JP2022506660A - 防眩性コーティング用樹脂組成物及びこれを含んで製造された防眩性コーティングフィルム - Google Patents

防眩性コーティング用樹脂組成物及びこれを含んで製造された防眩性コーティングフィルム Download PDF

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Abstract

本発明は防眩性コーティング用樹脂組成物及びこれを含んで製造された防眩性コーティングフィルムに関するもので、具体的にエポキシ基及びアクリル基を含むシロキサン樹脂を含んでおり、有機又は無機粒子を含む防眩性コーティング用樹脂組成物及びこれを含んで製造された防眩性コーティングフィルムを提供し、硬度、耐スクラッチ性及び加工性を確保するとともに粒子の導入によって防眩性を付与することができる。本発明の他の目的は、前記樹脂組成物を使ってフィルム樹脂を製造し、これから製作されるフィルムの硬度、耐磨耗性及び防眩性を具現しようとする。

Description

本発明は防眩性コーティング用樹脂組成物及びこれを含んで製造された防眩性コーティングフィルムに関するものである。
防眩性コーティングフィルムは、表面凹凸による乱反射を用いて外部光の反射を減少させる機能を有するフィルムであると定義され、各種のディスプレイパネルの表面に適用され、外部反射光によるディスプレイの視認性の低下を防止する目的、及び反射光による目の疲労度の減少の目的で使われている。また、内部から発生する光を分散させて眩しさを防止することができる。一般に、粒子を含む組成物をコートすることによって光を散乱させる方法を適用しているが、散乱の程度が弱いことから、表面凹凸による光の散乱を用いる方法を主に適用する。表面凹凸の適用の際、表面凹凸がひどい場合、外部光の乱反射によって防眩性は優れるもののディスプレイの視認性が低下しうるのであり、表面凹凸がない場合、十分な乱反射が発生しないことから防眩性が低下しうる。また、表面凹凸は外部に露出されているので、物理的な衝撃による損傷が発生しうることから、ウィンドウカバー(Window Cover)用の高硬度AG(anti-glare) Filmの開発が必要な状況である。表面凹凸によるきらめき(ぎらつき)に起因する視認性低下が、解決すべきイッシューとして台頭しており、十分な防眩性、高い視認性で、ぎらつきの問題がないAGフィルムの開発が必須である。同じ目的で、低屈折物質と高屈折物質を交互に積層することにより、界面反射の過程で相殺干渉によって入射光の反射率を低下させる反射防止(Anti-Reflection、AR)フィルムも適用されているが、工程の簡素化及び費用節減などの理由でAGフィルムが好まれている。
従来技術のうち、韓国公開特許第2017-0082922号には、画像の高い鮮明度によって高解像度を具現し、表面凹凸を形成して眩しさ防止特性を現し、薄膜でも高い機械的物性を有する眩しさ防止用樹脂組成物及びこれを用いた眩しさ防止フィルムが記述されている。しかし、分散凝集体のサイズが2~100μmであり、凝集体のサイズが大きければディスプレイにぎらつきが発生する可能性が非常に高い。
一方、韓国登録特許第10-0378340号には、互いに異なる屈折率を有する各透光性粒子を含むことを特徴とする防眩性コーティング層について記載されているが、有機粒子による耐スクラッチ性が低下するという欠点を持っている。
また、韓国登録特許第10-0296369号の場合、バインダー樹脂の内部に透光性拡散剤を含んで内部ヘイズ値が1~15であることを特徴とする眩しさ防止コーティング層について記載されているが、高い内部ヘイズによって視認性が弱くなる可能性がある。
このように、防眩性を有するとともに高硬度物性を同時に保有したウィンドウカバー(Window cover)用コーティング材料の開発はディスプレイ用高分子フィルムのより広範囲な活用のための必須技術となることと期待される。
したがって、本発明は、エポキシ基及びアクリル基を含むシロキサン樹脂を含んでおり、有機又は無機粒子を含む防眩性コーティング用樹脂組成物及びこれを含んで製造された防眩性コーティングフィルムを提供し、硬度、耐スクラッチ性及び加工性を確保するとともに、粒子導入によって防眩性を付与することができる。本発明の他の目的は、前記樹脂組成物を用いてフィルム樹脂及びこれから製作されるフィルムの硬度、耐磨耗性及び防眩性を具現しようとする。
前記課題を解決するための本発明の好ましい一具現例は、基材と、前記基材上の高硬度コーティング層と、前記高硬度コーティング層上の防眩性コーティング層とを含み、前記高硬度コーティング層は第1シロキサン樹脂を含む第1組成物から形成され、前記防眩性コーティング層は第2シロキサン樹脂及び粒子を含む第2組成物から形成され、前記第1シロキサン樹脂及び第2シロキサン樹脂はそれぞれ下記化学式1で表現されるアルコキシシラン及び下記化学式2で表現されるアルコキシシランの1種以上のアルコキシシランの重合によって形成された防眩性コーティングフィルムを提供する。
<化学式1>
