JP2012093379A - 光学積層フィルム、及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層される別部材に損傷を与えることなく、光拡散性が付与された光学積層フィルム、及び表示装置を提供する。
【解決手段】光学積層フィルム10は、支持体11と、支持体11の一方の面に設けられた易接着層12と、支持体11の他方の面に設けられた透光性樹脂13aと透光性粒子13bを含む第1の透明層13を備える。透光性粒子13bは、透光性樹脂13aの厚さdより大きな粒子径rを有する。第1の透明層13上に形成され、表面が実質的に平滑である第2の透明層14と備え、透光性粒子13bの屈折率nと第2の透明層14の屈折率nとの差が0.1以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は光学積層フィルム、及び表示装置、特に、液晶ディスプレイの光学シート用部材として好適に用いられる光学積層フィルム、及び表示装置に関する。
プリズムシート、レンズシート、拡散シートなどの光学シートは、フラットパネルディスプレイのバックライトユニットの構成部材として、広く用いられている。光学シートは、支持体の上に、入射光を所定の方向に屈折するプリズムやレンズを形成することにより、又は入射光を多様に屈折させて拡散する拡散層を支持体の上に設けることにより、製造される。複数のプリズムやレンズからなる層、及び拡散層は、光機能層と総称される。フラットパネルディスプレイ等では光学シートに別の光学シート、又は別部材である導光板を積み重ねて使用されることが多い。
積み重ねて使用した場合、光学シートと他の光学シート又は別部材との間にニュートンリングが発生する場合がある。これは光学シートの光機能層と反対面(裏面)が平滑面であることに起因することが知られている。
その問題を解決するため、特許文献1はプリズムシートのプリズム列と反対面に多数の透光性ビーズを支持層で支持し、凹凸状の表面を形成することを開示する。しかしながら、透光性ビーズが支持層から突出しているため、他のプリズムシートや導光板と重ね合わせたときに、他のプリズムシートや導光板の表面に傷をつけてしまう問題があった。
特許文献1は、さらに、光拡散層中に透光性ビーズを分散させることを開示する。しかし、透光性ビーズが光拡散層から突出しないように均一に分散させるには、光拡散層を厚く形成する必要がある。
また、特許文献2は、透光性基材の表面に単位プリズム又は単位レンズを複数配列し、裏面を透光性材料からなるコーティング層により覆った光学シートにおいて、前記コーティング層を、粒径分布の半値幅が1μm以下の球状ビーズを含んで構成した光学シートを開示する。
しかしながら、コーティング層から球状ビーズが突出しているため、光学シートを他の光学シートや導光板に積層したとき、接触する別の部材に対する損傷防止としては不十分であった。
近年、他の部材、例えば拡散シート等によりニュートンリングが視認されなくなるので、ニュートンリングの発生を許容する場合がある。その場合、他の部材への損傷を防止するため球状ビーズが除去され、光学シートの裏面に透光性樹脂層のみが存在すれば良いことになる。しかしながら、透光性樹脂層のみでは、光学シートに傷が付くと、容易に視認される。したがって、光学シートでは、正面輝度を極端に低下させない範囲で光拡散性が求められる。
特開平9−281310号公報 特開平11−133214号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、積層される別部材に損傷を与えることなく、光拡散性が付与された光学積層フィルム、及び表示装置を提供することを目的とする。
本発明による光学積層フィルムは、支持体と、前記支持体の一方の面に設けられた易接着層と、前記支持体の他方の面に設けられた透光性樹脂と透光性粒子を含む第1の透明層を備え、前記透光性粒子は、前記透光性樹脂の厚さdより大きな粒子径rを有し、前記第1の透明層上に形成され、表面が実質的に平滑である第2の透明層と備え、前記透光性粒子の屈折率nと前記第2の透明層の屈折率nとの差が0.1以上であることを特徴とする。
本発明による光学積層フィルムは、好ましくは、前記透光性樹脂の屈折率nが下記(1)式を満たし、かつ前記透光性樹脂の厚さdが(2)式を満たす。
= (支持体の屈折率n×第2の透明層の屈折率n0.5…(1)
= (550/(4×n))×A (A=1、3、5)…(2)
本発明による光学積層フィルムは、好ましくは、前記第2の透明層がシリカ系化合物から形成される無機層である。
本発明による光学積層フィルムは、好ましくは、前記透光性粒子がメラミン樹脂粒子、中空粒子、ポリスチレン樹脂粒子及びスチレン/アクリル共重合体樹脂粒子の群から選ばれる少なくとも1種の粒子である。
本発明による光学積層フィルムは、好ましくは、前記第1の透明層は、電子導電により導電性を発現する金属酸化物粒子及びπ電子共役系の導電性ポリマーのいずれかを含み、前記第1の透明層の表面抵抗が1012Ω/□以下である。
本発明による光学積層フィルムは、好ましくは、前記易接着層は、電子導電により導電性を発現する金属酸化物粒子及びπ電子共役系の導電性ポリマーのいずれかを含み、前記易接着層の表面抵抗が1012Ω/□以下である。
本発明による光学積層フィルムは、好ましくは、前記易接着層上に光機能層をさらに備える。
本発明による表示装置は、前記光学積層フィルムを搭載する。
本発明によれば、積層される別部材に損傷を与えることなく、光拡散性を付与することができる。
第1の実施形態に係る光学積層フィルムの断面図。 第2の実施形態に係る光学積層フィルムの断面図。 実施例と比較例の条件と評価を示す表図。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。
図1は第1の実施形態に係る光学積層フィルムの断面図である。光学積層フィルム10は、支持体11と、支持体11の一方面に設けられた易接着層12と、支持体11の他方の面に設けられた第1の透明層13と、第1の透明層13に隣接して設けられた第2の透明層14を含む。第1の透明層13は透光性樹脂13aと透光性粒子13bを含む。透光性粒子13bは透光性樹脂13aの厚さdより大きい粒子径rを有する。つまり、透光性粒子13bは透光性樹脂13aの表面から突出する構成となる。透光性粒子13bは透光性樹脂13aにより支持体11に均一に固定される。
第2の透明層14が第1の透明層13上に設けられる。第2の透明層14は透光性粒子13bを覆い、第2の透明層14の表面は実質的に平滑面とされる。これにより、他の部品に対する損傷を防止することができる。透光性粒子13bが支持体11に精度良く配置されているので、第2の透明層14を薄くしても、その表面を実質的に平滑面とすることができる。
透光性粒子13bの屈折率nと第2の透明層14の屈折率nとの差が0.1以上である。この屈折率差により光学積層フィルム10に光拡散性を付与することができる。透光性粒子13bは、粒子径rの25%以上が第2の透明層14中に入り込む。これにより、光拡散性が、透光性粒子13bの屈折率nと第2の透明層14の屈折率nとの屈折率差により制御される。光拡散性について、JIS−K−7105に準じてヘイズメーター(NDH−2000、日本電色工業(株))により測定した光学積層フィルム10のヘイズ値は、3%〜20%であることが好ましい。その理由は、ヘイズが3%未満の場合は、光学シートの裏面に付いた傷等の欠点が視認されやすくなり、逆にヘイズが20%を超えると光学シートの正面輝度向上効果が損なわれるからである。
光学積層フィルム10の裏面側から光が照射した場合、支持体11、透光性樹脂13a及び第2の透明層14からの反射光が干渉し、干渉縞が視認される問題がある。
この問題を解決するため、好ましくは、透光性樹脂13aの屈折率nが下記(1)式を満たし、かつ透光性樹脂13aの厚さdが(2)式を満たす。λは測定波長を示す。
=(支持体11の屈折率n×第2の透明層14の屈折率n0.5…(1)
=(λ(=550)/(4×n))×A (A=1、3、5)…(2)
これにより、透光性樹脂13aで反射される反射光と支持体11で反射される反射光の振幅を合わせ、さらに位相をずらすことができ、干渉縞の発生を防止することができる。測定波長λとして、人に対する視感度が高い波長550nmを基準とし、式(2)において550を採用した。
易接着層12は、支持体11の光機能層に対する接着性を向上させ、光機能層との密着力を高めるために支持体11の一方面に設けられる。
