JP2006119476A - 反射防止積層体および光学部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 紫外線による劣化が小さく、かつ反射防止性能、湿度による寸法変化、透明性、機械的強度の全てに優れ、反射防止機能付き偏光板保護フィルムとして特に有用な反射防止積層体、並びにこの反射防止積層体を用いる光学部材を提供すること。
【解決手段】 透明プラスチックフィルム上に、少なくとも高屈折率層及び低屈折率層がこの順序で積層されてなる反射防止積層体であって、200nm〜340nmの波長域における光線透過率が5%以下であることを特徴とする反射防止積層体。
【解決手段】 透明プラスチックフィルム上に、少なくとも高屈折率層及び低屈折率層がこの順序で積層されてなる反射防止積層体であって、200nm〜340nmの波長域における光線透過率が5%以下であることを特徴とする反射防止積層体。
Description
本発明は、反射防止積層体、およびそれを用いた光学部材に関し、特に、偏光板の表面に貼着して使用される反射防止積層体、およびそれを用いた光学部材に関する。
パーソナルコンピューター、テレビ、携帯電話等、電子機器のディスプレイの表示部には、その最表面に、外部光の映りこみ、反射、ギラツキを抑え、画面を見やすくする(視認性を向上させる)ために、反射防止層を設けることが多い。液晶表示装置においては、最表面に位置する偏光板にかかる反射防止層が形成される。偏光板は、通常偏光子の両面に保護膜が積層された3層構造となっている。従って反射防止層は、ディスプレイ表面に位置する一方の保護膜上に形成されることとなる。
従来、偏光子としては、1軸配向ポリビニルアルコールにヨウ素及び/又は2色性染料を吸着させたものが一般的に使用されている。また保護膜としてはトリアセチルセルロース(TAC)フィルムが平面性、光線透過性、無配向性等に優れるため、一般的に使用されている。TACフィルムは、バンドまたはドラム上にドープを流延し剥ぎ取った後にこれを乾燥する、いわゆる溶液製膜法で一般的に製造されている。
しかしながら、TACフィルムは、吸湿による寸法変化が大きく、特に液晶表示画面が大型化した際には画像品質に大きな問題が生じる。代替として脂環式オレフィン重合体樹脂フィルム、特にノルボルネン系重合体樹脂フィルムを用いることで、この困難は克服できる。
一方で、偏光子が紫外線で容易に劣化するため、偏光子保護フィルムには紫外線の吸収性能が要求される。TACフィルムでは、ドープ中に紫外線吸収剤を溶解させることで、紫外線吸収剤をフィルム中に一様に分散させることができる。しかし、ノルボルネン系重合体樹脂フィルム中へ紫外線吸収剤を混練配合すると、紫外線吸収剤が表面にブリードアウトしてしまい、安定的に性能を維持することが困難であった。
かかる偏光板保護フィルムに紫外線吸収機能を付与するために、特許文献1にフィルム表面に耐磨耗性層を形成し、該層に紫外線吸収剤を含有させる方法が提案されている。また特許文献2には、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムシート等に好適な光学シートとして、紫外線吸収剤を添加した紫外線硬化型樹脂層を透明基材上に形成した例が報告されている。
しかしながら、このような方法では、偏光板保護フィルムに要求される紫外線吸収性能を十分に満足させることはできなかった。
しかしながら、このような方法では、偏光板保護フィルムに要求される紫外線吸収性能を十分に満足させることはできなかった。
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、紫外線による劣化が小さく、かつ反射防止性能、湿度による寸法変化、透明性、機械的強度の全てに優れ、反射防止機能付き偏光板保護フィルムとして特に有用な反射防止積層体、並びにこの反射防止積層体を用いる光学部材を提供することを課題とする。
かくして本発明の第1によれば、透明プラスチックフィルム上に、少なくとも高屈折率層及び低屈折率層がこの順序で積層されてなる反射防止積層体であって、200nm〜340nmの波長域における光線透過率が5%以下であることを特徴とする反射防止積層体が提供される。
本発明の反射防止積層体においては、前記高屈折率層が、活性エネルギー線硬化型樹脂を主成分とし、かつ紫外線吸収剤を含有してなることが好ましく、さらには、前記活性エネルギー線硬化型樹脂が紫外線硬化型樹脂であって、少なくとも(a)重合性化合物と(b)紫外線感応性ラジカル重合性開始剤とからなり、(a)重合性化合物が、メタクリロイル基又はアクリロイル基を1分子当たり平均で3個以上含有し、かつ重合性化合物の重量平均分子量が1000以上であることが好ましい。
本発明の反射防止積層体においては、前記低屈折率層がエアロゲルからなり、その屈折率が1.25〜1.35であることが好ましい。
本発明の反射防止積層体においては、透明プラスチックフィルムが脂環式構造を有する重合体樹脂からなるものであることが好ましい。
本発明の反射防止積層体においては、前記高屈折率層が、活性エネルギー線硬化型樹脂を主成分とし、かつ紫外線吸収剤を含有してなることが好ましく、さらには、前記活性エネルギー線硬化型樹脂が紫外線硬化型樹脂であって、少なくとも(a)重合性化合物と(b)紫外線感応性ラジカル重合性開始剤とからなり、(a)重合性化合物が、メタクリロイル基又はアクリロイル基を1分子当たり平均で3個以上含有し、かつ重合性化合物の重量平均分子量が1000以上であることが好ましい。
本発明の反射防止積層体においては、前記低屈折率層がエアロゲルからなり、その屈折率が1.25〜1.35であることが好ましい。
本発明の反射防止積層体においては、透明プラスチックフィルムが脂環式構造を有する重合体樹脂からなるものであることが好ましい。
本発明の第2によれば、本発明の反射防止積層体を備える光学部材が提供される。本発明の光学部材は、偏光板であることが好ましい。
本発明の反射防止積層体を偏光板に適用すると、紫外線による偏光板の劣化を防止し、かつ反射防止性能、湿度による寸法変化、透明性、機械的強度の全てに優れるものであり、生産性にも優れている。
本発明の光学部材は本発明の反射防止積層体を用いているので、優れた耐候性、反射防止性能を有し、生産性にも優れている。
本発明の光学部材は本発明の反射防止積層体を用いているので、優れた耐候性、反射防止性能を有し、生産性にも優れている。
以下本発明を、(1)反射防止積層体、(2)光学部材に項分けして詳細に説明する。
(1)反射防止積層体
本発明の反射防止積層体は、透明プラスチックフィルム上に、少なくとも高屈折率層及び低屈折率層がこの順序で積層されてなる積層体であって、200nm〜340nmの波長域における光線透過率が5%以下であることを特徴とする。
本発明の反射防止積層体は、基材として透明プラスチックフィルムを用いる。本発明に用いる透明プラスチックフィルムは、透明性を有するプラスチックフィルムであれば特に制限されないが、全光線透過率が80%以上のものが好ましく、90%以上のものがより好ましい。全光線透過率が80%より低い場合は、ディスプレイ画像が暗くなり、画質が悪化する。
本発明の反射防止積層体は、透明プラスチックフィルム上に、少なくとも高屈折率層及び低屈折率層がこの順序で積層されてなる積層体であって、200nm〜340nmの波長域における光線透過率が5%以下であることを特徴とする。
本発明の反射防止積層体は、基材として透明プラスチックフィルムを用いる。本発明に用いる透明プラスチックフィルムは、透明性を有するプラスチックフィルムであれば特に制限されないが、全光線透過率が80%以上のものが好ましく、90%以上のものがより好ましい。全光線透過率が80%より低い場合は、ディスプレイ画像が暗くなり、画質が悪化する。
前記透明プラスチックフィルムとしては、例えば、脂環式構造を含有する重合体、セルロース系重合体、ポリエステル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエーテルスルホン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリオレフィン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、ポリメタクリレート系重合体等が挙げられる。
これらの重合体は1種単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、透明性に優れ、光学的に異方性が無い観点から、脂環式構造を含有する重合体;セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系重合体が好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性等の観点から、脂環式構造を含有する重合体が特に好ましい。
これらの重合体は1種単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、透明性に優れ、光学的に異方性が無い観点から、脂環式構造を含有する重合体;セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系重合体が好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性等の観点から、脂環式構造を含有する重合体が特に好ましい。
