JP2005070318A - 防眩性反射防止フィルムおよびその製造方法、偏光板並びに画像表示装置 - Google Patents

防眩性反射防止フィルムおよびその製造方法、偏光板並びに画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 保護フィルムとしての耐久性、耐候性に優れ、しかも色むらの少ない防眩性反射防止フィルムおよび該フィルムを安価に安定して製造する方法を提供する。また、外光の映りこみが十分に防止され、且つ耐久性に優れ、しかも黒の締まりのよい偏光板、及びこれらを利用した画像表示装置を提供する。
【解決手段】 透明支持体上に、少なくとも一つの防眩性ハードコート層、少なくとも一つの低屈折率層をこの順序で有する防眩性反射防止フィルムにおいて、該防眩性ハードコート層が、防眩性を付与する透光性粒子、平均粒径100nm以下のコバルト、アルミニウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有し、かつ二酸化チタンを主成分とする高屈折率無機超微粒子、並びにマトリックスを各々少なくとも1種ずつ含有することを特徴とする防眩性反射防止フィルム。

Description

本発明は、防眩性を有する反射防止フィルムおよびその製造方法、それを用いた偏光板、並びに画像表示装置に関する。
防眩性反射防止フィルムは一般に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、表面突起による光の散乱と、薄膜干渉によって、反射率を低減する機能を有しており、ディスプレイの最表面に配置される。
防眩性反射防止フィルムには、防眩性とハードコート性を兼ね備えた防眩性ハードコート層を有するものが従来より使用されている。
防眩性を有する層の表面形状設計においては、防眩性ハードコート層の厚さをマット形成用透光性粒子の平均粒径の50〜90%にすることで、防眩性と透光性を両立させる技術が提案されている(特許文献1等。)。
透明支持体上に、防眩性ハードコート層と低屈折率層のみを有する防眩性反射防止フィルムにおいては、反射率を低減するためにフッ素含有率の大きい含フッ素化合物を主成分とした低屈折率層と、屈折率を高くした防眩性ハードコート層を設計する必要がある。低屈折率層に使用されるフッ素化合物は凝集力がないためディスプレイの最表面に配置するフィルムとして用いるためには耐傷性が不足していた。また、十分な耐傷性を有するためには1.43以上の屈折率を有する化合物を使用することが必要であった。これに対し無機フィラーを併用することが提案されている(特許文献2。)。
又、防眩性ハードコート層としては、透光性マット樹脂粒子およびマトリックスバインダーを含有するとともに、防眩性ハードコート層の屈折率を大きくするためにさらに高屈折率の無機超微粒子を含有した硬化膜(特許文献3等。)が提案されている。
屈折率の高い層を製作するには、屈折率の高い無機微粒子が必要であり、さらに、高い屈折率を有する超微細の無機超微粒子を、膜強度を充分に保持したマトリックス中に凝集することなく均一に分散することが極めて重要となる。
高い屈折率を有する無機微粒子として、Ti、Zn、Sb、Sn、Zr、Ce、Ta、La、In等の金属酸化物からなる屈折率1.7以上の透明性単体金属酸化物微粒子等が知られている。これらの中で、二酸化チタンが極めて高い屈折率の化合物で、これを微粒子化して導入することは膜の強度や耐久性の観点から非常に有効である(例えば、特許文献4等。)。
しかし、二酸化チタンは、光触媒機能を有しているため耐候性が極めて悪く、二酸化チタンを導入して作成した防眩性ハードコート層(さらにはこの防眩性ハードコート層を有する防眩性反射防止フイルム)を明所で長時間使用すると、防眩性ハードコート層に含有される有機化合物が分解され、被膜の物理的強度、光学性能などが著しく劣化するため、被膜の耐候性に問題があった。
又、防眩性反射防止フィルムは最上層として低屈折率層を用い、低屈折率層はフッ素原子を主成分とする化合物から成る硬化性膜で構成されるのが一般的である。然しながら、最上層は静電気による粉塵等のゴミの付着を生じやすい。これに対して、最上層となる低屈折率層に隣接する防眩性ハードコート層に、高屈折率を保持するために酸化チタン微粒子を用いるとともに、導電性金属化合物微粒子を含有させて帯電防止性を付与する方法が提案されている(例えば、特許文献5等)。これによりゴミの付着については改良されるが、耐候性が不十分で実用に供するには問題があった。
特開平8−309910号公報 特開2002−98804号公報 特開2001−281411号公報 特開2001−310423号公報 特開2002−200690号公報
一方、近年、各種の画像表示装置(LCD、PDP、CRT等)の大画面化が進むとともに、防眩性反射防止フィルムを配置した液晶表示装置が増加してきており、高価な大画面の画像表示装置を保護するため、防眩性反射防止フィルムに保護フィルムとしての、より高い耐久性が望まれている。また、液晶表示装置(LCD)において偏光板は不可欠な光学材料である。偏光板は一般に、偏光膜が2枚の保護フィルムによって保護されている構造を有しているが、液晶表示装置の構成部材の数を減らして、生産性、製造コストを削減する観点から、偏光板の保護フィルムに防眩性反射防止機能を付与することで、耐候性や物理的保護性および防眩性反射防止性を有し、かつ生産性、コスト削減と薄手化を実現させることが望まれている。
更には、近年、特に液晶表示装置の広視野角化、高速応答化、高精細化、等の画像表示品位向上の技術が進歩しているが、画像表示品位のひとつに「電源ON時の黒表示での黒の締り」、即ち「黒をいかに黒く表示できるか」があり、ユーザーのニーズに対して、極めて重要なものであることがわかってきた。表面突起による表面散乱を利用した防眩技術は、一方で、この表面散乱により、白くぼやける、黒が締まらないといった問題を抱えることになり、防眩性反射防止フィルムを使用する上で、解決しなければならない課題であった。
本発明の目的は、保護フィルムとしての耐久性、耐候性に優れ、しかも視認性に優れる防眩性反射防止フィルムを提供することである。
また、本発明の他の目的は、保護フィルムとしての耐久性、耐候性に優れ、しかも視認性に優れる防眩性反射防止フィルムを安価に安定して製造する方法を提供することである。
さらにまた、本発明の他の目的は、外光の映りこみが十分に防止され、且つ耐久性に優れ、しかも黒の締まりのよい偏光板、及びこれらを利用した画像表示装置を提供することである。
本発明の目的は、下記構成の防眩性反射防止フィルム及びその製造方法、偏光板並びに液晶表示装置により達成される。
(1) 透明支持体上に、少なくとも一つの防眩性ハードコート層、少なくとも一つの低屈折率層をこの順序で有する防眩性反射防止フィルムにおいて、該防眩性ハードコート層が、防眩性を付与する透光性粒子、平均粒径100nm以下のコバルト、アルミニウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有し、かつ二酸化チタンを主成分とする高屈折率無機超微粒子、並びにマトリックスを各々少なくとも1種ずつ含有することを特徴とする防眩性反射防止フィルム。
(2) 前記の防眩性反射防止フィルムが、該フィルムの促進耐候性JISK5600−7−7:1999に基づく150時間処理後のヘイズが、耐候試験前のフィルムの値に対して変化率が10%以内であることを特徴とする上記(1)記載の防眩性反射防止フィルム。
