JP2009238361A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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太陸 寧
Kazuyoshi Yoshida
一義 吉田
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Abstract

【課題】帯電防止性の安定性に優れ、透明性が高く、基材との密着性に優れ、しかも安価な光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明の光情報記録媒体2は、帯電防止性樹脂組成物又は帯電防止性樹脂塗料から形成された帯電防止性ハードコート層90を有し、帯電防止性樹脂組成物は、分子内にアニオン基及び/又は電子吸引性基を有する可溶化高分子成分と導電性高分子成分とを含む可溶性導電性高分子成分と、ハードコート成分とを含有し、帯電防止性樹脂塗料は、前記帯電防止性樹脂組成物が溶媒に溶解又は分散してなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯電防止性のハードコート層を有する光情報記録媒体に関する。
一般的に、光学フィルタや光情報記録媒体の表面には傷つきを防止するためにハードコート層が形成されている。これらの用途では、ハードコート層は硬度が高いだけでなく、光学用途に用いられるために優れた透明性が要求され、さらに静電気による塵埃の付着を防止するために帯電防止性が要求される。特に、帯電防止性については、表面抵抗が10〜1010Ω程度の領域で抵抗値が安定していること(すなわち、安定した帯電防止性)が求められる。そのため、光学フィルタや光情報記録媒体用のハードコート材料としては、帯電防止性を有する樹脂組成物が使用されている。
従来、帯電防止性樹脂組成物としては、ITO(酸化錫ドープ酸化インジウム)やATO(酸化錫ドーブ酸化アンチモン)などの透明性無機導電性酸化物の微粒子を、UV硬化型アクリル樹脂などのハードコート樹脂に分散させたものが使用されていた。
例えば、ITO粉体を樹脂あるいは無機バインダーや有機溶剤に分散させたものを表面に塗布乾燥してITO透明導電膜を形成させた反射防止フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような、ITOなどの無機導電性酸化物を分散した塗膜では、抵抗値が無機導電性酸化物の分散性に影響されやすく、その結果、帯電防止性が不安定になりやすかった。また、無機導電性酸化物は、固有の屈折率が有機質の樹脂と大きく異なるために多量に配合するとヘイズが増大して透明性が損なわれる上に、塗膜が脆くなりやすくなり、基材との密着性が低くなるといった欠点があった。
また、帯電防止性樹脂組成物として、有機質である導電性高分子を溶媒に溶解して、それをハードコート樹脂に混合したものが考えられる。しかし、通常、導電性高分子は不溶不融の粒子として生成するため、この樹脂組成物は導電性高分子が溶媒に均一に溶解したものではなかった。また、粒子として生成した導電性高分子は有色であるため、その導電性高分子を分散した塗膜では、無機導電性酸化物を分散したものと同様に、透明性が損なわれ、脆くなる傾向にあった。
そこで、ピロールのβ位に長鎖のアルキル基が導入されて溶媒に溶解可能にされた導電性高分子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平4−26768号公報 特許第3024867号公報
特許文献2に記載の導電性高分子は嵩高いアルキル鎖を有しているために、溶媒に可溶でハードコート樹脂への混合が可能にはなるものの、導電性が低く、その混合量を多くしなければ所望の帯電防止性が得られなかった。その結果、塗膜が着色して透明性が損なわれるという問題があった。さらに、特許文献2に記載の導電性高分子であっても、極性の異なる種々のハードコート樹脂への混合は容易ではないため、実用化には至っていない。しかも、βアルキルピロールなどの特殊なモノマーは非常に高価であり、コスト的にも実用が困難であった。
本発明は、帯電防止性の安定性に優れ(高抵抗域での安定性に優れ)、透明性が高く、基材との密着性に優れ、しかも安価な光情報記録媒体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の光情報記録媒体は、帯電防止性樹脂組成物又は帯電防止性樹脂塗料から形成された帯電防止性ハードコート層を有し、帯電防止性樹脂組成物は、分子内にアニオン基及び/又は電子吸引性基を有する可溶化高分子成分と導電性高分子成分とを含む可溶性導電性高分子成分と、ハードコート成分とを含有し、帯電防止性樹脂塗料は、前記帯電防止性樹脂組成物が溶媒に溶解又は分散してなることを特徴とする。
本発明の光情報記録媒体は、ハードコート層によってその下の層が保護されている。また、ハードコート層は透明性、帯電防止性の安定性、密着性に優れるから、光情報記録媒体の品質が高くなる。
本発明の光情報記録媒体の一実施形態例を示す断面図である。
(帯電防止性樹脂組成物)
本発明で使用される帯電防止性樹脂組成物は、可溶性導電性高分子成分とハードコート成分とを含有するものである。
<可溶性導電性高分子成分>
