JP2011123270A - 複層フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】後工程で設ける光機能層をより短時間で形成して光学フィルムの生産性に優れる複層フィルムを製造する。
【解決手段】複層フィルム20の一方の面には、入射光を屈折させて集光または拡散する光機能層26が後工程で設けられる。この光機能層26は、光硬化する塗膜に、ハードコート層12側から光を照射することにより形成される。複層フィルム20は、一方の面に光機能層26が形成される透明な支持体11と、この支持体11の他方の面に配され、重合体からなる透明なハードコート層12とを備える。また、複層フィルム20は、340nm波長の光の透過率が70%以上100%以下の範囲である。
【選択図】図3

Description

本発明は、複層フィルム及びその製造方法に関する。
プリズムシート、レンズシート、拡散シートなどの光学シートは、フラットパネルディスプレイのバックライトユニットの構成部材として、広く用いられている。光学シートは、支持体の上に、入射光を所定の方向に屈折するプリズムやレンズを複数形成したり、入射光を多様に屈折させて拡散する拡散層を支持体の上に設けることにより、製造される。複数のプリズムやレンズからなる層や、拡散層は、光機能層と総称される。フラットパネルディスプレイは、その市場の拡大とともに、高性能化に向かっている。
しかし、光学シートを製造する際には、傷が付くことがある。例えば、支持体の表面に光機能層を形成するための材料と塗布する際には、支持体に傷が付きやすい。また、製造した光学シートを搬送する際、光学シートを集積する際、光学シートをバックライトユニット中に組み込む際には、他の光学部材などとの接触により、その光学シートの支持体表面に擦り傷が生じる。
そこで、光学シートの光機能層が設けられる面とは反対の面に、傷がつきにくいといういわゆる耐傷性を付与する目的で、ハードコート層を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−348198号公報
しかし、特許文献1のハードコート層を設けると、光機能層を設けるための後工程に長い時間を要し、光学フィルムの生産性が悪いという問題がある。
そこで、本発明は、従来よりも短い時間で光機能層を設けることができるような、光学フィルムの生産性に優れた複層フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の複層フィルムは、入射光を屈折させて集光または拡散する光機能層を一方の面に設けるために、照射光で光硬化する塗膜が、前記一方の面に形成される透明な支持体と、この支持体の他方の面に配され、重合体からなる透明なハードコート層とを備え、340nm波長の光の透過率が70%以上100%以下の範囲であることを特徴として構成されている。
前記照射光は、ハードコート層と支持体とを介して前記塗膜に照射されることが好ましい。また、ハードコート層は、支持体に塗布された熱硬化する塗布組成物を加熱により硬化させて形成されることが好ましい。
前記塗布組成物は、テトラアルコキシシランと一般式(1)で表す有機ケイ素化合物とが酸性の水溶液中で加水分解することにより生成したシラノールの水溶液と、前記シラノールを脱水縮合させる水溶性の硬化剤と、水に分散しているコロイド粒子の平均粒子径が3nm以上50nm以下の範囲であるコロイダルシリカとを含む塗布液、または、前記塗布組成物は、モノマーとオリゴマーとの少なくともいずれか一方を水中に含み、モノマーとオリゴマーとは分子中に重合性の二重結合を複数個有するような塗布液であることが好ましい。
Si(OR ・・・(1)
(ここで、Rはアミノ基を含まない炭素数が1以上15以下の有機基、Rはメチルまたはエチル基)
ハードコート層が、支持体に塗布された熱硬化する塗布組成物を加熱により硬化させて形成される場合においては、前記塗布組成物が未塗布である前記支持体は、170℃、10分間における加熱収縮率が0.1%以上3.0%以下の範囲であることが好ましい。
ハードコート層の25℃、40%RH環境下における表面抵抗率は1012Ω/□以下であることが好ましい。
上記の複層フィルムは、前記支持体の前記一方の面に設けられ前記支持体を前記光機能層に接着する接着層を備えることが好ましい。前記光機能層は、注型重合法により形成されることが好ましい。
また、本発明は、入射光を屈折させて集光または拡散する光機能層を一方の面に形成するために、照射光で光硬化する塗膜が、前記一方の面に形成される透明な支持体と、この支持体の他方の面に配されるハードコート層とを備える複層フィルムの製造方法において、前記支持体の他方の面に、前記ハードコート層となる塗布組成物を塗布する工程を有し、340nm波長の光の透過率が70%以上100%以下の範囲の前記複層フィルムとなるように、熱硬化する前記塗布組成物を用いるとともに、塗布された前記塗布組成物を加熱することにより硬化させて前記ハードコート層とすることを特徴として構成されている。
前記塗布組成物は、テトラアルコキシシランと一般式(1)で表す有機ケイ素化合物とが酸性の水溶液中で加水分解することにより生成したシラノールの水溶液と、前記シラノールを脱水縮合させる水溶性の硬化剤と、水に分散しているコロイド粒子の平均粒子径が3nm以上50nm以下の範囲であるコロイダルシリカとを含む塗布液、または、前記塗布組成物は、モノマーとオリゴマーとの少なくともいずれか一方を水中に含み、モノマーとオリゴマーとは分子中に重合性の二重結合を複数個有するような塗布液であることが好ましい。
Si(OR ・・・(1)
(ここで、Rはアミノ基を含まない炭素数が1以上15以下の有機基、Rはメチルまたはエチル基)
本発明によると、光機能層を従来よりも短時間で付与することができ、光学フィルムの生産性に優れた複層フィルムを製造することができる。さらに、本発明によると、異物の付着が防止されるので、均一な光機能層が形成されて光学フィルムの得率が向上し、生産性が向上する。
本発明の第1の実施態様である複層フィルムの断面図である。 第2の実施態様である複層フィルムの断面図である。 本発明の複層フィルムを用いた光学フィルムの断面図である。 本発明の第3の実施態様である複層フィルムの断面図である。 第4の実施態様である複層フィルムの断面図である。 本発明の複層フィルムを用いた光学フィルムの断面図である。 複層フィルムの製造設備の概略図である。 光学フィルムの製造装置の概略図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態である複層フィルム10は、高分子化合物からなる支持体11と、支持体11の一方の表面(以下、第1表面と称する)11aを保護するハードコート層12とを備える。
図2に示すように、第2の実施形態である複層フィルム20は、支持体11と、ハードコート層12と、支持体11とハードコート層12との密着力を高めて、支持体11をハードコート層12に接着するための第1接着層21とを有する。支持体11とハードコート層12とは図1と同じものであるので説明を略す。
複層フィルム10,20には、後工程で、支持体11の他方の面(以降、第2表面と称する)11bに光機能層が設けられて、光学フィルムとされる。例えば、複層フィルム20が光学フィルムに用いられた態様を図3に示す。光学フィルム25は、複層フィルム20の支持体11の第2表面11bに光機能層26を備える。光機能層26は、入射光を屈折させて集光または拡散する。このような光機能層26としては、レンズ層やプリズム層、拡散層がある。図3では、光機能層26をプリズム層とした場合を図示してある。
プリズム層である光機能層26は、断面三角形の複数のプリズムを、一定のピッチで形成したものである。このような光機能層26をもつ光学フィルム25は、光をハードコート層12側から入射されると、入射した光線をプリズムによって、所定の方向に向けて屈折する。これにより、所定方向に大きなピークをもつような光分布で光が射出されることになる。例えば、入射した光線を法線方向に向けて屈折すると、法線方向に大きなピークをもつような光分布となる。これにより、光学フィルム25を液晶ディスプレイのバックライトユニットに用いると、液晶ディスプレイの正面輝度が向上する。光機能層26の詳細は後述する。
図4に示すように、第3の実施形態である複層フィルム30は、支持体11と、ハードコート層12と、第2接着層31とを有する。第2接着層31は、支持体11の第2表面11bに設けてある。すなわち、複層フィルム30は、複層フィルム10に、さらに第2接着層31を設けた態様である。
図5に示すように、第4の実施形態である複層フィルム40は、支持体11と、ハードコート層12と、第1接着層21と、第2接着層31とを有する。すなわち、複層フィルム40は、複層フィルム20に、さらに第2接着層31を設けた態様である。
複層フィルム30,40には、後工程で、光機能層が設けられる。複層フィルム30,40の第2接着層31は、支持体11と光機能層26との密着力を高めて、支持体11を前記光機能層に接着するものである。例えば、複層フィルム40が光学フィルムに用いられた態様では、図6に示すように、光学フィルム45は、第2接着層31を介して、複層フィルム40の支持体11の第2表面11b上に光機能層26を備える。図6における光機能層26は、図3と同じく、プリズム層としてあるが、これに限定されない。例えば、光機能層26は以下の構成ならびに作用をもつものであればよい。
光機能層26は、前述のように光を屈折させて入射光を集光または拡散させる。このようにして、光の進路を制御する。光は光機能層26の表面で、その入射角と、支持体11及び光機能層26の屈折率の差により屈折したり、入射した光が射出面で屈折または反射することがあるので、光機能層26の構成によっては、これらの光特性もさらに発現し、利用することになる。
したがって、光学フィルム25,45を液晶ディスプレイのバックライトユニット中に使用したときには、光機能層26は、光源からの光がハードコート層12側から入射すると、入射光の集光度を制御して、所定方向に大きなピークをもつような光分布で光を射出し、これにより液晶ディスプレイの正面輝度を調整するようなプリズム機能、レンズ機能をもつ場合がある。このような機能をもつ光学フィルム25,45は、いわゆるプリズムシート、レンズシートとして用いることができる。また、光機能層26は、光源からの光がハードコート層12側から入射すると、入射光を拡散させて、均等な光分布とするような拡散機能をもつ場合がある。このような機能をもつ光学フィルム25,45は、いわゆる拡散シートとして用いることができる。
光機能層26がレンズ層である場合には、光を屈折する複数のレンズを、所定のピッチで配列して構成する。支持体11の第2表面11bから射出された光が光機能層26に入射すると、光機能層26は、入射光の射出角度を制御する。レンズとしては、円柱状を軸方向に二つに割ったシリンドリカルレンズ、三角柱のプリズム、球面レンズ、非球面レンズがあり、三角柱のプリズムでもよい。したがって、図3,図6に示すようなプリズム層である光機能層26もレンズ層の一種と言える。
プリズム層ないしレンズ層である光機能層26は、型押し法で形成する場合と注型重合法で形成する場合とがあるが、通常は、型押し方よりも生産性がより高い注型重合法が用いられる。
注型重合法では、通常は、紫外線(UV)で硬化するUV硬化性の化合物からなる膜を所定の形状にし、その形状を維持した状態で化合物をUVで硬化させることにより、所定のプリズムないしレンズを複数形成して光機能層26とする。注型重合法で光機能層26を形成する場合には、一般にラジカル重合性の二重結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを主成分とするものを素材として用い、さらに、重合開始剤を含有させる。ラジカル重合性の二重結合を有するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、アクリルモノマー、アクリルオリゴマーがある。量産性の観点からは、型押し法よりも注型重合法が好ましく、注型重合法の中でもUV硬化性化合物を用いた注型重合法が好ましい。
複層フィルム10,20,30,40には、上記のように、光機能層26が、支持体の第2表面11b側に後工程で形成される。そこで、複層フィルム10,20,30,40は、いずれも、ハードコート層12側から光を入射した際に、入射光のうち波長が340nmである光の透過率が70%以上100%以下の範囲としてある。これにより、光機能層26を付与する後工程を従来よりも短くすることができ、光学フィルム25,45の生産効率が高まり、生産性が向上する。
