JPH06318341A - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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JPH06318341A
JPH06318341A JP5106654A JP10665493A JPH06318341A JP H06318341 A JPH06318341 A JP H06318341A JP 5106654 A JP5106654 A JP 5106654A JP 10665493 A JP10665493 A JP 10665493A JP H06318341 A JPH06318341 A JP H06318341A
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JP
Japan
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hard coat
layer
optical disk
actinic ray
film
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Application number
JP5106654A
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English (en)
Inventor
Shiro Miyata
志郎 宮田
Hironobu Ito
広宣 伊藤
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DIC Corp
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 樹脂製透明基板の一方の面に記録層を有し、
他方の面にハードコート層を有する光ディスクにおい
て、ハードコート層が活性光線硬化型樹脂の硬化被膜よ
りなり、かつ、樹脂製透明基板とハードコート層との間
に、有機系帯電防止剤を含有した被膜よりなる有機化合
物層を設けたことを特徴とする光ディスク。 【効果】 本発明の光ディスクは、ハードコート層が十
分な耐擦傷性を保持したまま、低湿度環境下及び高湿度
環境下のいずれにおいても高い塵埃付着防止効果を示
し、しかもこのハードコートはスピンコート法という簡
便な手段により形成することができ、更に有機系帯電防
止剤を用いているので表面外観や光学的な均一性が高
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光により情報の記録、
再生及び/又は消去を行なう光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク、特に書き換え可能な光磁気
ディスクは大容量の情報記録媒体として注目を集めてい
る。この光ディスクの一般的な構成を図1に示す。光デ
ィスクは、グルーブと称される溝が形成された円盤状透
明基板のグルーブのある側に記録膜及び/又は反射膜が
形成され、更にこれらを被覆するように保護コートがな
されている。また一般に円盤状透明基板は、ポリカーボ
ネート、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリ
オレフィン等の傷の付き易い樹脂よりなるため、基板表
面の傷付き防止のため、保護コートがなされた面とは逆
の基板面にはハードコートがなされている。
【0003】光ディスクではハードコートのなされた面
からレーザー光などの光ビームを照射することにより情
報の記録、再生及び/又は消去を行なっている。このた
め、ハードコート面に傷がついた場合は勿論であるが、
それ以外に空気中の塵埃などの異物がハードコート面に
付着した場合でも光ビームの進路が妨げられ、記録再生
エラーを生じやすくなる。ハードコート面への塵埃の付
着は、ハードコート面が帯電して空気中の塵埃が静電気
的に吸着されることにより発生することが多い。このよ
うなハードコート面の帯電による塵埃の吸着といった不
都合を防止するために、ハードコートに帯電防止効果を
付与することが提案されている。
【0004】ハードコートに帯電防止効果を付与する手
段としては、例えば、特開昭61一222042公報に
は、スパッタリング法や蒸着法等の方法により製膜した
ITO等の無機透明導電性膜をハードコートとする方
法、あるいは特開平−119934公報には、基板面を
紫外線、電子線等の活性光線により硬化する樹脂の硬化
被膜により被覆し、更にその上に無機透明導電性膜を形
成する方法が開示されている。これらの方法では、良好
な帯電防止効果をハードコートに付与することができ
る。しかしながら、かかる無機透明導電性膜は、その製
法上、非常に薄い膜しか得ることができず、しかも得ら