脂環式構造を含有する重合体は、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を有するものであり、主鎖中に脂環式構造を含有する重合体、及び測鎖に脂環式構造を含有する重合体のいずれも用いることができる。
脂環式構造としては、例えばシクロアルカン構造、シクロアルケン構造等が挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素数は特に制限は無いが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。脂環式構造を構成する炭素原子数がこの範囲にあると、耐熱性及び柔軟性に優れた透明プラスチックフィルムを得ることができる。
脂環式構造としては、例えばシクロアルカン構造、シクロアルケン構造等が挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素数は特に制限は無いが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。脂環式構造を構成する炭素原子数がこの範囲にあると、耐熱性及び柔軟性に優れた透明プラスチックフィルムを得ることができる。
脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択すれば良いが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位が過度に少ないと耐熱性が低下し好ましくない。なお脂環式構造含有重合体における脂環式構造を有する繰り返し単位以外の繰り返し単位は、使用目的に応じて適宜選択される。
脂環式構造含有重合体の具体例としては、(i)ノルボルネン系重合体、(ii)単環の環状オレフィン系重合体、(iii)環状共役ジエン系重合体、(iv)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体が好ましい。
ノルボルネン系重合体としては、具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体と開環重合可能なその他の単量体との開環共重合体、及びこれらの水素化物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体と共重合可能なその他の単量体との付加重合体等が挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系単量体の開環(共)重合体の水素化物が特に好ましい。
ノルボルネン系単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:シクロペンタジエン)、7,8−ベンゾトリシクロ[4,3.0.12.5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、及びこれらの化合物の誘導体、例えば環に置換基を導入するもの等を挙げることができる。ここで置換基としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルコシキカルボニル基、カルボキシル基等を挙げることができる。また、これらの置換基は同一、又は相異なって複数個が環に結合しても良い。ノルボルネン系単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ノルボルネン系単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:シクロペンタジエン)、7,8−ベンゾトリシクロ[4,3.0.12.5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、及びこれらの化合物の誘導体、例えば環に置換基を導入するもの等を挙げることができる。ここで置換基としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルコシキカルボニル基、カルボキシル基等を挙げることができる。また、これらの置換基は同一、又は相異なって複数個が環に結合しても良い。ノルボルネン系単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ノルボルネン系単量体と開環重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のモノ環状オレフィン類及びその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン等の環状共役ジエン及びその誘導体;等が挙げられる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との開環共重合体は、単量体を開環重合触媒の存在下に重合することにより得ることができる。
開環重合触媒としては、公知のものを使用できる。
開環重合触媒としては、公知のものを使用できる。
ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体としては、例えばエチレン、プロピレン等の炭素数2〜20のα−オレフィン及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン等のシクロオレフィン及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエン等が挙げられる。これらの単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中ではα−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
ノルボルネン系単量体の付加重合体、及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能な他の単量体との付加共重合物は、単量体を付加重合触媒の存在下に重合することにより得ることができる。付加重合触媒としては、公知のものを使用することができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体と開環重合可能なその他の単量体との開環共重合体の水素化物は、公知の水素化触媒を用い、炭素−炭素不飽和結合を好ましくは90%以上水素化することによって得られる。
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の付加重合体重合体を挙げることができる。
また、環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等の環状共役ジエン系単量体を1,2−付加重合、又は1,4−付加重合した重合体を挙げることができる。
また、環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等の環状共役ジエン系単量体を1,2−付加重合、又は1,4−付加重合した重合体を挙げることができる。
ビニル脂環式炭化水素重合体は、ビニルシクロアルカン又はビニルシクロアルケン由来の繰り返し単位を有する重合体である。ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキサン等のビニル脂環式炭化水素化合物の重合体、及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族炭化水素化合物の重合体の芳香環部分の水素化物等が挙げられる。
また、ビニル脂環式炭化水素重合体は、ビニル脂環式炭化水素化合物やビニル芳香族炭化水素化合物と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体等の共重合体、及びその水素化物であっても良い。
また、ビニル脂環式炭化水素重合体は、ビニル脂環式炭化水素化合物やビニル芳香族炭化水素化合物と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体等の共重合体、及びその水素化物であっても良い。
前記透明プラスチックフィルムを構成する重合体の分子量は、溶媒としてシクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定したポリイソプレン又はポリスチレン換算の重量平均分子量が、通常10,000〜300,000、好ましくは20,000〜200,000の範囲である。分子量がこのような範囲にある時に、透明プラスチックフィルムの機械的強度と成形加工性とが高度にバランスされ好適である。
前記透明プラスチックフィルムを構成する重合体のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されれば良いが、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃〜250℃の範囲である。ガラス転移温度がこのような範囲にある時、透明プラスチックフィルムは、高温下での使用における変形や応力が生じることなく耐久性に優れる。
本発明の反射防止積層体の基材に用いる透明プラスチックフィルムは前記重合体を公知の成形方法によりフィルム状に成形することにより得ることができる。
