JP3882232B2 - 透明タッチパネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明タッチパネルに関するものである。詳しくは本発明は、透明な合成樹脂シートを基板として用いた、透明タッチパネルに関するものである。
本発明に係る透明タッチパネルは、例えば電子手帳、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、複写機、電話機などに好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】
透明タッチパネルは、周知のように電子手帳その他の種々の機器の入力装置に広く用いられている。透明タッチパネルは、透明基板上に透明導電膜を有する2枚の透明電極板を、その透明導電膜を対向させ且つ両者間に適宜の間隙を設けて、配置した構造を有している。通常は、透明なガラス基板上に酸化スズを主成分とする透明導電膜を形成したものを一方の透明電極板とし、透明な合成樹脂フィルムに同じく酸化スズを主成分とする透明導電膜を形成したものを他方の透明電極板とした透明タッチパネルが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
透明タッチパネルの一方の透明電極板を構成するガラス基板は、剛性が大きく、光透過性とリターデーション値に代表される光学特性及び表面粗さに代表される表面性に優れているが、比重が大きく且つ衝撃に弱い点が問題とされている。ガラス基板の有するこれらの欠点の無いものとして、透明な合成樹脂シートを透明基板として用いることが検討されている。しかしながら、最も一般的な熱可塑性樹脂を押出し成形して得られる樹脂シートは、一般に表面性と光学特性に問題がある。またガラス基板に比して膜厚が薄くて剛性に乏しく、透明タッチパネルに組立てた場合に、平坦性を確保し難い。薄い樹脂シートでも積層すれば所望の剛性を確保できるが、この方法では光学特性に優れた樹脂シートは得難い。
光学特性と表面性に優れた樹脂シートを得る方法として、溶融キャスティング法が知られているが、この方法においても、剛性を与えるため厚膜化すると、発泡等の欠陥が生じ易く、かつ生産性が大きく低下するという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、透明基板上に透明電極膜を有しタッチパネルのタッチ面を構成する上部透明電極板と、透明基板上に透明電極膜を有する下部透明電極板を、その透明電極膜を対向させて配置してなる透明タッチパネルにおいて、下部透明電極板の透明基板が、下記(1)式又は(2)式で示されるビス(メタ)アクリレートから選ばれた化合物を重合性成分の主体とし、かつ重合性成分に対し25重量%以下の下記(3)式、(4)式又は(5)式で示されるメルカプト化合物から選ばれた連鎖移動剤を含有する光硬化性組成物をシート状にして光硬化させて得た、厚さが500μm以上であり、550nmにおける光透過率が80%以上の樹脂シートからなる透明タッチパネルに存する
【化6】
Figure 0003882232
式中、R 1 及びR 2 は、互に異っていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。R 3 及びR 4 は、互に異っていてもよく、炭素鎖中に酸素原子及び/又は硫黄原子を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基を示す。Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれた置換基を示し、aは0〜4の整数を示す。但しaが2以上の整数の場合には、複数のXは互に異っていてもよい。
【化7】
Figure 0003882232
式中、R 5 及びR 6 は、互に異っていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。bは1又は2を示し、cは0又は1を示す。
【化8】
Figure 0003882232
式中、複数のR 7 は互に異っていてもよく、それぞれメチレン基又はエチレン基を示す。R 8 は炭素鎖中に酸素原子及び/又は硫黄原子を含んでいてもよい炭素数2〜15の炭化水素残基を示す。dは2〜6の整数を示す。
【化9】
Figure 0003882232
式中、Yは互に異っていてもよく、HS−(CH 2 e −(CO)(OCH 2 −CH 2 f −(CH 2 g −を示す。但しeは1〜4の整数、fは1〜4の整数、gは0〜2の整数をそれぞれ示す。
【化10】
Figure 0003882232