図2は第2の実施形態に係る光学積層フィルムの断面図である。光学積層フィルム20は、支持体11と、支持体11の一方面に設けられた易接着層12と、易接着層12上に設けられた光機能層15と、支持体11の他方の面に設けられた第1の透明層13と、第1の透明層13に隣接して設けられた第2の透明層14を含む。第1の透明層13は透光性樹脂13aと透光性粒子13bを含む。光学積層フィルム20は、第1の実施形態の光学積層フィルム10の易接着層12上に光機能層15を設けたものである。
光機能層15は、入射光を屈折させて集光又は拡散する。このような光機能層15としては、レンズ層やプリズム層、拡散層がある。図2では、光機能層15をプリズム層とした場合を図示してある。プリズム層である光機能層15は、断面三角形の複数のプリズムを、一定のピッチで形成したものである。このような光機能層15をもつ光学積層フィルム20は、光を第2の透明層14側から入射されると、入射した光線をプリズムによって、所定の方向に向けて屈折する。これにより、所定方向に大きなピークをもつような光分布で光が射出されることになる。例えば、入射した光線を法線方向に向けて屈折すると、法線方向に大きなピークをもつような光分布となる。これにより、光学積層フィルム20を液晶ディスプレイのバックライトユニットに用いると、液晶ディスプレイの正面輝度が向上する。
光機能層15は、前述のように光を屈折させて入射光を集光又は拡散させる。このようにして、光の進路を制御する。光は光機能層15の表面で、その入射角と、支持体11及び光機能層15の屈折率の差により屈折したり、入射した光が射出面で屈折又は反射したりすることがある。光機能層15の構成によっては、これらの光特性もさらに発現し、利用することになる。
したがって、光学積層フィルム20を液晶ディスプレイのバックライトユニット中に使用したとき、光機能層15は、光源からの光が第2の透明層14側から入射すると、入射光の集光度を制御して、所定方向に大きなピークをもつような光分布で光を射出し、これにより液晶ディスプレイの正面輝度を調整するようなプリズム機能、レンズ機能をもつ場合がある。このような機能をもつ光学積層フィルム20は、いわゆるプリズムシート、レンズシートとして用いることができる。光機能層15は、光源からの光が第2の透明層14側から入射すると、入射光を拡散させて、均等な光分布とするような拡散機能をもつ場合がある。このような機能をもつ光学積層フィルム20は、いわゆる拡散シートとして用いることができる。
光機能層15がレンズ層である場合には、光を屈折する複数のレンズを、所定のピッチで配列して構成する。支持体11の一方の面から射出された光が光機能層15に入射すると、光機能層15は、入射光の射出角度を制御する。レンズとしては、円柱状を軸方向に二つに割ったシリンドリカルレンズ、三角柱のプリズム、球面レンズ、非球面レンズがあり、三角柱のプリズムでもよい。したがって、図2に示すようなプリズム層である光機能層15もレンズ層の一種と言える。
[支持体]
支持体11は、高分子化合物を溶融製膜方法や溶液製膜方法によりフィルム形状にしたものである。支持体11に用いる高分子化合物は、透明なものである。
支持体11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリアリレート類、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル系液晶ポリマー、トリアセチルセルロース、セルロース誘導体、ポリプロピレン、ポリアミド類、ポリイミド、ポリシクロオレフィン類等が好ましい。
この中でも、PET、PEN、トリアセチルセルロース、セルロース誘導体がより好ましく、PET、PENが特に好ましい。
そして、上記の高分子化合物が長尺のフィルム状にされたものを長尺方向と幅方向との互いに直交する2方向に延伸した、いわゆる二軸延伸高分子フィルムを、支持体11として用いることが好ましく、フィルム状のPET、PENを二軸延伸したものが、弾性率、透明性の観点から支持体11として特に好ましい。
また、支持体11の一方面と他方面との少なくともいずれか一方がコロナ放電処理されたものであってもよい。支持体11の一方面、他方面は、コロナ放電処理により親水化され、水性の各種塗布液の濡れ性を向上することができる。さらに、カルボキシル基、ヒドロキシ基などの官能基を導入することができる。これにより、支持体11の一方面と易接着層12、あるいは支持体11の他方面と透光性樹脂13aとの密着力をより高めることができる。
第2の透明層14が熱硬化により形成される場合の支持体11は、加熱収縮率が0.1%〜3.0%の範囲であることが好ましく、0.2%〜2.5%の範囲であることがより好ましく、0.4%〜2.0%の範囲であることがさらに好ましい。
加熱収縮率の上記値は、170℃、10分間での値である。第2の透明層14は、後述のように、第2の透明層14を形成するための所定の塗布液を第1の透明層13を介して塗布し、これを160℃以上の温度に加熱し、この加熱により硬化させることにより形成される。塗膜は、加熱硬化時における塗膜中のシラノールの脱水縮合に伴い収縮するが、上記のような加熱収縮率をもつ支持体11を用いることにより、第2の透明層14がひび割れすることなく形成される。さらに、支持体11のカールを防止することができる。これは、塗膜が硬化するときの収縮に伴って、支持体11が変形するからであり、つまり、第2の透明層14が形成されるまでの塗膜の収縮に支持体11が追随するからである。したがって、支持体11の加熱収縮率は、塗膜を硬化させるときの塗膜の温度と同じ又はこれに近い温度で求めることが好ましく、この観点から塗布液として後述のものを用いる場合には170℃での加熱収縮率を目安とすることが好ましい。支持体11の加熱収縮率を求める際の保持時間は、測定誤差を防ぐために10分間が好ましい。保持時間が10分より長くてもよいが、10分よりも長くすることの効果は特にない。
支持体11の加熱収縮率を、0.1%以上とすることにより、0.1%よりも小さい場合に比べて、塗膜の硬化収縮に応じるように塗膜が変形し、両者の収縮率の差に起因するような塗膜のひび割れをより確実に防止することができる。加熱収縮率が3%より大きい場合であっても、塗膜のひび割れは発生しない。しかし、加熱収縮率を3%以下とすることにより、3%よりも大きい場合に比べて、支持体11自身の変形の度合いが小さくなるので、得られる光学積層フィルム10,20がより確実に平らなものとして得られる。
加熱収縮率の上記値は、以下の方法で求める値である。まず、測定に供するサンプルを支持体11からサンプリングする。このサンプルにつき予め所定方向での長さを測定する。この長さをL1とする。長さL1を測定したサンプルを、170℃に保持されている恒温装置内に、張力をかけずに10分間放置する。恒温装置としては、熱風が内部に送り込まれて内部を所定温度に保持する加熱オーブン等が挙げられる。加熱処理されたサンプルを冷却してから、加熱処理前に測定した方向と同じ方向で長さを測定する。この長さをL2とする。そして、加熱収縮率(単位;%)を、{(L1−L2)/L1}×100の式により求める。しかし、本発明は、加熱収縮率の上記測定方法に限定されるものでは無く、例えば他の測定方法により加熱収縮率を求める場合には、用いる測定方法と上記方法とで得られる値の相関関係を予め求めておき、その関係に基づいて、測定値が上記方法での上記値の範囲に対応すればよい。
加熱収縮率は、直交する2方向で、ともに、170℃、10分間下で、0.1%以上3%以下の範囲であることが好ましく、0.2%以上2.5%以下の範囲であることがより好ましく、0.4%以上2.0%以下の範囲であることが特に好ましい。
なお、加熱収縮率について、第1の透明層13備えた状態の支持体11の加熱収縮率が上記範囲となっていればよい。
支持体11は100〜350μmの厚さを有すること好ましい。この範囲であれば、バックライトユニット構成部材として最適な厚みの光学シートを得ることができる。
支持体11は、使用する材料により値は異なるが、1.40〜1.80の屈折率を有することが好ましい。この範囲であれば、基材としての優れた剛性を示すとともに、透明性に優れた光学シートを得ることができる。
[易接着層]
易接着層12は、支持体11の光機能層15に対する接着性を向上させ、光機能層15との密着力を高めるために支持体11の一方面に設けられる。
易接着層12は、通常、バインダと硬化剤と界面活性剤とからなる塗布液を、支持体11の一方面に塗布して形成される。易接着層12に使用する素材は、光機能層15との密着力を高める目的で、それぞれに適した素材を選択することが好ましい。また、易接着層12には、有機又は無機の微粒子を適宜含有させてもよい。
