JP2011235571A - 微細パターン製造方法および微細パターン付き基板 - Google Patents

微細パターン製造方法および微細パターン付き基板 Download PDF

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Abstract

【課題】モールド汚れが少なく、モールド離型性、および、露光後の基板密着性に優れた微細パターンを製造できる方法を提供する。
【解決手段】微細パターンの製造方法において、モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性を、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物の重合開始活性よりも高くする。
【選択図】なし

Description

本発明は、微細パターン製造方法に関する。好ましくは、表面に微細な凹凸を有する、光学レンズシート、レンズアレイ、プリズムシート、散乱シート、反射防止シート、カラーフィルタ、オーバーコート層、柱材等の微細パターンを製造する方法に関するものである。
さらに、本発明は、該微細パターン製造方法によって製造された微細パターン付き基板、該微細パターン付き基板を含む光学部材、光源装置および画像表示装置に関する。
ナノインプリント法は、光ディスク製作ではよく知られているエンボス技術を発展させ、凹凸のパターンを形成した金型原器(一般的にモールド、スタンパ、テンプレートと呼ばれる)を、樹脂にプレスして力学的に変形させて微細パターンを精密に転写する技術である。モールドを一度作製すれば、ナノ構造等の微細構造が簡単に繰り返して成型できるため経済的であるとともに、有害な廃棄・排出物が少ないナノ加工技術であるため、近年、さまざまな分野への応用が期待されている。
インプリント法には、被加工材料として熱可塑性樹脂を用いる熱インプリント法と、光硬化性組成物を用いる光インプリント法の2通りの技術が提案されている。熱インプリント法の場合、ガラス転移温度以上に加熱した高分子樹脂にモールドをプレスし、冷却後にモールドを離型することで微細構造を基板上の樹脂に転写するものである。この方法は多様な樹脂材料やガラス材料にも応用可能であるため、様々な方面への応用が期待されている。
一方、透明モールドや透明基板を通して光を照射し、光インプリント用硬化性組成物を光硬化させる光インプリント法では、モールドのプレス時に転写される材料を加熱する必要がなく室温でのインプリントが可能になる。光インプリント法では、熱インプリント法に比べ、使用できる材料の範囲が広く、製造装置の負荷も小さいとともに、微細なパターンへの追従性も高い。
インプリント法、特に、ナノインプリント法により良好なパターンを形成するためには、モールドパターンを高精度に形成することが必要である。また、それに加えて、モールドとインプリント用硬化性組成物との離型性(剥離性)が重要である。ここで、マスクと感光性組成物とが接触しないフォトリソグラフィ法に対し、インプリント法においてはモールドとインプリント用硬化性組成物とが接触する。モールド剥離時にモールドにインプリント用組成物の残渣が付着すると以降のプリント時にパターン欠陥となってしまう。
従来この課題の解決には、基板の密着性改良剤と、離型剤とを含有する組成物を用いて、この課題の解決が図られてきた(特許文献1)。この技術は、硬化性組成物中に基板密着剤と離型剤という、相反する性能を有する材料を混合して含めることになるため、一定の効果はあるものの両者のバランスを適切な範囲にして使用するのは必ずしも容易ではなかった。すなわち、モールド離型性を上げるために、離型剤を多量に入れると基板側に分配された離型剤のために基板との密着性が悪化するため、離型剤は、基板との密着性が悪化しない範囲で添加する必要があった。そのため、離型性が不十分となることがあった。また、密着改良剤がモールドと硬化性組成物の密着を強固なものとし、離型性を悪化させることがあった。
また、特許文献2には、2層以上の塗布膜の密着性を向上させる技術が記載されている。該特許文献2では、基材フィルム上に、1層目の紫外線硬化型樹脂組成物塗膜をハーフキュアの状態にして、1層目の塗膜表面に反応性基を残した状態で、2層目の紫外線硬化型樹脂組成物を塗布して紫外線で照射して、両塗膜を完全に硬化させる方法が記載されている。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、1層目の紫外線硬化型樹脂組成物塗膜をハーフキュアの状態にした後に更に組成の異なる別の層を積層する工程が必要であり、生産性が低い。さらに、このような技術は、凹凸のあるモールドを用いる微細パターンの製造においては、ハーフキュアされた層の変形は起こりにくく、最上層単独でモールドの凹凸に追従できるための膜厚を確保する必要があり、設計の自由度が制限されることがあった。
特開2008−19292号公報 特開平11−333370号公報
本発明は、従来技術の課題を解決するためになされたものであり、モールド汚れが少なく、モールド離型性、および、露光後の基板密着性に優れた微細パターンを製造できる方法を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本願発明者が検討したところ、硬化性組成物からなる層の厚みが厚いと硬化のための光源から遠い側の硬化性組成物中で光の減衰がおきて光重合開始剤が必ずしも十分作用せず、硬化が不十分となる場合があることが分かった。特に、基板側から光照射を行う場合には、モールド近傍の硬化性組成物への光量が不十分な場合には、モールド近傍の硬化が不十分となり、モールド汚れやパターン形成性が悪化しやすいことが分かった。さらに、基板の側から光照射を行う場合、モールド付近の光硬化を強めるために、光照射量を多くした場合には、基板近傍への光照射が増え、基板近傍の硬化性組成物中での硬化収縮が大きくなりひずみが蓄積しやすいことが分かった。このひずみのため基板と硬化性組成物間の密着が悪化するという弊害を有していることが分かった。
そこで、本願発明者は、上記問題点を詳細に検討した。その結果、モールド側および基板側の硬化性組成物をそれぞれ別に準備することを検討した。このような方法は、塗布の手間がかかるため、避けられる傾向にあった。さらに、硬化性組成物からなる層間のなじみ易さ等の問題も懸念された。しかしながら、モールド側および基板側の硬化性組成物をそれぞれ別に設け、基板に近い側とモールドに隣接する側の硬化性組成物からなる層の重合開始活性を制御することで、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下の手段により達成された。
(1)少なくとも、
(A)基板またはモールドのいずれか一方の表面に、互いに組成が異なり、かつ、(a)光重合開始剤と(b)重合性単量体を含む、少なくとも2種の硬化性組成物からなる層を、同時または逐次に、積層する工程、
(B)モールドまたは基板であって、前記(A)において硬化性組成物からなる層を設けなかった方を硬化性組成物からなる層に接触させ、基板とモールドの間に前記少なくとも2種の硬化性組成物からなる層をサンドイッチする工程、
(C)前記2種以上の硬化性組成物からなる層を基板および/またはモールド側から一度に光照射により硬化させる工程、および、
(D)モールドを硬化後の硬化性組成物からなる層から剥離する工程
を該順に有する微細パターン製造方法において、
モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性が、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物の重合開始活性よりも高いことを特徴とする微細パターン製造方法。
(2)前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤の吸収波長が、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤の吸収波長より長波であることを特徴とする、(1)に記載の微細パターン製造方法。
(3)前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物が、光増感剤を含み、かつ、該光増感剤の含有率が、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物における光増感剤の含有率よりも大きいことを特徴とする、(1)または(2)に記載の微細パターンの製造方法。
(4)前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物が光増感剤を含み、かつ、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物が光増感剤を含有しないことを特徴とする、(1)または(2)に記載の微細パターンの製造方法。
(5)前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤の含有量が、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤の含有量よりも多いことを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
(6)前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性が、基板に隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性よりも高いことを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
