JP2001344816A - ハードコート層を有する光ディスクおよびその製造方法 - Google Patents

ハードコート層を有する光ディスクおよびその製造方法

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JP2001344816A
JP2001344816A JP2000161717A JP2000161717A JP2001344816A JP 2001344816 A JP2001344816 A JP 2001344816A JP 2000161717 A JP2000161717 A JP 2000161717A JP 2000161717 A JP2000161717 A JP 2000161717A JP 2001344816 A JP2001344816 A JP 2001344816A
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optical disk
polysilazane
active energy
coating composition
layer
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JP2000161717A
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Toshihiko Higuchi
俊彦 樋口
Satoshi Kondo
聡 近藤
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー光入射面の表面に、耐磨耗性、基板
との密着性に優れたハードコート層を有する光ディスク
およびその製造方法の提供。 【解決手段】 光ディスクのレーザー光入射面に、活性
エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官
能性化合物とポリシラザンとを含有する被覆組成物
(A)の透明硬化物層からなるハードコート層を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクのレー
ザー光入射面に、耐磨耗性、透明性などに優れたハード
コート層(透明硬化物層)を有する光ディスクおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクのレーザー光入射面に傷があ
ったり、塵埃が付着していると、記録再生を行なう際に
エラーを生じやすい。
【0003】そのため、このような記録再生時のエラー
を防止するために、レーザー光入射面には紫外線硬化性
樹脂などの硬化性樹脂の硬化物層からなるハードコート
層が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、情報の高密度
集積化が進むにしたがい、レーザー光入射面のわずかな
傷によっても記録再生時のエラーが生じやすくなったた
め、上記ハードコート層にはより一層の耐磨耗性が求め
られるようになってきた。
【0005】本発明は、レーザー光入射面に、耐磨耗性
に優れたハードコート層を有する光ディスクおよびその
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光ディスクはレーザー光入射面にハードコ
ート層を有し、前記ハードコート層が活性エネルギ線硬
化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物と
ポリシラザンとを含有する被覆組成物(A)の透明硬化
物層であることを特徴とする。
【0007】また、本発明の光ディスクの製造方法は、
光ディスクのレーザー光入射面の表面に、活性エネルギ
線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合
物とポリシラザンとを含有する被覆組成物(A)を塗工
し、次いで活性エネルギ線を照射して前記多官能性化合
物の硬化と、前記ポリシラザンの硬化を任意の順でまた
は同時に行なうことにより、前記被覆組成物(A)の透
明硬化物層を形成することを特徴とする。
【0008】本発明によれば、光ディスクのレーザー光
入力面に、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個
以上有する多官能性化合物とポリシラザンとを含有する
被覆組成物(A)の透明硬化物層が形成されるため、耐
磨耗性に優れ、かつ基板との密着性に優れたハードコー
ト層を有する光ディスクを提供できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下の説明において、活性エネル
ギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化
合物は単に多官能性化合物という。また、アクリロイル
基およびメタクリロイル基を総称して(メタ)アクリロ
