JP3949256B2 - 半導体素子試験用キャリア及び半導体素子試験方法及び半導体素子試験用装置 - Google Patents

半導体素子試験用キャリア及び半導体素子試験方法及び半導体素子試験用装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体素子試験用キャリア及び半導体素子試験方法及び半導体素子試験用装置に係り、特にメンブレン式コンタクタを用いて半導体素子(ベアチップ、BGA(Ball Grid Array),SOP(Small Outline Package),QFP(Quad Flat Package)等を含む)に対して試験を行う構成とされた半導体素子試験用キャリア及び半導体素子試験方法及び半導体素子試験用装置に関する。
【0002】
近年の電子回路は、小型化、高速化、高密度化が要求されている。
このため、これらの電子回路に配置される電極についても、小型化、高速化、高密度化に対応すべく微細化が図られ、このような電子回路に対し試験や実装を行う場合、確実に電気的な接続を得るためのコンタクタが求められている。
このようなコンタクタとしては、近年PI(ポリイミド)フィルム上に導電パターンを施した形態のメンブレン(薄膜)状コンタクタが用いられるケースが増えてきており、このようなコンタクタを備えた半導体素子、特にベアチップ用の試験用キャリアが開発されている。
【0003】
【従来の技術】
従来のメンブレン状コンタクタを備えた半導体素子試験用キャリアは、通常被試験対象となる半導体素子をメンブレン状コンタクタの所定の位置に搭載した後、この半導体素子を前記メンブレン状コンタクタに押しつけるための加圧機構を半導体素子背面(メンブレン状コンタクタと接触させる面と反対面)に設置する構成となっている。。つまり、キャリア構造としては、下部よりメンブレン状コンタクタ−半導体素子−加圧機構という3重構造を基本としている。
【0004】
この種の半導体素子試験用キャリアとして、例えば図13に示すものが従来より知られている。
同図に示す半導体素子試験用キャリア1は、大略するとメンブレン式コンタクタ3,枠体4,キャップ5,加圧機構7,フェンス10,及びクッション材11等により構成されている。
【0005】
メンブレン式コンタクタ3は枠体4の上面に配設されており、その外周部に形成されたテスターパッド(図示せず)にはテスター信号が供給されるよう構成されている。また、メンブレン式コンタクタ3の上部には、半導体素子2を所定の位置に収めるためのフェンス10が設けられており、半導体素子試験用キャリア1の外部からの衝撃、振動が加わっても半導体素子2がズレないよう構成されている。
【0006】
加圧機構7は、加圧板8及びコイルバネ9とにより構成されている。コイルバネ9の上端部は連結棒6により枠体4上に支持されたキャップ5に当接しており、またコイルバネ9の下端部は加圧板8に当接している。このコイルバネ9は、加圧板8を下方に向け付勢する弾性力を発生させる。この加圧機構7は、コイルバネ9の力により加圧板8を介して半導体素子2をメンブレン式コンタクタ3に向け加圧し、これにより半導体素子2とメンブレン式コンタクタ3との良好な電気的接続が得られるよう構成されている。
【0007】
また、枠体4 の半導体素子2と対向する位置には凹部が形成されており、この凹部内にはクッション材11が配設されている。このクッション材11は、メンブレン式コンタクタ3の半導体素子搭載面と反対側の面に当接しており、前記した加圧機構7の加圧力を受ける機能を奏する。
また、半導体素子試験用キャリア1と半導体素子2との組み立て工程としては、先ず半導体素子2をメンブレン状コンタクタ3の既定位置に装着する。この際、半導体素子2の電極とメンブレン状コンタクタ3の電極が確実に接続されるよう高精度に位置決めする。その後、前記加圧機構7を装着し、半導体素子2の背面(メンブレン状コンタクタ3と接触させる面と反対面)からメンブレン状コンタクタ3に向かって半導体素子2を加圧する。このように組み立てられた半導体素子試験用キャリア1の形態で、半導体素子2に対し試験を実施する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の半導体素子試験用キャリア1は、半導体素子2をメンブレン状コンタクタ3に搭載した後に加圧機構7をセットする構成とされており、かつ加圧機構7(加圧板8)は直接半導体素子2に当接する構成とされていたため、半導体素子2をメンブレン状コンタクタ3に高精度に搭載しても、加圧機構7のセット時に加圧板8が半導体素子2に衝撃することにより、高精度に位置合わされた半導体素子2とメンブレン状コンタクタ3との間で位置ずれが発生してしまうという問題点があった。
【0009】
また、試験工程実施中において、半導体素子試験用キャリア1に種々の衝撃・振動等が印加された場合、この衝撃・振動等は直接半導体素子2に伝わってしまい、よって半導体素子試験用キャリア1の組み立て後であっても、半導体素子2とメンブレン状コンタクタ3との間で位置ずれが発生してしまう。このように、半導体素子2とメンブレン状コンタクタ3との間で位置ずれが発生すると、電極接触部分にダメージを与え、良好な電気的接続が図れなくなるおそれがあるという問題点があった。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、組み立て時及び試験実施時において半導体素子とメンブレン状コンタクタとの間で位置ずれが発生することを防止しうる半導体素子試験用キャリア及び半導体素子試験方法及び半導体素子試験用装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、次の手段を講じることにより解決することができる。
請求項1記載の発明では、
被試験対象となる半導体素子の電極部と電気的な接続を行うコンタクトを備えた半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記コンタクトとして機能するメンブレン式コンタクタと、
前記半導体素子を搭載する面と反対側の面より、前記メンブレン式コンタクタを前記半導体素子に向けて加圧する加圧機構と、
前記半導体素子の前記メンブレン式コンタクタと接続する面と反対の面を保持する加圧保持体とを具備し、
前記加圧保持体には側部より延出して設けられた爪部が設けられ、
記加圧機構に前記メンブレン式コンタクタを前記半導体素子に加圧する加圧板及び前記爪部を固定する係合部が設けられ、
前記爪部を前記係合部に固定することにより、前記半導体素子、前記メンブレン式コンタクタ、前記加圧保持体、前記加圧板及び前記加圧機構とを一体化することを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項2記載の発明では、
前記請求項1記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記メンブレン式コンタクタの外周部に、前記加圧保持体を囲繞するよう硬質材よりなる枠体を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3記載の発明では、
前記請求項1または2記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記半導体素子の搭載位置に対応する位置に開口部が形成されると共に、上面に前記メンブレン式コンタクタが配設されるコンタクタ装着体を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項4記載の発明では、
