JP2003157579A - ハードコート層を有する光ディスク - Google Patents

ハードコート層を有する光ディスク

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JP2003157579A
JP2003157579A JP2001357684A JP2001357684A JP2003157579A JP 2003157579 A JP2003157579 A JP 2003157579A JP 2001357684 A JP2001357684 A JP 2001357684A JP 2001357684 A JP2001357684 A JP 2001357684A JP 2003157579 A JP2003157579 A JP 2003157579A
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meth
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Satoshi Kondo
聡 近藤
Nobuyuki Tamai
宣行 玉井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造が容易であり、表面の耐磨耗性に優れる光
ディスクの提供。 【解決手段】下記ハードコート層を片面に有する基材フ
ィルム(X)が、該ハードコート層を有さない他面でデ
ィスク基材(Z)の記録層面に貼合された構成を有する
光ディスク。ハードコート層:活性エネルギ線によって
重合しうる重合性官能基を2個以上有する多官能性化合
物、メルカプト基を有する有機基と加水分解性基または
水酸基とがケイ素原子に結合しているメルカプトシラン
化合物で表面修飾された平均粒径1〜200nmの修飾
コロイド状シリおよび光重合開始剤を含む活性エネルギ
線硬化性組成物を硬化した硬化物層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードコート層を
有する光ディスクに関する。詳しくは、記録および/ま
たは再生するのに用いられる光が、薄膜カバー層を通し
て記録層(以下、反射膜、記録層、誘電体層等が積層さ
れた積層膜を記録層とも記す。)に照射される方式の光
ディスクにおいて、薄膜カバー層としての基材フィルム
に、耐磨耗性、基材密着性および透明性に優れたハード
コート層を形成し、通常はディスク基材の形状に切り抜
いた後で、ディスク基材の記録層に貼合して得られる、
ディスク基材/記録層/薄膜カバー層/ハードコート層
の構成を有する光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】短波長のレーザー光を用いる光ディスク
においては、薄膜カバー層の厚さは0.1mm程度であ
り、従来のようにディスク基材そのものを薄膜カバー層
として用いることができない。そのため、光ディスクの
記録層を形成した面に薄膜カバー層を形成することにな
るが、ポリカーボネートを射出成形した薄膜カバー層で
は光学的にゆがみが生じ、複屈折しやすくなるため好ま
しくない。一方、複屈折の少ない薄膜カバー層を記録層
の表面に貼合する試みがなされているが、該薄膜カバー
層の表面は傷が付きやすく、光ディスクを使用する際に
これらの傷が記録または再生のエラーにつながる問題が
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、傷つきにく
く耐磨耗性に優れた表面を有する光ディスクを提供する
ことを目的とする。すなわち、超高密度記録用の光ディ
スクにおいて、透明であり、耐磨耗性に優れ、かつ、デ
ィスク基材との密着性に優れたハードコート層を有する
光ディスクを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記ハードコ
ート層(Y)を片面に有する基材フィルム(X)が、該
ハードコード層を有さない他面でディスク基材(Z)の
記録層面に貼合された構成を有することを特徴とするハ
ードコート層を有する光ディスクを提供する。ハードコ
ート層(Y):活性エネルギ線によって重合しうる重合
性官能基を2個以上有する多官能性化合物(A)、メル
カプト基を有する有機基と加水分解性基または水酸基と
がケイ素原子に結合しているメルカプトシラン化合物で
表面修飾された平均粒径1〜200nmの修飾コロイド
状シリカ(B)、および、光重合開始剤(C)を含む活
性エネルギ線硬化性組成物(P)を硬化して得られた硬
化物層。
【0005】また本発明は、前記メルカプトシラン化合
物が下式(1)で表される化合物である光ディスクを提
供する。 HS−R−SiX 3−n・・・(1) ただし、式(1)においてHS−R−はメルカプト基を
有する有機基、Rは2価の炭化水素基、Rは1価の炭
化水素基、Xは水酸基または加水分解性基、nは1〜3
の整数を表す。