れた膜は堅くて脆く、容易に欠損してしまうため、ハー
ドコートとして必要な耐擦傷性が劣るという欠点があ
る。
【0005】一方、特開平4−64932公報には、ま
ず基板面上に無機透明導電性膜を形成し、その膜を活性
光線硬化型樹脂の硬化被膜により被覆する方法が開示さ
れている。この方法では、活性光線硬化型樹脂の硬化被
膜の膜厚を十分に薄くすることにより帯電防止効果を発
現させることができるが、無機透明導電性膜を形成する
ためには、例えば、スパッタリング等の真空製膜法を用
いる必要があるため、製造工程が著しく煩雑となり、な
お、かつ高価な製造設備が必要であるという欠点があ
る。
【0006】また、例えば、特開平2−123534公
報には、In、Sn、Zn等の酸化物の微粒子を含有し
た活性光線硬化型樹脂などにより基板面を被覆する方法
が開示されている。この方法では、スピンコート法等の
量産性に優れた簡便な手段によりハードコート層を形成
することができるが、十分な帯電防止効果を付与するた
めには、酸化物微粒子の含有率を高める必要があり、こ
の場合、ハードコート層の表面の平滑性あるいはハード
コート層の光学的な均一性を保つことが著しく困難とな
り、光ディスクとしての記録再生特性が低下するという
欠点がある。
【0007】一方、ハードコートに帯電防止性を付与す
る方法として、界面活性剤等の有機系帯電防止剤を含有
した活性光線硬化型樹脂をハードコートとして用いる方
法も知られている。この場合、量産性に優れたスピンコ
ート法が適用でき、かつコート剤は基本的に均一系であ
るので、ハードコート表面の平滑性やハードコート層の
光学的均一性を損なうことがないという利点がある。有
機系帯電防止剤としては、それ自体アクリロイル基やメ
タクリロイル基等の活性光線硬化性の官能基を有する化
合物の方が、帯電防止効果の持続性の点からみて優れて
いる。しかしながら、これらの方法では、ハードコート
表面の帯電防止剤成分の極性基に水分が吸着されること
により帯電防止効果が発現されるため、帯電防止効果の
湿度依存性が大きいと云う欠点がある。湿度の低い冬季
において十分な帯電防止効果を発現させるためには、多
量の帯電防止剤成分を用いる必要があり、この場合、湿
度の高い夏季においては、表面に大量の水分が吸着され
てハードコート表面が粘着性となり、かえって塵埃を吸
着し易くなるという欠点がある。また、帯電防止剤成分
の割合が増加するとハードコートの耐擦傷性が損なわれ
ると云う問題も発生する。
【0008】上記のように、有機系帯電防止剤を含有し
た活性光線硬化樹脂よりなる光ディスクのハードコート
においては、ハードコートとしての十分な耐擦傷性を維
持しつつ、年間を通じて塵埃の吸着防止効果を発現する
ようなものは未だ開発されていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、量産性に優れたスピンコート法によって形
成することが可能で、高湿度条件及び低湿度条件のいず
れの条件においても表面への塵埃吸着防止効果を発現
し、なおかつ表面平滑性及び光学的均一性、更には十分
な耐擦傷性を保持したハードコート層を有する光ディス
クを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、樹脂製透明基板の一方の面に記録層を有
し、他方の面にハードコート層を有する光ディスクにお
いて、ハードコート層が活性光線硬化型樹脂の硬化被膜
よりなり、かつ、樹脂製透明基板とハードコート層との
間に、有機系帯電防止剤を含有した被膜よりなる有機化
合物層を設けたことを特徴とする光ディスクを提供す
る。
【0011】以下、本発明を図を用いて詳細に説明す
る。
【0012】本発明の光ディスクの構成を図2に示す。
図2に示すように、本発明の光ディスクは、基板の記録
層が形成された面とは逆の表面に、有機系帯電防止剤を
含有した被膜よりなる有機化合物層が設けられている。
更に、前記有機化合物層の表面に活性光線硬化型樹脂の
硬化被膜よりなるハードコート層が設けられている。
【0013】図2において、基板表面に形成される有機
化合物層に含有される有機系帯電防止剤は、その分子中
に親水性部分と、主として有機化合物よりなる疎水性部
分を共に有するような化合物であり、親水性部分がカチ
オン性、アニオン性、非イオン性のいずれの場合でも用
いることができる。カチオン性帯電防止剤の親水性部分
としては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミ
ン、ピリジン誘導体及びこれらの塩、更に第4級アンモ
ニウム塩などを例示することができ、アニオン性帯電防
止剤の親水性部分としては、スルホン酸、カルボン酸、
リン酸、及びこれらの金属塩等を例示することができ、
非イオン性帯電防止剤の親水性部分としてはアルコー
ル、アミド、エステル、及びこれらのエチレンオキシド
