JP2004091618A - ハードコートフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】二軸配向熱可塑性フィルムの少なくとも片面に、鉛筆硬度2H以上のハードコート層が設けられたハードコートフィルムであって、該ハードコート層は25℃、40%RH条件での表面抵抗率R40が1×1010Ω/□以下であることを特徴とするハードコートフィルム。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードコートフィルムに関し、更に詳しくは、本発明は、表面硬度が高く、耐摩耗性に優れると同時に、帯電防止性に優れたハードコートフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二軸配向ポリエステルフィルムは、その機械的特性、寸法安定性、耐熱性、透明性および電気絶縁性などに優れた性質を有することから、磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、各種写真材料、グラフィックアート材料あるいは光学表示材料などの多くの用途の基材フィルムとして広く使用されている。しかしながら、二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム表面の表面硬度が低く、また、耐摩耗性も不足しているため、他の固い物質との接触、摩擦、引っ掻きなどによって、表面に損傷をうけやすく、表面に発生した損傷は商品価値を著しく低下させたり、短期間で使用不可になったりする。
【0003】
このため、ポリエステルフィルムを基材フィルムとし、その上に耐擦傷性や耐摩耗性に優れたハードコート層を設ける方法が知られているが、これまでにさまざまな検討がなされてきた。ハードコート層としては熱硬化型樹脂が好適に用いられており、中でも多官能性アクリル系モノマーを重合して得られるアクリル樹脂層が表面にコートされたポリエステルハードコートフィルムは、フィルム特性面、コストパフォーマンスに優れ、汎用的に利用されてきた。
【0004】
しかしながら、前述した従来の技術には次のような問題点がある。
【0005】
ポリエステルハードコートフィルムは例えば各種ディスプレイの表面保護フィルムなどとして用いられるが、表面が帯電しやすく、製造工程時、また使用時にちりやほこりが付着しやすい。
【0006】
ハードコート層表面の帯電を抑制する方法としては、ハードコート層の中にイオン型界面活性剤を添加する方法がある。しかしながら、界面活性剤添加により、初期の帯電抑制はできるが、水洗、摩耗などにより経時的に帯電抑制効果が低下する。また、帯電防止能を有するモノマーをアクリル系モノマーの中に添加して重合反応をすることによってハードコート層を形成する方法があるが、十分な帯電防止能を付与するためには、帯電防止能を有するモノマーを多量に添加する必要があり、それによってハードコート層の強度が低下するという問題が生じる。 これに対して、特開平6−41333号公報では、ポリエステルフィルムの上に、水性樹脂と分子内にスルホ基またはスルホナート基を有する帯電防止性ポリマーからなるコート層を形成し、その上にハードコート層を設けている。この方法では、ハードコート性の経時変化やハードコート層そのものの強度低下は発生しないが、帯電防止性に湿度依存性があり、低湿度環境ではちり、ほこりの付着が見られる。
【0007】
これはこの帯電防止性ポリマーがイオン伝導性帯電防止ポリマーであり、空気中の水分の存在なしでは帯電能を発揮できないからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの欠点を解消し、経時変化、湿度依存性のない帯電防止性能を持ち、ハードコート性に優れるハードコートフィルムを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために本発明のハードコートフィルムは主として次の構成を有する。すなわち、
二軸配向熱可塑性フィルムの少なくとも片面に、鉛筆硬度2H以上のハードコート層が設けられたハードコートフィルムであって、該ハードコート層は25℃、40%RH条件での表面抵抗率R40が1×1010Ω/□以下であることを特徴とするハードコートフィルムである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳しく説明する。
【0011】
本発明のハードコートフィルムは、熱可塑性フィルムの少なくとも片面に、少なくとも熱硬化型あるいは活性線硬化型樹脂から構成されるハードコート層が積層された基本構成を有している。
【0012】
本発明における熱可塑性フィルムとは、溶融押し出しされ、かつ二軸延伸により結晶配向したフィルムである。その具体例としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィドなどの二軸配向フィルムであり、特にポリエステルフィルムが、透明性、寸法安定性、機械的特性、および本発明において積層する耐熱性の樹脂層との接着性などの点で好ましい。好ましいポリエステルとしては、特に限定しないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレートなどが挙げられ、これらの2種以上が混合されたものであってもよい。またこれらと他のジカルボン酸成分やジオール成分が共重合されたものであってもよいが、この場合は結晶配向が完了したフィルムにおいて、その結晶化度が好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上のものが好ましい。結晶化度が25%未満の場合には、寸法安定性や機械的強度が不十分となりやすい。