イル基といい、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリレートなどの表現も同
様とする。
【0010】本発明において光ディスクとは、全てのタ
イプの光ディスクを意味し、たとえばROMディスク、
追記型ディスク、相変化型ディスク、有機フォトクロミ
ック材料を記録層としたディスク、磁気光学効果を利用
した光磁気ディスクなどが挙げられる。
【0011】本発明の光ディスクは、光ディスクのレー
ザー光入射面に多官能性化合物とポリシラザンとを含有
する被覆組成物(A)の透明硬化物からなるハードコー
ト層を有する。
【0012】光ディスクとして用いる基板とハードコー
ト層との間には、他の合成樹脂、たとえば、熱可塑性ア
クリル樹脂などの熱可塑性樹脂の層や接着剤層からなる
第3の層が存在していてもよい。
【0013】被覆組成物(A)に含まれる多官能性化合
物としては、特開平11−240103号公報段落番号
0016〜0020、0023〜0047に記載された
化合物が好ましく挙げられる。
【0014】好ましい多官能性化合物としては、(メ
タ)アクリロイル基から選ばれる1種以上の重合性官能
基を2個以上(2〜50個が好ましく、より好ましくは
3〜30個)有する化合物が挙げられる。その中でも
(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する化合
物、すなわち多価アルコールなどの2個以上の水酸基を
有する化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエステル
が、好ましい。多官能性化合物としては、重合性官能基
以外に種々の官能基や結合を有する化合物であってもよ
い。特に、ウレタン結合を有する(メタ)アクリロイル
基含有化合物(以下、アクリルウレタンという。)と、
ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル酸エステル化
合物が好ましい。
【0015】上記アクリルウレタンとしては、ペンタエ
リスリトールやその多量体であるポリペンタエリスリト
ールとポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの反応生成物であるアクリルウレタ
ン、またはペンタエリスリトールやポリペンタエリスリ
トールの水酸基含有ポリ(メタ)アクリレートと、ポリ
イソシアネートとの反応生成物であるアクリルウレタン
であって、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を3個
以上(より好ましくは4〜20個)有する多官能性化合
物が挙げられる。
【0016】また、ウレタン結合を有しない(メタ)ア
クリル酸エステル化合物としては、ペンタエリスリトー
ル系ポリ(メタ)アクリレート、およびイソシアヌレー
ト系ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、ペ
ンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレートとは、
ペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトールと
(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性
エネルギ線硬化性の重合性官能基を4〜20個有す
る。)をいう。また、イソシアヌレート系ポリ(メタ)
アクリレートとは、トリス(ヒドロキシアルキル)イソ
シアヌレート、またはトリス(ヒドロキシアルキル)イ
ソシアヌレート1モルに1〜6モルのカプロラクトンや
アルキレンオキシドを付加して得られる付加物と、(メ
タ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性エネ
ルギ線硬化性の重合性官能基を2〜3個有する。)をい
う。
【0017】本発明においては、上記の好ましい多官能
性化合物と、他の活性エネルギ線硬化性の重合性官能基
を2個以上有する多官能性化合物(特に多価アルコール
のポリ(メタ)アクリレート)とを併用してもよい。
【0018】被覆組成物(A)は、上記の多官能性化合
物と共に、活性エネルギ線によって重合しうる重合性官
能基を1個有する単官能性化合物(以下、単に単官能性
化合物という。)を含有してもよい。
【0019】単官能性化合物としては、(メタ)アクリ
ロイル基を有する化合物が好ましく、特にアクリロイル
基を有する化合物が好ましい。また、その他に水酸基、
エポキシ基などの官能基を有していてもよい。
【0020】好ましい単官能性化合物は、(メタ)アク
リル酸エステル、すなわち(メタ)アクリレートであ
り、具体的には、特開平11−268196号公報段落
番号0045に記載されたものが挙げられる。
【0021】単官能性化合物を使用する場合、被覆組成
物(A)における多官能性化合物および単官能性化合物
(以下、これらを活性エネルギ線硬化性成分という。)