(3) 前記の防眩性反射防止フィルムが、該フィルムの促進耐候性JISK5600−7−7:1999に基づく150時間処理後のヘイズ、及びJISK−6902に基づくテーバー磨耗試験において試験後の磨耗量が、いずれも耐候試験前のフィルムの値に対して変化率が10%以内であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の防眩性反射防止フィルム。
(4) 前記の透光性粒子が、前記の防眩性ハードコート層の層厚に対し60%以上95%未満の平均粒径を有する第1の透光性粒子を少なくとも1種と、同層厚に対し105%以上140%未満である平均粒径を有する第2の透光性粒子を少なくとも1種とを含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。
(5) 前記のマトリックスが、有機バインダー、有機金属化合物及び有機金属化合物の部分加水分解物から選ばれる少なくとも1種を含有する硬化物から形成されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。
(6) 前記の低屈折率層の屈折率が1.35以上1.5未満であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。
(7) 前記の透明支持体と前記の防眩性ハードコート層の間にハードコート層を有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。
(8) 前記の防眩性ハードコート層及び前記のハードコート層の少なくともいずれかが、平均粒径100nm以下の導電性無機微粒子を含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。
(9) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルムにおいて、上記防眩性ハードコート層の、二酸化チタンを主成分としかつ平均粒径100nm以下のコバルト、アルミニウムおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する高屈折率無機超微粒子、並びに分散剤とを平均粒径0.8mm未満のメディアを用いて湿式分散して、平均粒径100nm以下の超微粒子を製造することを特徴とする防眩性反射防止フィルムの製造方法。
(10) 偏光膜の少なくとも一方の保護フィルムとして上記(1)〜(8)のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルムが用いられていることを特徴とする偏光板。
(11) 偏光膜の一方の保護フィルムとして上記(1)〜(8)のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルムを、偏光膜のもう一方の保護フィルムとして光学異方性のある光学補償フィルムを用いたことを特徴とする偏光板。
(12) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム、並びに上記(10)または(11)記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
本発明では、上記のとおり、コバルト、アルミニウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する、平均粒径100nm以下の二酸化チタンを主成分とする高屈折率無機超微粒子を防眩性ハードコート層に含有することで、二酸化チタンの光触媒機能を抑え、防眩性ハードコート層の耐候性を改善し、さらに防眩性ハードコート層の強度、ひいては防眩性反射防止フィルムとしての強度も得られる。
さらに本発明では、屈折率が高い二酸化チタンを主成分とする高屈折率無機超微粒子を利用するので、少量の高屈折率無機超微粒子の添加により防眩性反射防止フィルムに必要な屈折率を得られる。これにより、隣接する低屈折率層(最上層)の静電気を抑えるに充分な量の導電性無機微粒子を防眩性ハードコート層に添加することができる。
本明細書中に詳記した、防眩性を付与する透光性粒子、二酸化チタンを主成分としかつ平均粒径100nm以下のコバルト、アルミニウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する高屈折率無機超微粒子、並びにマトリックスを各々少なくとも1種ずつ含有する該防眩性ハードコート層を有する防眩性反射防止フィルムを作製することにより、保護フィルムとしての耐久性、耐候性に優れ、しかも視認性に優れた防眩性反射防止フィルムを安価に安定して提供することができる。更には、該防眩性ハードコート層中に導電性微粒子を含有することによりフィルム表面の耐塵埃付着性が改善され、フィルム表面の防汚性が良好となる。
更にまた、これらにより上記特徴を保持し、外光の映りこみが十分に防止され、しかも黒の締まりのよい偏光板、画像表示装置を提供することができる。
以下に、本発明の防眩性反射防止フィルム、防眩性ハードコート層、低屈折率層、その他の層、偏光板、画像表示装置について詳細を述べる。
本明細書において、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
<防眩性反射防止フィルムの構成>
本発明の防眩性反射防止フィルムは、透明支持体上に少なくとも1つの防眩性ハードコート層を有する。防眩性ハードコート層は、透光性粒子である防眩性付与粒子、あるいは更に、透光性粒子である内部散乱付与粒子が分散している塗布膜から成る。
更に、透明支持体上に少なくとも1つの防眩性ハードコート層そして低屈折率層の順序の層構成を有して、低反射率化を行う。
本発明の防眩性反射防止フィルムの低屈折率層の屈折率は、1.35以上1.5未満であり、好ましくは1.38以上1.49以下、更に好ましくは1.38以上1.44以下の範囲にある。
さらに、低屈折率層は下記数式(I)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
数式(I)
(mλ/4)×0.7<n1d1<(mλ/4)×1.3
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の層厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。
なお、上記数式(I)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
また、必要に応じ、防眩性ハードコート層の下層にハードコート層を設けても良い。これにより、フィルム強度をより一層あげることができる。
更には、透明支持体からみて、防眩性ハードコート層を積層している側の最上層に上記の低屈折率層と同範囲の低屈折率の防汚性層を設けて、汚れ防止、耐傷性等を向上させても良いが、本発明の低屈折率層により十分な防汚性も発現できる。
<防眩性ハードコート層>
本発明の防眩性ハードコート層は、防眩性または/および内部散乱性を付与するための透光性粒子、高屈折率無機超微粒子、及びハードコート性を十分に強力にするためのマトリックスを少なくとも各々1種ずつ含有する。
