JPH06309699A - 光学材料及び光情報記録媒体並びに光情報記録媒体の収納容器 - Google Patents

光学材料及び光情報記録媒体並びに光情報記録媒体の収納容器

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JPH06309699A
JPH06309699A JP5096312A JP9631293A JPH06309699A JP H06309699 A JPH06309699 A JP H06309699A JP 5096312 A JP5096312 A JP 5096312A JP 9631293 A JP9631293 A JP 9631293A JP H06309699 A JPH06309699 A JP H06309699A
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JP
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optical
meth
acrylate
conductive polymer
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JP5096312A
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English (en)
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Kenichi Kamiyama
健一 上山
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電防止特性及び帯電防止などの耐久性に優
れた材料を提供することである。 【構成】 基材と、この基材に介在してなるアニオン性
の基と、このアニオン性の基に結合してなる前記基材表
面に設けられたπ共役系の導電性高分子とを具備した光
学材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば光磁気ディス
ク、ミニディスク(MD)、コンパクトディスク(C
D)、追記型光ディスク、光カードといった各種の光情
報記録媒体や光情報記録媒体の収納容器、あるいは各種
の光学系に用いられるレンズ等を構成するのに使用され
る材料に関するものである。
【0002】
【発明の背景】光学レンズや光ディスク基板といった光
学材料は、成形性や透明性の観点からポリメチルメタク
リレートやポリカーボネート系の材料が選ばれている。
ところで、このような材料は、絶縁性を示すことから帯
電し易く、使用中や保存中に多量の塵や埃が付着し易い
といった問題点がある。すなわち、塵や埃が付着する
と、光学レンズの場合には透明性が損なわれ、光情報記
録媒体の場合には信号の再生にエラーが起きることにな
る。
【0003】このような観点から、基材表面を帯電防止
処理することが提案されている。ところで、帯電防止処
理(表面の導電化処理)の手段としては、 ハードコート膜内に導電フィラーを添加する手段、 ハードコート膜内に界面活性剤を練り込む手段 が知られている。
【0004】これらの手段のうちのの手段は、帯電防
止特性に優れているものの、導電フィラーを多量に添加
するものであることから、光学特性、硬度、コーティン
グ特性に問題が有る。後者のの手段は、帯電現象が起
き易い乾燥・低湿時に効果が低下したり、又、ブリード
現象が起きることから帯電防止特性の喪失が起きたり、
かつ、表面に「濁り」が起きて光学特性の低下が引き起
こされたりする。
【0005】又、汚れは帯電にのみ起因するものではな
く、表面に吸着した水分による液架橋力による汚れ、
又、油などの粘着力による汚れが存在する。従って、汚
れを付けない為には、表面を高表面エネルギー化するこ
となしに透明導電化することが好ましい。この為には、
電子電導性の材料で表面を処理することが考えられる。
尚、電子電導性の材料は可視光領域において光を吸収す
る為、電子電導性の材料で形成された層は出来るだけ薄
くしておく必要が有る。しかしながら、電子電導性のポ
リマーは基材との結合度が一般的に低く、溶剤で拭き取
ったりすると薄い電子電導性のポリマー層は剥がれてし
まい、その効果を喪失してしまう。
【0006】
【発明の開示】本発明の目的は、帯電防止特性及び帯電
防止などの耐久性に優れた材料を提供することである。
この本発明の目的は、基材と、この基材に介在してなる
アニオン性の基と、このアニオン性の基に結合してなる
前記基材表面に設けられたπ共役系の導電性高分子とを
具備したことを特徴とする光学材料によって達成され
る。
【0007】又、アニオン性の基が介在した基材をπ共
役系の導電性高分子で処理してなることを特徴とする光