付加物、あるいはプロピレンオキシド付加物等を例示す
ることができる。また通常両性界面活性剤と称される帯
電防止剤も使用可能である。
【0014】また、これら有機系帯電防止剤の疎水性部
分としては特に制限はないが、アクリロイル基及び/又
はメタクリロイル基等の、適当な光重合開始剤の存在下
で紫外線等の活性光線照射をすることにより硬化可能な
官能基を有している帯電防止剤であれば、活性光線照射
により容易に被膜を形成することができ生産性に優れる
ので好ましい。これらの中でも一般式(I)
【0015】
【化2】
【0016】(式中、Rは水素原子又はメチル基を表わ
し、nは1又は2を表わす。)で表わされる重合性酸性
リン酸エステル類は帯電防止効果が優れ、なおかつ硬化
性も優れるので、本発明における有機系帯電防止剤とし
て特に好ましく用いることができる。
【0017】本発明において基板表面に形成される有機
化合物層は、上記の有機系帯電防止剤を含有する組成物
を光ディスク用透明基板の表面に均一に塗布し、活性光
線照射あるいは加熱により硬化せしめることで形成する
ことができる。この際の組成物の塗布方法としてはスピ
ンコート法などの簡便な手段を用いることができる。ま
た、この組成物は、有機系帯電防止剤以外の成分とし
て、活性光線硬化型樹脂、揮発性溶剤、光重合開始剤、
重合禁止剤、各種樹脂添加剤等を含有しても良い。かか
る組成物中に占める有機系帯電防止剤の含有量は、5〜
100重量%の範囲より選択される。特に有機系帯電防
止剤自体が活性光線硬化可能で有れば、有機系帯電防止
剤のみで上記組成物を構成してもなんら問題はない。基
板表面に形成される有機化合物層の厚さは特に制限はな
いが、通常0.1μm〜10μmの範囲である。また、
この層自体の表面抵抗値は、25℃、50%RHの条件
において、好ましくは1×1012Ω/□以下であり、更
に好ましくは1×1010Ω/□以下である。有機化合物
層の表面抵抗値が1×1012Ω/□を超えると、この層
の上に更にハードコート層を設けた場合、低湿度環境下
における帯電防止効果が十分でなくなる傾向にあるの
で、好ましくない。
【0018】図2において有機系帯電防止剤を含有する
有機化合物層の表面に設けられるハードコート層として
は、光ディスクのハードコート剤として一般に用いられ
るアクリル系の活性光線硬化型樹脂等の硬化被膜を用い
ることができる。このような活性光線硬化型樹脂として
は、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリエステルアクリレート等の活性光線硬化性オ
リゴマー;プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グ
リセリン及びペンタエリスリトール等のポリ(メタ)ア
クリレート等の活性光線硬化性多官能モノマー;エチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボル
ニル(メタ)アクリレート等の活性光線硬化性単官能モ
ノマー;更に必要に応じて光重合開始剤、重合禁止剤、
レベリング剤等の樹脂添加剤等を適宜混合して構成した
組成物が用いられる。なお、この組成物に帯電防止剤及
び/又は導電性無機微粒子を含有せしめることも可能で
ある。
【0019】図2に示すハードコート層は、上記の樹脂
組成物を有機系帯電防止剤を含有する有機化合物層の表
面にスピンコート法により塗布し、活性光線を照射する
ことにより形成することができる。この際のハードコー
ト層の膜厚は、1〜10μmの範囲であることが好まし
い。1μm以下であるとハードコートとしての耐擦傷性
が劣り、また10μm以上であるとハードコート表面の
塵埃吸着防止効果が劣る。また、ハードコート層を構成
する活性光線硬化型樹脂の硬化被膜は鉛筆硬度が2H以
上であることが光ディスクのハードコートとしての耐擦
傷性の点からみて好ましい。
【0020】光ディスクは、通常、案内溝を有する樹脂
製透明基板上に、記録膜、誘電体膜、反射膜および保護
コートを成膜して製造される。
【0021】樹脂製透明基板を構成する樹脂としては、
例えば、ポリカーボネート、PMMA、アモルファスポ
リオレフィン等の樹脂が挙げられる。
【0022】透明基板上に形成される記録層は、干渉
膜、記録膜、反射膜を構成単位とし、それらの組み合わ
せにより形成される。
【0023】干渉膜には透明性、屈折率の高い無機誘電
体膜が用いられる。材質としては、例えば、SiNx
SiOx、AlSiON、AlSiN、AlN、AlT
iN、Ta25、ZnS等が挙げられる。これら干渉膜
の屈折率は、1.8〜2.8の範囲が好ましく、吸収係
数は0〜0.1の範囲が好ましい。
【0024】記録膜を構成する材質としては、例えば、
追記型光ディスクでは、Te、SnSe等のカルコゲナ