前記請求項3記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記コンタクタ装着体を樹脂により形成すると共に、前記メンブレン式コンタクタを前記コンタクタ装着体にインサート成形により一体的な構成としたことを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項5記載の発明では、
前記請求項3または4記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記コンタクタ装着体の熱膨張係数と前記メンブレン式コンタクタの熱膨張係数を近似させたことを特徴とするものである。
また、請求項6記載の発明では、
前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記加圧機構として、ブロック状の弾性体を用いたことを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項7記載の発明では、
前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記加圧機構として、気体を圧縮封止した構成の気体ばねを用いたことを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項8記載の発明では、
前記 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記加圧機構として、圧縮性流体を内封した液体ばねを用いたことを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項9記載の発明では、
前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記加圧機構として、前記メンブレン式コンタクタの前記半導体素子を搭載する面側の圧力を真空にする真空装置を用いたことを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項10記載の発明では、
前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記加圧機構として、一対の磁石を同極が対向するよう配置した磁石ばねを用いたことを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項11記載の発明は、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記メンブレン式コンタクタまたは前記加圧保持体の少なくとも一方に突出形成されることにより、前記半導体素子を保持した状態で前記メンブレン式コンタクタと前記加圧保持体とを当接させる当接部を設け、
当接部が、前記半導体素子の平面方向の位置決めを行う位置決め部材として機能するよう構成したことを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項12記載の発明では、
前記請求項1乃至11のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記加圧保持体を導電性材料により構成すると共に、
前記メンブレン式コンタクタに前記加圧保持体と電気的に接続される接地用パッドを設けたことを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項13記載の発明では、
前記請求項1乃至12のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
前記加圧保持体に、放熱フィンを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項14記載の発明では、
前記請求項1乃至13のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアを用いて、前記半導体素子に対し試験を行う半導体素子試験方法において、
前記メンブレン式コンタクタの既定位置に前記半導体素子を位置合わせして搭載する搭載工程と、
前記加圧保持体を前記メンブレン式コンタクタに装着することにより、前記半導体素子を前記メンブレン式コンタクタ上に保持する保持工程と、
前記加圧機構により、前記メンブレン式コンタクタを前記半導体素子を搭載する面と反対側の面より前記半導体素子に向けて加圧する加圧工程と、
上記各工程を実施することにより形成される半導体素子試験用キャリアをテスターを接続し、該テスターを用いて前記半導体素子に対し試験を実施する試験工程とを有することを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項15記載の発明では、
前記請求項1乃至13のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアを用いて、前記半導体素子に対し試験を行う半導体素子試験方法において、
前記加圧保持体と前記半導体素子とを固定した上で、前記加圧保持体を前記メンブレン式コンタクタの既定位置に位置合わせ装着することにより、前記半導体素子を前記メンブレン式コンタクタ上に保持する保持工程と、
前記加圧機構により、前記メンブレン式コンタクタを前記半導体素子を搭載する面と反対側の面より前記半導体素子に向けて加圧する加圧工程と、
上記各工程を実施することにより形成される半導体素子試験用キャリアをテスターを接続し、該テスターを用いて前記半導体素子に対し試験を実施する試験工程とを有することを特徴とするものである。
【0023】
更に、請求項16記載の発明に係る半導体素子試験用装置では、
前記請求項1乃至13のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアと、
前記半導体素子試験用キャリアを構成する前記メンブレン式コンタクタを保持すると共に、前記加圧機構と対向する位置に開口部が形成されたベースと、
前記半導体素子試験用キャリアを構成する前記加圧保持体が設けられ、該加圧保持体に前記半導体素子を搭載することにより、該半導体素子を収納トレイと所定試験位置との間で搬送すると共に、前記加圧保持体を前記メンブレン式コンタクタに装着する搬送用ロボットとを具備することを特徴とするものである。
【0024】
上記した各手段は、次のように作用する。
請求項1及び請求項14記載の発明によれば、
加圧機構は、半導体素子を搭載する面と反対側の面より、メンブレン式コンタクタを半導体素子に向けて加圧する。即ち、加圧機構は半導体素子を直接加圧する構成とはされていない。また、加圧保持体は、半導体素子のメンブレン式コンタクタと接続する面と反対の面を保持する構成とされている。
【0026】
また、請求項2記載の発明によれば、
メンブレン式コンタクタの外周部に、加圧保持体を囲繞するよう硬質材よりなる枠体を設けたことにより、可撓性を有することにより変形し易いメンブレン式コンタクタの外周部分の試験工程における取扱いを容易にすることができる。また、試験工程においてテスターのプローブをメンブレン式コンタクタに接続する場合も、硬質材よりなる枠体が存在することにより、プローブの接続を確実に行うことができる。
【0027】
また、請求項3記載の発明によれば、
半導体素子の搭載位置に対応する位置に開口部が形成されると共に、上面にメンブレン式コンタクタが配設されるコンタクタ装着体を設けたことにより、可撓性を有するメンブレン式コンタクタを単体として取り扱う必要がなくなり、コンタクタ装着体に装着された状態で取り扱うことができるため、半導体素子試験用キャリアの組み立て時等におけるメンブレン式コンタクタの取り扱いを容易とすることができる。
【0028】
また、請求項4記載の発明によれば、