(7)前記硬化性組成物からなる層が3層以上あり、かつ、前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性が最も高く、基板に隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性が最も低いことを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
(8)前記(C)工程において、モールドに隣接する層に与えられる光照射エネルギーが、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物に与えられる光照射エネルギーよりも小さいことを特徴とする、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
(9)前記(C)工程において、基板側から光照射を行うことを特徴とする、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の微細パターンの製造方法。
(10)前記硬化性組成物の少なくとも1種が、紫外線吸収剤を含有する(1)〜(9)のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
(11)前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤が、近紫外領域に吸収を持ち、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤が、紫外領域に吸収を持つことを特徴とする、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
(12)(1)〜(11)のいずれか1項に記載の製造方法で形成された微細パターン付き基板。
(13)(12)に記載の微細パターン付き基板を有する光学部材。
(14)(12)に記載の微細パターン付き基板、または、(13)に記載の光学部材を有する光源装置。
(15)(12)に記載の微細パターン付き基板、(13)に記載の光学部材、または、(14)に記載の光源装置を有する画像表示装置。
モールド汚れが少なく、モールド離型性、および露光後の基板密着性に優れた微細パターンを製造方法の提供が可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”は“アクリレート”および“メタクリレート”を表す。本発明における重合性単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が1,000以下の化合物をいう。本明細書中において、“重合性基”は重合に関与する基をいう。
なお、本発明でいう“インプリント”は、好ましくは、1nm〜10mmのサイズのパターン転写をいい、より好ましくは、およそ10nm〜100μmのサイズ(ナノインプリント)のパターン転写をいう。
[微細パターン形成方法]
本発明の微細パターン製造方法は、少なくとも、
(A)基板またはモールドのいずれか一方の表面に、互いに組成が異なり、かつ、(a)光重合開始剤と(b)重合性単量体を含む、少なくとも2種の硬化性組成物からなる層(以下、「硬化性組成物層」ということがある)を、同時または逐次に、積層する工程、
(B)モールドまたは基板であって、前記(A)において硬化性組成物からなる層を設けなかった方を硬化性組成物からなる層に接触させ、基板とモールドの間に前記少なくとも2種の硬化性組成物からなる層をサンドイッチする工程、
(C)前記2種以上の硬化性組成物からなる層を基板および/またはモールド側から一度に光照射により硬化させる工程、および、
(D)モールドを硬化後の硬化性組成物からなる層から剥離する工程
を該順に有する微細パターン製造方法において、
モールドに隣接する硬化性組成物からなる層を構成する硬化性組成物の重合開始活性が、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物の重合開始活性よりも高いことを特徴とする。本発明では、好ましくは、モールドに隣接する硬化性組成物からなる層を構成する硬化性組成物の重合開始活性が、基板に隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性よりも高いことが好ましい。このような手段を採用することにより、モールド離型性を向上することができるととともに基板と硬化性組成物からなる層の密着性をより効果的に高めることが可能になる。
光重合開始剤を用いて、重合性単量体を重合させる場合、光重合開始剤の光吸収により光が、膜面に垂直な方向において、光源からの距離に依存して、硬化性組成物の膜内で減衰してしまう。これは光重合開始剤を用いる系において必然的に起こる原理的なことである。ここで、光インプリントの製造方法においては、基板との密着性とモールドとの離型性の両立が重要である。両性能を達成するには、基板近傍およびモールド近傍の硬化性組成物が、ある程度以上に硬化していることが必要である。特にモールド離型性に関してはモールド近傍の硬化性組成物中では未硬化成分を極力減らすことが重要である。
本発明は、硬化性組成物中での光の減衰により低下する光重合活性を、光重合開始剤、光増感剤、重合開始助剤、重合阻害成分の種類や量を硬化性組成物の膜厚方向での分布を最適化することにより補償して、光インプリントにおける必要な性能を満足させようとするものである。
本発明における重合開始活性とは、重合性単量体の重合を開始させる能力をいい、例えば、光重合開始剤の吸収波長、光増感剤、重合開始助剤や光重合開始剤の含有率、紫外線吸収剤等の重合阻害成分の存在等によって左右される。従って、本発明における、モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性が、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物の重合開始活性よりも高いことには、以下のような実施形態が含まれる。
本発明の好ましい第1の態様は、モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物中の光重合開始剤の吸収波長が、該層よりも基板により近い側の層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤の吸収波長より長波である態様である。
本発明の好ましい第2の態様は、モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物中の光増感剤の含有量が、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物中の光増感剤の含有量よりも大きい態様である。
本発明では、これらの態様を組み合わせて、重合開始活性に差異を設けることがさらに好ましい。
本発明の製造方法においては、(A)基板またはモールド上に、同時または逐次に、互いに、組成の異なる少なくとも2種の硬化性組成物を積層し、硬化性組成物からなる層を形成する工程を含む。本発明において、好ましい積層数は2層以上であれば特に制限はないが、より好ましくは2〜15層であり、さらに好ましくは2〜10層であり、さらに好ましくは3層〜5層である。この層数範囲内であれば、インプリントに必要な密着性と離型性を両立でき、装置の設計も容易である。特に、3層以上とすることにより、より効果的に本発明の効果を発揮させることが可能になる。
3種以上の組成物を積層する場合には、前記2種の組成物の間の中間層に、目的に応じて任意の硬化性組成物を用いることができる。中間層には、永久膜特性(力学特性等)に優れる組成物、紫外線吸収剤、屈折率調節剤、光散乱剤、着色剤、可塑剤、導電性化合物、酸化防止剤、光学異方性材料などの成分を含有させることができる。
本発明において、同時または逐次に積層される少なくとも2種の組成物の膜厚は、2層積層の場合は、モールド側層/基板側層の比率として、1/300〜300/1が好ましく、1/100〜100/1が特に好ましく、さらに好ましくは1/50〜50/1であり、最も好ましくは1/20〜20/1である。比率をこの範囲にすることで、塗布面状に優れ、離型性と密着性を両立できる。3種以上の組成物を積層する場合、上記2層に挟まれた中間層の膜厚に制限はないが、上記2層のどちらか薄い方の膜厚を基準にしたときに、その厚さの10%〜3000%(中間層1層あたり)が好ましく、50%〜1000%(中間層1層あたり)がより好ましく、100〜300%(中間層1層あたり)がさらに好ましい。
インプリント用硬化性組成物層の厚みは、必要なパターンに応じて任意に設定できるが、好ましくは100nm〜200μmであり、より好ましくは400nm〜100μmであり、さらに好ましくは900nm〜30μmである。また、モールドパターンの凹凸差の最大値に対して、硬化性組成物層の厚みは、50%〜1000%が好ましく、さらに好ましくは100%〜500%である。この範囲にすることで、パターンの転写精度に優れ、離型性と密着性を両立できる。多層を未硬化状態で積層し光照射し一度に硬化することで、モールドの凹凸を多層の膜厚の全てを利用して追従することができ、順次硬化膜を積層して表面層のみをインプリントする場合よりも残留応力の低下や積層体の不必要な膜厚を削減できるという点で好ましい。
本発明において膜厚とは、基板またはモールドの主平面上に凹凸がないと仮定した場合の面積をSとし、面積Sの領域に塗設された硬化性組成物の塗設量をLとした場合に、L/Sによって算出される値をいう。