イト系合金、或いはシアニン系等の有機色素、光磁気デ
ィスクでは、TbFeCo、NdDyFeCo等の遷移
金属と希土類金属の合金、相変化型光ディスクでは、T
eOx、 InSe、SnSb等のカルコゲナイト系合金
等が挙げられる。
【0025】反射膜には反射率の高い金属膜或いは合金
膜を使用する。材質は、例えば、金属膜としては、A
l、Au、Ag、Cu等、合金膜としてはAl−Ti、
Al−Cr等が挙げられる。
【0026】干渉膜、金属系記録膜、反射膜は、スパッ
タリング、イオンプレーディング等の物理蒸着法(PV
D)、プラズマCVD等の化学蒸着法(CVD)等によ
って形成し、有機色素系記録膜は溶液をスピンコート
法、ロールコート法等により塗布した後、溶媒を除去し
て形成する。
【0027】反射層上に形成する保護コートは、通常、
スピンコート法により紫外線硬化型樹脂を塗布した後、
紫外線を照射して硬化することにより形成する。
【0028】このようにして成膜した光ディスクは、単
体で使用してもよく、2枚を基板が外側にくるように貼
り合わせて使用してもよい。
【0029】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例中、「部」は『重量部』を表わ
す。表面抵抗値は三菱油化(株)製Hiresta IP
により測定した。
【0030】(実施例1)有機系帯電防止剤として、活
性光線により硬化可能な官能基を有する重合性酸性リン
酸エステルであるエチレンオキシド変性リン酸メタクリ
レート(共栄社化学(株)製「ライトエステルPM」)6
0部、活性光線硬化型樹脂として1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート(日本化薬(株)製「カヤラッドHD
DA」)35部及び光重合開始剤として「ダロキュア1
173」(メルク(株)製)5部を混合して活性光線硬化
性組成物Aを調製した。
【0031】この活性光線硬化性組成物Aを光ディスク
用ポリカーボネート基板のレーザー光入射側に膜厚が約
2ミクロンとなるようにスピンコーターにより塗布した
後、基板周囲を窒素雰囲気とし、 410mW/cm2のメ
タルハライドランプにより5秒間紫外線照射して組成物
Aを硬化せしめ、有機系帯電防止剤を含有する有機化合
物層を形成した。
【0032】次に、この有機化合物層の表面にアクリル
系活性光線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業(株)製
「ダイキュアクリアEX−704」)を膜厚が4μmと
なるようにスピンコーターにより塗布した後、上記と同
じ条件で硬化せしめてハードコート層とした。
【0033】更に、この基板のハードコート層とは反対
の面に誘電体層、記録膜層、反射膜層を順次スパッタ法
により製膜し、更に保護コートを行ない本発明の光ディ
スクを得た。
【0034】この光ディスクのハードコート表面の25
℃、50%RHの環境における表面抵抗値は8×109
Ω/□で、 鉛筆硬度は3Hであった。25℃、20%
RHの環境において、このディスクのハードコート面を
木綿布によって50回擦った後、タバコの灰に近づけた
ところ、灰はハードコート表面には全く付着しなかっ
た。更に25℃、95%RHの環境において、このディ
スクのハードコート表面にタバコの灰及び関東ローム層
第11種を振りかけたところ、これらもハードコート表
面に付着することはなかった。
【0035】このように重合性酸性リン酸エステルを有
機系帯電防止剤とすると、低湿度環境下、及び高湿度環
境下のいずれにおいても顕著な塵埃付着防止効果を示
し、なおかつハードコートとしての耐擦傷性にも優れて
いることが分かった。
【0036】(比較例1)実施例1において、活性光線
硬化性組成物Aよりなる有機化合物層の表面にアクリル
系活性光線硬化型樹脂(「ダイキュアクリアEX−70
4」)を塗布しなかった以外は、実施例1と同様の方法
により光ディスクを得た。
【0037】この光ディスクのハードコート表面の25
℃、50%RHの環境における表面抵抗値は5×108
Ω/□で、 鉛筆硬度はHBであった。25℃、20%
RHの環境においてこのディスクのハードコート面を木
綿布によって50回擦った後、タバコの灰に近づけたと
ころ、灰はハードコート表面には全く付着しなかった
が、25℃、95%RHの環境においてこのディスクの
ハードコート表面にタバコの灰及び関東ローム層第11
種を振りかけたところ、これらはハードコート表面に強
固に付着し、エアブローを行なっても殆ど取れなかっ
た。関東ローム層が付着したディスクをディスククリー
ナーにかけたところ、汚れは取れないばかりか、ディス
ク表面に多くの傷が入ってしまい、このディスクは使用
不能となってしまった。
【0038】(比較例2)有機化合物層を設けることな
く、基板表面に直接アクリル系活性光線硬化型樹脂