Si(OR4-n
前記化学式1にて、Rはエポキシ又はアクリルが置換されたC1~C3の線状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、RはC1~C8の線状、分岐状又は環状のアルキル基であり、nは1~3の整数である。
<化学式2>
Si(OR
前記化学式2にて、Rは、C1~C4の線状又は分岐状のアルキル基である。
前記粒子は、平均粒径が0.01μm~5μmでありうる。
前記防眩性コーティング層のRa(表面粗さ)は、100~300nmでありうる。
前記高硬度コーティング層は、10~50μmの厚さを有することができる。
前記防眩性コーティング層は、1~3μmの厚さを有することができる。
前記粒子は有機粒子又は無機粒子でありうる。
前記無機粒子は、シリカ粒子及びシリコン粒子の少なくとも1種を含むことができる。
前記有機粒子は、スチレンビーズ(Styrenic Bead)、アクリルビーズ(Acrylic Bead)及び架橋アクリルビーズ(Cross-linked Acrylic Bead)の少なくとも1種を含むことができる。
前記粒子は、前記方便コーティング層用樹脂組成物の固形分に対して1~5重量%の含量を有することができる。
前記基材は、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、シクロオレフィンコポリマーフィルム及びアクリルフィルムの少なくとも1種を含むことができる。
前記防眩性コーティングフィルムは、40~100のGloss unit(GU)を有することができる。
前記防眩性コーティングフィルムは、90以上の透過率を有することができる。
前記防眩性コーティングフィルムは、30以下のヘイズを有することができる。
本発明による防眩性コーティング用樹脂組成物及びこれを含んで製造された防眩性コーティングフィルムは、硬度、耐スクラッチ性及び加工性を確保するとともに粒子導入によって優れた防眩性を具現することができる。
添付図面は本発明の理解を助け、この明細書の一部を構成するためのものであり、本発明の実施例を例示し、発明の詳細な説明とともに本発明の原理を説明する。
本発明の一実施例による防眩性コーティングフィルムの概略断面図である。 防眩性コーティング層の粒子及びマトリックスを具体的に表現した防眩性コーティングフィルムの断面図である。 高硬度コーティング層が除かれた比較例の防眩性コーティングフィルムの概略断面図である。
本発明の好適な一具現例は、高硬度コーティング層用の樹脂組成物、及び防眩性コーティング用の樹脂組成物を提供するものであり、高硬度コーティング層用樹脂組成物は第1シロキサン樹脂を含み、防眩性コーティング層用樹脂組成物は第2シロキサン樹脂及び粒子を含み、第1シロキサン樹脂及び第2シロキサン樹脂は、それぞれ、下記の化学式1で表現されるアルコキシシラン、及び、下記の化学式2で表現されるアルコキシシランの中の1種以上のアルコキシシランの重合によって形成される。
<化学式1>
Si(OR4-n
前記化学式1で、Rはエポキシ又はアクリルが置換されたC1~C3の線状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、RはC1~C8の線状、分岐状又は環状のアルキル基であり、nは1~3の整数である。
<化学式2>
Si(OR
前記化学式2で、RはC1~C4の線状又は分岐状のアルキル基である。
高硬度コーティング層用樹脂組成物は、高硬度コーティング層の製造のために使うことができ、高硬度コーティング層用樹脂組成物は第1組成物と言う。防眩性コーティング層用樹脂組成物は、防眩性コーティング層の製造のために使うことができ、防眩性コーティング層用樹脂組成物は第2組成物と言う。第1組成物及び第2組成物はそれぞれ独立的であり、粒子の含量を除いた他の成分の含量は同一でも異なってもよい。下記の説明は、説明の便宜のために、第2組成物を第1組成物に粒子のみ追加したものとして説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
また、第1シロキサン樹脂及び第2シロキサン樹脂はそれぞれ独立的であり、互いに同じシロキサン樹脂であっても、互いに異なるシロキサン樹脂であってもよい。下記の説明は、説明の便宜のために、第1及び第2シロキサン樹脂を一つのシロキサン樹脂として説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
本発明はエポキシ基又はアクリル基を含むアルコキシシランと、シランT構造のトリアルコキシシラン(Trialkoxysilane)を含む化合物とが化学結合されたシロキサン樹脂を含む高硬度コーティング層用樹脂組成物が好ましい。
具体的に、前記高硬度コーティング層用樹脂組成物は、エポキシ基又はアクリル基を含むアルコキシシランを水と反応させたシロキサン樹脂を含むことにより、これから製造された硬化物を含むフィルム又はシートの硬度及び耐磨耗性を上昇させる。