【0006】特に、本発明は、記録および/または再生
するのに用いられる光が基材フィルム(X)を通して記
録層に照射される方式の、ディスク基材(Z)/記録層
/基材フィルム(X)からなる光ディスクにおいて、特
定のハードコート層(Y)が形成された基材フィルム
(X)を薄膜カバー層として、該ハードコート層を有さ
ない他面でディスク基材(Z)の記録層に貼合した、ハ
ードコート層を有する光ディスクを提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下の説明において、アクリロイ
ル基およびメタクリロイル基を総称して(メタ)アクリ
ロイル基といい、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリレートなどの表現も同
様とする。
【0008】まず、活性エネルギ線硬化性組成物(P)
について説明する。該組成物(P)は、特開平10−8
1839号公報において開示されたものである。具体的
には活性エネルギ線によって重合しうる重合性官能基を
2個以上有する多官能性化合物(A)、メルカプト基を
有する有機基と加水分解性基または水酸基とがケイ素原
子に結合しているメルカプトシラン化合物で表面修飾さ
れた平均粒径1〜200nmの修飾コロイド状シリカ
(B)、および、光重合開始剤(C)を含む活性エネル
ギ線硬化性の組成物である。
【0009】本発明における多官能性化合物(A)は、
特開平10−81839号公報の段落番号0013〜0
052に記載された多官能性化合物(a)に相当する。
本発明における多官能性化合物(A)としては、重合性
官能基を分子中に3個以上有し、1官能基あたりの分子
量が100以下であるものが特に好ましい。具体的に
は、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が
好ましく挙げられる。
【0010】次に本発明における修飾コロイド状シリカ
(B)は、特開平10−81839号公報の段落番号0
057〜0079に記載された成分(b)に相当する。
また、該修飾コロイド状シリカ(B)におけるメルカプ
トシラン化合物は、下式(1)で表される化合物が好ま
しい。 HS−R−SiX 3−n・・・(1) ただし、式(1)においてHS−R−はメルカプト基を
有する有機基、Rは2価の炭化水素基、Rは1価の炭
化水素基、Xは水酸基または加水分解性基、nは1〜3
の整数を表す。
【0011】本発明において、多官能性化合物(A)と
修飾コロイド状シリカ(B)の配合比は特に限定されな
いが、多官能性化合物(A)の100質量部に対して修
飾コロイド状シリカ(B)は5〜300質量部であるこ
とが好ましく、特に10〜200質量部が好ましい。該
範囲であると、充分な耐磨耗性が得られやすく、硬化物
層にヘーズが生じにくく、かつ、ディスクが外力により
強制的に変形させられた際にクラック等を生じにくいた
め好ましい。
【0012】また、多官能性化合物(A)と修飾コロイ
ド状シリカ(B)両者間の配合比とは独立して、多官能
性化合物(A)における活性エネルギ線によって重合し
うる重合性官能基のモル数に対して修飾コロイド状シリ
カ(B)におけるメルカプト基のモル数は50%以下で
あることが好ましい。モル数が50%以下であると、マ
トリクスとなる樹脂の硬化が良好に行えるため、充分な
耐磨耗性が得られる。
【0013】また、本発明における光重合開始剤(C)
は、特開平10−81839号公報の段落番号0080
〜0083に記載された光重合開始剤(c)に相当す
る。多官能性化合物(A)、修飾コロイド状シリカ
(B)および光重合開始剤(C)の合計を100質量部
としたとき、光重合開始剤(C)の量は0.01〜20
質量部が好ましく、特に0.1〜10質量部が好まし
い。
【0014】本発明においては、多官能性化合物(A)
とともに以下に挙げる化合物を併用してもよい。アルキ
ル(メタ)アクリレート(CH=CR’COOC
2n+1、R’は水素原子またはメチル基であり、nは
1〜13の整数であり、アルキル基部分は直鎖構造であ
っても分岐構造であってもよい。)、アリル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシ
エチル(メタ)アクリレート、ブタンジオール(メタ)
アクリレート、ブトキシトリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、tert−ブチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エトキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエ
トキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヘプタデ
カフルオロデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン、2−メトキシエチル(メタ)アク
リレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アク
リレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール
(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン
(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレー
ト、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル
(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アク
リレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレ
ート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリフル
オロエチル(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、
N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、ジ
シクロペンタジエニル(メタ)アクリレート。
【0015】該化合物を併用する場合は、多官能性化合
物(A)100質量部の代わりに、多官能性化合物
(A)と該化合物の合計100質量部に対する、修飾コ
ロイド状シリカ(B)および光重合開始剤(C)の割合
が上記範囲であることが好ましい。多官能性化合物
(A)における(メタ)アクリロイル基のモル数につい
ても同様に、多官能性化合物(A)と該化合物との重合
性官能基のモル数の合計に対する修飾コロイド状シリカ
(B)のメルカプト基のモル数が50%以下であること
が好ましい。多官能性化合物(A)と該化合物の割合
は、質量比で10/0〜1/3の範囲が好ましい。この
範囲であるとハードコート層(Y)の耐擦傷性に優れる
ため好ましい。
【0016】本発明における硬化性組成物(P)は、上
記基本的3成分以外に溶剤や種々の機能性配合剤を含ん
でいてもよい。溶剤は通常必須の成分であり、多官能性
化合物(A)が特に低粘度の液体でないかぎり溶剤が使
用される。溶剤としては、多官能性化合物(A)を硬化
成分とする組成物に使用される溶剤を使用できる。また
修飾コロイド状シリカ(B)の分散媒をそのまま溶剤と
して使用してもよい。さらに基材フィルムの種類によ
り、適切な溶剤を選択して用いることが好ましい。溶剤
の量は必要とする組成物の粘度、目的とする硬化物層の
厚さ、乾燥温度条件などにより適宜変更できる。通常は
多官能性化合物(A)に対して質量基準で100倍以下
が好ましく、特に0.1〜50倍が好ましい。
【0017】該溶剤としては、特開平10−81839
号公報の段落番号0088に挙げられている、低級アル
コール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類などの
溶剤が好ましい。また、酢酸n−ブチル、ジエチレング
リコールモノアセテートなどのエステル類、ハロゲン化
炭化水素類、炭化水素類なども好ましく挙げられる。耐
溶剤性の低い芳香族ポリカーボネート樹脂を基材フィル
ムに用いる場合は、低級アルコール類、セロソルブ類、
エステル類、それらの混合物などが好ましく挙げられ
る。
【0018】機能性配合剤としては、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、熱重合防止剤、安定剤、レベリング剤、消泡
剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料、分散剤、帯電防止剤、
防曇剤などの界面活性剤類、指紋付着防止剤、スリッピ
ング剤等が好ましく挙げられる。
【0019】光ディスクはカートリッジに入れて使用す
ることがあるため、表面の潤滑性に優れるのが好まし
く、手で持つことも多いため、表面に指紋が付着しない
のが好ましい。そのため、硬化性組成物(P)には、シ
リコン系化合物(たとえばポリジメチルシロキサン、ポ
リジメチルシロキサン/ポリエーテルブロックコポリ
マ、アルキル基変性ポリジメチルシロキサン等)、フッ
素系化合物、ポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化
物である脂肪酸エステルワックス等の潤滑性付与剤、指
紋付着防止剤を含むのが好ましい。
【0020】硬化性組成物(P)に添加する潤滑性付与
剤または指紋付着防止剤の割合は、多官能性化合物
(A)の100質量部に対して、0.01〜10質量部
が好ましい。該範囲であると、効果が充分発現でき、ハ
ードコート層(Y)の耐擦傷性が向上するため好まし
い。