式中、R 9 及びR 10 は、互に異っていてもよく、炭素数1〜3の炭化水素基を示す。m及びnはそれぞれ0又は1を示す。pは1又は2を示す。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に説明すると、本発明で従来のガラス基板の代替として用いる透明樹脂シートは、厚さが100μm以上であることが必要である。本発明で用いる透明樹脂シートは光硬化性組成物の硬化物であって架橋しているので、同じ厚さの熱可塑性樹脂に比して一般に剛性に富んでいるが、100μmよりも薄いものでは透明タッチパネルに組立てた場合に剛性が不足して所望の平坦性が確保し難い。通常は150μm以上、好ましくは200μm以上の厚さのものが用いられる。透明樹脂シートの厚さの上限は任意であるが、通常は2000μmである。すなわち所望の平坦性の確保に必要な厚さ以上の膜厚とすることは、樹脂量の増加、したがって透明タッチパネルの重量とコストの増加を招くので避けるべきである。一般に、500μm〜1500μmの厚さのものを用いるのが最も好ましい。
透明樹脂シートの光透過率は、550nmにおいて80%以上であることが必要である。光透過率が80%未満では、透明タッチパネルに組立てた場合に明るさが不足する。また表示素子上の表示の視認性が悪くなる。
【0006】
更に、本発明で用いる透明樹脂シートのリターデーシヨン値(R値)は20nm以下であるのが好ましい。リターデーション値が大きいと、本発明に係る透明タッチパネルを液晶表示装置等に組込んだ場合に、表示斑を生ずるので好ましくない。また透明樹脂シートの表面粗度(Ra)は0.05μm以下が好ましい。表面粗度が大きいと、この透明樹脂シート上に形成される透明導電膜との界面が乱れて表示品質が低下する。特に微細な表面性の均一さを要求するSTN表示素子と一体化ないしは組合せた場合には、この表面性の低下が液晶層を均一な厚みとすることを阻害し、著るしく表示品質を低下させる。光硬化性組成物をシート状にして光硬化させる方法によれば、上述のようなリターデーション値及び表面粗度を有する樹脂シートを得ることは容易である。
【0007】
本発明で用いる透明樹脂シートは、光硬化性組成物に常法により光照射して硬化させることにより製造される。光硬化性組成物としては、エチレン性不飽和結合を有する重合性成分を主体とし、これに重合開始剤その他の常用の補助成分を加えたものが用いられる。重合に際し架橋反応を生起させるため、エチレン性不飽和結合を有する重合性成分は、少くとも2個のエチレン性不飽和結合を有するものを含んでいなければならない。好ましくは、少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する化合物を重合性成分の主体とする光硬化性組成物を用いる。特に好ましいものは、少くとも2個の(メタ)アクリル酸エステル基を有する化合物を重合性成分の主体とするものである。例えば下記の(1)式又は(2)式で示されるビス(メタ)アクリレートを主体とするものが好んで用いられる。
【0008】
【化11】
Figure 0003882232
【0009】
式中、R1 及びR2 は、互に異っていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。R3 は炭素鎖中に酸素原子及び/又は硫黄原子を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。R4 は炭素鎖中に酸素原子及び/又は硫黄原子を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基を示す。Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、aは0〜4の整数を示す。但しaが2以上の整数の場合には、複数のXは互に異っていてもよい。
【0010】
式(1)で示される化合物のいくつかを例示すれば、次の通りである。p−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオメチル)ベンゼン、p−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオメチル)ベンゼン、m−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオメチル)ベンゼン、m−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオメチル)ベンゼン、p−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルオキシエチルチオメチル)ベンゼン、p−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオエチルチオメチル)ベンゼン、p−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオメチル)テトラブロムベンゼン、m−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオメチル)テトラクロロベンゼン。これらの化合物は、例えば特開昭62−195357号公報に開示されている方法で合成することができる。
