JP2000144051A - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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JP2000144051A
JP2000144051A JP10327909A JP32790998A JP2000144051A JP 2000144051 A JP2000144051 A JP 2000144051A JP 10327909 A JP10327909 A JP 10327909A JP 32790998 A JP32790998 A JP 32790998A JP 2000144051 A JP2000144051 A JP 2000144051A
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acid
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Tatsuya Ekinaka
達矢 浴中
Yoshihiko Imanaka
嘉彦 今中
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 外観、透明性、密着性が良好で、基材表面に
従来にない高いレベルの耐摩耗性を付与しうるコーティ
ング用組成物を提供する。 【解決手段】 (A)コロイダルシリカ(a成分)、
(B)トリアルコキシシランの加水分解縮合物(b成
分)、(C)テトラアルコキシシランの加水分解縮合物
(c成分)、(D)硬化触媒および(E)溶媒からなる
コーティング用組成物であって、a成分の存在下にトリ
アルコキシシランを加水分解縮合反応せしめ、次いで、
(i)テトラアルコキシシランを添加し加水分解縮合反
応せしめる、あるいは、(ii)かかる反応液と、予め
テトラアルコキシシランを加水分解縮合反応せしめてお
いた反応液とを混合して調製することを特徴とするコー
ティング用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた耐摩耗性を付
与するコーティング用組成物、さらに詳しくは光学的に
透明で、耐摩耗性、耐擦傷性、密着性等に優れた熱硬化
型オルガノシロキサンコーティング用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】基材の表面保護に役立つコーティング用
組成物については現在までに種々のものが使用されてお
り、特に高いレベルの耐摩耗性を要求される用途にはシ
リコン系の熱硬化型ハードコート剤が使用されている。
このシリコン系ハードコート剤については数多くの技術
提案がなされており、例えば特開昭51−2736号公
報には式CH3Si(OH)3で表わせるシラノールの縮
合物のアルコール水溶液に分散させたコロイド状シリカ
の分散系を含むコーティング用組成物が記載されてい
る。また、特開昭48−26822号公報および特開昭
51−33128号公報にはアルキルトリアルコキシシ
ランとテトラアルコキシシランとの縮合物を主成分とす
るコーティング用組成物が記載されている。さらに特開
昭63−278979号公報および特開平1−3064
76号公報にはアルキルトリアルコキシシランとテトラ
アルコキシシランとの縮合物にコロイド状シリカを添加
したコーティング用組成物が記載されている。
【0003】しかしながら、上記の従来の方法によって
調製されたコーティング用組成物から得られる被膜は、
耐摩耗性等の面で必ずしも満足の出来るものではなく、
その改善が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基材
表面に従来にない高いレベルの耐摩耗性を付与しうるコ
ーティング用組成物を提供することにある。本発明者
は、この目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、
コロイダルシリカ分散液中でトリアルコキシシランの加
水分解縮合反応を行い、さらにこの溶液とテトラアルコ
キシシラン加水分解縮合物溶液とを特定割合で混合する
か、またはこの溶液中でテトラアルコキシシランを加水
分解縮合させて調製した溶液を、基材表面に塗布し、熱
硬化させることによって高いレベルの耐摩耗性が得られ
ることを見出し本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、(A)コロイダルシリカ(a成分)、(B)下記式
(1)で表わされるトリアルコキシシランの加水分解縮
合物(b成分)、
【0006】
【化3】
【0007】(但し、式中R1は炭素数1〜4のアルキ
ル基、ビニル基、またはメタクリロキシ基、アミノ基、
グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基か
らなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1
〜3のアルキル基であり、R2は炭素数1〜4のアルキ
ル基である。) (C)下記式(2)で表わされるテトラアルコキシシラ
ンの加水分解縮合物(c成分)、
【0008】
【化4】
【0009】(但し、式中R3は炭素数1〜4のアルキ
ル基である。) (D)硬化触媒および (E)溶媒からなるコーティング用組成物であって、該
コーティング用組成物はa〜c成分からなるオルガノシ
ロキサン樹脂固形分中にa成分が5〜45重量%、b成
分がR1SiO3/2に換算して50〜80重量%、c成分
がSiO2に換算して2〜30重量%であり、a〜c成
分からなるオルガノシロキサン樹脂固形分100重量部