一般に,UV硬化に使用されるメタルハライドランプの主な発光波長は340nm以上400nm以下の範囲にあり、高圧水銀灯の主発光波長は365nmである。また可視光領域で透明性が求められる複層フィルムの透過率は、340nm以上400nm以下の範囲において波長が短いほど透過率が低くなる傾向がある。したがって、少なくとも340nmである光の透過率が70%以上100%未満であることが好ましい。特に340〜400nmの全ての範囲で、光の透過率が70%以上100%未満であることが好ましい。波長が340nmの光の透過率が70%未満であると、第2表面11b側にUV硬化で光機能層26を設ける際に、ハードコート層12側からメタルハライドランプ、あるいは高圧水銀灯を用いて照射したUVが、複層フィルム10,20,30,40に吸収されてしまう。この吸収により、光機能層26を形成するための硬化に寄与できるUVの強度が低下する。結果として、光機能層26の硬化の効率が低下する。硬化の効率が低下すると、所定の硬化状態となるまでには硬化時間を長くする必要があり光学フィルムの生産性が低下する。また、硬化時間を長くしない場合には、光機能層26の硬化が不十分なので、光機能層26は耐傷性が不十分なものとなる。
複層フィルム10,20,30,40は、いずれも、ハードコート層12側から光を入射した際に、入射光のうち波長が365nmの光の透過率が76%以上100%以下の範囲であることがより好ましい。これは、光機能層26の形成の際に使用する照射光の光源として高圧水銀灯を使用する場合には、特に有効である。高圧水銀灯の輝線は、365nmの光だからである。
[支持体]
支持体11は、高分子化合物を溶融製膜方法や溶液製膜方法によりフィルム形状にしたものである。支持体11に用いる高分子化合物は、透明なものである。支持体11は、さらに、ハードコート層12と複層化して複層フィルム10,20,30,40とし、各複層フィルム10,20,30,40へ光を入射した際に、入射光のうち波長が340nmの光を70%以上100%以下の透過率で透過して第2表面11bから射出するような透明性をもつ。
支持体11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリアリレート類、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル系液晶ポリマー、トリアセチルセルロース、セルロース誘導体、ポリプロピレン、ポリアミド類、ポリイミド、ポリシクロオレフィン類等が好ましい。
この中でも、PET、PEN、トリアセチルセルロース、セルロース誘導体がより好ましく、PET、PENが特に好ましい。
そして、上記の高分子化合物が長尺のフィルム状にされたものを長尺方向と幅方向との互いに直交する2方向に延伸した、いわゆる二軸延伸高分子フィルムを、支持体11として用いることが好ましく、フィルム状のPET、PENを二軸延伸したものが、弾性率、透明性の観点から支持体11として特に好ましい。
また、支持体11は、第1表面11aと第2表面11bとの少なくともいずれか一方がコロナ放電処理されたものであってもよい。第1表面11a、第2表面11bは、コロナ放電処理により親水化され、後述の水性の各種塗布液の濡れ性を向上することができるとともに、カルボキシル基、ヒドロキシ基などの官能基を導入することができる。これにより、第1表面11aとハードコート層12あるいは第1接着層21との密着力や、第2表面11bと光機能層21あるいは第2接着層31との密着力をより高めることができる。
ハードコート層12が熱硬化により形成される場合の支持体11は、加熱収縮率が0.1%以上3.0%以下の範囲であることが好ましく、0.2%以上2.5%以下の範囲であることがより好ましく、0.4%以上2.0%以下の範囲であることがさらに好ましい。
加熱収縮率の上記値は、170℃、10分間での値である。ハードコート層12は、後述のように、ハードコート層12を形成するための所定の塗布液を支持体11の上に直接、あるいは第1接着層21を介して塗布し、これを160℃以上の温度に加熱し、この加熱により硬化させることにより形成される。塗膜は、加熱硬化時における塗膜中のシラノールの脱水縮合に伴い収縮するが、上記のような加熱収縮率をもつ支持体11を用いることにより、ハードコート層12がひび割れすることなく形成されるとともに、支持体11のカールを防止することができる。これは、塗膜が硬化するときの収縮にともなって、支持体11が変形するからであり、つまり、ハードコート層12が形成されるまでの塗膜の収縮に支持体11が追随するからである。したがって、支持体11の加熱収縮率は、塗膜を硬化させるときの塗膜の温度と同じまたはこれに近い温度で求めることが好ましく、この観点から塗布液として後述のものを用いる場合には170℃での加熱収縮率を目安とすることが好ましい。支持体11の加熱収縮率を求める際の保持時間は、測定誤差を防ぐために10分間が好ましい。保持時間が10分より長くてもよいが、10分よりも長くすることの効果は特にない。
支持体11の加熱収縮率を、0.1%以上とすることにより、0.1%よりも小さい場合に比べて、塗膜の硬化収縮に応じるように塗膜が変形し、両者の収縮率の差に起因するような塗膜のひび割れをより確実に防止することができる。加熱収縮率が3%より大きい場合であっても、塗膜のひび割れは発生しない。しかし、加熱収縮率を3%以下とすることにより、3%よりも大きい場合に比べて、支持体11自身の変形の度合いが小さくなるので、得られる複層フィルム10,20,30,40がより確実に平らなものとして得られる。
加熱収縮率の上記値は、以下の方法で求める値である。まず、測定に供するサンプルを支持体11からサンプリングする。このサンプルにつき予め所定方向での長さを測定する。この長さをL1とする。長さL1を測定したサンプルを、170℃に保持されている恒温装置内に、張力をかけずに10分間放置する。恒温装置としては、熱風が内部に送り込まれて内部を所定温度に保持する加熱オーブン等が挙げられる。加熱処理されたサンプルを冷却してから、加熱処理前に測定した方向と同じ方向で長さを測定する。この長さをL2とする。そして、加熱収縮率(単位;%)を、{(L1−L2)/L1}×100の式により求める。しかし、本発明は、加熱収縮率の上記測定方法に限定されるものではなく、例えば他の測定方法により加熱収縮率を求める場合には、用いる測定方法と上記方法とで得られる値の相関関係を予め求めておき、その関係に基づいて、測定値が上記方法での上記値の範囲に対応すればよい。
加熱収縮率は、直交する2方向で、ともに、170℃、10分間下で、0.1%以上3%以下の範囲であることが好ましく、0.2%以上2.5%以下の範囲であることがより好ましく、0.4%以上2.0%以下の範囲であることが特に好ましい。
なお、第1接着層21を設けた場合には、第1接着層21を備えた状態の支持体11の加熱収縮率が上記範囲となっていればよい。
[第1接着層・第2接着層]
第1接着層21は、支持体11のハードコート層12に対する接着性を向上させ、ハードコート層12との密着力を高めるために支持体11の第1表面11aに適宜設けられる。第2接着層31は、支持体11の光機能層26に対する接着性を向上させ、光機能層26との密着力を高めるために支持体11の第2表面11bに適宜設けられる。
第1,第2接着層21,31は、通常、バインダと硬化剤と界面活性剤とからなる塗布液を、第1表面11a,第2表面11bにそれぞれ塗布して形成される。第1,第2接着層21,31にそれぞれ使用する素材は、ハードコート層12、光機能層26のそれぞれとの密着力を高める目的で、それぞれに適した素材を選択することが好ましい。また、第1,第2接着層21,31には、有機または無機の微粒子を適宜含有させてもよい。
第1,第2接着層21,31に使用するバインダは、特に限定されない。ただし、密着力の観点からポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、スチレンブタジエン共重合体の少なくともひとつであることが好ましい。また、バインダは、水溶性または水分散性をもつものが環境への負荷が少ない点で特に好ましい。
第1,第2接着層21,31の屈折率を調整する目的で、第1,第2接着層21,31には金属酸化物からなる微粒子を含ませてもよい。金属酸化物としては、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ニオブなどの屈折率が高いものが好ましい。屈折率が高いものほど、少量でも屈折率を変えることができるからである。金属酸化物の微粒子の粒子径は、1nm以上50nm以下の範囲が好ましく、2nm以上40nm以下の範囲が特に好ましい。金属酸化物の微粒子の量は、目的とする屈折率に応じて決定すればよいが、第1,第2接着層21,31の全質量を100としたときに微粒子の質量が10以上90以下の範囲となるように、第1,第2接着層21,31の中に含まれることが好ましく、30以上80以下の範囲となるように含まれることが特に好ましい。
第1接着層21の屈折率は、複層フィルム10,20,30,40のハードコート層12に光が照射されたときの干渉色を低減する目的で、ハードコート層12の屈折率を考慮して決定する。第1接着層21の屈折率をn21、ハードコート層12の屈折率をn12、支持体11の屈折率をn11とするときに、以下の関係が成立することが特に好ましい。
n21=√(n12・n11)
第1接着層21の厚みT21と、第2接着層31の厚みT31とは、各接着層21,31を形成する各接着用溶液の塗布量を調整することにより制御することができる。透明度が高く、優れた密着力を発現するためには、厚みT21,T31は、0.01μm以上5μm以下の範囲で一定であることがより好ましい。厚みT21,T31を0.01μm以上とすることにより、0.01μm未満である場合に比べて密着力をより確実に向上させることができる。厚みT21,T31を5μm以下とすることにより、5μmよりも大きくする場合に比べて、より均一な厚みで各接着層21,31を形成することができ、さらには、接着用溶液の使用量の増加を抑えて乾燥時間が長時間化を防止し、コストの増加を抑止することができる。より好ましい厚みT21,T31の範囲は、0.02μm以上3μm以下である。
さらに、屈折率の場合と同じく複層フィルム10,20,30,40に、ハードコート層21側から光が照射されたときの干渉色を低減する目的では、第1接着層21の厚みT21は、ハードコート層12の屈折率n12と、第1接着層21の屈折率n21とから、干渉色が目立たなくなるように決定することが好ましく、以下の関係が成立することが特に好ましい。なお、下記式においては、λは測定波長である。λは、視感度が高い500nm以上600nm以下の波長の光を考慮して選択することが好ましい。干渉色の低減効果が小さいからである。
T21=λ/(4×n21)
なお、第1接着層21,第2接着層31は、上記の各本実施形態のように1層のみでもよいし、これを複数重ねた態様であってもよい。第1接着層21,第2接着層31をそれぞれ複数重ねる場合には、各接着層21,31の厚みの合計をそれぞれ厚みT21,T31とみなす。
[ハードコート層]
ハードコート層12は、前述の通り支持体11の第1表面11aを保護し、これにより複層フィルム10,20,30,40としての硬度と耐傷性とを補完する。
ハードコート層12は、さらに、支持体11と複層化して複層フィルム10,20,30,40とし、各複層フィルム10,20,30,40へ光を入射した際に、入射光のうち波長が340nmの光を70%以上100%以下の透過率で透過して支持体11の第2表面11bから射出するような透明性をもつ。ハードコート層12は、入射光のうち波長が340nmの光を72%以上100%以下の透過率で透過して支持体11の第2表面11bから射出するような透明性をもつことがより好ましい。
ハードコート層12は、支持体11とともに用いて複層フィルム10,20,30,40とし、各複層フィルム10,20,30,40へ光を入射した際に、入射光のうち波長が365nmの光を76%以上100%以下の透過率で透過して支持体11の第2表面11bから射出するような透明性をもつことがより好ましい。
ハードコート層12の厚みT12は、特に限定されない。ただし、良好な透明性と強度との観点から、厚みT12は、0.5μm以上10μm以下の範囲であることが好ましく、0.8μm以上8μm以下の範囲にあることがより好ましく、1.1μm〜6μmの範囲であることがさらに好ましい。
ハードコート層12を形成する後述のハードコート用塗布液の塗布量を調整することにより制御することができる。