コンタクタ装着体を樹脂により形成すると共に、メンブレン式コンタクタをコンタクタ装着体にインサート成形により一体的な構成としたことにより、メンブレン式コンタクタとコンタクタ装着体とを別個に用意する必要がなくなり、また両者を組み立てる工程も不要となるため、半導体素子試験用キャリアの組み立て処理を容易かつ安価に行うことができる。
【0029】
また、請求項5記載の発明によれば、
コンタクタ装着体の熱膨張係数とメンブレン式コンタクタの熱膨張係数とを合わせたため、例えばバーンイン等の高温下で行われる試験が実施されても、コンタクタ装着体とメンブレン式コンタクタとの間に熱膨張の収縮によるずれ及び歪みが発生することを防止することができる。
【0030】
また、請求項6記載の発明によれば、
加圧機構としてブロック状の弾性体を用いたことにより、加圧機構を安価に短手番で入手することが出来る。
また、請求項7記載の発明によれば、
加圧機構として気体を圧縮封止した構成の気体ばねを用いたことにより、半導体素子に対するメンブレン式コンタクタの加圧力分布を一様とすることが可能となる。
【0031】
また、請求項8記載の発明によれば、
加圧機構として圧縮性流体を内封した液体ばねを用いたことにより、高圧になった際の体積ロスがなく、また高温下で実施される試験等においても加圧機構の体積変化を少なくすることができる。
また、請求項9記載の発明によれば、
加圧機構としてメンブレン式コンタクタの半導体素子を搭載する面側の圧力を真空にする真空装置を用いたことにより、メンブレン式コンタクタを半導体素子に圧着させる手段を講じるため、半導体素子試験用キャリア自体に加圧機構を準備する必要がなくなり、キャリア構成の簡素化を図ることができる。
【0032】
また、請求項10記載の発明によれば、
加圧機構として一対の磁石を同極が対向するよう配置した磁石ばねを用いたことにより、コイルスプリング等の機械的な圧力に比べて、加圧平面全体に一様な力を発生させることが出来る。
また、請求項11記載の発明によれば、
当接部が半導体素子の平面方向の位置決めを行う位置決め部材として機能するよう構成したことにより、試験工程等において印加される衝撃・振動によっても半導体素子とメンブレン式コンタクタの平面方向の位置を確実に保持することができる。
【0033】
また、請求項12記載の発明によれば、
加圧保持体を導電性材料により構成すると共に、メンブレン式コンタクタに加圧保持体と電気的に接続される接地用パッドを設けたことにより、半導体素子試験用キャリアを組み立てた際、接地パッドが加圧保持体と電気的に接続されることにより加圧保持体は接地された状態となる。加圧保持体は半導体素子を覆うよう配設されるため、よってキャリア外部からの電磁波等の影響から被試験対象となる半導体素子を保護することができる。
【0034】
また、請求項13記載の発明によれば、
加圧保持体に放熱フィンを設けたことにより、試験中に半導体素子から発生する熱を効率よく放熱することができる。
また、請求項15記載の発明によれば、
保持工程において、半導体素子の背面(メンブレン式コンタクタと接続する面と反対の面)を保持する加圧保持体と半導体素子とを固定した状態でメンブレン式コンタクタの既定位置に位置合わせ搭載するため、メンブレン式コンタクタに対する半導体素子の位置合わせ後から加圧保持体の装着までの間に半導体素子とメンブレン式コンタクタとの間に位置ずれが発生することを防止することができる。
【0035】
更に、請求項16記載の発明によれば、
搬送用ロボットは、半導体素子をベースに配設されたメンブレン式コンタクタ上の所定試験位置と収納トレイとの間を搬送させるため、半導体素子に対する試験の自動化を図ることができ、試験効率の向上を図ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1及び図2は、本発明の第1実施例である半導体素子試験用キャリア20Aを示している。図1は半導体素子試験用キャリア20Aの分解図であり、図2は半導体素子試験用キャリア20Aの組み立てた状態を示す図である。
【0037】
各図に示されるように、半導体素子試験用キャリア20Aは、メンブレン式コンタクタ24A,加圧保持機構26A,及び加圧機構28A等により構成されている。
メンブレン式コンタクタ24Aは可撓性を有したフィルム状の部材であり、PI(ポリイミド)フィルム上に所定の導電パターンを形成した構成とされている。このメンブレン式コンタクタ24Aの半導体素子22が搭載される既定位置には、半導体素子22に形成された電極と対応するよう素子接続用パッド98(図10参照)が形成されている。
【0038】
加圧保持体26Aは、本実施例では絶縁性を有した硬質樹脂により形成されており、その内側中央部分には半導体素子22と対向する凹部44が形成され、また外周部分は図中下方に向け(メンブレン式コンタクタ24Aに向け)突出した当接部30Aが形成されている。尚、凹部44の大きさは半導体素子22の大きさに比べて大きく設定されている。
【0039】
また、加圧機構28Aは、後に詳述するように、例えばばね等を用いることにより、加圧板36Aを図中上方に向け(メンブレン式コンタクタ24Aに向け)弾性付勢しうる構成とされている。
ここで、本実施例に係る半導体素子試験用キャリア20Aの半導体素子22,メンブレン式コンタクタ24A,加圧保持機構26A,及び加圧機構28Aの配置関係に注目すると、メンブレン式コンタクタ24Aの上部に先ず半導体素子22が位置し、更にその上部に加圧保持体26Aが位置する構成とされている。また、加圧機構28Aはメンブレン式コンタクタ24Aの下部に位置した構成とされている。
【0040】
従って、加圧機構28Aは、半導体素子22を搭載する面(以下、表面という)と反対側の面(以下、裏面という)より、メンブレン式コンタクタ24Aを半導体素子22に向けて加圧する構成となる。また、加圧保持体26Aは、半導体素子試験用キャリア20Aを組み立てた状態において、半導体素子22の前記メンブレン式コンタクタ24Aと接続する面と反対の面(図中の上面)を保持する。また、この半導体素子22を保持した状態において、加圧保持体26Aに設けられた当接部30Aは、メンブレン式コンタクタ24Aと当接した状態となっている。
【0041】
上記構成とされた半導体素子試験用キャリア20Aを組み立てる方法としては、2種類の方法が考えられる。
一つ目の方法(以下、第1の方法という)としては、先ずメンブレン式コンタクタ24Aの既定位置に半導体素子22を位置合わせして搭載する搭載工程を実施する。半導体素子22がメンブレン式コンタクタ24A上に搭載されると、続いて加圧保持体26Aをメンブレン式コンタクタ24Aに装着することにより、半導体素子22をメンブレン式コンタクタ24A上に保持する保持工程を実施する。この保持工程を実施した時点で、加圧保持体26Aに設けられている当接部30Aはメンブレン式コンタクタ24Aに当接する。
【0042】
続いて、加圧機構28Aを用いてメンブレン式コンタクタ24Aを裏面(半導体素子22を搭載する面と反対側の面)より、半導体素子22に向けて加圧する加圧工程を実施する。これにより、メンブレン式コンタクタ24Aは半導体素子22に加圧され、かつ半導体素子22の上面は加圧保持体26Aに保持されているため、上記加圧力は半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aとの接続部(即ち、半導体素子22の電極部とメンブレン式コンタクタ24Aの素子接続用パッド98との接続部)に印加される。よって、半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aは電気的に接続される。
【0043】
