JP2002157784A - ハードコート層を有する青色レーザーディスクおよびその製造方法 - Google Patents

ハードコート層を有する青色レーザーディスクおよびその製造方法

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JP2002157784A
JP2002157784A JP2000352424A JP2000352424A JP2002157784A JP 2002157784 A JP2002157784 A JP 2002157784A JP 2000352424 A JP2000352424 A JP 2000352424A JP 2000352424 A JP2000352424 A JP 2000352424A JP 2002157784 A JP2002157784 A JP 2002157784A
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coating composition
meth
acrylate
disk
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Satoshi Kondo
聡 近藤
Toshihiko Higuchi
俊彦 樋口
Hirotsugu Yamamoto
博嗣 山本
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Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクのレーザー光入射面に、耐磨耗性お
よび透明性に優れ、かつディスク基盤との密着性に優れ
たハードコート層を有する青色レーザーディスク(登録
商標)およびその製造方法の提供。 【解決手段】 青色レーザーディスクのレーザー光入射
面に、最外層に接する内層が活性エネルギ線硬化性の重
合性官能基を1個以上有する化合物を含む被覆組成物
(A)の硬化物層であり、最外層がポリシラザンを含む
被覆組成物(B)の硬化物層である2層以上の透明硬化
物層からなるハードコート層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスクのレーザ
ー光入射面に、耐磨耗性および透明性などに優れたハー
ドコート層(透明硬化物層)を有する青色レーザーディ
スクおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大量のデータを高密度で記録可能な光記
録媒体において、より高密度にデータを記録するために
は、レーザー光スポットのサイズをより小さくする必要
がある。このサイズを小さくする方法としては、レーザ
ー光波長(λ)を短くする方法、またはレンズの開口数
(NA)を大きくする方法の2通りの方法が考えられ
る。現在用いられている光記録媒体用の半導体レーザー
光の波長は、主に780〜680nmであるが、さらに
短波長の650nmの橙色レーザー光、および、より短
波長の緑または青色レーザー光を用いる検討がなされて
いる。特に、青色レーザー光を用いる方式としては光源
の波長を400nm程度、NAを0.6以上として、よ
り大きな記録密度を得ることが提案されている。
【0003】しかし、光源の短波長化や対物レンズの高
NA化に伴ない、光記録媒体のレーザー光入射面が光軸
に対して直角より傾くチルトの許容量が小さくなり、ま
た、光ディスクの厚みムラの許容量も小さくなるため、
上記許容量を少しでも稼ぐためにレーザー光入射面のカ
バー層の厚さを薄くする必要がある。従来の光記録媒体
のカバー層の厚さは、コンパクトディスク(CD)で
1.2mm、デジタルバーサタイルディスク(DVD)
で0.6mmであり、ディスク基盤自体がカバー層とし
ての役割を果たしていた。しかし、短波長のレーザー光
を用いる光記録媒体では、カバー層の厚さを0.1mm
程度にする必要があるため、従来のようにディスク基盤
自体をカバー層とすることができず、ディスク基盤の反
射膜、記録膜などの積層膜を形成した面にカバー層が形
成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】短波長のレーザー光を
用いた場合、光記録媒体のレーザー光入射面にわずかで
も傷や塵埃の付着があると、記録・再生を行なう際にエ
ラーを生じやすくなること、および光記録装置の光ヘッ
ドと光記録媒体のレーザー光入射面との間隔が0.1〜
0.2mm程度に接近し、場合によっては光ヘッドが光
記録媒体に接触する可能性も出てくることなどから、レ
ーザー光入射面のカバー層の表面にはより一層の耐磨耗
性が求められるようになってきた。
【0005】本発明の目的は、ディスクのレーザー光入
射面に、耐磨耗性および透明性に優れ、かつディスク基
盤との密着性に優れたハードコート層を有する青色レー
ザーディスクおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の一つは、ディスクのレーザー光入射面にハ
ードコート層を有する青色レーザーディスクにおいて、
前記ハードコート層が2層以上の透明硬化物層からな
り、この透明硬化物層のうち最外層に接する内層が活性
エネルギ線硬化性の重合性官能基を1個以上有する化合
物を含む被覆組成物(A)の硬化物層であり、最外層が
ポリシラザンを含む被覆組成物(B)の硬化物層である