ところで、異物が複層フィルム10,20,30,40の表面に付着すると、光機能層26を形成するための硬化の際に、照射光であるUV光の透過を異物が妨げる。UV光の透過の妨げにより、光機能層26が部分的に硬化せず、欠陥となることが有る。このような場合には、光学フィルム25,45の得率が下がったり、均一な光機能層26となるように硬化させるための時間が長くなる。このように、複層フィルム10,20,30,40に異物が付着すると光学フィルム25,45の生産性が著しく低下する。そこで、ハードコート層12の25℃、40%RHにおける表面抵抗率は10Ω/□以上1012Ω/□以下であることが好ましい。これにより、光学フィルム25,45に帯電防止機能が付与される。表面抵抗率が1012Ω/□以下であると、1012Ω/□よりも大きい場合に比べて、光機能層26を設ける工程で、塵埃などの異物が、複層フィルム10,20,30,40の表面に、より付着しにくくなる。これにより光学フィルム25,45の得率が上がるので光学フィルム25,45の生産性が向上する。
光学フィルム25,45に異物が付着した場合には、バックライトユニットとしての表示品質が低下する。例えば、ディスプレイの表示のコントラストが悪くなり、またバックライトユニット中にレンズシートがある場合には、そのレンズによって傷が拡大されて輝度ムラが発生する等、画像の表示品質が悪くなる等である。ハードコート層12の表面抵抗率を1012Ω/□以下とすることにより、1012Ω/□よりも大きい場合に比べて、複層フィルム10,20,30,40を用いて製造された光学フィルム25,45の表面に異物が、より付着しにくくなるので、こうした問題もより発生しにくくなる。なお、ハードコート層12の表面抵抗率を10Ω/□未満とすることに、複層フィルム10,20,30,40及び光学25,45の性能面における問題はないが、製造コストが高くなるというコスト面上の懸念はある。
複層フィルム10,20,30,40に帯電防止機能を付与するために、上記の表面抵抗率のハードコート層12を形成する方法として、ハードコート層を形成する塗布液に、カチオン、アニオン、ベタインなどのイオン性の帯電防止剤を添加することが好ましい。その中でも、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのイミダゾリウム骨格を有するベタイン系の化合物が好ましい。イオン性の帯電防止剤に代えて、または加えて、導電性の酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモンなどの金属酸化物からなる微粒子を用いてもよい。
なお、複層フィルム10,20,30,40に帯電防止機能を付与するためには、ハードコート層12ではなく、第1接着層21と第2接着層31とのいずれか一方に導電性の材料を含ませてもよい。導電性の材料としては、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモンなどの金属酸化物やポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの導電性高分子が好ましい。これらの素材を第1接着層21や第2接着層31を形成する塗布液に添加しておき、これを支持体11に塗布することにより、複層フィルム10,20,30,40に帯電防止性を付与することができる。
光学フィルム25,45は、導光板、拡散フィルムなどの他の光学部材と重ねて使用することが有る。重ねる際に、他の光学部材と接触したり擦れる等して光学フィルム25,45に傷が付いたり、互いに接着を起こす可能性がある。これを避ける目的で、ハードコート層12の表面に適度な凹凸を設けても良い。
ハードコート層12の表面に凹凸を設ける手段としては、ハードコート層12となるハードコート等塗布液にマット材を添加することが製造上容易である。マット材としては、有機、無機の各種微粒子を使用することができ、PMMA粒子、ポリスチレン粒子、ポリスチレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子、シリカ粒子などが好ましい。マット材の粒子径は、0.3μm以上5μm以下の範囲が好ましい。マット材の粒子径が0.3μm以上であると、0.3μm未満の場合に比べて、マット材がハードコート層12の内部に埋没しづらく、表面凹凸がより確実に得られやすい。また、マット材の粒子径が5μm以下であると、5μmより大きい場合に比べて、ハードコート層12の表面から突出する凸部の高さが大きくなりすぎず、他の光学部材を傷つけたりマット材がハードコート層12から脱離する等の問題をより確実に回避することができる。マット材の粒子径は、0.6μm以上3μm以下の範囲がより好ましい。マット材の添加量は、目的とする表面凹凸を得られれば特に限定されないが、光学特性の観点から、複層フィルム10,20,30,40のヘイズ率が30%を超えない範囲での添加量が好ましく、20%を超えない範囲での添加量が特に好ましい。
ハードコート層12は、液体の塗布組成物から形成することが好ましい。このようなハードコート用塗布液の成分としては、熱と活性エネルギー線との少なくともいずれか一方により硬化するものであれば、特に制限はない。ただし、複層フィルム10,20,30,40の上記所定波長の光の上記透過率を満たすためには、340nm以上400nm以下の光の透過率が高いハードコート層12を形成するものであることが好ましい。なお、必要に応じて、重合開始剤、硬化剤、添加剤などを加えて、ハードコート用塗布液を構成しても良い。
ハードコート用塗布液は、上記の中でも、光重合開始剤が不要な、熱硬化型の塗布液であることが好ましい。すなわち、ハードコート層12は、熱硬化する塗布液を塗布し、このハードコート用塗布液を加熱により硬化させて形成することが好ましい。
熱により硬化する素材としては、一般的な熱硬化性樹脂、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、シリコーン系素材などが挙げられる。特に、三次元架橋したシロキサン結合を有するシリコーン樹脂は、架橋密度が高いために、高硬度の膜が形成可能である。
また、熱重合開始剤を併用することにより、ラジカル重合可能な二重結合を有するアクリル基又はメタクリル基を有するモノマーやオリゴマーを使用することができる。モノマーとしてはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどの多官能のモノマーが好ましい。また、アクリル基あるいはメタクリル基を有するウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどのオリゴマーも好ましい。また、スチレン、ジビニルベンゼン、アリルベンゼン、ジアリルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート類、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)なども好ましい。これらのモノマー及びオリゴマーは、ハードコート層12を所期の物性とするために、複数の種類を組み合わせて使用することが好ましい。
<重合開始剤>
前記重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合可能な二重結合を有するモノマー、オリゴマーの重合に通常使用される熱重合開始剤を使用することができる。熱重合開始剤の例としては、有機化酸化物、アゾ系化合物などが使用できる。
有機化酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーオキシジカーボネート類などが挙げられる。具体的には、ジブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウリルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどが好ましい。
アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]フォルムアミド、2,2’−アゾビス(N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが好ましい。
重合開始剤の添加量は、ハードコート用塗布液に対して通常0.1〜10質量%の範囲であることが好ましい。ただし、340nm以上400nm以下の範囲に吸収波長を有する場合には、ハードコート層12による上記波長の光の透過率の低下をできるだけ防止するように、その使用量を制限するとよい。
また、重合開始剤として光重合開始剤を併用することにより、前記熱重合で例示したラジカル重合可能な二重結合を有するアクリル基又はメタクリル基を有するモノマー、オリゴマーが使用できる。しかし、光重合開始剤は、340nm以上400nm以下の吸収波長を有する場合が多い。そこで、光重合開始剤を用いる場合には、その使用量を最小限に抑える。
光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、クロロアセトフェノン、アシルフォスフィンオキシド、2−エチルアントラキノン、ベンジルメチルケタール、アシルフォスフィンオキサイド、その他にトリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、オキサジアゾール骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物、フェニルアクリジン誘導体、ケトン化合物、ケトオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、チタノセン系化合物等が挙げられる。
これらの中でも、ハードコート層12に使用する素材としては、水溶性または水分散性の素材を使用することが好ましく、これらの素材からなる水性のハードコート用塗布液を使用することが、VOC(volatile organic compounds)による環境汚染を低減する観点から特に好ましい。
ハードコート用塗布液としては、以下の第1ハードコート用塗布液と第2ハードコート用塗布液との2つのタイプのものがそれぞれ好ましい。これらのハードコート用塗布液を用いることにより、優れた耐傷性を有するハードコート層12を形成することができるとともに、波長が340nmの光や365nmの光を高い透過率で透過する複層フィルム10、20,30,40とすることができる。
第1のハードコート用塗布液は、テトラアルコキシシランと一般式(1)で表す有機ケイ素化合物とが酸性の水溶液中で加水分解することにより生成したシラノールの水溶液と、前記シラノールを脱水縮合させる水溶性の硬化剤と、水に分散しているコロイド粒子の平均粒子径が3nm以上50nm以下の範囲であるコロイダルシリカとを含むものである。第2のハードコート用塗布液は、モノマーとオリゴマーとの少なくともいずれか一方を水中に含む塗布液である。モノマー及びオリゴマーは、分子中に重合性の二重結合を複数個有する。
Si(OR ・・・(1)
(ここで、Rはアミノ基を含まない炭素数が1以上15以下の有機基、Rはメチルまたはエチル基)
<一般式(1)の有機ケイ素化合物>
第1のハードコート用塗布液の第1成分である一般式(1)の有機ケイ素化合物のうち好ましい化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、クロロプロピルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、クロロプロピルメチルジエトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシエトキシ)エトキシ]エチルウレタン、3−トリエトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシエトキシ)エトキシ]エチルウレタン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシプロポキシ)プロポキシ]プロピルウレタン、3−トリエトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシプロポキシ)プロポキシ]プロピルウレタンがあげられる。
中でも、n=0のトリアルコキシシランがより好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシエトキシ)エトキシ]エチルウレタン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシプロポキシ)プロポキシ]プロピルウレタンがある。
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、アミノ基を官能基として含まない。つまり、この有機ケイ素化合物は、アミノ基をもたない有機基Rを有している。Rがアミノ基を有する場合は、テトラアルコキシシランと混合して加水分解すると、生成するシラノール同士で脱水縮合が促進されてしまい、このため、ハードコート用塗布液が不安定となるからである。Rは、炭素数が1以上15以下の範囲であるような分子鎖長をもつ有機基であればよい。ただし、脆性がより改善されたハードコート層12を得るため、及び、ハードコート層12と支持体11あるいは第1接着層21との密着性をより向上させるためには、炭素数の範囲は3以上15以下がより好ましく、5以上13以下がさらに好ましい。なお、炭素数が15以下とすることにより16以上である場合に比べて、ハードコート層12の柔軟性が過度に大きくならず、十分な硬度となる。