に対して、硬化触媒0.01〜10重量部および溶媒5
0〜900重量部よりなり、且つa成分の存在下に前記
式(1)で表わされるトリアルコキシシランを加水分解
縮合反応せしめ、次いで、(i)かかる反応液に前記式
(2)で表わされるテトラアルコキシシランを添加し加
水分解縮合反応せしめる、あるいは、(ii)かかる反
応液と、予め前記式(2)で表わされるテトラアルコキ
シシランを加水分解縮合反応せしめておいた反応液とを
混合して調製することを特徴とするコーティング用組成
物が提供される。
【0010】本発明でa成分として用いられるコロイダ
ルシリカは、直径5〜200nm、好ましくは5〜40
nmのシリカ微粒子が水または有機溶媒中にコロイド状
に分散されたものである。該コロイダルシリカは、水分
散型および有機溶媒分散型のどちらでも使用できるが、
水分散型のものを用いるのが好ましい。水分散型のコロ
イダルシリカの場合、シリカ微粒子の表面に多数の水酸
基が存在し、これがトリアルコキシシラン加水分解縮合
物と強固に結合するため、より耐摩耗性に優れたプラス
チック積層体が得られるものと考えられる。
【0011】かかるコロイダルシリカとして、具体的に
は、酸性水溶液中で分散させた商品として日産化学工業
(株)のスノーテックスO、塩基性水溶液中で分散させ
た商品として日産化学工業(株)のスノーテックス3
0、スノーテックス40、触媒化成工業(株)のカタロ
イドS30、カタロイドS40、有機溶剤に分散させた
商品として日産化学工業(株)のMA−ST、IPA−
ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−ST、XB
A−ST、NPC−ST、DMAC−ST等が挙げられ
る。
【0012】本発明のb成分であるトリアルコキシシラ
ンの加水分解縮合物は、前記式(1)のトリアルコキシ
シランを加水分解縮合反応させたものである。
【0013】ここで、該トリアルコキシシラン中、R1
は炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、またはメタク
リロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基、3,4−エポ
キシシクロヘキシル基からなる群から選ばれる1以上の
基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R2
は炭素数1〜4のアルキル基である。
【0014】具体的には、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、単
独もしくは混合して使用できる。
【0015】また、特に耐摩耗性に優れたコート層を形
成するコーティング用組成物を得るためには70重量%
以上がメチルトリアルコキシシランであることが好まし
く、実質的に全量がメチルトリアルコキシシランである
ことがさらに好ましい。ただし密着性の改善、親水性、
撥水性等の機能発現を目的として少量のメチルトリアル
コキシシラン以外の上記トリアルコキシシラン類を添加
することができる。
【0016】本発明のc成分であるテトラアルコキシシ
ランの加水分解縮合物は前記式(2)のテトラアルコキ
シシランを加水分解縮合反応させたものである。該テト
ラアルコキシシランのR3は炭素数1〜4のアルキル基
であり、具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラn−プロポキシシシラン、テトライ
ソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テト
ライソブトキシシランなどが挙げられ、好ましくはテト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシランである。これ
らのテトラアルコキシシランは単独もしくは混合して使
用できる。
【0017】該a〜c成分からなるオルガノシロキサン
樹脂固形分は以下の(1)および(2)からなるプロセ
スを経て調製される。
【0018】プロセス(1):コロイダルシリカ分散液
中で前記式(2)のトリアルコキシシランを酸性条件下
加水分解縮合反応させる。
【0019】ここで、トリアルコキシシランの加水分解
反応に必要な水は水分散型のコロイダルシリカ分散液を
使用した場合はこの分散液から供給され、必要であれば
さらに水を加えてもよい。トリアルコキシシラン1当量
に対して通常1〜10当量、好ましくは1.5〜7当
量、さらに好ましくは3〜5当量の水が用いられる。
【0020】前述のようにトリアルコキシシランの加水
分解縮合反応は、酸性条件下で行う必要があり、かかる
条件で加水分解を行なうために一般的には加水分解剤と
して酸が使用される。かかる酸は、予めトリアルコキシ
シランまたはコロイダルシリカ分散液に添加するか、両
者を混合後に添加してもよい。また、該添加は1回或い
は2回以上に分けることもできる。かかる酸としては塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファ
ミン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、乳酸、パラトルエン
スルホン酸等の有機酸が挙げられ、pHのコントロール
の容易さの観点からギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
シュウ酸、コハク酸、マレイン酸等の有機カルボン酸が
好ましく、酢酸が特に好ましい。
【0021】かかる酸として無機酸を使用する場合は通
常0.0001〜2規定、好ましくは0.001〜0.