本発明における可溶性導電性高分子成分は、導電性高分子成分を、分子内にアニオン基及び/又は電子吸引性基を有する可溶化高分子成分に混合して、モノマー種や、置換あるいは無置換を問わずに高い溶媒溶解性を持たせたものである。
[導電性高分子成分]
本発明における導電性高分子成分としては、抵抗値、コスト、反応性の点が有利であることから、置換あるいは無置換のポリアニリン、置換あるいは無置換のポリピロール、置換あるいは無置換のポリチオフェン、及びこれらから選ばれる1種又は2種からなる(共)重合体が挙げられ。特にポリピロール、ポリチオフェン、ポリN−メチルピロール、ポリ3−メチルチオフェン、ポリ3−メトキシチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、これらから選ばれる1種又は2種からなる(共)重合体が好ましい。
特に、ポリN−メチルピロール、ポリ3−メチルチオフェンのようなアルキル置換化合物は溶媒溶解性を向上する効果が見られることから有利である。アルキル基の中では導電性に悪影響を与えることがないため、メチル基が好ましい.
また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)のようなアルキレンジオキシ置換化合物は水又は水と有機溶媒との混合溶液に溶解して使用することができる。
[可溶化高分子成分]
可溶化高分子成分は、分子内にアニオン基及び/又は電子吸引性基を有する高分子であり、導電性高分子成分を溶媒に可溶にするものである。
分子内にアニオン基を有する可溶化高分子成分としては、例えば、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステルから選ばれ、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーであって、アニオン基を有する構成単位の数をm、アニオン基を有さない構成単位の数をnとしたとき、m/n≦1であるものが挙げられる。
ここで、ポリアルキレンとは、主鎖がメチレンの繰り返しで構成されているポリマーである。ポリアルケニレンとしては、主鎖にビニル基が1個含まれる構成単位からなるポリマーを挙げることができ、不飽和結合とπ共役系導電性高分子との相互作用があること、置換若しくは未置換のブタジエンを出発物質として合成しやすいことから、置換若しくは未置換のブテニレン等を例示できる。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2,3,3−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、2,2−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の酸無水物と、オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドを例示できる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6, 10等を例示でさる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
アニオン基を有する可溶化高分子成分を構成するポリマーが有する置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシ基、カルボニル基等が挙げられる。アルキル基は、極性溶媒又は非極性溶媒への溶解性及び分散性、樹脂への相溶性及び分散性等を高くすることができ、ヒドロキシ基は、他の水素原子等との水素結合を形成しやすくでき、有機溶媒への溶解性、樹脂への相溶性、分散性、接着性を高くすることができる。また、シアノ基及びヒドロキシフェニル基は、極性樹脂への相溶性、溶解性を高くすることができ、しかも、耐熱性も高くすることができる。上記置換基の中ではアルキル基、ヒドロキシ基、エステル基、シアノ基が好ましい。
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、へキシル、オクチル、デシル、ドデシル等のアルキル基と、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。有機溶剤への溶解性、樹脂への分散性、立体障害等を考慮すると、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましい。
ヒドロキシ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したヒドロキシ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端に結合したヒドロキシ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端に結合したヒドロキシ基等が挙げられる。これらの中では樹脂への相溶及び有機溶剤への溶解性から、主鎖に結合した炭素数1〜6のアルキル基の末端に結合したヒドロキシ基がより好ましい。
エステル基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したアルキル系エステル基、芳香族系エステル基、他の官能基を介在してなるアルキル系エステル基又は芳香族系エステル基を挙げることができる。
シアノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したシアノ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端に結合したシアノ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端に結合したシアノ基等を挙げることができる。
分子内にアニオン基を有する可溶化高分子成分において、アニオン基としては、π共役導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホン酸基及び一置換硫酸エステル基がより好ましい。
アニオン基を有する可溶化高分子成分の具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。
これらのうち、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸は、熱エネルギーを吸収して自ら分解することにより、導電性高分子成分の熱分解が緩和されるため、耐熱性、耐環境性に優れ、さらに、エステル基を有することから、ハードコート成分との相溶性、分散性に優れるので、特に好ましい。
また、電子吸引性基を有する可溶化高分子成分の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、カルボニル基、アセチル基を有する化合物が挙げられ、シアノ基を有する化合物としてはアクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルが挙げられる。シアノ基は極性が高く、ハードコート成分との相溶性、分酸性の向上に寄与するため、アクリロニトリル、メタクリロニトリルは特に好ましく用いられる。
電子吸引性基を有する可溶化高分子成分の具体例としては、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂や、水酸基あるいはアミノ基含有樹脂をシアノエチル化した樹脂(例えば、シアノエチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリビニルピロリドン、ニトロセルロースなどが挙げられる。
可溶化高分子成分は共重合体でもよく、例えば、上述したアニオン基を有する可溶化高分子成分と電子吸引性基を有する可溶化高分子成分を2種以上含む共重合体、あるいは、異なる種類のアニオン基を有する共重合体、異なる種類の電子吸引性基を有する共重合体であってもよい。
さらに、可溶化高分子成分には、他のビニル化合物が共重合されていてもよく、ビニル化合物としては、ハロゲン化ビニル化合物、芳香族ビニル及び/又はその誘導体、複素環ビニル化合物及び/又はその誘導体、脂肪族ビニル化合物及び/又はその誘導体、アクリル化合物、ジエン化合物、マレイミド化合物が挙げられる。
他のビニル化合物の具体例としては、スチレン、ブタジエン、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシアクリル酸、ヒドロキシメタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、p−ビニルトルエンなどの重合性ビニル化合物が挙げられる。これらの他のビニル化合物を共重合することで溶媒溶解性やハードコート成分への相溶性をコントロールすることができる。
また、可溶化高分子成分は、耐衝撃性を改良するための合成ゴム成分や、耐環境特性を向上させるための老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。ただし、アミン化合物系の酸化防止剤は上記導電性高分子を重合させる際に用いる酸化剤の働きを阻害することがあるので、酸化防止剤にはフェノール系のものを用いたり、重合後に混合したりするなどの対策が必要である。
[ドーパント]
可溶性導電性高分子成分は、その導電性と耐熱性を向上させるために、ドーパントを含有することが好ましい。通常、ドーパントとしてはハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸などが用いられ、具体的には、有機カルボン酸、有機スルホン酸等の有機酸、有機シアノ化合物、フラーレン、水素化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレンなどが挙げられる。
ここで、有機酸としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸などが挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
有機シアノ化合物としては、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレンなどが挙げられる。
[可溶性導電性高分子成分の製造方法]
可溶性導電性高分子成分を製造するには、可溶化高分子成分を、これを溶解する溶媒に溶解し、導電性高分子の前躯体モノマーと必要に応じてドーパントを加えて十分攪拌混合し、その混合物に酸化剤を滴下して重合を進行させる。これにより得られた可溶化高分子成分と導電性高分子との複合体から、酸化剤、残留モノマー、副生成物を除去、精製して可溶性導電性高分子成分を得る。