次に、本発明に用いることのできる硬化性組成物について説明する。
本発明に用いることのできる硬化性組成物は、(a)光重合開始剤および(b)重合性単量体を含む硬化性組成物である。本発明に用いることのできる硬化性組成物の粘度は、例えば、25℃において、3〜1000mPa・sとすることができる。本発明では、パターン形成の精度向上およびモールド離型性の向上の観点から低粘度の組成物であることが好ましい。但し、インプリント時の硬化性組成物層が3μmを超えるような厚い場合には、高い粘度(例えば、6〜1000mPa・s)が好ましい。大まかな傾向として、重合性単量体の重合性官能基数が増えると粘度が上昇する傾向があり、硬化後の硬度も上がる傾向にある。本発明においては、モールドパターンの表面の形状や凹凸の頻度、硬化後の微細パターンに求められる物理的性質(弾性率等)などを考慮して、必要な粘度になるように、粘度や官能基数の異なる重合性単量体を混合して用いることが好ましい。また、本発明で用いる2層以上の硬化性組成物の粘度の粘度差は、100mPa・s以下であることが好ましく、20mPa・s以下であることがより好ましい。このような構成とすることにより、隣接する層同士のなじみがよくなり、層間の密着性を向上させることができる。
前記少なくとも2種の硬化性組成物は、それぞれの組成の80重量%以上が共通であることが好ましい。このような構成とすることにより、層間の密着性が向上する傾向にある。
本発明で用いるインプリント用硬化性組成物は、25℃における表面張力が、18〜29mN/mの範囲にあることが好ましく、20〜28mN/mの範囲にあることがより好ましい。このような範囲とすることにより、表面平滑性を向上させるという効果が得られる。
(a)光重合開始剤
本発明における硬化性組成物は、光の作用によりラジカル、酸または塩基を発生させる光重合開始剤を含有する。本発明では、光重合開始剤がトリガーとなり、重合性単量体の硬化反応を進行させる。中でも、硬化材料の選択の自由度が高いこと、硬化反応に必要な時間が短いこと、製造装置が小型化できること、等の点から、光照射によりラジカルを発生する光ラジカル開始剤を含有することが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号公報等)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
市販の光ラジカル重合開始剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(BP−100,BDMK,CTX,BMS,2−EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、チバ・ジャパン(株)製のイルガキュア(651,127,184,500,819,907,369,379,1173,1870,2959,4265,4263など)、BASF社製の重合開始剤(Lucirin TPO、TPO−1、LR8893、LR8970、UCB社製重合開始剤(ユベクリルP36)およびそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
これらの光重合開始剤は単独でも混合して用いても良い。「最新UV硬化技術」、(株)技術情報協会、1991年、p.159、および、「紫外線硬化システム」 加藤清視著、平成元年、総合技術センター発行、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。また、本発明で使用される光重合開始剤の具体的化合物の例としては、特開2008−105414号公報の段落番号0091に記載のものを好ましく採用することができる。
本発明における硬化性組成物中の光重合開始剤は、全組成物中、例えば0.1〜15質量%含有し、好ましくは0.2〜12質量%であり、さらに好ましくは0.3〜10質量%である。1層に2種類以上の光重合開始剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。光重合開始剤の割合を0.1質量%以上とすることにより、感度(速硬化性)、解像性、ラインエッジラフネス性、塗膜強度が向上する傾向にあり好ましい。一方、光重合開始剤の割合を15質量%以下とすることにより、光透過性、着色性、取り扱い性などが向上する傾向にあり、好ましい。
本発明の好ましい態様の一例として、モールドに隣接する硬化性組成物層中の光重合開始剤の吸収波長が、該層よりも基板により近い側の層に用いられる光重合開始剤の吸収波長より長波であるものが挙げられる。本態様は、各層における光重合開始剤の含有量が実質的に同じ場合に特に好ましく適用できる。含有量が実質的に同じである例としては、モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物中の光重合開始剤の含有量(質量%)を基準とした場合に、基板により近い側の層を構成する硬化性組成物中の光重合開始剤含有量は、100分率で、95〜100%であることが挙げられる。
3層以上積層している場合には3層以上で順番に吸収波長が長波になることが好ましい。このような構成にすることで、モールド近傍の硬化性組成物中でも光重合開始能を必要十分なレベルにまで補うことが可能となる。特に、前記(C)工程において、モールド側の硬化性組成物層に与えられる光照射エネルギーが、基板側の硬化性組成物層に与えられる光照射エネルギーよりも小さい場合に効果的である。
本発明では、モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物中の光重合開始剤の吸収波長と、モールドよりもより基板に近い側の層を構成する硬化性組成物中の光重合開始剤の吸収波長の差が、20nm以上であることが好ましく、40nm以上であることがより好ましい。上限としては特に定めるものではないが、例えば、200nm以下とすることができる。ここで吸収波長とは0.1質量%のアセト二トリル溶液での1cmセルでの吸光度が0.5を与える波長のうち最も長波の波長を表す。
本発明では、さらに、モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物中の光重合開始剤の波長領域が、近紫外領域にあり、モールドよりも基板に近い側(好ましくは基板に隣接する側)を構成する硬化性組成物中の光重合開始剤の波長領域が、紫外領域にあることが好ましい。
感光波長が長波(近紫外領域)にある重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド{“DAROCUR TPO”(商品名);チバ・ジャパン(株)製}、フェニレンビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド{“IRGACURE 819”(商品名);チバ・ジャパン(株)製};ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド類、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどのチオキサントン、N−メチルアクリドン、ビス(ジメチルアミノフェニル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン{“IRGACURE 907”(商品名);チバ・ジャパン(株)製、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン{“IRGACURE 369”(商品名);チバ・ジャパン(株)製}などのケトン類、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム)]などのオキシム類などの、400nm付近まで吸収末端がある化合物が好ましい。ホスフィンオキシド類が、作製したフィルムの着色を少なく、照射後の消色が大きいため、特に好ましい。
感光波長が短波(紫外領域)にある重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン{“IRGACURE 651”(商品名);チバ・ジャパン(株)製}、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン{“IRGACURE 184”(商品名);チバ・ジャパン(株)製}、2−ヒドロキシ−1−[ 4−[ 4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル ]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン“IRGACURE 127”(商品名);チバ・ジャパン(株)製}、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン}などのアセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類などの公知の開始剤を挙げることができる。
また、この態様において、基板に近い側の光重合開始剤の含有量が、モールドに隣接する層よりも少ないことが、基板密着を改良するために好ましい。モールドに隣接する層の硬化性組成物層中の光重合開始剤含有量(質量%)を基準とした場合に、基板により近い側の層を構成する硬化性組成物中の光重合開始剤含有量は、100分率で、10〜95%が好ましく、より好ましくは20〜90%であり、さらに好ましくは50〜85%である。2種類以上の光重合開始剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。各層の光重合開始剤の比率をこの範囲にすることで、基板近傍の硬化活性を高めすぎず、基板密着を良好なものにすることができる。特に、本実施形態は、各層に用いる光重合開始剤の分子量の差が、±50%以内の場合に好ましく適用できる。