【0011】
【化12】
Figure 0003882232
【0012】
式中、R5 及びR6 は、互に異っていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。bは1又は2を示し、cは0又は1を示す。
式(2)で示される化合物のいくつかを例示すれば、次の通りである。
ビス(オキシメチル)トリシクロ〔5.2.1.02.6 〕デカン=ジアクリレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ〔5.2.1.02.6 〕デカン=ジメタクリレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ〔5.2.1.02.6 〕デカン=アクリレートメタクリレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ〔6.5.1.13.6 2.7 .09.13〕ペンタデカン=ジアクリレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ〔6.5.1.1.3.6 2.7 .09.13〕ペンタデカン=ジメタクリレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ〔6.5.1.1.3.6 2.7 .09.13〕ペンタデカン=アクリレートメタクリレート。これらの化合物は、例えば特開昭62−225508号公報に開示されている方法で合成することができる。
【0013】
上記で例示した式(1)で示される化合物及び式(2)で示される化合物は、単独で用いてもよく、また混合して用いてもよい。混合して用いる場合には、式(1)で示される化合物同志または式(2)で示される化合物同志を混合してもよく、また所望ならば式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物とを混合して用いることもできる。式(1)で示される化合物は、ナトリウムのD線(589.3nm)に対して、室温で1.54〜1.65と比較的高い屈折率を示す樹脂シートを与える。また式(2)で示される化合物は同じ条件下で1.47〜1.51と比較的低い屈折率を示す樹脂シートを与える。従って両者を混合して用いると、1.47〜1.65の間で任意の屈折率を有する樹脂シートを得ることができる。
【0014】
さらに、上記の式(1)又は式(2)で示されるエチレン性不飽和結合を有する化合物には、所望により他のエチレン性不飽和結合を有する化合物を併用することができる。しかし、その併用量は、式(1)及び式(2)で示される化合物から生ずる樹脂シートの特性を損わないように、式(1)及び式(2)で示される化合物に対して10重量%以下に止めるのが好ましい。このような化合物とては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシメチルテトラシクロドデカン、メタクリロイルオキシメチルテトラシクロドデセン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2′−ビス〔4−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル〕プロパン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン等の核や側鎖に置換基を有していてもよいスチレンなどが挙げられる。これらのなかでもメタクリロイルオキシメチルシクロドデカン、2,2−ビス〔4−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル〕プロパン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、およびこれらの混合物が特に好ましい。
【0015】
光硬化性組成物はメルカプト化合物を含有しているのが好ましい。メルカプト化合物は連鎖移動剤として作用するので、重合が均一かつおだやかに進行し、リターデーション値の小さな樹脂シートが生成する。メルカプト化合物としては、2個以上のメルカプト基を有するものを用いるのが好ましい。このようなメルカプト化合物を用いると耐熱性を大きく損うことなく、リターデーション値が小さく、かつ適度の靱性を有する樹脂シートを得ることができる。メルカプト化合物は、エチレン性不飽和結合を有する重合性成分に対して通常、25重量%以下、好ましくは1〜10重量%となるように用いる。メルカプト化合物の比率が大きくなりすぎると、得られる樹脂シートの耐熱性が低下する。
光硬化性組成物に含有させるメルカプト化合物としては、下記の式(3)〜式(5)で示されるものが好ましい。
【0016】
【化13】
Figure 0003882232
【0017】