との合計に対する該単官能性化合物の割合は、特に限定
されないが、60質量%以下が好ましく、特に30質量
%以下が好ましい。単官能性化合物の割合が多すぎると
被覆組成物(A)の硬化物の硬さが低下し、耐磨耗性が
不充分になる。
【0022】被覆組成物(A)に含まれるポリシラザン
としては、実質的に有機基を含まないポリシラザン(ペ
ルヒドロポリシラザン)、アルキル基、アルケニル基、
アリール基、シクロアルキル基、または、これらの基の
炭素原子に結合した水素原子の一部または全部を置換基
で置換した基がケイ素原子に結合したポリシラザン、ア
ルコキシ基などの加水分解性基がケイ素原子に結合した
ポリシラザン、窒素原子にアルキル基などの有機基が結
合しているポリシラザンなどが挙げられる。特にペルヒ
ドロポリシラザンは、その焼成温度の低さおよび焼成後
の硬化被膜の緻密さの点で好ましい。ペルヒドロポリシ
ラザンが充分に硬化した硬化物は窒素原子をほとんど含
まないシリカとなる。
【0023】これらのポリシラザンは、鎖状、環状また
は架橋構造を有する重合体、または分子内にこれらの複
数の構造を有する混合物からなる。ポリシラザンの分子
量は数平均分子量が200〜5万が好ましい。数平均分
子量が200未満では、焼成しても均一な硬化物が得ら
れにくい。また、数平均分子量が5万超では、溶剤に溶
解しにくくなり、また被覆組成物(A)が粘稠になるお
それがあるため好ましくない。
【0024】被覆組成物(A)における多官能性化合物
に対するポリシラザンの配合割合は、耐磨耗性や基板と
の密着性により適宜選択できるが、特に耐磨耗性と密着
性のバランスを考慮した場合には、多官能性化合物10
0質量部に対してポリシラザン1〜1000質量部が好
ましく、特に、多官能性化合物100質量部に対してポ
リシラザン5〜100質量部が好ましい。多官能性化合
物に対するポリシラザンの割合が上記よりも少ないと耐
磨耗性が不充分になり、上記よりも多いと硬化物層にク
ラックが入りやすく、また基板との密着性も不充分にな
るため好ましくない。
【0025】被覆組成物(A)には、上記の基本的成分
以外に下記の溶剤や種々の機能性配合剤を含むことがで
きる。
【0026】被覆組成物(A)において、溶剤は通常必
須の成分であり、活性エネルギ線硬化性成分が特に低粘
度の液体でない限り溶剤が使用される。
【0027】溶剤としては、活性エネルギ線硬化性成分
およびポリシラザンの両方が可溶な溶剤を使用する。な
お、基板の種類によって適切な溶剤を選択して用いるこ
とが好ましく、特にポリシラザンの貯蔵安定性を考慮し
た場合には、分子中に水酸基を含まない溶剤が好まし
く、たとえば炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ケト
ン類、エーテル類、エステル類などが挙げられる。具体
的には、特開平11−268196号公報の段落番号0
074に記載された溶媒が挙げられる。本発明において
は、キシレン、ジブチルエーテルが特に好ましい。
【0028】また、溶剤の量は必要とする組成物の粘
度、目的とする硬化物層の厚さ、乾燥温度などの条件な
どにより適宜変更できる。本発明において、溶剤は、被
覆組成物(A)中の活性エネルギ線硬化性成分に対して
質量で100倍以下、好ましくは0.1〜50倍用いら
れる。
【0029】機能性配合剤としては、光重合開始剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱重合防止剤、レ
ベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料(有機
着色顔料、無機顔料)、着色染料、赤外線吸収剤、蛍光
増白剤、分散剤、防汚性付与剤、導電性微粒子、帯電防
止剤、防曇剤、硬化性触媒、カップリング剤からなる群
から選ばれる1種以上の機能性配合剤が挙げられる。
【0030】被覆組成物(A)は、活性エネルギ線硬化
性成分を効率よく硬化させるために、光重合開始剤を含
むことが好ましい。光重合開始剤としては、公知のもの
を使用でき、特に入手容易な市販のものが好ましい。
【0031】光重合開始剤としては、アリールケトン系
光重合開始剤(たとえば、アセトフェノン類、ベンゾフ
ェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル
類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジ
メチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−ア
シロキシムエステル類など)、含イオウ系光重合開始剤
(たとえば、スルフィド類、チオキサントン類など)、
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ジアシルホ
スフィンオキシド系光重合開始剤、その他の光重合開始
剤が挙げられる。
【0032】具体的には、特開平11−268196号