1規定の濃度で使用し、有機酸を使用する場合はトリア
ルコキシシラン100重量部に対して0.1〜50重量
部、好ましくは1〜30重量部の範囲で使用される。
【0022】トリアルコキシシランの加水分解、縮合反
応の条件は使用するトリアルコキシシランの種類、系中
に共存するコロイダルシリカの種類、量によって変化す
るので一概には云えないが、通常、系の温度が20〜4
0℃、反応時間が1時間〜数日間である。
【0023】この反応で前記式(1)のトリアルコキシ
シランは加水分解されて下記式(3)で表わされる加水
分解物となり、生成したSi−OHはコロイダルシリカ
中のSi−OHや、この分子とは別のトリアルコキシシ
ラン加水分解物分子のSi−OHと縮合反応を起こして
Si−O−Si結合を形成し、生成した縮合物もまた別
のSi−OHと縮合反応を起こしてSi−O−Si結合
を形成する。この加水分解反応及び縮合反応は完全では
なく部分的に進行する。
【0024】
【化5】
【0025】(但し、式中nは1〜3の整数を意味す
る。)
【0026】プロセス(2):(i)プロセス(1)の
反応で得られた反応液に前記式(2)のテトラアルコキ
シシランを添加し、加水分解縮合反応せしめる、または
(ii)プロセス(1)の反応で得られた反応液と、予
め前記式(2)のテトラアルコキシシランを加水分解縮
合反応せしめておいた反応液とを混合する。
【0027】(i)プロセス(1)の反応で得られた反
応液にテトラアルコキシシランを添加し加水分解縮合反
応せしめる場合、この加水分解縮合反応は酸性条件下で
行われる。プロセス(1)の反応で得られた反応液は通
常、酸性で水を含んでいるのでテトラアルコキシシラン
はそのまま添加するだけでもよいし、必要であればさら
に水、酸を添加してもよい。かかる酸としては前記した
酸と同様なものが使用でき、酢酸や塩酸などの揮発性の
酸が好ましい。該酸は無機酸を使用する場合は通常0.
0001〜2規定、好ましくは0.001〜0.1規定
の濃度で使用し、有機酸を使用する場合はテトラアルコ
キシシラン100重量部に対して0.1〜50重量部、
好ましくは1〜30重量部の範囲で使用される。
【0028】加水分解反応に必要な水はテトラアルコキ
シシラン1当量に対して通常1〜100当量、好ましく
は2〜50当量、さらに好ましくは4〜30当量の水が
用いられる。
【0029】テトラアルコキシシランの加水分解、縮合
反応の条件は使用するテトラアルコキシシランの種類、
系中に共存するコロイダルシリカの種類、量によって変
化するので一概には云えないが、通常、系の温度が20
〜40℃、反応時間が10分間〜数日間である。
【0030】かかる反応で前記式(2)のテトラアルコ
キシシランはまず加水分解反応して下記式(4)で表わ
される加水分解物になり、次いでトリアルコキシシラン
加水分解(縮合)物が縮合したコロイダルシリカ中のS
i−OH、トリアルコキシシラン加水分解(縮合)物中
のSi−OH、さらにテトラアルコキシシラン加水分解
(縮合)物中のSi−OHと縮合反応してSi−O−S
i結合を形成する。この加水分解反応及び縮合反応は完
全ではなく部分的に進行する。
【0031】
【化6】
【0032】(但し、式中pは1〜4の整数を意味す
る。)
【0033】一方、(ii)プロセス(1)の反応で得
られた反応液と、予め前記式(2)のテトラアルコキシ
シランを加水分解縮合反応せしめておいた反応液とを混
合する場合は、まずテトラアルコキシシランを加水分解
部分縮合させる必要がある。この加水分解縮合反応は酸
性条件下、テトラアルコキシシラン1当量に対して通常
1〜100当量、好ましくは2〜50当量、さらに好ま
しくは4〜20当量の水を用いて20〜40℃で1時間
〜数日反応させることによって行われる。該加水分解縮
合反応には酸が使用され、かかる酸としては前記した酸
と同様のものが挙げられ、酢酸や塩酸などの揮発性の酸
が好ましい。該酸は無機酸を使用する場合は通常0.0
001〜2規定、好ましくは0.001〜0.1規定の
濃度で使用し、有機酸を使用する場合はテトラアルコキ
シシラン100重量部に対して0.1〜50重量部、好
ましくは1〜30重量部の範囲で使用される。
【0034】この反応でテトラアルコキシシランはまず
加水分解されて前記式(4)で表わされる加水分解物と
なり、次いでかかる加水分解物のSi−OH同士が縮合
反応してSi−O−Si結合を形成する。この加水分解
反応及び縮合反応は完全ではなく部分的に進行する。
【0035】さらに、プロセス(1)の反応で得られた
反応液と、前記テトラアルコキシシランを加水分解縮合
反応させた反応液とを混合すると、テトラアルコキシシ
ラン加水分解(縮合)物がトリアルコキシシラン加水分
解(縮合)物が縮合したコロイダルシリカ中のSi−O
H、トリアルコキシシラン加水分解(縮合)物中のSi
−OH、他のテトラアルコキシシラン加水分解(縮合)
物中のSi−OHと縮合反応してSi−O−Si結合を
形成する。この縮合反応も完全ではなく部分的に進行す
る。
【0036】かかる方法でオルガノシロキサン樹脂固形
分を調製することにより、コーティング用組成物中でシ
リカ微粒子とテトラアルコキシシラン加水分解部分縮合
物とが直接強固に結合して沈殿が生成するのを防ぐこと
ができる。一方、コロイダルシリカ中にトリアルコキシ
シランとテトラアルコキシシランを混合し、該アルコキ
シシランを並行して加水分解縮合反応させるような方法
では、沈殿が発生したり、十分な耐摩耗性が得られな
い。また、a成分とb成分との混合物のみでは十分な耐
摩耗性が得られない。
【0037】本発明において、オルガノシロキサン樹脂
固形分であるa〜c成分の各成分の混合割合はコーティ
ング用組成物の安定性、得られる硬化膜の透明性、耐摩
耗性、耐擦傷性、密着性及びクラック発生の有無等の点
から決められ、a成分が5〜45重量%、b成分がR1