本発明の防眩性ハードコート層の厚みは、1μm〜10μmが好ましく、更に好ましくは2〜6μである。これにより防眩性ハードコート層の耐押傷性能(鉛筆硬度)、耐脆性、塗布性等を良好とすることが出来る。更に、高精細適性(高精細液晶表示装置でも、防眩性ハードコート層の表面突起によるレンズ効果によりぎらつかない)を兼備するために必要な、透光性粒子の粒径の適性範囲(後述)より鑑みると、防眩性ハードコート層の厚みは、上記した更に好ましい範囲が挙げられる。防眩性ハードコート層の厚みは、断面TEM(透過型電子顕微鏡)で調べる。防眩性ハードコート層の厚みの定義は、防眩性ハードコート層の下層(あるいは、下層が無い場合は支持体)の最も防眩性ハードコート層側の箇所から、防眩性ハードコート層の透光性粒子が無い、最も薄い箇所を基準として測定した、その間の垂直距離の平均値とする。
防眩性ハードコート層は、マトリックス中に平均粒径0.3〜10μmの透光性粒子が分散している屈折率不均一層である。防眩性ハードコート層を形成する上記粒子を除く成分、即ち後述する粒径100nm以下の高屈折率無機超微粒子が分散したマトリックスの屈折率は、1.57〜2.00であることが好ましく、より好ましくは1.60〜1.80であり、高屈折率である。この値の範囲で、防眩性反射防止フィルムとして反射防止性能が充分となり、好ましい。
この防眩性ハードコート層は、上記高屈折率無機超微粒子が分散したマトリックスに分散する粒径0.3〜10μmの透光性粒子によって、光の内部散乱が生じるために、防眩性ハードコート層での光学干渉の影響が生じない。
上記粒径の透光性粒子を有しない高屈折率の防眩性ハードコート層では、防眩性ハードコート層と支持体との屈折率差による光学干渉のために、反射率の波長依存性において反射率の大きな振幅が見られ、結果として反射防止効果が悪化し、同時に色むらが発生する。
<透光性粒子>
本発明の防眩性ハードコート層に用いられる透光性粒子は、上記したように防眩性や内部散乱性付与と透明支持体或はハードコート層との干渉による反射率悪化防止、色むら防止の目的で、平均粒径0.3〜10μmの透明な粒子が好ましい。より好ましくは1.0〜7.0μm、更に好ましくは1.5〜4.0の範囲である。
粒子の粒径分布は狭いほど好ましい。粒子の粒径分布を示すS値は下記式で表され、2以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.0以下、特に好ましくは0.7以下である。
S=[D(0.9)−D(0.1)]/D(0.5)
D(0.1):体積換算粒径の積算値の10%相当粒径
D(0.5):体積換算粒径の積算値の50%相当粒径
D(0.9):体積換算粒径の積算値の90%相当粒径
透光性粒子の形状は、真球あるいは不定形のいずれも使用できる。また、形状が異なる2種以上の透光性粒子を併用して用いてもよい。また、防眩層のマトリックス層厚よりも小さい粒径の透光性粒子が、透光性粒子全体の50%未満であることが好ましい。粒度分布はコールターカウンター法により測定できるが、分布は粒子数分布に換算する。上記透光性粒子は、形成された防眩性ハードコート層中の粒子量が好ましくは10〜1000mg/m2、より好ましくは30〜800mg/m2となるように防眩性ハードコート層に含有される。
このようにして形成された本発明の防眩性ハードコート層を有する防眩性反射防止フィルムは、ヘイズ値が3〜30%、好ましくは4〜15%の範囲にあり、そして450nmから650nmの平均反射率が1.8%以下、好ましくは1.5%以下である。上記範囲のヘイズ値及び平均反射率であることにより、透過画像の劣化を伴なわずに良好な防眩性および反射防止性が得られる。
更に、他の好ましい態様として、粒径の異なる少なくとも2種類以上の透光性粒子を併用する防眩性ハードコート層が挙げられる。透光性粒子としては、素材種が異なっていても、同一であっても、下記の要件を満たせば、制限を受けるものではない。少なくとも2種類の透光性粒子の内、第1の透光性粒子の平均粒径が、防眩性ハードコート層の厚みに対し、60%以上95%未満、好ましくは70%以上95%未満、より好ましくは80%以上95%未満である。また、第2の透光性粒子の平均粒径は、105%以上140%未満、好ましくは105%以上130%未満、より好ましくは105%以上120%未満である。
また、少なくとも2種類の粒子が、防眩性ハードコート層の厚みに対し、95%以上〜105%未満の範囲で違っていても、実現できない。
透光性粒子のうち、防眩性を付与する粒子は、防眩性ハードコート層の厚みよりも大きな粒径の粒子が効率的で好ましい。一方、防眩性ハードコート層の屈折率とは異なる、内部散乱に寄与する粒子は、この防眩性を付与する粒子と同一であっても構わないし、または、更に防眩性付与に寄与せず、層内に埋め込まれる粒子であってもよい。この場合は、防眩性の制御と内部散乱の制御を独立して自在に行うために、防眩性ハードコート層の厚みよりも小さな粒径の粒子であることが好ましい。
このようにして形成された本発明の防眩性ハードコート層を有する防眩性反射防止フィルムは、十分な反射防止性能を有しながら、黒表示を忠実に再現する、いわゆる黒の締まりが向上する。ヘイズ値が10〜70%、好ましくは30〜50%の範囲にあり、そして450nmから650nmの平均反射率が2.2%以下、好ましくは1.9%以下である。
透光性粒子としては、無機粒子、有機粒子が挙げられる。
無機粒子の具体例としては、二酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化錫、ITO(SnO2をドープしたIn23)、酸化亜鉛、特定金属含有の酸化チタン(特定金属として、コバルト、アルミニウム、ジルコニウムが挙げられる。)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウムなどの粒子が挙げられる。これらの中で二酸化珪素、酸化アルミニウムが好ましい。
有機粒子としては樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子としては、例えば、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、(メタ)アクリロニトリル系樹脂、(メタ)アクリルアミド系樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂等の粒子などが挙げられる。好ましくは、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリスチレン系樹脂等の架橋樹脂粒子が挙げられる。特に、重合性モノマーおよび架橋剤の乳化重合、ソープフリー重合、懸濁重合、シード重合、二段階膨潤重合、分散重合法等で得られる重合体からなる架橋樹脂微粒子が好適に使用できる。
上記透光性粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子(例えば日本触媒(株)製シーホスタシリーズ 屈折率=1.43)、アルミナ粒子(例えば住友化学工業(株)製スミコランダムシリーズ 屈折率=1.64)、TiO2粒子等の無機化合物の粒子、あるいは 架橋アクリル粒子(例えば綜研化学(株)製MXシリーズ 屈折率=1.49)、架橋スチレン粒子(例えば綜研化学(株)製SXシリーズ 屈折率=1.61)、架橋メラミン粒子、架橋ベンゾグアナミン粒子(例えば日本触媒(株)製エポスターシリーズ 屈折率=1.68)等の樹脂粒子が挙げられる。透光性粒子の形状は、真球あるいは不定形のいずれも使用できるが、表面突起形状が揃う球状粒子が好ましい。
防眩性ハードコート層全体の屈折率は、防眩性ハードコート層を構成するマトリックスと透光性粒子や後記する高屈折率無機超微粒子各々の屈折率の混合比率で決まる。
本明細書において特に言及がない限り、防眩性ハードコート層の屈折率という記載は、防眩性ハードコート層から上記透光性粒子を除いた成分の屈折率を表す。