学材料によって達成される。又、アニオン性の基が介在
した基材にπ共役系の導電性モノマーをつけ、重合処理
してなることを特徴とする光学材料によって達成され
る。又、アニオン性の基が介在した基材にπ共役系の導
電性モノマー及び酸化剤をつけ、重合処理してなること
を特徴とする光学材料によって達成される。
【0008】尚、本発明における基材は、親水性の基を
有するものであることが好ましく、又、表面に鉛筆硬度
H以上のハードコート膜を有するものであることが好ま
しい。尚、このハードコート膜は、各種のものを用いて
構成できるが、例えば(メタ)アクリロイル基を含む重
合性化合物の重合により構成されたものであることが好
ましい。
【0009】又、上記のアニオン性の基は、例えばスル
ホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、これらの誘導体
(例えば、塩とかエステル)の群の中から選ぶことが出
来、中でもスルホン酸基やスルホン酸基誘導体であるこ
とが好ましい。又、上記のπ共役系の導電性高分子は、
ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリパ
ラフェニレン、ポリピレン、ポリアズレン、ポリフラ
ン、ポリセレノフェン、ポリピペラジン、これらの誘導
体の群の中から選ぶことが出来、中でもポリピロールや
ポリピロール誘導体であることが好ましい。尚、これら
のポリマーは、ピロール、チオフェン、アニリン、パラ
フェニレン、ピレン、アズレン、フラン、セレノフェ
ン、ピペラジン、これらの誘導体などのπ共役系の導電
性高分子を構成するモノマーを重合させることによって
構成される。
【0010】又、上記のようにして構成されたπ共役系
の導電性高分子の層上には撥水及び/又は撥油性の膜が
設けられていることが好ましい。そして、上記のような
材料が用いられて構成されてなる光情報記録媒体は、乾
燥・低湿下にあっても信号の再生にエラーが起き難いも
のであって、信頼性が高いといった大きな特長が奏され
る。
【0011】又、上記のような材料が用いられて構成さ
れてなる収納容器に光情報記録媒体が収納されている
と、乾燥・低湿下にあっても信号の再生にエラーが起き
難いものであって、信頼性が高いといった大きな特長が
奏される。以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、
π共役系の導電性高分子の層と基材との結合力を高める
為に、基材、特に基材表面(全面的あるいは部分的)に
アニオン性の基(電子受容性の基)を導入するようにし
たものである。
【0012】例えば、スルホン酸基を基材表面に導入す
るには、基材をクロロ硫酸に接触させれば良い。すなわ
ち、樹脂製の基材表面には−OH基が通常存在してお
り、又、疎水性のものであって、基材表面に−OH基が
ないような場合でも、オゾン処理、コロナ放電処理、プ
ラズマ処理といった手段により基材表面に−OH基を簡
単に導入でき、このように−OH基が存在している基材
をクロロ硫酸で処理すると、クロロ硫酸と−OH基とが
反応して硫酸エステルが形成され、表面にスルホン酸基
が導入されることになる。
【0013】又、基材表面にフェニル基が有る場合、基
材をクロロ硫酸で処理すると、アルカリ加水分解が起
き、ベンゼン環にスルホン基が置換導入されることにな
る。又、反応性の二重結合(C=C基)や三重結合とス
ルホン酸基を持つモノマー、例えば2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、p−スチレンスルホ
ン酸塩といったモノマーを、例えば電子線や紫外線とい
った活性エネルギー照射により基材表面にグラフト重合
させる手段も有る。
【0014】カルボキシル基を基材表面に導入するに
は、アクリル酸によるグラフト重合処理、アクリル酸を
適当な(メタ)アクリレートモノマーやオリゴマーコー
ティング剤に混合し、コーティング処理する方法が有
る。その他のアニオン性の基の導入についても、適宜な
手段を採用すれば良い。尚、上記のようなアニオン化処
理に際しては、基材表面に親水性の基があることが好ま
しいものである。従って、基材を構成するポリマー自体
に親水性の基を有したものを用いることが好ましい。
【0015】アニオン性の基が表面に導入された基材の
表面にπ共役系の導電性高分子の層を設けるには、ポリ
ピロール、ポリチオフェン、ポリアニレン、ポリパラフ
ェニレン、ポリピレン、ポリアズレン、ポリフラン、ポ
リセレノフェン、ポリピペラジン、あるいはこれらの誘
導体(例えば、アルキル置換ポリピロール、アルキル置
換ポリチオフェンなど)の溶液をコーティングする手段
が有る。
【0016】又、前記π共役系の導電性高分子を構成す