(b)重合性単量体
本発明における硬化性組成物は、重合性単量体を混合して用いることができるが、以下に述べる3つのブレンド形態のいずれかをとることが好ましい。
第1の態様は、硬化性組成物の粘度が20mPa・s以下の低粘度でパターン形成性を特に重視したブレンド形態であり、単官能重合性単量体と2官能重合性単量体を主として用いる。全重合性単量体中で、単官能重合性単量体と2官能重合性単量体の合計は80質量%以上が好ましい。単官能重合性単量体は10〜100質量%で使用することができ、10〜80質量%が好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。また、弾性率を重視するには2官能重合性単量体は好ましくは50質量%以上であり、70〜90質量%がさらに好ましい。
第2の態様は、硬化性組成物の粘度が6〜300mPa・s程度でパターン形成性と厚膜適性を重視したブレンド形態で、2官能〜6官能の重合性単量体を主として用いる。全重合性単量体中で、2官能〜6官能の重合性単量体の合計は80質量%が好ましい。中でも2官能〜4官能の重合性単量体の合計は30〜100質量%が好ましく、さらに好ましくは60〜90質量%である。さらに、本発明では、硬化性組成物中に含まれる重合性単量体のうち、2官能〜4官能の重合性単量体が60〜90質量%を占める態様において、さらに単官能または5官能から6官能の重合性単量体を併用することが特に好ましい。この態様によれば、硬化性組成物の粘度や硬度の調節がしやすく、パターン形成性、厚膜適性、基板密着性などを付与することが容易である。
第3の態様は、硬化性組成物の粘度が90〜1000mPa・sの高粘度で弾性率と厚膜適性を重視したブレンド形態で、3官能以上の高粘度の重合性単量体を主成分として用いる。全重合性単量体中で、粘度が100mPa・s以上で3官能以上の重合性単量体の合計は50質量%以上が好ましく、さらに好ましくは70〜95質量%である。また、3官能以上の重合性単量体と併用して、単官能重合性単量体を用いることが硬化収縮の低減の点で好ましく、全重合性単量体中3〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜20質量%である。
本発明で用いる硬化性組成物は、重合性単量体が、溶剤を除く成分の90質量%以上を占めることが好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられる重合性単量体について具体的に説明する。
本発明で用いる重合性単量体は、重合性基を有するものが広く採用できる。重合性基の種類は、特に限定されないが、好ましくは、(メタ)アクリレート基、ビニル基またはエポキシ基であり、より好ましくは、(メタ)アクリレート基であり、さらに好ましくは、アクリレート基である。また、2つ以上の重合性基を有する重合性単量体は、それぞれの重合性基が同一であってもよいし、異なっていても良い。
本発明で用いる重合性単量体の分子量は、通常、分子量1000以下であり、600以下であることが好ましい。このような範囲とすることにより、本発明における硬化性組成物の粘度をより低く抑えることが可能になる。本発明で用いる重合性単量体の分子量の下限値は、特に定めるものではないが、通常は、100以上である。
以下に、本発明で用いられる重合性単量体の好ましい例を述べるが、本発明がこれらに限定されるものではないことは言うまでも無い。
重合性基を1つ有する重合性単量体として、エチレン性不飽和結合含有基を1つ有する重合性不飽和単量体(1官能の重合性不飽和単量体)を挙げることができる。1官能の重合性不飽和単量体は組成物を低粘度にするのに適している。低粘度化の観点から、ビニル系化合物、(メタ)アクリレート系化合物が好ましい。特に、N−ビニルピロリドン、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメトキシプロピルアクリレート、エチルオキセタニルメチルアクリレートがより好ましい。透明性の観点からはベンジルアクリレートが好ましい。また、本発明で用いる重合性単量体として、スチレン誘導体も採用できる。スチレン誘導体としては、例えば、p−メトキシスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、等を挙げることができる。
重合性基を2つ有する重合性単量体として、エチレン性不飽和結合含有基を2個有する2官能重合性不飽和単量体を挙げることができる。2官能の重合性不飽和単量体は組成物を低粘度にするのに適している。本発明では、反応性に優れ、残存触媒などの問題の無い(メタ)アクリレート系化合物が好ましい。
特に、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等が本発明に好適に用いられる。
重合性基を3つ以上有する重合性単量体として、エチレン性不飽和結合含有基を3個以上有する多官能重合性不飽和単量体を挙げることができる。これら多官能の重合性不飽和単量体は機械的強度付与の点で優れる。本発明では、反応性に優れ、残存触媒などの問題の無い(メタ)アクリレート系化合物が好ましい。
エチレン性不飽和結合含有基を3個以上有する多官能重合性不飽和単量体としては、特開2009−73078号公報の段落番号0049に記載のものを好ましく採用することができる。
これらの中で特に、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが本発明に好適に用いられる。
また、モールドとの離型性や塗布性を向上させる目的で、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフッソ原子を有する化合物も併用することができる。
本発明で用いる重合性単量体として、エポキシ基を有する化合物やオキシラン環を有する化合物も採用できる。エポキシ基やオキシラン環を有する化合物を、(メタ)アクリレート系化合物と組み合わせて使用することにより、弾性回復率が顕著に向上する傾向にある。
オキシラン環を有する化合物としては、例えば、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエテーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらの化合物は、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。
本発明に好ましく使用することのできる前記オキシラン環を有する化合物(エポキシ化合物)としては、特開2009−73078号公報の段落番号0053に記載のものを好ましく採用することができる。
これらの成分の中、脂肪族環状エポキシ化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
グリシジル基含有化合物として好適に使用できる市販品としては、UVR−6216(ユニオンカーバイド社製)、グリシドール、AOEX24、サイクロマーA200、(以上、ダイセル化学工業(株)製)、エピコート828、エピコート812、エピコート1031、エピコート872、エピコートCT508(以上、油化シェル(株)製)、KRM−2400、KRM−2410、KRM−2408、KRM−2490、KRM−2720、KRM−2750(以上、旭電化工業(株)製)などを挙げることができる。これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、これらのオキシラン環を有する化合物はその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号公報、特許第2906245号公報、特許第2926262号公報などの文献を参考にして合成できる。
本発明で用いる重合性単量体として、ビニルエーテル化合物を用いてもよい。
ビニルエーテル化合物は公知のものを適宜選択することができ、例えば、特開2009−73078号公報の段落番号0057に記載のものを好ましく採用することができる。
これらのビニルエーテル化合物は、例えば、Stephen.C.Lapin,Polymers Paint Colour Journal.179(4237)、321(1988)に記載されている方法、即ち多価アルコールもしくは多価フェノールとアセチレンとの反応、または多価アルコールもしくは多価フェノールとハロゲン化アルキルビニルエーテルとの反応により合成することができ、これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性組成物には、低粘度化、パターン精度向上、高硬度化の観点から特開2009−73078号公報に記載の反応性基を有するシルセスキオキサン化合物を用いることも可能である。また、モールド離型性と硬化膜強度に優れる材料として、国際公開特許WO2009/110496号公報に記載の同一分子内に(メタ)アクリレート基と不飽和2重結合を有するエステル基を有する化合物も用いることができる。
(光増感剤)
本発明においては、特に、光重合開始剤に加えて、光増感剤を併用することが好ましい。光増感剤とは、自らが吸収して得たエネルギーを光重合開始剤に与えることで光重合の開始活性を高める化合物である。典型的な光増感剤の作用としては、基底状態から光吸収により1重項励起状態となった後に速やかに項間交差を起こし3重項励起状態となり、自らが基底状態に失活する間に、光重合開始剤を励起状態にするものである。