フィルム状に成形する方法としては、溶液キャスティング法、又は溶融押出成形法が挙げられる。中でも、フィルム中の揮発成分の含有量や厚さムラを少なくできる点、及び生産性の観点から、溶融押出成形法が好ましい。さらに溶融押出成形法としては、Tダイ等のダイスを用いる方法やインフレーション法等が挙げられるが、厚み精度に優れる点でTダイを用いる方法が好ましい。
フィルムを成形する方法としてTダイを用いる方法を採用する場合、Tダイを有する押出機における溶融温度は、用いる重合体のガラス転移温度よりも80℃〜180℃高い温度にすることが好ましく、100℃〜150℃高い温度にすることがより好ましい。押出機での溶融温度が過度に低いと重合体の流動性が低下し、逆に溶融温度が過度に高いと重合体が劣化する可能性がある。
フィルム状に成形する方法としては、溶液キャスティング法、又は溶融押出成形法が挙げられる。中でも、フィルム中の揮発成分の含有量や厚さムラを少なくできる点、及び生産性の観点から、溶融押出成形法が好ましい。さらに溶融押出成形法としては、Tダイ等のダイスを用いる方法やインフレーション法等が挙げられるが、厚み精度に優れる点でTダイを用いる方法が好ましい。
フィルムを成形する方法としてTダイを用いる方法を採用する場合、Tダイを有する押出機における溶融温度は、用いる重合体のガラス転移温度よりも80℃〜180℃高い温度にすることが好ましく、100℃〜150℃高い温度にすることがより好ましい。押出機での溶融温度が過度に低いと重合体の流動性が低下し、逆に溶融温度が過度に高いと重合体が劣化する可能性がある。
さらに、フィルム状に成形する前に、用いる重合体を予備乾燥しておくことが好ましい。予備乾燥は、例えば原料をペレットの形態にして、熱風乾燥機を用いて行われる。乾燥温度は100℃以上が好ましく、乾燥時間は2時間以上が好ましい。予備乾燥を行うことにより、フィルム中の揮発成分量を低減させることができる。さらに押し出す重合体の発泡を防ぐことができる。
用いる透明プラスチックフィルムは、その飽和吸水率が0.05%未満であることが好ましい。飽和吸水率が0.05%未満であるものを使用することにより、反射防止積層体形成時に水分が放出されて品質が劣化したり、生産性が低下することが無い。また、吸湿によりフィルムが伸縮して、積層している層が透明プラスチックフィルムから剥離することも無い。特に、大型画面液晶表示装置において使用する場合には、吸湿による寸法変化が引き起こす画像品質の悪化を解消することができる。
また、本発明においては、用いる透明プラスチックフィルムとして、片面、又は両面に表面改質処理を施したものを使用することができる。表面改質を施した透明プラスチックスフィルムを使用することにより、後述する高屈折率層との密着性を向上させることができる。
表面改質方法としては、エネルギー線照射処理や薬品処理等が挙げられる。
エネルギー線照射処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等が挙げられ、処理効率の点から、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましい。薬品処理としては、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸等の酸化剤水溶液中に浸漬し、その後十分に水で洗浄する方法が挙げられる。但し、薬品処理は、長時間処理すると表面が溶解したり、透明性が低下したりするといった問題があり、用いる薬品の反応性、濃度等に応じて処理時間を調整する必要がある。
表面改質方法としては、エネルギー線照射処理や薬品処理等が挙げられる。
エネルギー線照射処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等が挙げられ、処理効率の点から、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましい。薬品処理としては、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸等の酸化剤水溶液中に浸漬し、その後十分に水で洗浄する方法が挙げられる。但し、薬品処理は、長時間処理すると表面が溶解したり、透明性が低下したりするといった問題があり、用いる薬品の反応性、濃度等に応じて処理時間を調整する必要がある。
透明プラスチックフィルムの厚みは、取り扱い容易性、加工性等から、通常10〜1000μmであり、透明性、及び機械的強度の観点から、好ましくは30〜300μm、より好ましくは40〜200μmである。
本発明の反射防止積層体の高屈折率層は、後述する低屈折率層の屈折率に比して大きな屈折率を有する層である。
高屈折率層を構成する材料としては、層全体として低屈折率層に比して大きな屈折率を有する樹脂であれば特に制限されないが、透明性、及び機械的強度に優れる点から、活性エネルギー線硬化型樹脂を主成分とすることが好ましい。更に、該活性エネルギー線硬化型樹脂は、生産性の観点から、紫外線硬化型樹脂であることがより好ましい。
更に、高屈折率層には紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
高屈折率層を構成する材料としては、層全体として低屈折率層に比して大きな屈折率を有する樹脂であれば特に制限されないが、透明性、及び機械的強度に優れる点から、活性エネルギー線硬化型樹脂を主成分とすることが好ましい。更に、該活性エネルギー線硬化型樹脂は、生産性の観点から、紫外線硬化型樹脂であることがより好ましい。
更に、高屈折率層には紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、重合性化合物を主成分とし、エネルギー線の照射により硬化してなる樹脂である。重合性化合物は、分子中に重合性不飽和結合、又はエポキシ基を有するオリゴマー、及び/又はモノマーからなる。活性エネルギー線は、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、通常は紫外線、又は電子線を用いる。
前記分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するオリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート等のメタクリレート類;ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類;もしくはカチオン重合型エポキシ化合物が挙げられる。
前記分子中に重合性不飽和結合、又はエポキシ基を有するモノマーの例としては、スチレン、α―メチルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メチル等の不飽和置換の置換アミノアルコールエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド類;エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタリレート等の多官能性アクリレート類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類等が挙げられる。本発明においては、これら分子中に重合性不飽和結合、又はエポキシ基を有するオリゴマー、及び/又はモノマーを1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、高屈折率層に紫外線吸収剤が含有されることが好ましい。高屈折率層に紫外線吸収剤が含有されることで、反射防止積層体全体の200〜340nmの波長域における光線透過率を5%以下に低減することができる。
紫外線吸収剤としては、公知のものを使用できる。例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステル系、トリアジン系の紫外線吸収剤が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−クロルベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリチル酸エステルなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
200〜340nmの波長域における光線透過率は、通常知られているビア・ランバート則に従うため、上記光線透過率の目標を達成するために必要な紫外線吸収剤の添加量と高屈折率層の厚さとは、計算により決定することができる。
後述するように高屈折率層が紫外線硬化型樹脂の場合は、紫外線感応型ラジカル重合性開始剤の紫外線吸収を良くするために、340nmより長波長の透過率はできる限り高い方が好ましい。紫外線吸収剤として、吸収ピークが340nmより低波長にあるものを選択することで、この目的は達成できる。例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤においては、2−(2’−ヒドロキシ−5’メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール;トリアジン系紫外線吸収剤においては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジンを使用することが好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−クロルベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリチル酸エステルなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