ことを特徴とする青色レーザーディスクである。
【0007】また、本発明のもう一つは、ディスクのレ
ーザー光入射面の表面に、活性エネルギ線硬化性の重合
性官能基を1個以上有する化合物を含む被覆組成物
(A)の未硬化物層、部分硬化物層または硬化物層を形
成し、この被覆組成物(A)の層の表面にポリシラザン
を含む被覆組成物(B)の未硬化物層または部分硬化物
層を形成し、被覆組成物(A)の層が硬化物層である場
合は被覆組成物(B)の層を硬化させ、被覆組成物
(A)の層が未硬化物層または部分硬化物層である場合
は被覆組成物(A)および被覆組成物(B)の層を任意
の順でまたは同時に硬化させることを特徴とする青色レ
ーザーディスクの製造方法である。
【0008】本発明によれば、青色レーザーディスクの
レーザー光入射面の表面に、最外層に接する内層である
活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を1個以上有する
化合物を含む被覆組成物(A)の硬化物層と、最外層で
あるポリシラザンを含む被覆組成物(B)の硬化物層と
の2層以上の透明硬化物層からなるハードコート層が形
成されるため、耐磨耗性および透明性に優れ、かつ基盤
との密着性に優れたハードコート層を有する青色レーザ
ーディスクを提供できる。
【0009】上記ハードコート層は、シリカの被膜であ
る最外層が相対的に柔らかい光記録媒体に直接積層され
るのではなく、耐磨耗性の高い硬い内層の表面に積層さ
れているため、光記録媒体に対して傷を付けようとして
加えられた外力による最外層の変位が小さくなること
で、通常の無機質被膜が有する表面特性以上の表面特性
が得られると考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明でいう青色レーザーディス
クとは、ディスク基盤とは別に設けられるカバー層、す
なわち、ディスク基盤において誘電体膜、記録膜、反射
膜など(以下、これらの層を総称して積層膜という。)
を形成した面にカバー層が形成される光記録媒体であっ
て、波長800〜380nmのレーザー光を用いる光記
録媒体を意味する。
【0011】本発明の青色レーザーディスクは、ディス
クのレーザー光入射面に、最外層に接する内層である活
性エネルギ線硬化性の重合性官能基を1個以上有する化
合物を含む被覆組成物(A)の硬化物層と、最外層であ
るポリシラザンを含む被覆組成物(B)の硬化物層との
2層以上の透明硬化物層からなるハードコート層を有す
る。内層は種類の異なる2層以上の透明硬化物からなっ
ていてもよい。なお、上記ハードコート層は、レーザー
光入射面に形成されるカバー層の表面に積層されていて
もよく、上記被覆組成物(A)の硬化物層(内層)がカ
バー層を兼ねていてもよい。内層は、最外層と高い密着
性を有すると共に、カバー層または積層膜とも高い密着
性を有する。
【0012】まず、被覆組成物(A)について説明す
る。なお、以下の説明において、アクリロイル基および
メタクリロイル基を総称して(メタ)アクリロイル基と
いい、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリレートなどの表現も同様とする。
【0013】被覆組成物(A)に含まれる活性エネルギ
線硬化性の重合性官能基を1個以上有する化合物(以
下、活性エネルギ線硬化性成分という。)のうち、活性
エネルギ線によって重合しうる重合性官能基を1個有す
る化合物(以下、単に単官能性化合物という。)として
は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好まし
く、特にアクリロイル基を有する化合物が好ましい。ま
た、その他に水酸基、エポキシ基などの官能基を有して
いてもよい。上記単官能性化合物としては、たとえば以
下のものが挙げられる。
【0014】アルキル(メタ)アクリレート(アルキル
基の炭素数は1〜13)、アリル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル
(メタ)アクリレート、ブタンジオール(メタ)アクリ
レート、ブトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンタニル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロ
ピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)ア
クリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−メトキシエ
チル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロ
デカトリエン(メタ)アクリレート、モルホリン(メ
タ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプ
ロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクタフル
オロペンチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレング
リコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、スルホン酸ソーダエトキシ(メタ)アク
リレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ト
リフルオロエチル(メタ)アクリレート、ビニルアセテ
ート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルホルムアミド、モルホリノ(メタ)アク
リレート、2−モルホリノエチル(メタ)アクリレー
ト。
【0015】また、活性エネルギ線硬化性の重合性官能
基を2個以上有する化合物(以下、単に多官能性化合物
という。)としては、特開平11−240103号公報
の段落番号0016〜0020、0023〜0047に
記載された化合物が好ましく挙げられる。
【0016】好ましい多官能性化合物としては、(メ
タ)アクリロイル基から選ばれる1種以上の重合性官能
基を2個以上(2〜50個が好ましく、より好ましくは
3〜30個)有する化合物が挙げられる。その中でも
(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する化合
物、すなわち多価アルコールなどの2個以上の水酸基を
有する化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエステルが
好ましい。また、上記重合性官能基以外に種々の官能基
や結合を有する化合物であってもよい。特に、ウレタン
結合を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(以
下、アクリルウレタンという。)と、ウレタン結合を有
しない(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。
【0017】上記アクリルウレタンとしては、ペンタエ
リスリトールやその多量体であるポリペンタエリスリト
ールとポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの反応生成物であるアクリルウレタ
ン、またはペンタエリスリトールやポリペンタエリスリ
トールの水酸基含有ポリ(メタ)アクリレートと、ポリ
イソシアネートとの反応生成物であるアクリルウレタン
であって、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を3個
以上(より好ましくは4〜20個)有する多官能性化合
物が挙げられる。
【0018】また、ウレタン結合を有しない(メタ)ア
クリル酸エステル化合物としては、ペンタエリスリトー
ル系ポリ(メタ)アクリレート、およびイソシアヌレー
ト系ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、ペ
ンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレートとは、
ペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトールと
(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性
エネルギ線硬化性の重合性官能基を4〜20個有す
る。)をいう。また、イソシアヌレート系ポリ(メタ)
アクリレートとは、トリス(ヒドロキシアルキル)イソ
シアヌレート、またはトリス(ヒドロキシアルキル)イ
ソシアヌレートの1モルに1〜6モルのカプロラクトン
やアルキレンオキシドを付加して得られる化合物と、
(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性
エネルギ線硬化性の重合性官能基を2〜3個有する。)
をいう。
【0019】本発明においては、上記の好ましい多官能
性化合物と、他の活性エネルギ線硬化性の重合性官能基
を2個以上有する多官能性化合物(特に多価アルコール
のポリ(メタ)アクリレート)とを併用してもよい。
【0020】被覆組成物(A)に含まれる活性エネルギ
線硬化性成分において、上記単官能性化合物または上記
多官能性化合物の割合は特に制限されない。
【0021】被覆組成物(A)には、上記の基本的成分
以外に下記の溶剤や種々の機能性配合剤を含むことがで
きる。
【0022】溶剤としては、多官能性化合物を硬化性成
分とする被覆組成物に通常使用される溶剤を使用でき、
たとえば炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン
類、エーテル類、エステル類などが挙げられる。なお、
ディスク基盤となる樹脂の種類に応じて適切な溶剤を用
いることが好ましく、耐溶剤性の低い樹脂の場合には、
低級アルコール類、セロソルブ類、エステル類、または
それらの混合物などが好ましい。具体的には、特開平1
1−268196号公報の段落番号0074に記載され
た溶剤が挙げられる。本発明においては、エステル類、
セロソルブ類、低級アルコール類が特に好ましい。
【0023】溶剤の量は、必要とする組成物の粘度、目
的とする硬化物層の厚さ、乾燥条件などにより適宜変更
できる。本発明において、溶剤は、被覆組成物(A)中
の活性エネルギ線硬化性成分に対して質量で100倍以
下、好ましくは0.1〜50倍用いられる。
【0024】また、被覆組成物(A)は、活性エネルギ
線硬化性成分を効率よく硬化させるために、光重合開始
剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、公知
のものを使用でき、特に入手容易な市販のものが好まし
い。
【0025】光重合開始剤としては、アリールケトン系
光重合開始剤(たとえば、アセトフェノン類、ベンゾフ
ェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル
類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジ
メチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−ア
シロキシムエステル類など)、含硫黄系光重合開始剤
(たとえば、スルフィド類、チオキサントン類など)、
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ジアシルホ
スフィンオキシド系光重合開始剤、その他の光重合開始
剤が挙げられる。具体的には、特開平11−26819
6号公報の段落番号0063〜0065に記載された化
合物が挙げられる。本発明においては、アシルホスフィ
ンオキシド系光重合開始剤が特に好ましい。光重合開始
剤は、複数の種類を併用してもよく、アミン類などの光
増感剤と組み合わせて使用してもよい。
【0026】被覆組成物(A)における光重合開始剤の
使用量は、活性エネルギ線硬化性成分100質量部に対
して0.01〜20質量部が好ましく、特に0.1〜1
0質量部が好ましい。
【0027】上記光重合開始剤以外の機能性配合剤とし
ては、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱重合防
止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔
料(有機着色顔料、無機顔料)、帯電防止剤、硬化触媒
からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0028】紫外線吸収剤としては、合成樹脂用紫外線
吸収剤として使用されているベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸
系紫外線吸収剤、フェニルトリアジン系紫外線吸収剤な
どが好ましい。具体的には、特開平11−268196
号公報の段落番号0078に記載された化合物が挙げら
れる。本発明においては、2−{2−ヒドロキシ−5−
(2−アクリロイルオキシエチル)フェニル}ベンゾト
リアゾール、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキ
シプロピル−3−(3−ベンゾトリアゾール−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロピオネートなど
分子内に光重合性の官能基を有するものが特に好まし
い。
【0029】光安定剤としては、合成樹脂用光安定剤と
して使用されているヒンダードアミン系光安定剤が好ま
しい。具体的には、特開平11−268196号公報の
段落番号0080に記載された化合物が挙げられる。本
発明においては、N−メチル−4−メタクリロイルオキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの分
子内に重合性官能基を有するものが特に好ましい。
【0030】酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾールなどのヒンダードフェノール系酸
化防止剤、トリフェニルホスファイトなどのリン系酸化
防止剤などが挙げられる。レベリング剤としては、シリ
コーン樹脂系レベリング剤、アクリル樹脂系レベリング
剤などが挙げられる。
【0031】消泡剤としては、ポリジメチルシロキサン
などのシリコーン樹脂系消泡剤などが挙げられる。増粘
剤としては、ポリメチルメタクリレート系ポリマー、水
添ひまし油系化合物、脂肪酸アミド系化合物などが挙げ
られる。
【0032】有機着色顔料としては、縮合多環系有機顔
料、フタロシアニン系有機顔料などが挙げられる。無機
顔料としては、二酸化チタン、酸化コバルト、モリブデ
ンレッド、チタンブラックなどが挙げられる。
【0033】帯電防止剤としては、ノニオン系帯電防止
剤、カチオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤など
が挙げられる。硬化触媒としては、酸、アルカリまたは
塩類などから選ばれる硬化触媒が挙げられる。
【0034】被覆組成物(A)の硬化物層(内層)の厚
さは1〜150μmが好ましい。ただし、内層がカバー
層を兼ねる場合は、内層の厚さは50〜150μmが好
ましく、特に90〜110μmが好ましい。一方、別に
カバー層が存在する場合は、カバー層の厚さが0.1m
m程度あるため、内層の厚さは1〜50μmが好まし
く、特に2〜30μmが好ましい。
【0035】次に、被覆組成物(B)について説明す
る。被覆組成物(B)に含まれるポリシラザンとして
は、特開平11−240103号公報の段落番号009
7〜0104に記載されたポリシラザンが好ましく挙げ
られる。
【0036】本発明においては、ペルヒドロポリシラザ
ンが好ましく、また、その数平均分子量は200〜5万
が好ましい。数平均分子量が200未満では焼成しても
均一な硬化物が得られにくく、5万超では溶剤に溶解し