導電性高分子の前駆体モノマーを重合する酸化剤としては、公知のものが使用でき、例えば、塩化第二鉄、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化合物、過酸化水素、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、オゾン、酸素などが挙げられる。
可溶化高分子成分に対する導電性高分子成分の割合としては、質量比として可溶化高分子成分:導電性高分子成分が5:95〜99:1の範囲が好ましい。導電性高分子成分の比率が1未満であると十分な導電性が得られなくなることがあり、95より多いと溶媒溶解性に乏しくなる傾向にある。
精製法としては特に制限されず、例えば、再沈殿法、限外濾過法などを採用できるが、限外濾過法が簡便で好ましい。
限外濾過とは、多孔質の限外濾過膜上で溶液を循環させながら、溶液中の液体を限外濾過膜に透過させて濾過する方法である。この方法では、限外濾過膜を挟み、循環溶液側と透過溶液側とで差圧が生じるため、循環溶液側の溶液の一部が透過溶液側に浸透して循環溶液側の圧力を緩和する。この循環溶液の浸透に伴って循環溶液中の限外濾過膜口径より小さい粒子、溶解イオン等の一部が透過溶液側に移動するので、粒子や溶解イオンを除去できる。使用する限外濾過膜は、取り除く粒子径、イオン種によって分画分子量1,000〜1,000,000の範囲から適宜選択できる。
ドーパントの添加方法は、導電性高分子の前駆体モノマーと混合する方法以外の方法であってもよく、例えば、可溶化高分子成分と導電性高分子との複合体を精製した後、ドーパントを添加する方法であってもよい。
可溶性導電性高分子成分は溶媒に溶解されて使用されてもよい。その溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンなどが挙げられる。
<ハードコート成分>
本発明で用いられるハードコート成分は、硬化した際の塗膜の鉛筆硬度(JIS K 5400)がHより硬い硬度になる成分を含むものであり、硬化した際に、例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドシリコーン等のうちの1種又は2種以上になるものである。
また、ハードコート成分には、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶媒、粘度調整剤等を加えて使用することができる。
ハードコート成分は、熱エネルギー及び/又は光エネルギーによって硬化する液状重合体を含むことが好ましい。
ここで、熱エネルギーにより硬化する液状重合体としては、反応型重合体及び自己架橋型重合体が挙げられる。
反応型重合体は、置換基を有する単量体が重合した重合体であり、置換基としては、カルボキシル基、酸無水物、オキセタン系、グリシジル基、アミノ基などが挙げられる。具体的な単量体としては、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、ピメリン酸、アスコルビン酸、フタル酸、アセチルサルチル酸、アジピン酸、イソフタル酸、安息香酸、m−トルイル酸等のカルボン酸化合物、無水マレイン酸、無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸、ジクロル無水マレイン酸、テトラクロル無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ピメリット酸等の酸無水物、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、アジドメチルメチルオキセタン等のオキセタン化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−p−アミノフェノールグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(すなわち、2,2−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン)等のグリシジルエーテル化合物、N,N−ジグリシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N,N−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N−ジグリシジル−5,5−ジアルキルヒダントイン等のグリシジルアミン化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、DHP30−トリ(2−エチルヘクソエート)、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素、モノエチルアミン、メンタンジアミン、キシレンジアミン、エチルメチルイミダゾール等のアミン化合物、1分子中に2個以上のオキシラン環を含む化合物のうち、ビスフェノールAのエピクロロヒドリンによるグリシジル化合物、あるいはその類似物が挙げられる。
反応型重合体においては、少なくとも2官能以上の架橋剤を使用する。その架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、金属酸化物などが挙げられる。金属酸化物としては、塩基性金属化合物のAl(OH)、Al(OOC・CH(OOCH)、Al(OOC・CH、ZrO(OCH)、Mg(OOC・CH)、Ca(OH)、Ba(OH)等を適宜使用できる。