易接着層12に使用するバインダは、特に限定されない。ただし、密着力の観点からポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、スチレンブタジエン共重合体の少なくともひとつであることが好ましい。また、バインダは、水溶性又は水分散性をもつものが環境への負荷が少ない点で特に好ましい。
易接着層12に、電子導電により導電性を発現する金属酸化物粒子を含ませることができる。金属酸化物粒子としては、一般の金属酸化物を使用することができ、例えば、ZnO、TiO、SnO、Al、In、MgO、BaO、MoO、これらの複合酸化物、又はこれらの金属酸化物にさらに異種元素を少量含む金属酸化物、等が挙げられる。このような金属酸化物のうち、SnO、ZnO、TiO、Inが好ましく、SnOが特に好ましい。電子導電により導電性を発現する金属酸化物粒子の代わりに、ポリチオフェン系などπ電子共役系の導電性ポリマーを含有させてもよい。
易接着層12に、電子導電により導電性を発現する金属酸化物粒子及びπ電子共役系の導電性ポリマーのいずれかを加えることにより、易接着層12の表面抵抗が1012Ω/□以下に調整される。十分な帯電防止性を得ることができ、光学積層フィルム10,20に塵や埃が吸着するのを防止することができる。
易接着層12の屈折率を調整する目的で、易接着層12には金属酸化物からなる微粒子を含ませてもよい。金属酸化物としては、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ニオブなどの屈折率が高いものが好ましい。屈折率が高いものほど、少量でも屈折率を変えることができるからである。金属酸化物の微粒子の粒子径は、1nm〜50nmの範囲が好ましく、2nm〜40nmの範囲が特に好ましい。金属酸化物の微粒子の量は、目的とする屈折率に応じて決定すればよいが、易接着層12の全質量を100としたときに微粒子の質量が10〜90の範囲となるように、易接着層12の中に含まれることが好ましく、30〜80の範囲となるように含まれることが特に好ましい。
易接着層12の厚さdは、易接着層12を形成する塗布液の塗布量を調整することにより制御することができる。透明度が高く、優れた密着力を発現するためには、厚みdは、0.01μm〜5μmの範囲で一定であることがより好ましい。厚みdを0.01μm以上とすることにより、0.01μm未満である場合に比べて密着力をより確実に向上させることができる。厚みdを5μm以下とすることにより、5μmよりも大きくする場合に比べて、より均一な厚みで易接着層12を形成することができる。さらには、塗布液の使用量の増加を抑えて乾燥時間の長時間化を防止し、コストの増加を抑止することができる。より好ましい厚み易接着層12の厚さdの範囲は、0.02μm〜3μmである。
[光機能層]
プリズム層ないしレンズ層である光機能層15は、型押し法で形成する場合と注型重合法で形成する場合とがあるが、通常は、型押し方よりも生産性がより高い注型重合法が用いられる。
注型重合法では、通常は、紫外線(UV)で硬化するUV硬化性の化合物からなる膜を所定の形状にし、その形状を維持した状態で化合物をUVで硬化させることにより、所定のプリズムないしレンズを複数形成して光機能層15とする。注型重合法で光機能層15を形成する場合には、一般にラジカル重合性の二重結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを主成分とするものを素材として用い、さらに、重合開始剤を含有させる。ラジカル重合性の二重結合を有するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、アクリルモノマー、アクリルオリゴマーがある。量産性の観点からは、型押し法よりも注型重合法が好ましく、注型重合法の中でもUV硬化性化合物を用いた注型重合法が好ましい。
光機能層15は、支持体11の易接着層12上に後工程で形成される。そこで、光学積層フィルム10,20は、第2の透明層14側から光を入射した際に、入射光のうち波長が340nmである光の透過率が70%〜100%の範囲であることが好ましい。これにより、光機能層15を付与する後工程を従来よりも短くすることができる。
一般に,UV硬化に使用されるメタルハライドランプの主な発光波長は340nm〜400nmの範囲にあり、高圧水銀灯の主発光波長は365nmである。また可視光領域で透明性が求められる光学積層フィルムの透過率は、340nm〜400nmの範囲において波長が短いほど透過率が低くなる傾向がある。したがって、少なくとも340nmである光の透過率が70%〜100%であることが好ましい。特に340〜400nmの全ての範囲で、光の透過率が70%〜100%であることが好ましい。波長が340nmの光の透過率が70%未満であると、支持体11の一方面にUV硬化で光機能層15を設ける際に、第2の透明層14側からメタルハライドランプ、あるいは高圧水銀灯を用いて照射したUVが、光学積層フィルム10,20に吸収されてしまう。この吸収により、光機能層15を形成するための硬化に寄与できるUVの強度が低下する。結果として、光機能層15の硬化の効率が低下する。硬化の効率が低下すると、所定の硬化状態となるまでには硬化時間を長くする必要があり光学フィルムの生産性が低下する。また、硬化時間を長くしない場合には、光機能層15の硬化が不十分なので、光機能層15は耐傷性が不十分なものとなる。
光学積層フィルム10,20、いずれも、第2の透明層14側から光を入射した際に、入射光のうち波長が365nmの光の透過率が76%以上100%以下の範囲であることがより好ましい。これは、光機能層15の形成の際に使用する照射光の光源として高圧水銀灯を使用する場合には、特に有効である。高圧水銀灯の輝線は、365nmの光だからである。
[第1の透明層]
第1の透明層13は、透光性樹脂13aと透光性粒子13bを含んでいる。透光性樹脂13aは、透光性粒子13bを支持体11に精度良く配置するために設けられる。
透光性樹脂13aは、通常、バインダと硬化剤と界面活性剤とからなる塗布液を、支持体11の他方面塗布して形成される。透光性樹脂13aに使用する素材は、透光性粒子13bを支持体11に固定する目的で、適した素材を選択することが好ましい。
透光性樹脂13aに使用するバインダは、特に限定されない。ただし、支持体11との密着力の観点からポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、スチレンブタジエン共重合体の少なくともひとつであることが好ましい。また、バインダは、水溶性又は水分散性をもつものが環境への負荷が少ない点で特に好ましい。
透光性粒子13bとして、メラミン樹脂粒子、中空粒子、ポリスチレン樹脂粒子及びスチレン/アクリル共重合体樹脂粒子の群から選ばれる少なくとも1種の粒子が使用される。好ましくは、透光性粒子13bは0.3μm〜5.0μmの粒子径rを有する。透光性粒子13bの粒子径rは、透光性樹脂13aの厚さdより大きい。粒子径rと厚さdとは、r/10≦d≦r/1.33の関係であることが好ましい。dがr/10より小さいと、透光性粒子13bを固定するための接着力が不足する場合がある。dがr/1.33より大きいと、透光性粒子13bと第2の透明層14との接触面積が小さくなる。透光性粒子13bと第2の透明層14の屈折率差で拡散性を制御するのが困難となる。粒子径rと厚さdとは、r/10≦d≦r/1.33の関係とすることにより、透光性樹脂13aと透光性粒子13bとの接着力を維持し、かつ透光性粒子13bと第2の透明層14の屈折率差で拡散性を制御することが可能となる。
透光性粒子13bは、1.58以上、あるいは1.38以下の屈折率を有することが好ましい。第2の透明層14との間で屈折率差を0.1以上にすることができるからである。
透光性樹脂13aの屈折率n及び厚さdは、好ましくは、第2の透明層14に光が照射されたときの干渉縞を低減する目的で、決定される。支持体11の屈折率nとし、第2の透明層の屈折率nとしたとき、透光性樹脂13aの屈折率nは以下の式(1)を満たすことが好ましい。透光性樹脂13aの厚さdは、測定波長λと透光性樹脂13aの屈折率nとから、以下の式(2)を満たすことが好ましい。λは、人に対する視感度が高い550の波長の光を考慮して選択することが好ましい。干渉縞の低減効果が大きいからである。Aは1,3,5の奇数である。A=1が最も干渉縞を防止することができる。ただし、奇数倍のA=3、5でも干渉縞を防止することができる。