にくくなり好ましくない。
【0037】被覆組成物(B)には、ポリシラザン以外
に上記活性エネルギ線硬化性成分を靱性付与の目的で任
意の範囲で含むことができる。また、被覆組成物(B)
には、下記の溶剤や種々の機能性配合剤を含むことがで
きる。
【0038】溶剤としては、炭化水素類、ハロゲン化炭
化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類を使用で
きる。具体的には、特開平11−240103号公報の
段落番号0106に記載された溶剤が好ましく挙げられ
る。本発明においては、キシレンおよびジブチルエーテ
ルが特に好ましい。溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶
剤の蒸発速度を調節するために、複数の種類の溶剤を混
合して用いてもよい。
【0039】溶剤の使用量は、採用される塗工方法また
はポリシラザンの構造や平均分子量などによって異なる
が、固形分濃度で0.5〜80質量%となるように調製
することが好ましい。
【0040】機能性配合剤としては、上記の被覆組成物
(A)で説明した機能性配合剤のほか、スリッピング
剤、指紋除去性賦与剤などが好ましく挙げられる。
【0041】被覆組成物(B)の硬化物層(最外層)の
厚さは0.05〜10μmが好ましく、特に0.1〜3
μmが好ましい。最外層の厚さが10μm超では、耐磨
耗性などの表面特性の向上がそれ以上期待できないう
え、層が脆くなり、ディスクのわずかな変形によっても
最外層にクラックなどが生じやすくなる。また、0.0
5μm未満では、この最外層の耐磨耗性が充分発現でき
ないおそれがある。
【0042】次に、被覆組成物(A)および(B)の塗
工、硬化方法について説明する。上記の2種類の被覆組
成物(A)および(B)を、青色レーザーディスクのレ
ーザー光入射面に塗工する方法としては、特に制限され
ず、公知の方法を採用できる。たとえば、ディップ法、
フロートコート法、スプレー法、バーコート法、グラビ
アコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エア
ーナイフコート法、スピンコート法、スリットコート
法、マイクログラビアコート法などの種々の方法を採用
できる。また、たとえば被覆組成物(A)をグラビアコ
ートした後、被覆組成物(B)をスピンコートまたはス
プレーコートするといった複数の塗工方法を組み合わせ
ることもできる。本発明においては、生産性や表面外観
の点からスピンコート法が好ましく採用される。
【0043】被覆組成物(A)を硬化させる活性エネル
ギ線としては、特に限定されず、紫外線、電子線やその
他の活性エネルギ線を使用できる。本発明においては、
紫外線が好ましい。紫外線源としては、キセノンラン
プ、パルスキセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、
超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク
灯、タングステンランプなどを使用できる。
【0044】また、被覆組成物(B)に含まれるポリシ
ラザンを硬化させてシリカとする方法としては、特開平
11−240104号公報の段落番号0111〜011
5に記載された方法を採用できる。
【0045】本発明においては、低温(180℃以下)
で焼成してポリシラザンを硬化させることが好ましい。
低温でポリシラザンを硬化させるためには、被覆組成物
(B)に触媒を添加するのが好ましく、より低温で硬化
できる触媒を用いることが好ましい。そのような触媒と
しては、たとえば、特開平7−196986号公報に記
載されている金、銀、パラジウム、白金、ニッケルなど
の金属の微粒子、特開平9−31333号公報に記載さ
れているアミン類や酸類が挙げられる。
【0046】上記金属の微粒子の粒径は0.1μm未満
が好ましく、さらに硬化物の透明性を確保するためには
0.05μm未満が好ましい。また、粒径が小さいほど
比表面積が増大して触媒能も増大するので、触媒性能向
上の点からもより小さい粒径の触媒を使用することが好
ましい。
【0047】上記アミン類としては、たとえば、モノア
ルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミ
ン、モノアリールアミン、ジアリールアミン、環状アミ
ンなどが挙げられる。上記酸類としては、たとえば、酢
酸などの有機酸や塩酸などの無機酸が挙げられる。
【0048】被覆組成物(B)にあらかじめ触媒として
上記金属の微粒子を添加する場合、その添加量は、ポリ
シラザン100質量部に対して0.01〜10質量部が
好ましく、特に0.05〜5質量部が好ましい。触媒の
添加量が0.01質量部未満では充分な触媒効果が期待
できず、10質量部超では触媒どうしの凝集が起こりや
すくなり、透明性を損なうおそれがある。
【0049】また、上記アミン類や酸類は、被覆組成物
(B)にあらかじめ添加してもよく、被覆組成物(B)
を塗工した後に、アミン類や酸類の溶液(水溶液を含
む。)、またはそれらの蒸気(水溶液からの蒸気を含
む。)に接触させてもよい。
【0050】次に、ディスク基盤について説明する。デ
ィスク基盤としては、ポリカーボネート、ポリメチルメ
タクリレート、アモルファスポリオレフィンなどの透明
樹脂またはガラスに直接案内溝を形成した基盤、上記樹