添加される試薬(Reagent)の含量の調節によって硬度及び柔軟性を調節することができ、これにより用途に合った最適の樹脂組成物を提供することができる。したがって、本発明の高硬度コーティング層用樹脂組成物は、シランによる高い表面硬度及び耐スクラッチ性を有し、本発明による高硬度コーティング硬化物を含むフィルム又はシートはエポキシ又はアクリルを含むアルコキシシランと水の反応によって製造されるシロキサンの光硬化反応によって製造される。
より具体的に、本発明で、前記エポキシ基又はアクリル基を含むアルコキシシランは前記化学式1で表示することができ、より好ましくは3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、3-メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタアクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリプロポキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン及び2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシランの中で選択される少なくとも1種であることができる。
前記化学式2で表示されるアルコキシシランを含んでシロキサン樹脂を重合することにより、緻密なシロキサン架橋によって高い表面硬度を確保することができる。
本発明にて、シロキサン樹脂の合成は常温で遂行することもできるが、反応を促進するためには、50~120℃で1時間乃至120時間撹拌して遂行することができる。また、前記反応を遂行するための触媒として、塩酸、酢酸、フッ化水素、硝酸、硫酸、ヨウ素酸などの酸触媒、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、イミダゾールなどの塩基触媒、及びアンバーライト(Amberite)などのイオン交換樹脂を使うことができ、これらの触媒は、単独で使うこともでき、組み合わせて使うこともできる。ここで、触媒の量は、シロキサン樹脂100重量部に対して0.0001~約10重量部を添加することができるが、特にこれに制限されるものではない。反応が遂行されれば、副産物として水又はアルコールが生成されるが、これを除去することにより逆反応を減らして正反応をより早く進めることができ、これによって反応速度の調節が可能である。また、反応終了の後、前記副産物は、減圧しながら熱を加えることによって除去することができる。
このように合成された本発明のシロキサン樹脂は、TMS(Tetramethylsilane)0ppmを基準に、29Si NMR測定の後、T3範囲を80にして積分した値は、T1範囲(-48~-55ppm)の積分値が0~10、T2範囲(-55~-62ppm)の積分値が10~20、T3範囲(-62~-75ppm)の積分値が80を有することができる。ここで、前記NMR値は、29Si NMR(JEOL FT-NMR)によってNMRを測定して積分した値である。測定すべき重合体は約10%の濃度になるようにCDClに希釈して測定する。
T1範囲(-48~-55ppm)の積分値が0~10であるというのは、シロキサン樹脂重合体の内部に存在するT1構造が重合体全体構造の0~10%で含まれることを意味し、T1構造は、重合体の繰り返し単位の中心原子である珪素(Si)原子が一側端のみでシロキサン樹脂重合体鎖と連結された構造を意味する。すなわち、T1構造は重合体の末端を意味する。T2範囲(-55~-62ppm)の積分値が10~20であるというのは、シロキサン樹脂重合体の内部に存在するT2構造が重合体全体構造の10~20%で含まれることを意味し、T2構造は、重合体の繰り返し単位の中心原子である珪素(Si)原子が2つの側端でシロキサン樹脂重合体鎖と連結された構造を意味する。T3範囲(-62~-75ppm)の積分値が80であるというのは、シロキサン樹脂重合体の内部に存在するT3構造が重合体全体構造の80%で含まれることを意味し、T3構造とは、重合体の繰り返し単位の中心原子である珪素(Si)原子が3つの側端でシロキサン樹脂重合体鎖とネットワーク構造で連結された構造を意味する。
このように、本発明のシロキサン樹脂は、シランT構造のトリアルコキシシラン(Trialkoxysilane)を含むことにより、T3構造を最大の含量で含むシロキサン樹脂であることが好ましい。
一方、本発明は、第1組成物の成分として、前記シロキサン樹脂の他に、有機溶媒、光開始剤、熱開始剤、酸化防止剤、レベリング剤及びコーティング助剤からなる群から選択される1種以上の添加物をさらに含むことができる。ここで、添加する添加剤の種類及び含量を調節することにより、多様な用途に合った第1組成物として提供することができ、本発明では、特別にフィルム又はシートの硬度、耐磨耗性、柔軟性及びカール防止特性を上昇させることができるコーティング用第1組成物として提供することが好ましい。