【0013】
また、熱可塑性フィルムは、内層と表層の2層以上の複合体フィルムであっても良い。複合体フィルムとしては、例えば、内層部に実質的に粒子を含有せず、表層部に粒子を含有させた層を設けた複合体フィルム、内層部に粗大粒子を有し、表層部に微細粒子を含有させた積層体フィルム、内層部が微細な気泡を含有した層であって表層部は実質的に気泡を含有しない複合体フィルムなどが挙げられる。また、上記複合体フィルムは、内層部と表層部が異種のポリマーであっても同種のポリマーであっても良い。
【0014】
上述したポリエステルを使用する場合には、その極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gである。
【0015】
本発明における熱可塑性フィルムは、その上にハードコート層が設けられた状態では二軸配向されたものである。二軸配向しているとは、未延伸すなわち結晶配向が完了する前の熱可塑性フィルムを長手方向および幅方向にそれぞれ2.5〜5.0倍程度延伸し、その後熱処理により結晶配向を完了させたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
【0016】
熱可塑性フィルムが二軸配向していない場合には、積層フィルムの熱安定性、特に寸法安定性や機械的強度が不十分であったり、平面性の悪いものとなる。
【0017】
熱可塑性フィルムの厚みは特に限定されるものではなく、本発明のハードコートフィルムが使用される用途に応じて適宜選択されるが、機械的強度やハンドリング性などの点から、好ましくは1〜500μm、より好ましくは5〜300μmである。また、得られたハードコートフィルムを各種の方法で貼り合わせて用いることもできる。
【0018】
また、ラベル用途においては、基材フィルムである熱可塑性フィルムとして、透明タイプのポリエステルフィルムの他に、白色ポリエステルフィルムも好適に用いることができる。この白色ポリエステルフィルムは、白色に着色されたポリエステルフィルムであれば特に限定されるものではなく、好ましくは白色度が85〜150%、より好ましくは90〜130%であり、また光学濃度が好ましくは0.5〜5、より好ましくは1.2〜3の場合である。例えば、白色度が小さい基材フィルムを使用した場合、反対面の模様や着色が透過し表面の印刷層の美観が損なわれ易く、一方、光学濃度が小さい場合、十分な光線反射が得られず、肉眼で見た場合白さが減少し、反対面の影響を受けるなど白色ポリエステルフィルムとしては好ましくない。
【0019】
このような光学濃度と白色度を得る方法は、特に限定されないが、通常は無機粒子あるいはポリエステルと非相溶性の樹脂の添加により得ることができる。添加する量は特に限定されないが、無機粒子の場合、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは8〜25重量%である。また、非相溶性の樹脂を添加する場合は、好ましくは5〜35体積%、より好ましくは8〜25体積%である。
【0020】
該無機粒子は特に限定されないが、大きさとしては、好ましくは平均粒径0.1〜4μm、より好ましくは0.3〜1.5μmの無機粒子などをその代表的なものとして用いることができる。また種類としては、具体的には、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、アルミナ、タルク、クレーなどあるいはこれらの混合物を使用でき、これらの無機粒子は他の無機化合物、例えば、リン酸カルシウム、酸化チタン、雲母、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化リチウム、フッ化カルシウムなどと併用されてもよい。また、上述した無機粒子の中でもモース硬度が5以下、好ましくは4以下のものを使用する場合、白色度が更に増すためより好ましい。
【0021】
また上述のポリエステルと非相溶性の樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートと混合する場合についていえば、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性オレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキシドなどを用いることができ、当然、上述した無機粒子と併用してもよい。例えば特に、無機粒子やポリエステルと非相溶の樹脂を混合して2軸延伸し、内部に空洞を有する、比重が0.5〜1.3の白色ポリエステルフィルムは印刷特性が良好になるので好ましい。
【0022】
本発明においては、基材フィルムである上記熱可塑性フィルムの少なくとも片面にハードコート層が積層されるが、ハードコートフィルムに帯電防止性を付与するために、通常ハードコート層中に各種帯電防止剤が添加される。
【0023】
本発明のハードコートフィルムの特徴は、2H以上の鉛筆硬度を有するとともに、25℃、40%RH条件での表面抵抗率R40が1×1010Ω/□以下であることであり、高硬度と湿度依存性のない帯電防止性を合わせ持つことであるが、この特性を達成するための好ましい帯電防止剤の例としてπ共役系ポリマーが挙げられる。
【0024】
以下、本発明において好ましく用いられる帯電防止成分であるπ共役系ポリマーについて詳細に説明する。ハードコート層中におけるπ共役ポリマーの量としては、ハードコート樹脂成分に対して、0.05〜3.0wt%、さらには0.1〜2.0wt%、特に0.2〜1.0wt%含まれるのが好ましい。かかる好ましい範囲である場合には帯電防止効果が十分である一方、フィルムが着色したり、ハードコート性に悪影響を及ぼしたりすることがない。