公報の段落番号0063〜0065に記載された化合物
が挙げられる。光重合開始剤は、複数の種類を併用して
もよく、アミン類などの光増感剤と組み合わせて使用し
てもよい。
【0033】被覆組成物(A)における光重合開始剤の
量は、活性エネルギ線硬化性成分100質量部に対して
0.01〜20質量部が好ましく、特に0.1〜10質
量部が好ましい。
【0034】紫外線吸収剤としては、合成樹脂用紫外線
吸収剤として通常使用されているようなベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、
サリチル酸系紫外線吸収剤、フェニルトリアジン系紫外
線吸収剤などが好ましい。具体的には、特開平11−2
68196号公報の段落番号0078に記載された化合
物が挙げられる。本発明においては、被覆組成物(A)
が多官能性化合物を含有することから、2−{2−ヒド
ロキシ−5−(2−アクリロイルオキシエチル)フェニ
ル}ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−3−メタク
リロイルオキシプロピル−3−(3−ベンゾトリアゾー
ル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートなど分子内に光重合性の官能基を有するものが
特に好ましい。
【0035】光安定剤としては、同様に合成樹脂用光安
定剤として通常使用されているようなヒンダードアミン
系光安定剤が好ましい。具体的には、特開平11−26
8196号公報の段落番号0080に記載された化合物
が挙げられる。本発明においては、N−メチル−4−メ
タクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジンなどの分子内に重合性官能基を有するものが特
に好ましい。
【0036】酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾールなどのヒンダードフェノール系酸
化防止剤、トリフェニルホスファイトなどのリン系酸化
防止剤などが挙げられる。
【0037】レベリング剤としては、シリコーン樹脂系
レベリング剤、アクリル樹脂系レベリング剤などが挙げ
られる。
【0038】消泡剤としては、ポリジメチルシロキサン
などのシリコーン樹脂系消泡剤などが挙げられる。
【0039】増粘剤としては、ポリメチルメタクリレー
ト系ポリマー、水添ひまし油系化合物、脂肪酸アミド系
化合物などが挙げられる。
【0040】有機着色顔料としては、縮合多環系有機顔
料、フタロシアニン系有機顔料などが挙げられる。
【0041】無機顔料としては、二酸化チタン、酸化コ
バルト、モリブデンレッド、チタンブラックなどが挙げ
られる。
【0042】着色染料としては、有機溶剤可溶性アゾ系
金属錯塩染料、有機溶剤可溶性フタロシアニン系染料な
どが挙げられる。
【0043】赤外線吸収剤としては、ポリメチン系、フ
タロシアニン系、金属錯体系、アミニウム系、ジイモニ
ウム系、アントラキノン系、ジチオール金属錯体系、ナ
フトキノン系、インドールフェノール系、アゾ系、トリ
アリールメタン系の化合物などが挙げられる。
【0044】蛍光増白剤としては、クマリン系蛍光増白
剤、2,5−ビス(5’−t−ブチルベンゾオキサゾリ
ル−(2’))チオフェンなどのオキサゾール系蛍光増
白剤などが挙げられる。
【0045】防汚性付与剤としては、シリコン樹脂系防
汚添加剤、フッ素樹脂系防汚添加剤などが挙げられる。
【0046】導電性微粒子としては、亜鉛、アルミニウ
ム、ニッケルなどの金属粉、リン化鉄、アンチモンドー
プ型酸化スズなどが挙げられる。
【0047】帯電防止剤としては、ノニオン系帯電防止
剤、カチオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤など
が挙げられる。
【0048】硬化触媒としては、酸、アルカリまたは塩
類などから選ばれる硬化触媒が挙げられる。
【0049】カップリング剤としては、シランカップリ
ング剤、チタネートカップリング剤などが挙げられる。
【0050】被覆組成物(A)の硬化物層の厚さは0.
1〜100μmが好ましく、特に1〜50μmが好まし
い。この層の厚さが100μm超では活性エネルギ線に
よる硬化が不充分になり、基板との密着性が損なわれや
すくなり、0.1μm未満では耐磨耗性が不充分となる
おそれがある。
【0051】次に、光ディスクとして用いる基板(以
下、基板という。)について説明する。基板としては、
ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アモル
ファスポリオレフィンなどの透明樹脂またはガラスに直
接案内溝を形成した基板、上記樹脂またはガラスにフォ
トポリマー法により案内溝を形成した基板が好ましく挙
げられる。
【0052】また、基板の案内溝の表面には、下記の誘
電体膜、記録膜、反射膜などからなる積層膜が形成され
る。
【0053】誘電体膜の材質としては、たとえば、Si