るモノマー(例えば、ピロール)溶液をアニオン性の基
が表面に導入された基材の表面に塗布し、重合処理させ
ることも考えられる。尚、このような重合処理手段によ
れば、π共役系の導電性高分子の層の密着性はより高く
なり、又、均一性にも優れていることから好ましい。そ
して、ピロールのようなモノマー溶液を基材の表面に塗
布し、重合処理する場合には、アルキルベンゼンスルホ
ン酸第二鉄塩のような第二鉄塩、ペルオクソ二硫酸アン
モニウム、塩化第二銅などの酸化剤(中でも、アルキル
ベンゼンスルホン酸第二鉄塩が好ましい)がピロールと
共に用いられることが好ましい。
【0017】すなわち、ピロールのようなモノマーとア
ルキルベンゼンスルホン酸第二鉄塩のような酸化剤とを
所定の溶媒中に溶かし、この溶液中にアニオン性の基が
表面に導入された基材を浸漬し、重合処理することによ
って、表面にπ共役系の導電性高分子の層を設けること
が出来る。又、アルキルベンゼンスルホン酸第二鉄塩の
ような酸化剤を溶解した溶液中にアニオン性の基が表面
に導入された基材を浸漬し、表面に酸化剤を吸着させた
後、これをピロールのようなモノマーを溶解した溶液中
に浸漬したり、ピロールのようなモノマー蒸気にさら
し、基材表面で重合処理することによって、表面にπ共
役系の導電性高分子の層を設けることが出来る。
【0018】又、アニオン性の基が表面に導入された基
材をピロールのようなモノマーを溶解した溶液中に浸漬
したり、モノマー蒸気にさらし、基材表面にモノマーを
付けた後、酸化剤に接触させ、重合処理することによっ
て、表面にπ共役系の導電性高分子の層を設けることが
出来る。このようなπ共役系の導電性高分子の層は、単
分子膜に相当するÅ程度の厚さから10μm程度である
ことが好ましい。
【0019】上記のπ共役系の導電性高分子の層は、透
明な基体表面に直接あるいは間接的に設けることが出来
る。例えば、図1に示す如く、基板1の表面にアニオン
性の基A- を導入した後、この基板1の表面に直接π共
役系の導電性高分子の層2を設けても良い。あるいは、
図2に示す如く、基板1の表面に鉛筆硬度がH以上のハ
ードコート膜3を設け、このハードコート膜3の表面に
アニオン性の基A- を導入した後、ハードコート膜3の
表面にπ共役系の導電性高分子の層2を設けても良い。
【0020】ハードコート膜3の材料としては、例えば
東芝シリコーン(株)製のトスガード520といったシ
リケート系の化合物やチタネート系の化合物、あるいは
放射線硬化型の有機材料が挙げられる。尚、工程の簡便
性を考慮すると、放射線硬化型、特に紫外線硬化型のも
のが好ましい。このような放射線硬化型のものとして
は、大きく分けてラジカル重合型、カチオン重合型のも
のがある。
【0021】ラジカル重合型のものとしては、(メタ)
アクリロイル基を含む放射線重合可能な化合物が好まし
いものとして挙げられる。例えば、(メタ)アクリロイ
ル基を有する(メタ)アクリレート化合物のモノマーや
オリゴマー等をコーティングし、放射線照射や加熱によ
り重合させる手段が採用される。(メタ)アクリレート
化合物としては、塗膜の耐擦傷性や基材の表面保護効果
の観点から、1分子中に2個以上の官能基を含む架橋性
の基を持つものが好ましい。例えば、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタ
ントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート、及びこれらのエチレンオキサイドやプロピ
レンオキサイド変性物などの3官能の(メタ)アクリレ
ート化合物が挙げられ、又、1,3−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、シクロペンタジエニル
アルコールジ(メタ)アクリレートなどの2官能の(メ
タ)アクリレート化合物が挙げられる。又、ポリエステ
ルポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリ
レート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリシロ
キサンポリ(メタ)アクリレート、ポリアミドポリ(メ
タ)アクリレート等も用いられる。
【0022】そして、上記化合物の溶解性促進、粘度調
整、基材との密着性の向上といった観点から、単官能
(メタ)アクリレートを40重量%以下(望ましくは、
0〜30重量%)併用することが好ましい。単官能(メ
タ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレ
ート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチ
ル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)ア
クリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペン
チル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,3−
ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシスチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート等のアクリル酸アルキルエステルやメタクリ
ル酸アルキルエステルが挙げられる。
【0023】又、2−メトキシエチル(メタ)アクリレ
ート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−エトキシプロピ
ル(メタ)アクリレート等のアクリル酸アルコキシアル
キルエステルやメタクリル酸アルコキシアルキルエステ
ルも用いられる。その他、N−ヒドロキシメチル(メ
タ)アクリルアミドやN−メトキシメチル(メタ)アク
リルアミド等も用いられる。
【0024】又、電子線やγ線といった放射線照射によ
りハードコート膜3を構成する場合には不要であるが、
実用性の観点から紫外線照射によりハードコート膜3を
構成する場合には光重合開始剤が用いられる。例えば、
4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチ
ルジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−
1−オン等のアセトフェノン系の光重合開始剤、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系の光重
合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソ
ン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジエチ
ルチオキサンソン等のチオキサンソン系の光重合開始剤
などを一種あるいは二種以上使用することが出来る。
尚、使用量は、(メタ)アクリロイル基を有する(メ
タ)アクリレート化合物100重量部に対して10重量
部以下であることが好ましい。
【0025】そして、上記のような化合物を所定の割合
で配合したアルコール(例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等)溶液を基材表面に塗布
し、紫外線照射して重合を行わせれば、ハードコート膜
3が構成される。尚、上記アルコール溶液中には、必要
に応じて各種の添加剤、例えば帯電防止剤、表面調整
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、その他シリコーン等を
添加しておいても良い。
【0026】前記π共役系の導電性高分子の層2の上
に、π共役系の導電性高分子による帯電防止の特長を喪
失させない程度のオーバーコート層を設けても良い。例
えば、10μm以下、望ましくは1μm以下(単分子膜
が望ましい)といった厚さで撥水及び/又は撥油性のオ
ーバーコート層を設け、汚れが付かないようにしても良
い。すなわち、汚れの原因は、帯電による塵や埃の付着
のみではなく、液架橋力、あるいは水性粘着性汚れや油
性粘着性汚れ等が考えられることから、表面エネルギー
の低い撥水及び/又は撥油性のオーバーコート層を設け
ておけば、かかる問題がより軽減されることになる。
【0027】このオーバーコート層は、例えば2,2,
2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−ト
リフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3−
テトラフルオロプロピルメタクリレート、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレー
ト、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロ
ピルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5
−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,
3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリ
レート等のアクリル酸フルオロアルキルエステルやメタ
クリル酸フルオロアルキルエステルといったフッ素系の
化合物、シリコーンモノマーあるいはシリコーンマクロ
マーや下記の構造式のシラン系の化合物を非水系の溶剤