=(支持体の屈折率n×第2の透明層の屈折率n0.5…(1)
=(λ(=550)/(4×n))×A (A=1、3、5)…(2)
透光性樹脂13aに、電子導電により導電性を発現する金属酸化物粒子を含ませることができる。金属酸化物粒子としては、一般の金属酸化物を使用することができ、例えば、ZnO、TiO、SnO、Al、In、MgO、BaO、MoO、これらの複合酸化物、又はこれらの金属酸化物にさらに異種元素を少量含む金属酸化物、等が挙げられる。このような金属酸化物のうち、SnO、ZnO、TiO、Inが好ましく、SnOが特に好ましい。電子導電により導電性を発現する金属酸化物粒子の代わりに、ポリチオフェン系などπ電子共役系の導電性ポリマーを含有させてもよい。
透光性樹脂13aに、電子導電により導電性を発現する金属酸化物粒子及びπ電子共役系の導電性ポリマーのいずれかを加えることにより、透光性樹脂13aの表面抵抗が1012Ω/□以下に調整される。十分な帯電防止性を得ることができ、光学積層フィルム10,20塵や埃が吸着するのを防止することができる。
透光性樹脂13aの屈折率を調整する目的で、透光性樹脂13aには金属酸化物からなる微粒子を含ませてもよい。金属酸化物としては、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ニオブなどの屈折率が高いものが好ましい。屈折率が高いものほど、少量でも屈折率を変えることができるからである。金属酸化物の微粒子の粒子径は、1nm〜50nmの範囲が好ましく、2nm〜40nmの範囲が特に好ましい。金属酸化物の微粒子の量は、目的とする屈折率に応じて決定すればよいが、透光性樹脂13aの全質量を100としたときに微粒子の質量が10〜90の範囲となるように、透光性樹脂13aの中に含まれることが好ましく、30〜80の範囲となるように含まれることが特に好ましい。
[第2の透明層]
第2の透明層14が、第1の透明層13と接触するように設けられる。第2の透明層14は透光性粒子13bを覆い、第2の透明層14の表面は実質的に平滑面とされる。第2の透明層14は硬度と耐傷性を有するハードコート層であることが好ましい。これにより、光学積層フィルム10,20が損傷を受けるのを防止することができる。
第2の透明層14は、透光性粒子13bを実質的に覆う程度の厚さが必要となる。透光性樹脂13aの厚さd、透光性粒子13bの粒子径r、第2の透明層14の厚さdとすると、d≧(r−d)×200%を満たすことが好ましい。第2の透明層14の厚さdがこの範囲であれば、表面は実質的に平滑面であり、光学積層フィルム10,20により別部材に損用を与えるのを防止することができる。
第2の透明層14の厚さdは、0.5μm〜10μmであることが好ましい。0.7μm以上8μm以下の範囲にあることがより好ましく、0.9μm〜6μmの範囲であることがさらに好ましい。
第2の透明層14の厚さdは、第2の透明層用塗布液の塗布量を調整することにより制御することができる。
異物が光学積層フィルム10,20の表面に付着すると、光機能層15を形成するための硬化の際に、照射光であるUV光の透過を異物が妨げる。UV光の透過の妨げにより、光機能層15が部分的に硬化せず、欠陥となることがある。このような場合には、光学積層フィルム10,20の得率が下がる。また、光学積層フィルム20の均一な光機能層15となるように硬化させるための時間が長くなる。そこで、第2の透明層14の25℃、40%RHにおける表面抵抗率は10Ω/□以上1012Ω/□以下であることが好ましい。これにより、光学積層フィルム10,20に帯電防止機能が付与される。
光学積層フィルム10,20に帯電防止機能を付与するために、上記の表面抵抗率の第2の透明層14を形成する方法として、ハードコート層を形成する塗布液に、カチオン、アニオン、ベタインなどのイオン性の帯電防止剤を添加することが好ましい。その中でも、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムヘベタインなどのイミダゾリウム骨格を有するベタイン系の化合物が好ましい。イオン性の帯電防止剤に代えて、又は加えて、導電性の酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモンなどの金属酸化物からなる微粒子を用いてもよい。
上述したように透光性粒子13bの屈折率nと第2の透明層14の屈折率nとの差が0.1以上である。この屈折率差により光学積層フィルムに光拡散性を付与することができる。光拡散性について、JIS−K−7105に準じてヘイズメーター(NDH−2000、日本電色工業(株))により測定した光学積層フィルム10のヘイズ値は、3%〜20%であることが好ましい。
透光性粒子13bの分布密度を調整することによりヘイズ値を3%〜20%にすることができる。
透光性粒子13bの分布密度は、10〜1000個/mmである。透光性粒子13bの屈折率nと第2の透明層14の屈折率nとの差が大きければ大きい程、分布密度を小さくでき、経済的である。また、透光性樹脂13aの厚さdが小さい程、透明層14との接触面積が大きくなり、分布密度を小さくできる。但し、dがr/10より小さいと、透光性粒子13bを固定するための接着力が不足する。
第2の透明層14を形成するハードコート用塗布液は、光重合開始剤が不要な、熱硬化型の塗布液であることが好ましい。すなわち、第2の透明層14は、熱硬化する塗布液を塗布し、このハードコート用塗布液を加熱により硬化させて形成することが好ましい。
熱により硬化する素材としては、一般的な熱硬化性樹脂、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、シリコーン系素材などが挙げられる。特に、三次元架橋したシロキサン結合を有するシリコーン樹脂は、架橋密度が高いために、高硬度の膜が形成可能である。
これらの中でも、第2の透明層14に使用する素材としては、水溶性又は水分散性の素材を使用することが好ましく、これらの素材からなる水性のハードコート用塗布液を使用することが、VOC(volatile organic compounds)による環境汚染を低減する観点から特に好ましい。
第2の透明層14を形成するハードコート用塗布液は、テトラアルコキシシランと一般式(1)で表す有機ケイ素化合物とが酸性の水溶液中で加水分解することにより生成したシラノールの水溶液と、前記シラノールを脱水縮合させる水溶性の硬化剤と、水に分散しているコロイド粒子の平均粒子径が3nm以上50nm以下の範囲であるコロイダルシリカとを含むものである。
R1Si(OR2)3 …(1)
(ここで、R1はアミノ基を含まない炭素数が1以上15以下の有機基、R2はメチル又はエチル基)
<一般式(1)の有機ケイ素化合物>
ハードコート用塗布液の第1成分である一般式(1)の有機ケイ素化合物のうち好ましい化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、クロロプロピルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、クロロプロピルメチルジエトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシエトキシ)エトキシ]エチルウレタン、3−トリエトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシエトキシ)エトキシ]エチルウレタン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシプロポキシ)プロポキシ]プロピルウレタン、3−トリエトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシプロポキシ)プロポキシ]プロピルウレタンが挙げられる。
中でも、n=0のトリアルコキシシランがより好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシエトキシ)エトキシ]エチルウレタン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシプロポキシ)プロポキシ]プロピルウレタンがある。