【0021】ハードコート層(Y)の厚さは0.05〜
20μmが好ましく、特に0.1〜7μmが好ましい。
ハードコート層(Y)の厚さが該範囲であると、耐磨耗
性などの表面特性が充分に発現し、光ディスクが変形し
てもハードコート層(Y)にクラックなどが生じないた
め好ましい。
【0022】次に基材フィルム(X)について説明す
る。基材フィルム(X)は、光ディスクの薄膜カバー層
として用いられるため、使用レーザー波長領域で透明で
あり、かつ、複屈折率が低く、光学的に等方(均質)で
あることが求められる。基材フィルム(X)の厚さは特
に限定されないが、50〜100μmの厚さのものが好
ましく挙げられる。
【0023】この性能を満たすフィルムとしては、ポリ
カーボネート樹脂を塩化メチレン等の溶媒に一旦溶解さ
せた後、支持基材上に流延し、その後溶媒を蒸発させる
ことにより得られるポリカーボネートフィルム(キャス
トポリカーボネートフィルム)が好ましく挙げられる。
また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムは、溶融押
し出し成形によって製膜されたフィルムであっても、上
記性能を有するため好ましい。
【0024】熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、特
開平7−62126号公報などに記載された樹脂が挙げ
られる。具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合
体、その水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重
合体、ノルボルネン系単量体とオレフィンとの付加型重
合体などが挙げられる。該ノルボルネン系単量体として
は、上記公報の段落番号0007に記載された単量体が
好ましく挙げられる。該ノルボルネン系単量体を重合す
る方法は、公知の方法が採用でき、必要に応じて他の単
量体と共重合してもよい。
【0025】また、得られた重合体が分子構造中に不飽
和結合を有している場合は、常法により水素添加して熱
可塑性飽和ノルボルネン系樹脂である熱可塑性ノルボル
ネン系重合体水素添加物としてもよい。この場合、耐熱
劣化性、耐光劣化性などの点から、水素添加率は90%
以上が好ましく、特に95%以上が好ましく、とりわけ
99%以上が好ましい。
【0026】さらに、得られた重合体またはその水素添
加物を、特開平3−95235号公報などに記載された
方法により、α,β−不飽和カルボン酸および/または
その誘導体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和
結合および加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、
不飽和エポキシ単量体などを用いて変性してもよい。
【0027】次に、硬化性組成物(P)を基材フィルム
(X)へ塗工する方法、該組成物の硬化方法について説
明する。塗工する方法としては、特に制限されず、公知
の方法を採用できる。たとえば、ディップ法、フローコ
ート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート
法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフ
コート法、スピンコート法、スリットコート法、マイク
ログラビアコート法などの種々の方法を採用できる。
【0028】硬化性組成物(P)を硬化させる活性エネ
ルギ線としては、特に限定されず、紫外線、電子線また
はその他の活性エネルギ線を使用できる。本発明におい
ては、紫外線が好ましい。紫外線源としては、キセノン
ランプ、パルスキセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンア
ーク灯、タングステンランプなどを使用できる。
【0029】基材フィルム(X)にハードコート層
(Y)が形成されたハードコート付きフィルム(X’)
を、光ディスクの薄膜カバー層として用いる方法として
は以下の2つがある。
【0030】(1)ハードコート層(Y)を片面に有す
る基材フィルム(X)において、該ハードコート層を有
さない他面に粘着層を形成し、その後ディスク基材
(Z)の形状に切り抜いて、ディスク基材(Z)の記録
層面に貼合する方法。 (2)ディスク基材(Z)の記録層面に粘着層を形成
し、ディスク基材(Z)の形状に切り抜いたハードコー
ト付きフィルム(X’)のハードコート層を有さない他
面で、該記録層面の接着層に貼合する方法。
【0031】上記2つの方法は、生産性等を考慮してど
ちらかを選択すればよい。なお、基材フィルム(X)、
ハードコート層(Y)および粘着層の厚さの合計は、光
ディスクの光学的な要件から定められる厚さとすること
が好ましい。該厚さとしては、たとえば100μm±5
μmが好ましく挙げられる。