本発明で用いられる光増感剤としては、例えば、チオキサントン類、9位と10位にアルコキシ基を有するアントラセン化合物(9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体)が好ましい。前記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体は、さらに置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基やスルホン酸アルキルエステル基、カルボン酸アルキルエステル基等が挙げられる。スルホン酸アルキルエステル基やカルボン酸アルキルエステル基におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基が挙げられる。これらの置換基の置換位置は2位が好ましい。
チオキサントン類の具体例としては、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられ、2,4−ジエチルチオキサントン(商品名 カヤキュアーDETX−S、日本化薬(株)製)、2−イソプロピルチオキサントンが好ましい。
9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジメトキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジエトキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジプロポキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジメトキシ−2−クロロアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸メチルエステル、9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホン酸メチルエステル、9,10−ジメトキシアントラセン−2−カルボン酸メチルエステル等を挙げることができ、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン(商品名 UVS−1550、川崎化成工業株式会社製)が好ましい。
これらは、単独であるいは2種以上混合して用いることができるが、2,4−ジエチルチオキサントンおよび、9,10−ブメトキシ−2−エチルアントラセンの使用が最も好ましい。増感剤成分は、少量で効果を発揮する為、その使用割合は、光重合開始剤に対し10〜100質量%が好ましく、更に好ましくは10〜50質量%である。
本発明の好ましい態様の他の一例は、モールドに隣接する硬化性組成物層を構成する硬化性組成物中の光増感剤の含有率が、該層よりも基板により近い側の層を構成する硬化性組成物の光増感剤の含有率よりも大きい態様である。モールドに隣接する層の光増感剤の含有量を基準とした場合、該層よりも基板により近い側の層の光増感剤の含有率は、質量比で、1/1.5以下が好ましく、さらに好ましくは1/2以下である。また、基板に隣接する層の光増感剤含有率は、モールドに隣接する層の光増感剤の含有量を基準とした場合、質量比で、1/2以下が好ましく、1/3以下がさらに好ましく、最も好ましくは1/4以下であり、全く光増感剤を含まないことも好ましい。本発明の硬化性組成物層が3層以上からなる場合には、積層順に光増感剤の含有率の大小が変化することが好ましい。本実施形態は、各層に用いる光増感剤の分子量の差が±50%以内の場合に、特に効果的である。
また、本発明において光重合開始活性を向上させるために、本発明の硬化性組成物中に開始助剤として、アミン化合物およびカルボン酸化合物を使用してもよい。
アミン化合物の具体例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの脂肪族アミン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称;ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族アミン化合物などが挙げられる。
カルボン酸化合物の具体例としては、フェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸などの芳香族ヘテロ酢酸類などが挙げられる。
開始助剤の使用割合は、光重合開始剤に対し10〜100質量%が好ましく、更に好ましくは10〜50質量%である。
(着色剤)
本発明には、可視光や紫外光を吸収する着色剤を用いることができる。可視光の着色剤としては、公知の有機の色素または無機の顔料などが挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、前記のような紫外線吸収性基を含有する高分子紫外線吸収化合物等があげられる。 紫外線吸収剤の市販品としては、Tinuvin P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバガイギー(株)製)、Sumisorb110、130、140、220、250、300、320、340、350、400(以上、住友化学工業(株)製)等が挙げられる。紫外線吸収剤は、インプリント用硬化性組成物全量に対して任意に0.01〜10質量%の割合で配合することができる。
本発明において光を吸収または散乱する無機粒子としては、可視から紫外域に吸収をもつ無機粒子であれば特に制限はなく、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、およびこれらに異種の金属をドープしたものや混合酸化物などが挙げられる。可視光の散乱を避けるためには粒子サイズは1〜200nm程度のものが用いられ、さらに好ましくは2〜100nmである。また、可視光を散乱させるためには、散乱させる方向や程度により、屈折率1.25〜2.6程度の直径0.2〜20μm程度の大きさの粒子が用いられる。
これら着色剤や光吸収または散乱性の無機粒子を含む硬化性組成物を用いる場合には、光重合のための照射光を減衰させてしまうため、本発明の技術がより効果的に発揮される。
[その他の成分]
本発明における硬化性組成物には前記成分の他に必要に応じて、熱重合開始財、重合禁止剤、光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、エラストマー粒子、屈折率調節剤、無機酸化物ナノ微粒子、光散乱性粒子、熱可塑性樹脂、光酸発生剤、光塩基発生剤、塩基性化合物、流動調整剤、消泡剤、分散剤等を添加してもよい。
(離型剤)
本発明における硬化性組成物のうち、少なくとも、モールドに隣接する層に用いられる組成物は、離型剤を含むことが好ましい。離型剤を使用することで、硬化性組成物の塗膜面状が改良され、パターン精度が向上する傾向にある。本発明に用いられる離型剤を、モールドに隣接する層に用いられる組成物は、例えば、0.01〜10質量%含有し、好ましくは0.1〜10質量%であり、さらに好ましくは、1〜8質量%である。2種類以上の離型剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
離型剤は、含シリコーン系離型剤、含フッ素系離型剤、含シリコーンかつ含フッ素系離型剤および直鎖脂肪族系アルキル系離型剤から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、含シリコーン系離型剤、含フッ素系離型剤および含シリコーンかつ含フッ素系離型剤から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、含シリコーン系離型剤および含シリコーンかつ含フッ素系離型剤から選ばれる少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
このような界面活性剤を用いることにより、塗布均一性を大幅に改良でき、ダイコーターやスリットスキャンコーターを用いた塗布において、基板サイズに依らず良好な塗布適性が得られる。
本発明で用いることのできる含シリコーン系離型剤としては公知のものを適宜選択することができ、例えば、国際特許公開WO2009/110496号公報の段落番号0084〜0088に記載のものを好ましく採用することができる。
また、含フッ素系離型剤としては公知のものを適宜選択することができ、例えば、特開2007−108726号公報の段落番号0136〜0141、特開2007−114772号公報の段落番号0129〜0152、特開2007−272197号公報の段落番号0039〜0058に記載のものを好ましく採用することができる。
(密着性改良剤)
本発明における硬化性組成物のうち、少なくとも、基板側層に用いられる組成物は、微細凹凸パターンを有する表面構造の耐熱性、強度、或いは、基板との密着性を高めるために密着性改良剤を含むことが好ましい。また、他の硬化性組成物にも、密着性改良剤を含めても良い。基板に接する層に用いられる組成物は、密着性改良剤を、例えば、0.01〜20質量%含有し、好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは、1〜10質量%含む。2種類以上の密着性改良剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。一方、モールドに接する層に用いられる組成物は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下の割合で密着性改良剤を含み、全く含まないことが最も好ましい。中間層に用いられる組成物については好ましくは10質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下の割合で密着性改良剤を含み、全く含まないことも好ましい。尚、上記含有量は、組成物中の溶剤を除く成分に対する含有量である。