そして、Rで示す有機基が酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を有することが好ましい。有機基がヘテロ原子をもつことにより、支持体11あるいは第1接着層21との密着力をより向上させることができる。特に、エポキシ基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基などが有機基R中にあることが好ましい。中でも、エポキシ基を含有する有機ケイ素化合物は、酸性水中でのシラノールの安定性を高める効果があり、特に好ましい。
<テトラアルコキシシラン>
テトラアルコキシシランを第1のハードコート用塗布液の第2成分として用いることにより、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物との加水分解で生じるシラノールの脱水縮合による架橋密度を高くする。これにより、従来よりも硬いハードコート層12を形成することができる。
テトラアルコキシシランは特に限定されないが、炭素数が1〜4のものがより好ましく、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが特に好ましい。炭素数が4以下であることにより、5以上である場合に比べて、酸性水と混ぜたときのテトラアルコキシシランの加水分解速度が遅くなりすぎることがなく、均一な水溶液にするまでの溶解に要する時間がより短くなる。
一般式(1)の有機ケイ素化合物の質量をX1、テトラアルコキシシランの質量をX2とするときに、{X2/(X1+X2)}×100で求めるテトラアルコキシシランの質量比率は、20%以上95%以下の範囲が好ましく、30%以上90%以下の範囲が特に好ましい。この範囲の質量比率とすることにより、架橋密度を高くすることができるので、十分に高い硬度をもつとともに脆性がより改善されたハードコート層12を得ることができる。この質量比率が20%以上の場合には、20%未満の場合と比べて、架橋密度が低すぎることがなく、このためハードコート層12が十分に硬くなる。また、上記質量比率が95%以下である場合には、95%を超える場合に比べて、架橋密度が高くなりすぎることがない。このため、良好な柔軟性を有し、脆さが無いハードコート層12がより確実に得られる。
<酸性水>
塗布液の第3成分としての酸性水は、水素イオン指数(pH)が2以上6以下の範囲のものが好ましく、2.5以上5.5以下の範囲が特に好ましい。pHが2未満または6より大きいと、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物とをこの酸性水に混合して水溶液としたときに、この水溶液、すなわちアルコキシシラン水溶液で、アルコキシシランが加水分解されてシラノールが生成した後、シラノールの縮合が進み、この水溶液の粘度の上昇が起こりやすくなる傾向があるからである。なお、上記のpHの値は、いわゆる「室温」とされる25℃での値である。
酸性水は、有機酸または無機酸を水に溶解することにより得る。酸は、特に限定されないが、酢酸、プロピオン酸、蟻酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸などの有機酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸などの無機酸を使用することができる。中でも、取り扱い性の点からは酢酸が好ましい。
アルコキシシラン水溶液は、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物との合計量、すなわち用いたアルコキシシランの量を100質量部とするときに、酸性水の量が60質量部以上2000質量部以下の範囲となるように、調製される。この組成とすることにより、良好な加水分解性と生成したシラノールの安定性とをもつアルコキシシランの加水分解水溶液が得られる。そして、このようなアルコキシシランの加水分解水溶液、すなわちシラノール水溶液を用いて得られる第1のハードコート用塗布液は、水性であるにも関わらず安定性にすぐれたものとなり、複層フィルム10,20,30,40の製造開始までの貯蔵時間の制約が少なく、また、複層フィルム10,20,30,40の連続製造で製造条件をハードコート用塗布液の性状変化により変化させるという必要もなくなる。酸性水の量は、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物との合計100質量部に対して、100質量部以上1500質量部以下の範囲がより好ましく、150質量部以上1200質量部以下の範囲が特に好ましい。アルコキシシラン100質量部に対して酸性水が60質量部未満では、アルコキシシランの加水分解により生成したシラノールが脱水縮合することにより水溶液のゲル化が進行しやすい傾向があるが、60質量部以上とすることで、このゲル化をより確実に抑制することができる。一方、酸性水が2000質量部以上である場合には、2000質量部を超える場合に比べて、塗布液中のアルコキシシランの濃度が高いため、ハードコート層12を十分な厚みに形成するための塗布量が多くなりすぎることがない。そのため、ハードコート用塗膜の厚みムラの発生や、塗膜の乾燥時間の長期化をより確実に防止することができる。
なお、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物とのいずれとも異なるシラン化合物をハードコート用塗布液に用いてもよい。この場合には、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物とその他のシラン化合物との合計量100質量部に対して、酸性水が60質量部以上2000質量部以下の範囲となるように、これらを混合することが好ましい。
<コロイダルシリカ>
第1のハードコート用塗布液には、第4成分としてコロイダルシリカを含ませてもよい。このコロイダルシリカは、二酸化ケイ素またはその水和物が水に分散したコロイドであり、コロイド粒子の平均粒子径が3nm以上50nm以下の範囲である。コロイド粒子の平均粒子径が3nm以上であることにより、第1のハードコート用塗布液の粘度が過度には高くならないのでコロイダルシリカの添加が塗布条件を制約することもなく、ハードコート層12をより硬く形成することができる。また、コロイド粒子の平均粒子径が50nm以下であることにより、ハードコート層12に入射した光の散乱が過度に大きくならず、複層フィルム10,20,30,40ならびに光学フィルム25,45の透明性を損なうことがない。コロイド粒子の平均粒子径は、4nm以上50nm以下の範囲であることが好ましく、4nm以上40nm以下の範囲であることがより好ましく、5nm以上35nm以下の範囲であることが特に好ましい。
なお、コロイダルシリカは、第1のハードコート用塗布液中に添加される時点でのpHが2以上7以下の範囲に調整されていることがより好ましい。このpHが2以上7以下であると、2よりも小さいあるいは7よりも大きい場合に比べて、アルコキシシランの加水分解物であるシラノールの安定性がより良好で、このシラノールの脱水縮合反応が速く進行することによる塗布液の粘度上昇をより確実に抑制することができる。
コロイダルシリカの量は、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物との合計100質量部に対して、40質量部以上200質量部以下の範囲が好ましく、80質量部以上150質量部以下の範囲がより好ましい。コロイダルシリカの量が40質量部以下の場合には、加熱硬化時の脱水縮合による体積収縮率が大きくなり、硬化膜にヒビワレが発生することがあるが、40質量部以上にすることにより、このワレをより確実に抑止することができる。またコロイダルシリカの添加量が200質量部を超えると、膜の脆性がおおきくなって複層フィルム10,20,30,40を曲げることによりクラックが発生することがあるが、このような現象は、200質量部以下にすることで、より確実に防止することができる。
<硬化剤>
第1のハードコート用塗布液の第5成分としての硬化剤は水溶性であることが好ましい。硬化剤は、シラノールの脱水縮合を促してシロキサン結合の形成を促進させるものである。水溶性の硬化剤としては、水溶性の無機酸、有機酸、有機酸塩、無機酸塩、金属アルコキシド、金属錯体を用いることができる。
無機酸としては、ホウ酸、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸が好ましいものとして挙げられる。
有機酸としては、酢酸、蟻酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸が好ましいものとして挙げられる。
有機酸塩としては、酢酸アルミ、シュウ酸アルミ、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、酢酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酢酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウムが好ましいものとして挙げられる。
無機酸塩としては、塩化アルミ、硫酸アルミ、硝酸アルミ、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムが好ましいものとして挙げられる。
金属アルコキシドとしては、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドが好ましいものとして挙げられる。
金属錯体としては、アルミニウムアセチルアセトナート、アルミニウムエチルアセトアセテート、チタンアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテートが好ましいものとして挙げられる。
以上の硬化剤の中でも、特に、ホウ酸、リン酸、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムアセチルアセトナートなど、ホウ素を含む化合物、リンを含む化合物、アルミニウムを含む化合物が、水溶性、水中での安定性の観点で好ましく、これらのうち少なくともいずれか1種類を硬化剤として用いるとよい。
硬化剤は、塗布液中に均一に混合、溶解することが好ましく、本発明における第1のハードコート用塗布液の溶剤としての水に溶解することが、ハードコート層12の透明性を確保する上で好ましい。水への溶解性が低い場合には、塗布液中に固体として存在するため、塗布乾燥後にも異物として残留し、場合によっては透明度が低いハードコート層12となってしまうことがあるからである。
硬化剤の量は、テトラアルコキシシランと一般式(1)で表す有機ケイ素化合物とを含む全てのアルコキシシラン100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下の範囲が好ましく、0.5質量部以上10質量部以下の範囲がさらに好ましく、1質量部以上8質量部以下の範囲が特に好ましい。
第2のハードコート用塗布液は、分子中に重合性の二重結合を複数個有するモノマーとオリゴマーとの少なくともいずれか一方を水中に含む水性の塗布液である。前記モノマーと前記オリゴマーとは、水に分散または溶解させてある。
モノマーとしては、アクリル基を複数個有する多官能モノマーを使用することができる。例えば、多官能のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートを含有するものが好ましい。
オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートが好ましい。
上記のモノマーやオリゴマーは、通常水への溶解度が低い。このため、水に溶解することができない場合や、水中に均一に分散させることができない場合には、界面活性剤を用いてモノマーやオリゴマーを水に乳化分散させることが好ましい。
界面活性剤としては、通常の乳化に使用できるものであれば特に限定されない。アニオン、カチオン、ノニオン、ベタインのいずれの界面活性剤も使用することができる。これらの中で、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が、7以上18以下であることが好ましく、9以上16以下の範囲であることが特に好ましい。HLB値とは、界面活性剤の水と油への親和性の程度を表す値である。HLB値の好ましい上記値は、Atlas式のHLB−数方式による値である。
アニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、脂肪酸塩等が好ましいものとして挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩などが好ましいものとして挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステルが好ましいものとして挙げられる。
ベタイン系界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが好ましいものとして挙げられる。
乳化分散の方法としては、強制乳化法が一般的である。例えばリゾルバー、ホモジナイザーなどを用いて、モノマーあるいはオリゴマーと、界面活性剤などの乳化剤と、水とを、剪断力を加えながら強制的に攪拌する方法などが使用できる。
<重合開始剤>
第2ハードコート用塗布液を用い、さらにラジカル重合開始剤を用いる場合には、ラジカル重合開始剤は、油溶性の有機化酸化物、アゾ系化合物または光重合開始剤であることが好ましい。そして、これらのラジカル重合開始剤を、前記モノマーあるいはオリゴマーに溶解して、これらと共に強制乳化するか、水溶性のアゾ系開始剤を使用することができる。油溶性の有機過酸化物、アゾ系化合物、光重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤として使用できるものであれば特に限定されないが、340nm以上400nm以下における光吸収が少ないことが好ましい。
水溶性のアゾ系化合物としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]フォルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)などが特に好ましい。
<その他の添加物>
複層フィルム10,20,30,40の表面特性、特に摩擦係数を制御するために、ハードコート用塗布液には、マット剤やワックスを含ませても良い。
マット剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ポリスチレン、ポリスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメチルメタクリレート、架橋ポリメチルメタクリレート、メラミン、ベンゾグアナミン等の有機、無機の素材を使用することができる。
ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、ポリエステル系ワックス、カルナバワックス、脂肪酸、脂肪酸アマイド、金属石鹸等を使用することができる。
また、第1及び第2のハードコート用塗布液には、界面活性剤を含ませても良い。界面活性剤を用いることにより、ハードコート用塗布液の表面張力を下げて、支持体11または第1接着層21に対するハードコート用塗布液の塗布ムラを抑制し、均一な厚みのハードコート層12を支持体11または第1接着層21に形成することができるようになる。界面活性剤は特に限定されないが、脂肪族、芳香族、フッ素系のいずれの界面活性剤でもよく、また、ノニオン系、アニオン系、カチオン系のいずれの界面活性剤でもよい。
複層フィルム40の製造方法について以下に説明する。図7に示すように、複層フィルム製造設備51は、支持体11を製造する支持体製造装置52と、支持体11の第1表面11aに塗布されて第1接着層21を形成する接着用溶液(以下、第1接着用溶液と称する)57を調製する接着用溶液製造装置(図示無し)と、ハードコート層12を形成するハードコート用塗布液53を調製する塗布液製造装置54と、支持体11の第2表面11bに塗布されて第2接着層31を形成する接着用溶液(以下、第2接着用溶液と称する)58を調製する接着用溶液製造装置(図示無し)と、第1接着用溶液57を支持体11に塗布する第1接着層形成装置59と、ハードコート層12を形成するハードコート層形成装置63と、第2接着用溶液58を支持体11に塗布する第2接着層形成装置59と、巻取装置64とを備える。
支持体製造装置52は、支持体11の原材料である例えばペレット状の高分子化合物66を、乾燥機68に導入して乾燥させた後、このペレットを溶融押出機68に案内し、この溶融押出機68でフィルム形状に押し出す。このフィルム形状とされた高分子化合物を、以下ベース素材71と称する。このベース素材71は、延伸機73に案内される。
延伸機73には、ベース素材71を所定温度に調整する温度調整機(図示せず)が設けられる。この温度調整機により、ベース素材71は、搬送されながら所定のタイミングで所定の温度に達するように昇温または降温される。
延伸機73では、ベース素材71を搬送しながら、所定方向に張力をかける延伸工程を実施する。延伸工程は、ベース素材71を搬送方向(以下、MD方向と称する)に伸ばす第1延伸工程と、ベース素材71を幅方向(以下、TD方向と称する)に引っ張り、幅を拡げる第2延伸工程と、この第2延伸工程の後に行われ、ベース素材71を加熱することにより分子配向を固定する熱固定工程と、この熱固定工程の後に行われ、幅を小さくすることにより、TD方向の張力を緩和して残留歪を低減する緩和工程と、ベース素材71を冷却する冷却工程とを実施する。なお、第1延伸工程の前に、ベース素材71を加熱して予め所定温度に昇温させる予熱工程を実施してもよい。また、公知の同時二軸延伸機を延伸機73に組み込んで、第1延伸工程と第2延伸工程とを同時に実施してもよい。
なお、延伸機73におけるベース素材71の搬送方法及び延伸方法は、特に限定されず、公知の方法であってよい。例えば、第1延伸工程では、2本のローラでベース素材71を搬送し、上流側の一方よりも下流側の他方の周速が大きくなるように両者に周速差をもうけることにより、ベース素材71をMD方向に延伸する。この2本のロールの周速を調節することにより、MD方向の延伸倍率を制御することができる。第2延伸工程では、ベース素材71の側端部を保持して搬送する保持部材としてのクリップ(図示せず)と、クリップ57が取り付けられ無端で走行するチェーン(図示無し)とチェーンの軌道を決定するレール(図示無し)とが備えられた延伸機を用いることができる。この場合のレールにはシフト機構(シフト機構)が備えられる。延伸機73に送り込まれたベース素材71は、所定の位置に達すると、両側端部をクリップで保持される。シフト機構は、レールをベース素材71の幅方向に移動させ、これによりチェーンは変位する。チェーン上のクリップは、ベース素材71を保持した状態でベース素材71の幅方向に移動し、ベース素材71は幅方向に張力が付与される。チェーンの変位を制御することにより、ベース素材71のTD方向での延伸倍率を変えることができる。
この延伸機73での上記各工程により、ベース素材71は、搬送されながら搬送方向と幅方向とで付与される張力が制御され、170℃、10分間における加熱収縮率が所望の範囲であるような支持体11となる。
ただし、支持体11の製造方法は、上記の方法に限定されず、公知のポリマーフィルム製造設備を用いることができる。例えば、「PETフィルム−延伸技術・特性・評価・高機能化・用途展開−(1990年 技術情報協会発行)」に記載されるような一般的なポリエスエルフィルム製造設備を用いてもよい。ポリエステルから支持体11を製造する場合には、周知の逐次二軸延伸法あるいは、同時二軸延伸法にて製造することが好ましいが、170℃、10分間における上記の加熱収縮率をもつならば、用途に応じて、MD方向での延伸のみを実施したいわゆる一軸延伸フィルムや、あるいは延伸工程を経ていないいわゆる無延伸フィルムを支持体11として用いてもよい。
塗布液製造装置54は、テトラアルコキシシラン74と、一般式(1)の有機ケイ素化合物75と、酸性水76と、硬化剤78と、コロイダルシリカ79とから、第1のハードコート用塗布液53を製造する。
なお、第2のハードコート用塗布液からハードコート層12を形成する場合には、塗布液製造装置54に代えて、第2のハードコート用塗布液(図示無し)を製造する塗布液製造装置(図示せず)とする。
塗布液製造装置54で実施するハードコート用塗布液53の調製工程は、一般式(1)で表す有機ケイ素化合物75とテトラアルコキシシラン74とを酸性水76に溶解してシラノール水溶液81を調製する第1工程と、この第1工程で調製したシラノール水溶液81に硬化剤78とコロイダルシリカ79とを添加して第1のハードコート用塗布液53とする第2工程とからなる。なお、ハードコート用塗布液53に、硬化剤78以外の添加剤を含ませる場合には、第1工程と第2工程とのいずれの工程でこれを添加してもよい。
第1工程では、攪拌装置と内部の温度を所定温度に調整する温調装置とを備えるタンクに、あらかじめ所定量の酸性水76を収容しておき、この酸性水76に、まず、一般式(1)の有機ケイ素化合物75を添加する。この添加は、酸性水76を攪拌装置で激しく攪拌しながら実施する。次に、この酸性水76を攪拌装置で激しく攪拌しながら、テトラアルコキシシラン74を添加して溶解させ、シラノール水溶液81を得る。
第2工程では、シラノール水溶液81を攪拌しながら、このシラノール水溶液81に硬化剤63とコロイダルシリカ79とを添加する。生成したシラノールの脱水縮合反応が、この第2工程で可能な限り進行しないように抑えることが好ましく、このために、急激にpHが変化しないように添加を少量ずつかつシラノール水溶液81を十分に攪拌しながら実施することが好ましい。また、この第2工程の間は、シラノール水溶液81の温度が高くなりすぎないように冷却することが好ましい。なお、硬化剤63以外の添加剤を添加する場合には、この硬化剤63とコロイダルシリカ79との添加開始の前、添加終了の後、添加と同時とのいずれのタイミングで実施してもよい。
接着用溶液製造装置では、バインダ(図示無し)と硬化剤(図示無し)と界面活性剤(図示無し)と水72とから第1接着用溶液57を調製する。接着層に微粒子を含有させる場合には、この接着用溶液製造部38で、微粒子を添加しておく。
支持体製造装置52での製膜により得られた支持体11は、第1接着層形成装置59に連続的に案内される。第1接着層形成装置59では、第1接着層21を形成する。第1接着層形成装置59は、第1接着用溶液57を、支持体11の第1表面11a上に塗布する塗布機82と、支持体11の上の第1接着用溶液57を乾燥する乾燥機83とを備える。塗布機82の上流にコロナ放電器84を設け、塗布の前にコロナ放電処理を実施してもよい。この第1接着層形成装置59で、搬送されている支持体11の上に第1接着用溶液57の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥機83で乾燥して第1接着層21とする。第1接着層21を形成せずに支持体11に直接ハードコート層12を形成する場合にはこの第1接着層形成装置59を設けない。
なお、支持体11は、支持体製造装置52から第1接着層形成装置59に連続的に案内されずに、支持体製造装置52での製膜後に、一旦ロール状に巻き取られてもよい。この場合には、ロール状にされた支持体11を送出機(図示無し)にセットしてこの送出機により巻きだして第1接着層形成装置59に送る。
また、第1接着用溶液57の塗布は、支持体製造装置52の中で実施してもよい。例えば、延伸機73に入る前のベース素材71に対して第1接着層溶液57を塗布してもよいし、第1延伸工程の後に第2延伸工程を実施する場合には、第1延伸工程と第2延伸工程との間で塗布してもよい。
第1接着層21を形成された支持体11を、ハードコート層形成装置63に連続的に案内する。このハードコート層形成装置63は、ハードコート用塗布液53を、支持体11に形成された第1接着層21に塗布する塗布機85と、ハードコート用塗布液53を加熱して乾燥する加熱機86とを備える。このハードコート層形成装置63で、搬送されている支持体11にハードコート用塗布液53を塗布して、この塗膜を加熱機86で加熱して硬化させ、ハードコート層12とする。
なお、第1接着層21が形成された支持体11は、第1接着層形成装置59からハードコート層形成装置63に連続的に案内されずに、第1接着層形成装置59で接着層13が形成された後に、一旦ロール状に巻き取られてもよい。この場合には、ロール状にされた支持体11を送出機(図示無し)にセットしてこの送出機により巻きだしてハードコート層形成装置63に送る。
第1接着層21及びハードコート層12の形成方法は特に制限されるものではなく、公知の塗布機を目的に応じて適宜選択して塗布すればよい。例えば、スピンコータ、ロールコータ、バーコータ、カーテンコータによる塗布が挙げられる。
塗布されたハードコート用塗布液53の加熱硬化では、支持体11上のハードコート用塗布液53からなる塗膜の温度が低くとも160℃、すなわち160℃以上の温度となるように、加熱機86で加熱する。なお、本実施形態における加熱による硬化は、塗膜は反応による硬化の他に、乾燥による硬化も含む。