【0025】
本発明の特徴としては、ハードコート層にπ共役系ポリマーが含まれる構成となっているため、表面抵抗率の塗布厚み依存性が少なく、またハードコート性に優れることが挙げられる。この際、ハードコート層全体にπ共役系ポリマーが均一に分散して含まれる場合には表面抵抗率の塗布厚み依存性をさらに少なく、またハードコート性を一層優れたものにできる。例えば、ハードコート層と基材の界面に帯電防止層が設けられる場合は、ハードコート層の積層厚みが厚くなるに従って表面抵抗率が著しく上昇する。また、ハードコート層表面に帯電防止層を設けた場合には、表面硬度が著しく低下する。これに対して、本発明の帯電防止ハードコートフィルムは、広範な条件における帯電防止性能とハードコート性を両立するものである。
【0026】
π共役系ポリマーは主鎖にπ電子結合を有するポリマーであり、電子伝導型帯電防止剤としての役割を果たす。電子伝導型帯電防止剤は電子の移動により帯電部分を除電するものであり、帯電抑制のために水を必要とせず、湿度依存性のない帯電防止能を有する。
【0027】
本発明に用いられるπ共役系ポリマーとしては、ハードコート層の特性(表面硬度、接着性、透明性を損なわないものであれば公知のものを用いることができる。このようなπ共役系ポリマーとしては、例えば、ポリアセチレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリパラフィニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフラン誘導体、ポリアズレン誘導体などの公知の導電性ポリマーをあげることができるがこれらに限定されるものではない。しかし、ポリマーの合成、安定性、溶解性などを考慮すると、ポリフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体が好適に用いられる。ポリフェニレン誘導体としては、ポリアルキルフェニレン、ポリアシルフェニレンの他、側鎖にホルミル基、カルボキシル基を有するポリフェニレンなどが例示できる。また、ポリチオフェン誘導体としては、ポリアルキルチオフェン、ポリアルコキシチオフェンなどの他、側鎖にスルフォン酸基を有するポリチオフェンが例示されるが、帯電防止能の高さ、安定性に優れるアルコキシポリチオフェンを用いることがより好ましい。
【0028】
これらのπ共役ポリマーには、通常、補助成分としてドーパント成分が添加される。ドーパント成分としては、例えば、Br2、Cl2、I2などのハロゲン類、BF3、PF3、SbF5、AsF5などのルイス酸、H2SO4、HClO4、HCl、HF、CF3SO4などのプロトン酸、FeCl3、MoCl3、WCl3、SnCl4、MoF5などの遷移金属ハライドなどの低分子量ドーパントの他、ポリスチレンスルフォン酸誘導体のようなポリマータイプのドーパントが例示できる。
【0029】
π共役系ポリマーとともにハードコート層に添加されるドーパントの量としては、特に限定されるものではないが、通常、π共役ポリマー100重量部に対して、10〜500重量部程度が好ましく用いられる。
【0030】
また、π共役系ポリマーを帯電防止剤として用いた場合には、ハードコート層の25℃、70%RH条件での表面抵抗率R70が1.0×1010Ω/□以下、25℃、20%RH条件での表面抵抗率R20が1.0×1010Ω/□以下であって、R70/R20が0.1〜10である、湿度依存性のない帯電防止性に極めて優れたハードコートフィルムが得られる。この特性はハードコート層中に添加され、均一分散されたπ共役系ポリマーの帯電防止特性に負うところが大きい。
【0031】
ポリフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体は非常に安定で導電性に優れハードコート層中での分散性にも優れるため、適当なドーパントと組み合わせることにより少量で大きな帯電防止効果を発現する。前述のように、通常π共役系ポリマーはハードコート層中において0.05〜3wt%含有されるが、これら3種の誘導体の場合は、通常1wt%以下の含有量で十分な帯電防止効果が得られる。
【0032】
次に、本発明で用いられるハードコート層について説明する。
【0033】
本発明のハードコート層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂、金属酸化物などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂が好ましく、更に、硬化性、可撓性および生産性の点で、アクリル系樹脂、特に、活性線硬化型のアクリル系樹脂からなるものが好ましく用いられる。
【0034】
活性線硬化型のアクリル系樹脂とは、活性線重合成分としてアクリルオリゴマーと反応性希釈剤を含むものであり、その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤あるいは改質剤を含有しているものを用いてもよい。
【0035】
アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリル、ウレタンアクリル、エポキシアクリル、ポリエーテルアクリルなどであり、またメラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いられ得るが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
【0036】