自己架橋型重合体は、加熱により官能基同士で自己架橋するものであり、例えば、グリシジル基とカルボキシル基を含むもの、あるいは、N−メチロールとカルボキシル基の両方を含むものなどが挙げられる。
光エネルギーによって硬化する液状重合体としては、例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドシリコーン等のオリゴマー又はプレポリマーが挙げられる。
光エネルギーによって硬化する液状重合体を構成する単量体単位としては、例えば、ビスフェノールA・エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等のアクリレート類、テトラエチレングリコールジメタクリレート、アルキルメタクリレート、アリルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート類、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、高級アルコールグリシジルエーデル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、アクリロイルピペリジン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアクリル(メタクリル)アミド類、2−クロロエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル等のビニルエーテル類、酪酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類の単官能モノマー並びに多官能モノマーが挙げられる。
光エネルギーによって硬化する液状重合体は、光重合開始剤によって硬化する。その光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類などが挙げられる。さらに、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合できる
熱エネルギー及び/又は光エネルギーによって硬化するハードコート成分が液状重合体を含む場合には、上記可溶性導電性高分子成分を液状重合体に溶解させることができるので、帯電防止性樹脂組成物を無溶剤型帯電防止性樹脂塗料にできる。無溶剤型塗料では、塗布後、乾燥することなく光照射により硬化できるから、ハードコート層を簡便に形成できる。
可溶性導電性高分子成分とハードコート成分の混合量は、求められる帯電防止性によって適宜選択されるが、可溶性導電性高分子成分:ハードコート成分=0.001:99.999〜99.9:0.1(質量比)の範囲であり、好ましくは5:95〜95:5の範囲である。
(帯電防止性樹脂塗料)
本発明で使用される帯電防止性樹脂塗料は、上記帯電防止性樹脂組成物が溶媒に溶解又は分散してなるものである。
ここで、溶媒としては、上記可溶性導電性高分子成分を溶解する溶媒と同じものを用いることができる。例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
帯電防止性樹脂塗料では、ハードコート成分が液状重合体であっても構わない。液状重合体を含む場合、帯電防止性樹脂塗料を塗布後に乾燥する際に、液状重合体の溶媒和により可溶性導電性高分子成分の自己凝集を抑制できるため、導電性の低下を防ぐことができる。
帯電防止性樹脂塗料又はハードコート成分が液状重合体である帯電防止性樹脂組成物(無溶剤型帯電防止性樹脂塗料)の塗膜(ハードコート層)を形成するには、これらを、浸漬、コンマコート、スプレーコート、ロールコート、グラビア印刷などの手法により、ポリエステルフィルムやトリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどの基材上に塗布した後、加熱により溶媒を除去し、又は熱や光によって硬化すればよい。
加熱により塗膜を形成する場合の加熱方法としては、例えば、熱風加熱や赤外線加熱などの通常の方法を採用でき、光硬化により塗膜を形成する場合の光照射方法としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光源から紫外線を照射する方法を採用できる。
得られた塗膜においては、膜厚1μmの際の可視光透過率(JIS Z 8701)が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、96%以上であることが特に好ましい。
また、ヘイズ(JIS K 6714)が5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましい。
さらに、表面抵抗値が1×10〜1×1013Ωであることが好ましい。
塗膜の光透過率、ヘイズ、表面抵抗値は、塗膜厚さにより調節できる。
以上説明した帯電防止性樹脂組成物及び帯電防止性樹脂塗料によれば、塗布、乾燥、硬化といった簡単な工程により、表面抵抗が10〜1010Ω程度の範囲内で安定であり、帯電防止性の安定性に優れたハードコート層を形成できる。しかも、そのハードコート層は導電性高分子成分が均一に分散したものであるため、ヘイズが小さく、光線透過率が高く、透明性に優れる。さらに、そのようなハードコート層は基材との密着性にも優れる。