塗膜をより十分に硬化させるためには、塗膜の温度を140℃以上220℃以下の範囲とすることが好ましく、150℃以上220℃以下の範囲とすることがより好ましく、170℃以上210℃以下の範囲とすることがさらに好ましい。塗膜の温度を140℃以上にすると、140℃未満の場合と比べて、塗膜の硬化をより十分すすめて、十分な硬度のハードコート層12をより確実に形成することができる。なお、塗膜の温度の220℃という上記上限値は、支持体11の高分子化合物66として、PET等のポリエステルを用いた場合であって、上限値については、支持体11がその耐熱性に応じて変形しない程度で、決定するとよい。
また、加熱によるダメージを避けるためには、加熱の温度の他に加熱時間をできるだけ短くすることが好ましく、塗布液の硬化の速度と硬化の進み度合いとを考慮して加熱時間を決定する。上記温度範囲の場合の加熱時間は、10秒以上10分以下の範囲が好ましく、20秒以上6分以下の範囲が好ましい。
ハードコート層12を形成された支持体11は、第2接着層形成装置60に連続的に案内される。第2接着層形成装置60では、第2接着層31を形成する。第2接着層形成装置60は、第2接着用溶液58を、支持体11の第2表面11b上に塗布する塗布機90と、支持体11の上の第2接着用溶液58を乾燥する乾燥機91とを備える。塗布機90の上流にコロナ放電器92を設け、塗布の前にコロナ放電処理を実施してもよい。この第2接着層形成装置60で、搬送されている支持体11の上に第2接着用溶液58の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥機91で乾燥して第2接着層31とする。これにより、複層フィルム40が製造される。第2接着層31を形成せずに支持体11に直接光機能層26を形成する場合には、この第2接着層形成装置60を設けない。
なお、支持体11は、ハードコート層形成装置63から第2接着層形成装置60に連続的に案内されずに、ハードコート層形成装置63でのハードコート層12の形成後に、一旦ロール状に巻き取られてもよい。この場合には、ロール状にされた支持体11を送出機(図示無し)にセットしてこの送出機により巻きだして第2接着層形成装置60に送る。
複層フィルム40は、巻取装置64に送られてロール状に巻き取られる。なお、第2接着層形成装置と巻取装置64との間に、長手方向に複層フィルム40を切断するスリッタを設け、所定幅に切断してもよい。この場合には、スリットされた各複層フィルム40を、複数の巻取装置64を用いてそれぞれ巻き取る。
図8の光学フィルム製造装置101は、ロール状にされた複層フィルム40を巻きだして送り出す送出機102と、プリズム層用塗布液104を塗布する塗布機106とを備える。送出機102は、複層フィルム40の第2接着層31の上にプリズム層用塗布液104が塗布されるように、複層フィルム40を送り出す。
塗布機106としては特に限定されるものではない。例えば、エクストルージョンダイ107を用いることができる。
プリズム層用塗布液104が、エクストルージョンダイ107から流出することにより、第2接着層31の上に塗膜が形成される。
光学フィルム製造装置101は、複層フィルム40の搬送路に、プリズム形成用ローラ111と、ニップローラ114と、剥離ローラ113とを備える。プリズム形成用ローラ111は、複層フィルム40のプリズム層用塗布液からなる塗膜側に配される。ニップローラ111と剥離ローラ114とは、複層フィルム40のハードコート層12側に配される。
プリズム形成用ローラ111の周面111aには、プリズムをかたどるために断面三角形の凹凸が、形成されてある。プリズム形成用ローラ111は、周方向に回転し、ニップローラ112はプリズム形成用ローラ111との間で複層フィルム40を狭持する。ニップローラ112とプリズム形成用ローラ111とにより狭持される狭持位置の上流側の複層フィルム40は、ニップローラ112に巻き掛けられ、狭持位置の下流側の複層フィルム40は、プリズム形成用ローラ111に巻き掛けられる。これにより複層フィルム40は、ニップローラ112とプリズム形成用ローラ111とにより搬送されながら複数のプリズムを連続的に形成される。
複層フィルム30のハードコート層12側であって、プリズム形成用ローラ111の下方には、プリズム層用塗布液104からなる塗膜を光硬化するための光源116が配される。光源116は、ハードコート層12と第1接着層21と支持体11と第2接着層31とを介して、プリズム層用塗布液104からなる塗膜に光を照射する。
プリズム形成用ローラ111の下流に配される剥離ローラ113は、プリズム形成用ローラ111から、光機能層26が形成された複層フィルム40、すなわち光学フィルム45を周面に巻き掛けて回転する。これにより、光学フィルム45は、プリズム形成用ローラ111から剥ぎ取られる。なお、図8では、プリズム層用塗布液104からなる塗膜及び光機能層26の各厚みと、光機能層26における各プリズムと、プリズム形成用ローラ111の周面111aの凹凸とを、複層フィルム40の厚みに対して大きく、模式的に描いてある。
以上の方法で製造した光学フィルム45は、これをロール状に巻き取る巻取装置(図示せず)や、所望の大きさや形のシートにカットするシート化装置等の次工程に送られる。
以下に、実施例及び比較例を記載するが、詳細は実施例1に記載し、その他の実施例と比較例とについては、実施例1と異なる条件のみ記載する。
ゲルマニウム(Ge)を触媒とした重縮合により得られ、固有粘度が0.66のPETを含水率が50ppm以下になるまで乾燥した。乾燥後、溶融押出機68によりPETをフィルム形状のベース素材71とした。溶融押出機68は、PETを溶融するヒータと、溶融されたPETをフィルム形状に押し出すダイと、このダイから押し出し口の下流に配されるチルロールとを備える。チルロールは、周面を冷却する冷却機構を有し、この表面に接触したPETフィルムを冷却する冷却ローラである。溶融押出機68のヒータの温度は280℃以上300℃以下の範囲で略一定に保持した。このヒータでPETを溶融し、ダイから静電印加されたチルロールへと押し出して、非結晶のベース素材71にした。この非結晶のベース素材71を、溶融押出機68の下流に設けられる延伸機73へ搬送した。
延伸機73では、ベース素材71をMD方向に伸ばす第1延伸工程と、この第1延伸工程の後にベース素材71をTD方向に伸ばす第2延伸工程と、この第2延伸工程の後に熱固定工程と、この熱固定工程の後に緩和工程と、緩和工程の後に冷却工程とを実施し、支持体11を得た。第1延伸工程では、ベース素材71を3.1倍に伸ばし、第2延伸工程では幅が3.9倍になるように幅方向に張力を付与した。また、熱固定工程では、ベース素材71を240℃に加熱し、緩和工程では、ベース素材71を235℃に加熱した。冷却を終えてクリップから開放される時点におけるベース素材71の幅をY1、第2延伸工程におけるベース素材71の幅の最大値をY2とするときに、100×(Y2−Y1)/Y2が3.2%となるように、ベース素材71の幅を小さくした。冷却工程ではベース素材71を室温まで冷却した。得られた支持体11の厚みは188μmである。
下記の配合で第1接着用溶液57を調製した。この第1接着用溶液57を第1接着用溶液サンプルA−1とする。
[第1接着用溶液サンプルA−1]
・タケラックWS−4000 5.0質量部
(固形分濃度30%、三井化学(株)製)
・界面活性剤 0.3質量部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.3質量部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 94.4質量部
支持体11の一方の面にコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理を施した面に、第1接着用溶液サンプルA−1を塗布し120℃で2分乾燥させて、厚みが0.11μmの第1接着層21を形成した。
第1接着層21を設けた支持体11の170℃、10分間における加熱収縮率を、MD方向とTD方向とでそれぞれ測定した。この測定結果については、表1の「支持体」欄中の「加熱収縮率」欄に示す。なお、表1の「MD」欄の数値(単位:%)はMD方向での加熱収縮率、「TD」欄の数値(単位:%)はTD方向での加熱収縮率である。加熱収縮率の求め方は、後述する。
以下の配合で、ハードコート層12を形成するハードコート用塗布液53を調製した。このハードコート用塗布液53をハードコート用塗布液サンプルH−1とする。
[ハードコート用塗布液サンプルH−1]
・テトラエトキシシラン 4.48質量部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 6.36質量部
(KBE−403、信越化学工業(株)製)
・酢酸水溶液(酢酸濃度=0.05%、pH=5.2) 14.0質量部
・硬化剤 0.19質量部
(アルミキレートA(W)、川研ファインケミカル(株)製)
・コロイダルシリカ 33.9質量部
(スノーテックスO−33、平均粒子径10nm〜20nm、固形分濃度33%、
pH=2.6、日産化学工業(株)製)
・界面活性剤 0.13質量部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.27質量部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 7.33質量部
ハードコート用塗布液サンプルH−1は、以下の方法で調製した。上記のように、このハードコート用塗布液サンプルH−1では、一般式(1)で表す有機ケイ素化合物75として、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを用いた。まず、酸性水76としての酢酸水溶液を激しく攪拌しながら、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを、この酢酸水溶液中に3分間かけて滴下した。次に、テトラアルコキシシラン74としてのテトラメトキシシランを、酢酸水溶液中に強く攪拌しながら5分かけて添加し、その後2時間攪拌を続けた。次に、このシラノール水溶液81にコロイダルシリカ79と、硬化剤78と、界面活性剤とを順次添加し、水性の第1のハードコート用塗布液53を調製した。
このハードコート用塗布液サンプルH−1を第1接着層21の上にバーコート法により塗布した。この塗膜を、170℃で5分間加熱して乾燥し、厚さ4.1μmのハードコート層12を形成した。
下記の配合で第2接着用溶液58を調製した。この第2接着用溶液58を第2接着用溶液サンプルB−1とする。
[第2接着用溶液サンプルB−1]
・バインダ 44.9質量部
(ファインテックス ES−650、固形分29%、大日本インキ化学工業(株)製)
・架橋剤 1.3質量部
(カルボジライトV−02−L2、日清紡(株)製)
・シリカ微粒子 1.4質量部
(日本アエロジル(株)製、アエロジルOX−50、固形分10%)
・界面活性剤1 1.2質量部
(日本油脂(株)、ラピゾールB−90、アニオン性)
・界面活性剤2 0.1質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティー HN−100、ノニオン性)
支持体11の第2表面11bにコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理を施した第2表面11bに、第2接着用溶液サンプルB−1を塗布した。この塗膜を160℃で2分乾燥させて、厚みが0.09μmの第2接着層31を形成した。
[プリズム層用塗布液サンプルF]
下記に示す化合物を記載の質量比にて混合し、50℃に加熱して攪拌溶解し、プリズム層用塗布液104を調整した。このプリズム層用塗布液104をプリズム層用塗布液サンプルFとする。
・BrBPA 35.0質量部
(テトラブロモビスフェノールA骨格含有のエポキシアクリレート)
・BPE200 35.0質量部
(NKエステルBPE−200、新中村化学(株)製、エチレンオキシド付加ビスフェノールAメタクリル酸エステル)
・BR−31 30.0質量部
(ニューフロンティアBR−31、第一工業製薬(株)製、トリブロモフェノキシエチルアクリレート)
・LR8893X 2.0質量部
(Lucirin LR8893X、BASF(株)製の光ラジカル発生剤、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルオスフィンオキシド)
・メチルエチルケトン(MEK) 43.7質量部
光学フィルム製造装置101により、第2接着層31の上に、このプリズム層用塗布液サンプルFを塗布して、光学フィルム45を製造した。なお、複層フィルム40は、予め、巻取装置102に巻き取る前に、スリッタにより連続的に切断し、これにより、幅500mmとしておいた。