また、反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。また、特に、紫外線による架橋の場合には、光エネルギーが小さいため、光エネルギーの変換や開始の助長のため、光重合開始剤および/または光増感剤を添加することが好ましい。
【0037】
これらのアクリルオリゴマー、反応性希釈剤、光重合開始剤、光増感剤、架橋装置などの具体例は、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社1981年発行、第267〜275頁、第562〜593頁を参考とすることができるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。多官能アクリル系紫外線硬化塗料の市販品として、三菱レイヨン(株)、藤倉化成(株)、大日精化工業(株)、大日本インキ化学工業(株)、東亜合成化学工業(株)、日東化成(株)、日本化薬(株)などの製品を利用することができる。
【0038】
ハードコート層の改質剤として、塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、無機系粒子、有機系粒子、有機系潤滑剤、有機高分子化合物、染料、顔料および安定剤などを用いることができ、これらは活性線による反応を損なわない範囲内でハードコート層を構成する塗布層の組成物成分として使用され、用途に応じてハードコート層の特性を改良することができる。
【0039】
これらの中で、特に、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体の少なくとも1種と、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の少なくとも1種とからなる活性線硬化性単量体混合物を主たる構成成分とする活性線硬化物からなるハードコート層が、硬度、硬化性はもちろん、耐摩耗性、可撓性に優れるので好ましい。
【0040】
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基(但し、本発明において(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基及びメタアクリロイルオキシ基とを略して表示したものをいう。)を有する単量体としては、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が、3個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物を用いることができる。
【0041】
具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用してもよい。
【0042】
これらの1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体の使用割合は、重合性単量体総量に対して20〜90重量%が好ましく、より好ましくは30〜80重量%、最も好ましくは30〜70重量%である。かかる好ましい単量体の使用割合とする場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜を得ることができ、一方、重合による収縮を抑制できるので、硬化被膜に歪が残ったり、被膜の可撓性が低下したり、硬化被膜側に大きくカールするなどの不都合を招くことがない。
【0043】
次に、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、ラジカル重合性のある通常の単量体ならば特に限定されずに使用することができる。
【0044】
分子内に2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、下記(a)〜(f)の(メタ)アクリレートを用いることができる。
【0045】
すなわち、(a)炭素数2〜12のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなど、(b)ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレート酸ジエステル類:ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど、(c)多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートなど、(d)ビスフェノールAあるいはビスフェノールAの水素化物のエチレンオキシド及びプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類:2,2’−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)プロパンなど、(e)ジイソシアネート化合物と2個以上のアルコール性水酸基含有化合物を予め反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物に、更にアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート類、および(f)分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物にアクリル酸又はメタクリル酸を反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート類、などを用いることができ、分子内に1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−及びi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、sec−、およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドンなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上混合して使用してもよい。
