布部によって、タッチセンサ付き基板121の加飾印刷部123が形成されている面における加飾印刷部123の内側に紫外線硬化樹脂が塗布される。
次に、図示しないアームによって搬送部25の切欠部22を覆うように載置された表示基板101を、搬送部25に接続されている真空ポンプ(図示略)を駆動して吸着部23の筒孔24を負圧にすることによって、搬送部25に吸着保持させる。このとき、表示基板101のフレーム103側が吸着部23と当接し、偏光板104が取り付けられた面が上方を向いている。
次に、搬送部25の搬送部動作機構(図示略)を制御して搬送部25を移動させて、表示基板101を基板支持部18の上方に配置する。このとき、下部材8を、上部材7に対して上下方向に所定の距離を空けた初期位置に配置しておく。
次に、搬送部25を予め教示したX方向、Y方向及びθ方向へ移動させ、吸着保持されている表示基板101を水平方向の所定の位置に配置後、表示基板101を基板支持部18に載置する(図4参照)。基板支持部18は該表示基板101の反りに沿って保持される。表示基板101は、対向する長辺部がX方向に沿って延在するように基板支持部18に載置される。
なお、表示基板101を基板支持部18に載置後に下部材移動機構9を駆動して下部材8を移動し、表示基板101の水平方向の位置を所定の位置に補正してもよい。この場合、撮像部20A,20Bは、基板支持部18に支持された表示基板101を撮像し、表示基板101の水平方向の位置及び中心位置を検出して検出結果を制御部14に送信する(図9参照)。
次に、制御部14は、搬送部25の搬送部動作機構を制御して、紫外線硬化樹脂が塗布されたタッチセンサ付き基板121が載置されているパレット(図示略)の近傍に、搬送部25を移動させる。そして、制御部14は、搬送部25を吸着部23が設けられた一側面が下面となるように回転させる。
次に、制御部14は、搬送部25を移動させてタッチセンサ付き基板121の上方に配置する。続いて、制御部14は、搬送部25を下降させ、吸着部23をタッチセンサ付き基板121の紫外線硬化樹脂が塗布されていない箇所、すなわち加飾印刷部123が形成されている箇所に当接させる。そして、制御部14は、搬送部25に接続されている真空ポンプを駆動して吸着部23の筒孔24を負圧にすることによって、搬送部25にタッチセンサ付き基板121を吸着保持させる。
次に、制御部14は、搬送部25を回転させて、吸着部23が設けられた一側面が上面となるように回転させる。これによって、タッチセンサ付き基板121の紫外線硬化樹脂が塗布された面が下方に向く。そして、制御部14は、搬送部25を移動させて、タッチセンサ付き基板121を基板保持部5の下方に配置する。このとき、制御部14は、保持部移動機構4を駆動して、上部材7における周壁部72の下端部よりも下方の位置に基板保持部5を配置しておく。
次に、制御部14は、基板保持部5にタッチセンサ付き基板121を保持させる(図10参照)。タッチセンサ付き基板121は、対向する長辺部がX方向に沿って延在するように、基板保持部5に吸着保持される。これによって、タッチセンサ付き基板121の紫外線硬化樹脂が塗布された面と、表示基板101の偏光板104が取り付けられた面と、が対向する。
制御部14は、予め教示している位置データに基づいて、搬送部25をX方向、Y方向及びθ方向へ移動し、吸着保持されているタッチセンサ付き基板121の表示基板101に対する位置合わせを行う(図11参照)。
なお、タッチセンサ付き基板121を基板保持部5に保持後に保持部移動機構4を駆動して基板保持部5を移動し、タッチセンサ付き基板121の垂直方向の位置を所定の位置に移動する。そして、撮像部20A,20Bで基板保持部5に保持されたタッチセンサ付き基板121を撮像し、タッチセンサ付き基板121の水平方向の位置及び中心位置を検出して検出結果を制御部14に送信する。制御部14は、表示基板101の水平方向の位置及び中心位置についての検出結果から、下部材移動機構9を駆動してタッチセンサ付き基板121と表示基板101とを位置合わせしてもよい。
次に、制御部14は、図12に示すように、保持部移動機構4を駆動して基板保持部5を上昇させてタッチセンサ付き基板121を上部材7の内側に配置する。
次に、制御部14は、下部材移動機構9を駆動して下部材8を上昇させて、上部材7に当接させる。これによって、上部材7と下部材8は、真空容器10を形成する(図12参照)。
次に、制御部14は、圧力調整バルブである弁部61を駆動して、真空排気する設定にする。すなわち、図12に示すように、弁部61の圧力調整部材62を上昇させ(真空排気位置)、弁部61の本体の真空容器10側の通気孔611と真空排気側の通気孔612を連通する。このとき、通気孔611と大気開放側の通気孔613の通気は遮断される。そして、真空ポンプ60を駆動して、真空室10aの脱気(真空引き)を開始する。上述の図4、図9〜図11では、圧力調整部材62は下降した位置にあり、通気孔611と通気孔612は連通していない。