34、SiO2、AlSiON、AlSiN、AlN、
AlTiN、Ta25、ZnSなどが好ましく挙げられ
る。
【0054】記録膜の材質は、記録方式により異なる
が、たとえば、追記型光ディスクではTe、Sn、Se
などのカルコゲナイト系合金、相変化型光ディスクでは
TeOx、InSe、SnSbなどのカルコゲナイト系
合金、光磁気ディスクではTbFeCo、NdDyFe
Coなどの遷移金属と希土類金属との合金(単層または
2層以上の交換結合膜)が好ましく挙げられる。
【0055】反射膜の材質としては、たとえば、Al、
Au、Ag、Cuなどの金属、Al−Ti、Al−Cr
などの合金が挙げられる。
【0056】図1には、本発明の一実施例である光ディ
スクの断面の模式図が示されている。この光ディスク6
は、基板1の片面に案内溝2を有し、該案内溝2の表面
には積層膜3が形成され、さらにその表面に保護層4が
形成されている。一方、レーザー光入射面には、ハード
コート層5が形成されている。
【0057】本発明の光ディスクは、たとえば以下のよ
うにして製造できる。基板の案内溝を有する側の面に、
常法により誘電体膜、記録膜、反射膜などからなる積層
膜を形成する。誘電体膜、記録膜または反射膜は、スパ
ッタリング、イオンプレーディングなどの物理蒸着法ま
たはプラズマCVDなどの化学蒸着法により形成でき
る。
【0058】また、反射膜の表面に積層される保護層
は、スピンコート法、ロールコーター法またはスクリー
ン印刷法などの塗布方法により、硬化性樹脂などを均一
に塗布した後、紫外線や電子線などの活性エネルギ線照
射による硬化および/または熱硬化などにより硬化して
形成できる。
【0059】一方、基板のレーザー光入射面(案内溝の
形成されていない面)には、下記の方法により被覆組成
物(A)を塗工し、ハードコート層を形成する。
【0060】なお、積層膜および保護層の形成工程とハ
ードコート層の形成工程の順序は特に制限されず、どち
らを先に行ってもよい。
【0061】被覆組成物(A)を塗工する方法として
は、スピンコート法やロールコーター法、スクリーン印
刷法などの塗布方法を採用できる。本発明においては、
生産性や表面外観の点からスピンコート法が好ましく採
用される。
【0062】本発明において、被覆組成物(A)を硬化
する方法としては、以下の1)〜3)の方法が挙げられ
る。なお、被覆組成物(A)が溶剤を含む場合は、塗工
後に乾燥して溶剤を除いてから硬化することが好まし
い。
【0063】1)被覆組成物(A)を塗工した後、充分
な量の活性エネルギ線を照射して多官能性化合物の硬化
を終了させた後、ポリシラザンの部分硬化物または未硬
化物を加熱、室温に放置またはポリシラザンの硬化触媒
溶液の蒸気に曝して硬化させる。
【0064】2)被覆組成物(A)を塗工した後に、ポ
リシラザンの未硬化物を加熱、室温に放置またはポリシ
ラザンの硬化触媒溶液の蒸気に曝すことで硬化させ、次
いで充分な量の活性エネルギ線を照射して多官能性化合
物を硬化させる。
【0065】3)被覆組成物(A)を塗工した後に、充
分な量の活性エネルギ線を照射して、多官能性化合物の
硬化とポリシラザンの硬化をほぼ同時に行う。この方法
では、通常、ポリシラザンの硬化が多官能性化合物の硬
化よりも遅いので、実際は上記1)と同じプロセスで硬
化するものと考えられる。
【0066】活性エネルギ線としては、特に紫外線が好
ましい。しかし、紫外線に限定されず、電子線やその他
の活性エネルギ線を使用できる。紫外線源としては、キ
セノンランプ、パルスキセノンランプ、低圧水銀灯、高
圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カー
ボンアーク灯、タングステンランプなどが使用できる。
【0067】また、ポリシラザンを硬化させてシリカと
するためには、通常、焼成と呼ばれる加熱が必要である
が、本発明においては、基板の耐熱性の点からポリシラ
ザンの焼成温度は180℃以下とすることが好ましい。
【0068】通常、ポリシラザンの焼成温度を低下させ
るためには触媒が使用され、触媒の種類や量により低温
で焼成でき、場合によっては室温で硬化できる。また、
硬化を行う雰囲気としては空気中などの酸素の存在する
雰囲気が好ましい。ポリシラザンの焼成により、その窒
素原子が酸素原子に置換しシリカが生成する。充分な酸
素の存在する雰囲気中で焼成することにより緻密なシリ
カの層が形成される。
【0069】触媒としては、より低温でポリシラザンを
硬化させる触媒を用いることが好ましい。そのような触
媒としては、たとえば、特開平7−196986号公報
に提案されている金、銀、パラジウム、白金、ニッケル
などの金属の微粒子や特開平5−93275号公報に提
案されている上記金属のカルボン酸錯体の使用が挙げら
れる。また、触媒を被覆組成物(A)に添加しておくの
ではなく、特開平9−31333号公報に提案されてい
るように、触媒溶液、具体的にはアミン水溶液などに直
接被覆組成物(A)を接触させる、またはその蒸気に一