プリズム形成用ローラ111として、長手方向、すなわち複層フィルム40の幅方向における長さが700mm、直径が300mmのS45C製で、表面の材質をニッケルとしたものを使用した。このローラの表面の略500mm幅の全周に、ダイヤモンドバイト(シングルポイント)を使用した切削加工により、ローラ軸方向のピッチが50μmの溝を形成した。溝の断面形状は、頂角が90度の三角形である。溝の底部も平坦部が無い90度の三角形である。すなわち、溝幅は50μmであり、溝深さは約25μmである。この溝は、プリズム形成用ローラ111の周方向に継ぎ目がないので、このプリズム形成用ローラ111により、断面が三角形のレンチキュラーレンズが複数形成される。なお、プリズム形成用ローラ111の周面には、溝加工後にニッケルメッキを施しておいた。
塗布機105としてダイコータを使用した。塗布機107の塗布ヘッドとして、エクストルージョンダイ107を使用した。
乾燥機106による有機溶剤乾燥後の膜厚が20μmになるように、プリズム層用塗布液サンプルFの湿潤状態の厚さを、エクストルージョンダイ107へのプリズム層用塗布液サンプルFの供給量を制御した。供給量の制御は、エクストルージョンダイ107に接続する液供給装置としての送液ポンプ(図示無し)により制御した。
乾燥機106として、熱風が内部を循環するいわゆる熱風循環方式の乾燥機を用いた。熱風の温度は100℃に設定した。
ニップローラ112としては、直径が200mmで、表面にゴム硬度が90のシリコンゴムの層を形成したローラを使用した。プリズム形成用ローラ111とニップローラ112とで複層フィルム40を押圧するニップ圧(実効のニップ圧)は、0.5Paとした。
光源116としては、メタルハライドランプ116を複数備えるものを使用した。照射は、塗膜が硬化したとみなせる程度になるまで実施した。硬化に要したエネルギー量は表1の「照射エネルギー量」欄に記載する。この欄における単位はmJ/cmである。
以上により、プリズムシートとしての光学フィルム45を製造した。つまり、この光学フィルム45の光機能層26の形成方法は、注型重合法に当たる。
支持体11、複層フィルム40、光学フィルム45につき、下記の評価を実施した。
(1)支持体の加熱収縮率
加熱収縮率は、以下の方法で求めた。第1接着層21を設けた支持体11から、TD方向30mm、MD方向120mmの大きさでサンプリングした。このサンプルのMD方向で100mmの間隔となるように、正確に2本の基準線を入れ、無張力下で170℃の加熱オーブン中に10分間放置した。この放置の後、室温まで冷却して、2本の基準線の間隔を測定しこの値をL(単位;mm)とおき、{(100−L)/100}×100の式をもってMD方向での加熱収縮率とした。また、第1接着層21を設けた支持体11からMD方向30mm、TD方向120mmの大きさでサンプリングし、同様に測定と計算とを行い、TD方向での加熱収縮率とした。
(2)複層フィルムにおけるハードコート層のひび割れ
ハードコート層の表面を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:ひび割れが全く発生しない
△:ひび割れが局所的に発生するため、実用上支障がある
×:ひび割れが全面に発生し、使用不可
(3)複層フィルムにおけるハードコート層の鉛筆硬度の評価
往復磨耗試験機トライボギア(登録商標) TYPE:30S(新東科学(株)製)を用いて、JIS K5600−5−4に基づき、移動速度0.5mm/秒、加重750gにて、ハードコート層の鉛筆硬度を測定した。ハードコート層の鉛筆硬度は、用途によって求められるレベルが異なるものの、「H」以上であればハードコート層としての機能は満足するといえる。なお、後述する比較例において、ハードコート層を設けない場合には、露出する第1接着層21または支持体11についてこの鉛筆硬度の評価を実施した。この結果は、表1の「鉛筆硬度」欄に示す。
(4)複層フィルム40のハードコート層における耐傷性の評価
スチールウール#0000を、200g/cmの加重をかけてハードコート層の上を20回往復させ、目視で傷の発生を観察し、以下の基準で評価した。なお、後述する比較例において、ハードコートを設けない場合には、露出する第1接着層21または支持体11についてこの鉛筆硬度の評価を実施した。この結果は、表1の「耐傷性」欄に示す。
A:傷が全く認められず、非常に良い
B:傷が1〜7本認められるものの、実用上問題が無いレベル
C:多数の傷が認められ、製品として用いることができないレベル
(5)複層フィルムの表面抵抗率測定
複層フィルムのハードコート面を、25℃、40%RHの雰囲気下で、測定装置として、デジタル・エレクトロメーターR8252((株)アドバンテスト製)にレジスティビティ・チェンバR12704A((株)アドバンテスト製)を接続したものを用い、JIS K 6911に準じ、表面抵抗率を測定した。なお、後述する比較例において、ハードコートを設けない場合には、露出する第1接着層21または支持体11についてこの鉛筆硬度の評価を実施した。結果は表1の「表面抵抗」欄に記載する。単位はΩ/□(=Ω/sq)である。この欄における「E−」に続く数字は指数部である。例えば、「3E−13」は、「3×1013」を示す。
(6)複層フィルムのヘイズ率
C光源におけるヘイズ率(%)をヘイズメーター(スガ試験機社製)にて測定した。
(7)複層フィルムの透過率の測定
複層フィルムのハードコート層側から測定光を入射し、300nm以上800nm以下の範囲で、分光透過率を測定した。測定装置として、紫外可視分光光度計UV−2450((株)島津製作所製)を使用した。
(8)光機能層の硬化に要する照射エネルギー量
光機能層26となるUV硬化性の化合物が、一定の硬度を得るのに要する、メタルハライドランプの照射エネルギー(mJ/cm)を評価した。一定の硬度とは、スチールウール#0000を、20g/cmの加重をかけて光機能層26の上を10回往復させた後、光機能層26における傷の発生の有無を目視で観察した時にまったく傷が認められない硬度である。
以上の評価を下記の実施例及び比較例でも実施した。各結果は表1に示す。
ハードコート層用塗布液サンプルH−1に代えて、ハードコート層用塗布液サンプルH−2を用いた。このハードコート層用塗布液サンプルH−2を第1接着層21の上にバーコート法により塗布した。この塗膜を、200℃で120秒乾燥し、厚さ2.8μmのハードコート層12を形成した。その他の条件は、実施例1と同一として、プリズムシートとしての光学フィルム45を得た。
[ハードコート層用塗布液サンプルH−2]
・テトラエトキシシラン 5.9質量部
(KBE−04、信越化学工業社製)
・3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 6.8質量部
(KBM−403、信越化学工業社製)
・酢酸水溶液(酢酸濃度1.0%、pH=3.3) 30.4質量部
・硬化剤 0.2質量部
(アルミキレートA(W)、川研ファインケミカル(株)製)
・コロイダルシリカ 60.0質量部
(スノーテックスOS、平均粒子径7〜9nm、固形分濃度20%、pH=2.6、日産化学工業(株)製)
・界面活性剤 0.1質量部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.2質量部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 8質量部
支持体11の作製において、熱固定工程にて、235℃に加熱し、緩和工程では、210℃に加熱した。また、緩和工程では、100×(Y2−Y1)/100が5.1%となるように幅を小さくした以外は、実施例1と全く同様にしてポリエステルフィルムからなる支持体11を得た。得られた支持体の厚みは188μmである。この支持体11を用いて、実施例1と同様にして、プリズムシートとしての光学フィルム45を作製した。
支持体11の作製において、熱固定工程にて、235℃に加熱し、緩和工程では、220℃に加熱した。また、緩和工程では、100×(Y2−Y1)/100が3.6%となるように幅を小さくした以外は、実施例1と全く同様にしてポリエステルフィルムからなる支持体を得た。得られた支持体の厚みは188μmである。この支持体11を用いて、実施例1と同様にして、プリズムシートとしての光学フィルム45を作製した。
支持体11の作製において、熱固定工程にて、245℃に加熱し、緩和工程では、235℃に加熱した。また、緩和工程では、100×(Y2−Y1)/100が1.4%となるように幅を小さくした以外は実施例1と全く同様にしてポリエステルフィルムからなる支持体を得た。得られた支持体の厚みは188μmである。この支持体11を用いて、実施例1と同様にして、プリズムシートとしての光学フィルム45を作製した。
ハードコート層用塗布液サンプルH−1に代えて、以下のハードコート層用塗布液塗布サンプルH−3を用いた。このハードコート層用塗布液サンプルH−3を、第1接着層21の上にバーコート法により塗布した。この塗膜を、190℃で180秒乾燥し、厚さ2.1μmのハードコート層12を形成した。その他の条件は、実施例1と同一として、プリズムシートとしての光学フィルム45を得た。
[ハードコート層用塗布液サンプルH−3]
・テトラメトキシシラン 4.5質量部
(KBM−04、信越化学工業(株)製)
・3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 6.4質量部
(KBE−403、信越化学工業(株)製)
・酢酸水溶液(酢酸濃度1.0%、pH=3.3) 50.0質量部
・硬化剤 0.4質量部
(アルミキレートA(W)、川研ファインケミカル(株)製)
・コロイダルシリカ 55.0質量部
(スノーテックスOS、平均粒子径7〜9nm、固形分濃度20%、pH=2.6、日産化学(株)製)
・PMMA架橋微粒子 0.2質量部
(MX300、平均粒子径3.0μm、綜研化学(株)製)
・界面活性剤 0.13質量部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)社製)
・界面活性剤 0.27質量部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)社製)
・水 50質量部
ハードコート層用塗布液サンプルH−1に代えて、ハードコート層用塗布液サンプルH−4を用いた。このハードコート層用塗布液サンプルH−4を、第1接着層21の上にバーコート法により塗布した。この塗膜を、190℃で180秒乾燥し、厚さ4.1μmのハードコート層12を形成した。その他の条件は、実施例1と同一として、プリズムシートとしての光学フィルム45を得た。
[ハードコート層用塗布液H−4]
・テトラエトキシシラン 6.0質量部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 8.5質量部
(KBE−403、信越化学工業社製)
・酢酸水溶液(酢酸濃度1.0%、pH=3.3) 20.0質量部
・硬化剤 0.25質量部
(アルミキレートA(W)、川研ファインケミカル(株)製)
・コロイダルシリカ 45.0質量部
(スノーテックスO、平均粒子径10nm〜20nm、固形分濃度20%、pH=2.6、日産化学(株)製)
・帯電防止剤 0.6質量部
(エナジコールCNS、ライオン(株)製)
・界面活性剤 0.3質量部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
ハードコート層用塗布液サンプルH−1に代えて、有機溶剤系のハードコート層用塗布液サンプルH−5を用いた。このハードコート層用塗布液サンプルH−5を、第1接着層21の上にバーコート法により塗布した。この塗膜を、150℃で180秒乾燥し、厚さ5.1μmのハードコート層12を形成した。その他の条件は、実施例1と同一として、複層フィルム40、及びプリズムシートとしての光学フィルム45を製造した。
[ハードコート層用塗布液サンプルH−5]
・熱硬化型シリコーンハードコート 100質量部
(SHC900、固形分30%、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)
・界面活性剤 0.1質量部
(メガファックF780F、大日本インキ化学工業(株)製)
第1接着用溶液サンプルA−1に代えて、下記の配合で第1接着用溶液57を調製した。この第1接着用溶液57を第1接着用溶液サンプルA−2とする。
[第1接着用溶液サンプルA−2]
・ポリエステルラテックス 2質量部
(バイロナールMD1245、東洋紡績(株)製))
・架橋剤 1質量部
(カルボジライトV02−L2、日清紡ケミカル(株)製)
・界面活性剤 0.3質量部
(ナローアクティーHN100、三洋化成工業(株)製)
・水 96.7質量部
