JP2000275404A - 防眩性を有する反射防止膜およびその製造方法 - Google Patents

防眩性を有する反射防止膜およびその製造方法

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JP2000275404A
JP2000275404A JP11080005A JP8000599A JP2000275404A JP 2000275404 A JP2000275404 A JP 2000275404A JP 11080005 A JP11080005 A JP 11080005A JP 8000599 A JP8000599 A JP 8000599A JP 2000275404 A JP2000275404 A JP 2000275404A
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antireflection film
refractive index
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JP11080005A
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Kazuhiro Nakamura
和浩 中村
Ichiro Amimori
一郎 網盛
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量生産に適し、視感上のざらつきの少ない
防眩性を有する反射防止膜および、該防眩性反射防止膜
を有する画像表示装置を提供すること。 【解決手段】 透明支持体上に、該支持体よりも屈折率
の低いを層を少なくとも一層有し、かつ表面に凹凸を有
する防眩性反射防止膜において、該反射防止膜を構成す
る少なくとも1層中に400nmから700nmまでの
波長の光を散乱する微粒子を含有することを特徴とする
防眩性反射防止膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防眩性を有する反
射防止膜およびそれを用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】反射防止膜は、液晶表示装置(LC
D)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレク
トロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表
示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に設けら
れている。眼鏡やカメラのレンズにも反射防止膜が設け
られている。反射防止膜としては、金属酸化物の透明薄
膜を積層させた多層膜が従来から普通に用いられてい
る。複数の透明薄膜を用いるのは、様々な波長の光の反
射を防止するためである。金属酸化物の透明薄膜は、化
学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理
蒸着法の一種である真空蒸着法により形成されている。
金属酸化物の透明薄膜は、反射防止膜として優れた光学
的性質を有しているが、蒸着による形成方法は、生産性
が低く大量生産に適していない。PVD法による反射防
止膜は、用途に応じて表面凹凸による防眩性を有する支
持体上に形成される場合がある。平滑な支持体上に形成
されたものより平行光線透過率は減少するが、背景の映
り込みが表面凹凸によって散乱されて低下するため防眩
性を発現し、反射防止効果とあいまって、主に室内で用
いられる画像形成装置に適用するとその表示品位は著し
く改善される。
【0003】蒸着法に代えて、無機微粒子の塗布により
反射防止膜を形成する方法が提案されている。特公昭6
0−59250号公報は、微細空孔と微粒子状無機物と
を有する反射防止層を開示している。反射防止層は、塗
布により形成される。微細空孔は、層の塗布後に活性化
ガス処理を行ない、ガスが層から離脱することによって
形成される。特開昭59−50401号公報は、支持
体、高屈折率層および低屈折率層の順に積層した反射防
止膜を開示している。同公報は、支持体と高屈折率層の
間に中屈折率層を設けた反射防止膜も開示している。低
屈折率層は、ポリマーまたは無機微粒子の塗布により形
成されている。
【0004】特開平2−245702号公報は、二種類
以上の超微粒子(例えば、MgF2とSiO2 )を混在
させて、膜厚方向にその混合比を変化させた反射防止膜
を開示している。混合比を変化させることにより屈折率
を変化させ、上記特開昭59−50401号公報に記載
されている高屈折率層と低屈折率層を設けた反射防止膜
と同様の光学的性質を得ている。超微粒子は、エチルシ
リケートの熱分解で生じたSiO2 により接着してい
る。エチルシリケートの熱分解では、エチル部分の燃焼