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、アミノ基を官能基として含まない。つまり、この有機ケイ素化合物は、アミノ基をもたない有機基R1を有している。R1がアミノ基を有する場合は、テトラアルコキシシランと混合して加水分解すると、生成するシラノール同士で脱水縮合が促進されてしまい、このため、ハードコート用塗布液が不安定となるからである。R1は、炭素数が1以上15以下の範囲であるような分子鎖長をもつ有機基であればよい。ただし、脆性がより改善された第2の透明層14を得るため、及び、第2の透明層14と第1の透明層13との密着性をより向上させるためには、炭素数の範囲は3以上15以下がより好ましく、5以上13以下がさらに好ましい。なお、炭素数が15以下とすることにより16以上である場合に比べて、第2の透明層14の柔軟性が過度に大きくならず、十分な硬度となる。
そして、R1で示す有機基が酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を有することが好ましい。有機基がヘテロ原子をもつことにより、第1の透明層13との密着力をより向上させることができる。特に、エポキシ基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基などが有機基R1中にあることが好ましい。中でも、エポキシ基を含有する有機ケイ素化合物は、酸性水中でのシラノールの安定性を高める効果があり、特に好ましい。
<テトラアルコキシシラン>
テトラアルコキシシランをハードコート用塗布液の第2成分として用いることにより、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物との加水分解で生じるシラノールの脱水縮合による架橋密度を高くする。これにより、従来よりも硬い第2の透明層14を形成することができる。
テトラアルコキシシランは特に限定されないが、炭素数が1〜4のものがより好ましく、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが特に好ましい。炭素数が4以下であることにより、5以上である場合に比べて、酸性水と混ぜたときのテトラアルコキシシランの加水分解速度が遅くなりすぎることがなく、均一な水溶液にするまでの溶解に要する時間がより短くなる。
一般式(1)の有機ケイ素化合物の質量をX1、テトラアルコキシシランの質量をX2とするときに、{X2/(X1+X2)}×100で求めるテトラアルコキシシランの質量比率は、20%以上95%以下の範囲が好ましく、30%以上90%以下の範囲が特に好ましい。この範囲の質量比率とすることにより、架橋密度を高くすることができるので、十分に高い硬度をもつとともに脆性がより改善された第2の透明層14を得ることができる。この質量比率が20以下の場合には、20%未満の場合と比べて、架橋密度が低すぎることがなく、このため第2の透明層14が十分に硬くなる。また、上記質量比率が90%以下である場合には、90%を超える場合に比べて、架橋密度が高くなりすぎることがない。このため、良好な柔軟性を有し、脆さが無い第2の透明層14がより確実に得られる。
<酸性水>
塗布液の第3成分としての酸性水は、水素イオン指数(pH)が2以上6以下の範囲のものが好ましく、2.5以上5.5以下の範囲が特に好ましい。pHが2未満または6より大きいと、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物とをこの酸性水に混合して水溶液としたときに、この水溶液、すなわちアルコキシシラン水溶液で、アルコキシシランが加水分解されてシラノールが生成した後、シラノールの縮合が進み、この水溶液の粘度の上昇が起こりやすくなる傾向があるからである。なお、上記のpHの値は、いわゆる「室温」とされる25℃での値である。
酸性水は、有機酸又は無機酸を水に溶解することにより得る。酸は、特に限定されないが、酢酸、プロピオン酸、蟻酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸などの有機酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸などの無機酸を使用することができる。中でも、取り扱い性の点からは酢酸が好ましい。
アルコキシシラン水溶液は、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物との合計量、すなわち用いたアルコキシシランの量を100質量部とするときに、酸性水の量が60質量部以上2000質量部以下の範囲となるように、調製される。この組成とすることにより、良好な加水分解性と生成したシラノールの安定性とをもつアルコキシシランの加水分解水溶液が得られる。そして、このようなアルコキシシランの加水分解水溶液、すなわちシラノール水溶液を用いて得られるハードコート用塗布液は、水性であるにも関わらず安定性に優れたものとなり、光学積層フィルム10,20の製造開始までの貯蔵時間の制約が少なく、また、光学積層フィルム10,20の連続製造で製造条件をハードコート用塗布液の性状変化により変化させるという必要もなくなる。酸性水の量は、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物との合計100質量部に対して、100質量部以上1500質量部以下の範囲がより好ましく、150質量部以上1200質量部以下の範囲が特に好ましい。アルコキシシラン100質量部に対して酸性水が60質量部未満では、アルコキシシランの加水分解により生成したシラノールが脱水縮合することにより水溶液のゲル化が進行しやすい傾向があるが、60質量部以上とすることで、このゲル化をより確実に抑制することができる。一方、酸性水が2000質量部以上である場合には、2000質量部を超える場合に比べて、塗布液中のアルコキシシランの濃度が高いため、第2の透明層14を十分な厚みに形成するための塗布量が多くなりすぎることがない。そのため、ハードコート用塗膜の厚みムラの発生や、塗膜の乾燥時間の長期化をより確実に防止することができる。
なお、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物とのいずれとも異なるシラン化合物をハードコート用塗布液に用いてもよい。この場合には、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物とその他のシラン化合物との合計量100質量部に対して、酸性水が60質量部以上2000質量部以下の範囲となるように、これらを混合することが好ましい。
<コロイダルシリカ>
ハードコート用塗布液には、第4成分としてコロイダルシリカを含ませてもよい。このコロイダルシリカは、二酸化ケイ素又はその水和物が水に分散したコロイドであり、コロイド粒子の平均粒子径が3nm〜50nmの範囲である。コロイド粒子の平均粒子径が3nm以上であることにより、ハードコート用塗布液の粘度が過度には高くならないのでコロイダルシリカの添加が塗布条件を制約することもなく、第2の透明層14をより硬く形成することができる。また、コロイド粒子の平均粒子径が50nm以下であることにより、第2の透明層14に入射した光の散乱が過度に大きくならず、光学積層フィルム10,20の透明性を損なうことがない。コロイド粒子の平均粒子径は、4nm〜50nmの範囲であることが好ましく、4nm〜40nmの範囲であることがより好ましく、5nm〜35nmの範囲であることが特に好ましい。
なお、コロイダルシリカは、ハードコート用塗布液中に添加される時点でのpHが2以上7以下の範囲に調整されていることがより好ましい。このpHが2以上7以下であると、2よりも小さいあるいは7よりも大きい場合に比べて、アルコキシシランの加水分解物であるシラノールの安定性がより良好で、このシラノールの脱水縮合反応が速く進行することによる塗布液の粘度上昇をより確実に抑制することができる。
コロイダルシリカの量は、テトラアルコキシシランと一般式(1)の有機ケイ素化合物との合計100質量部に対して、40質量部以上200質量部以下の範囲が好ましく、80質量部以上150質量部以下の範囲がより好ましい。コロイダルシリカの量が40質量部以下の場合には、加熱硬化時の脱水縮合による体積収縮率が大きくなり、硬化膜にヒビワレが発生することがあるが、40質量部以上にすることにより、このワレをより確実に抑止することができる。またコロイダルシリカの添加量が200質量部を超えると、膜の脆性が大きくなって光学積層フィルム10,20を曲げることによりクラックが発生することがあるが、このような現象は、200質量部以下にすることで、より確実に防止することができる。