SiO3/2に換算して50〜80重量%、c成分がSi
2に換算して2〜30重量%で用いられ、好ましくは
該a成分が15〜35重量%、該b成分がR1SiO3/2
に換算して55〜75重量%、該c成分がSiO2に換
算して3〜20重量%である。
【0038】本発明のコーティング用組成物はさらに硬
化触媒を含有する。かかる触媒としては、ギ酸、プロピ
オン酸、酪酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等の脂肪族カル
ボン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、テ
トラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム
塩等の4級アンモニウム塩が挙げられ、具体的には酢酸
ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ベンジルトリメチルア
ンモニウムが好ましく使用される。コロイダルシリカと
して塩基性水分散型コロイダルシリカを使用し、アルコ
キシシランの加水分解の際に酸として脂肪族カルボン酸
を使用した場合には、該コーティング用組成物中に既に
硬化触媒が含有されていることになる。必要含有量は硬
化条件により変化するが、a〜c成分からなるオルガノ
シロキサン樹脂固形分100重量部に対して、硬化触媒
を0.01〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5
重量部である。含有量が0.01重量部より少ないと十
分な硬化速度が得られず、10重量部より多いとコーテ
ィング用組成物の保存安定性が低下したり、沈殿物を生
じたりして好ましくない。
【0039】本発明のコーティング用組成物に用いられ
る溶媒としては前記オルガノシロキサン樹脂固形分が安
定に溶解することが必要であり、そのためには少なくと
も20重量%以上、好ましくは50重量%以上がアルコ
ールであることが望ましい。かかるアルコールとしては
例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2
−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2
−メチル−1−プロパノール、2−エトキシエタノー
ル、4−メチル−2−ペンタノール、2−ブトキシエタ
ノール等が挙げられ、炭素数1〜4の低沸点アルコール
が好ましく、溶解性、安定性及び塗工性の点で2−プロ
パノールが特に好ましい。該溶媒中には水分散型コロイ
ダルシリカ中の水で該加水分解反応に関与しない水分、
アルコキシシランの加水分解に伴って発生する低級アル
コール、有機溶媒分散型のコロイダルシリカを使用した
場合にはその分散媒の有機溶媒、コーティング用組成物
のpH調節のために添加される酸も含まれる。pH調節
のために使用される酸としては塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、
マレイン酸、乳酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸
が挙げられ、pHのコントロールの容易さの観点からギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、
マレイン酸等の有機カルボン酸が好ましい。その他の溶
媒としては水/アルコールと混和することが必要であ
り、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテ
ル類、酢酸エチル、酢酸エトキシエチル等のエステル類
が挙げられる。溶媒はa〜c成分からなるオルガノシロ
キサン樹脂固形分100重量部に対して50〜900重
量部、好ましくは150〜700重量部である。
【0040】本発明のコーティング用組成物は、酸及び
硬化触媒の含有量を調節することによりpHを3.0〜
6.0、好ましくは4.0〜5.5に調製することが望
ましい。これにより、常温でのコーティング用組成物の
ゲル化を防止し、保存安定性を増すことができる。該コ
ーティング用組成物は、通常数時間から数日間更に熟成
させることにより安定な組成物になる。
【0041】さらに、本発明のコーティング用組成物に
は塗工性並びに得られる塗膜の平滑性を向上する目的で
公知のレベリング剤を配合することができる。配合量は
コーティング用組成物100部に対して0.01〜2重
量部の範囲が好ましい。また、本発明の目的を損なわな
い範囲で紫外線吸収剤、染料、顔料、フィラーなどを添
加してもよい。
【0042】このようにして調製されたコーティング用
組成物は、以下の基材に好ましく塗布できる。かかる基
材としては、例えばポリカーボネート樹脂、ポリメチル
メタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン
−2,6−ナフタレート)等のポリエステル樹脂、ナイ
ロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド樹脂、ポリ
スチレン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−
スチレンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ4−メチル
ペンテン、ポリプロピレン等のビニル樹脂、ポリアリレ
ート、ポリエーテルスルホンなどのプラスチック類、
鉄、アルミニウム、銅等の金属類、陶器、磁器、大理
石、木材等が挙げられ、好ましくはポリカーボネート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6
−ナフタレート)、ポリアリレート、ポリエーテルスル