続いて、半導体素子試験用キャリア20Aをテスター接続し、このテスターを用いて半導体素子22に対し試験を実施する試験工程を実施する。もう一つの方法(以下、第2の方法という)は、先ず加圧保持体26Aに半導体素子22を固定する。そして、この半導体素子22を加圧保持体26Aに固定した状態を維持しつつ、加圧保持体26Aをメンブレン式コンタクタ24Aの既定位置に位置合わせ装着し、これにより半導体素子22をメンブレン式コンタクタ24Aの既定位置に保持する(保持工程)。この保持工程が終了した時点で、加圧保持体26Aに形成された当接部30Aはメンブレン式コンタクタ24Aに当接した状態となっている。
後の工程は、前述した工程と同様であり、加圧工程を実施することにより、メンブレン式コンタクタ24Aを半導体素子22に加圧し、半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aとを電気的に接続する。続いて、半導体素子試験用キャリア20Aをテスターを接続し、このテスターを用いて半導体素子22に対し試験を実施する試験工程を実施する。
【0044】
前記した第1の方法と第2の方法を比較すると、第2の方法では、保持工程において半導体素子22を固定した状態の加圧保持体26Aをメンブレン式コンタクタ24Aの既定位置に位置合わせ搭載する構成としているため、第1の方法に比べ、メンブレン式コンタクタ24Aに対する半導体素子22の位置合わせ後から加圧保持体26Aの装着までの間に半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aとの間に位置ずれが発生することを防止することができるという効果を有している。
【0045】
ここで、図2に示される組み立て状態の半導体素子試験用キャリア20Aに注目すると、組み立てられた状態(即ち、半導体素子22が加圧保持体26Aに保持された状態)では、加圧保持体26Aに形成された当接部30Aはメンブレン式コンタクタ24Aと当接した構成となっている。このため、外部からの衝撃・振動等が加圧保持体26Aに印加されたとしても、加圧保持体26Aはメンブレン式コンタクタ24A上で支えられているので、半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aとの間で位置ずれが発生するようなことはない。
【0046】
また、加圧保持体26Aに印加された衝撃・振動は、当接部30Aを介してメンブレン式コンタクタ24A側に逃げるため、半導体素子22へのダメージを軽減することができる。よって、半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aとの接続状態を良好な状態に保つことができ、試験の信頼性の向上及び半導体素子22の損傷を確実に防止することができる。
【0047】
続いて、本発明の第2実施例について説明する。
図3は、第2実施例である半導体素子試験用キャリア20Bの断面図である。尚、図3において、図1及び図2に示した第1実施例に係る半導体素子試験用キャリア20Aと同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施例では、加圧保持体26Bの側部に爪部32を形成し、この爪部32が加圧機構28Bの下部に形成された係合部34に係合するよう構成されている。また、メンブレン式コンタクタ24Aの爪部32の形成位置に対応する位置には孔が形成されており、よってこの孔を挿通することにより爪部32はメンブレン式コンタクタ24Aの下方へ延出しうる構成とされている。
【0048】
また、加圧機構28Bは、内部に形成された凹部内に上下方向に移動可能な構成で加圧板36Aが配設されており、かつ加圧板36Aの下部にはコイルスプリング38が配設されている。このコイルスプリング38の弾性力により、加圧板36Aは図中上方に向け付勢された構成とされている。
上記構成とされた加圧保持体26B及び加圧機構28Bは、メンブレン式コンタクタ24Aを挟んでその上部に加圧保持体26Bが配設され、下部に加圧機構28Bが配設される。そして、加圧保持体26Bに形成された爪部32を加圧機構28Bに形成された係合部34に係合させることにより、メンブレン式コンタクタ24A,加圧保持体26B,及び加圧機構28Bは一体化される。
【0049】
この状態において、加圧保持体26Bは半導体素子22を保持すると共に当接部30Bはメンブレン式コンタクタ24Aと当接している。また、加圧機構28Bは、メンブレン式コンタクタ24Aの下側から半導体素子22に向けメンブレン式コンタクタ24Aを加圧している。
よって、本実施例においても、半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aとの接続状態を良好な状態に保つことができ、試験の信頼性の向上及び半導体素子22の損傷を確実に防止することができる。
【0050】
ここで、メンブレン式コンタクタ24Aの外周部に注目すると、メンブレン式コンタクタ24Aの外周部には、加圧保持体26Bを囲繞する枠体40が配設されている。この枠体40は枠体上部半体41と枠体下部半体42とにより構成されており、各半体41,42を接着手段或いは機械的固定手段によりメンブレン式コンタクタ24Aの外周部にこれを挟持するよう配設されている。この枠体40は、絶縁性を有した硬質樹脂により形成されている。
【0051】
本実施例のように、メンブレン式コンタクタ24Aの外周部に硬質材よりなる枠体40を設けたことにより、可撓性を有することにより変形し易いメンブレン式コンタクタ24Aの外周部分の試験工程時における取扱いを容易にすることができる。また、試験工程においてテスターのプローブをメンブレン式コンタクタ24Aの外周部に接続する場合も、硬質材よりなる枠体40が存在することによりプローブの接続を確実に行うことができる。
【0052】
続いて、本発明の第3実施例について説明する。
図4及び図5は、第3実施例に係る半導体素子試験用キャリア20Cを示している。図4は半導体素子試験用キャリア20Cの分解図であり、図5(A)は半導体素子試験用キャリア20Cの組み立て状態を示す平面図であり、更に図5(B)は半導体素子試験用キャリア20Cの組み立て状態を示す断面図である。尚、図4及び図5において、図1乃至図3に示した第1及び第2実施例に係る半導体素子試験用キャリア20A,20Bと同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0053】
本実施例で採用している加圧機構28Cは、本体部56Aと加圧板36Bとにより構成されている。本体部56Aの下部には爪部58形成されると共に、上部には加圧板36Bの脱落を防止する係止部60が形成されている。
加圧板36Bは本体部56Aに形成された凹部内を上下方向に移動可能に取り付けられており、また加圧板36Bと本体部56Aとの間に配設されたコイルスプリング38により図中上方向に弾性付勢された構成とされている。
【0054】
また本実施例では、メンブレン式コンタクタ24Aが配設されるコンタクタ装着体46Aを設けたことを特徴としている。このコンタクタ装着体46Aは、例えば絶縁性樹脂により形成されており、半導体素子22の搭載位置に対応する位置に開口部48が形成されると共に、上面にメンブレン式コンタクタ24Aが配設される構成とされている。
【0055】
また、コンタクタ装着体46Aの外周部分には鍔部52が形成されると共に、この鍔部52には加圧保持体26Cに形成された爪部32が挿通する貫通孔54が形成されている。更に、開口部48の内周所定位置には、加圧機構28Cに形成された爪部58が係合する係合部50が形成されている。上記のように、メンブレン式コンタクタ24Aはコンタクタ装着体46Aの上面に配設されるが、本実施例では、メンブレン式コンタクタ24Aをコンタクタ装着体46Aに固定する手段としてインサート成形法を用いている。即ち、樹脂形成品であるコンタクタ装着体46Aを成形する際、予め金型内にメンブレン式コンタクタ24Aを装着しておき、その上でコンタクタ装着体46Aとなる樹脂を金型内にモールドする。
【0056】