制御部14は、脱気を開始後、圧力センサ74によって検出された真空室10aの圧力が所定の圧力に到達したかどうかを判定する。真空室10aの圧力が所定の圧力に到達した場合、制御部14は、弁部61の圧力調整部材62を所定量だけ下降させ(圧力調整位置)、弁部61の本体の真空容器10側の通気孔611の一部と真空排気側の通気孔612の一部を連通する(図13参照)。それにより、真空室10aを到達した圧力に維持したままの状態で、真空排気量と大気開放量のバランスを保つ。紫外線硬化樹脂及び貼り合わせる基板からの揮発がない真空圧を保つため、真空圧が低下せず、真空室10aの脱気の進行が早まる。
続いて、制御部14は、保持部移動機構4を駆動して基板保持部5を下降させる(図13参照)。タッチセンサ付き基板121と表示基板101とが当接し、両基板101,121は貼り合わせ位置に配置される。この貼り合わせは、図7Aに示した貼り合わせ時間203内で行われる。両基板101,102が当接すると保持部移動機構4は、サーボ制御により、その貼り合わせ時の表示基板101からの反力をサーボモータ432の変位検出センサ433による位置信号と制御電流の高さにより検知することができる。
前もって実験にて評価しておいた規定の押しつけ力となった時点で、保持部移動機構4の動作を停止する(図6のロック位置)。それにより、余分な押しつけを止め、貼り合せ時に懸念される紫外線硬化樹脂のはみ出しを防止することができる。
次に、制御部14は、弁部61の圧力調整部材62を下降させ(待機開放位置)、弁部61の本体の真空容器10側の通気孔611と大気開放側の通気孔613を連通して弁部61を大気開放状態にする(図14参照)。
真空室10aの圧力が大気圧と等しくなると、両基板101,121間の内側に空間が生じていた場合、上述のとおり、この空間は閉空間となっているので、この空間に周囲の紫外線硬化樹脂が吸引され、空間をつぶすことができる。
続いて、制御部14は、仮固定用光源75a,75bを駆動し、表示基板101とタッチセンサ付き基板121との間に介在された紫外線硬化樹脂の側面側の複数個所に紫外線を照射する。そして、所定の時間が経過すると、紫外線硬化樹脂の複数個所が硬化し、表示基板101とタッチセンサ付き基板121が仮固定される。表示基板101とタッチセンサ付き基板121を貼り合せて仮固定したところで基板貼り合わせが完了する。
次に、制御部14は、基板保持部5によるタッチセンサ付き基板121の保持を開放し、制御部14は、下部材移動機構9を駆動して下部材8を初期位置に下降させ、基板貼り合わせ装置1による貼り合わせ工程が完了となる。
本実施の形態に係る基板貼り合せ装置1では、両基板101,121の貼り合せ時において、安定的な真空圧環境で両基板を当接させ、大気開放を行なう。これによって、両基板101,121の中に介在する紫外線硬化樹脂が揮発ガスを発生することなく貼り合せを完了できるため、両基板101,121間に気泡を生じさせることなく、高精度に行うことができる。
[変形例]
以上、本発明の基板貼り合わせ装置の一実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の基板貼り合せ装置は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
以上、本発明の基板貼り合わせ装置の一実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の基板貼り合せ装置は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
本実施の形態では、圧力センサ74の検出結果に基づいて貼り合わせ時間203を計る構成としていたが、脱気時の排気量が一定であれば、時計部15で計測した脱気開示時からの所定時間経過後に、弁部61の圧力調整部材62の下降を開始してもよい。
また、本実施の形態では、基板支持部18によって表示基板101を支持した後で、基板保持手段11によってタッチセンサ付き基板121を保持する態様を説明した。しかし、基板保持手段11によってタッチセンサ付き基板121を保持した後で、基板支持部18によって表示基板101を支持してもよい。
また、本実施の形態の基板貼り合せ装置1では、保持部移動機構4、下部材移動機構9を備える。しかし、貼り合わせ対象の基板を移動させる構成としては、適宜変更することができる。
例えば、本実施の形態では、保持部移動機構4が基板保持部5(タッチセンサ付き基板121)をZ方向へ移動させる構成とした。しかし、本発明に係る保持部移動機構としては、基板保持部5をX方向、Y方向、Z方向及びθ方向へ移動させる構成としてもよい。この場合は、表示基板101に対してタッチセンサ付き基板121を位置決めすることができる。
つまり、本発明の基板貼り合わせ装置は、表示基板101とタッチセンサ付き基板121とを相対的に移動させる機構を有していればよい。
つまり、本発明の基板貼り合わせ装置は、表示基板101とタッチセンサ付き基板121とを相対的に移動させる機構を有していればよい。
また、本実施の形態では、タッチセンサ付き基板121に紫外線硬化樹脂を塗布した態様を説明したが、表示基板101の偏光板104側に紫外線硬化樹脂を塗布してもよい。