本発明で、前記開始剤としては、例えば有機金属塩などの光重合開始剤と、アミン、イミダゾールなどの熱重合開始剤を使うことができる。ここで、開始剤の添加量は、シロキサン樹脂総100重量部に対して、約0.01~10重量部で含むことが好ましい。0.01重量部未満で含めば、十分な硬度を得るためのコーティング層の硬化時間が増加して効率性が低下し、10重量部を超える場合は、コーティング層の黄色度が増加することから透明なコーティング層を得にくくなりうる。
また、前記有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、又はエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類;イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、メタノールなどのアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類;及びノルマルヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類などからなる溶媒から選択される1種以上を含むことができ、その種類は特に制限されない。有機溶媒は、シロキサン樹脂の粘度を制御するので、加工性をより容易にするかコーティング膜の厚さを調節するために添加量を適切に制御することができる。
第1組成物は、重合反応に起因する酸化反応を抑制するために、酸化防止剤を含むことができるが、これに制限されないこともできる。
第1組成物はレベリング剤又はコーティング助剤をさらに含むことができるが、これに制限されないこともできる。
シロキサン樹脂の重合は光照射又は加熱段階を含むことができるが、これに制限されないこともできる。
前記防眩性コーティング層用樹脂組成物は、前記化学式1及び化学式2でそれぞれ表示されるアルコキシシランから選択される1種以上のアルコキシシランを含む化合物と化学結合されたシロキサン樹脂と平均粒径0.01μm~5μmの粒子を含むことが好ましい。
本発明による防眩性コーティング用樹脂組成物は、上述したアルコキシシランを含む化合物からの化学結合によるシロキサン樹脂と、平均粒径0.01μm~5μmの粒子を含むことによって表面凹凸を具現し、優れた防眩性及び高硬度が同時に得られる利点がある。
前記粒子の平均粒径は0.01μm~5μm、好ましくは0.012μm~4μmである。
前記平均粒径が0.01μm未満の場合、ぎらつき(Sparkling)の物性に有利であるが、ヘイズ(Hz)及びグロスユニット(gloss unit;GU)を具現するのに制約を受けうるのであり、含量が必要以上に多く必要となりうる。前記平均粒径が5μmを超える場合、ぎらつき(Sparkling)が発生しうるのであり、肉眼で粒子が視認されてディスプレイ視認性の低下が発生しうる。
前記粒子は有機粒子又は無機粒子を含む。有機粒子とは、粒子内に炭化水素からなる作用基を持っている粒子を言い、無機粒子は粒子内に炭化水素からなる作用基を持っていない粒子を言う。
前記有機粒子の一例としては、スチレンビーズ(Styrenic Bead)、アクリルビーズ(Acrylic Bead)、架橋されたアクリルビーズ(Cross-linked Acrylic Bead)などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。スチレンビーズは、スチレン作用基を有するビーズを言い、アクリルビーズはアクリル作用基を有するビーズを言い、架橋されたアクリルビーズは架橋されたアクリル作用基を有するビーズを言う。
前記無機粒子での一例としては、シリカ粒子などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
シリカ粒子は、代表的にヒュームド(Fumed)シリカ粒子、及び沈降シリカ粒子に区分することができ、これはシリカ製造方法の違いによって区分される。ヒュームド(Fumed)シリカ粒子は、一般的に4塩化珪素(SiCl)の火炎熱分解(flame pyrolysis)又は3000℃の電気アーク(electric arc)によって気化した石英砂から作られるものを言う。ヒュームド(Fumed)シリカ粒子は熱分解の進行後に得られるシリカ粒子であり、純度が高いナノシリカである。ヒュームド(Fumed)シリカは、例えば市販のものを使うことができる。沈降シリカ粒子は、溶剤を用いて沈澱させる工程によって得られるシリカ粒子である。概して、ヒュームド(Fumed)シリカ粒子のサイズが、沈降シリカ粒子のサイズより小さい。
本発明の粒子としては、有機又は無機の粒子の中で、表面硬度確保の側面で有利なシリカ粒子が好ましい。
前記粒子は、前記防眩性コーティング層用樹脂組成物の固形分に対して1~5重量%の含量で含むことが好ましい。防眩性コーティング層用樹脂組成物の固形分は、化学式1及び2で表示されるアルコキシシランを反応させて得た樹脂組成物の固形分を言う。
前記粒子の含量が前記範囲内にある場合、コーティング厚さと適切に調和して、安定的なヘイズ(Hz)及びGU(Gloss Unit)の値を確保することができる。