防眩性ハードコート層の屈折率と前記透光性粒子のうちの内部散乱粒子との屈折率差は、0.05〜0.2が好ましい。この範囲で、少量の内部散乱粒子の含有で十分な内部散乱性が得られ、かつ防眩性反射防止フィルムの膜強度も充分高くなり、好ましい。また、散乱光の散乱角度も文字ボケしない程度に低くなり、好ましい。最も好ましくは、屈折率差は0.07〜0.15である。防眩性ハードコート層と透光性粒子の屈折率の大小は、特に制限はないが、文字ボケをより少なくするためには、上記記載の屈折率差の範囲内で、透光性粒子の屈折率より防弦性ハードコート層の屈折率を低くする方が好ましく、防眩性反射防止フィルムとして、より反射率を低くするためには、透光性粒子の屈折率より防眩性ハードコート層の屈折率を高くする方が好ましく、設計コンセプトによって適宜選択される。
<高屈折率無機超微粒子>
本発明の防眩性ハードコート層には、防眩性ハードコート層の屈折率を調整するために、上記の透光性粒子とは別に、Co、Zr、Alから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有し、かつ主成分が酸化チタンである無機粒子(以降、「特定の酸化物」と称することもある)を含有する。該無機粒子は超微粒子であり、その平均粒径は3〜100nm、好ましくは5〜100nm、より好ましくは10〜80nmである。該超微粒子の形状は特に制限されるものではなく、例えば、球状、板状、繊維状、棒状、不定形、中空等のいずれも好ましく用いられるが、球状が分散性がより良く好ましい。この超微粒子は、その充填量によりカール防止、表面硬度向上にも寄与できる。
「特定の酸化物」超微粒子は、前記したとおり、Co、Zr、ALから選ばれる少なくとも1種類の元素を含有する二酸化チタンを主成分とする無機粒子であり、 特に、好ましい元素はCoである。Tiに対する、Co、Al、Zrの総含有量は、Tiに対し0.05〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.2〜7質量%、特に好ましくは0.3〜5質量%、最も好ましくは0.5〜3質量%である。
Co、Al、Zrは、二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の内部、あるいはまた、表面に存在する。二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の内部に存在することがより好ましく、内部と表面の両方に存在することが最も好ましい。これらの特定の金属元素は、酸化物として存在しても良い。
又、他の好ましい高屈折無機超微粒子として、チタン元素と酸化物が屈折率1.95以上となる金属元素から選ばれる少なくとも1種の金属元素(以下、「Met」とも略称する)からなる複酸化物の粒子で、かつ該複酸化物はCoイオン、Zrイオン、及びAlイオンから選ばれる金属イオンの少なくとも1種がドープされてなる無機粒子(以下、「特定の複酸化物」と称することもある)が挙げられる。ここで、該酸化物の屈折率が1.95以上となる金属酸化物の金属元素としては、Ta、Zr、In、Nd、Sb,Sn、及びBiが好ましい。特には、Ta、Zr、Sn、Biが好ましい。複酸化物にドープされる金属イオンの含有量は、複酸化物を構成する全金属[Ti+Met]量に対して、25質量%を越えない範囲で含有することが屈折率維持の観点から好ましい。より好ましくは0.05〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%、最も好ましくは0.3〜3質量%である。
ドープした金属イオンは、金属イオン、金属原子の何れのもので存在してもよく、複酸化物の表面から内部まで適宜に存在する。表面と内部との両方に存在することが好ましい。
本発明の特定の酸化物或は特定の複酸化物の無機微粒子は結晶構造を有しても、アモルファス構造を有していてもよいが、結晶構造を有することが好ましい。結晶構造は、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼが主成分であることが好ましく、特にルチル構造が主成分であることが好ましい。
このことにより、本発明の特定の酸化物或は特定の複酸化物の無機微粒子は、屈折率が1.90〜2.80を有する。好ましくは、2.10〜2.80であり、更に好ましくは2.20〜2.80である。又、これらの粒子は二酸化チタンが有する光触媒活性を抑えることができ、本発明の防眩性ハードコート層の耐候性を著しく改良することができる。
上記した特定の金属元素或は金属イオンをドープする方法は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、特開平5−330825号公報、同11−263620号公報、特表平11−512336号公報、欧州特許出願公開第0335773号明細書等に記載の方法、イオン注入法(例えば、権田俊一、石川順三、上条栄治編「イオンビーム応用技術」((株)シ−エムシー、1989年刊行、青木 康、表面科学、Vol.18,(5),p.262,1998、安保正一等、表面科学、Vol.20(2)、p.60、1999等記載)等に従って製造できる。
本発明の高屈折率無機超微粒子は、表面処理してもよい。表面処理は、無機化合物及び/又は有機化合物を用いて該粒子表面の改質を実施し、該粒子表面の濡れ性を調製し有機溶媒中での微粒子化、防眩性ハードコート層形成用組成物中での分散性や分散安定性を向上する。粒子表面に物理化学的に吸着させる無機化合物としては、例えば、ケイ素を含有する無機化合物(SiO2など)、アルミニウムを含有する無機化合物(Al23、Al(OH)3など)、コバルトを含有する無機化合物(CoO2、Co23、Co34など)、ジルコニウムを含有する無機化合物(ZrO2、Zr(OH)4など)、鉄を含有する無機化合物(Fe23など)などが挙げらる。
表面処理に用いる有機化合物の例には、従来公知の金属酸化物や無機顔料等の無機フィラー類の表面改質剤を用いることが出来る。例えば、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」第一章(技術情報協会、2001年刊行)等に記載されている。
具体的には、該無機超微粒子表面と親和性を有する極性基を有する有機化合物、カップリング化合物があげられる。該粒子表面と親和性を有する極性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、環状酸無水物基、アミノ基等が挙げられ、分子中にこれらから選ばれる基を少なくとも1種を含有する化合物が好ましい。例えば、長鎖脂肪族カルボン酸(例えばステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等)、ポリオール化合物(例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート等)、ホスホノ基含有化合物(例えばEO(エチレンオキサイド)変性リン酸トリアクリレート等)、アルカノールアミン(エチレンジアミンEO付加体(5モル)等)が挙げれる。
カップリング化合物としては、従来公知の有機金属化合物が挙げられ、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等が含まれる。シランカップリング剤が最も好ましい。具体的には、例えば特開2000−9908号公報、同2001−310423号公報の段落番号「0011」〜「0015」記載の化合物等が挙げられる。