200〜340nmの波長域における光線透過率は、通常知られているビア・ランバート則に従うため、上記光線透過率の目標を達成するために必要な紫外線吸収剤の添加量と高屈折率層の厚さとは、計算により決定することができる。
後述するように高屈折率層が紫外線硬化型樹脂の場合は、紫外線感応型ラジカル重合性開始剤の紫外線吸収を良くするために、340nmより長波長の透過率はできる限り高い方が好ましい。紫外線吸収剤として、吸収ピークが340nmより低波長にあるものを選択することで、この目的は達成できる。例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤においては、2−(2’−ヒドロキシ−5’メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール;トリアジン系紫外線吸収剤においては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジンを使用することが好ましい。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、生産性の観点から、紫外線硬化型樹脂であることが好ましい。紫外線硬化型樹脂は、前述した重合性化合物へ、紫外線感応型ラジカル重合性開始剤を添加することで得られる。
但し、高屈折率層には紫外線吸収剤が含有されるために、紫外線感応型ラジカル重合性開始剤に紫外線が当たらず、硬化反応が不足する可能性がある。硬化反応を進行させるために、重合性化合物、及び紫外線感応型ラジカル性重合開始剤の選定は後述の方法に従うことが好ましい。
但し、高屈折率層には紫外線吸収剤が含有されるために、紫外線感応型ラジカル重合性開始剤に紫外線が当たらず、硬化反応が不足する可能性がある。硬化反応を進行させるために、重合性化合物、及び紫外線感応型ラジカル性重合開始剤の選定は後述の方法に従うことが好ましい。
紫外線硬化型樹脂の重合性化合物は、前述した分子中に重合性不飽和結合、又はエポキシ基を有するオリゴマー、及び/又はモノマーのうち、硬化反応性の観点から、分子中にメタクリロイル基又はアクリロイル基を有するものが好ましく、さらに硬化反応性に優れるという観点からアクリロイル基を有するものがより好ましい。
メタクリロイル基又はアクリロイル基は、1分子当たり平均で3個以上含有されていることが好ましく、1分子当たり平均で5個以上含有されていることがより好ましい。分子中のメタクリロイル基又はアクリロイル基が少ないと、紫外線照射後の硬化が不足し、耐擦傷性、機械強度が不良となる。
アクリロイル基が1分子当たり平均で3個以上含有されている重合性化合物としては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレートオリゴマー;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレートモノマー;及びこれらの混合物が挙げられる。
重合性化合物の重量平均分子量は1000以上であることが好ましく、1500〜8000であることがより好ましい。重量平均分子量は、溶剤としてシクロヘキサン(重合性化合物が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン換算する。
重量平均分子量が小さいと、紫外線照射後の硬化が不足し、耐擦傷性、機械強度が不良となる。重量平均分子量が大き過ぎると、未硬化樹脂の粘度が高くなり、高屈折率層への加工性が著しく悪化する。
メタクリロイル基又はアクリロイル基は、1分子当たり平均で3個以上含有されていることが好ましく、1分子当たり平均で5個以上含有されていることがより好ましい。分子中のメタクリロイル基又はアクリロイル基が少ないと、紫外線照射後の硬化が不足し、耐擦傷性、機械強度が不良となる。
アクリロイル基が1分子当たり平均で3個以上含有されている重合性化合物としては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレートオリゴマー;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレートモノマー;及びこれらの混合物が挙げられる。
重合性化合物の重量平均分子量は1000以上であることが好ましく、1500〜8000であることがより好ましい。重量平均分子量は、溶剤としてシクロヘキサン(重合性化合物が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン換算する。
重量平均分子量が小さいと、紫外線照射後の硬化が不足し、耐擦傷性、機械強度が不良となる。重量平均分子量が大き過ぎると、未硬化樹脂の粘度が高くなり、高屈折率層への加工性が著しく悪化する。
紫外線感応型ラジカル重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−フェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、後述する紫外線吸収剤の吸収波長を避けて硬化反応を進めるために、340nm以上の波長域に吸収を有するビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドの紫外線感応型ラジカル重合開始剤も使用することが好ましい。
特に、後述する紫外線吸収剤の吸収波長を避けて硬化反応を進めるために、340nm以上の波長域に吸収を有するビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドの紫外線感応型ラジカル重合開始剤も使用することが好ましい。
また、本発明においては高屈折率層の屈折率を高くするために、高屈折率の微粒子を含有しても良い。高屈折率微粒子としては、通常使用される公知のものを使用できる。例えば、酸化スズ、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、あるいはこれら金属の複酸化物等が挙げられる。高屈折率の微粒子の個数平均粒子径は、高屈折率層の透明性を低下させないために、通常200nm以下、好ましくは50nm以下である。200nmより大きいとヘイズ(濁度)が大きくなる。個数平均粒子径は走査型電子顕微鏡(SEM)等により得られる2次電子放出のイメージ写真からの目視により計測することができる。
高屈折率層を形成するための塗布液は、層全体として低屈折率層の屈折率に比して大きな屈折率を有する樹脂成分と紫外線吸収剤を適当な有機溶剤に溶解、または分散させることにより調製することができる。
用いる有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;及びこれらの2種以上からなる組み合わせ;等が挙げられる。
用いる有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;及びこれらの2種以上からなる組み合わせ;等が挙げられる。
高屈折率層を形成するための塗布液には、塗膜の均一性向上等を目的として、レベリング剤を適宜添加することができる。用いるレベリング剤としては、シリコーンオイル、フッ素化ポリオレフィン、ポリアクリル酸エステル等の表面張力を低下させる化合物が挙げられる。
高屈折率層を形成するための塗布液を透明プラスチックフィルム表面に塗工する方法は特に制限されず、公知の方法が採用できる。塗工方法としては、ワイヤーバーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法等が挙げられる。
高屈折率層を形成するための塗布液の塗膜を得た後は、乾燥し、活性エネルギー線硬化樹脂を含有する場合には、塗膜表面から活性エネルギー線を照射することにより、硬化させて高屈折率層を形成することができる。
加熱温度、加熱時間、活性エネルギー線の種類、照射強度、照射時間などは、特に限定されず、用いる塗布液の組成等に応じて硬化条件を適宜設定することができる。
加熱温度、加熱時間、活性エネルギー線の種類、照射強度、照射時間などは、特に限定されず、用いる塗布液の組成等に応じて硬化条件を適宜設定することができる。
前記高屈折率層が紫外線硬化型樹脂を主成分としてなり、その硬化が紫外線により行われる場合には、340nmより長波長の照射エネルギーを高くして、塗膜の硬化をより促進することができる。また、紫外線を塗膜面に照射した後、透明プラスチックフィルムの塗膜がない方の面にも照射することにより、高屈折率層と透明プラスチックフィルムとの界面の硬化を促進することができる。
高屈折率層の厚みは通常1〜30μm、好ましくは3〜10μmである。1μmより薄いと層の紫外線吸収性能、硬度、機械的強度が不十分となる。一方30μmより厚いと塗布する際に厚みムラが生じ易くなり、加工性が著しく悪化する。