防眩性コーティング層用樹脂組成物の固形分に対して粒子が1重量%未満の場合、防眩性コーティング層の表面粗さ(Ra)値が小さくなり、防眩性コーティング層の表面が滑らかになることから防眩性が低下する。すなわち、GU値が100を超えることになる。一方、粒子が防眩性コーティング層用樹脂組成物の固形分に対して5重量%を超える場合、防眩性コーティング層の表面粗さ(Ra)値が大きくなり、防眩性コーティング層の表面に凹凸が過度に発生して乱反射及びヘイズが増加することによって視認性が低下する。すなわち、GU値が40未満になる。
図1は本発明の一実施例による防眩性コーティングフィルムの概略断面図である。
本発明の他の好ましい一具現例は、基材110上に高硬度コーティング層120及び防眩性コーティング層130が順次積層された構造を含み、防眩性コーティング層130は平均粒径0.01μm~5μmの粒子を含む防眩性コーティングフィルムを提供するものである。
ここで、防眩性コーティング層130のRa(表面粗さ)は、100~300nmでありうる。
防眩性コーティングフィルムは、高硬度コーティング層120及び防眩性コーティング層130の両層が積層された構造である。高硬度コーティング層120なしで防眩性コーティング層130のみの単層構造である場合、フィルムの強度が低下し、内部ヘイズ値が0.9以上になることから視認性が低下する。一方、防眩性コーティング層130なしで高硬度コーティング層120の単層構造である場合、防眩性が低下する。よって、高硬度コーティング層120と、防眩性コーティング層130との積層構造の防眩性コーティングフィルムである必要がある。
図2に基づき、本発明の防眩性コーティングフィルムの詳細な構造を具体的に説明すると、防眩性コーティングフィルムは、基材110、基材上の高硬度コーティング層120、及び高硬度コーティング層上の防眩性コーティング層130を含み、防眩性コーティング層130は、粒子131及びマトリックス132を含む。ここで、マトリックス132は、防眩性コーティング層用樹脂組成物成分のうちの、粒子を除いた成分から構成された物質の硬化物である。
図2から分かるように、粒子131は、マトリックス132から防眩性コーティング層130の外部へと突き出すことも、内部に埋め込まれることもありうる。マトリックス132から突き出した粒子131によって防眩性コーティング層130の表面粗さ(Ra)が増加し、よって防眩性コーティングフィルムの防眩性が増加する。ただし、防眩性コーティング層130の表面粗度(Ra)があまりにも増加すれば、乱反射が過度に発生する結果となって、むしろ視認性が低下する。
基材110は透明な基材が好ましく、透明であれば特に限定せずに使うことができる。前記基材110は、ポリイミド(Poly-imide、PI)フィルム、ポリエチレンナフタレート(Poly-Ethylene Naphthalate、PEN)フィルム、トリアセチルセルロース(Tri-Acetyl Cellulose、TAC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(CycloOlefin Polymer、COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(CycloOlefin Copolymer、COC)フィルム、アクリル(Acryl)フィルムなどのフィルムを使うことがきる。特に、透明ポリイミドを基材として使用する場合には、熱的特性に優れ、モジュラスが高く、フィルム自体の硬度が高いという利点を有することができるので好ましい。前記透明な基材110の厚さは10~200μm、好ましくは20~100μmが好ましい。前記基材110の厚さが10μm未満の場合、フィルムの取り扱いが難しく、200μmを超える場合、経済性を得ることができない。
前記高硬度コーティング層120は、前記化学式1及び化学式2でそれぞれ表示されるアルコキシシランから選択される1種以上のアルコキシシランを含む化合物が化学結合されたシロキサン樹脂を含む高硬度コーティング層用樹脂組成物から製造されたものであり、前記防眩性コーティング層130は、前記化学式1及び化学式2でそれぞれ表示されるアルコキシシランから選択される1種以上のアルコキシシランを含む化合物が化学結合されたシロキサン樹脂と、平均粒径0.01μm~5μmの粒子を含む防眩性コーティング層用樹脂組成物から製造されうるのであり、前記高硬度コーティング層用樹脂組成物及び防眩性コーティング層用樹脂組成物についての内容は上述したものと同様である。
前記防眩性コーティング層130のRa(表面粗さ)は100~300nm、好ましくは160~300nmであることが好ましい。
前記表面粗さが前記範囲内にある場合、表面感性とGU(Gloss Unit)の確保に有利であるという利点を有する。