これらの表面処理は、2種類以上を併用することもできる。
本発明の高屈折率無機超微粒子は、特定の酸化物或は特定の複酸化物の無機微粒子をコアとして無機化合物からなるシェルを形成するコア/シェル構造の微粒子も好ましい。シェルとしては、Al、Si、Zrから選ばれる少なくとも1種から成る酸化物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−166104号公報記載の内容が挙げられる。
本発明で使用される高屈折率無機超微粒子の形状は、特に限定されないが米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、不定形状が好ましい。本発明の高屈折率無機超微粒子は単独で用いてもよいが、2種類以上を併用して用いることもできる。
<分散剤>
本発明の高屈折率無機超微粒子を安定した所定の超微粒子として用いるために分散剤を併用することが好ましい。分散剤としては、該高屈折率無機超微粒子表面と親和性を有する極性基を有する低分子化合物、または高分子化合物であることが好ましい。
上記極性基としては、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、オキシホスホノ基、−P(=O)(R1)(OH)基、−O−P(=O)(R1)(OH)基、アミド系の置換基(−CONHR2、−SO2NHR2)、環状酸無水物含有基、アミノ基、四級アンモニウム基等が挙げられる。
ここで、R1は炭素数1〜18の炭化水素基を表す(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、クロロエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、ベンジル基、メチルベンジル基、フェネチル基、シクロヘキシル基等)。R2は、水素原子又は前記R1と同一の内容を表す。
上記極性基において、解離性プロトンを有する基はその塩であってもよい。また、上記アミノ基、四級アンモニウム基は、一級アミノ基、二級アミノ基又は三級アミノ基のいずれでもよく、三級アミノ基または四級アンモニウム基であることがさらに好ましい。二級アミノ基、三級アミノ基または四級アンモニウム基の窒素原子に結合する基は、炭素原子数が1〜18の脂肪族基(上記R1の基と同一の内容のもの等)であることが好ましい。又、三級アミノ基は、窒素原子を含有する環形成のアミノ基(例えば、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、ピリジン環等)であってもよく、更に四級アンモニウム基はこれら環状アミノ基の四級アモニウム基であってもよい。特に炭素原子数が1〜6のアルキル基であることがさらに好ましい。
四級アンモニウム基の対イオンは、ハライドイオン、PF6イオン、SbF6イオン、BF4イオン、B(R34イオン(R3は、炭化水素基を表し、例えばブチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ブチルフェニル基等)、スルホン酸イオン等が好ましい。
本発明に係る分散剤の極性基としては、pKaが7以下のアニオン性基或はこれらの解離基の塩が好ましい。特に、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、オキシホスホノ基、又はこれらの解離基の塩が好ましい。
分散剤は、さらに架橋性又は重合性官能基を含有することが好ましい。架橋性又は重合性官能基としては、ラジカル種による付加反応・重合反応が可能なエチレン性不飽和基(例えば(メタ)アクリロイル基、アリル基、スチリル基、ビニルオキシ基カルボニル基、ビニルオキシ基等)、カチオン重合性基(エポキシ基、チオエポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基、スピロオルトエステル基等)、重縮合反応性基(加水分解性シリル基等、N−メチロール基)等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和基、エポキシ基又は加水分解性シリル基である。
具体的には、例えば特開2001−310423号公報の段落番号[0013]〜[0015]記載の化合物等が挙げられる。
本発明に用いられる分散剤は、高分子分散剤であることが好ましい。特に、アニオン性基、及び架橋性又は重合性官能基を含有する高分子分散剤が好ましい。
高分子分散剤の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、GPC法で測定されたポリスチレン換算値として、1×103以上であることが好ましい。より好ましいMwは2×103〜1×106であり、更に好ましくは5×103〜1×105、特に好ましくは8×103〜8×104である。
この範囲のものが、高屈折率無機超微粒子が分散されやすく、かつ凝集物や沈殿物を生じない安定な分散物が得られる。
高分子分散剤中の極性基、架橋性又は重合性官能基は、高分子鎖の重合体主鎖の末端或いは重合体形成単位の側鎖置換基(以降、側鎖と略称する場合もある)として含有される。極性基は重合体主鎖の末端及び/または側鎖に結合していることが好ましく、該架橋性または重合性官能基は側鎖に結合していることが好ましい。
側鎖に極性基を導入する方法としては、例えば極性基含有モノマー(例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、部分エステル化マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−ホスホノオキシエチル(メタ)アクリレート、2,3ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−N,Nジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメルアンモニウム・PF6イオン塩、水酸基含有不飽和化合物と環状酸無水物(マレイン酸無水物、グルタル酸無水物、フタル酸無水物等)との付加物等)を重合させる方法、高分子反応の利用を利用する方法(例えば、水酸基、アミノ基、エポキシ基等と酸無水物、ハロゲン置換酸化合物との反応、イソシアナート基、カルボキシ基等と水酸基、アミノ基等を含有の酸化合物との反応等)等によって合成できる。
極性基含有の重合体成分の具体例としては、例えば特開平11−153703号公報の段落番号[0024]〜[0041]記載の内容等が挙げられる。
また、側鎖に極性基を有する高分子分散剤において、極性基含有の重合単位の組成は、全重合単位のうちの0.5〜50質量%の範囲であり、好ましくは1〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
一方、末端に極性基を導入する手法としては、極性基含有の連鎖移動剤(例えばチオグリコール酸等)の存在下で重合反応を行なう手法、極性基含有の重合開始剤(例えば和光純薬工業性V−501)を用いて重合反応を行なう手法、或いはハロゲン原子、水酸基、アミノ基等の反応性基を含有の連鎖移動剤や重合開始剤で重合反応後に高分子反応により導入する手法等によって合成できる。
架橋性又は重合性官能基が重合体主鎖の側鎖に含有される場合、架橋性又は重合性官能基は、重合体主鎖から架橋性又は重合性官能基までを連結する原子数(炭素原子、窒素原子ケイ素原子等に置換する水素原子を除く)の総和が6個以上であることが好ましく、8個〜22個がより好ましい。これにより架橋反応又は重合反応がより進行しやすくなる。