本発明で用いられる密着性改良剤としては、有機金属カップリング剤を配合してもよい。また、有機金属カップリング剤は、熱硬化反応を促進させる効果も持つため有効である。前記有機金属カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、スズカップリング剤等の各種カップリング剤を使用できる。これら、有機金属カップリング剤は、特に金属、金属酸化物、金属窒化物自身や、樹脂中にこれら材料を含む基板を用いた場合に密着改良効果が大きい。
これらは、特開2009−73078号公報や特開2007−298974号公報の記載を参酌することができる。
(溶剤)
本発明における硬化性組成物は、調製時における水分量が好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%、さらに好ましくは1.0質量%以下である。調整時における水分量を5.0質量%以下とすることにより、本発明における硬化性組成物の保存性をより安定にすることができる。
また、本発明における硬化性組成物は、工程簡略化の観点からは、有機溶剤の含有量を少なくすることができる。有機溶剤を含まなければ、溶剤の揮発を目的としたベーキング工程が不要となるため、プロセス簡略化に有効となるなどのメリットが大きい。この観点では有機溶剤の含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、実質的に含有しないことが特に好ましい。
一方、薄膜化の観点からは、塗布性付与のため、有機溶剤を添加することもできる。有機溶剤で希釈することで粘度の調整が可能となり、薄膜塗布が容易になるという利点がある。
前記有機溶剤としては、例えば、メトキシプロピレングリコールアセテート、2−ヒドロキシプロピン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンなどが好ましい。
本発明における硬化性組成物は、一般によく知られた適用方法、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、スピンコート方法、スリットスキャン法などにより、同時または逐次に硬化性組成物層を積層することにより形成することができる。本発明では、同時重層による積層が好ましい。同時重層塗布することにより、隣接する層に対してレベリング作用を有し面状が良化する傾向にある。また、逐次塗布に比べて、一度に塗布する塗布量を多くすることができ、面状故障を減少させることができる。さらに、隣接する層間の密着性が向上する傾向にある。これら方法のなかでも塗布膜厚の均一性、同時重層塗布のしやすさからダイコートコート法またはスリットスキャン法が好ましく、ダイコート法が特に好ましい。
同時に2層以上の層を積層できる塗布の装置については、特開2004−50535号公報、特開2007−121426号公報、特開2003−164788号公報等に記載のものを用いることが好ましい。
本発明における硬化性組成物をモールドとともにサンドイッチするための基板の材料は、無機材料、樹脂中に無機材料を含むもの、または樹脂材料から選択することができる。無機材料としては、金属(Ni、Cu、Cr、Fe、Au、Agなど)、金属酸化物(ITO、SnO2、SiO2、ZnO2、Al23、およびこれらの複合酸化物、石英、ガラスなど)、金属窒化物(窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ガリウムなど)等が挙げられる。また、樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂およびこれらの共重合体や変性体など)等が挙げられる。また基板の性能や用途としては、光学フィルム、位相差膜、蒸着膜、磁性膜、反射膜、反射防止膜、TFTアレイ基板、PDPの電極板、導電性基板、絶縁性基板であってもよい。また、これら例示の材料の上に有機およびまたは無機の材料からなる層が形成されたものを基板として用いることもできる。基板の形状は、板状でも良いし、ロール状でもよい。
本発明における硬化性組成物を硬化させるための光としては特に限定されないが、高エネルギー電離放射線、近紫外線、遠紫外線、可視線、赤外線等の光または放射線が挙げられる。光源の汎用性やエネルギー量などの観点から紫外線が特に好ましい。
次に、本発明の製造方法の(B)工程(モールドまたは基板を硬化性組成物層に接触させ、基板とモールドの間に硬化性組成物層からなる層を設ける工程)および(C)工程について説明する。本発明における硬化性組成物を用いて光インプリントにより微細パターンを製造する際には、モールド材および/または基板の少なくとも一方は、光透過性の材料を選択する必要がある。本発明に適用される光インプリントの第1の方法においては、基板と光透過性モールドの間に硬化性組成物層をサンドイッチした後に光透過性モールドの裏面から光を照射し、インプリント用硬化性組成物を硬化させる。また、第2の方法においては、光透過性基板とモールドの間に硬化性組成物層をサンドイッチした後に光透過性基板の裏面から光を照射し、インプリント用硬化性組成物を硬化させる。第1と第2の方法を逐次または同時に行うこともできる。光照射は、モールドを付着させた状態で行うのが好ましく、モールド剥離後にさらに光照射を行ってもよい。
硬化性組成物を理想的に光硬化させるという観点からは、基板側およびまたはモールド側から必要十分な光を照射することにより光硬化することが理想であるが、パターンを形成しようとする基板やモールドの双方が光透過性が十分に高いということは期待できるものではない。本願は、一方の側からしか十分な光照射ができないような場合に特に有効であり、そのような場合でも光照射エネルギーの少ない側の重合開始活性を補償するものである。特に、本発明の方法では、基板側から光照射する場合に効果的である。
本発明で用いることのできるモールドは、転写されるべきパターンを有するモールドが使われる。モールドは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じてパターンが形成できるが、本発明では、モールドパターン形成方法は特に制限されない。また、基本となるモールドを転写して複製したモールドを用いることも可能である。
モールドは、無機材料、樹脂中に無機材料を含むもの、または樹脂材料から選択することが好ましい。反射防止性能を示す所謂モスアイを形成するためのモールドには、アルミニウムを陽極酸化することで得られる陽極酸化ポーラスアルミナを用いることが好ましい。陽極酸化ポーラスアルミナのモールドの製造方法については、特開2003−43203号公報や特開2008−209867号公報に記載されている。モールドに用いることのできる材料としては、上記基板に用いることのできる材料として挙げたものを用いることができる。
本発明においてモールド側から光照射する際に用いられる光透過性モールド材は、光透過性の無機材料(ガラス、石英、石英ガラスなどの金属酸化物)、光透過性の有機樹脂(PMMA、ポリカーボネート樹脂など)、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの光透過性柔軟膜、光透過性光硬化膜等が例示される。
特に、繰り返し用いた場合の耐久性、形成精度、モールドの加工の容易性の観点から、モールドを形成する材料は、無機材料が好ましく、特に金属酸化物(ガラス、石英、アルミナ等)が好ましい。
本発明に使用できるモールドの形状は板状モールド、ロール状モールドのどちらでもよい。ロール状モールドは、特に転写の連続生産性が必要な場合に適用される。本願の製造方法では、繰り返し使用時のモールド汚れが改善されるため、ロール状モールドを用いた連続製造に有効である。
本発明における硬化性組成物を用いてインプリントを行う場合、通常、モールドの圧力が10気圧以下で行うのが好ましい。モールド圧力を10気圧以下とすることにより、モールドや基板が変形しにくくパターン精度が向上する傾向にあり、また、加圧が低いため装置を縮小できる傾向にあり好ましい。モールドの圧力は、モールド凹部にナノインプリント用硬化性組成物が充分行き渡るように調整する。
また、モールドを加圧する前に減圧状態にして、モールド加圧と露光を行うと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制に効果がある。この観点からは減圧状態にしてからモールドを加圧することが好ましい。本発明において、好ましい真空度は、10-1Paから常圧の範囲で行われる。硬化に際しては、酸素によるラジカル重合の阻害をさらに減少させるには、チッソやアルゴンなどの不活性ガスを流して、酸素濃度を10%以下にすることもでき、5%以下が好ましく、1%以下にすることもできる。生産性の観点からは大気圧のまま加圧することが好ましい。プロセスの設計上都合の良い方を適宜選択できる。