表面粗度(Ra)が100nm未満の場合は、防眩性コーティング層130の表面が凹凸なしに滑らかである状態を言い、よってコーティングフィルムの防眩性が低くなり、防眩性コーティングフィルムのGUが100を超えることになる。一方、表面粗さ(Ra)が300nmを超える場合、防眩性コーティング層130の表面の凹凸があまりにも多くなり、よって光の乱反射が多くなって視認性が減少する。フィルムのGUは40未満になる。
高硬度コーティング層120の厚さは10~50μmでありうる。
高硬度コーティング層120の厚さが10~50μmの場合、防眩性コーティングフィルムとして有効な鉛筆硬度及びヘイズを有するフィルムを得ることができる。
防眩性コーティング層130の厚さは1μm~3μm、好ましくは2μm~3μmでありうる。
防眩性コーティング層130の厚さが2~3μmを満たす場合、防眩性が向上し、粒子がフィルムから脱着される(外れ出る)問題を防止する効果が得られる。
具体的に、高硬度コーティング層120の厚さが前記範囲内にある場合、本発明が目的とする水準の鉛筆硬度を達成することができ、50μmコーティングの際に鉛筆硬度9Hが達成されるので、これを超えることは無意味である。また、防眩性コーティング層130の厚さが1μm未満の場合には、防眩性コーティング層130に含まれる粒子が防眩性コーティング層130と十分な強度で結合することができず、外部の衝撃によって脱着される問題が発生することがあるので好ましくない。一方、防眩性コーティング層130の厚さが3μmを超える場合には防眩性コーティング層130に含まれる粒子が防眩性コーティング層130の表面から突出することができず、防眩性コーティング層130の表面の凹凸が少なくなり、よって表面粗さ(Ra)が低くなる。
本発明の粒子131の平均粒径は0.01μm~5μmであり、防眩性コーティング層130の厚さは1μm~3μmである。よって、平均粒径が防眩性コーティング層130の厚さより大きい粒子131は防眩性コーティング層130のマトリックス132から突出し、よって防眩性コーティング層130の表面粗さ(Ra)が増加する。突出した粒子131は光を不規則に反射させて防眩性を増加させる。
前記樹脂組成物を用いてコーティング、キャスティング、モールディングなどの成形を行った後、光重合又は熱重合によって硬化物を形成することにより、高硬度コーティング層120及び防眩性コーティング層130を製造することができる。光重合の場合、光照射前の熱処理によって均一な表面を得ることができる。これは40℃以上約300℃以下の温度で遂行することができるが、これに制限されないのでありうる。また、照射光量の場合、50mJ/cm以上20000mJ/cm以下の条件で遂行することができるが、これに制限されないのでありうる。
<実施例>
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。本発明の実施例及び比較例を図1及び図2に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明の実施例1~5による高硬度コーティング層、防眩性コーティング層及び基材を含む防眩性コーティングフィルムを示すものである。
一方、図3は防眩性コーティング層及び基材のみ含む防眩性コーティングフィルムを示すもので、高硬度コーティング層が除かれた比較例2~4のフィルムを示すものである。
これらの実施例は単に本発明をより具体的に説明するためのものであり、これによって本発明が限定されるものではない。
<実施例1>
KBM-403(Shinetsu社製)及びTEOS(Sigma-aldrich社製)並びに蒸留水を、80:20:160のモル比で混合して1,000mLフラスコに入れた後、水酸化ナトリウム0.1g(in HO 1g)を触媒として添加し、65℃で6時間100rpmの速度で撹拌した。その後、2-ブタノンに固形分50wt%に希釈した後、0.45μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過して重量平均分子量7,400PDI 1.7(GPC)のシロキサン樹脂を得た。ここで、分子量及び分子量分布度(多分散指数、PDI)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(Waters社製、モデル名e2695)によってポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求めたものである。測定すべき重合体は、1%の濃度になるようにテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに20μLを注入した。GPCの移動相はテトラヒドロフランを使い、1.0mL/分の流速で流入し、分析は30℃で遂行した。カラムはStyragel HR3(Waters社製)2本を直列に連結した。検出器としてはRI検出器(Waters社製、2414)を用いて40℃で測定した。ここで、PDI(分子量分布度)は、測定された重量平均分子量を数平均分子量で割って算出した。