また、本発明に係る分散剤は、上記架橋性または重合性官能基として、側鎖にエチレン性不飽和基を有する重合単位を有することが好ましい。この側鎖にエチレン性不飽和基を有する重合単位の例としては、ポリ−1,2−ブタジエンおよびポリ−1,2−イソプレン構造あるいは、(メタ)アクリル酸のエステルまたはアミドの重合単位であって、それに特定の残基(−COORまたは−CONHRのR基)が結合したものが利用できる。
上記特定の残基(R基)の例としては、-(CH2)n-CR11=CR12R13 、-(CH2O)n-CH2CR11=CR12R13 、-(CH2CH2O)n-CH2CR11=CR12R13、-(CH2)n-NH-CO-O-CH2CR11=CR12R13、-(CH2)n-O-CO-CR11=CR12R13および-(CH2CH2O) 2-Xを挙げることができる。(ここで、R11〜R13はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、炭素原子数が1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基を表す。R11とR12、またはR11とR13は互いに結合して環を形成してもよい。nは1〜10の整数であり、そしてXはジシクロペンタジエニル残基である。)
エステル残基のRの具体例には、-CH=CH2、-CH2CH=CH2、-CH2CH2O-CH2CH=CH2、-CH2CH2OCOCH=CH2、-CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、-CH2C(CH3)=CH2、-CH2CH=CH-C6H5、-CH2CH2OCOCH=CH-C6H5、-CH2CH2-NHCOO-CH2CH=CH2および-CH2CH2O-X(Xはジシクロペンタジエニル残基)が含まれる。
アミド残基のRの具体例には、-CH2CH=CH2、-CH2CH2-Y (Yは1−シクロヘキセニル残基)および-CH2CH2-OCO-CH=CH2、-CH2CH2-OCO-C(CH3)=CH2が含まれる。
上記のエチレン性不飽和基を有する分散剤においては、その不飽和結合基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、分子間で直接、または重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、分子間に架橋が形成されて硬化する。あるいは、分子中の原子(例えば不飽和結合基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、分子間に架橋が形成されて硬化する。
側鎖に架橋性又は重合性官能基を導入する方法としては、例えば特開平3−249653号公報等に記載の内容が挙げられる。架橋又は重合性官能基の含有単位は、極性基含有重合単位以外の全ての重合単位を構成していてもよいが、好ましくは分散剤全重合単位のうちの1〜70質量%であり、より好ましくは5〜50質量%である。
本発明に係る分散剤は、極性基含有の重合成分、架橋性または重合性官能基を含有する重合成分以外の他の重合成分との共重合体であってもよい。この他の重合成分としては、極性基含有の重合成分、架橋又は重合性官能基共重合成分に相当するモノマーと共重合可能なモノマーであれば特に限定はされないが、分散安定性、形成皮膜の強度等種々の観点から選択される。好ましい例としては、メタアクリレート類、アクリレート類、カルボン酸ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体類、スチレン及びその誘導体類、アクリロニトリル等が挙げられる。
分散剤中の他の重合性成分の割合は、全重合体成分中の5〜95質量%が好ましく、より好ましくは30〜85質量%である。分散剤の具体例としては、例えば特開平11−153703号公報の段落番号「0023」〜[0042]記載の内容が挙げられる。本発明の好ましい分散剤の重合形態は特に制限はないが、ブロック共重合体またはランダム共重合体であることが好ましい。
更には、架橋性又は重合性官能基を含有の重合成分を含有する重合体ブロック(ブロックA)とアニオン性基含有の重合成分を含有する重合体ブロック(ブロックB)とから構成されるAB型ブロック、ABA型ブロック、又はグラフト型のブロック共重合体も好ましい。このように分散剤がブロック共重合体であることにより、高屈折率無機超微粒子の分散性とその分散物の安定性(分散安定性)の向上、及び防眩性反射防止フィルムとした場合の膜強度の向上が達成される。これは、分散溶媒中で高分子鎖が高屈折率無機超微粒子へテール状に吸着し、高屈折率無機超微粒子への高分子の吸着が容易となること、重合体ブロックAの硬化反応が進行しやすくなること等によるものと推察される。
上記のようなブロック共重合体は、従来公知のリビング重合反応法によって製造することができる。イオン重合反応(例えば、有機金属化合物(例えばアルキルリチウム類、リチウムジイソプロピルアミド、アルキルマグネシウムハライド類等)、ヨウ化水素/ヨウ素系等)、ポルフィリン金属錯体を触媒とする光重合反応、グループ移動重合反応、ジチオカーバメイト基を含有する化合物及び/又はザンテート基を含有する化合物を開始剤として光照射下に重合反応等の公知のいわゆるリビング重合反応、でAB型、ABA型ブロック共重合体を合成できる。
これらは、例えば、P.Lutz、P.Massonら、「Polym.Bull.」、1984年、12.79、B.C.Anderson、G.D.Andrewsら、「Macromolecules」、1981年、14、1601、右手浩−、畑田耕一、「高分子加工」、1987年、36、366、東村敏延、沢本光男、「高分子論文集」、1989年、46、189、M.Kuroki、T.Aida、「J.Am.Chem.Soc.」、1987年、109、4737、D.Y.Sogah、W.R.Hertlerら、「Macromolecules」、1987年、20、1473、大津隆行、「高分子」、1988年、37、248、檜森俊一、大津隆一、「Polym.Rep.Jap.」、1988年、37.3508等に記載の合成方法に従って合成することができる。
また、一官能性マクロモノマーを用いてラジカル重合反応してグラフト型共重合体を合成する方法(一官能性マクロモノマーの合成方法は、中條善樹、山下雄也、「染料と薬品」、1985年、30、232、上田明、永井進、「化学と工業」、1986年、60、57、P.F.Rempp & E.Franta、「Advances in Polymer Science、1984年、58、1等の文献等に記載の方法に従う」、アゾビス高分子開始剤を用いてラジカル重合反応してAB型ブロック共重合体を合成する方法(上田明、永井進、「化学と工業」、1986年、60、57等)等で合成することができる。
分散剤の高屈折率無機超微粒子に対する使用量は、1〜100質量%の範囲であることが好ましく、3〜50質量%の範囲であることがより好ましく、5〜40質量%であることが最も好ましい。また、分散剤は2種類以上を併用してもよい。
<分散媒体>
本発明において、高屈折率無機超微粒子の湿式分散に供する分散媒体は、水、有機溶媒から適宜選択して用いることができ、沸点が50℃以上の液体であることが好ましく、沸点が60℃〜180℃の範囲の有機溶媒であることがより好ましい。