このように、メンブレン式コンタクタ24Aをコンタクタ装着体46Aにインサート成形により一体成形することにより、メンブレン式コンタクタ24Aとコンタクタ装着体46Aとを別個に形成する必要がなくなり、また両者を組み立てる工程も不要となるため、半導体素子試験用キャリア20Cの製造工程を容易かつ安価に行うことができる。尚、製造工程の複雑化は伴うものの、メンブレン式コンタクタ24Aとコンタクタ装着体46Aとを接着剤を用いて接合、またはネジ等を用いて機械的に固定する方法も可能である。
【0057】
上記構成とされた半導体素子試験用キャリア20Cを組み立てるには、先ず半導体素子22をコンタクタ装着体46Aに配設されたメンブレン式コンタクタ24A上の既定位置に位置決めして搭載すると共に、加圧保持体26Cをメンブレン式コンタクタ24Aの上部よりコンタクタ装着体46Aに装着する。具体的には、加圧保持体26Cに形成されている爪部32を貫通孔54内に挿入し(メンブレン式コンタクタ24Aの貫通孔54と対向する位置にも孔が形成されている)、爪部32をコンタクタ装着体46Aの下縁部に係合させる。
【0058】
このように、加圧保持体26Cをコンタクタ装着体46Aに装着した状態において、加圧保持体26Cに形成された当接部30Cはメンブレン式コンタクタ24Aと当接しており、かつ加圧保持体26Cは半導体素子22の上面と当接することにより、この半導体素子22を保持した状態となっている。
続いて、加圧機構28Cをメンブレン式コンタクタ24Aの裏面側からコンタクタ装着体46Aに装着する。そして、爪部58が係合部50に係合することにより、加圧機構28Cはコンタクタ装着体46Aに装着された状態となる。この装着状態において、図5(B)に示されるように、加圧板36Bはメンブレン式コンタクタ24Aの裏面に当接し、コイルスプリング38の弾性力をもってメンブレン式コンタクタ24Aを半導体素子22に向け押圧する。
【0059】
この際、加圧機構28Cはメンブレン式コンタクタ24Aの裏面に当接し、直接半導体素子22には当接しておらず、また半導体素子22を保持する加圧保持体26Cの当接部30Cはメンブレン式コンタクタ24Aと当接した状態を維持している。よって、本実施例の構成によっても、半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aとの接続状態を良好な状態に保つことができ、試験の信頼性の向上及び半導体素子22の損傷を確実に防止することができる。
【0060】
一方、本実施例では、前記したようにメンブレン式コンタクタ24Aがコンタクタ装着体46Aに装着された構成とされているため、可撓性を有するメンブレン式コンタクタ24Aを単体として取り扱う必要がなくなり、コンタクタ装着体46Aに装着された状態で取り扱うことができるため、半導体素子試験用キャリア20Cの組み立て時等におけるメンブレン式コンタクタ24Aの取り扱いを容易とすることができる。
【0061】
更に、本実施例においては、コンタクタ装着体46Aの熱膨張係数とメンブレン式コンタクタ24Aの熱膨張係数とを略等しくなるよう構成している。具体的には、前記のようにメンブレン式コンタクタ24AはPI(ポリエチレン)を基材とするため、コンタクタ装着体46Aの材料としてポリエーテルイミド(熱膨張係数:25×10-6/℃)を用いている。
【0062】
このように、コンタクタ装着体46Aとしてポリエーテルイミドを用いた結果、常温下で行う試験、及び高温下(約125℃)で実施されるバーンイン試験においても、半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aとの間に熱膨張の収縮によるずれ及び歪みが発生することはなかった。よって、半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aとの接点部分にダメージが発生することはなく、良好な試験結果を得ることができた。尚、必要であれば、コンタクタ装着体46Aの材料として熱膨張係数:14×10-6/℃クラスのポリエーテルイミドを用いてもよい。
【0063】
続いて、本発明の第4乃至第7実施例について説明する。
図6(A)〜(D)は、第4乃至第7実施例に係る半導体素子試験用キャリアに設けられる加圧機構28D〜28Gを示している。尚、第4乃至第7実施例に係る半導体素子試験用キャリアは加圧機構28D〜28Gに特徴を有し、他の構成は図4及び図5に示した第3実施例に係る半導体素子試験用キャリア20Cと同一であるため、加圧機構28D〜28Gのみを図示して説明するものとする。
【0064】
図6(A)は、第4実施例に係る半導体素子試験用キャリアに設けられる加圧機構28Dを示している。
本実施例では、加圧機構28Dとして空気67(他の気体を用いることも可能)を袋体66に圧縮封止した構成の気体ばね64を用いたことを特徴とするものである。この構成の加圧機構28Dを用いることにより、半導体素子22に対するメンブレン式コンタクタ24Aの加圧力分布を一様とすることが可能となる。
【0065】
また、空気67に代えて、圧縮性流体を袋体66に内封した液体ばねを用いることも可能である。この構成では、高圧になった際の体積ロスがなく、また高温下で実施される試験等においても体積変化を少なくすることができる。
図6(B)は、第5実施例に係る半導体素子試験用キャリアに設けられる加圧機構28Eを示している。
【0066】
本実施例では、本体部56Cに移動可能な構成で配設された加圧板36Cの側部にシール部材69を設けることにより、本体部56Cに対し加圧板36Cが気密(液密)状態を維持しつつ移動可能な構成としたことを特徴とするものである。また、本体部56Cと加圧板36Cとの間に形成される空間部分には、気体或いは圧縮性流体が充填されている(図では、空気67を充填した構成を示している)。
【0067】
本実施例の構成によっても第4実施例と同様に、気体を用いた場合には半導体素子22に対するメンブレン式コンタクタ24Aの加圧力分布を一様とすることが可能となり、また圧縮性流体を用いた場合には高圧になった際の体積ロスがなく、高温下で実施される試験等においても体積変化を少なくすることができる。
図6(C)は、第6実施例に係る半導体素子試験用キャリアに設けられる加圧機構28Fを示している。
【0068】
本実施例では、ゴム等の弾性体をブロック状とした弾性体ブロック70を加圧機構28Fとして用いたことを特徴とするものである。このような構成の弾性体ブロック70は安価でかつ容易に入手することができる。よって、加圧機構28Fを安価に短手番で入手することが可能となる。
図6(D)は、第7実施例に係る半導体素子試験用キャリアに設けられる加圧機構28Gを示している。
【0069】
本実施例では、加圧機構28Gとして第1及び第2の磁石71,72を用いたことを特徴とするものである。第1の磁石71は本体部56Dに埋設されており、また第2の磁石72は本体部56Dに対し上下方向に移動可能とされた加圧板36Dに埋設されている。また、第1及び第2の磁石71,72は、互いに同極が対向するよう配設されている。
【0070】
この構成とすることにより、第1の磁石71と第2の磁石72との間で反発力が発生し、この反発力により加圧板36Dは本体部56Dに対し上動付勢され、従ってこの第1及び第2の磁石71,72は磁石ばねを構成することとなる。この磁石ばねを用いることにより、コイルスプリング等の機械的な弾性力に比べて加圧平面全体に一様な力を発生させることができ、安定した加圧処理を行うことが可能となる。
【0071】
続いて、本発明の第8実施例について説明する。
図7は、第8実施例に係る半導体素子試験用キャリア20Dを示す断面図である。尚、図7において、図1乃至図5に示した第1乃至第3実施例に係る半導体素子試験用キャリア20A〜20Cと同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。また、以下説明する各実施例についても同様とする。