本発明において、光インプリントリソグラフィにおける光照射は、露光照度を1mW/cm2〜50mW/cm2の範囲にすることが望ましい。1mW/cm2以上とすることにより、露光時間を短縮することができるため生産性が向上し、50mW/cm2以下とすることにより、副反応が生じることによる永久膜の特性の劣化を抑止できる傾向にあり好ましい。露光量は5mJ/cm2〜1000mJ/cm2の範囲にすることが望ましい。5mJ/cm2以上であると、露光マージンが狭くなり、光硬化が不十分となりモールドへの未反応物の付着などの問題が発生するのを防止できる。また。露光量が1000mJ/cm2以下であると組成物の分解による永久膜の劣化を抑制することができる。光照射は複数回に分けて行うこともできる。また、本発明では、硬化性組成物が、紫外線吸収剤のような着色剤に吸収されてしまう添加剤を含む場合、露光量を、例えば、700〜2000mJ/cm2とすることができる。通常、着色剤等によって吸収されてしまう光を補うために露光量を高くし、基板側から光照射すると、基板と硬化性組成物層との密着性が悪化してしまう。しかしながら、本発明では、露光量を高くしても、基板と硬化性組成物層の密着性の悪化を抑制することができる。
また、本発明に適用される光インプリントにおいては、光照射の際の温度は、通常、室温で行われるが、反応性を制御するために温度を制御しながら光照射してもよい。温度は5〜120℃が好ましく、さらに好ましくは15℃〜80℃である。温度の制御は、基板および/またはモールドの温度を制御することにより行うことができる。モールドと基材の温度を調節することにより硬化性組成物の温度を制御することができる。特にモールド側を基板側より5〜80℃程度高温にすることで重合開始活性および重合率を高めることができ、基板密着を悪化させることなくモールド離型性を高めることが可能となる。
本発明における硬化性組成物が熱重合開始剤を含有する場合には、基板および/またはモールドの温度を上げることにより硬化を開始することができ、その温度は150〜280℃が好ましく、200〜250℃がより好ましい。また、熱を付与する時間としては、5〜60分が好ましく、15〜45分がより好ましい。
本発明においては、(D)工程において、ナノインプリント用硬化性組成物からモールドを剥離する。この際、モールド圧を除去しモールドを基板から離すだけで剥離できることが理想である。モールドを基板から離すだけで剥離できない場合には超音波による振動などで剥離を促進することができる。
本発明において、(D)工程の後に、さらに硬化性組成物の硬化を進める工程を加えることも好ましい。具体的には、微細パターン付き基板にさらに光照射を行ったり、加熱したりすることができる。ラジカル重合の場合には、上記のように低酸素雰囲気にすることで重合阻害を減少することができる。加熱によりさらに硬化させる工程(ポストベーク工程)を行うことが好ましい。光照射後に本発明における硬化性組成物を加熱硬化させる熱としては、150〜280℃が好ましく、200〜250℃がより好ましい。また、熱を付与する時間としては、5〜60分間が好ましく、15〜45分間がさらに好ましい。
この際に酸化防止剤を併用することで、該硬化工程での硬化膜の着色、分解による膜厚減少防止をすることができる。
本発明の微細パターン付き基板は、未硬化状態で2種以上の硬化性組成物を積層して形成するため、これら層の構成成分を層界面で混合させることが容易である。硬化性成分、光重合開始剤や光増感剤などを界面で適度に拡散させることで、界面密着の強化や屈折率の急激な変化による光散乱・不必要な干渉などを低減することができる。
本発明の微細パターン付き基板は、光学レンズシート、レンズアレイ、プリズムシート、散乱シート、反射防止シート、カラーフィルタ、オーバーコート層、柱材などに用いることができる。また、これら部材を形成するためのモールドまたはモールドを作成するための中間的な鋳型として用いることができる。
[表示装置]
本発明の表示装置としては既述の本発明における硬化性組成物を硬化してなる微細パターンを有するものであれば、特に限定するものではなく、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち液晶表示装置が好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムなどさまざまな部材から構成される。これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行 )」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉 (株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
本発明の液晶表示装置は、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN
(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[実施例1]
下記表に示す各材料を混合し、十分に攪拌してインプリント用硬化性組成物CS01〜CS21を調製した。
Figure 2011235571
Figure 2011235571
表中で使用した化合物を以下に示す。
・混合物A:次の3種類の単量体の35:55:10混合物(質量比)、ネオペンチルグリコールジ アクリレート/トリメチロールプロパントリアクリレート/ジペンタエリスリトールヘキサアクリ レート(新中村化学製/東亜合成製/東亜合成製)
・混合物B:次の2種類の単量体の80:20混合物(質量比)、エポキシ樹脂 [3,4−エポキシ シクロへキシルメチル−3,4−エポキシシクロへキサンカルボキシレート(UVR-6110、 ダウ・ケミカル社製)] とオキセタン樹脂 [ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテ ル(OXT-221、東亜合成社製)]
・IRG184:光重合開始剤、1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(イルガキュ ア184/チバ・ジャパン製)、吸収波長:300nm
・IRG907:光重合開始剤、2−メチル−1[ 4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリ ノプロパン−1−オン(イルガキュア907/チバ・ジャパン製)、吸収波長:360nm
・IRG369:光重合開始剤、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニ ル)−ブタン−1−オン(イルガキュア369/チバ・ジャパン製)、吸収波長:390nm
・IRG819:光重合開始剤、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィ ンオキサイド(イルガキュア819/チバ・ジャパン製)、吸収波長:420nm
・UVI6990:光カチオン重合開始剤、トリフェニルスルホニウムフルオロフォスフェート(U VI−6990/ユニオンカーバイド社製)、吸収波長:330nm
・DETX:光増感剤、2,4−ジエチルチオキサントン(カヤキュアーDETX−S 日本化薬製 )
・DBA:光増感剤、9,10−ジブトキシアントラセン(UVS−1550 川崎化成工業株式会 社製)
・TIN234:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN234、チバ・ジャパン製)
光重合開始剤は、IRG184<UVI6990<IRG907<IRG369<IRG819の順番に吸収端が長波である。
上記表に記載の組成で調整した組成物を用いて以下の工程で塗膜を形成しインプリントを行った。
製造例1
インプリント用硬化性組成物CS02とCS04を2層からなるダイコーターを用いてCS02が石英ガラス基板側になるように同時にガラス基板上に塗布し(同時重層塗布)、塗布基膜を作成した。この際、それぞれの膜厚が6μmになるように突出量を調節した。塗布基膜を、メタルハライドランプを光源とするナノインプリント装置にセットし、真空度10Torrに減圧した。次いでモールド加圧力0.8kNで、10μmのライン/スペースパターンを有し、溝深さが3.0μmの石英ガラスを材質とするフッ素系の表面処理済みのモールドを押し付けた。石英ガラス基板側から250mJ/cm2の条件で露光し基膜を硬化させ、硬化後、モールドを剥離し、微細パターン試料No.101を得た。
試料No.101の作成工程において、用いるインプリント用硬化性組成物の組成および積層の構成を下記表に記載のとおり変更した以外は試料No.101と同様にして、試料No.102〜118を作成した。これらの試料を用いて、以下の評価を行った。
<モールド離型性>
上記微細パターンの製造において、塗布基膜にモールドを密着させ露光した後モールドを剥離する際に、硬化した組成物とモールドの剥離挙動を観察し、以下のように評価した。
A:硬化した組成物とモールドが、抵抗なく剥離した。
B:硬化した組成物とモールドを剥離する際、抵抗があり、剥離音が聞こえた。
C:硬化した組成物とモールドを剥離する際、抵抗があり、超音波をかけると剥離できた。
D:硬化した組成物の一部がモールド側に付着する、あるいは、塗布基板からはがれてしまう。
E:硬化した組成物が半分以上モールド側に付着し、正常な剥離ができない。
<モールド汚れ>
上記微細パターンの製造において、全てのパターン形成工程を繰り返し行い、モールド表面を目視、および光学顕微鏡で観察し、モールド汚れを以下のように評価した。
A:20回繰り返し後にも、モールド表面に汚れは観察されない。
B:10回繰り返し後に、モールド表面に、オイル状もしくは硬化物破片が観察された。
C:5回繰り返し後に、モールド表面に、オイル状もしくは硬化物破片が観察された。
D:1回パターン形成後、硬化した組成物が部分的にモールドに付着した。