定時間曝すといった方法も採用できる。
【0070】また、ポリシラザンは光ラジカル発生剤の
存在下、活性エネルギ線の照射により硬化が促進される
ことが特開平11−181290号公報に記載されてお
り、光ラジカル発生剤や活性エネルギ線の照射条件を最
適化することにより、上記触媒を含まない場合でも活性
エネルギ線により硬化できる。
【0071】上記のようにして得られた光ディスクは、
単板で用いてもよく、2枚以上を貼り合わせて用いても
よい。このようにして、基板の両面に各層を形成した
後、必要に応じてハブを付け、カートリッジへ組み込め
ばよい。
【0072】
【実施例】以下、本発明を実施例(例1〜6)、比較例
(例7)に基づき説明するが、本発明はこれらに限定さ
れない。なお、各例で得られたサンプルについての各種
物性の測定および評価は以下に示す方法で行い、その結
果を表1に示した。
【0073】[初期曇価、耐磨耗性]JIS−R321
2における耐磨耗試験法により、2つのCS−10F磨
耗輪にそれぞれ500gの重りを組み合わせ、500回
転させたときの曇価(ヘーズ)をヘーズメータにて測定
した。曇価の測定は磨耗サイクル軌道の4カ所で行い、
平均値を算出した。初期曇価は耐磨耗試験前の曇価の値
(%)を、耐磨耗性は(耐磨耗試験後曇価)−(耐磨耗
試験前曇価)の値(%)を示す。
【0074】[初期黄色度]スガ試験機社製カラーメー
タにより、サンプルの2点の黄色度(YI)の値を測定
し、平均値を示す。
【0075】[密着性]サンプルを剃刀の刃で1mm間
隔で縦横それぞれ11本の切れ目を付け、100個の碁
盤目を作り、市販のセロハンテープをよく密着させた
後、90度手前方向に急激にはがした際の、被膜が剥離
せずに残存した碁盤目の数(m)をm/100で表す。
【0076】[例1]撹拌機および冷却管を装着した1
00mLの4つ口フラスコに、ジブチルエーテル12
g、キシレン13g、2−[4−(2−ヒドロキシ−3
−ドデシルオキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシフ
ェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)
−1,3,5−トリアジン0.2g、2−メチル−1−
{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロ
パン−1−オン0.15g、および1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート0.2
gを加え溶解させた。続いてトリス(2−アクリロイル
オキシエチル)イソシアヌレート4.8g、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート3.2gとペルヒドロ
ポリシラザンのキシレン溶液(固形分20質量%、東燃
社製、商品名「V110」)10gを加え窒素雰囲気
下、常温で1時間撹拌して被覆組成物(以下、塗工液1
という。)を得た。
【0077】3.5インチの光ディスク用ポリカーボネ
ート基板のレーザー光入射面に、スピンコート法により
塗工液1を塗工(ウェット厚さ13μm)して、80℃
の熱風循環オーブン中で5分間保持した。そして空気雰
囲気中、高圧水銀灯を用いて1500mJ/cm2(波
長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギ量、以
下同じ。)の紫外線を照射した後、100℃の熱風循環
オーブン中で120分間保持して、膜厚3μmの透明硬
化物層(ハードコート層)を形成した。
【0078】上記ハードコート層を形成した面の反対側
の面(案内溝を有する面)に、SiNからなる第1誘電
体層、TbFeCoからなる光磁気記録層、SiNから
なる第2誘電体層、Alからなる反射膜層を順次スパッ
タ法により成膜した。さらに、この反射膜層の表面に、
保護コート剤(大日本インキ化学工業社製、商品名「ダ
イキュアクリアSD−301」)(以下、塗工液2とい
う。)を約10μmの膜厚になるように塗布した後、5
00mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させ、光ディ
スクを製造した。
【0079】[例2]塗工液1を塗工後、最後に100
℃の熱風循環オーブン中で120分間保持する代わり
に、23℃、相対湿度55%の環境下で7日間養生した
以外は例1と同様にして光ディスクを製造した。
【0080】[例3]塗工液1を硬化させる工程におい
て、「紫外線の照射」と「100℃の熱風循環オーブン
で120分間保持する」工程の順序を逆にした以外は例
1と同様にして光ディスクを製造した。
【0081】[例4]塗工液1を硬化させる工程におい
て、紫外線照射量を3000mJ/cm2とし、100
℃の熱風循環オーブン中で120分間保持する工程を省
いた以外は例1と同様にして光ディスクを製造した。
【0082】[例5]塗工液1に含まれる「V110」