で希釈したものを塗布したり、浸漬したり、あるいはこ
れらの化合物を含有した放射線硬化型のハードコート剤
(例えば、信越化学工業(株)製のKNS−5300,
5100等)を用いて構成できる。
【0028】
【化1】
【0029】〔但し、X,Y,Zのうち少なくとも一つ
がCl,OCH3 ,OC2 5 〕 上記の構造を有する基と撥水あるいは撥水・撥油性の基
を有する化合物例えば、下記の〔化2〕や〔化3〕で表
される化合物
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】〔但し、nは1〜30(好ましくは3〜2
0)、R1 ,R1 ’は炭素数0〜20の炭化水素基、あ
るいはこの炭化水素基中にエステルやエーテル基を含む
分子鎖〕 次に、本発明の光学材料を光情報記録媒体に適用した場
合について説明する。先ず、CDやCD−ROMは、射
出成型ポリカーボネートといった基板にアルミ反射膜を
スパッタ手段で構成し、次にこのアルミ反射膜上に紫外
線硬化型オーバーコート膜を設け、そして前記したよう
な手段でアニオン性の基を表面に導入し、この後に前記
したような手段でπ共役系の導電性高分子膜を設けるこ
とによって、図3に示されるような光情報記録媒体が得
られる。尚、図3中、5は基板、6は反射膜、7はオー
バーコート膜、8はπ共役系の導電性高分子膜である。
【0033】又、光磁気ディスクや追記型光ディスクの
場合には、基板上に記録膜、反射膜、オーバーコート膜
を設け、そして前記したような手段でアニオン性の基を
表面に導入し、この後に前記したような手段でπ共役系
の導電性高分子膜を設けることによって、図4や図5に
示されるような光情報記録媒体が得られる。尚、図4や
図5中、10は基板、11は記録膜、12はオーバーコ
ート膜、13はハードコート膜、14はπ共役系の導電
性高分子膜である。
【0034】又、光情報記録媒体が装填されるカートリ
ッジの表面にアニオン性の基を介在させ、これにπ共役
系の導電性高分子層を設けていると、塵や埃がカートリ
ッジの表面に付着し難いから、信号の再生に信頼性が一
層高まることになる。以下、実施例により具体的に本発
明を説明する。
【0035】
【実施例】
〔実施例1〕一方の面をシールしたポリカーボネート基
板(105×105×1mm)の上に、200重量部の
ペンタエリスリトールトリアクリレート、100重量部
の2−ヒドロキシエチルアクリレート、18重量部の日
本チバガイギー(株)製のIrg.500の混合物をス
ピンコート法により塗布し、そして紫外線照射(100
0mJ/cm2 )を行い、約5μm厚の膜を設けた。
【0036】この膜の付いた基板をクロロ硫酸と共にデ
シケータ内に入れ、約5分間放置した。デシケータから
基板を取り出し、この基板を水洗、エタノール洗浄した
後、0.02mol/lのピロール及び0.03mol
/lのFeCl3 水溶液に浸漬した。
【0037】下記に示す所定時間後に基板を引き上げ、
基板を水洗、エタノール洗浄し、60℃で約1時間加熱
処理し、この後シール膜を剥離した。このようにして得
られた材料の表面電気抵抗と光透過率を測定したので、
その結果を下記の表−1に示す。 表−1 浸漬時間 表面電気抵抗値 光透過率 (秒) (Ω/sq. 24℃,30%RH) (%) 実施例No1 100 1×1011 90.8 No2 180 3×109 87.6 No3 360 5×107 85.1 No4 720 4×106 78.1 比較例 360 1×1015 90.0 1500 2×109 68.1 *光透過率は、830nmの光で調べた。
【0038】*比較例は、クロロ硫酸で処理していない
ものである。これによれば、π共役系の導電性高分子で
処理されても、その下地にアニオン性の基が介在してい
ない場合には、表面電気抵抗が高く、かつ、光透過率が
低いことも窺える。又、得られたものをエタノールを染
み込ませた布で強く拭いた処、比較例のものでは表面電
気抵抗値が二桁低下したのに対して、本実施例のもので
は変化が殆ど認められなかった。かつ、本実施例のもの
を乾燥下に放置していても、あるいは24℃、80%R
Hの下でも表面電気抵抗値の変化は殆ど認められなかっ
た。すなわち、本実施例のものは、耐久性に富むもので
あることが判る。
【0039】又、本実施例で得たものを乾いた布で拭い
た処、傷付きが認められなかった。 〔実施例2〕一方の面をシールしたポリカーボネート基
板(105×105×1mm)の上に、200重量部の
ペンタエリスリトールトリアクリレート、100重量部
の2−ヒドロキシエチルアクリレート、18重量部の日
本チバガイギー(株)製のIrg.500の混合物をス
ピンコート法により塗布し、そして紫外線照射(100
0mJ/cm2 )を行い、約5μm厚の膜を設けた。