<硬化剤>
ハードコート用塗布液の第5成分としての硬化剤は水溶性であることが好ましい。硬化剤は、シラノールの脱水縮合を促してシロキサン結合の形成を促進させるものである。水溶性の硬化剤としては、水溶性の無機酸、有機酸、有機酸塩、無機酸塩、金属アルコキシド、金属錯体を用いることができる。
無機酸としては、ホウ酸、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸が好ましいものとして挙げられる。
有機酸としては、酢酸、蟻酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸が好ましいものとして挙げられる。
有機酸塩としては、酢酸アルミ、シュウ酸アルミ、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、酢酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酢酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウムが好ましいものとして挙げられる。
無機酸塩としては、塩化アルミ、硫酸アルミ、硝酸アルミ、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムが好ましいものとして挙げられる。
金属アルコキシドとしては、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドが好ましいものとして挙げられる。
金属錯体としては、アルミニウムアセチルアセトナート、アルミニウムエチルアセトアセテート、チタンアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテートが好ましいものとして挙げられる。
以上の硬化剤の中でも、特に、ホウ酸、リン酸、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムアセチルアセトナートなど、ホウ素を含む化合物、リンを含む化合物、アルミニウムを含む化合物が、水溶性、水中での安定性の観点で好ましく、これらのうち少なくともいずれか1種類を硬化剤として用いるとよい。
硬化剤は、塗布液中に均一に混合、溶解することが好ましく、本発明におけるハードコート用塗布液の溶剤としての水に溶解することが、第2の透明層14の透明性を確保する上で好ましい。水への溶解性が低い場合には、塗布液中に固体として存在するため、塗布乾燥後にも異物として残留し、場合によっては透明度が低い第2の透明層14となってしまうことがあるからである。
硬化剤の量は、テトラアルコキシシランと一般式(1)で表す有機ケイ素化合物とを含む全てのアルコキシシラン100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下の範囲が好ましく、0.5質量部以上10質量部以下の範囲がさらに好ましく、1質量部以上8質量部以下の範囲が特に好ましい。
<その他の添加物>
光学積層フィルム10,20の表面特性、特に摩擦係数を制御するために、ハードコート用塗布液には、マット剤やワックスを含ませても良い。
マット剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ポリスチレン、ポリスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメチルメタクリレート、架橋ポリメチルメタクリレート、メラミン、ベンゾグアナミン等の有機、無機の素材を使用することができる。
ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、ポリエステル系ワックス、カルナバワックス、脂肪酸、脂肪酸アマイド、金属石鹸等を使用することができる。
また、ハードコート用塗布液には、界面活性剤を含ませても良い。界面活性剤を用いることにより、ハードコート用塗布液の表面張力を下げて、第1の透明層13に対するハードコート用塗布液の塗布ムラを抑制し、均一な厚みの第2の透明層14を第1の透明層13に形成することができるようになる。界面活性剤は特に限定されないが、脂肪族、芳香族、フッ素系のいずれの界面活性剤でもよく、また、ノニオン系、アニオン系、カチオン系のいずれの界面活性剤でもよい。
[実施例]
以下、本発明の実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。ただし、これらに限定されるものではない。
<実施例1>
[支持体]
Ti化合物を触媒として重縮合した固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という)樹脂を含水率50ppm以下に乾燥させ、ヒータ温度が280〜300℃設定温度の押し出し機内で溶解させた。溶解させたPET樹脂をダイ部より静電印加されたチルロール上に吐出させ、非結晶ベースを得た。得られた非結晶ベースをベース走行方向に3.1倍に延伸後、幅方向に3.8倍延伸し、厚さ250μmのPET支持体を得た。
[易接着層]
上記PET支持体(屈折率1.66)の一方の面にコロナ放電処理を施し、下記組成からなる易接着層用塗布液をバーコート法により支持体上に塗布した。塗布量を9.75cc/m2とし、145℃で1分乾燥した。これにより、支持体上に約0.8μm厚みの易接着層を形成した。
[易接着層用塗布液1]
ポリエステル樹脂バインダ 124.0質量部
(互応化学(株)製、プラスコート Z-687、固形分25%)
ポリエステル樹脂バインダ 106.9質量部
(DIC(株)製、ファインテックス ES-650、固形分 29%)
アクリル樹脂バインダ 0.8質量部
(ダイセル化学工業(株)製、EM48D、固形分27.5%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 31.0質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
オキサゾリン化合物 69.9質量部
(日本触媒(株)製、エポクロスK2020E、固形分40%)
界面活性剤A 12.3質量部
(日本油脂(株)、ラピゾールB-90の1%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 29.7質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
PMMA球状粒子 0.7質量部
(綜研化学(株)、MR−2Gを水分散したもの、固形分15%)
すべり剤 3.3質量部
(中京油脂(株)製、カルナバワックス分散物セロゾール524 固形分30%)
防腐剤 1.1質量部
(大東化学(株)製、AF−337、固形分3.5%メタノール溶媒)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
[第1の透明層]
支持体の一方の面に易接着層を形成した後、その他方の面に下記組成からなる第1の透明層用塗布液1をバーコート法により塗布した。塗布量を8.4cc/m2とし、145℃で1分乾燥した。これにより、易接着層が形成された面とは反対側に、膜厚約0.1μmの第1の透明層を形成した。
[第1の透明層用塗布液1]
自己架橋型ポリウレタン樹脂バインダ 35.0質量部
(三井化学(株)製、タケラックWS-4000、固形分30%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 5.0質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
二酸化スズ−アンチモン複合針状金属酸化物水分散物 43.7質量部
(石原産業(株)製、FS−10D、固形分20%)
界面活性剤C 2.1質量部
(三洋化成工業(株)製、サンデッドBLの10%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 21.0質量部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティーCL-95の1%水溶液、ノニオン性)
メラミン樹脂粒子の水分散物 96.3質量部
(日産化学工業(株)製、粒子径0.5μm、オプトビーズ500SLを超音波で10%に水分散したもの)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