10gの代わりに、末端メチル基変性有機ポリシラザン
のキシレン溶液(固形分20質量%、東燃社製、商品名
「L710」)10gを用いた以外は例4と同様にして
光ディスクを製造した。
【0083】[例6]塗工液1に含まれる「V110」
10gの代わりに、低温硬化性ペルヒドロポリシラザン
のキシレン溶液(固形分20質量%、東燃社製、商品名
「D110」)10gを用いた以外は例4と同様にして
光ディスクを製造した。
【0084】[例7]3.5インチの光ディスク用ポリ
カーボネート基板のレーザー光入射面に、スピンコート
法により保護コート剤(三菱レーヨン社製、商品名「ダ
イヤビームUR−4500」)を塗工(厚さ5μm)し
て、これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて1000
mJ/cm2の紫外線を照射し、膜厚5μmの透明硬化
物層(ハードコート層)を形成した。
【0085】さらに、この基板のハードコート層とは反
対側の面(案内溝を有する面)に、SiNからなる第1
誘電体層、TbFeCoからなる光磁気記録層、SiN
からなる第2誘電体層、Alからなる反射膜層を順次ス
パッタ法により成膜した。さらに、この反射膜層の表面
に、塗工液2を約10μmの膜厚になるように塗布した
後、500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させ、
光ディスクを製造した。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、レーザー光入射面に、
高い耐磨耗性を有し、かつ基板との密着性に優れたハー
ドコート層を有する光ディスクおよびその製造方法を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である光ディスクの断面を
表す模式図である。
【符号の簡単な説明】
1.基板 2.案内溝 3.積層膜 4.保護層 5.ハードコート層 6.光ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DL171 DL172 FA121 FA122 FA161 FA162 FA281 FA282 NA11 NA17 PA17 PB11 5D029 LA05 LB02 LB07 5D121 AA04 EE22 EE23 GG02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー光入射面にハードコート層を有
    する光ディスクにおいて、前記ハードコート層が活性エ
    ネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能
    性化合物とポリシラザンとを含有する被覆組成物(A)
    の透明硬化物層であることを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 前記透明硬化物層の厚さが0.1〜10
    0μmである、請求項1に記載の光ディスク。
  3. 【請求項3】 レーザー光入射面にハードコート層を有
    する光ディスクの製造方法において、 光ディスクのレーザー光入射面の表面に、活性エネルギ
    線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合
    物とポリシラザンとを含有する被覆組成物(A)を塗工
    し、次いで活性エネルギ線を照射して前記多官能性化合
    物の硬化と、前記ポリシラザンの硬化を任意の順でまた
    は同時に行なうことにより、前記被覆組成物(A)の透
    明硬化物層を形成することを特徴とする光ディスクの製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004047095A1 (ja) * 2002-11-18 2004-06-03 Asahi Glass Company, Limited 皮脂汚れ防止性を付与されたハードコート層を有する光ディスク
WO2004047094A1 (ja) * 2002-11-18 2004-06-03 Asahi Glass Company, Limited 表面潤滑性を付与されたハードコート層を有する光ディスク
JP2007317358A (ja) * 2003-09-16 2007-12-06 Lg Electron Inc 光ディスク表面の機械的耐久性検査装置及び検査方法

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US7361393B2 (en) 2002-11-18 2008-04-22 Asahi Glass Company, Limited Optical disk having a hard coat layer having lubricity imparted
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