式中、複数のR7 は互に異っていてもよく、それぞれメチレン基又はエチレン基を示す。R8 は炭素鎖中に酸素原子及び/又は硫黄原子を含んでいてもよい炭素数2〜15、好ましくは2〜6の炭化水素残基を示す。dは2〜6の整数を示す。すなわち式(3)で示される化合物は、チオグリコール酸又はチオプロピオン酸とポリオールとのジエステル〜ヘキサエステルである。そのいくつかを例示すると、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ジエチレングリコールビス(β−チオプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(チオグリコレート)、トリエチレングリコールビス(β−チオプロピオネート)、トリエチレングリコールビス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(チオグリコレート)などが挙げられる。
【0018】
【化14】
Figure 0003882232
【0019】
式中、Yは互に異っていてもよく、HS−(CH2 e −(CO)(OCH2 −CH2 f −(CH2 g −を示す。但しeは1〜4の整数、fは1〜4の整数、gは0〜2の整数をそれぞれ示す。
すなわち式(4)の化合物はω−SH基含有トリイソシアヌレートである。そのいくつかを例示すると、トリス〔2−(β−チオプロピオニルオキシ)エチル〕イソシアヌレート、トリス(2−チオグリコニルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス〔2−(β−チオプロピオニルオキシエトキシ)エチル〕イソシアヌレート、トリス(2−チオグリコニルオキシエトキシエチル)イソシアヌレート、トリス〔3−(β−チオプロピオニルオキシ)プロピル〕イソシアヌレート、トリス(3−チオグリコニルオキシプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
【0020】
【化15】
Figure 0003882232
【0021】
式中、R9 及びR10は、互に異っていてもよく、炭素数1〜3の炭化水素基を示す。m及びnはそれぞれ0又は1を示す。pは1又は2を示す。すなわち式(5)の化合物はα,ω−SH基含有化合物である。そのいくつかを例示すると、ベンゼンジメルカプタン、キシリレンジメルカプタン、4,4′−ジメルカプトジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
【0022】
光硬化性組成物中には、通常は紫外線等の活性エネルギー線によりラジカルを発生する光重合開始剤が含まれる。通常用いられる光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。好ましくは、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、又はベンゾフェノンが用いられる。これらの光重合開始剤は単独で用いてもよく、また2種以上併用することもできる。光重合開始剤は、エチレン性不飽和結合を有する化合物に対し、通常0.01〜1重量%、好ましくは0.02〜0.3重量%となるように用いる。重合開始剤の量が多過ぎると、重合が急激に進行して、往々にしてリターデーション値の大きな樹脂シートを与える。
【0023】
光硬化性組成物中には、さらに常用の添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料や充填剤などを含有させてもよい。
光硬化性組成物からの樹脂シートの作成は常法に従って行うことができる。通常は少くとも一面が活性エネルギー線を透過可能な、2枚の平板を対向させて形成した偏平なキャビティを有する成形型に光硬化性組成物を注入し、活性エネルギー線を照射して重合させればよい。キャビティの深さは、樹脂シートに要求される厚さと等しくすればよい。成形型は、活性エネルギー線に対して十分な透過性を有し、熱変形し難く、かつ表面性の良好な樹脂シートを与える研磨ガラスを用いて構成するのが好ましいが、アクリル板などで構成することもできる。また、成形型には、剥離剤を塗布したり、剥離層を蒸着させたりして、生成した樹脂シートを成形型から取出し易くする処理を行っておくことも好ましい。
【0024】
照射する活性エネルギー線としては、通常は紫外線、特に200〜400nmの紫外線が用いられる。照射量は、光硬化性組成物中の重合性成分の種類、光重合開始剤の種類や量に応じて、適宜調節すればよい。また、硬化をすみやかに完了させるために熱重合を併用してもよい。この場合には、光照射と同時に光硬化性組成物を30〜300℃に加熱する。また、光硬化性組成物中に、ベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等の熱重合開始剤を添加しておいてもよい。その量は重合性成分に対して1重量%以下が好ましく、使用量が多過ぎると、生成する樹脂シートのリターデーション値が大きくなる。