支持体11の第1表面11aにコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理を施した面に、上記の第1接着用溶液サンプルA−2を塗布し、120℃で2分乾燥させて、厚みが0.11μmの第1接着層21を形成した。
形成した第1接着層21の上に、ハードコート層用塗布液サンプルH−1に代えて、水系のハードコート層用塗布液サンプルH−6を用い、第1接着層21の上にバーコート法により塗布した。この塗膜を、190℃で180秒乾燥し、厚さ7.1μmのハードコート層12を形成した。その他の条件は、実施例1と同様にして、プリズムシートとしての光学フィルム45を作製した。
[ハードコート層用塗布液サンプルH−6]
・多官能ウレタンアクリレート水分散液 74.9質量部
(KRM8428、固形分60%、ダイセル・サイテック(株)製)
・熱重合開始剤 2.7質量部
(VA−086、和光純薬工業(株)製)
・界面活性剤 0.4質量部
(ナローアクティHN-100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.4質量部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 23.1質量部
実施例9におけるハードコート層用塗布液サンプルH−6に代えて、ハードコート層用塗布液サンプルH−7を用いた。第1接着層21の上に実施例9と同じ条件で、厚さ7.1μmのハードコート層12を形成した。その他の条件は、実施例2と同様にして、プリズムシートとしての光学フィルム45を作製した。
[ハードコート層用塗布液サンプルH−7]
・多官能ウレタンアクリレート水分散液 74.9質量部
(KRM8428、固形分60%、ダイセル・サイテック(株)製)
・帯電防止剤 1.2質量部
(エナジコールCNS、ライオン社製)
・熱重合開始剤 2.7質量部
(VA−086、和光純薬社製)
・界面活性剤 0.6質量部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業社製)
・水 23.1質量部
第1接着用溶液サンプルA−1に代えて、下記の配合で第1接着用溶液57を調製した。これを第1接着用溶液サンプルA−3とする。その他は、実施例1と全く同様にして、複層フィルム40を作製し、さらに光機能層26を設けることにより、光学フィルム45を作製した。
[第1接着用溶液サンプルA−3]
・タケラックWS−4000 5.0質量部
(固形分濃度30%、三井化学(株)製)
・酸化スズ−酸化アンチモンの水分散体(屈折率調整用) 5.2質量部
(FS−10D、固形分濃度20%、石原産業社製)
・界面活性剤 0.03質量部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.03質量部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 89.0質量部
支持体11の第1表面11aにコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理を施した面に、上記の第1接着用溶液サンプルA−3を塗布し120℃で2分乾燥させて、第1接着層21を形成した。
得られた第1接着層21の屈折率は、1.562、膜厚は88nmであった。なお、使用した支持体11であるポリエステルフィルムの屈折率は1.66であり、実施例11のハードコート層12の屈折率は、1.47であった。
第1接着用溶液サンプルA−1に代えて、下記の配合で調製した第1接着用溶液サンプルA−4を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、複層フィルム40を作製し、さらに光機能層26を設けることにより、光学フィルム45を作製した。
[第1接着用溶液サンプルA−4]
・タケラックWS−4000 5.0質量部
(固形分濃度30%、三井化学(株)製)
・ジルコニア水性ゾル 2.0質量部
(ナノユースZR−40BL、固形分濃度40%、日産化学工業社製)
・ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルフォン酸
(ORGACON HBS、固形分1.2%、AGFA社製) 4.0質量部
・界面活性剤 0.03質量部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.03質量部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 88.1質量部
支持体11の第1表面11aにコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理を施した面に、上記の第1接着用溶液サンプルA−4を塗布し120℃で2分乾燥させて、第1接着層21を形成した。形成した第1接着層21の屈折率は、1.564、膜厚は88nmであった。なお、使用した支持体11であるポリエステルフィルムの屈折率は1.66であり、実施例12のハードコート層12の屈折率は、1.47であった。
[比較例1]
第1接着層21とハードコート層12とを設けなかった以外は、実施例1と同様にしてプリズムシートとしての光学フィルムを得た。
[比較例2]
ハードコート層12を設けなかった以外は、実施例1と同様にしてプリズムシートとしての光学フィルムを得た。
[比較例3]
実施例9において、ハードコート層用塗布液サンプルH−6の代わりにハードコート層用塗布液サンプルH−8を用い、バーコート法により塗布し、130℃で2分乾燥し、膜厚8μmの塗膜を得た。この塗布層に120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を用いて照射距離150mmにて約30秒間照射し、塗布層を硬化することにより、ハードコート層を形成した。その他の条件は、実施例1と同様にして、プリズムシートとしての光学フィルムを得た。
[ハードコート層用塗布液サンプルH−8]
・多官能アクリルモノマー 45質量部
(アロニックスM−405、東亞合成(株)製)
・多官能アクリルモノマー 14質量部
(アロニックスM−350、東亞合成(株)製)
・光重合開始剤 1.2質量部
(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ(株)製)
・界面活性剤 0.1質量部
(メガファックF780F、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 40質量部
[比較例4]
実施例9において、ハードコート層用塗布液サンプルH−6の代わりに水系のハードコート層用塗布液サンプルH−8を用いた。これを、第1接着層21の上にバーコート法により塗布し、150℃で2分乾燥し、膜厚8μmの塗膜を得た。この塗膜に120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を用いて照射距離150mmにて約40秒間照射し、塗膜を硬化することにより、ハードコート層を形成した。その他の条件は、実施例1と同様にして、プリズムシートとしての光学フィルムを作製した。
[ハードコート層用塗布液サンプルH−8]
・多官能ウレタンアクリレート水分散液 81.0質量部
(UT4613、固形分49%、日本合成化学(株)製)
・光重合開始剤 2.0質量部
(イルガキュア2959、チバスペシャリティケミカルズ(株)製)
・界面活性剤 0.4質量部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.4質量部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 16.2質量部
[ハードコート層用塗布液サンプルH−9]
・テトラエトキシシラン 6.8質量部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン 5.9質量部
(KBE−603、信越化学工業(株)製)
・酢酸水溶液(酢酸濃度1.0%、pH=3.3) 27.4質量部
・硬化剤 0.4質量部
(アルミキレートA(W)、川研ファインケミカル(株)製)
・コロイダルシリカ 60.0質量部
(スノーテックスO、平均粒子径8〜11nm、固形分濃度20%、pH=2.6、日産化学工業(株)製)
・界面活性剤 0.2質量部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.2質量部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
Figure 2011123270
10,20,30,40 複層フィルム
11 支持体
12 ハードコート層
21,31 第1接着層,第2接着層
25,45 光学フィルム

Claims (12)

  1. 入射光を屈折させて集光または拡散する光機能層を一方の面に設けるために、照射光で光硬化する塗膜が、前記一方の面に形成される透明な支持体と、
    前記支持体の他方の面に配され、重合体からなる透明なハードコート層とを備え、
    340nm波長の光の透過率が70%以上100%以下の範囲であることを特徴とする複層フィルム。
  2. 前記照射光は、前記ハードコート層と前記支持体とを介して前記塗膜に照射されることを特徴とする請求項1記載の複層フィルム。
  3. 前記ハードコート層は、前記支持体に塗布された熱硬化する塗布組成物を加熱により硬化させて形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の複層フィルム。
  4. 前記塗布組成物は、
    テトラアルコキシシランと一般式(1)で表す有機ケイ素化合物とが酸性の水溶液中で加水分解することにより生成したシラノールの水溶液と、前記シラノールを脱水縮合させる水溶性の硬化剤と、水に分散しているコロイド粒子の平均粒子径が3nm以上50nm以下の範囲であるコロイダルシリカとを含む塗布液であることを特徴とする請求項3記載の複層フィルム。
    Si(OR ・・・(1)
    (ここで、Rはアミノ基を含まない炭素数が1以上15以下の有機基、Rはメチルまたはエチル基)
  5. 前記塗布組成物は、モノマーとオリゴマーとの少なくともいずれか一方を水中に含む塗布液であり、
    前記モノマー及びオリゴマーは、分子中に重合性の二重結合を複数個有することを特徴とする請求項3記載の複層フィルム。
  6. 前記塗布組成物が未塗布である前記支持体は、170℃、10分間における加熱収縮率が0.1%以上3.0%以下の範囲であることを特徴とする請求項3ないし5いずれか1項記載の複層フィルム。
  7. 前記ハードコート層の25℃、40%RH環境下における表面抵抗率は1012Ω/□以下であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の複層フィルム。
  8. 前記支持体の前記一方の面に設けられ、前記支持体を前記光機能層に接着する接着層を備えることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載の複層フィルム。
  9. 前記光機能層は、注型重合法により形成されることを特徴とする請求項1ないし8いずれか1項記載の複層フィルム。
  10. 入射光を屈折させて集光または拡散する光機能層を一方の面に形成するために、照射光で光硬化する塗膜が、前記一方の面に形成される透明な支持体と、この支持体の他方の面に配されるハードコート層とを備える複層フィルムの製造方法において、
    前記支持体の他方の面に、前記ハードコート層となる塗布組成物を塗布する工程を有し、
    340nm波長の光の透過率が70%以上100%以下の範囲の前記複層フィルムとなるように、熱硬化する前記塗布組成物を用いるとともに、塗布された前記塗布組成物を加熱することにより硬化させて前記ハードコート層とすることを特徴とする複層フィルムの製造方法。
  11. 前記塗布組成物は、
    テトラアルコキシシランと一般式(1)で表す有機ケイ素化合物とが酸性の水溶液中で加水分解することにより生成したシラノールの水溶液と、前記シラノールを脱水縮合させる水溶性の硬化剤と、水に分散しているコロイド粒子の平均粒子径が3nm以上50nm以下の範囲であるコロイダルシリカとを含む塗布液であることを特徴とする請求項10記載の複層フィルムの製造方法。
    Si(OR ・・・(1)
    (ここで、Rはアミノ基を含まない炭素数が1以上15以下の有機基、Rはメチルまたはエチル基)
  12. 前記塗布組成物は、モノマーとオリゴマーとの少なくともいずれか一方を水中に含む塗布液であり、
    前記モノマー及びオリゴマーは、分子中に重合性の二重結合を複数個有することを特徴とする請求項10記載の複層フィルムの製造方法。
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