ホンの透明プラスチックであり、特にポリカーボネート
が好ましく採用される。
【0043】コーティング用組成物のコート方法として
は、ディップコート法、フローコート法、スプレーコー
ト法、スピンコート法、ローラーコート法、バーコート
法等の方法を、塗装される基材の形状に応じて適宜選択
することができる。
【0044】コート層の厚みは、通常2〜10μm、好
ましくは3〜8μmである。コート層の厚みがかかる範
囲であると、熱硬化時に発生する応力のためにコート層
にクラックが発生したり、コート層と基材との密着性が
低下したりすることがなく、本発明の目的とする十分な
耐摩耗性を有するコート層が得られることとなる。
【0045】コート層は塗装後熱硬化して基板と密着さ
せる。熱硬化は基材の耐熱性に問題がない範囲で高い温
度で行う方がより早く硬化を完了することができ好まし
い。なお、常温では、熱硬化が進まず、硬化被膜を得る
ことができない。これは、本発明のコーティング用組成
物中のオルガノシロキサン樹脂固形分が部分的に縮合し
たものであることを意味する。かかる熱硬化の過程で、
残留するSi−OHが縮合反応を起こしてSi−O−S
i結合を形成し、耐摩耗性に優れたコート層となる。熱
硬化は通常50℃〜400℃の範囲で10分間〜4時
間、プラスチック基材の場合、好ましくは80℃〜16
0℃の範囲で1時間〜2時間、無機基材の場合、好まし
くは120℃〜250℃で20分間〜1時間加熱硬化す
る。
【0046】本発明のコーティング用組成物よりなる硬
化層と該基材との密着性を更に向上する目的で、硬化層
と基材との間に中間層を設けることも好ましく実施でき
る。該中間層の樹脂としては使用する基材に応じて該基
材、コーティング用組成物よりなる硬化層の双方に良好
な密着性をもつ材料が適宜選択される。
【0047】本発明のコーティング用組成物はコート層
の耐摩耗性、耐擦傷性、硬度、耐熱水性、耐有機溶剤
性、耐酸性、基材との密着性の各点に優れた透明なコー
ト層を形成し、従来にない高いレベルで基材表面の摩耗
を防ぐことが出来る。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、得られた積層体は以下の方法によって評価
した。また、実施例中の部は重量部を意味する。
【0049】(1)外観評価:目視にて試験片のコート
層外観(異物の有無)、ひび割れ(クラック)の有無を
確認した。
【0050】(2)密着性:コート層にカッターナイフ
で1mm間隔の100個の碁盤目を作りニチバン製粘着
テープ(商品名“セロテープ”)を圧着し、垂直に強く
引き剥がして基材上に残った碁盤目の数で評価した(J
IS K5400に準拠)。
【0051】(3)耐擦傷性:試験片を#0000のス
チールウールで擦った後、表面の傷つきの状態を目視に
より5段階で評価した。 1:500g荷重で10回擦っても全く傷つかない 2:500g荷重で10回擦ると僅かに傷つく 3:500g荷重で10回擦ると少し傷つく 4:500g荷重で10回擦ると傷つく 5:100g荷重で10回擦ると傷つく
【0052】(4)耐摩耗性:Calibrase社製CS−1
0Fの摩耗輪を用い、荷重500gで1000回転テー
バー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後のヘーズとテ
ーバー摩耗試験前のヘーズとの差△Hを測定して評価し
た(ASTM D1044に準拠)。(ヘーズ=Td/
Tt×100、Td:散乱光線透過率、Tt:全光線透
過率)
【0053】(5)鉛筆硬度:鉛筆を試験片表面に対し
て45度の角度に保ち円柱状にした芯を荷重1kgで押
し付けながら前方へ移動させ、その際に傷つかない最も
硬い鉛筆の硬度により評価した(JIS K5400に
準拠)。
【0054】(6)耐熱水性:試験片を沸騰水中に2時
間浸漬した後のコート層の外観変化、密着性を評価し
た。
【0055】[参照例1](メチルトリアルコキシシラ
ン加水分解縮合反応液の調製) メチルトリメトキシシラン142部、蒸留水72部、酢
酸20部を氷水で冷却下混合した。この混合液を25℃
で1時間攪拌し、イソプロパノール116部で希釈して
メチルトリメトキシシラン加水分解縮合物溶液(S1)
350部を得た。
【0056】[参照例2](テトラアルコキシシラン加
水分解縮合物反応液の調製) テトラエトキシシラン208部、0.01N塩酸81部
を氷水で冷却下混合した。この混合液を25℃で3時間
攪拌し、イソプロパノール11部で希釈してテトラエト
キシシラン加水分解縮合物溶液(S2)300部を得
た。
【0057】[実施例1]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固
形分濃度30重量%)98部に蒸留水7部、酢酸20部
を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチルト
リメトキシシラン136部を加えた。この混合液を25
℃で1時間攪拌して得られた反応液に、参照例2で得ら
れたテトラエトキシシラン加水分解縮合反応液(S2)
18部および硬化触媒として酢酸ナトリウム2部を氷水
冷却下で混合し、イソプロパノール221部で希釈して
コーティング用組成物(i)を得た。予め熱硬化型アク
リル樹脂溶液PC−7A(信越化学工業(株)製)を硬
化膜厚1μmになるようにバーコーターで塗布し120
℃、20分間熱硬化した透明な0.5mm厚のポリカー
ボネート製シートに、かかるコーティング用組成物
(i)を硬化膜厚5μmになるようにバーコーターで塗
布し、120℃、1時間熱硬化してコート層を有する透
明ポリカーボネート積層体シートを得た。得られたコー
ト層を有するポリカーボネート積層体シートを評価した
結果を表2に示した。
【0058】[実施例2]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固