E:1回パターン形成後、硬化した組成物がモールドに付着してしまい、モールドのほぼ全面が汚れた。
<基板密着>
上記微細パターンの製造において、塗布基膜にモールドを密着させ露光硬化後モールドから剥離した試料を用い、パターン表面に18mm幅の積水化学製の粘着テープ(品番252)を貼り付け、5回指で擦ったあと粘着テープを剥離し、硬化膜の様子を観察し、以下のように評価した。
A:硬化した組成物は全く剥がれなかった。
B:硬化した組成物の極一部(5%未満)が剥がれた。
C:硬化した組成物の一部(半分未満)が剥がれた。
D:硬化した組成物の半分以上が剥がれた。
E:硬化した組成物が全てテープに付着し、基板から剥がれた。
Figure 2011235571
上記表の結果より、本発明に従い、光重合開始剤の波長調節および/または光増感剤の添加を行った少なくとも2種以上の硬化性組成物を積層した膜を光インプリントすることで、モールド汚れが少なく、モールド離型性と基板密着性に優れる微細パターンの製造方法が提供できることが分かった。
特に、3層以上の硬化性組成物を積層し、光重合開始剤の波長をモールドに近いほど長波にしたり、それに加えてモールド側の光重合開始剤の含有率を増やすことでモールド離型性やモールド汚れが改善できることが分かった(試料101と107〜110の比較)。また、基板側の光重合開始剤の含有量を減らすことで、基板密着が改良される傾向にあることが分かった(試料101、102、109の比較)。
このようにインプリントするための硬化性組成物のなかで、好ましい光重合開始剤の波長や量、光増感剤の量が、基板側とモールド側で異なることから、少なくとも2層以上の硬化性組成物を積層し硬化性組成物層を積層する本発明の製造方法は、モールド汚れが少なく、モールド離型性と基板密着性に優れる微細パターンを容易に製造することができる。
[実施例2]
インプリント用塗布組成物CS16とCS19を2層からなるダイコーターを用いてCS16がガラス基板側になるように同時に石英ガラス基板上に塗布し(同時重層塗布)、塗布基膜を作成した。この際、それぞれの膜厚が6μmになるように突出量を調節した。塗布基膜を、メタルハライドランプを光源とするナノインプリント装置にセットし、真空度10Torrに減圧した。次いでモールド加圧力0.8kNで、10μmのライン/スペースパターンを有し、溝深さが3.0μmの石英ガラスを材質とするフッ素系の表面処理済みのモールドを押し付けた。基板側から1000mJ/cm2の条件で露光し基膜を硬化させ、硬化後、モールドを剥離し、微細パターン試料No.201を得た。
試料No.201の作成工程において、用いるインプリント用塗布組成物の組成および構成を下記表に記載のとおり変更した以外は試料No.201と同様にして、試料No.202〜209を作成した。これらの試料を用いて、実施例1に準じた評価を行った。
評価結果を以下に示す。
Figure 2011235571
上記表の結果より、本発明に従い、光重合開始剤の波長および/または光増感剤の添加有無を調節し、硬化性組成物の積層体内でこれら成分を偏在させた膜を光インプリントすることで、モールド汚れが少なく、モールド離型性と基板密着性に優れる微細パターンの製造方法が提供できることが分かった。
実施例2では、硬化性組成物が紫外線吸収剤を含むため、紫外線吸収剤に吸収されてしまう光を補うために、実施例1よりも照射光量を上げている。モールド離型性を満足するようなレベルにまで光照射量を増やすと、従来の単層構成の積層体では基板密着が悪化してしまう(試料207〜209)傾向にあるが、本発明に従いモールド側に長波の光重合開始剤や光増感剤添加した硬化性組成物からなる層を積層することで基板密着の悪化なくモール離型性やモールド剥離を改良することができる。
本発明の製造方法によれば、モールド汚れが少なく、モールド離型性および基板密着性に優れた微細パターンを提供することが可能になる。
また、本発明の製造方法により、モールド汚れが少なく、モールド離型性および基板密着性に優れた微細パターン付き基板が提供できるため、複製されたモールド、光学部材、光源装置、または画像表示装置を高精度および高効率で提供できる。

Claims (15)

  1. 少なくとも、
    (A)基板またはモールドのいずれか一方の表面に、互いに組成が異なり、かつ、(a)光重合開始剤と(b)重合性単量体を含む、少なくとも2種の硬化性組成物からなる層を、同時または逐次に、積層する工程、
    (B)モールドまたは基板であって、前記(A)において硬化性組成物からなる層を設けなかった方を硬化性組成物からなる層に接触させ、基板とモールドの間に前記少なくとも2種の硬化性組成物からなる層をサンドイッチする工程、
    (C)前記2種以上の硬化性組成物からなる層を基板および/またはモールド側から一度に光照射により硬化させる工程、および、
    (D)モールドを硬化後の硬化性組成物からなる層から剥離する工程
    を該順に有する微細パターン製造方法において、
    モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性が、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物の重合開始活性よりも高いことを特徴とする微細パターン製造方法。
  2. 前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤の吸収波長が、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤の吸収波長より長波であることを特徴とする、請求項1に記載の微細パターン製造方法。
  3. 前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物が、光増感剤を含み、かつ、該光増感剤の含有率が、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物における光増感剤の含有率よりも大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載の微細パターンの製造方法。
  4. 前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物が光増感剤を含み、かつ、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物が光増感剤を含有しないことを特徴とする、請求項1または2に記載の微細パターンの製造方法。
  5. 前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤の含有量が、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤の含有量よりも多いことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
  6. 前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性が、基板に隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性よりも高いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
  7. 前記硬化性組成物からなる層が3層以上あり、かつ、前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性が最も高く、基板に隣接する層を構成する硬化性組成物の重合開始活性が最も低いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
  8. 前記(C)工程において、モールドに隣接する層に与えられる光照射エネルギーが、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物に与えられる光照射エネルギーよりも小さいことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
  9. 前記(C)工程において、基板側から光照射を行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の微細パターンの製造方法。
  10. 前記硬化性組成物の少なくとも1種が、紫外線吸収剤を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
  11. 前記モールドに隣接する層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤が、近紫外領域に吸収を持ち、該層よりも基板に近い側の層を構成する硬化性組成物に含まれる光重合開始剤が、紫外領域に吸収を持つことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の微細パターン製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法で形成された微細パターン付き基板。
  13. 請求項12に記載の微細パターン付き基板を有する光学部材。
  14. 請求項12に記載の微細パターン付き基板、または、請求項13に記載の光学部材を有する光源装置。
  15. 請求項12に記載の微細パターン付き基板、請求項13に記載の光学部材、または、請求項14に記載の光源装置を有する画像表示装置。
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