ついで、光開始剤であるIRGACURE 250(BASF社製)を前記シロキサン樹脂100重量部に対して3重量部添加し、高硬度コーティング層用樹脂組成物を得た。前記高硬度コーティング層用樹脂組成物をポリイミド基材表面上にMayer Barで塗布した後、乾燥オーブンを用いて100℃で10分間乾燥した後、315nm波長の紫外線ランプに30秒間露出することで、10μmの厚さを有する高硬度コーティング層を製作した。
また、前記高硬度コーティング層用樹脂組成物に平均粒径4μmの沈降シリカ粒子(ACEMATT OK607、EVONIK社製)を固形分に対して1wt%添加した後、常温で1時間100rpmの速度で撹拌することで、防眩性コーティング層用樹脂組成物を得た。
前記防眩性コーティング層用樹脂組成物を前記高硬度コーティング層の上端にMayer Barで塗布した後、乾燥オーブンを用いて100℃で10分間乾燥した後、315nm波長の紫外線ランプに30秒間露出することで、2μmの厚さを有する防眩性コーティング層を積層して、防眩性コーティングフィルムを製作した。
<実施例2>
前記高硬度コーティング層用樹脂組成物に4μmの沈降シリカ粒子(ACEMATT OK607、EVONIK社製)を固形分に対して3wt%添加した後、常温で1時間撹拌したことを除き、実施例1と同様に防眩性コーティング層を積層して防眩性コーティングフィルムを製作した。
<実施例3>
前記高硬度コーティング層用樹脂組成物に4μm沈降シリカ粒子(ACEMATTOK607、EVONIK社製)を固形分に対して5wt%添加した後、常温で1時間撹拌したことを除き、実施例1と同様に防眩性コーティング層を積層して防眩性コーティングフィルムを製作した。
<実施例4>
前記高硬度コーティング層用樹脂組成物に12nmのヒュームド(Fumed)シリカ粒子(AEROSIL300、EVONIK社製)を固形分に対して3wt%添加した後、常温で1時間撹拌したことを除き、実施例1と同様に防眩性コーティング層を積層して防眩性コーティングフィルムを製作した。
<実施例5>
前記高硬度コーティング層用樹脂組成物に12nmのヒュームド(Fumed)シリカ粒子(AEROSIL300、EVONIK社製)を固形分に対して5wt%添加した後、常温で1時間撹拌したことを除き、実施例1と同様に防眩性コーティング層を積層して防眩性コーティングフィルムを製作した。
<比較例1>
前記高硬度コーティング層用樹脂組成物に粒子を添加せずに実施したことを除き、実施例1と同様に防眩性コーティング層を製作した。
<比較例2>
前記高硬度コーティング層用樹脂組成物に12nmのヒュームド(Fumed)シリカ粒子(AEROSIL300、EVONIK社製)を固形分に対して1wt%添加した後、常温で1時間撹拌して防眩性コーティング層用樹脂組成物を得た後、ポリイミドの表面上に塗布し、100℃で10分間乾燥した後、315nm波長の紫外線ランプに30秒間露出することで、2μmの厚さの防眩性コーティング層が積層された防眩性コーティングフィルムを製作した。
<比較例3>
前記高硬度コーティング層用樹脂組成物に12nmのヒュームド(Fumed)シリカ粒子(AEROSIL300、EVONIK社製)を固形分に対して3wt%添加した後、常温で1時間撹拌して防眩性コーティング層用樹脂組成物を得た後、ポリイミドの表面上に塗布し、100℃で10分間乾燥した後、315nm波長の紫外線ランプに30秒間露出することで、2μmの厚さの防眩性コーティング層が積層された防眩性コーティングフィルムを製作した。
<比較例4>
前記高硬度コーティング層用樹脂組成物に12nmのヒュームド(Fumed)シリカ粒子(AEROSIL300、EVONIK社製)を固形分に対して5wt%添加した後、常温で1時間撹拌して防眩性コーティング層用樹脂組成物を得た後、ポリイミドの表面上に塗布し、100℃で10分間乾燥した後、315nm波長の紫外線ランプに30秒間露出することで、2μmの厚さの防眩性コーティング層が積層された防眩性コーティングフィルムを製作した。
<測定例>
前記実施例及び比較例で製造した防眩性コーティングフィルムを対象として下記の方法で物性評価を実施し、その結果を下記の表1に示した。
(1)透過率(%):HM-150装備(MURAKAMI社製)でもってASTM D1003測定規格に従って測定した。
(2)ヘイズ:HM-150装備(MURAKAMI社製)でもってASTM D1003測定規格に従って測定した。
(3)Gloss unit(GU):GLOSS METER GM-3D装備(MURAKAMI社製)でもって60°で測定した。
(4)表面粗度(Ra):NV-2000装備(NANOSYSTEM社製)で表面粗さを測定した。
(5)ぎらつき(Sparkling):AG未処理ディスプレイに、製作されたフィルムを貼り付け、RGB光源をそれぞれ肉眼で測定した。
(強):R、G、Bの光源の全てでぎらつき(Sparkling)を観察
(中):R、G、B光源の中の2個の光源でぎらつき(Sparkling)を観察
(弱):R、G、B光源の中の1個の光源でぎらつき(Sparkling)を観察