【0040】この膜の付いた基板をクロロ硫酸と共にデ
シケータ内に入れ、約5分間放置した。デシケータから
基板を取り出し、この基板を水洗、エタノール洗浄した
後、0.02mol/lの濃度のピロール及び0.05
mol/lの濃度のドデシルベンゼンスルホン酸鉄(I
I)のメタノール溶液に浸漬した。
【0041】360秒後に基板を引き上げ、基板を水
洗、エタノール洗浄し、60℃で約1時間加熱処理し、
この後シール膜を剥離した。このようにして得られた材
料の表面電気抵抗は1.4×108 (Ω/sq.)であ
り、光透過率は86.1%であった。又、これを80
℃、85%RH下に1000時間放置していたが、表面
電気抵抗の特性に低下は認められなかった。
【0042】〔実施例3〕下記の〔化4〕の化合物(東
芝シリコーン(株)製のTSL8232)を0.05m
ol/lの濃度で充分に脱水した不活性溶媒(3M社の
PF5070)中に溶解した溶液中に、実施例1のNo
2の基板を窒素気流下で1時間浸漬した。
【0043】
【化4】
【0044】そして、基板を取り出し、不活性溶媒(3
M社のPF5070)中で洗浄し、続いて蒸留水で洗浄
した。このようにして得られた基板の親水性接触角を協
和界面科学社のCA−Z150で測定した処110°で
あり、そしてこのような撥水・撥油性処理後の表面電気
抵抗値を調べた処、これは処理前のものと殆ど変わりな
かった。
【0045】又、24℃、30%RH雰囲気下において
BEMCOT M−3(旭化成(株)製)で基板を強く
20回擦った後、タバコの灰に近づけても灰は基板に全
く付着せず、さらに水性サインペンや油性サインペンで
表面に字を書こうとしたが、インキが弾かれて書けず、
又、弾かれたインクはティッシュペーパーで簡単に拭き
取れた。
【0046】〔実施例4〕CD−ROM用スタンパーで
成型されたポリカーボネート基板にアルミ反射膜をスパ
ッタ手段により付け、次に大日本インキ化学工業社製の
SD−17のオーバーコート膜を5μm設けてCD−R
OMを作製した。そして、このCD−ROMに対して実
施例1と同様な処理を行った後、実施例3に記載の後処
理を行った。
【0047】このようにして得られたCD−ROMと、
本発明のような処理を行っていない比較になるCD−R
OMとを、24℃、20%RHの低湿環境下で、駆動装
置に装着−回転(10分)−脱着の操作を500回繰り
返した後、ダートチャンバー試験(ASTM D 27
41−68)によりゴミの付着を行った。これによれ
ば、実施例のものはゴミ付着は認められず、反射率の変
化も殆どなく、そしてバイトエラーレートも殆ど変わら
ないものであった。
【0048】これに対して、比較例のものは顕著なゴミ
付着が認められ、そしてバイトエラーレートは一桁高い
ものとなっていた。又、各CD−ROMをオレンジジュ
ースやビールの中に浸漬し、この後引き上げて水洗した
処、実施例のものは顕著な汚れが認められなかったもの
の、比較例のものはシミ状の汚れが認められた。
【0049】〔実施例5〕3.5インチの光磁気ディス
ク用ポリカーボネート基板にSiN系の誘電体/TbF
eCo系の記録膜/SiN系の誘電体/Al系反射膜を
順次スパッタ手段により付け、次にAl系反射膜上に大
日本インキ化学工業社製のSD−301の膜を8μm厚
さ設けた。
【0050】ピックアップサイド側には日本化薬社製の
INC944を約5μm厚さ設け、この後ハブをUV接
着し、ハブの金属部分をシールし、この後実施例1と同
様な処理を行い、続いて実施例3に記載の後処理を行っ
た。そして、この光磁気ディスクをカートリッジに装填
した。このようにして得られた光磁気ディスクと、本発
明のような処理を行っていない比較になる光磁気ディス
クとを、24℃、20%RHの低湿環境下で、駆動装置
に装着−回転(10分)−脱着の操作を500回繰り返
した後、ダートチャンバー試験(ASTM D 274
1−68)によりゴミの付着を行った。
【0051】これによれば、実施例のものはゴミ付着は
認められず、反射率の変化も殆どなく、そしてバイトエ
ラーレートも殆ど変わらないものであった。これに対し
て、比較例のものは顕著なゴミ付着が認められ、そして
バイトエラーレートは三桁高いものとなっていた。又、
各光磁気ディスクをオレンジジュースやビールの中に浸
漬し、この後引き上げて水洗した処、実施例のものは顕
著な汚れが認められなかったものの、比較例のものはシ
ミ状の汚れが認められた。
【0052】〔実施例6〕カートリッジの樹脂部分全面
に、実施例1の手法にしたがってスルホン酸基を導入
し、続いて実施例1と同様な手法で表面にポリピロール
層を形成した。浸漬処理時間は15分であり、表面電気
抵抗値は1×108 Ω/sq. であった。このカートリッ
ジに3.5インチ光磁気ディスクを装填し、24℃、2