【0046】
これらの1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合は、単量体総量に対して10〜80重量%が好ましく、より好ましくは20〜70重量%である。単量体の使用割合がかかる好ましい範囲の場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜が得られ、一方、被膜の可撓性が低下したり、基材ポリエステルフィルム上に設けた積層膜との接着性が低下することがない。
【0047】
本発明における熱硬化性あるいは活性線硬化性の樹脂組成物を硬化させる方法として、加熱する方法が挙げられるが、得られたコート層の硬度が上がりやすい点などから、紫外線を照射する方法を用いることが好ましい。この方法を用いる場合には、前記樹脂組成物に光重合開始剤を加えることが望ましい。光重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
【0048】
光重合開始剤の使用量は重合性単量体組成物100重量部に対して、0.01〜10重量部が適当である。電子線またはガンマ線を硬化手段とする場合には、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。
【0049】
本発明に用いられる活性線硬化性の樹脂組成物には、製造時の熱重合や貯蔵中の暗反応を防止するために、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,5−t−ブチルハイドロキノンなどの熱重合防止剤を加えることが望ましい。熱重合防止剤の添加量は、重合性化合物総重量に対し、0.005〜0.05重量%が好ましい。
【0050】
本発明に用いられるハードコート層を形成する熱硬化性あるいは活性線硬化性の樹脂組成物を含有する塗液には、帯電防止剤であるπ共役系ポリマーをハードコート層に分散させるため、また、塗工時の作業性の向上、塗工膜厚のコントロール、基材フィルムである熱可塑性フィルムとの接着を目的として、本発明の効果が損なわれない範囲において、極性の高い有機溶剤を配合することが好ましい。有機溶剤を配合する好ましい範囲としては10重量%以上、98重量%未満、より好ましくは20重量%以上、80重量%未満、更に好ましくは30重量%以上、70重量%未満である。有機溶剤の配合量がかかる好ましい範囲の場合には、帯電防止剤であるπ共役系ポリマーの溶解性、分散性が良好であり、一方、塗剤濃度が低くなりすぎないので、十分なハードコート層厚みを設けることができる。
【0051】
有機溶剤としては、沸点が50〜250℃の有機溶剤が、塗工時の作業性や硬化前後の乾燥性の点から用いやすい。また、前述のように水溶性の高いπ共役系ポリマーを溶解・微分散させることを考慮して、比較的極性の高い有機溶剤が好ましい。具体的な溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、アセトンなどのケトン系溶剤、N−メチル−2−ピロリドンなど双極性非プロトン溶剤などを用いることができる。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0052】
本発明では製造プロセスとして、延伸処理により結晶化したフィルムにハードコート塗剤を塗布してハードコート層を設けるオフラインコーティングを適用することもできるが、結晶化前の熱可塑性フィルムにハードコート塗液を塗布し、フィルムを延伸して結晶化した後、塗液の乾燥、重合によるハードコート層の硬化をさせる方法(所謂インラインコーティング)が好ましく適用される。インラインコーティングプロセスを適用する場合においては、特に有機溶剤として双極性非プロトン溶剤を含む溶剤を用いることにより、基材フィルムである熱可塑性フィルムの層とハードコート層の界面に、効率よく両層の相からなる混在相領域が形成され、ハードコート層と基材との接着性が著しく向上する。ハードコート層と基材の間に接着層を設けることなく、優れた接着性が得られるこの方法は生産性のうえでも非常に好ましいプロセスと考えられる。
【0053】
本発明に用いる熱硬化性あるいは活性線硬化性の樹脂組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止助剤などを用いることができる。
【0054】
本発明に用いる熱硬化性あるいは活性線硬化性の樹脂組成物には、外界の光源の反射像の明るさ、明瞭度を減少させる目的で、本発明の効果が損なわれない範囲で、酸化珪素粒子や有機フィラーなどの艶消し剤を配合することができ、また表面硬度化層の表面に、例えばエンボス法、サンドマット法などにより凸凹を設けることもできる。
【0055】
活性線硬化性の樹脂組成物からなる塗液の塗布手段としては、各種の塗布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いることができる。各々の方式には特徴があり、ハードコートフィルムの要求特性、使用用途などにより、塗布方法を適宜選択するとよい。
【0056】
特に、塗液中の有機溶剤量はできるだけ少ないことが、生産性、防爆性の観点から有利であるから、多段塗布を行なっても良い。ここで述べる多段塗布とは、塗布装置を熱可塑性フィルムの進行方向に目的の台数並べ、各塗布装置で目標の塗布厚みになるように塗液の塗布を行なう方法である。この方法で用いられる塗剤は全て同じでも良いが、1段目の塗布には、より有機溶剤が多く含まれる塗剤を用い、2段目以降は徐々に塗剤中の有機溶剤量を減らしたものを用いることが好ましい。