このような性質の帯電防止性樹脂組成物及び帯電防止性樹脂塗料は、特に光学フィルタ、光情報記録媒体に好適に用いることができる。
(光情報記録媒体)
本発明の光情報記録媒体の一実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例の光情報記録媒体を示す。この光情報記録媒体2は書換型ディスクであり、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレートなどからなる円盤状の透明性樹脂基板40、第1誘電体層50、光情報記録層60、第2誘電体層70、金属反射層80、帯電防止性ハードコート層90(以下、ハードコート層90と略す)が順次形成された構造を有したものである。
第1誘電体層50及び第2誘電体層70を構成する材料としては、例えば、SiN、SiO、SiO、Taなどの無機系材料を用いることができる。
これらの誘電体層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の手段によって厚さ10〜500nmで形成される。
光情報記録層60を構成する材料としては、例えば、Tb−Fe、Tb−Fe−Co、Dy−Fe−Co、Tb−Dy−Fe−Coなどの無機系の光磁気型記録材料や、TeOx、Te−Ge、Sn−Te−Ge、Bi−Te−Ge、Sb−Te−Ge、Pb−Sn−Te、Tl−In−Seなどの無機系の相変換型記録材料、シアニン系色素、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、メロシアニン系色素、アズレン系色素、スクアリウム系色素等の有機色素が用いられる。
光情報記録層60が無機系の光磁気型記録材料からなる場合、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の手段によって厚さ10〜999nmで形成することができる。また、有機色素からなる場合、有機色素をアセトン、ジアセトンアルコール、エタノール、メタノール等の溶媒に溶解した溶液を公知の印刷方法又は塗布方法により厚さ10〜999nmで形成することができる。
また、金属反射層80は光反射性を示すものであり、Al、Cr、Ni、Ag、Au等の金属及びその酸化物、窒化物などを単独もしくは二種類以上の組み合わせで構成される。この金属反射層80は、スパッタリング又は真空蒸着法により厚さ2〜200nmで形成される。
ハードコート層90は、上記帯電防止性樹脂組成物又は帯電防止性樹脂塗料から形成されたものである。このハードコート層90により、光情報記録媒体2表面の傷つきを防止でき、また、金属反射層80の酸化を防止できる上に、静電気による塵埃の付着を抑制できる。
ハードコート層90の厚さは3〜15μmであることが好ましい。3μmより薄いと、均一な膜を形成するのが困難になる傾向にあり、十分な帯電防止性、表面傷つき防止性、金属反射層80の酸化防止性を発揮できないことがある。一方、15μmより厚いと、内部応力が大きくなり、光情報記録媒体2の機械特性が低下するおそれがある。
ハードコート層90を形成するには、金属反射層80の上に、コンマコート、スプレーコート、ロールコート、グラビア印刷などの公知の手法を用いて、帯電防止性樹脂組成物又は帯電防止性樹脂塗料を塗布した後、溶媒を乾燥、又は熱やUVによって硬化する。
以上説明した光情報記録媒体2にあっては、光情報記録層60や金属反射層80を保護するハードコート層90が形成されており、そのハードコート層90は上記帯電防止性樹脂組成物又は帯電防止性樹脂塗料から形成されている。したがって、ハードコート層90はヘイズが小さく、光線透過率が高いので、読み取り用レーザの波長である780nmと635nmでの透明性に優れる。また、ハードコート層90は帯電防止性を有しているため、静電気による塵埃付着が抑制されており、記録読み取りエラーや書き込みエラーが防止されている。
なお、本発明の光情報記録媒体は上述した実施形態例に限定されず、例えば、光情報記録媒体は追記型ディスクであってもよい。追記型ディスクは、例えば、透明性樹脂基板(有機基材)、光情報記録層、反射金属層、ハードコート層が順次形成された構造を有する。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳しく説明する。
(製造例1)電子吸引性基を含有する可溶化高分子成分の合成
アクリロニトリル50gとスチレン10gをトルエン500ml中に溶解し、重合開始剤としてアゾイソブチロニトリルを1.5g加え、50℃で5時間重合した。その後、重合により生成したポリマーをメタノールで洗浄した。
(製造例2)アニオン基を含有する可溶化高分子成分の合成
イオン交換水(100ml)に、43.4gのメタクリル酸エチルスルホン酸ナトリウム(商品名:アントックス。日本乳化剤社製)を加え、掻き混ぜながら80℃に保ち、予め10mlのイオン交換水に溶解した0.114gの過硫酸アンモニウムと0.04gの硫酸第二鉄の複合酸化剤溶液を加えた後、80℃に保ちながら3時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷やし、それに1000mlのイオン交換水を添加し、そして50質量%硫酸水溶液を30g加えてから、溶液を300mlまで濃縮した。この操作を4回繰り返した。