分散媒体は、高屈折率無機超微粒子及び分散剤を含む全分散用組成物が5〜50質量%となる割合で用いることが好ましい。更には、10〜30質量%が好ましい。この範囲において、分散が容易に進行し、得られる分散物は作業性良好な粘度の範囲となる。
分散媒体としては、アルコール類、ケトン類、エステル類アミド類、エーテル類、エーテルエステル類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。具体的には、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート等)、ケトン(例、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、乳酸エチル、等)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチルクロロホルム等)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン等)、エーテル(例、ジオキサン、テトラハイドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール、エチルセルソルブ、メチルカルビノール等)が挙げられる。単独での2種以上を混合して使用してもよい。好ましい分散媒体は、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ブタノールが挙げられる。また、ケトン溶媒(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)を主にした塗布溶媒系も好ましく用いられ、ケトン系溶媒の含有量が防眩性ハードコート層用組成物に含まれる全溶媒の10質量%以上であることが好ましい。好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
<高屈折率無機超微粒子の超微粒子化および分散方法>
本発明の防眩性ハードコート層用組成物は、含有する高屈折率無機粒子を平均粒径100nm以下の超微粒子分散物とすることにより、該組成物の液の安定性が向上し、得られる防眩性ハードコート層は、高屈折率無機超微粒子が防眩性ハードコート層のマトリックス中で超微粒子状態で均一に分散されて存在し、光学特性が均一で透明な防眩性ハードコート層が達成される。防眩性ハードコート層のマトリックス中で存在する超微粒子の大きさは、平均粒径3〜100nmの範囲が好ましく、5〜100nmがより好ましい。特に10〜80nmが最も好ましい。
更には、500nm以上の平均粒径の大粒子が含まれないことが好ましく、300nm以上の平均粒径の大粒子が含まれないことが特に好ましい。これにより、防眩性ハードコート層、さらにはこれを用いた防眩性反射防止フィルムが防眩性反射防止機能を発揮するための表面形状を形成できる。
上記高屈折率無機超微粒子を上記の範囲の粗大粒子を含まない超微粒子の大きさに分散するには、前記の分散剤と共に、平均粒径0.8mm未満のメディアを用いた湿式分散方法で分散して初めて達成される。
湿式分散機としては、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、ダイノミル、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター、コロイドミル等の従来公知のものが挙げられる。
特に本発明の高屈折率無機微粒子を超微粒子に分散するには、サンドグラインダーミル、ダイノミル、及び高速インペラーミルが好ましい。
上記分散機と共に用いるメディアとしては、その平均粒径が0.8mm未満であり、平均粒径がこの範囲のメディアを用いることで上記の超微粒子の平均粒径が100nm以下となり、かつ粒径の揃った超微粒子を得ることができる。メディアの平均粒径は、好ましくは0.5mm以下であり、より好ましくは0.05〜0.3mmである。
また、湿式分散に用いられるメディアとしては、ビーズが好ましい。具体的には、ジルコニアビーズ、ガラスビーズ、セラミックビーズ、スチールビーズ等が挙げられ、分散中におけるビーズの破壊等を生じ難い等の耐久性と超微粒子化の上から0.05〜0.3mmのジルコニアビーズが特に好ましい。
分散工程での分散温度は20〜60℃が好ましく、より好ましくは25〜45℃である。この範囲の温度で超微粒子に分散すると分散粒子の再凝集、沈殿等が生じない。これは、無機粒子への分散剤の吸着が適切に行われ、常温下での分散剤の粒子からの脱着等による分散安定不良とならないためと考えられる。
このような範囲において、透明性を損なわなず、屈折率が均一で、膜の強度が高く、防眩性ハードコート層を形成できる。
また、上記湿式分散の工程の前に、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例には、ボールミル、三本ロールミル、ニーダーおよびエクストルーダーが含まれる。
更には、分散物中の分散粒子がその平均粒径、および粒径の単分散性が上記した範囲を満足する上で、分散物中の粗大凝集物を除去するためにビーズとの分離処理において精密濾過されるように濾材を配置することも好ましい。精密濾過するための濾材は濾過粒子サイズ25μm以下が好ましい。精密濾過するための濾材のタイプは上記性能を有していれば特に限定されないが例えばフィラメント型、フェルト型、メッシュ型が挙げられる。分散物を精密濾過するための濾材の材質は上記性能を有しており、且つ塗布液に悪影響を及ばさなければ特に限定はされないが例えばステンレス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられる。
これらの高屈折率無機超微粒子の添加量は、防眩性ハードコート層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜70%であり、特に好ましくは30〜50%である。
尚、このような高屈折率無機超微粒子は、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、高屈折率無機超微粒子が分散したマトリックスは、前述の通り、光学的に均一な物質として振舞い、好ましい。
<導電性無機微粒子>
防眩性ハードコート層に上記の透光性粒子、高屈折率無機超微粒子とともに、さらに導電性無機微粒子を含有することが好ましい。これにより、防眩性反射防止フィルムの帯電防止性が図られる。
導電性無機微粒子としては、例えば、(株)東レリサーチセンンター調査部門編集「透明導電膜の現状と展望」(東レリサーチセンンター、1997年、第3章〜第4章)、技術情報協会編集「導電性フィラーの開発と応用」(技術情報協会、1997年)等に記載の無機化合物が挙げられる。具体的には、ITO(SnO2をドープしたIn23)、ATO(SbをドープしたSnO2)、Sb23、SbO2、In23、SnO2、導電性ZnO、AZO(ALをドープした酸化亜鉛)、五酸化アンチモン亜鉛等の導電性金属酸化物微粒子、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム等の導電性窒化物が挙げられる。
好ましくは、ITO、ATO等の透明性に優れた導電性酸化物粒子が挙げられる。
導電性無機微粒子は、一次粒子の平均粒径3〜100nmの粒子であり、更に好ましくは5〜80nmの粒子である。
更には、500nm以上の平均粒径の大粒子が含まれないことが好ましく、300nm以上の平均粒径の大粒子が含まれないことが特に好ましい。