(「ダイキュアクリアEX−704」)を塗布して硬化
せしめた以外は実施例1と同様の方法で光ディスクを得
た。
【0039】この光ディスクのハードコート表面の25
℃、50%RHの環境における表面抵抗値は1×1015
Ω/□以上で、鉛筆硬度は3Hであった。25℃、20
%RHの環境において、このディスクのハードコート面
を木綿布によって50回擦った後、タバコの灰に近づけ
たところ、多量の灰がハードコート表面に吸着され、こ
の灰は10分以上経っても落ちなかった。
【0040】(実施例2)有機系帯電防止剤として活性
光線により硬化可能な官能基を有するポリエチレングリ
コール400メタクリレート(日本油脂(株)製「ブレン
マー350」)85部、活性光線硬化型樹脂として1,
6−ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製
「カヤラッドHDDA」)10部、光重合開始剤として
「ダロキュア1173」(メルク(株)製)5部を混合
し、活性光線硬化性組成物Bを調製した。
【0041】この活性光線硬化性組成物Bを光ディスク
用ポリカーボネート基板のレーザー光入射側に膜厚が約
2ミクロンとなるようにスピンコーターにより塗布した
後、基板周囲を窒素雰囲気とし、 410mW/cm2のメ
タルハライドランプにより5秒間紫外線照射して組成物
Bを硬化せしめ、有機系帯電防止剤を含有する有機化合
物層を形成した。
【0042】次に、この有機化合物層の表面にアクリル
系活性光線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業(株)製
「ダイキュアクリアEX−704」)を膜厚が約4μm
となるようにスピンコーターにより塗布した後、上記と
同じ条件で硬化せしめてハードコート層とした。
【0043】更に、この基板のハードコート層とは反対
の面に誘電体層、記録膜層、反射膜層を順次スパッタ法
により製膜し、更に保護コートを行ない本発明の光ディ
スクを得た。
【0044】この光ディスクのハードコート表面の25
℃、50%RHの環境における表面抵抗値は7×1011
Ω/□で、鉛筆硬度は3Hであった。25℃、20%R
Hの環境においてこのディスクのハードコート面を木綿
布によって50回擦った後、タバコの灰に近づけたとこ
ろ、灰は少しハードコート表面に付着したが、すぐに落
ちた。更に、25℃、95%RHの環境において、この
ディスクのハードコート表面にタバコの灰及び関東ロー
ム層第11種を振りかけたところ、これらはハードコー
ト表面に付着することはなかった。
【0045】このように重合性酸性リン酸エステル以外
の活性光線硬化可能な有機系帯電防止剤を用いても、本
発明で目標としている効果は得られた。重合性酸性リン
酸エステルの場合と比較して、低湿度環境下での塵埃付
着防止効果が若干劣るが、実用上、問題がない範囲であ
った。
【0046】(比較例3)実施例2において、組成物B
よりなる有機化合物層の表面にアクリル系活性光線硬化
型樹脂(「ダイキュアクリアEX−704」)を塗布し
なかった以外は、実施例2と同様の方法により光ディス
クを得た。
【0047】この光ディスクのハードコート表面の25
℃、50%RHの環境における表面抵抗値は3×1010
Ω/□で、鉛筆硬度は2B以下であった。25℃、20
%RHの環境において、このディスクのハードコート面
を木綿布によって50回擦ったところ、ハードコート表
面は傷だらけとなってしまった。25℃、95%RHの
環境において、このディスクのハードコート表面にタバ
コの灰及び関東ローム層第11種を振りかけたところ、
これらはハードコート表面に強固に付着し、エアブロー
を行なっても殆ど取れなかった。関東ローム層が付着し
たディスクをディスククリーナーにかけたところ、汚れ
は取れないばかりか、ディスク表面に多くの傷が入って
しまい、このディスクは使用不能となってしまった。
【0048】(実施例3)有機系帯電防止剤として、活
性光線硬化可能な官能基を持たないカチオン系塗布型帯
電防止剤「SAT−5」(日本純薬(株)製)を光ディス
ク用ポリカーボネート基板のレーザー光入射側に膜厚が
約1ミクロンとなるようにスピンコーターにより塗布し
た後、60℃で5分間乾燥して有機化合物層を形成し
た。
【0049】次に、この有機化合物層の表面にアクリル
系活性光線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業(株)製
「ダイキュアクリアEX−704」)を膜厚が約4μm
となるようにスピンコーターにより塗布した後、上記と
同じ条件で硬化せしめてハードコート層とした。
【0050】更に、この基板のハードコート層とは反対
の面に、誘電体層、記録膜層、反射膜層を順次スパッタ
法により製膜し、更に保護コートを行ない、本発明の光
ディスクを得た。