【0072】
本実施例に係る半導体素子試験用キャリア20Dは、加圧機構28Hとして、メンブレン式コンタクタ24Aの半導体素子22を搭載する面側(表面側)の圧力を真空にする真空装置を用いたことを特徴とするものである。具体的には、加圧保持体26Dに形成された凹部44と連通する真空引き孔74を設けるとともに、この真空引き孔74に真空ポンプ78を接続する。また、真空引き孔74と真空ポンプ78との間に、真空を解除するための弁体76を設ける。
【0073】
上記構成とされた半導体素子試験用キャリア20Dを組み立てるには、先ず半導体素子22をコンタクタ装着体46Bに配設されたメンブレン式コンタクタ24A上の既定位置に位置決めして搭載すると共に、加圧保持体26Dをメンブレン式コンタクタ24Aの上部よりコンタクタ装着体46Bに装着する。この加圧保持体26Dをコンタクタ装着体46Bに装着した状態において、加圧保持体26Dに形成された当接部30Cはメンブレン式コンタクタ24Aと当接しており、かつ加圧保持体26Dは半導体素子22の上面と当接することにより半導体素子22を保持した状態となっている。
【0074】
続いて、加圧機構28Hを構成する真空ポンプ78を真空引き孔74に接続し、真空ポンプ78を駆動させると共に、弁体76を操作して真空ポンプ78と真空引き孔74とが連通した状態とする。これにより、凹部44内の空気は真空ポンプ78により吸引され、凹部44内の真空度は上昇する。一方、メンブレン式コンタクタ24Aの裏面には大気圧が作用した状態であるため、メンブレン式コンタクタ24Aは半導体素子22を加圧保持体26Dに押圧するよう変位する。
【0075】
この際、加圧機構28Hは直接半導体素子22には当接しておらず、また半導体素子22を保持する加圧保持体26Dの当接部30Cはメンブレン式コンタクタ24Aと当接した状態を維持している。よって、本実施例の構成によっても、半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aとの接続状態を良好な状態に保つことができ、試験の信頼性の向上及び半導体素子22の損傷を確実に防止することができる。
【0076】
一方、本実施例では、前記したように加圧機構28Hとしてメンブレン式コンタクタ24Aの半導体素子22を搭載する面側の圧力を真空にする真空ポンプ78を用いた構成としている。この構成では、半導体素子試験用キャリア20D自体に加圧機構を準備する必要がなくなり、キャリア構成の簡素化を図ることができる。即ち、コンタクト装着体46Bの開口部48には、何も配設されない構成とすることができる。
【0077】
続いて、本発明の第9実施例について説明する。
図8は、第9実施例に係る半導体素子試験用キャリアに設けられる加圧保持体26Aの近傍を拡大して示す図である。本実施例では、加圧保持体26Aに放熱フィン79を設けたことを特徴とするものである。
前記してきた各実施例から明らかなように、半導体素子試験用キャリアが組み立てられた状態において、加圧保持体26Aは半導体素子22と当接する構成とされている。よって、この加圧保持体26Aに放熱フィン79を設けることにより、試験中に半導体素子22から発生する熱を効率よく放熱することができる。尚、この構成の場合、加圧保持体26Aの材質も、放熱特性の良好な材質を選定することが望ましい。
【0078】
続いて、本発明の第10実施例について説明する。
図9は、第10実施例に係る半導体素子試験用キャリアに設けられる加圧保持体26A及びコンタクト装着体46Cの近傍を拡大して示す図である。
本実施例では、当接部30Dをメンブレン式コンタクタ24Bに設けると共に、この当接部30Dを半導体素子22の平面方向の位置決めを行う位置決め部材として用いたことを特徴とするものである。この当接部30Dは、メンブレン式コンタクタ24B上に接着等により配設しても、またメッキ法を用いてメンブレン式コンタクタ24B上に金属を成長させた構成としてもよい。
【0079】
本実施例のように、メンブレン式コンタクタ24Bに当接部30Dを設ける構成とすることにより、加圧保持体26Eの下面(メンブレン式コンタクタ24Bと対向する面)を平坦面とすることができ、前記した各実施例のように当接部30A〜30Cを加圧保持体側に形成する構成に比べ、その加工を容易に行うことができる。
【0080】
また、前記した各実施例と同様に組み立て状態において、加圧保持体26Eは当接部30Dと当接することにより、当接部30Dを介してメンブレン式コンタクタ24B上に支持されており、かつこの状態において加圧保持体26Eは半導体素子22の上面と当接するよう構成されている。よって、本実施例によっても、ね半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Aとの接続状態を良好な状態に保つことができ、試験の信頼性の向上及び半導体素子22の損傷を確実に防止することができる。
【0081】
更に本実施例では、当接部30Dが半導体素子22の平面方向の位置決めを行う位置決め部材として機能しているため、試験工程等において印加される衝撃・振動によって、半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Bの平面方向の位置を確実に保持することができる。よって、信頼性の高い試験を行うことが可能となり、かつ半導体素子22とメンブレン式コンタクタ24Bとの接合部分に応力が印加されることを防止することもできる。
【0082】
続いて、本発明の第11実施例について説明する。
図10は、第11実施例に係る半導体素子試験用キャリア20Eの加圧保持体26Fとメンブレン式コンタクタ24Cとの接続部分を拡大して示す図である。
本実施例では、加圧保持体26Fを導電性材料により形成している。具体的には、銅或いはアルミニウム等の導電性金属により加圧保持体26Fを形成している。また、メンブレン式コンタクタ24Cは、半導体素子22と接続を行うための素子接続用パッド98に加え、加圧保持体26Fと電気的接続を行うための接地用パッド96を設けた構成としている。この接地用パッド96は、メンブレン式コンタクタ24Cに形成されている接地用配線パターンに接続されている。
【0083】
本実施例のように、加圧保持体26Fを導電性材料により構成すると共に、メンブレン式コンタクタ20Cに加圧保持体26Fと電気的に接続される接地用パッド96を設けたことにより、半導体素子試験用キャリア20Eを組み立てた際、接地パッド96が加圧保持体26Fと電気的に接続される。
これにより、加圧保持体26Fは接地された状態となる。また、加圧保持体26Fは前記のように半導体素子22を覆うよう配設されるため、半導体素子試験用キャリア20Eを組み立てた状態において、外部からの電磁波等の影響から被試験対象となる半導体素子22を保護することが可能となる。また逆に、半導体素子22として高周波で駆動するものを用いた場合には、半導体素子22が発する電磁波等が加圧保持体26Fの外部に漏洩することを防止することができる。
【0084】
続いて、本発明の一実施例である半導体素子試験用装置について説明する。
図11及び図12は、本発明の一実施例である半導体素子試験用装置80を示しており、図11は半導体素子試験用装置80を側面視した要部構成図、図12は半導体素子試験用装置80を平面視した要部構成図である。
本実施例に係る半導体素子試験用装置80は、前記した第1乃至第11実施例に係る半導体素子試験用キャリア20A〜20Eの何れをも適用することができるが、本実施例では第1実施例に係る半導体素子試験用キャリア20A(加圧機構28Iのみ異なる)を適用した例について説明するものとする。
【0085】