【0057】
ここで、活性線とは、紫外線、電子線、放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル基を重合させる電磁波を意味し、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯などを用いることができる。また、活性線を照射するときに、低酸素濃度下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができる。また更に、電子線方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要ではあるが、塗布層中に光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点で有利である。
【0058】
ハードコート層の厚さは、用途に応じて決定すればよいが、通常0.1μm〜30μmが好ましく、より好ましくは1μm〜15μmである。ハードコート層の厚さがかかる好ましい範囲の場合には、表面硬度が十分で傷が付きにくく、一方、硬化膜が脆くなりにくく、積層体を折り曲げたときに硬化膜にクラックが入りにくい。
【0059】
また、本発明の効果が損なわれない範囲において、ハードコート層の最外層に図柄などの印刷層を設けてもよい。
【0060】
また、本発明のハードコートフィルムを、ハードコート層を設けたのとは反対面に各種粘着剤を用いて相手材と貼り合わせ、該相手材に耐摩耗性や耐擦傷性などのハードコート層の機能を付与して用いることもできる。このとき用いられる粘着剤としては、2つの物体をその粘着作用により接着させる接着剤であれば特に限定されず、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系などからなる接着剤を用いることができる。中でも、ゴム系の接着剤が一般的であり、シリコーン系接着剤は耐熱性がよく、フッ素樹脂などにも粘着するが価格が高いという欠点がある。アクリル系接着剤は耐熱性もあり、粘着力も大きく、ゴム系のような酸化劣化がなく好ましく用いられる。
【0061】
更に、粘着剤は溶剤型粘着剤と無溶剤型粘着剤の2つに大別される。乾燥性、生産性、加工性において優れた溶剤型粘着剤は依然として主流であるが、近年、公害、省エネルギ、省資源、安全性などの点で無溶剤型粘着剤に移り変わりつつある。中でも、活性線を照射することで秒単位で硬化し、可撓性、接着性、耐薬品性などに優れた特性を有する粘着剤である活性線硬化型粘着剤を使用することが好ましい。
【0062】
活性線硬化型アクリル系粘着剤の具体例は、日本接着学会編「接着剤データブック」日刊工業新聞社1990年発行、第83〜88頁を参考とすることができるが、これらに限定されるものではない。多官能アクリル系紫外線硬化塗料の市販品として日立化成ポリマー(株)、東邦化成工業(株)、(株)スリーボンド、東亜合成化学工業(株)、セメダイン(株)、日本化薬(株)などの製品を利用することができるがこれらに限定されるものではない。
【0063】
この種の粘着剤は、通常の二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布した場合には、接着性が不十分となり、各種のプライマー処理、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などからなる積層膜を設けることにより、ポリエステルフィルムと粘着剤層との接着性を向上させることができる。
【0064】
なお、本発明では、片面にハードコート層、その反対面にこれらの粘着剤層との接着性を向上させるプライマー層は、ハードコート層を形成する活性線硬化性樹脂を含む塗液を塗布するときに同時にその裏面に塗布し、延伸、乾燥を行ない設けても良いことは言うまでもない。
【0065】
このようにして得られるハードコートフィルムと基材である熱可塑性フィルムとの接着性はT字剥離において、好ましくは1kg/25mm幅以上、より好ましくは2kg/25mm幅以上となるように積層される。T字剥離がかかる好ましい範囲の場合には、各種用途に使用したときにハードコート層が剥離しにくい。
【0066】
次に、本発明のハードコートフィルムの製造方法について、基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレート(以下PETと略称する)を例にして説明するが、これに限定されるものではない。
【0067】
本発明のハードコートフィルムは、熱可塑性フィルムの片面に、活性線硬化型の樹脂およびπ共役系ポリマーからなる帯電防止ハードコート層を設けることによって製造することができる。以下、その製造方法について具体的に記述する。
【0068】
基材フィルムとなるPETペレットを真空乾燥して十分に水分を除去した後、押し出し機に供給し、260〜300℃の温度で溶融押し出しし、T字型の口金からシート状に成形する。このシート状物を鏡面の冷却ドラム上で冷却固化して未延伸シートを得る。このときキャストドラムとの密着性を向上させる目的で静電印加法を用いることが好ましい。その後、得られた未延伸シートを70〜120℃に加熱したロールで長手方向に2〜5倍の延伸を行なう。次いで、この1軸延伸フィルムの表面に、双極性非プロトン溶剤に溶解した活性線硬化性樹脂/π共役系ポリマー塗液を塗布し、その後フィルムの両端をクリップで把持しつつテンターに導く。テンター内で予熱後、幅方向に約2〜5倍延伸するが、ここで予熱延伸工程は双極性非プロトン溶剤の沸点以下の温度とする。幅方向に延伸された積層フィルムは、更に熱処理を行ない、基材フィルムの結晶配向を完了させるが、その工程においては双極性非プロトン溶剤の沸点より高い温度で熱処理を行なうのが好ましい。このように熱処理温度が該溶剤の沸点より高い場合には、積層膜中に溶剤が残存しにくく、積層膜の強度が低下したり、接着性が悪くなるなどの問題が生じることがない。