によって、二酸化炭素と水蒸気も発生する。特開平2−
245702号公報の第1図に示されているように、二
酸化炭素と水蒸気が層から離脱することにより、超微粒
子の間に間隙が生じている。特開平5−13021号公
報は、上記特開平2−245702号公報記載の反射防
止膜に存在する超微粒子間隙をバインダーで充填するこ
とを開示している。特開平7−48527号公報は、多
孔質シリカよりなる無機微粉末とバインダーとを含有す
る反射防止膜を開示している。
【0005】上述したような塗布による反射防止膜に防
眩性を付与する手段として、表面凹凸を有する支持体上
に反射防止層を塗布する方法や、表面凹凸を形成するた
めのマット粒子を反射防止層を形成する塗布液に添加す
る方法等が検討されてきた。しかし、前者の方法では、
反射防止層の塗布液が凸の部分から凹の部分へ流動する
ことにより面内での膜厚ムラが生じ、平滑面への塗布膜
と比較して著しく反射防止性能が悪化してしまう問題が
ある。また、後者の方法では、十分な防眩性を発現する
ために必要な1ミクロン以上の粒径を有するマット粒子
を0.1から0.3ミクロン程度の膜厚の薄膜中に埋め
込むことになるため、マット粒子の粉落ちの問題が生じ
る。以上の理由により、防眩性と反射防止性と膜強度を
同時に満足する塗布型反射防止膜は存在しなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明において、背景
の映り込みをさらに有効に低減するための防眩性の付与
法について検討した。前述のような従来法を含め鋭意検
討した結果、塗布型で防眩性、低反射率と膜強度を同時
に満足するには反射防止膜を形成した後に防眩性を付与
する方法が最も適当であることが分かった。中でも最も
好ましい方法として、塗布により反射防止膜を形成した
後に、外部からの圧力により該透明支持体の少なくとも
片面に表面凹凸を形成する工程をこの順序に実施するこ
とにより、防眩性を有する反射防止膜を製造する方法を
見出すに至った。しかしながら、反射防止膜を画像表示
装置の表示面に設けるためには、耐スクラッチ性等の改
善が必要であるので、反射防止層と支持体の間にハード
コート層を設けることが必須である。そのため、外部か
らの圧力に対するフィルム表面の変形量は通常のフィル
ムと比較して遥かに小さく、通常の条件下でエンボス加
工によって形成される反射防止膜表面の凹凸は、相手の
エンボスロールの表面凹凸よりも著しく深さが浅く、ま
た、エンボスロール上の小さな凹凸は反射防止膜表面に
は転写されないため、平坦な領域がある頻度で生じてし
まう。その結果、得られる防眩性反射防止膜の視感上の
質感は、マットフィルム上にPVDにより反射防止膜を
形成した防眩性反射防止膜と比較してざらついた印象を
与えるものとなってしまう。本発明の目的は、大量生産
に適し、視感上のざらつきの少ない防眩性を有する反射
防止膜および、該防眩性反射防止膜を有する画像表示装
置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記の
防眩性反射防止膜により達成された。 (1)透明支持体上に、該支持体よりも屈折率の低いを
層を少なくとも一層有し、かつ表面に凹凸を有する防眩
性反射防止膜において、該反射防止膜を構成する少なく
とも1層中に400nmから700nmまでの波長の光
を散乱する微粒子を含有することを特徴とする防眩性反
射防止膜。 (2)該防眩性反射防止膜が、少なくとも低屈折率層と
高屈折率層、ハードコート層を有することを特徴とする
項1に記載の防眩性反射防止膜。 (3)該防眩性反射防止膜が、ハードコート層と透明支
持体の間に変形層を有することを特徴とする項2に記載
の防眩性反射防止膜。 (4)該400nmから700nmまでの波長の光を散
乱する微粒子を含有する層が低屈折率層であることを特
徴とする項1〜3のいずれかに記載の防眩性反射防止
膜。 (5)該400nmから700nmまでの波長の光を散
乱する微粒子の平均の粒径が0.1ミクロン以上、1ミ
クロン以下の範囲内であることを特徴とする項1〜4の
いずれかに記載の防眩性反射防止膜。 (6)該400nmから700nmまでの波長の光を散
乱する微粒子の平均の粒径が0.15ミクロン以上、
0.4ミクロン以下の範囲内であることを特徴とする項
1〜4のいずれかに記載の防眩性反射防止膜。 (7)該400nmから700nmまでの波長の光を散
乱する微粒子が100ミクロン×100ミクロンの面内
に100個以上、5000個以下の頻度で存在すること
を特徴とする項5または6に記載の防眩性反射防止膜。 (8)該表面凹凸の周期が1ミクロン〜10ミクロンの
範囲である項1〜7に記載の防眩性反射防止膜。 (9)透明支持体上に項1〜8に記載の反射防止膜を構
成する各層を形成する工程の後に、外部からの圧力によ
り表面凹凸を付与する工程を設けることを特徴とする防
眩性反射防止膜の製造方法。 (10)項9に記載の防眩性を有する反射防止膜におい