本実施例に係る半導体素子試験用装置80は、大略するとメンブレン式コンタクタ24A,ベース82,搬送用ロボット84等により構成されている。ベース82は、メンブレン式コンタクタ24Aを上部に保持すると共に、加圧機構28Iと対向する位置には開口部88が形成されている。
また、ベース82の上部には、図12に示されるように、試験前の半導体素子22が収納される素子収納用トレイ90,試験を実施した後に良品であると判断された半導体素子22が収納される良品用トレイ92,及び試験を実施した後に不良品であると判断された半導体素子22が収納される不良品用トレイ94が配設されている。
【0086】
一方、搬送用ロボット84は、先端部に加圧保持体26Aが配設されたアーム86を有しており、このアーム86を図中矢印X方向,Z方向に直線移動させると共に、図中矢印θで示す方向に回転可能な構成とされている。よって、この搬送用ロボット84を用いることにより、半導体素子22を素子収納トレイ90から取り出しメンブレン式コンタクタ24Aの既定位置に装着し試験を行い、試験終了した後は、試験結果に基づき半導体素子22を良品用トレイ92或いは不良品用トレイ94に搬送することが可能となるる
また、加圧機構28Iはベース82の下部に配設されており、加圧板36Eを図中矢印Z方向に移動させる構成とされている。本実施例では、加圧機構28Iとしてエアシリンダを用いており、よって加圧板36Eの上下動を制御する事が可能な構成とされている。
【0087】
半導体素子試験用装置80を上記の構成とすることにより、搬送用ロボット84は、半導体素子22をベース82に配設されたメンブレン式コンタクタ24A上の所定試験位置と各トレイ90〜94との間で搬送させることができるため、半導体素子22に対する試験の自動化を図ることができる。よって、半導体素子22に対する試験効率の向上を図ることができ、また人手による試験に比べて半導体素子22のメンブレン式コンタクタ24Aに対する装着精度も向上し、信頼性の高い試験を実施することが可能となる。
【0088】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、次に述べる種々の効果を実現することができる。請求項1及び請求項14記載の発明によれば、外部からの衝撃・振動等が加圧保持体に印加されたとしても、加圧保持体はメンブレン式コンタクタ上で支えられているので、半導体素子とメンブレン式コンタクタとの間で位置ずれが発生することを防止できる。
【0089】
また、請求項2記載の発明によれば、可撓性を有することにより変形し易いメンブレン式コンタクタの外周部分の試験工程における取扱いを容易にすることができると共に、試験工程においてテスターのプローブをメンブレン式コンタクタに接続する場合も、プローブの接続を確実に行うことができる。
また、請求項3記載の発明によれば、可撓性を有するメンブレン式コンタクタを単体として取り扱う必要がなくなり、コンタクタ装着体に装着された状態で取り扱うことができるため、半導体素子試験用キャリアの組み立て時等におけるメンブレン式コンタクタの取り扱いを容易とすることができる。
【0090】
また、請求項4記載の発明によれば、メンブレン式コンタクタとコンタクタ装着体とを別個に用意する必要がなくなり、また両者を組み立てる工程も不要となるため、半導体素子試験用キャリアの組み立て処理を容易かつ安価に行うことができる。
また、請求項5記載の発明によれば、例えばバーンイン等の高温下で行われる試験が実施されても、コンタクタ装着体とメンブレン式コンタクタとの間に熱膨張の収縮によるずれ及び歪みが発生することを防止することができる。
【0091】
また、請求項6記載の発明によれば、加圧機構としてブロック状の弾性体を用いたことにより、加圧機構を安価に短手番で入手することが出来る。
また、請求項7記載の発明によれば、加圧機構として気体を圧縮封止した構成の気体ばねを用いたことにより、半導体素子に対するメンブレン式コンタクタの加圧力分布を一様とすることが可能となる。
【0092】
また、請求項8記載の発明によれば、加圧機構として圧縮性流体を内封した液体ばねを用いたことにより、高圧になった際の体積ロスがなく、また高温下で実施される試験等においても加圧機構の体積変化を少なくすることができる。
また、請求項9記載の発明によれば、半導体素子試験用キャリア自体に加圧機構を準備する必要がなくなり、キャリア構成の簡素化を図ることができる。
【0093】
また、請求項10記載の発明によれば、加圧機構として一対の磁石を同極が対向するよう配置した磁石ばねを用いたことにより、コイルスプリング等の機械的な圧力に比べて、加圧平面全体に一様な力を発生させることが出来る。
また、請求項11記載の発明によれば、試験工程等において印加される衝撃・振動によっても半導体素子とメンブレン式コンタクタの平面方向の位置を確実に保持することができる。
【0094】
また、請求項12記載の発明によれば、半導体素子試験用キャリアを組み立てた際、接地パッドが加圧保持体と電気的に接続されることにより加圧保持体は接地された状態となり、かつ加圧保持体は半導体素子を覆うよう配設されるため、キャリア外部からの電磁波等の影響から被試験対象となる半導体素子を保護することができる。
【0095】
また、請求項13記載の発明によれば、加圧保持体に放熱フィンを設けたことにより、試験中に半導体素子から発生する熱を効率よく放熱することができる。
また、請求項15記載の発明によれば、メンブレン式コンタクタに対する半導体素子の位置合わせ後から加圧保持体の装着までの間に半導体素子とメンブレン式コンタクタとの間に位置ずれが発生することを防止することができる。
【0096】
更に、請求項16記載の発明によれば、半導体素子に対する試験の自動化を図ることができ、試験効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である半導体素子試験用キャリアの分解図である。
【図2】本発明の第1実施例である半導体素子試験用キャリアの組み立て状態を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施例である半導体素子試験用キャリアの断面図である。
【図4】本発明の第3実施例である半導体素子試験用キャリアの分解図である。
【図5】本発明の第3実施例である半導体素子試験用キャリアを示す図であり、(A)は平面図、(B)は組み立て状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第4乃至第7実施例である半導体素子試験用キャリアに組み込まれる加圧機構を説明するための図である。
【図7】本発明の第8実施例である半導体素子試験用キャリアの断面図である。
【図8】本発明の第9実施例である半導体素子試験用キャリアの加圧保持体近傍を拡大して示す図である。
【図9】本発明の第10実施例である半導体素子試験用キャリアの要部を拡大して示す分解図である。
【図10】本発明の第11実施例である半導体素子試験用キャリアの要部を拡大して示す断面図である。
【図11】本発明の第1実施例である半導体素子試験用装置の要部構成を示す側面図である。
【図12】本発明の第1実施例である半導体素子試験用装置の要部構成を示す平面図である。
【図13】従来の半導体素子試験用キャリアの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
20A〜20E 半導体素子試験用キャリア
22 半導体素子
24A〜24C メンブレン式コンタクタ
26A〜26F 加圧保持体
28A〜28I 加圧機構
30A〜30D 当接部
36A〜36E 加圧板
38 コイルスプリング
40 枠体
46A〜46C コンタクタ装着体
48 開口部
56A〜56D 本体部
64 気体ばね
69 シール部材
70 弾性体ブロック