さらに、2000mlのイオン交換水を加え300mlまで濃縮する操作を透過溶液が中性になるまで繰り返し、得られた濃縮溶液をオーブン中で乾燥してポリメタクリル酸エチルスルホン酸を得た。
(製造例3)アニオン基を有する成分と電子吸引性基を有する成分との共重合体を含有する可溶化高分子成分の合成
アクリル酸エチルスルホン酸ナトリウム40gとメタクリロニトリル20gをアセトニトリルとイオン交換水(7:3)500mlに加えて、掻き混ぜながら80℃に保ち、予め10mlのイオン交換水に溶解した0.14gの過硫酸カリウムと0.04gの硫酸第二鉄の複合酸化剤溶液を加えた後、80℃に保ちながら3時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷やし、それに1000mlのイオン交換水を添加し、そして50質量%硫酸水溶液を30g加えてから、溶液を300mlまで濃縮した。この操作を4回繰り返した。
さらに、2000mlのイオン交換水を加え300mlまで濃縮する操作を透過溶液が中性になるまで繰り返し、得られた濃縮溶液をオーブン中で乾燥してアクリル酸エチルスルホン酸とメタクリロニトリルとの共重合体を得た。
[帯電防止性樹脂塗料の調製]
(製造例4)
製造例1の可溶化高分子成分10gをアセトニトリル90gに溶解し、チオフェン50gとオクタデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム20gを加え、−20℃に冷却しながら、1時間攪拌した。
この溶液に、塩化第二鉄250gをアセトニトリル1250mlに溶解した酸化剤溶液を、20℃を保ちながら2時間かけて滴下し、さらに12時間攪拌を続けてチオフェンを重合した。
反応終了後、チオフェンの重合体を含む溶液に2000mlのメタノールを加え、限外濾過法により洗浄して沈殿物をろ過し、この沈殿物をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解して濃度5質量%として可溶性導電性高分子の溶液を調製した。
この可溶性導電性高分子溶液にエチルビニルエーテルを混合し、その混合液にハードコート成分であるポリエステルアクリレート(東亜合成社製)を混合し、攪拌して帯電防止性樹脂塗料を得た。
この帯電防止性樹脂塗料を以下のように評価した。すなわち、帯電防止性樹脂塗料に重合開始剤であるダイキュア1173 (チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を添加し、PETフィルム上にコンマコーターにより塗布し、乾燥、高圧水銀灯の露光により硬化して厚さ1μmの帯電防止性ハードコート層を形成した。そして、この層の表面抵抗値、可視光透過率、ヘイズを測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2009238361
(実施例1)光情報記録媒体の作製
射出成形により形成した円盤状のポリカーボネート基板上に、スパッタリング法により、第1誘電体層として300nmのTaを形成し、光情報記録層として500nmのTb−Fe層を形成し、第2誘電体層として300nmのTaを形成し、金属反射層として100nmのアルミニウム層を形成した。次いで、金属反射層上に、製造例4の帯電防止性樹脂塗料をコンマコーターで塗布し、乾燥後、高圧水銀灯の露光により硬化して帯電防止性ハードコート層を形成して光情報記録媒体を得た。この光情報記録媒体を以下のように評価した。
得られた光情報記録媒体の表面抵抗、鉛筆硬度、密着性、透過率について評価した。
[表面抵抗測定]光情報記録媒体の表面抵抗値は1×10Ωであった。
[鉛筆硬度試験] JIS S 6006に規定された試験用鉛筆を用いて、JIS K 5400に従い、1Kgの荷重の際に傷がまったく認められない硬度を測定したところ、2Hであった。
[密着性試験]碁盤目テープ法(JIS K 5400)に準じて密着性試験を行った。具体的には、光学フィルムの反射防止層側の表面にカッターにより1mm間隔で縦横各11本の切込みを入れた(計100個の正方形マス目を形成させた)。これに粘着テープを貼った後、剥離して、PETフィルム上に残ったマス目の数をカウントした。その結果、密着性試験では100個のマス目が全て残っていた。
[透過率測定]光情報記録媒体の読み取り用レーザダイオードの発光波長である780nmと635nmでの帯電防止性ハードコート層の透過率を分光光度計により測定した。その結果、780nmでの透過率は98.9%、635nmの透過率は98.6%であった。
すなわち、この光情報記録媒体は、波長780nmと635nmでの透明性に優れる上に、帯電防止性、耐傷つき性、帯電防止性ハードコート層と基材との密着性が優れたものであった。
2 光情報記録媒体
90 帯電防止性ハードコート層(ハードコート層)

Claims (1)

  1. 帯電防止性樹脂組成物又は帯電防止性樹脂塗料から形成された帯電防止性ハードコート層を有し、
    帯電防止性樹脂組成物は、分子内にアニオン基及び/又は電子吸引性基を有する可溶化高分子成分と導電性高分子成分とを含む可溶性導電性高分子成分と、ハードコート成分とを含有し、
    帯電防止性樹脂塗料は、前記帯電防止性樹脂組成物が溶媒に溶解又は分散してなることを特徴とする光情報記録媒体。
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