て、該表面凹凸を付与する工程がエンボス工程であるこ
とを特徴とする防眩性反射防止膜。
【0008】
【発明の効果】本発明の防眩性を有する反射防止膜は、
塗布、加工により簡単に製造することができ、大量生産
に適している。さらに、防眩性付与のために形成された
表面凹凸は、視感上のざらつき感が低減されており、質
感の高い防眩性反射防止膜が得られる。以上のような反
射防止膜を用いることで、画像表示装置の画像表示面に
おける外光の反射を有効に防止することができると同時
に、背景の映り込みを有効に減少することができ、表示
装置の品位を著しく改善できるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の防眩性を有する反射防止
膜の基本的な構成を図面を引用しながら説明する。 〔防眩性の付与〕図1に、塗布型反射防止膜への防眩性
の付与法の一例を示す。図中、反射防止フィルム(1)
の反射防止層(3)側の表面をエンボスロール(4)と
バックアップロール(5)によりプレスして少なくとも
一方の表面に凹凸を形成することによって、反射防止性
を損なうことなく防眩性を発現する。防眩性の程度は、
エンボス加工における膜面温度、プレス圧力、処理速度
等の工程条件および反射防止膜を有する透明支持体の力
学物性によって制御することができるが、より温和な条
件での実施が、フィルムの平面性、工程の安定性、コス
ト等の観点から好ましい。また、ハードコート層を有す
る反射防止膜には前述の理由で小周期の凹凸が付与しに
くく、結果として視感上、ざらついた印象を与えてしま
う。エンボス加工による防眩性反射防止膜の視感上の品
位は、ざらつき感がない、あるいは気にならない程度で
あることが好ましい。ざらつき感はエンボスロールの凹
凸の頻度、深さ、面方向の大きさおよびそれらの分布状
態によってある程度制御する事ができるが、特にエンボ
ス加工する前にあらかじめザラツキ感を減少させるのに
有効な1ミクロン前後の粒径の微粒子を反射防止膜中の
少なくとも1層に含有させることで、著しく改善できる
ことがわかった。そこで、目標とする視感上の品位を得
るために添加する微粒子の粒径、添加量、添加層につい
て検討し、下記のようにして解決した。
【0010】ザラツキ感を改善するためには、防眩フィ
ルムにおいて周期が小さく(1〜10ミクロン程度の)
きめ細かな凹凸が全凹凸中に占める割合が大きいほど良
いことは先述した。また、防眩性を付与するためには防
眩フィルムの大周期の凹凸(10〜100ミクロン程
度)が強いほど、つまり表面粗さが粗い程良いことも知
られている。一方、エンボス加工で形成される凹凸は1
0〜100ミクロン程度の大周期の凹凸が大部分である
ことがわかったので、1〜10ミクロン程度のきめ細か
な凹凸が選択的に付与できるような微粒子の添加法とし
て、粒径が0.1ミクロンから1ミクロンの範囲内の微
粒子を反射防止膜中の少なくとも1層中に100ミクロ
ン×100ミクロンの面内に100個から5000個の
範囲内で添加した反射防止膜にエンボス加工する方法に
至った。要求される凹凸周期が1〜10ミクロン程度で
あるのに対して添加する微粒子の粒径が一桁小さく0.
1ミクロン〜1ミクロンとなるのは、微粒子が反射防止
膜を形成するために用いられる塗布液中に添加され、塗
布されるために、微粒子の周りに皮膜が被覆され、裾を
ひくために面内の凹凸周期が微粒子の粒径の数倍になる
ためである。
【0011】微粒子の添加量としては、100ミクロン
×100ミクロンの面内に100個以下ではザラツキ感
の改善効果がなく、5000個以上では、反射防止膜の
膜厚ムラが大きくなり、反射防止能の低下が許容範囲を
超えるため、好ましくない。微粒子を添加する層は、塗
布膜の膜厚ムラの観点から、最上層に近いほど好まし
く、多層反射防止膜の場合は、最表面に最も近い低屈折
率層が好ましい。微粒子の素材は、無機化合物、有機高
分子の微粒子等を用いることができ、特に金属酸化物の
微粒子が好ましく用いられる。具体的には、SiO2
TiO2等の真球または不定形微粒子が市販品として入
手できる。
【0012】〔反射防止膜の形成〕低屈折率層は無機微
粒子と有機ポリマーからなる多孔質層や含フッ素ポリマ
ーからなる層が好ましく用いられる。無機微粒子と有機
ポリマーからなる多孔質層を用いる場合は、無機微粒子
の表面を修飾し、有機ポリマーとの密着性を改善するこ
と、有機ポリマーに熱または電離放射線により架橋可能
なモノマー、ポリマーまたはそれらの混合物を用いるこ
とで、膜強度に優れた低屈折率層を得ることができる。
含フッ素ポリマーを用いる場合は、低屈折率という観点
からフッ素含有率が高いもの、あるいは自由体積が大き
いものが好ましく、密着性の観点から架橋性を有するも
のが好ましい。架橋の様式は、熱硬化型、電離放射線硬
化型のものが市販品として入手できる。
【0013】図2は、本発明の防眩性反射防止膜の様々
な層構成を示す断面模式図である。図2の(a)に示す
態様は、透明支持体(14)、ハードコート層(1