O.K:ぎらつき(Sparkling)が観察されない場合
(6)鉛筆硬度:日本IMOTO社の鉛筆硬度測定器を用い、ASTM D3363に従って180mm/minの速度にて荷重1kgfで鉛筆硬度を測定した。
(7)耐スクラッチ性:1kg荷重で#0000スチールウール(Steel Wool)で10回往復し、肉眼でスクラッチ発生の有無を確認し、下記の基準によってスクラッチ性を評価した。
-OK:スクラッチ発生なし
-NG:スクラッチ発生
Figure 2022506660000002
前記表1から確認することができるように、シリカ粒子の含量増加によって内部ヘイズが上昇し、それによってGloss Unit(GU)値が下落することを確認し、比較例1に比べて鉛筆硬度が上昇することを確認した。ヘイズの場合、30以上の場合はディスプレイの視認性が低くなりうるのであり、GUの場合、100以上の場合は防眩性がなくて眩しさ防止に効果がなく、40以下の場合は乱反射の増加によって視認性が低くなりうる。二重層ではない単一層で実施した比較例2~4は、内部ヘイズが二重層より高くて視認性が低くなりうるのであり、GU値が二重層に比べて相対的に高いことから反射防止能力が低下したと判断される。Ra(表面粗度)は、含量が高いほどRaの上昇を確認することができ、粒子の種類によって値が互いに異なることを確認することができた。Raが低い場合は、視認性は高くなるが防眩性が低くなり、Raが高い場合は防眩性に有利であるが視認性が低くなりうるので、100~300nmの範囲が好ましい。
したがって、本発明のコーティング樹脂組成物から製造された二重層コーティングフィルムは硬度及び耐スクラッチ性に優れて防眩性まで付与し、防眩性ディスプレイ保護用フィルムとして相応しいことを実験によって確認することができた。
110 基材
120 高硬度コーティング層
130 防眩性コーティング層
131 粒子
132 マトリックス

Claims (13)

  1. 基材と、
    前記基材上の高硬度コーティング層と、
    前記高硬度コーティング層上の防眩性コーティング層とを含み、
    前記高硬度コーティング層は第1シロキサン樹脂を含む第1組成物から形成され、
    前記防眩性コーティング層は第2シロキサン樹脂及び粒子を含む第2組成物から形成され、
    前記第1シロキサン樹脂及び第2シロキサン樹脂は、それぞれ、下記化学式1で表現されるアルコキシシラン及び下記化学式2で表現されるアルコキシシランの1種以上のアルコキシシランの重合によって形成された、防眩性コーティングフィルム。
    <化学式1>
    Si(OR4-n
    前記化学式1にて、Rはエポキシ又はアクリルが置換されたC1~C3の線状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、RはC1~C8の線状、分岐状又は環状のアルキル基であり、nは1~3の整数である。
    <化学式2>
    Si(OR
    前記化学式2で、RはC1~C4の線状又は分岐状のアルキル基である。
  2. 前記粒子は平均粒径が0.01μm~5μmである、請求項1に記載の防眩性コーティングフィルム。
  3. 前記防眩性コーティング層のRa(表面粗さ)は100~300nmである、請求項1に記載の防眩性コーティングフィルム。
  4. 前記高硬度コーティング層は10~50μmの厚さを有する、請求項1に記載の防眩性コーティングフィルム。
  5. 前記防眩性コーティング層は1~3μmの厚さを有する、請求項1に記載の防眩性コーティングフィルム。
  6. 前記粒子は有機粒子又は無機粒子である、請求項1に記載の防眩性コーティングフィルム。
  7. 前記無機粒子はシリカ粒子を含む、請求項6に記載の防眩性コーティングフィルム。
  8. 前記有機粒子は、スチレンビーズ(Styrenic Bead)、アクリルビーズ(Acrylic Bead)及び架橋アクリルビーズ(Cross-linked Acrylic Bead)の少なくとも1種を含む、請求項6に記載の防眩性コーティングフィルム。
  9. 前記粒子は、前記防眩性コーティング層用樹脂組成物の固形分に対して1~5重量%の含量を有する、請求項1に記載の防眩性コーティングフィルム。
  10. 前記基材は、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、シクロオレフィンコポリマーフィルム及びアクリルフィルムの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の防眩性コーティングフィルム。
  11. 40~100のGloss unit(GU)を有する、請求項1に記載の防眩性コーティングフィルム。
  12. 90以上の透過率を有する、請求項1に記載の防眩性コーティングフィルム。
  13. 30以下のヘイズを有する、請求項1に記載の防眩性コーティングフィルム。
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