【0069】
具体的に例示すれば、双極性非プロトン溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを用いた場合には、その沸点が202℃であり、予熱温度を100〜150℃、延伸温度を85〜130℃、熱処理温度を205〜245℃程度とすることが好ましい。この際、熱処理温度をかかる好ましい範囲とすると、結晶配向が崩れにくく、平面性が良好で、強度を高く維持できる。基材フィルムの融点より10℃以下、さらには20℃以下の温度で熱処理することがより好ましい。
【0070】
そして、照射エネルギー約85mJ/cm2の活性線を照射し、ハードコート層を硬化させることにより、ハードコートフィルムを得ることができる。活性線の照射は熱処理ゾーン、および熱処理後のいずれにおいて実施しても良いが、熱処理ゾーン内で幅方向あるいは長手方向に1〜12%の弛緩処理を施しながら照射し硬化させると、カールが著しく改良されるので特に好ましい。
【0071】
このようにして得られたハードコートフィルムは、表面硬度が高く、耐摩耗性に優れ、更に、極めて帯電防止性に優れているため、広範な用途に使用できる。
【0072】
本発明のハードコートフィルムは、タッチパネル、フィルム、ガラスや金属板に貼合わせるディスプレイ用(例えば、反射防止フィルム、電子ペーパーなど)、電子白板やホワイトボードなどの表示用、ラベル、シール、OHP用、カード、宅配便伝票、プリンタ用受像紙、更に種々の表面保護材、例えば、電卓や計器のカバーなどに好適に用いることができる。また、被覆金属板用として、家電機器、事務用機器、建材、車両、鋼製家具などに好適に用いることもできる。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)鉛筆硬度
JIS K 5400(1990)に基づき、各種硬度の鉛筆を45°の角度でハードコート層表面に当てて、荷重1kgにて引っ掻き、傷が発生した時の鉛筆の硬度を鉛筆硬度値とした。
(2)耐摩耗性
スチールウール#0000でハードコート層表面を1kg/cm2で5往復摩擦し、傷の発生の有無及び傷の程度を目視により観察し、以下の判定基準に従って評価した。
【0073】
○:傷の発生が全く認められない。
【0074】
△:数本の細い傷が認められる。
【0075】
×:無数の傷が認められる。
(3)表面抵抗率
R70:25℃、70%RHにて24時間放置したサンプルの塗布面の表面抵抗率を、25℃、70RH%条件において印加電圧100V条件にて、ウルトラ ハイ レジスタンス メーター(ULTRA HIGH RESISTANCE METER) R8340とレジスティビティ チャンバー(RESISTIVITY CHAMBER) R12702A(いずれも(株)アドバンテスト社製)を用いて測定した。
【0076】
R40:25℃、40%RHにて24時間放置したサンプルの塗布面の表面抵抗率を、25℃、40%RH条件において印加電圧100V条件にて、ウルトラ ハイ レジスタンス メーター(ULTRA HIGH RESISTANCE METER) R8340とレジスティビティ チャンバー(RESISTIVITY CHAMBER) R12702A(いずれも(株)アドバンテスト社製)を用いて測定した。
【0077】
R20:25℃、20%RHにて24時間放置したサンプルの塗布面の表面抵抗率を、25℃、20%RH条件において印加電圧100V条件にて、ウルトラ ハイ レジスタンス メーター(ULTRA HIGH RESISTANCE METER) R8340とレジスティビティ チャンバー(RESISTIVITY CHAMBER) R12702A(いずれも(株)アドバンテスト製)を用いて測定した。
【0078】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではない。
(塗剤の調製)
<塗剤1>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30重量部、N−ビニルピロリドン8重量部、メチルメタクリレート2重量部、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMP)60重量部を混合した塗剤を調製した。
<塗剤2>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30重量部、N−ビニルピロリドン8重量部、メチルメタクリレート2重量部、NMP60重量部の混合物に、ポリチオフェン含有塗剤デナトロン5002RZ(長瀬産業(株)社製)15重量部添加して塗剤を調製した。
<塗剤3>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30重量部、N−ビニルピロリドン8重量部、メチルメタクリレート2重量部、NMP60重量部の混合物に、ポリアニリン含有塗剤ORMECON D1000(ポリアニリン成分0.5wt%含有。ORMECON CHEMIE Gmbh & Co.KG社製)10重量部添加して塗剤を調製した。