脂またはガラスにフォトポリマー法により案内溝を形成
した基盤などが好ましく挙げられる。
【0051】また、ディスク基盤の案内溝の表面には、
下記の誘電体膜、記録膜、反射膜などからなる積層膜が
形成される。これらの膜の材質は特に限定されない。
【0052】誘電体膜の材質としては、たとえば、Si
34、SiO2、AlSiON、AlSiN、AlN、
AlTiN、Ta25、ZnSなどが好ましく挙げられ
る。
【0053】記録膜の材質は、記録方式により異なる
が、たとえば、追記型光記録媒体ではTe、Sn、Se
などのカルコゲナイト系合金、相変化型光記録媒体では
TeOx、InSe、SnSbなどのカルコゲナイト系
合金、光磁気ディスクではTbFeCo、NdDyFe
Coなどの遷移金属と希土類金属との合金(単層または
2層以上の交換結合膜)が好ましく挙げられる。
【0054】反射膜の材質は、たとえば、Al、Au、
Ag、Cuなどの金属、Al−Ti、Al−Crなどの
合金が好ましく挙げられる。
【0055】図1には、本発明の一実施例である青色レ
ーザーディスクの断面の模式図(カバー層が別に設けら
れる場合)が示されている。この青色レーザーディスク
8は、ディスク基盤1の案内溝2を有する面に、誘電体
膜、記録膜、反射膜などからなる積層膜3が形成され、
該積層膜3の表面にカバー層4が形成されている。そし
て、該カバー層の表面に被覆組成物(A)の硬化物層で
ある内層5と被覆組成物(B)の硬化物層である最外層
6からなるハードコート層7が形成されている。
【0056】本発明の青色レーザーディスクは、たとえ
ば以下のようにして製造できる。ディスク基盤の案内溝
を有する面に、常法により誘電体膜、記録膜、反射膜な
どからなる積層膜を形成する。誘電体膜、記録膜および
反射膜は、スパッタリング、イオンプレーティングなど
の物理蒸着法またはプラズマCVDなどの化学蒸着法に
より形成できる。
【0057】次いで、積層膜の表面に、スピンコート
法、ロールコーター法またはスクリーン印刷法などによ
り、(メタ)アクリル化合物、ビニル化合物、アリル化
合物などを含む活性エネルギ線硬化性樹脂またはエポキ
シ樹脂などの熱硬化性樹脂を均一に塗布した後、紫外線
や電子線などの活性エネルギ線照射による硬化および/
または熱硬化によりカバー層を形成する。カバー層の厚
さは90〜110μmが好ましい。
【0058】次いで、カバー層の表面に、前記の方法に
より被覆組成物(A)および(B)を塗工し、ハードコ
ート層を形成する。なお、被覆組成物(A)の硬化物層
がカバー層を兼ねる場合は、積層膜の表面に被覆組成物
(A)を塗工する。
【0059】なお、被覆組成物(A)の硬化と、被覆組
成物(B)の塗工〜硬化のタイミングとしては、以下の
(1)〜(4)のタイミングが挙げられる。
【0060】(1)被覆組成物(A)を塗工した後、充
分な量の活性エネルギ線を照射して充分に被覆組成物
(A)の硬化を終了させた後、その表面に被覆組成物
(B)の層を形成する。
【0061】(2)被覆組成物(A)を塗工して被覆組
成物(A)の未硬化物層を形成した後、その未硬化物層
の表面に被覆組成物(B)を塗工して被覆組成物(B)
の未硬化物層を形成し、その後に充分な量の活性エネル
ギ線を照射して被覆組成物(A)の硬化を終了させる。
この場合、被覆組成物(B)は被覆組成物(A)とほぼ
同時に硬化するか、被覆組成物(A)の硬化後、硬化触
媒溶液の蒸気雰囲気下に曝す、常温に放置する、または
加熱などにより硬化される。
【0062】(3)被覆組成物(A)を塗工した後、指
触乾燥状態になり、かつ完全硬化に至らないまでの量の
活性エネルギ線(通常、約500mJ/cm2までの照
射量)を照射して被覆組成物(A)の部分硬化物層を形
成した後、その部分硬化物層の表面に被覆組成物(B)
を塗工して被覆組成物(B)の未硬化物層を形成し、そ
の後、完全硬化させるに充分な量の活性エネルギ線を照
射して被覆組成物(A)の硬化を終了させる。なお、被
覆組成物(B)の未硬化物の硬化は上記(2)の場合と
同様である。
【0063】(4)上記(2)または(3)のように被
覆組成物(A)の未硬化物層または部分硬化物層と被覆
組成物(B)の未硬化物層とを形成した後、被覆組成物
(B)の未硬化物を先に部分硬化または完全硬化させ
て、その後に被覆組成物(A)の未硬化物または部分硬
化物を完全硬化させる。この場合、ハードコート層の耐
磨耗性が優れるという点から、被覆組成物(B)を塗工
する時点では被覆組成物(A)は部分硬化物であること
が好ましい。また、被覆組成物(A)を完全硬化させる
時点では被覆組成物(B)は部分硬化物であることが好
ましい。
【0064】本発明においては、2つの硬化物層の層間
密着力を上げるために、上記(2)または(3)のタイ
ミングで行なうことが好ましい。また、被覆組成物が溶
剤を含有している場合は、塗工後、乾燥して溶剤を除去
してから硬化させることが好ましい。
【0065】上記のようにして得られる青色レーザーデ
ィスクは、単板で用いてもよく、2枚以上を貼り合わせ
て用いてもよい。そして、必要に応じてハブを付け、カ
ートリッジへ組み込めばよい。
【0066】
【実施例】以下、本発明を実施例(例1〜6)、比較例
(例7)に基づき説明するが、本発明はこれらに限定さ
れない。各例においては、ディスク基盤として、光記録
媒体用ポリカーボネート基盤(直径12cm、厚さ1.