高屈折率層の屈折率は、好ましくは1.55以上、より好ましくは1.60以上である。屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメーターを用いて測定することができる。
高屈折率層の屈折率は、好ましくは1.55以上、より好ましくは1.60以上である。屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメーターを用いて測定することができる。
本発明の反射防止積層体の低屈折率層は、屈折率が高屈折率層に比して低い層である。
低屈折率層は、
(I)上記屈折率を有する樹脂を含有する塗布液を高屈折率層の上に塗布した後、乾燥して形成する方法;
(II)上記屈折率を満足する低屈折率層を形成し得る重合性、又は硬化性の化合物を含有する塗布液を、高屈折率層の上に塗布・乾燥し、重合・硬化させる方法;
により形成することができる。
低屈折率層は、
(I)上記屈折率を有する樹脂を含有する塗布液を高屈折率層の上に塗布した後、乾燥して形成する方法;
(II)上記屈折率を満足する低屈折率層を形成し得る重合性、又は硬化性の化合物を含有する塗布液を、高屈折率層の上に塗布・乾燥し、重合・硬化させる方法;
により形成することができる。
前記(I)の方法で用いる低屈折率の樹脂としては、例えば、フッ素原子を含有する単量体から得られるフッ素樹脂が挙げられる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、パーフルオロポリエーテル等を使用できる。
前記(II)の方法で用いる上記低屈折率を満足する低屈折率層を形成し得る重合性、又は硬化性の化合物としては、(a)分子中に重合性の官能基を有する有機化合物、(b)ゾルゲル法により金属酸化物を与える化合物が挙げられ、(b)のゾルゲル法により金属酸化物を与える化合物を用いるのが好ましい。
前記(II)の方法で用いる上記低屈折率を満足する低屈折率層を形成し得る重合性、又は硬化性の化合物としては、(a)分子中に重合性の官能基を有する有機化合物、(b)ゾルゲル法により金属酸化物を与える化合物が挙げられ、(b)のゾルゲル法により金属酸化物を与える化合物を用いるのが好ましい。
前記(a)の分子中に重合性の官能基を有する有機化合物としては、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;テトラメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物;ヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物;2−(パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロプロピル)エチルトリメトキシシラン等の含フッ素アルコキシシラン化合物;等が挙げられる。
これらの化合物は単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
これらの化合物は単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
前記(b)の塗布液の、ゾルゲル法により金属酸化物を与える化合物としては、下記(α)〜(γ)からなる群から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
(α)式(1):MXnで表される化合物。
(β)前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の部分加水分解生成物。
(γ)前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の完全加水分解生成物。
(α)式(1):MXnで表される化合物。
(β)前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の部分加水分解生成物。
(γ)前記式(1)で表される化合物の少なくとも1種の完全加水分解生成物。
前記(α)の式(1)で表される化合物において、式(1)中、Mは金属原子、又は半金属原子を表す。
金属原子、又は半金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属;ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム等の周期律表第3B族元素;ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛等の周期律表第4B族元素;リン、砒素、アンチモン等の遷移金属元素;ランタン、セリウム、ネオジム等のランタノイド;等が挙げられる。これらの中でも、周期律表第3B族元素周期律表第4B族元素、遷移金属元素が好ましく、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウムがより好ましく、ケイ素が特に好ましい。
金属原子、又は半金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属;ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム等の周期律表第3B族元素;ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛等の周期律表第4B族元素;リン、砒素、アンチモン等の遷移金属元素;ランタン、セリウム、ネオジム等のランタノイド;等が挙げられる。これらの中でも、周期律表第3B族元素周期律表第4B族元素、遷移金属元素が好ましく、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウムがより好ましく、ケイ素が特に好ましい。
Xは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;置換基を有しても良い1価の炭化水素基;酸素原子;酢酸根等の有機酸根;アセチルアセトナート等のβ−ジケトナート基;硝酸根、硫酸根等の無機酸根;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等のアルコキシ基;または水酸基を表す。
また、nは前記M(金属原子、又は半金属原子)の原子価を表す。nが2以上の時、Xは同一であっても相異なっても良い。
また、nは前記M(金属原子、又は半金属原子)の原子価を表す。nが2以上の時、Xは同一であっても相異なっても良い。
これらの中でも、前記式(1)で表される化合物の具体例としては、アルコキシシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、アミドシラン類等が挙げられる。
前記(β)の式(1)で表される化合物の少なくとも1種の部分加水分解生成物(以下、「化合物(3)」という。)、及び(γ)の式(1)で表される化合物の少なくとも1種の完全加水分解生成物(以下、「化合物(4)」という。)は、前記式(1)で表される化合物の1種またはそれ以上を、全部又は部分的に加水分解、縮合させることによって得ることができる。
化合物(3)及び化合物(4)は、例えば、M(Or)4(Mは前記と同じ意味を表し、rは1価の炭化水素基を表す。)で表される金属テトラアルコキシドを、モル比[H2O]/[Or]が1.0〜5.0、好ましくは1.0〜3.0となる量の水の存在下で加水分解して得ることができる。
加水分解は5〜100℃の温度で、2〜100時間、攪拌することにより行うことができる。
加水分解は5〜100℃の温度で、2〜100時間、攪拌することにより行うことができる。
前記式(1)で表される化合物を加水分解する場合、必要に応じて触媒を使用しても良い。触媒としては、酸触媒または塩基触媒のいずれも使用できる。
用いる酸触媒としては特に限定されないが、例えば、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸;塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の無機酸;酸性コロイダルシリカ、酸化チタニアゾル等の酸性ゾル状フィラー;を挙げることができる。これらの酸触媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
用いる酸触媒としては特に限定されないが、例えば、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸;塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の無機酸;酸性コロイダルシリカ、酸化チタニアゾル等の酸性ゾル状フィラー;を挙げることができる。これらの酸触媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液、アンモニア水、アミン類の水溶液等が挙げられる。これらの塩基触媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ゾルゲル法は、一般に金属アルコキシドからなるゾルを加水分解・重縮合反応により、流動性を失ったゲルとし、このゲルを加熱して金属酸化物を得る方法である。
より具体的には、前記(α)〜(γ)からなる群から選ばれる1種以上の化合物の少なくとも1種を含有してなる塗布液を高屈折率層上に塗工し、必要に応じて乾燥・加熱処理を施すことにより、金属酸化物膜を形成することができる。