【0051】この光ディスクのハードコート表面の25
℃、50%RHの環境における表面抵抗値は4×1010
Ω/□で、鉛筆硬度は3Hであった。25℃、20%R
Hの環境において、このディスクのハードコート面を木
綿布によって50回擦った後、タバコの灰に近づけたと
ころ、灰はハードコート表面に全く付着しなかった。更
に、25℃、95%RHの環境において、このディスク
のハードコート表面にタバコの灰及び関東ローム層第1
1種を振りかけたところ、これらはハードコート表面に
付着することはなかった。
【0052】このように、活性光線硬化可能な官能基を
持たない有機系帯電防止剤でも本発明で目的とする効果
を得ることはできた。但し、第1層目の被膜を作成する
上で、活性光線照射による硬化という迅速な手段を用い
ることができないため、生産性がやや劣るという欠点が
あった。
【0053】(比較例4)実施例3において、塗布型帯
電防止剤よりなる有機化合物層の表面にアクリル系活性
光線硬化型樹脂(「ダイキュアクリアEX−704」)
を塗布しなかった以外は、実施例3と同様の方法により
光ディスクを得た。
【0054】この光ディスクのハードコート表面の25
℃、50%RHの環境における表面抵抗値は1×109
Ω/□で、鉛筆硬度は2B以下であった。25℃、20
%RHの環境において、このディスクのハードコート面
を木綿布によって50回擦ったところ、ハードコート表
面は傷だらけとなってしまった。25℃、95%RHの
環境において、このディスクのハードコート表面にタバ
コの灰及び関東ローム層第11種を振りかけたところ、
これらはハードコート表面に強固に付着し、エアブロー
を行なっても殆ど取れなかった。関東ローム層が付着し
たディスクをディスククリーナーにかけたところ、汚れ
は取れないばかりか、ディスク表面に多くの傷が入って
しまい、このディスクは使用不能となってしまった。
【0055】
【発明の効果】本発明の光ディスクは、光入射側の基板
表面に、有機系帯電防止剤を含有した被膜よりなる有機
化合物層が設けられ、更に前記有機化合物層の表面に活
性光線硬化型樹脂の硬化被膜よりなるハードコート層が
設けられていることにより、ハードコートとしての十分
な耐擦傷性を保持したまま、低湿度環境下及び高湿度環
境下のいずれにおいても高い塵埃付着防止効果を示し
た。しかも、このハードコートはスピンコート法という
簡便な手段により形成することができ、更に有機系帯電
防止剤を用いているので表面外観や光学的な均一性が高
いという特徴も有していた。
【0056】更に、前記有機系帯電防止剤を活性光線硬
化可能な官能基を有するものとすることにより、前記有
機化合物層を活性光線照射により速やかに形成せしめる
ことができた。
【0057】また更に、前記有機系帯電防止剤を一般式
(I)で表わされる重合性酸性リン酸エステルとするこ
とにより、特に低湿度環境下における著しく高い塵埃付
着防止効果を発揮せしめることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光ディスクの一般的な構成を示す模式断
面図である。
【図2】本発明の光ディスクの構成を示す模式断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ハードコート 2 円盤状透明基板 3 記録層 4 保護コート 5 ハードコート 6 有機系帯電防止剤を含有した有機化合物層 7 円盤状透明基板 8 記録層 9 保護コート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製透明基板の一方の面に記録層を有
    し、他方の面にハードコート層を有する光ディスクにお
    いて、ハードコート層が活性光線硬化型樹脂の硬化被膜
    よりなり、かつ、樹脂製透明基板とハードコート層との
    間に、有機系帯電防止剤を含有した被膜よりなる有機化
    合物層を設けたことを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 請求項1における有機系帯電防止剤が分
    子中に活性光線硬化可能な官能基を有していることを特
    徴とする請求項1に記載の光ディスク。
  3. 【請求項3】 請求項1における有機化合物層が一般式
    (I) 【化1】(式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、
    nは1又は2を表わす。)で表わされる重合性酸性リン
    酸エステルを含有する活性光線硬化型樹脂の硬化被膜よ
    りなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディ
    スク。
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