形分濃度30重量%)100部に酢酸20部を加えて攪
拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシ
シラン122部を加えた。この混合液を25℃で1時間
攪拌して得られた反応液に、参照例2で得られたテトラ
エトキシシラン加水分解縮合反応液(S2)50部およ
び硬化触媒として酢酸カリウム1部を氷水冷却下で混合
し、イソプロパノール408部で希釈してコーティング
用組成物(ii)を得た。厚さ2mmのパイレックスガ
ラス板にかかるコーティング用組成物(ii)を硬化膜
厚3.3μmになるようにバーコーターで塗布し、14
0℃、30分間熱硬化してコート層を有するガラス板を
得た。得られたコート層を有するガラス板を評価した結
果を表2に示した。
【0059】[実施例3]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固
形分濃度30重量%)60部に蒸留水15部、酢酸20
部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチル
トリメトキシシラン146部を加えた。この混合液を2
5℃で1時間攪拌して得られた反応液に、参照例2で得
られたテトラエトキシシラン加水分解縮合反応液(S
2)50部および硬化触媒として酢酸ナトリウム0.2
部を氷水冷却下で混合し、イソプロパノール9部で希釈
してコーティング用組成物(iii)を調製した。厚さ
0.5mmのスチール板にかかるコーティング用組成物
(iii)を硬化膜厚5μmになるようにバーコーター
で塗布し、200℃、20分間熱硬化してコート層を有
するスチール板を得た。得られたコート層を有するスチ
ール板を評価した結果を表2に示した。
【0060】[実施例4]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固
形分濃度30重量%)60部に蒸留水28部、酢酸20
部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチル
トリメトキシシラン130部を加えた。この混合液を2
5℃で1時間攪拌して得られた反応液に、参照例2で得
られたテトラエトキシシラン加水分解縮合反応液(S
2)90部および硬化触媒として酢酸ベンジルトリメチ
ルアンモニウム4部を氷水冷却下で混合し、イソプロパ
ノール172部で希釈してコーティング用組成物(i
v)を調製した。厚さ0.5mmの透明ポリメチルメタ
クリレートシートにかかるコーティング用組成物(i
v)を硬化膜厚5μmになるようにバーコーターで塗布
し、100℃、30分間熱処理、沸騰水に1時間浸漬処
理して硬化させコート層を有する透明ポリメチルメタク
リレート積層体シートを得た。得られたコート層を有す
るポリメチルメタクリレート積層体シートを評価した結
果を表2に示した。
【0061】[実施例5]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固
形分濃度30重量%)72部に酢酸10部を加えて攪拌
し、この分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシ
ラン91.3部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン7.6部を加えた。この混合液を25℃で1時
間攪拌して得られた反応液に、参照例2で得られたテト
ラエトキシシラン加水分解縮合反応液(S2)140部
および硬化触媒として酢酸ナトリウム0.2部を氷水冷
却下で混合し、イソプロパノール179.1部で希釈し
てコーティング用組成物(v)を調製した。表面を磨い
て平らにした天然大理石上にかかるコーティング用組成
物(v)を硬化膜厚4μmになるようにバーコーターで
塗布し、180℃、30分間熱硬化してコート層を有す
る大理石を得た。得られたコート層を有する大理石を評
価した結果を表2に示した。
【0062】[実施例6]イソプロパノール分散型コロ
イダルシリカ分散液(日産化学工業(株)製 IPA−
ST−S 固形分濃度25重量%)108部に酢酸20
部を加えて攪拌し、室温で蒸留水72部を20分間で滴
下した。かかる分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメト
キシシラン136部を加えた。この混合液を25℃で1
時間攪拌して得られた反応液に、参照例2で得られたテ
トラエトキシシラン加水分解縮合反応液(S2)30部
および硬化触媒として酢酸ナトリウム2部を氷水冷却下
で混合し、イソプロパノール134部で希釈してコーテ
ィング用組成物(vi)を調製した。予め熱硬化型アク
リル樹脂溶液PC−7A(信越化学工業(株)製)を硬
化膜厚1μmになるようにバーコーターで塗布し120
℃、20分間熱硬化した透明な0.5mm厚のポリカー
ボネート製シートに、かかるコーティング用組成物(v
i)を硬化膜厚4μmになるようにバーコーターで塗布
し、120℃、1時間熱硬化してコート層を有する透明
ポリカーボネート積層体シートを得た。得られたコート
層を有するポリカーボネート積層体シートを評価した結
果を表2に示した。
【0063】[実施例7]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固
形分濃度30重量%)100部に蒸留水12部、酢酸2
0部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチ
ルトリメトキシシラン130部を加えた。この混合液を
25℃で1時間攪拌して得られた反応液に、テトラメト
キシシラン15.2部を加えた。この混合液を25℃で
1時間攪拌し、酢酸ナトリウム1部を加えイソプロパノ