71 第1の磁石
72 第2の磁石
74 真空引き孔
76 弁体
78 真空ポンプ
79 放熱フィン
80 半導体素子試験用装置
82 ベース
84 搬送用ロボット
86 アーム
88 開口部
90 素子収納用トレイ
92 良品用トレイ
94 不良品用トレイ
96 接地用パッド
98 素子接続用パッド

Claims (16)

  1. 被試験対象となる半導体素子の電極部と電気的な接続を行うコンタクトを備えた半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記コンタクトとして機能するメンブレン式コンタクタと、
    前記半導体素子を搭載する面と反対側の面より、前記メンブレン式コンタクタを前記半導体素子に向けて加圧する加圧機構と、
    前記半導体素子の前記メンブレン式コンタクタと接続する面と反対の面を保持する加圧保持体とを具備し、
    前記加圧保持体には側部より延出して設けられた爪部が設けられ、
    記加圧機構に前記メンブレン式コンタクタを前記半導体素子に加圧する加圧板及び前記爪部を固定する係合部が設けられ、
    前記爪部を前記係合部に固定することにより、前記半導体素子、前記メンブレン式コンタクタ、前記加圧保持体、前記加圧板及び前記加圧機構とを一体化することを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  2. 請求項1記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記メンブレン式コンタクタの外周部に、前記加圧保持体を囲繞するよう硬質材よりなる枠体を設けたことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  3. 請求項1または2記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記半導体素子の搭載位置に対応する位置に開口部が形成されると共に、上面に前記メンブレン式コンタクタが配設されるコンタクタ装着体を設けたことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  4. 請求項3記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記コンタクタ装着体を樹脂により形成すると共に、前記メンブレン式コンタクタを前記コンタクタ装着体にインサート成形により一体的な構成としたことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  5. 請求項3または4記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記コンタクタ装着体の熱膨張係数と前記メンブレン式コンタクタの熱膨張係数を近似させたことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記加圧機構として、ブロック状の弾性体を用いたことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記加圧機構として、気体を圧縮封止した構成の気体ばねを用いたことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  8. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記加圧機構として、圧縮性流体を内封した液体ばねを用いたことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  9. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記加圧機構として、前記メンブレン式コンタクタの前記半導体素子を搭載する面側の圧力を真空にする真空装置を用いたことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  10. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記加圧機構として、一対の磁石を同極が対向するよう配置した磁石ばねを用いたことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記メンブレン式コンタクタまたは前記加圧保持体の少なくとも一方に突出形成されることにより、前記半導体素子を保持した状態で前記メンブレン式コンタクタと前記加圧保持体とを当接させる当接部を設け、
    該当接部が、前記半導体素子の平面方向の位置決めを行う位置決め部材として機能するよう構成したことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、
    前記加圧保持体を導電性材料により構成すると共に、前記メンブレン式コンタクタに前記加圧保持体と電気的に接続される接地用パッドを設けたことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアにおいて、前記加圧保持体に、放熱フィンを設けたことを特徴とする半導体素子試験用キャリア。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアを用いて、前記半導体素子に対し試験を行う半導体素子試験方法において、
    前記メンブレン式コンタクタの既定位置に前記半導体素子を位置合わせして搭載する搭載工程と、
    前記加圧保持体を前記メンブレン式コンタクタに装着することにより、前記半導体素子を前記メンブレン式コンタクタ上に保持する保持工程と、
    前記加圧機構により、前記メンブレン式コンタクタを前記半導体素子を搭載する面と反対側の面より前記半導体素子に向けて加圧する加圧工程と、
    上記各工程を実施することにより形成される半導体素子試験用キャリアをテスターを接続し、該テスターを用いて前記半導体素子に対し試験を実施する試験工程と
    を有することを特徴とする半導体素子試験方法。
  15. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアを用いて、前記半導体素子に対し試験を行う半導体素子試験方法において、
    前記加圧保持体と前記半導体素子とを固定した上で、前記加圧保持体を前記メンブレン式コンタクタの既定位置に位置合わせ装着することにより、前記半導体素子を前記メンブレン式コンタクタ上に保持する保持工程と、
    前記加圧機構により、前記メンブレン式コンタクタを前記半導体素子を搭載する面と反対側の面より前記半導体素子に向けて加圧する加圧工程と、
    上記各工程を実施することにより形成される半導体素子試験用キャリアをテスターを接続し、該テスターを用いて前記半導体素子に対し試験を実施する試験工程と
    を有することを特徴とする半導体素子試験方法。
  16. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の半導体素子試験用キャリアと、
    前記半導体素子試験用キャリアを構成する前記メンブレン式コンタクタを保持すると共に、前記加圧機構と対向する位置に開口部が形成されたベースと、
    前記半導体素子試験用キャリアを構成する前記加圧保持体が設けられ、該加圧保持体に前記半導体素子を搭載することにより、該半導体素子を収納トレイと所定試験位置との間で搬送すると共に、前記加圧保持体を前記メンブレン式コンタクタに装着する搬送用ロボットと
    を具備することを特徴とする半導体素子試験用装置。
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