3)、そして低屈折率層(12)の順序の層構成を有す
る。低屈折率層(12)中に含まれるザラツキ改善用微
粒子(11)は、低屈折率層を形成する素材により一部
または全体が覆われることにより、低屈折率層中に強固
に保持される。このザラツキ改善用微粒子によって形成
される表面凹凸は、全層形成後に外部圧力により付与さ
れる凹凸よりも小周期であり、外部圧力により形成され
る凹凸の間に存在する平坦な領域に小周期の凹凸を形成
することによってザラツキ感を低減する。図2の(b)
に示す態様は、透明支持体(14)、ハードコート層
(13)、高屈折率層(15)、そして低屈折率層(1
2)の順序の層構成を有する。(b)のように、高屈折
率層(15)と低屈折率層(12)とを有する反射防止
膜では、特開昭59−50401号公報に記載されてい
るように、高屈折率層が下記式(I)、低屈折率層が下
記式(II)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0014】
【数1】
【0015】式中、mは正の整数(一般に1、2または
3)であり、n1 は高屈折率層の屈折率であり、そし
て、d1 は高屈折率層の層厚(nm)である。
【0016】
【数2】
【0017】式中、nは正の奇数(一般に1)であり、
2 は低屈折率層の屈折率であり、そして、d2 は低屈
折率層の層厚(nm)である。図2の(c)に示す態様
は、透明支持体(14)、ハードコート層(13)、中
屈折率層(16)、高屈折率層(15)、そして低屈折
率層(12)の順序の層構成を有する。(c)のよう
に、中屈折率層(16)、高屈折率層(15)と低屈折
率層(12)とを有する反射防止膜では、特開昭59−
50401号公報に記載されているように、中屈折率層
が下記式(III)、高屈折率層が下記式(IV)、低屈折率
層が下記式(V)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0018】
【数3】
【0019】式中、hは正の整数(一般に1、2または
3)であり、n3 は中屈折率層の屈折率であり、そし
て、d3 は中屈折率層の層厚(nm)である。
【0020】
【数4】
【0021】式中、jは正の整数(一般に1、2または
3)であり、n4 は高屈折率層の屈折率であり、そし
て、d4 は高屈折率層の層厚(nm)である。
【0022】
【数5】
【0023】式中、kは正の奇数(一般に1)であり、
5 は低屈折率層の屈折率であり、そして、d5 は低屈
折率層の層厚(nm)である。
【0024】透明支持体としては、プラスチックフィル
ムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムの材
料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセ
ルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロ
ース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセル
ロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−
1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシ
レート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン
(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフ
ィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチル
ペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタク
リレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリア
セチルセルロース、ポリカーボネート及びポリエチレン
テレフタレートが好ましい。透明支持体の光透過率は、
80%以上であることが好ましく、86%以上であるこ
とがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%
以下であることが好ましく、1.0%以下であることが
さらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4乃至
1.7であることが好ましい。
【0025】図2の(b)に示すように、低屈折率層と
透明支持体との間に高屈折率層を設けてもよい。また、
図2の(c)に示すように、高屈折率層と透明支持体と
の間に中屈折率層を設けてもよい。高屈折率層の屈折率
は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.
70乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折
率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈
折率との間の値となるように調整する、中屈折率層の屈
折率は、1.55乃至1.80であることが好ましい。
【0026】中屈折率層および高屈折率層は、比較的屈
折率が高いポリマーを用いて形成することが好ましい。
屈折率が高いポリマーの例には、ポリスチレン、スチレ
ン共重合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または芳香
族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られるポ
リウレタンが含まれる。その他の環状(芳香族、複素環
式、脂環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロ
ゲン原子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高
い。二重結合を導入してラジカル硬化を可能にしたモノ
マーの重合反応によりポリマーを形成してもよい。屈折
率の高い無機微粒子を前述の低屈折率層中に添加するモ
ノマーと開始剤、または上記ポリマー中に分散するのが
より好ましい。無機微粒子としては、金属(例、アルミ
ニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン)の酸
化物が好ましい。モノマーと開始剤を用いる場合は、塗
布後に電離放射線または熱による重合反応によりモノマ
ーを硬化させることで、耐傷性や密着性に優れる中屈折
率層や高屈折率層が形成できる。
【0027】有機置換されたケイ素化合物を、高屈折率
層または中屈折率層に添加してもよい。ケイ素化合物と
しては、低屈折率層の無機微粒子の表面処理に使用する
シランカップリング剤またはその加水分解物が好ましく
用いられる。無機微粒子としては、金属(例、アルミニ
ウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン)の酸化
物が好ましい。無機微粒子の粉末またはコロイド状分散
物を上記のポリマーまたは有機ケイ素化合物中と混合し
て、使用する。無機微粒子の平均粒径は、10乃至10
0nmであることが好ましい。被膜形成能を有する有機
金属化合物から、高屈折率層または中屈折率層を形成し
てもよい。有機金属化合物は、適当な媒体に分散できる
か、あるいは液状であることが好ましい。
【0028】アルキルシリケート類、その加水分解物お
よび微粒子状シリカ、特にコロイド状に分散したシリカ
ゲルを高屈折率層または中屈折率層に添加してもよい。
高屈折率層および中屈折率層のヘイズは、3%以下であ
ることが好ましい。
【0029】反射防止膜には、さらに、ハードコート
層、変形層、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護層を
設けてもよい。ハードコート層は、透明支持体に耐傷性
を付与するために設ける。ハードコート層は、透明支持
体とその上の層との接着を強化する機能も有する。ハー
ドコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマ
ー、エポキシ系ポリマーやシリカ系化合物を用いて形成
することができる。顔料をハードコート層に添加しても
よい。ハードコートに用いる素材としては、飽和炭化水
素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーが好
ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであ
ることがさらに好ましく、架橋構造を有していることが
好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマー
は、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得るこ
とが好ましい。架橋しているポリマーを得るためには、
二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いる
ことが好ましい。
【0030】二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸と
のエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シク
ロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリア
クリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニル
ベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベン
ゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエ
ステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニル
スルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド
(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリル
アミドが含まれる。
【0031】二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応によ
り、架橋構造を導入してもよい。架橋性官能基の例に
は、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オ
キサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジ
ンアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチ
ロール、エステルおよびウレタンも、架橋構造を導入す
るためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシア
ナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す
官能基を用いてもよい。また、本発明において架橋基と
は、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応
性を示すものであってもよい。ハードコート層は、溶剤
中にモノマーおよび重合開始剤を溶解し、塗布後に重合
反応(必要ならばさらに架橋反応)により形成すること
が好ましい。重合開始剤については、ベンゾフェノン系
等の水素引き抜き型、アセトフェノン系、トリアジン系
等のラジカル開列型を単独あるいは併用してモノマーと
共に塗布液に添加するのが好ましい。ハードコート層の
塗布液に、少量のポリマー(例:ポリメチルメタクリレ
ート、ポリメチルアクリレート、ジアセチルセルロー
ス、トリアセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ
エステル、アルキド樹脂)を添加してもよい。
【0032】低屈折率層の上に、保護層を設けてもよ
い。保護層は、滑り層または汚れ防止層として機能す
る。滑り層に用いる滑り剤の例には、ポリオルガノシロ
キサン(例、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシ
ロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェ
ニルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサ
ン)、天然ワックス(例、カルナウバワックス、キャン
デリラワックス、ホホバ油、ライスワックス、木ろう、
蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス)、石油
ワックス(例、パラフィンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス)、合成ワックス(例、ポリエチレンワッ
クス、フィッシャー・トロプシュワックス)、高級脂肪
脂肪酸アミド(例、ステアラミド、オレインアミド、
N,N’−メチレンビスステアラミド)、高級脂肪酸エ
ステル(例、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチ
ル、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノオレ
エート)、高級脂肪酸金属塩(例、ステアリン酸亜鉛)
およびフッ素含有ポリマー(例、パーフルオロ主鎖型パ
ーフルオロポリエーテル、パーフルオロ側鎖型パーフル
オロポリエーテル、アルコール変性パーフルオロポリエ
ーテル、イソシアネート変性パーフルオロポリエーテ
ル)が含まれる。汚れ防止層には、含フッ素疎水性化合
物(例、含フッ素ポリマー、含フッ素界面活性剤、含フ
ッ素オイル)を添加する。保護層の厚さは、反射防止機
能に影響しないようにするため、20nm以下であるこ
とが好ましい。
【0033】更に本発明においては、透明支持体とハー
ドコート層の間に変形層を設けても良い。ハードコート
層はほとんど塑性変形を起こさないため、凹凸形成は透
明支持体の塑性変形によりなされるが、透明支持体より
も変形しやすい(メタ)アクリル酸エステルからなるポ
リマー層を透明支持体とハードコート層の間に設けるこ
とにより、外部からの圧力による塑性変形をより大きく
し、結果として表面凹凸を形成しやすくなる。この変形
は圧力だけでなく熱を併用することができる。(メタ)
アクリル酸エステルのガラス転移点温度よりも高い温度
で行うことにより、さらに塑性変形を促進することがで
きる。また、この(メタ)アクリル酸エステルのエステ
ル部の構造を変えることにより、ポリマーのガラス転移
点温度を任意に設定することができるが、ガラス転移点
温度は常温と透明支持体のガラス転移点温度として一般
的な140乃至200℃の間にあることが好ましく、具
体的には80乃至110℃が好ましい。これは、常温に
おいてはガラス転移点より小さいために反射防止膜のハ
ードコート性を損なうことがなく、凹凸形成時には透明
支持体の光学、力学物性を変化させることなく、変形層
の塑性変形のみを促進することができるからである。
【0034】(メタ)アクリル酸エステルの具体例とし
ては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート等のホモポリマーまたは
コポリマーが挙げることができる。また、塗布性や透明
支持体との密着性、ガラス転移点温度調整のために界面
活性剤のような低分子化合物や他のポリマーを併用して
もよい。このポリマーの例としてはゼラチン、ポリビニ
ルアルコール、ポリアルギン酸(塩)のような水溶性ポ
リマーの他、セルロースエステル(例、トリアセチルセ
ルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロ
ース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセル
ロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリスチレンお
よびポリエーテルケトンおよびこれらの共重合体が挙げ
られる。こうして形成された変形層のガラス転移点温度
は60乃至130℃が好ましく、80乃至110℃がよ
り好ましい。
【0035】反射防止膜およびその他の各層は、ディッ
プコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート
法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビ
アコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2
681294号明細書)により、塗布により形成するこ
とができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時
塗布の方法については、米国特許2761791号、同
2941898号、同3508947号、同35265
28号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工
学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
【0036】反射防止膜は、液晶表示装置(LCD)、
プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロル
ミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置
(CRT)のような画像表示装置に適用する。反射防止
膜が透明支持体を有する場合は、透明支持体側を画像表
示装置の画像表示面に接着する。
【0037】
【実施例】実施例1 (ハードコート層の形成)ジペンタエリスリトールペン
タアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)250
gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。得
られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チ
バガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュア
ーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメ
チルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を撹
拌した後、1μmメッシュのフィルターで濾過してハー
ドコート層の塗布液を調製した。80μmの厚さのトリ
アセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富
士写真フイルム(株)製)に、ゼラチン下塗り層を設
け、ゼラチン下塗り層の上に、上記のハードコート層の
塗布液を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で乾
燥した。次に紫外線を照射して、塗布層を硬化させ、厚
さ6μmのハードコート層を形成した。
【0038】(低屈折率層塗布液の調製)シリカ微粒子
のメタノール分散液(メタノールシリカゾル、日産化学
(株)製)200gにシランカップリング剤(KBM−
503、信越シリコーン(株)製)10gおよび0.1
N塩酸2gを加え、室温で5時間撹拌した後、4日間室
温で放置して、シランカップリング処理したシリカ微粒
子の分散物を調製した。ザラツキ改善用微粒子として、
シーホスターKE−P30(粒径300nm、真球シリ
カ微粒子、日本触媒(株)製)4gをイソプロピルアル
コール35.5gに添加し、シランカップリング剤(K
BM−503、信越シリコーン(株)製)0.5gを添
加した後に超音波分散機にて10分間分散した液を調整
し、室温にて24時間攪拌した。前記処理を施したシリ
カ微粒子のメタノール分散物149gに、イソプロピル
アルコール789g、上記ザラツキ改善用微粒子分散液
2.69gおよびメタノール450gを加えた。光重合
開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)3.
21gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化
薬(株)製)1.605gを31.62gのイソプロピ
ルアルコールに溶解した溶液を加え、さらに、ジペンタ
エリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化
薬(株)製)9.16gを78.13gのイソプロピル
アルコールに溶解した溶液を加えた。混合物を20分間
室温で撹拌し、1μmのメッシュのフィルターで濾過し
て、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0039】(反射防止膜の作成)ハードコート層の上
に、低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布
し、120℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を
硬化させ、低屈折率層(厚さ:0.1μm)を形成し
た。このようにして、反射防止膜を作成した。
【0040】(防眩性の付与)得られた反射防止膜に、
片面エンボシングカレンダー機(由利ロール(株)製)
を用いて、プレス圧力1000Kg/cm、プレヒート
ロール温度100℃、エンボスロール温度140℃、処
理速度2m/分の条件下で、スチール製エンボスロール
とポリアミド素材で表面を覆ったバックアップロールを
セットし、前記の制作方法で作られたエンボスロールを
用いてエンボス処理を行った。得られた防眩性反射防止
膜について、450〜650nmの波長における平均反
射率、ヘイズ値および表面の鉛筆硬度を測定した結果、
平均反射率1.0%、ヘイズ1.5%、鉛筆硬度Hであ
り、視感上のざらつき感のない質感の高いものであっ
た。
【0041】実施例2 (二酸化チタン分散物の調製)二酸化チタン(一次粒子
重量平均粒径:50nm、屈折率:2.70)30重量
部、下記のアニオン性モノマー(1)3重量部、下記の
アニオン性モノマー(2)3重量部、下記のカチオン性
モノマー1重量部およびメチルエチルケトン63重量部
を、サンドグラインダーにより分散し、二酸化チタン分
散物を調製した。
【0042】
【化1】
【0043】
【化2】
【0044】
【化3】
【0045】(中屈折率層用塗布液の調製)シクロヘキ
サノン172gおよびメチルエチルケトン43gに、光
重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)
0.18gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日
本化薬(株)製)0.059gを溶解した。さらに、二
酸化チタン分散物15.8gおよびジペンタエリスリト
ールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)
製)3.1gを加え、室温で30分間撹拌した後、1μ
mのメッシュのフィルターで濾過して、中屈折率層用塗
布液を調製した。
【0046】(高屈折率層用塗布液の調製)シクロヘキ
サノン183gおよびメチルエチルケトン46gに、光
重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)
0.085gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、
日本化薬(株)製)0.028gを溶解した。さらに、
二酸化チタン分散物17.9gおよびジペンタエリスリ
トールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)
製)1.0gを加え、室温で30分間撹拌した後、1μ
mのメッシュのフィルターで濾過して、高屈折率層用塗
布液を調製した。
【0047】(防眩性反射防止膜の作成)実施例1で形
成したハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液をバ
ーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫
外線を照射して塗布層を硬化させ、中屈折率層(厚さ:
0.081μm)を設けた。中屈折率層の上に、高屈折
率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃
で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、高
屈折率層(厚さ:0.053μm)を設けた。高屈折率
層の上に、実施例1で用いた低屈折率層用塗布液をバー
コーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、紫外
線を照射して塗布層を硬化させ、実施例1と同様にして
低屈折率層(厚さ:0.092μm)を設けた。このよ
うにして反射防止膜を作成した。上記反射防止膜に、バ
ックアップロールをシリコンゴム素材で表面を覆ったバ
ックアップロールを用いた以外は実施例1と同様のエン
ボス処理により防眩性を付与した。得られた反射防止膜
について、450〜650nmの波長における平均反射
率、ヘイズ値および表面の鉛筆硬度を測定した。さら
に、指紋付着性を評価するため表面の接触角も測定し
た。結果、平均反射率0.24%、ヘイズ値2.0%、
鉛筆硬度2Hであり、背景の映り込みは大幅に低減さ
れ、視感上のざらつき感のない質感の高いものであっ
た。
【0048】実施例3 低屈折率層用の塗布液に熱架橋性含フッ素ポリマー(オ