ール198.8部で希釈してコーティング用組成物(v
ii)を調製した。予め熱硬化型アクリル樹脂溶液PC
−7A(信越化学工業(株)製)を硬化膜厚1μmにな
るようにバーコーターで塗布し120℃、20分間熱硬
化した透明な0.5mm厚のポリカーボネート製シート
に、かかるコーティング用組成物(vii)を硬化膜厚
7μmになるようにバーコーターで塗布し、120℃、
1時間熱硬化してコート層を有する透明ポリカーボネー
ト積層体シートを得た。得られたコート層を有するポリ
カーボネート積層体シートを評価した結果を表2に示し
た。
【0064】[比較例1]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固
形分濃度30重量%)100部に蒸留水2部、酢酸20
部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチル
トリメトキシシラン142部を加えた。この混合液を2
5℃で1時間攪拌し、酢酸ナトリウム2部を加えイソプ
ロパノール236部で希釈してコーティング用組成物
(viii)を調製した。このコーティング用組成物
(viii)を用い、実施例1と同様の方法でコート層
を有する透明ポリカーボネート積層体シートを得た。得
られたコート層を有するポリカーボネート積層体シート
を評価した結果を表3に示した。
【0065】[比較例2]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス40 固
形分濃度40重量%)130部に酢酸20部を加えて攪
拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシ
シラン85.2部を加えた。この混合液を25℃で1時
間攪拌して得られた反応液に、参照例2で得られたテト
ラエトキシシラン加水分解縮合反応液(S2)30部お
よび硬化触媒として酢酸ナトリウム2部を氷水冷却下で
混合し、イソプロパノール234.8部で希釈してコー
ティング用組成物(ix)を得た。このコーティング用
組成物(ix)を用い、実施例1と同様の方法でコート
層を有する透明ポリカーボネート積層体シートを得た。
得られたコート層を有するポリカーボネート積層体シー
トを評価した結果を表3に示した。
【0066】[比較例3]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固
形分濃度30重量%)30部に蒸留水65部、酢酸20
部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチル
トリメトキシシラン172.5部を加えた。この混合液
を25℃で1時間攪拌して得られた反応液に、参照例2
で得られたテトラエトキシシラン加水分解縮合反応液
(S2)30部および硬化触媒として酢酸ナトリウム2
部を氷水冷却下で混合し、イソプロパノール182.5
部で希釈してコーティング用組成物(x)を得た。この
コーティング用組成物(x)を用い、実施例1と同様の
方法でコート層を有する透明ポリカーボネート積層体シ
ートを得た。得られたコート層を有するポリカーボネー
ト積層体シートを評価した結果を表3に示した。
【0067】[比較例4]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固
形分濃度30重量%)30部に蒸留水50部、酢酸20
部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチル
トリメトキシシラン113.7部を加えた。この混合液
を25℃で1時間攪拌して得られた反応液に、参照例2
で得られたテトラエトキシシラン加水分解縮合反応液
(S2)175部および硬化触媒として酢酸ナトリウム
2部を氷水冷却下で混合し、イソプロパノール111.
3部で希釈してコーティング用組成物(xi)を得た。
かかるコーティング用組成物(xi)を用い、実施例3
と同様の方法でコート層を有するスチール板を得た。し
かしながら、このスチール板のコート層は熱硬化時にク
ラックが発生した。
【0068】[比較例5]氷水浴で冷却下メチルトリメ
トキシシラン146部、蒸留水90部、酢酸20部を加
え、該混合液を25℃で1時間攪拌して得られた反応液
にテトラメトキシシラン71部を加えた。この混合液を
25℃で1時間攪拌し、酢酸ナトリウム2部を加えイソ
プロパノール173部で希釈してコーティング用組成物
(xii)を調製した。このコーティング用組成物(x
ii)を用い、実施例1と同様の方法でコート層を有す
る透明ポリカーボネート積層体シートを得た。得られた
コート層を有するポリカーボネート積層体シートを評価
した結果を表3に示した。
【0069】[比較例6]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固
形分濃度30重量%)100部に蒸留水12部、酢酸2
0部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチ
ルトリメトキシシラン130部、テトラメトキシシラン
15.2部を加えた。この混合液を25℃で攪拌してし
ばらくすると、オルガノシロキサン樹脂固形分がゲル化
し、溶剤と分離して塗工に適さないもの(組成物(xi
ii)とする)となった。
【0070】[比較例7]水分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固
形分濃度30重量%)100部、参照例1で得られたメ
チルトリメトキシシラン加水分解縮合物(S1)320
部、参照例2で得られたテトラエトキシシラン加水分解
部分縮合反応液(S2)30部および硬化触媒として酢
酸ナトリウム2部を氷水で冷却下混合した。このとき、
大量の不溶物が析出し、塗工に適さないもの(組成物