また、本実施の形態では、上部材7を下部が開口された直方体状に形成し、下部材8を上部が開口された直方体状に形成した。しかし、本発明に係る上部材及び下部材は、互いに当接することで真空容器を形成するものであれば、その形状を適宜変更できる。
例えば、本発明に係る上部材を下部が開口した直方体状に形成し、下部材を板状に形成してもよい。また、上部材を板状に形成し、下部材を上部が開口した直方体状に形成してもよい。
さらに、上部材と下部材によって形成される真空容器は、直方体に限定されるものではなく、表示基板及びカバー基板を収容する真空室が確保される形状であればよく、例えば、円柱状であってもよい。
例えば、本発明に係る上部材を下部が開口した直方体状に形成し、下部材を板状に形成してもよい。また、上部材を板状に形成し、下部材を上部が開口した直方体状に形成してもよい。
さらに、上部材と下部材によって形成される真空容器は、直方体に限定されるものではなく、表示基板及びカバー基板を収容する真空室が確保される形状であればよく、例えば、円柱状であってもよい。
1…基板貼り合わせ装置、 3…支持フレーム、 4…保持部移動機構、 5…基板保持部、 6…軸受機構、 7…上部材、 8…下部材、 9…下部材移動機構、 10…真空容器、 14…制御部、 18…基板支持部、 430…押圧部、 433…変位検出センサ、 60…真空ポンプ、 61…弁部、 62…圧力調整部材、 74…圧力センサ、 75a,75b…仮固定用光源、 101…表示基板、 121…タッチセンサ付き基板、 203…貼り合わせ時間
Claims (4)
- 真空容器内において、表示基板とカバー基板とを、紫外線硬化樹脂を介して貼り合わせる基板貼り合わせ装置であって、
前記真空容器内を脱気する真空ポンプと前記真空ポンプとの間に配置され、前記真空容器内の圧力を調整する圧力調整部と、
前記真空容器内の圧力を検出する圧力センサと、
前記圧力センサによる検出結果に基づいて、前記圧力調整部による圧力の調整を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記真空ポンプにより前記真空容器内の脱気を開始後、前記表示基板と前記カバー基板の間に介在する紫外線硬化樹脂、並びに前記表示基板と前記カバー基板から生じる揮発成分が抑制された所定の圧力となったときに、前記圧力調整部を駆動して当該圧力を維持し、前記表示基板と前記カバー基板の貼り合わせを行うよう制御する
基板貼り合わせ装置。 - 前記所定の圧力は、前記真空容器内の脱気を開始後、主として、前記表示基板と前記カバー基板の間に介在する紫外線硬化樹脂から揮発する水分が飽和した圧力から、前記紫外線硬化樹脂のモノマ並びに前記表示基板と前記カバー基板から生じる揮発成分が放出される圧力に移行するまでの所定範囲の圧力である
請求項1に記載の基板貼り合わせ装置。 - 前記表示基板又は前記カバー基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部を移動する保持部移動機構と、
前記カバー基板又は前記表示基板を支持する基板支持部と、
前記保持部移動機構を駆動し、前記基板支持部に支持された前記カバー基板又は前記表示基板に対し、前記基板保持部に保持した前記表示基板又は前記カバー基板を押しつける押圧部と、を備え、
前記制御部は、前記真空容器内の圧力が前記所定範囲にあるとき、前記押圧部の駆動を制御し、前記カバー基板又は前記表示基板に対し、前記表示基板又は前記カバー基板を一定の圧力で押しつけるよう制御する
請求項2に記載の基板貼り合わせ装置。 - 真空容器内において、表示基板とカバー基板とを、紫外線硬化樹脂を介して貼り合わせる基板貼り合わせ装置における基板貼り合わせ方法であって、
真空ポンプにより前記真空容器内の脱気を開始し、
圧力センサにより真空容器内が、前記表示基板と前記カバー基板の間に介在する紫外線硬化樹脂、並びに前記表示基板と前記カバー基板から生じる揮発成分が抑制された所定の圧力となったことを検出し、
前記所定の圧力となったとき、前記真空容器内を脱気する真空ポンプと前記真空ポンプとの間に配置された圧力調整部により当該圧力を維持し、
前記圧力を維持した状態で、前記表示基板と前記カバー基板の貼り合わせを行う
基板貼り合わせ方法。
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JP2013070325A JP2014194455A (ja) | 2013-03-28 | 2013-03-28 | 基板貼り合わせ装置及び基板貼り合わせ方法 |
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CN106526907A (zh) * | 2015-09-10 | 2017-03-22 | 由田新技股份有限公司 | 面板按压检查机 |
JP7486244B2 (ja) | 2022-08-04 | 2024-05-17 | Aiメカテック株式会社 | 基板組立装置 |
-
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