より具体的には、前記(α)〜(γ)からなる群から選ばれる1種以上の化合物の少なくとも1種を含有してなる塗布液を高屈折率層上に塗工し、必要に応じて乾燥・加熱処理を施すことにより、金属酸化物膜を形成することができる。
塗布液を塗工する方法は特に制限されず、公知の塗工方法を採用することができる。塗工方法としては、ワイヤバーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法等が挙げられる。
必要に応じて行われる加熱・乾燥の温度は、通常50〜200℃、好ましくは80〜150℃である。
必要に応じて行われる加熱・乾燥の温度は、通常50〜200℃、好ましくは80〜150℃である。
本発明においては、低屈折率層がエアロゲルからなり、その屈折率が1.25〜1.35であることが好ましい。
前記低屈折率層の屈折率が1.25より小さいと、低屈折率層の耐擦傷性、機械的強度が不十分となり、1.35より大きいと反射防止性能が不十分となる。屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメーターを用いて測定することができる。
エアロゲルは、ゾルゲル法の中でも、塩基、又は酸を触媒としたゾルゲル法により金属酸化物の湿潤ゲルを作り、このゲルをアルコール又は二酸化炭素−アルコール系の超臨界条件の下で、徐々に溶媒を除去して乾燥(超臨界乾燥)することにより、得られるものである。また、前記エアロゲルの中でも屈折率が低いことからシリカエアロゲルが特に好ましい。
低屈折率層をエアロゲルから形成することにより、薄い厚みで所望の低屈折率を達成することができる。
前記低屈折率層の屈折率が1.25より小さいと、低屈折率層の耐擦傷性、機械的強度が不十分となり、1.35より大きいと反射防止性能が不十分となる。屈折率は、例えば、公知の分光エリプソメーターを用いて測定することができる。
エアロゲルは、ゾルゲル法の中でも、塩基、又は酸を触媒としたゾルゲル法により金属酸化物の湿潤ゲルを作り、このゲルをアルコール又は二酸化炭素−アルコール系の超臨界条件の下で、徐々に溶媒を除去して乾燥(超臨界乾燥)することにより、得られるものである。また、前記エアロゲルの中でも屈折率が低いことからシリカエアロゲルが特に好ましい。
低屈折率層をエアロゲルから形成することにより、薄い厚みで所望の低屈折率を達成することができる。
シリカエアロゲルを得るための湿潤ゲルは、例えば、米国特許第4402827号公報、同第4432956号公報、同4610863号公報等に記載されているように、アルコキシシラン(シリコンアルコキシド、アルキルシリケートとも称される)の加水分解、重合反応によって得ることができる。
前記アルコシキシランの加水分解、重合反応によって得られた湿潤ゲルは、疎水化処理することによって、疎水性とするのが好ましい。疎水性を付与された疎水性シリカエアロゲルには、湿気や水等が浸入し難くなり耐水性が向上するため、シリカエアロゲルの屈折率や光透過性等の性能の劣化を防ぐことができる。
前記アルコシキシランの加水分解、重合反応によって得られた湿潤ゲルは、疎水化処理することによって、疎水性とするのが好ましい。疎水性を付与された疎水性シリカエアロゲルには、湿気や水等が浸入し難くなり耐水性が向上するため、シリカエアロゲルの屈折率や光透過性等の性能の劣化を防ぐことができる。
疎水化処理は、ゲル状化合物を超臨界乾燥する前、あるいは超臨界乾燥中に行うことができる。疎水化処理は、ゲル状化合物の表面に存在するシラノール基の水酸基を、疎水化処理剤の官能基と反応させて疎水化処理剤の疎水基と置換することによって行うものである。
疎水化処理を行う方法としては、例えば、疎水化処理剤を溶媒に溶解させた疎水化処理液中にゲル状化合物を浸漬し、混合する等してゲル内に疎水化処理剤を浸透させた後、必要に応じて加熱して、疎水化反応を行わせるものが挙げられる。(例えば、特開平5−279011号公報、特開平7−138375号公報参照)。
疎水化処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等を使用できる。
用いる溶媒としては、疎水化処理剤が容易に溶解し、疎水化処理前のゲル状化合物が含有する溶剤と置換可能なもので、かつ超臨界乾燥を容易に行うことのできる媒体であることが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン系溶媒;液体二酸化炭素;等が挙げられる。
疎水化処理を行う方法としては、例えば、疎水化処理剤を溶媒に溶解させた疎水化処理液中にゲル状化合物を浸漬し、混合する等してゲル内に疎水化処理剤を浸透させた後、必要に応じて加熱して、疎水化反応を行わせるものが挙げられる。(例えば、特開平5−279011号公報、特開平7−138375号公報参照)。
疎水化処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等を使用できる。
用いる溶媒としては、疎水化処理剤が容易に溶解し、疎水化処理前のゲル状化合物が含有する溶剤と置換可能なもので、かつ超臨界乾燥を容易に行うことのできる媒体であることが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン系溶媒;液体二酸化炭素;等が挙げられる。
エアロゲルからなる低屈折率層は、具体的には、塩基又は酸を触媒としたゾルゲル法により得られる金属酸化物の湿潤ゲル、又は前記疎水化処理を行った湿潤ゲルの塗布液を高屈折率層上に塗工し、超臨界乾燥処理を施すことにより形成することができる。湿潤ゲルの塗布液を塗工する方法は特に制限されず、公知の塗工法を採用することができる。
超臨界乾燥は、例えば前記ゲル状化合物を液化二酸化炭素中に浸漬し、該ゲル状化合物が含む溶媒の全部、又は一部をこの溶媒により臨界点が低い液化二酸化炭素に置換し、この後、二酸化炭素の単独系、あるいは二酸化炭素と溶媒との混合系の超臨界条件下で乾燥することによって行うことができる。
低屈折率層の厚さは、通常10〜1000nm、好ましくは30〜500nmである。
超臨界乾燥は、例えば前記ゲル状化合物を液化二酸化炭素中に浸漬し、該ゲル状化合物が含む溶媒の全部、又は一部をこの溶媒により臨界点が低い液化二酸化炭素に置換し、この後、二酸化炭素の単独系、あるいは二酸化炭素と溶媒との混合系の超臨界条件下で乾燥することによって行うことができる。
低屈折率層の厚さは、通常10〜1000nm、好ましくは30〜500nmである。
以上のようにして得られる本発明の反射防止積層体は、200〜340nmの波長域における光線透過率が5%以下である。前記光線透過率は、紫外可視近赤外分光光度計を用いて測定することができる。本発明の反射防止積層体は、200〜340nmの波長域の光線透過率を前記範囲にするために、紫外線に対して自身の耐久性に優れると同時に、例えば偏光板保護フィルムとして用いた場合に、偏光子の劣化を大幅に低減することができる。
(2)光学部材
本発明の光学部材は本発明の反射防止積層体を備えることを特徴とする。
光学部材としては、プラズマディスプレイパネルにおけるプラズマディスプレイパネル前面板、液晶表示装置における反射防止機能付偏光板などが挙げられる。
なかでも、液晶表示装置における反射防止機能付偏光板が好ましい。
本発明の光学部材は本発明の反射防止積層体を備えることを特徴とする。
光学部材としては、プラズマディスプレイパネルにおけるプラズマディスプレイパネル前面板、液晶表示装置における反射防止機能付偏光板などが挙げられる。
なかでも、液晶表示装置における反射防止機能付偏光板が好ましい。
本発明の反射防止積層体をプラズマディスプレイパネルにおけるプラズマディスプレイパネル前面板として用いる場合には、透明基板の片面、若しくは両面に、本発明の反射防止積層体を、透明プラスチックフィルムの高屈折率層及び低屈折率層が設けられている方の面が視認側になるように積層して用いる。
透明基板としては、透明であれば特に制限されず、ガラス、透明樹脂基板が挙げられる。本発明の反射防止積層体と透明基板との積層は、接着剤や粘着剤等の適宜の接着手段を用いて貼り合せることができる。接着剤、又は粘着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性に優れる点で、アクリル系の接着剤又は粘着剤が好ましい。
透明基板としては、透明であれば特に制限されず、ガラス、透明樹脂基板が挙げられる。本発明の反射防止積層体と透明基板との積層は、接着剤や粘着剤等の適宜の接着手段を用いて貼り合せることができる。接着剤、又は粘着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性に優れる点で、アクリル系の接着剤又は粘着剤が好ましい。
液晶表示装置における偏光板は、液晶セルの出射側に設けられるが、通常入射側にも設けられている。この偏光板は、一般にポリビニルアルコールからなる基材フィルムにヨウ素や有機染料等の二色性材料を染色、又は吸着させた後、一方向に延伸配向させて偏光子を作成し、この両面にトリアセチルセルロース(TAC)等の保護フィルムを貼り合せることにより、製造されている。
本発明の反射防止積層体を液晶表示装置における偏光板へ用いる場合には、本発明の反射防止積層体の透明プラスチックフィルムの高屈折率層、及び低屈折率層が設けられていない側の一面に偏光子を積層し、偏光子の反対側に保護フィルムを積層する。