引き続き下記組成からなる第2の透明層用塗布液を、バーコート法により第1の透明層上に塗布した。塗布量を10.4cc/m2とし、145℃で1分乾燥した。これにより、膜厚約1μmの第2の透明層を形成した。
[第2の透明層用塗布液]
酢酸水溶液 150.0質量部
(ダイセル化学工業(株)製、工業用酢酸の1%水溶液)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 58.1質量部
(信越化学工業(株)製、KBE-403)
テトラメトキシシラン 67.3質量部
(信越化学工業(株)製、KBE-04)
コロイダルシリカ 591.4質量部
(日産化学工業(株)製、スノーテックスOS、固形分20%)
硬化剤 2.0質量部
(川崎ファインケミカル(株)製、アルミキレートA(W))
界面活性剤C 17.7質量部
(三洋化成工業(株)製、サンデッドBLの10%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 49.3質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
蒸留水 64.2質量部
なお、第2の透明層用塗布液を、以下の方法で調液した。
酢酸水溶液を激しく攪拌しながら、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、この酢酸水溶液中に3分間かけて滴下した。引き続き、テトラアルコキシシランを、酢酸水溶液中に強く攪拌しながら5分かけて添加し、その後2時間攪拌を続けた(この水溶液をX液とする)。
コロイダルシリカ中に硬化剤を添加し、2時間攪拌を続けた(この水溶液をY液とする)。
水溶液Xに水溶液Y、界面活性剤、蒸留水を順次添加した。
[光機能層]
易接着層及び耐傷性層を支持体に形成した後、易接着層側に下記プリズム層塗工液をバーコート法により#24バーで塗工した。そして、60℃で3分乾燥を行った後に、プリズム層パターンを形成した金型をプリズム層塗工面に押し当て、支持体側からUV光(ウシオ電機(株)製メタルハライドランプUVL−1500M2)を2000mJ/cm2の条件で照射し、樹脂を硬化させた。前記金型から支持体を引き剥がすことで、頂角90°、ピッチ50μm、高さが28μmのプリズム層を形成した。
[プリズム層塗工液]
下記[化1]に示す化合物 34.3質量部
下記[化2]に示す化合物 13.7質量部
下記[化3]に示す化合物 13.7質量部
下記[化4]に示す化合物 6.9質量部
下記[化5]に示す化合物 1.4質量部
メチルエチルケトン 15.0質量部
プロピレングリコールモノメチルアセテート 15.0質量部
Figure 2012093379
Figure 2012093379
Figure 2012093379
Figure 2012093379
Figure 2012093379
<実施例2>
第1の透明層用塗布液1に代えて、下記組成からなる第1の透明層用塗布液2を用いた以外は、実施例1と同様に各層を形成した。
[第1の透明層用塗布液2]
自己架橋型ポリウレタン樹脂バインダ 105.0質量部
(三井化学(株)製、タケラックWS-4000、固形分30%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 14.9質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
二酸化スズ−アンチモン複合針状金属酸化物水分散物 91.7質量部
(石原産業(株)製、FS−10D、固形分20%)
界面活性剤C 6.3質量部
(三洋化成工業(株)製、サンデッドBLの10%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 63.0質量部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
メラミン樹脂粒子の水分散物 96.3質量部
(日産化学工業(株)製、粒子径0.5μm、オプトビーズ500SLを超音波で10%に
水分散したもの)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
<実施例3>
第1の透明層用塗布液1に代えて、下記組成からなる第1の透明層用塗布液3を用いた以外は、実施例1と同様に各層を形成した。
[第1の透明層用塗布液3]
自己架橋型ポリウレタン樹脂バインダ 35.0質量部
(三井化学(株)製、タケラックWS-4000、固形分30%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 5.0質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
二酸化スズ−アンチモン複合針状金属酸化物水分散物 43.7質量部
(石原産業(株)製、FS−10D、固形分20%)
界面活性剤C 2.1質量部
(三洋化成工業(株)製、サンデッドBLの10%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 21.0質量部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
架橋スチレン−アクリル樹脂の中空粒子水分散体 28.3質量部
(JSR(株)製、SX8782(A)、粒子径1.0μ、中空率55%、固形分21%)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
<比較例1>
第1の透明層用塗布液1に代えて、下記組成からなる第1の透明層用塗布液4を用いた以外は、実施例1と同様に各層を形成した。
[第1の透明層用塗布液4]
自己架橋型ポリウレタン樹脂バインダ 35.0質量部
(三井化学(株)製、タケラックWS-4000、固形分30%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 5.0質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
二酸化スズ−アンチモン複合針状金属酸化物水分散物 43.7質量部
(石原産業(株)製、FS−10D、固形分20%)
界面活性剤C 2.1質量部
(三洋化成工業(株)製、サンデッドBLの10%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 21.0質量部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
架橋PMMA粒子の水分散体 35.6質量部
(綜研化学(株)製、粒子径0.8μ、MX-80H3WTを超音波で10%に水分散したもの)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
<比較例2>
第1の透明層用塗布液1代えて、下記組成からなる第1の透明層用塗布液5用いた以外は、実施例1と同様に各層を形成した。
[第1の透明層用塗布液5]
自己架橋型ポリウレタン樹脂バインダ 35.0質量部
(三井化学(株)製、タケラックWS-4000、固形分30%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 5.0質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
二酸化スズ−アンチモン複合針状金属酸化物水分散物 43.7質量部
(石原産業(株)製、FS−10D、固形分20%)
界面活性剤C 2.1質量部
(三洋化成工業(株)製、サンデッドBLの10%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 21.0質量部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
シリカ粒子の水分散体 15.0質量部
(日本触媒(株)製、粒子径0.5μ、シーホスターKE-W50、固形分20%)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
<比較例3>
第1の透明層用塗布液1代えて、下記組成からなる第1の透明層用塗布液6用いた以外は、実施例1と同様に各層を形成した。
[第1の透明層用塗布液6]
自己架橋型ポリウレタン樹脂バインダ 35.0質量部
(三井化学(株)製、タケラックWS-4000、固形分30%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 5.0質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