<塗剤4>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30重量部、N−ビニルピロリドン8重量部、メチルメタクリレート2重量部、NMP60重量部の混合物に、ポリアニリン含有塗剤ORMECON D1000(ポリアニリン成分0.5wt%含有。ORMECON CHEMIE Gmbh & Co.KG社製)3重量部添加して塗剤を調製した。
<塗剤5>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30重量部、N−ビニルピロリドン8重量部、メチルメタクリレート2重量部、NMP60重量部の混合物に、30重量%ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩水溶液20重量部を添加して、塗剤を調製した。
(実施例1)
平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015重量%、平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.005重量%含有するポリエチレンテレフタレート(以下、PET)(極限粘度0.63dl/g)チップを180℃で十分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し、285℃で溶融後、T字型口金からシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャストドラムに巻き付けて冷却固化し未延伸シートとした。この未延伸シートを、95℃に加熱したロール群で長手方向に3.5倍延伸し、1軸延伸フィルムを得た。この1軸延伸フィルムの片面に、塗剤2をダイコート方式で約30μm厚に塗布した。塗布されたフィルムの両端をクリップで把持しつつ90℃の予熱ゾーンに導き、引き続き100℃の加熱ゾーンで幅方向に3.3倍延伸した。更に連続的に230℃の熱処理ゾーンで5秒間の熱処理を施し、基材フィルムの結晶配向を完了させた。さらに、このフィルムの両端をクリップで把持した状態で、フィルムを冷却させるときに、5%の弛緩処理をさせながら塗布面より9cmの高さにセットした120W/cmの照射強度を有する高圧水銀灯で、紫外線を10秒間照射し、硬化させ、PETフィルム上にハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。この積層ハードコートフィルムは、厚みが50μm、ハードコート層厚みが4.7μmの透明性に優れたものであった。鉛筆硬度は3H、耐摩耗性は○、R70は4.5×107Ω/□、R40は8.1×107Ω/□、R20は8.5×107Ω/□であり、優れたハードコート性、帯電防止性を示した。結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
(実施例2)
実施例1の塗剤2のかわりに塗剤3を用いた以外は、実施例1と同様の方法にてハードコートフィルムを得た。結果は表1に併せて示したように、良好なハードコート性、極めて低く湿度依存性のない表面抵抗率を示した。
(比較例1〜3)
実施例1の塗剤2のかわりに塗剤1、4、5を用いた以外は、実施例1と同様の方法にてハードコートフィルムを得た。結果を表1に併せて示した。
【0080】
π共役系ポリマーを含まない比較例1は帯電防止性が不良であった。
帯電防止剤としてのπ共役系ポリマー量が0.04wt%と少ない、比較例2では、帯電防止性が不良であった。帯電防止剤としてポリスチレンスルホン酸を用いた比較例3は、帯電防止性に湿度依存性が見られ、R70は9.8×109Ω/□と低い値を示したが、R40は1.7×1011Ω/□、R20は2.7×1015Ω/□と高い値を示した。
【0081】
【発明の効果】
本発明により、経時変化、湿度依存性のない帯電防止性能を持ち、ハードコート性に優れるハードコートフィルムを提供される。
Claims (7)
- 二軸配向熱可塑性フィルムの少なくとも片面に、鉛筆硬度2H以上のハードコート層が設けられたハードコートフィルムであって、該ハードコート層は25℃、40%RH条件での表面抵抗率R40が1×1010Ω/□以下であることを特徴とするハードコートフィルム。
- ハードコート層が少なくともπ共役系ポリマーと熱硬化型あるいは活性線硬化型樹脂とから構成され、該π共役系ポリマーのハードコート層中での含有率が0.05〜3.0wt%であることを特徴とする請求項1記載のハードコートフィルム。
- 熱硬化型あるいは活性線硬化型樹脂がアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載のハードコートフィルム。
- π共役系ポリマーが、ポリフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体よりなる群から選ばれた1以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- ハードコート層の25℃、70%RH条件での表面抵抗率R70が1.0×1010Ω/□以下、25℃、20%RH条件での表面抵抗率R20が1.0×1010Ω/□以下であって、R70/R20が0.1〜10であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- π共役系ポリマー量が1.0wt%以下であることを特徴とする請求項4または5に記載のハードコートフィルム。
- 熱可塑性フィルムがポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハードコートフィルム。
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