本発明の反射防止積層体と偏光子との積層、及び偏光子と保護フィルムとの積層は、接着剤や粘着剤等の適宜の接着手段を用いて貼り合せることができる。接着剤、又は粘着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性に優れる点で、アクリル系の接着剤、又は粘着剤が好ましい。
保護フィルムとしては、光学異方性が低い材料からなるものが好ましい。光学異方性が低い材料としては、特に制限されないが、透明性、低複屈折性、寸法安定性の観点から、脂環式構造含有重合体が好ましい。なお、保護フィルムは位相差フィルムを兼ねても良い。
本発明の反射防止積層体を備える光学部材が偏光板である場合の一例の層構成断面を図1に示す。図1に示す偏光板10は、本発明の反射防止積層体20の透明プラスチックフィルム3において、高屈折率層1及び低屈折率層2が設けられていない方の面側に、接着剤または粘着剤層3を介して、偏光子5が積層され、更に接着剤または粘着剤層4を介して、保護フィルム6が積層された構造を有している。
本発明の光学部材は、本発明の反射防止積層体を用いているので、紫外線に対する耐久性に優れ、反射防止性能、機械強度、及び生産性に優れている。
本発明の光学部材は、本発明の反射防止積層体を用いているので、紫外線に対する耐久性に優れ、反射防止性能、機械強度、及び生産性に優れている。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
反射防止積層体の各物性値は以下のようにして測定した。
(1)厚み:アンリツ株式会社製の触針式連続フィルム厚み計(フィルムシックネステスタKG601Bおよび電子マイクロメータK3001A)を使用して測定した。被測サンプルの長さ200mmに渡って、厚みを連続的に測定し、平均厚みを求めた。高屈折率層形成後の反射防止積層体の総厚みから、高屈折率層形成前の透明プラスチックフィルムの厚みを差し引いて、高屈折率層の厚みとした。
(2)光線透過率:日立製作所製ダブルモノクロ分光光度計U−3300にて200nm〜400nmの波長域にわたり測定した。
(3)密着性:得られた反射防止積層体の低屈折率層表面に、カミソリで透明プラスチックフィルムに達する傷を2mmの間隔で縦横それぞれ11本入れて100個の桝目を作り、セロハンテープ(幅25mm、ニチバン社製)を低屈折率層の表面に密着させて剥がした後、剥れずに残った桝目の数を数えた。
(4)耐光性:保護フィルム、偏光板、反射防止積層体の3枚を、この順序に張り合わせて、反射防止機能付き偏光板を作成した。この時、保護フィルムとしては、ノルボルネン系重合体フィルム(ゼオノアフィルムZF14−100、日本ゼオン社製、厚み100μm)を使用した。また、反射防止積層体は低屈折率層側が表面になる向きで張り合わせた。作成した偏光板をアイスーパーUVテスター(メタルハライドランプ、岩崎電気社製)にセットし、反射防止積層体側から、70mW/cm2の強度の紫外線を、200時間照射した後、偏光板の変色を目視観察した。
(1)厚み:アンリツ株式会社製の触針式連続フィルム厚み計(フィルムシックネステスタKG601Bおよび電子マイクロメータK3001A)を使用して測定した。被測サンプルの長さ200mmに渡って、厚みを連続的に測定し、平均厚みを求めた。高屈折率層形成後の反射防止積層体の総厚みから、高屈折率層形成前の透明プラスチックフィルムの厚みを差し引いて、高屈折率層の厚みとした。
(2)光線透過率:日立製作所製ダブルモノクロ分光光度計U−3300にて200nm〜400nmの波長域にわたり測定した。
(3)密着性:得られた反射防止積層体の低屈折率層表面に、カミソリで透明プラスチックフィルムに達する傷を2mmの間隔で縦横それぞれ11本入れて100個の桝目を作り、セロハンテープ(幅25mm、ニチバン社製)を低屈折率層の表面に密着させて剥がした後、剥れずに残った桝目の数を数えた。
(4)耐光性:保護フィルム、偏光板、反射防止積層体の3枚を、この順序に張り合わせて、反射防止機能付き偏光板を作成した。この時、保護フィルムとしては、ノルボルネン系重合体フィルム(ゼオノアフィルムZF14−100、日本ゼオン社製、厚み100μm)を使用した。また、反射防止積層体は低屈折率層側が表面になる向きで張り合わせた。作成した偏光板をアイスーパーUVテスター(メタルハライドランプ、岩崎電気社製)にセットし、反射防止積層体側から、70mW/cm2の強度の紫外線を、200時間照射した後、偏光板の変色を目視観察した。
(実施例1)
紫外線硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(紫光UV7640B、アクリロイル基数:1分子当たり平均6〜7個、分子量:1500、日本合成化学社製)100部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)4部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(ルシリンTPO、BASF社製)2部、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール(TINUVIN328、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製、以下「紫外線吸収剤1」と略す。)20部、メチルイソブチルケトン100部を混合し、紫外線硬化型の高屈折率層用塗布液1を得た。
テトラメトキシシランのオリゴマー(メチルシリケート511、コルコート社製)と、メタノールを、重量比47:75で混合してA液を調製し、また、水、アンモニア水(アンモニア28重量%)、メタノールを重量比で60:1.2:97.2で混合してB液を調製した。そして、A液とB液を16:17の重量比で混合して低屈折率層用塗布液を得た。
透明プラスチックフィルムとしてノルボルネン系重合体フィルム(ゼオノアフィルムZF14−100、日本ゼオン社製、厚み100μm)を用い、この片面に、ワイヤーバーを用い、高屈折率層用塗布液1を5μmの膜厚になるように塗布、乾燥、紫外線照射(積算光量1000mW/cm2)し、高屈折率層を形成した。
高屈折率層上にスピンコーターにより、低屈折率層用塗布液を塗布した(7700rpm×10秒間)。なお、スピンコーター回転室内の空気は予めメタノールで飽和させておいた。この低屈折率層用塗布液を塗布した透明プラスチックフィルムを、75秒間放置した後、水と28%アンモニア水とメタノールを重量比で162:4:640で混合した養生溶液中に、一昼夜浸漬した。更に、ヘキサメチルジシランの0.10%イソプロピルアルコール溶液中に浸漬し疎水化処理を行った。最後に、これをイソプロピルアルコールで洗浄した後、高圧容器中に入れ、高圧容器内を液化炭酸ガスで満たし、80℃、16MPa、2時間の条件で超臨界乾燥をすることにより、高屈折率層上に、膜厚100nmの低屈折率層を形成した。このようにして得られた積層体を反射防止積層体1とした。
得られた積層体1について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
紫外線硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(紫光UV7640B、アクリロイル基数:1分子当たり平均6〜7個、分子量:1500、日本合成化学社製)100部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)4部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(ルシリンTPO、BASF社製)2部、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール(TINUVIN328、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製、以下「紫外線吸収剤1」と略す。)20部、メチルイソブチルケトン100部を混合し、紫外線硬化型の高屈折率層用塗布液1を得た。
テトラメトキシシランのオリゴマー(メチルシリケート511、コルコート社製)と、メタノールを、重量比47:75で混合してA液を調製し、また、水、アンモニア水(アンモニア28重量%)、メタノールを重量比で60:1.2:97.2で混合してB液を調製した。そして、A液とB液を16:17の重量比で混合して低屈折率層用塗布液を得た。
透明プラスチックフィルムとしてノルボルネン系重合体フィルム(ゼオノアフィルムZF14−100、日本ゼオン社製、厚み100μm)を用い、この片面に、ワイヤーバーを用い、高屈折率層用塗布液1を5μmの膜厚になるように塗布、乾燥、紫外線照射(積算光量1000mW/cm2)し、高屈折率層を形成した。
高屈折率層上にスピンコーターにより、低屈折率層用塗布液を塗布した(7700rpm×10秒間)。なお、スピンコーター回転室内の空気は予めメタノールで飽和させておいた。この低屈折率層用塗布液を塗布した透明プラスチックフィルムを、75秒間放置した後、水と28%アンモニア水とメタノールを重量比で162:4:640で混合した養生溶液中に、一昼夜浸漬した。更に、ヘキサメチルジシランの0.10%イソプロピルアルコール溶液中に浸漬し疎水化処理を行った。最後に、これをイソプロピルアルコールで洗浄した後、高圧容器中に入れ、高圧容器内を液化炭酸ガスで満たし、80℃、16MPa、2時間の条件で超臨界乾燥をすることにより、高屈折率層上に、膜厚100nmの低屈折率層を形成した。このようにして得られた積層体を反射防止積層体1とした。