【0032】次に、ディスク基材(Z)について説明す
る。本発明におけるディスク基材は、記録および/また
は再生するのに用いられる光が薄膜カバー層を通して記
録層に照射される方式の光ディスクを用いるのが好まし
い。該ディスク基材の基盤としては、ポリカーボネー
ト、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレ
フィン等の透明樹脂またはガラスに、直接に案内溝を形
成した基盤、または、フォトポリマー法により案内溝を
形成した基盤等が好ましく挙げられる。
【0033】ディスク基材(Z)には、該案内溝を有す
る面に、記録層(誘電体層、記録層、反射膜等が積層さ
れた積層膜。)が形成されている。誘電体層、記録層お
よび反射膜等は、スパッタリング、イオンプレーティン
グなどの物理蒸着法またはプラズマCVDなどの化学蒸
着法により形成できる。該記録層等の材質は特に限定さ
れない。誘電体層の材質は、たとえば、Si、S
iO、AlSiON、AlSiN、AlN、AlTi
N、Ta、ZnSなどが好ましく挙げられる。記
録層の材質は、記録方式により異なるが、たとえば、追
記型光記録媒体ではTe、Sn、Seなどのカルコゲナ
イト系合金、相変化型光記録媒体ではTeOx、InS
e、SnSbなどのカルコゲナイト系合金、光磁気ディ
スクではTbFeCo、NdDyFeCoなどの遷移金
属と希土類金属との合金(単層または2層以上の交換結
合膜)が好ましく挙げられる。反射膜の材質は、たとえ
ば、Al、Au、Ag、Cuなどの金属、Al−Ti、
Al−Crなどの合金が好ましく挙げられる。本発明に
おけるディスク基材は、単板で用いてもよく、2枚以上
を貼り合わせて用いてもよい。そして、必要に応じてハ
ブを付け、カートリッジへ組み込んで用いることができ
る。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例(例3、4)、比較例
(例5)に基づき説明するが、本発明はこれらに限定さ
れない。各種物性の測定および評価は以下に示す方法で
行い、その結果を表1に示した。
【0035】各例において用いたディスク基材は、光記
録媒体用ポリカーボネート基盤(直径12cm、厚さ
1.2mm)の案内溝を有する面に、記録層(Alから
なる反射膜層、SiNからなる第1誘電体層、TbFe
Coからなる光磁気記録層、SiNからなる第2誘電体
層)をスパッタ法により形成したものである。なお、反
りの有無についての評価は厚さ0.6mmのポリカーボ
ネート基盤を用い、光線透過率についての評価は記録層
を形成しないものを用いた。また、参考として建築用板
ガラス(厚さ3mm)についての結果も表1に示した。
【0036】[初期曇価、耐磨耗性]JIS−R321
2における耐磨耗試験法により、2つのCS−10F磨
耗輪にそれぞれ500gの重りを組み合わせ500回転
させたときの曇価(ヘーズ)をヘーズメータにて測定し
た。曇価の測定は磨耗サイクル軌道の4カ所で行い、平
均値を算出した。初期曇価は耐磨耗試験前の曇価の値
(%)を、耐磨耗性は(耐磨耗試験後曇価)−(耐磨耗
試験前曇価)の値(%)を示す。
【0037】[光線透過率]島津製作所社製UV−31
00により、サンプルの基盤をキャンセルした測定波長
400nmにおける光線透過率を測定した。
【0038】[密着性]サンプルを剃刀の刃により1m
m間隔で縦横それぞれ11本の切れ目を付け、100個
の碁盤目を作り、市販のセロハンテープをよく密着させ
た後、90度手前方向に急激にはがした際の、薄膜カバ
ー層およびハードコート層が剥離せずに残存した碁盤目
の数(m)をm/100で表す。
【0039】[反り]サンプルをガラス平板上にハード
コート層の面を上にして置き、中心部を手で押さえた際
の、サンプル端部のガラス面からの距離を隙間ゲージに
て測定した。
【0040】[例1]撹拌機および冷却管を装着した2
000mLの4つ口フラスコに、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート分散型コロイド状シリカ
(シリカ含量30質量%、平均粒径11nm)1000
質量部および3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン50質量部を加え、105℃にて14時間撹拌した
後、室温において10時間熟成することにより、メルカ
プトシラン修飾コロイド状シリカ分散液を得た。
【0041】[例2]撹拌機および冷却管を装着した1
000mLの4つ口フラスコに、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートの184.60g、2−メチル−
1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ
プロパン−1オンの9.23g、ポリジメチルシロキサ
ンの両末端がメタクリル基で変性されたシリコーンオイ