0%RHの環境下で駆動装置に装着−回転(10分)−
脱着の操作を500回繰り返した後、ダートチャンバー
試験(ASTM D 2741−68)によりゴミの付
着を行った。
【0053】本発明の処理がなされていないカートリッ
ジが用いられたものと比較すると、本発明の処理がなさ
れたカートリッジが用いられた場合にはゴミの付着が著
しく少なく、従って駆動装置内の光学系の汚染防止に効
果的であり、記録媒体の耐久性に加えて駆動装置のトラ
ブルも大幅に軽減されるものとなる。
【0054】
【効果】帯電防止特性及び帯電防止などの耐久性に優れ
たものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学材料の内容を説明する図
【図2】本発明の光学材料の内容を説明する図
【図3】本発明の光情報記録媒体を説明する図
【図4】本発明の光情報記録媒体を説明する図
【図5】本発明の光情報記録媒体を説明する図
【符号の説明】
1 基板 2 導電性高分子の層

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、この基材に介在してなるアニオ
    ン性の基と、このアニオン性の基に結合してなる前記基
    材表面に設けられたπ共役系の導電性高分子とを具備し
    たことを特徴とする光学材料。
  2. 【請求項2】 アニオン性の基が介在した基材をπ共役
    系の導電性高分子で処理してなることを特徴とする光学
    材料。
  3. 【請求項3】 アニオン性の基が介在した基材にπ共役
    系の導電性モノマーをつけ、重合処理してなることを特
    徴とする光学材料。
  4. 【請求項4】 アニオン性の基が介在した基材にπ共役
    系の導電性モノマー及び酸化剤をつけ、重合処理してな
    ることを特徴とする光学材料。
  5. 【請求項5】 基材は親水性の基を有するものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項4の光学材料。
  6. 【請求項6】 基材は表面に鉛筆硬度H以上のハードコ
    ート膜を有するものであることを特徴とする請求項1〜
    請求項4の光学材料。
  7. 【請求項7】 アニオン性の基が、スルホン酸基、カル
    ボキシル基、リン酸基、これらの誘導体の群の中から選
    ばれたものであることを特徴とする請求項1〜請求項4
    の光学材料。
  8. 【請求項8】 π共役系の導電性高分子が、ポリピロー
    ル、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリパラフェニレ
    ン、ポリピレン、ポリアズレン、ポリフラン、ポリセレ
    ノフェン、ポリピペラジン、これらの誘導体の群の中か
    ら選ばれたものであることを特徴とする請求項1または
    請求項2の光学材料。
  9. 【請求項9】 π共役系の導電性高分子の層上に撥水及
    び/又は撥油性の膜が設けられてなることを特徴とする
    請求項1または請求項2の光学材料。
  10. 【請求項10】 π共役系の導電性モノマーが、ピロー
    ル、チオフェン、アニリン、パラフェニレン、ピレン、
    アズレン、フラン、セレノフェン、ピペラジン、これら
    の誘導体の群の中から選ばれたものであることを特徴と
    する請求項3または請求項4の光学材料。
  11. 【請求項11】 ハードコート膜が(メタ)アクリロイ
    ル基を含む重合性化合物の重合により構成されたもので
    あることを特徴とする請求項6の光学材料。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項11の材料が用いら
    れて構成されてなることを特徴とする光情報記録媒体。
  13. 【請求項13】 請求項1〜請求項11の材料が用いら
    れて構成されてなることを特徴とする光情報記録媒体の
    収納容器。
JP5096312A 1993-04-22 1993-04-22 光学材料及び光情報記録媒体並びに光情報記録媒体の収納容器 Pending JPH06309699A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007086804A (ja) * 2006-12-01 2007-04-05 Mitsui Chemicals Inc 含セレン新規プラスチックレンズ及びその製造方法
JP2009238361A (ja) * 2009-05-15 2009-10-15 Shin Etsu Polymer Co Ltd 光情報記録媒体

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