更に、活性エネルギー線の照射により生成した樹脂シートを加熱して、重合反応の完結及び重合時に発生する内部歪を低減させることもできる。加熱温度は、光硬化性組成物の組成や生成した樹脂シートのガラス転移温度に応じて適宜選択されるが、通常はガラス転移温度付近かそれ以下が好ましい。
【0025】
このようにして得られた透明樹脂シートに、常法により透明導電膜を形成して透明電極板とする。通常は、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、金、銀、パラジウム等の透明導電性物質を、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング等により樹脂シートの一面に蒸着させればよい。なお、透明樹脂シートには、酸素及び水蒸気を遮断するガスバリア層を設けておくのが好ましい。ガスバリア層は、樹脂シートの透明導電膜を形成する面に設けてもよく、またその反対側に設けてもよい。すなわちガスバリア層の上に透明導電膜を形成してもよい。ガスバリア層を設けておくと、タッチパネルを液晶表示素子と一体化又はこれと組合せて用いる場合に、液晶部に気泡が生成したり、液晶が劣化したりするのを防止することができる。
【0026】
ガスバリア層としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体や塩化ビニリデン等を樹脂シートに塗布して形成したものであってもよいが、SiOx (x=1.5〜2)で表わされる酸化ケイ素や酸化アルミニウム、またはこれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜が好ましい。これらの蒸着膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法など、従来から用いられている方法により、容易に形成することができる。
なお、樹脂シート、ガスバリア層、透明導電膜の間には、相互の密着性を向上させるため、従来から用いられているアンダーコート剤やトップコート剤などの塗布層を設けてもよい。
【0027】
本発明に係る透明タッチパネルにおいて、上記で得られた光硬化性組成物から得られた樹脂シートを基板とする電極板と対向する電極板としては、常用のものを用いることができる。その厚さは、入力方法にもよるが通常100〜700μm、好ましくは150〜300μmである。所望ならば上記で得られたものを用いることもできる。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各項目の評価法は、以下の通りである。
【0028】
(1)表面粗度(Ra)
表面粗さ測定器((株)東京精密社製サーフコム575A)を用い、表面粗度(Ra、単位:μm)を、ダイヤモンド針(1μmR、90°円錐)、測定長さ0.5mm、カットオフ値0.16mm、測定速度0.06mm/sec、直線補正の条件で測定した。
(2)リタデーション値(R値)
自動複屈折測定装置((株)オーク製作所製ADR−150N)を用い、垂直入射によりリターデーション値(R値、単位:nm)を測定した。
(3)シート厚み
シックネスゲージによりシート厚みを測定した。単位:μm
(4)光線透過率
分光光度計((株)日立製作所製)を用い、波長550nmでの透過率を測定した。
(5)重量
精密上皿天秤を用いて、樹脂シート(アンダーコート層、導電膜等の形成なし)の重量を測定した。
【0029】
実施例1
幅5mm、厚さ1mmのシリコンゴム製スペーサーを挟んで2枚の光学研磨ガラス平板(310×410×5mm)を対向させ、周辺部を接着テープでシールして成形型を形成した。
ビス(オキシメチル)トリシクロ〔5.2.1.02.6 〕デカンジメタクリレート94重量部、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)6重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド〔BASF社製(ルシリンTPO)〕0.06重量部、及びベンゾフェノン0.04重量部を混合し、攪拌して均一にしたのち脱泡して光硬化性組成物を調製した。
【0030】
上記の成形型にこの光硬化性組成物を注入し、成形型のそれぞれのガラス面から400mm離して設置した2個の80W/cmのメタルハライドランプから30分間紫外線を照射して重合反応を行わせた。
得られた樹脂シートは、300×400×1.0mmで、表面粗度(Ra)0.004μm、リターデーション値8nm、光線透過率90%であり、十分な剛性を有し平坦性も良好であった。また市販のタッチパネル用光学ガラスの密度を約2.5g/cm3 とすると、同じ形状及び厚さのタッチパネル用ガラス基板より約150g軽量である。
この樹脂シートに、インジウム−スズ酸化物を約1000Åの膜厚となるようにスパッタリングにより蒸着し、透明電極板を得た。この透明電極板を下部電極板とし、これに常用の上部電極板を200μmの間隔をおいて対向配置し、透明タッチパネルを製作した。このものはガラス基板を用いたタッチパネルと変らない性能であった。