プスターJN−7214、JSR(株)製)100gをメ
チルイソブチルケトン18g液で希釈して得た塗布液を
用い、ザラツキ改善用微粒子の分散媒にメチルイソブチ
ルケトンを用いた以外は実施例1と同様にして防眩性反
射防止膜を作成した。得られた防眩性反射防止膜につい
て、450〜650nmの波長における平均反射率、ヘ
イズ値および表面の鉛筆硬度を測定した結果、平均反射
率1.0%、ヘイズ1.5%、鉛筆硬度Hであり、視感
上のざらつき感のない質感の高いものであった。
【0049】実施例4 実施例2で作成した防眩性反射防止膜をパーソナルコン
ピューターPC9821NS/340W(日本電気
(株)製)の液晶表示装置表面に貼付けたところ、外光
の反射が極めて少なく、背景の映り込みも低減された表
示品位の高いディスプレイを得ることができた。
【0050】比較例1 低屈折率塗布液にザラツキ改善用微粒子分散液を添加し
ない以外は実施例1と同様にして、ハードコート層、低
屈折率層を順次塗布し、エンボス処理を行うことによ
り、防眩性反射防止フィルムを作成した。得られた防眩
性反射防止膜について、450〜650nmの波長にお
ける平均反射率、ヘイズ値および表面の鉛筆硬度を測定
した結果、平均反射率1.0%、ヘイズ1.2%、鉛筆
硬度Hであったが、視感上のざらつき感があり、実施例
1と比較して質感の劣るものであった。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】反射防止膜への防眩性の付与法を示す模式図で
ある。
【図2】反射防止膜の様々な層構成を示す断面模式図で
ある。
【符号の説明】
1 反射防止フィルム 2 透明支持体 3 反射防止層 4 エンボスロール 5 バックアップロール 11 ザラツキ改善用微粒子 12 低屈折率層 13 ハードコート層 14 透明支持体 15 高屈折率層 16 中屈折率層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:30 B29L 9:00 Fターム(参考) 2K009 AA06 AA12 AA15 BB28 CC03 CC09 CC23 CC24 CC33 CC34 CC35 DD05 EE05 4F100 AA20 AA21 AJ04 AK25 AR00D AR00E AT00A BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B BA26 CC00C DD06B DE01B EH462 EJ082 EJ403 EJ542 GB41 HB21B JK12C JN01A JN06 JN06B JN18B JN18D JN18E JN30 JN30B YY00B 4F209 AA21 AB16 AD05 AD08 AE10 AF01 AG03 AH73 PA04 PB02 PC05 PG05 PG14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、該支持体よりも屈折率
    の低いを層を少なくとも一層有し、かつ表面に凹凸を有
    する防眩性反射防止膜において、該反射防止膜を構成す
    る少なくとも1層中に400nmから700nmまでの
    波長の光を散乱する微粒子を含有することを特徴とする
    防眩性反射防止膜。
  2. 【請求項2】 該防眩性反射防止膜が、少なくとも低屈
    折率層と高屈折率層、ハードコート層を有することを特
    徴とする請求項1に記載の防眩性反射防止膜。
  3. 【請求項3】 該防眩性反射防止膜が、ハードコート層
    と透明支持体の間に変形層を有することを特徴とする請
    求項2に記載の防眩性反射防止膜。
  4. 【請求項4】 該400nmから700nmまでの波長
    の光を散乱する微粒子を含有する層が低屈折率層である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防眩
    性反射防止膜。
  5. 【請求項5】 該400nmから700nmまでの波長
    の光を散乱する微粒子の平均の粒径が0.1ミクロン以
    上、1ミクロン以下の範囲内であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の防眩性反射防止膜。
  6. 【請求項6】 該400nmから700nmまでの波長
    の光を散乱する微粒子の平均の粒径が0.15ミクロン
    以上、0.4ミクロン以下の範囲内であることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の防眩性反射防止
    膜。
  7. 【請求項7】 該400nmから700nmまでの波長
    の光を散乱する微粒子が100ミクロン×100ミクロ
    ンの面内に100個以上、5000個以下の頻度で存在
    することを特徴とする請求項5または6に記載の防眩性
    反射防止膜。
  8. 【請求項8】 透明支持体上に請求項1〜7に記載の反
    射防止膜を構成する各層を形成する工程の後に、外部か
    らの圧力により表面凹凸を付与する工程を設けることを
    特徴とする防眩性反射防止膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の防眩性を有する反射防
    止膜において、該表面凹凸を付与する工程がエンボス工
    程であることを特徴とする防眩性反射防止膜。
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