得られた積層体1について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1における高屈折率層用塗布液1の調製において、紫外線吸収剤1の添加量を10部に変更した他は、高屈折率層用塗布液1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層用塗布液2を調製した。
高屈折率層用塗布液として、上記高屈折率層用塗布液2を用い、10μmの膜厚となるように塗布、乾燥、紫外線照射(積算光量1000mW/cm2)した他は、実施例1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層を形成し、次いでその上に低屈折率層を形成して、反射防止積層体2を得た。
得られた積層体2について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1における高屈折率層用塗布液1の調製において、紫外線吸収剤1の添加量を10部に変更した他は、高屈折率層用塗布液1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層用塗布液2を調製した。
高屈折率層用塗布液として、上記高屈折率層用塗布液2を用い、10μmの膜厚となるように塗布、乾燥、紫外線照射(積算光量1000mW/cm2)した他は、実施例1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層を形成し、次いでその上に低屈折率層を形成して、反射防止積層体2を得た。
得られた積層体2について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の高屈折率層用塗布液1の調製において、紫外線吸収剤1のかわりに、2−(2’−ヒドロキシ−5’メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(反応型紫外線吸収剤RUVA−93、大塚化学社製、以下「紫外線吸収剤2」と略す。)を用いた他は、高屈折率層用塗布液1と同様の操作を行うことにより高屈折率層用塗布液3を調製した。
高屈折率層用塗布液として、上記高屈折率層用塗布液3を用いた他は、実施例1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層を形成し、次いでその上に低屈折率層を形成して、反射防止積層体3を得た。
得られた積層体3について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1の高屈折率層用塗布液1の調製において、紫外線吸収剤1のかわりに、2−(2’−ヒドロキシ−5’メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(反応型紫外線吸収剤RUVA−93、大塚化学社製、以下「紫外線吸収剤2」と略す。)を用いた他は、高屈折率層用塗布液1と同様の操作を行うことにより高屈折率層用塗布液3を調製した。
高屈折率層用塗布液として、上記高屈折率層用塗布液3を用いた他は、実施例1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層を形成し、次いでその上に低屈折率層を形成して、反射防止積層体3を得た。
得られた積層体3について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の高屈折率層用塗布液1の調製において、紫外線吸収剤を添加しない他は高屈折率層用塗布液1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層用塗布液4を調製した。
高屈折率層用塗布液として、上記高屈折率層用塗布液4を用いた他は、実施例1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層を形成し、次いでその上に低屈折率層を形成して、反射防止積層体4を得た。
得られた積層体4について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1の高屈折率層用塗布液1の調製において、紫外線吸収剤を添加しない他は高屈折率層用塗布液1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層用塗布液4を調製した。
高屈折率層用塗布液として、上記高屈折率層用塗布液4を用いた他は、実施例1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層を形成し、次いでその上に低屈折率層を形成して、反射防止積層体4を得た。
得られた積層体4について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
高屈折率層用塗布液として、高屈折率層用塗布液2を用い、これを5μmの膜厚になるように塗布、乾燥、紫外線照射(積算光量1000mW/cm2)を行う他は、実施例1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層を形成し、次いでその上に低屈折率層を形成して、反射防止積層体5を得た。
得られた積層体5について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
高屈折率層用塗布液として、高屈折率層用塗布液2を用い、これを5μmの膜厚になるように塗布、乾燥、紫外線照射(積算光量1000mW/cm2)を行う他は、実施例1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層を形成し、次いでその上に低屈折率層を形成して、反射防止積層体5を得た。
得られた積層体5について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例3)
高屈折率層用塗布液として、高屈折率層用塗布液1を用い、これを2μmの膜厚になるように塗布、乾燥、紫外線照射(積算光量1000mW/cm2)を行う他は、実施例1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層を形成し、次いでその上に低屈折率層を形成して、反射防止積層体6を得た。
得られた積層体6について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
高屈折率層用塗布液として、高屈折率層用塗布液1を用い、これを2μmの膜厚になるように塗布、乾燥、紫外線照射(積算光量1000mW/cm2)を行う他は、実施例1と同様の操作を行うことにより、高屈折率層を形成し、次いでその上に低屈折率層を形成して、反射防止積層体6を得た。
得られた積層体6について、上述の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例は、比較例に対し、200nm〜340nmの波長域における光線透過率が低く、5%以下である。耐光性試験の結果、実施例では全く変化が見られなかったが、比較例においては黄変が観察された。特に、実施例3と比較例2を比較すると、360nm、380nmの波長域においての光線透過率はほぼ同等であるが、実施例3においては200nm〜340nmの波長域における光線透過率が5%以下であるため耐光性が良いことが分かる。
1:高屈折率層、2:低屈折率層、3:透明プラスチックフィルム、4:接着剤または粘着剤層、5:偏光子、6:保護フィルム、10:偏光板、20:反射防止積層体
Claims (7)
- 透明プラスチックフィルム上に、少なくとも高屈折率層及び低屈折率層がこの順序で積層されてなる反射防止積層体であって、200nm〜340nmの波長域における光線透過率が5%以下であることを特徴とする反射防止積層体。
- 前記高屈折率層が、活性エネルギー線硬化型樹脂を主成分とし、かつ紫外線吸収剤を含有してなることを特徴とする請求項1記載の反射防止積層体。
- 前記活性エネルギー線硬化型樹脂が紫外線硬化型樹脂であって、少なくとも(a)重合性化合物と、(b)紫外線感応性ラジカル重合性開始剤とからなり、(a)重合性化合物が、メタクリロイル基又はアクリロイル基を1分子当たり平均で3個以上含有し、かつ重合性化合物の重量平均分子量が1000以上であることを特徴とする請求項2記載の反射防止積層体。
- 前記低屈折率層がエアロゲルからなり、その屈折率が1.25〜1.35であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の反射防止積層体。
- 前記透明プラスチックフィルムが脂環式構造を有する重合体樹脂からなるものである請求項1〜4いずれかに記載の反射防止積層体。
- 請求項1〜5いずれかに記載の反射防止積層体を備える光学部材。
- 偏光板である請求項6記載の光学部材。
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