2mm)の片面(案内溝を有する面)に、積層膜(Al
からなる反射膜層、SiNからなる第1誘電体層、Tb
FeCoからなる光磁気記録層、SiNからなる第2誘
電体層)をスパッタ法により成膜したものを用いた。
【0067】また、各例で得られたサンプルについての
各種物性の測定および評価は以下に示す方法で行い、そ
の結果を表1に示した(初期曇価、耐磨耗性、および初
期黄色度の測定用サンプルは、反射膜の形成を省いたデ
ィスク基盤を用いて作製した。)。なお、参考として通
常の建築用ガラスシート(板ガラス)についての結果も
併せて表1に示した。
【0068】[初期曇価、耐磨耗性]JIS−R321
2における耐磨耗試験法により、2つのCS−10F磨
耗輪にそれぞれ500gの重りを組み合わせ500回転
させたときの曇価(ヘーズ)をヘーズメータにて測定し
た。曇価の測定は磨耗サイクル軌道の4カ所で行い、平
均値を算出した。初期曇価は耐磨耗試験前の曇価の値
(%)を、耐磨耗性は(耐磨耗試験後曇価)−(耐磨耗
試験前曇価)の値(%)を示す。
【0069】[初期黄色度]スガ試験機社製カラーメー
タにより、サンプルの2点の黄色度(YI)の値を測定
し、その平均値を求めた。
【0070】[密着性]サンプルを剃刀の刃で1mm間
隔で縦横それぞれ11本の切れ目を付け、100個の碁
盤目を作り、市販のセロハンテープをよく密着させた
後、90度手前方向に急激にはがした際の、ハードコー
ト層が剥離せずに残存した碁盤目の数(m)をm/10
0で表す。
【0071】[例1]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、水酸基を有するジペンタ
エリスリトールポリアクリレートと部分ヌレート化ヘキ
サメチレンジイソシアネートの反応生成物であるウレタ
ンアクリレート(1分子当り平均15個のアクリロイル
基を含有)10.0gと、カプロラクトン変性トリス
(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(東亞
合成社製、商品名「アロニクスM−325」)10.0
gを加え、続いてn−ブチルアクリレート10.0g、
モルホリノアクリレート10.0g、2,4,6−トリ
メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド2.0
gおよびPMMA樹脂10.0gを加え、常温で1時間
撹拌して塗工液1を得た。
【0072】次に、ディスク基盤の積層膜の表面にスピ
ンコート法により塗工液1を塗工(ウエット厚さ100
μm)して、これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて
300mJ/cm2(波長300〜390nm領域の紫
外線積算エネルギ量、以下同じ。)の紫外線を照射し、
膜厚100μmの透明部分硬化物層を形成した。
【0073】次に、この表面にさらに低温硬化性のペル
ヒドロポリシラザンのキシレン溶液(固形分20質量
%、クラリアントジャパン社製、商品名「L110」、
以下、塗工液2という。)をスピンコーターを用いて塗
工(ウェット厚さ6μm)して、80℃の熱風循環オー
ブン中で10分間保持して溶剤を除去した後、これを空
気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて1500mJ/cm2
の紫外線を照射し、膜厚1.2μmの透明硬化物層を形
成した。こうしてディスク基盤のレーザー光入射面に総
膜厚101.2μmのハードコート層(内層がカバー層
も兼ねる)を形成したサンプルを得た。
【0074】[例2]例1において、塗工液1を塗工し
た後の工程を次のように変更した以外は、例1と同様に
してサンプルを得た。
【0075】ディスク基盤の積層膜の表面に塗工液1を
塗工後、これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて15
00mJ/cm2の紫外線を照射し、膜厚100μmの
透明硬化物層を形成した。そして、この表面に塗工液2
をスピンコート法により塗工(ウェット厚さ6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持して溶
剤を除去した後、さらに100℃の熱風循環オーブン中
で120分間保持した。こうしてディスク基盤のレーザ
ー光入射面に総膜厚101.2μmのハードコート層
(内層がカバー層も兼ねる)を形成したサンプルを得
た。
【0076】[例3]例1において、塗工液2の代わり
に、末端の一部がトリメチルシリル基で変性されたポリ
シラザンのキシレン溶液(固形分20質量%、クラリア
ントジャパン社製、商品名「N−N310」、以下、塗
工液3という。)を用いた以外は、例1と同様にしてサ
ンプルを得た。
【0077】[例4]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、酢酸ブチル51.8g、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド1.0g、PMMA樹脂2.0gおよびN−
メチル−4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン0.44gを加えて溶解させ、
続いて水酸基を有するジペンタエリスリトールポリアク
リレートと部分ヌレート化ヘキサメチレンジイソシアネ
ートの反応生成物であるウレタンアクリレート(1分子
当り平均15個のアクリロイル基を含有)10.0g
と、カプロラクトン変性トリス(アクリロイロキシエチ
ル)イソシアヌレート(東亞合成社製、商品名「アロニ
クスM−325」)10.0gを加えて常温で1時間撹
拌して塗工液4を得た。
【0078】次に、ディスク基盤の積層膜の表面に、保
護コート剤(大日本インキ化学工業社製、商品名「ダイ
キュアクリアSD−301」、以下、塗工液5とい
う。)を約100μmの膜厚になるように塗布した後、
1000mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させてカ
バー層を形成した。
【0079】そして、カバー層の表面にスピンコート法
により塗工液4を塗工(ウエット厚さ15μm)して、