【0031】
実施例2
幅5mm、厚さ0.5mmのテフロン製スペーサーを用いた以外は、実施例1と同様にして成形型を形成した。
この成形型を用いた以外は実施例1と全く同様にして樹脂シートを製作した。
得られた樹脂シートは、300×400×0.5mm、表面粗度(Ra)0.004μm、リターデーション値5nm、光線透過率91%であり、剛性及び平坦性も良好であった。その重量は同じ形状及び厚さのタッチパネル用ガラス基板よりも約76g軽量である。
この樹脂シートに実施例1と全く同様にして厚さ1000Åの透明導電膜を形成し、かつこれを用いて実施例1と同様の透明タッチパネルを製作した。このものはガラス基板を用いたタッチパネルと変らない性能であった。
【0032】
実施例3
実施例1と全く同様にして得られた樹脂シートに、3×10-5Torrの真空下、SiO(住友シチックス社製)を高周波誘導加熱方式で蒸着させ、厚さ350Åの珪素酸化物から成るガスバリア層を形成した。このガスバリア層上に、実施例1と全く同様にして厚さ約1000Åのインジウム−スズ酸化物薄膜を形成し、これを用いて実施例1と同様のタッチパオルを製作した。このものはガラス基板を用いたタッチパネルと変らない性能であった。

Claims (6)

  1. 透明基板上に透明電極膜を有しタッチパネルのタッチ面を構成する上部透明電極板と、透明基板上に透明電極膜を有する下部透明電極板を、その透明電極膜を対向させて配置してなる透明タッチパネルにおいて、下部透明電極板の透明基板が、下記(1)式又は(2)式で示されるビス(メタ)アクリレートから選ばれた化合物を重合性成分の主体とし、かつ重合性成分に対し25重量%以下の下記(3)式、(4)式又は(5)式で示されるメルカプト化合物から選ばれた連鎖移動剤を含有する光硬化性組成物をシート状にして光硬化させて得た、厚さが500μm以上であり、550nmにおける光透過率が80%以上の樹脂シートからなることを特徴とする透明タッチパネル。
    Figure 0003882232
    式中、R 1 及びR 2 は、互に異っていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。R 3 及びR 4 は、互に異っていてもよく、炭素鎖中に酸素原子及び/又は硫黄原子を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基を示す。Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれた置換基を示し、aは0〜4の整数を示す。但しaが2以上の整数の場合には、複数のXは互に異っていてもよい。
    Figure 0003882232
    式中、R 5 及びR 6 は、互に異っていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。bは1又は2を示し、cは0又は1を示す。
    Figure 0003882232
    式中、複数のR 7 は互に異っていてもよく、それぞれメチレン基又はエチレン基を示す。R 8 は炭素鎖中に酸素原子及び/又は硫黄原子を含んでいてもよい炭素数2〜15の炭化水素残基を示す。dは2〜6の整数を示す。
    Figure 0003882232
    式中、Yは互に異っていてもよく、HS−(CH 2 e −(CO)(OCH 2 −CH 2 f −(CH 2 g −を示す。但しeは1〜4の整数、fは1〜4の整数、gは0〜2の整数をそれぞれ示す。
    Figure 0003882232
    式中、R 9 及びR 10 は、互に異っていてもよく、炭素数1〜3の炭化水素基を示す。m及びnはそれぞれ0又は1を示す。pは1又は2を示す。
  2. 下部透明電極板の透明基板の厚さが500〜1500μmであることを特徴とする請求項1に記載の透明タッチパネル。
  3. 樹脂シートのリターデーション値が20nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明タッチパネル。
  4. 樹脂シートの表面粗度(Ra)が0.05μm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の透明タッチパネル。
  5. 樹脂シートがその少くとも一面にガスバリアー層を有するものであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の透明タッチパネル。
  6. ガスバリアー層が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム又はこれらの混合物よりなる蒸着膜であることを特徴とする請求項記載の透明タッチパネル。
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