ル(信越化学社製、商品名「X−22−164C」)
0.72g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.2
0gおよびメチルエチルケトン345.90gを入れ、
常温および遮光した状態において、1時間撹拌して均一
化した。
【0042】続いて撹拌しながら、例1で合成したメル
カプトシラン修飾コロイド状シリカ分散液の169.9
0gをゆっくりと加え、さらに常温および遮光した状態
において1時間撹拌して均一化した。そして、最後に2
−プロパノールの86.5gを加え、常温および遮光し
た状態で1時間撹拌して塗工液1を得た。
【0043】[例3]キャストポリカーボネートフィル
ム(帝人社製、商品名「ピュアエース」、厚さ70μ
m)を3m/分の速度で搬送し、該フィルムの表面に塗
工液1をダイコート法にて塗工(ウエット厚さ6μm)
した。次いで、90℃の遠赤外線加熱炉(3m)を通し
た後、空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて1000mJ
/cm(波長300〜390nm領域の紫外線積算エ
ネルギ量、以下同じ。)の紫外線を照射し、膜厚1.8
μmのハードコート層を形成したフィルムを得た。
【0044】続いて、得られたフィルムのハードコート
層が形成されていない面に、ラミネーターを用いて、粘
着シート(日東電工社製、商品名「DA−8310」、
厚さ30μm)を貼り付けた。そして、このフィルム
を、内径23mm外径119mmのドーナツ状に切り抜
き、ディスク基材の記録層の表面に位置を合わせて貼合
した。こうして光ディスクのレーザー光入射面に、薄膜
カバー層およびハードコート層を形成したサンプルを得
た。
【0045】[例4]キャストポリカーボネートフィル
ムの代わりに、ノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオ
ン社製、商品名「ゼオノア」、厚さ70μm)を用いた
以外は、例3と同様にしてサンプルを得た。
【0046】[例5]ハードコート層を形成しないこと
以外は、例3と同様にしてサンプルを得た。
【0047】なお、本サンプルにおける密着性の評価
は、薄膜カバー層が剥離せずに残存した碁盤目の数を表
す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、耐磨耗性、透明性に優
れる光ディスクが得られる。すなわち、光ディスクのレ
ーザー光入射面に、耐磨耗性に優れたハードコート層
(Y)が形成された光ディスクが得られる。該ハードコ
ート層(Y)は、光ディスクを反らすことなく、透明性
にも優れ、かつ、光ディスクとの密着性にも優れる。ま
た、本発明によれば、ハードコート層(Y)を有する基
材フィルム(X)を、簡単な作業によって、ディスク基
材(Z)に貼合できる。本発明におけるハードコート層
(Y)は、連鎖移動反応でマトリクス樹脂と共重合しう
るメルカプト基で表面修飾されたコロイド状シリカと、
多官能性化合物とからなり、無機および有機ハイブリッ
ド組成物の硬化物であることから、耐擦傷性およびその
耐久性に優れる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 PA13 PB08 PB16 PB22 PC02 PC08 4J038 FA011 HA446 KA03 KA08 KA15 NA11 PA17 PB11 PC08 5D029 LA01 LA05 5D075 EE03 FG04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記ハードコート層(Y)を片面に有する
    基材フィルム(X)が、該ハードコート層を有さない他
    面でディスク基材(Z)の記録層面に貼合された構成を
    有することを特徴とするハードコート層を有する光ディ
    スク。ハードコート層(Y):活性エネルギ線によって
    重合しうる重合性官能基を2個以上有する多官能性化合
    物(A)、メルカプト基を有する有機基と加水分解性基
    または水酸基とがケイ素原子に結合しているメルカプト
    シラン化合物で表面修飾された平均粒径1〜200nm
    の修飾コロイド状シリカ(B)、および、光重合開始剤
    (C)を含む活性エネルギ線硬化性組成物(P)を硬化
    して得られた硬化物層。
  2. 【請求項2】前記メルカプトシラン化合物が下式(1)
    で表される化合物である、請求項1に記載の光ディス
    ク。 HS−R−SiX 3−n・・・(1) ただし、式(1)においてHS−R−はメルカプト基を
    有する有機基、Rは2価の炭化水素基、Rは1価の炭
    化水素基、Xは水酸基または加水分解性基、nは1〜3
    の整数を表す。
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