80℃の熱風循環オーブン中で5分間保持して溶剤を除
去した後、これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて1
00mJ/cm2の紫外線を照射し、膜厚5μmの透明
部分硬化物層を形成した。
【0080】次に、この表面にさらに塗工液2をスピン
コーターを用いて塗工(ウェット厚さ6μm)して、8
0℃の熱風循環オーブン中で10分間保持して溶剤を除
去した後、これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて1
500mJ/cm2の紫外線を照射し、膜厚1.2μm
の透明硬化物層を形成した。こうしてディスク基盤のカ
バー層の表面に膜厚6.2μmのハードコート層を形成
したサンプルを得た。
【0081】[例5]例4において、塗工液4を塗工し
た後の工程を次のように変更した以外は、例4と同様に
してサンプルを得た。
【0082】塗工液4を塗工して溶剤を除去した後、こ
れを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて1500mJ/
cm2の紫外線を照射し、膜厚5μmの透明硬化物層を
形成した。そして、この表面に塗工液2をスピンコート
法により塗工(ウェット厚さ6μm)して、80℃の熱
風循環オーブン中で10分間保持して溶剤を除去した
後、100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持し
た。こうしてディスク基盤のカバー層の表面に総膜厚
6.2μmのハードコート層を形成したサンプルを得
た。
【0083】[例6]例4において、塗工液2の代わり
に塗工液3を用いた以外は、例4と同様にしてサンプル
を得た。
【0084】[例7]例1において、塗工液2の代わり
に、以下の方法で得られる塗工液6を用いた以外は、例
1と同様にしてサンプルを得た。
【0085】撹拌機および冷却管を装着した200mL
の4つ口フラスコに、酢酸ブチル121.30g、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート50.0g、2
−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モル
ホリノ−プロパン−1−オン3.00g、シリコーン系
レベリング剤0.63gを加えて常温で1時間撹拌し、
続いて低温硬化性のペルヒドロキシポリシラザンのキシ
レン溶液(固形分20質量%、クラリアントジャパン社
製、商品名「N−D110」)を50.0g加え、さら
に常温で1時間撹拌して塗工液6を得た。
【0086】[例8]ディスク基盤の積層膜の表面に、
塗工液5を塗布(ウエット厚さ約100μm)した後、
1000mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させてカ
バー層を形成した。
【0087】次いで、スピンコート法により三菱レーヨ
ン社製「ダイヤビームUR−4500」を塗工(厚さ5
μm)して、空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて100
0mJ/cm2の紫外線を照射し、膜厚5μmの透明硬
化物層を形成して、サンプルを得た。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、ディスクのレーザー光
入射面に高い耐磨耗性および透明性を有し、かつディス
ク基盤との密着性に優れたハードコート層を有する青色
レーザーディスクおよびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である青色レーザーディス
クの断面を表す模式図である。
【符号の説明】 1.ディスク基盤 2.案内溝 3.積層膜 4.カバー層 5.内層 6.最外層 7.ハードコート層 8.青色レーザーディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 博嗣 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 5D029 LA03 LA05 LB07 LB13 LC08 LC21 5D121 AA04 EE23 EE27 EE28 GG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクのレーザー光入射面にハードコ
    ート層を有する青色レーザーディスクにおいて、前記ハ
    ードコート層が2層以上の透明硬化物層からなり、この
    透明硬化物層のうち最外層に接する内層が活性エネルギ
    線硬化性の重合性官能基を1個以上有する化合物を含む
    被覆組成物(A)の硬化物層であり、最外層がポリシラ
    ザンを含む被覆組成物(B)の硬化物層であることを特
    徴とする青色レーザーディスク。
  2. 【請求項2】 前記被覆組成物(A)の硬化物層の厚さ
    が1〜150μmである、請求項1に記載の青色レーザ
    ーディスク。
  3. 【請求項3】 前記被覆組成物(B)の硬化物層の厚さ
    が0.05〜10μmである、請求項1または2に記載
    の青色レーザーディスク。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載され
    た青色レーザーディスクの製造方法において、ディスク
    のレーザー光入射面の表面に、活性エネルギ線硬化性の
    重合性官能基を1個以上有する化合物を含む被覆組成物
    (A)の未硬化物層、部分硬化物層または硬化物層を形
    成し、この表面にポリシラザンを含む被覆組成物(B)
    の未硬化物層または部分硬化物層を形成し、被覆組成物
    (A)の層が硬化物層である場合は被覆組成物(B)の
    層を硬化させ、被覆組成物(A)の層が未硬化物層また
    は部分硬化物層である場合は被覆組成物(A)および被
    覆組成物(B)の層を任意の順でまたは同時に硬化させ
    ることを特徴とする青色レーザーディスクの製造方法。
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