界面活性剤C 2.1質量部
(三洋化成工業(株)製、サンデッドBLの10%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 21.0質量部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
メラミン樹脂粒子の水分散物 96.3質量部
(日産化学工業(株)製、粒子径0.5μm、オプトビーズ500SLを超音波で10%に水分散したもの)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
<比較例4>
第1の透明層用塗布液1代えて、下記組成からなる第1の透明層用塗布液7用いた以外は、実施例1と同様に各層を形成した。
[第1の透明層用塗布液7]
自己架橋型ポリウレタン樹脂バインダ 35.0質量部
(三井化学(株)製、タケラックWS-4000、固形分30%)
カルボジイミド構造を複数個有する化合物 5.0質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV-02-L2、固形分40%)
界面活性剤C 2.1質量部
(三洋化成工業(株)製、サンデッドBLの10%水溶液、アニオン性)
界面活性剤B 21.0質量部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー CL-95の1%水溶液、ノニオン性)
メラミン樹脂粒子の水分散物 48.0質量部
(日産化学工業(株)製、粒子径3.5μm、オプトビーズ3500Mを超音波で10%に水分散したもの)
蒸留水 全体が1000質量部になるよう添加
[評価]
上記実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた光学積層フィルムについて、以下の評価を行った。
[膜厚]
ミクロトーム切削により、得られたサンプルの断面出しを行い、透過型電子顕微鏡(JEM2010(日本電子化(株)製))を用いて倍率200000倍で測定した。
[透光性粒子の粒子径]
第1の透明層に使用する透光性粒子を、粉体の場合はそのまま、液体の場合は蒸発乾燥させて粉体とし、SEM試料台上のカーボンテープ上に振りかけ、倍率10000倍〜30000倍でSEM観察し、平均粒子径を求めた。
[屈折率]
第1の透明層の屈折率に関しては、第1の透明層を形成するために用いた塗布液(第1の透明層用塗布液1,2,3,4,5,6,7)から、それぞれ透光性樹脂を除いた液を作製し、シリコンウエハ上に乾燥膜厚が3〜4μmになるように塗布し、105℃で10分乾燥した。この試料につきSPA−400(Sairon Technology,Inc.社製)を用いて、波長660nm、850nm、1310nm、1550nmでプリズムカプラ法にて屈折率測定を行った。これら屈折率、波長よりセルメイヤーの式から550nmの屈折率を求めた。
第2の透明層の屈折率に関しては、シリコンウエハ上に第2の透明層用塗布液そのものを乾燥膜厚が3〜4μmになるように塗布し、145℃で1分乾燥した。第1の透明層の屈折率と同様に550nmの屈折率を求めた。
透光性粒子の屈折率に関しては、メーカー値、文献値をそれぞれ採用した。
[ヘイズ]
光学積層フィルム10の形態において、ヘイズメーター(NDH−2000、日本電色工業(株))を用い、JIS−K−7105に準じて、ヘイズを測定した。
[表面抵抗]
各実施例及び各比較例で得られた光学積層フィルム20において、第2の透明層14面側の表面抵抗SR(Ω/□)を、JIS−K−6911−1979の抵抗率に記載されている方法に基づいて測定した。この表面抵抗SR(Ω/□)の測定は、各サンプルを23℃、65%RHの雰囲気下で6時間放置して調湿した後、同雰囲気下で定電圧電源(TR−300C、タケダ理研工業(株)製)、電流計(TR−8651、タケダ理研工業(株)製)、及びサンプルチャンバー(TR−42、タケダ理研工業(株)製)を用いて行われた。
[干渉縞評価方法]
各実施例及び各比較例で得られた光学積層フィルム10の易接着層12側面を黒ペンキで塗布して黒化処理したサンプルを作製。黒化処理したサンプルと未処理のサンプルの双方を、黒色ドスキン布を貼り合わせた机の上に第2の透明層14面側を上にして置き、乳白色のアクリル板を通した3波長蛍光灯の拡散光を表面に照射した。そして、表面で反射した反射光を目視により観察して、干渉縞を下記のA〜Cの3段階の基準で判断した。
A:黒化処理サンプル及び未処理サンプルの双方において、干渉縞が目視で確認された。
B:黒化処理サンプルでは干渉縞が目視で確認できるが、未処理サンプルでは確認されなかった。
C:黒化処理サンプル及び未処理サンプルの双方において、干渉ムラが目視で確認された。
なお、上記A及びBは製品上問題がないレベルである。
[耐傷性の評価方法]
スチールウール#0000を、200g/cmの加重をかけて第2の透明層14の上を20回往復させ、目視で傷の発生を観察し、以下の基準で評価した。
A:傷が全く認められず、非常に良い
B:傷が1〜7本認められるものの、実用上問題が無いレベル
C:多数の傷が認められ、製品として用いることができないレベル
[積層される他部材に対する傷付き性の評価方法]
各実施例及び各比較例で得られた光学積層フィルム20をそれぞれ2枚、光機能層15上に第2の透明層14が接触するように重ね合わせ、10gの分銅を載せて引きずった。
目視で傷の発生を観察し、以下の基準で評価した。
A:傷が全く認められず、非常に良い
B:傷が1〜7本認められるものの、実用上問題が無いレベル
C:多数の傷が認められ、製品として用いることができないレベル
[第2の透明層14面の平滑性]
各実施例及び各比較例で得られた光学積層フィルム20において、第二の透明層14面側の平滑性に関し、JIS B0601(1994)での10点平均粗さRzの値を指標とした。
上記実施例及び比較例の評価結果を図3の表に示す。
10,20…光学積層フィルム、11…支持体、12…易接着層、15…光機能層、13…第1の透明層、13a…透光性樹脂、13b…透光性粒子、14…第2の透明層

Claims (8)

  1. 支持体と、
    前記支持体の一方の面に設けられた易接着層と、
    前記支持体の他方の面に設けられた透光性樹脂と透光性粒子を含む第1の透明層を備え、前記透光性粒子は、前記透光性樹脂の厚さdより大きな粒子径rを有し、
    前記第1の透明層上に形成され、表面が実質的に平滑である第2の透明層と備え、
    前記透光性粒子の屈折率nと前記第2の透明層の屈折率nとの差が0.1以上であることを特徴とする光学積層フィルム。
  2. 前記透光性樹脂の屈折率nが下記(1)式を満たし、かつ前記透光性樹脂の厚さdが(2)式を満たす請求項1記載の光学積層フィルム。
    = (支持体の屈折率n×第2の透明層の屈折率n0.5…(1)
    = (550/(4×n))×A (A=1、3、5)…(2)
  3. 前記第2の透明層がシリカ系化合物から形成される無機層である請求項1又は2記載の光学積層フィルム。
  4. 前記透光性粒子がメラミン樹脂粒子、中空粒子、ポリスチレン樹脂粒子及びスチレン/アクリル共重合体樹脂粒子の群から選ばれる少なくとも1種の粒子である請求項1から3のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
  5. 前記第1の透明層は、電子導電により導電性を発現する金属酸化物粒子及びπ電子共役系の導電性ポリマーのいずれかを含み、前記第1の透明層の表面抵抗が1012Ω/□以下である請求項1から4のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
  6. 前記易接着層は、電子導電により導電性を発現する金属酸化物粒子及びπ電子共役系の導電性ポリマーのいずれかを含み、前記易接着層の表面抵抗が1012Ω/□以下である請求項1から4のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
  7. 前記易接着層上に光機能層をさらに備える請求項1から6のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の光学積層フィルムを搭載する表示装置。
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