(xiv)とする)となった。
【0071】[比較例8]メチルトリメトキシシラン1
30部、テトラエトキシシラン加水分解部分縮合反応液
(S2)30部、蒸留水60部、酢酸10部を氷水浴で
冷却下混合し、その後25℃で1時間攪拌して得られた
反応液に、イソプロパノール分散型コロイダルシリカ分
散液(日産化学工業(株)製 IPA−ST−S 固形
分濃度25重量%)120部を添加し、硬化触媒として
酢酸ナトリウム2部を加え、イソプロパノール150部
で希釈してコーティング用組成物(xi)を得た。この
コーティング用組成物(xi)を用い、実施例1と同様
の方法でコート層を有する透明ポリカーボネート積層体
シートを得た。得られたコート層を有するポリカーボネ
ート積層体シートを評価した結果を表3に示した。
【0072】
【表1】
【0073】なお、表1中において、 (1)MTMOS;メチルトリメトキシシラン (2)TMOS:テトラメトキシシラン (3)GPTMS:γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン (4)S−30;水分散型コロイダルシリカ分散液(日
産化学工業(株)製 スノーテックス30 固形分濃度
30重量%、平均粒子径20nm) (5)S−40;水分散型コロイダルシリカ分散液(日
産化学工業(株)製 スノーテックス40 固形分濃度
40重量%、平均粒子径20nm) (6)IPA−ST−S;イソプロパノール分散型コロ
イダルシリカ分散液(日産化学工業(株)製 IPA−
ST−S 固形分濃度25重量%、平均粒子径10n
m)を表し、トリアルコキシシランの重量部はRSiO
3/2に換算した値を示し、テトラアルコキシシランの重
量部はSiO2に換算した値を示す。
【0074】また、プロセスの欄の数字は以下を示す。 コロイダルシリカの存在下にトリアルコキシシランを
加水分解縮合反応せしめ、次いでかかる反応液と、予め
テトラアルコキシシランを加水分解縮合反応せしめてお
いた反応液とを混合して調製するプロセス。 コロイダルシリカの存在下にトリアルコキシシランを
加水分解縮合反応せしめ、次いでかかる反応液にテトラ
アルコキシシランを添加し加水分解縮合反応せしめるプ
ロセス。 コロイダルシリカの存在下にトリアルコキシシランお
よびテトラアルコキシシランを同時に添加し、並行して
加水分解縮合反応せしめるプロセス。 コロイダルシリカの分散液と、トリアルコキシシラン
およびテトラアルコキシシランを加水分解縮合反応せし
めておいた反応液とを混合して調製するプロセス。
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【発明の効果】本発明のコーティング用組成物から得ら
れるコート層は、外観、透明性、耐擦傷性、硬度、耐熱
水性、密着性、耐有機溶剤性、耐酸性が良好で、特に耐
摩耗性に優れ、従来に無い高いレベルで基材表面の摩耗
を防ぐことができ、その奏する工業的効果は格別であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DL031 DL051 DL081 HA446 KA03 KA06 KA18 NA01 NA04 NA11 NA12 PB03 PC02 PC03 PC04 PC06 PC08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)コロイダルシリカ(a成分)、 (B)下記式(1)で表わされるトリアルコキシシラン
    の加水分解縮合物(b成分)、 【化1】 (但し、式中R1は炭素数1〜4のアルキル基、ビニル
    基、またはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ
    基、3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群から
    選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキ
    ル基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であ
    る。) (C)下記式(2)で表わされるテトラアルコキシシラ
    ンの加水分解縮合物(c成分)、 【化2】 (但し、式中R3は炭素数1〜4のアルキル基であ
    る。) (D)硬化触媒および (E)溶媒からなるコーティング用組成物であって、該
    コーティング用組成物はa〜c成分からなるオルガノシ
    ロキサン樹脂固形分中にa成分が5〜45重量%、b成
    分がR1SiO3/2に換算して50〜80重量%、c成分
    がSiO2に換算して2〜30重量%であり、a〜c成
    分からなるオルガノシロキサン樹脂固形分100重量部
    に対して、硬化触媒0.01〜10重量部および溶媒5
    0〜900重量部よりなり、且つa成分の存在下に前記
    式(1)で表わされるトリアルコキシシランを加水分解
    縮合反応せしめ、次いで、(i)かかる反応液に前記式
    (2)で表わされるテトラアルコキシシランを添加し加
    水分解縮合反応せしめる、あるいは、(ii)かかる反
    応液と、予め前記式(2)で表わされるテトラアルコキ
    シシランを加水分解縮合反応せしめておいた反応液とを
    混合して調製することを特徴とするコーティング用組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記式(1)で表わされるトリアルコキ
    シシランの少なくとも70重量%以上がメチルトリアル
    コキシシランである請求項1記載のコーティング用組成
    物。
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