これらの粒度分布の狭い超微粒子分散物を作製する方法としては、前記した高屈折率無機超微粒子で用いられる分散剤、湿式分散方法と同様の内容のものが挙げられる。
本発明の高屈折率無機超微粒子と導電性無機微粒子との割合は、高屈折率無機超微粒子と導電性無機微粒子との総量に対する高屈折率無機超微粒子の割合が、5〜60質量%であることが好ましい。特に10〜60質量%とすることが好ましい。この範囲において、防眩性ハードコート層の所望の屈折率を保持しつつ帯電による塵埃付着を軽減することができる。
<防眩性ハードコート層のマトリックス>
本発明の防眩性ハードコート層は、上記の透光性粒子と高屈折率無機超微粒子とともにマトリックスを少なくとも含有する。
本発明の好ましい態様によれば、防眩性ハードコート層のマトリックスは、1)有機バインダー、または2)加水分解性官能基を含有する有機金属化合物、及びこの有機金属化合物の部分縮合物、の少なくともいずれかを含有する防眩性ハードコート層形成用組成物を塗布後に、硬化して形成される。
1)有機バインダー
有機バインダーとしては、
(イ)従来公知の熱可塑性樹脂、
(ロ)従来公知の反応性硬化性樹脂と硬化剤との組み合わせ、または
(ハ)バインダー前駆体(後述する硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)と重合開始剤との組み合わせ、
から形成されるバインダーが挙げられる。
上記(イ)、(ロ)または(ハ)のバインダー形成用成分と、透光性粒子、高屈折率無機超微粒子分散物更には導電性無機微粒子分散物を含有する分散液から塗布組成物が調製される。塗布組成物は、透明支持体上に塗布し、塗膜を形成した後、バインダー形成用成分に応じた方法で硬化され、防眩性ハードコート層が形成される。硬化方法は、バインダー成分の種類に応じて適宜選択され、例えば加熱及び光照射の少なくともいずれかの手段により、硬化性化合物(例えば、多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)の架橋反応または重合反応を生起させる方法が挙げられる。なかでも、上記(ハ)の組み合わせを用いて光照射することにより硬化性化合物を架橋反応または重合反応させて硬化したバインダーを形成する方法が好ましい。
更に、防眩性ハードコート層形成用の塗布組成物を塗布と同時または塗布後に、高屈折率無機超微粒子(および導電性無機微粒子)の分散液に含有される分散剤を架橋反応または重合反応させることが好ましい。
このようにして作製した硬化膜中のバインダーは、例えば、前記した分散剤とバインダーの前駆体である硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーとが、架橋または重合反応し、バインダーに分散剤のアニオン性基が取りこまれた形となる。さらに、硬化膜中のバインダーは、アニオン性基が高屈折率無機超微粒子(および導電性無機微粒子)の分散状態を維持する機能を有するので、架橋または重合構造がバインダーに皮膜形成能を付与して、高屈折率無機超微粒子(および導電性無機微粒子)を含有する硬化膜中の物理強度、耐薬品性、耐候性を改良することができる。
上記(イ)熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビー酸ビ共重合体樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、イミド樹脂等が挙げられる。
又、上記(ロ)反応硬化型樹脂、即ち、熱硬化型樹脂及び/又は電離放射線硬化型樹脂を使用することも好ましい。熱硬化型樹脂には、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。電離放射線硬化型樹脂には、例えば、ラジカル重合性不飽和基((メタ)アクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、スチリル基、ビニル基等)及び/又はカチオン重合性基(エポキシ基、チオエポキシ基、ビニルオキシ基、オキセタニル基等)の官能基を有する樹脂で、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等が挙げられる。
これらの反応硬化型樹脂に必要に応じて、架橋剤(エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、ポリアミン化合物、メラミン化合物等)、重合開始剤(アゾビス化合物、有機過酸化化合物、有機ハロゲン化合物、オニウム塩化合物、ケトン化合物等のUV光開始剤等)等の硬化剤、重合促進剤(有機金属化合物、酸化合物、塩基性化合物等)等の従来公知の化合物を加えて使用する。具体的には、例えば、山下普三、金子東助「架橋剤ハンドブック」(大成社、1981年刊)記載の化合物が挙げられる。
以下、硬化したバインダーの好ましい形成方法である、上記(ハ)の組み合わせを用いて光照射により硬化性化合物を架橋または重合反応させて硬化したバインダーを形成する方法について、説明する。
光硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、ラジカル重合性またはカチオン重合性のいずれでもよい。
ラジカル重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、スチリル基、アリル基等のエチレン性不飽和基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
分子内に2個以上のラジカル重合性基を含有する多官能モノマーを含有することが好ましい。
ラジカル重合性多官能モノマーとしては、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも2個有する化合物から選ばれることが好ましい。好ましくは、分子中に2〜6個の末端エチレン性不飽和結合を有する化合物である。このような化合物群はポリマー材料分野において広く知られるものであり、本発明においては、これらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、またはそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつことができる。
ラジカル重合性モノマー例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が挙げられる。また、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類やアミド類と、単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類及びチオール類との反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物としては、アルカンジオール、アルカントリオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサントリオール、イノシトール、シクロヘキサンジメタノール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリン等が挙げられる。これら脂肪族多価アルコール化合物と、不飽和カルボン酸との重合性エステル化合物(モノエステルまたはポリエステル)、例として、例えば、特開2001−139663号公報段落番号[0026]〜[0027]記載の化合物が挙げられる。
その他の重合性エステルの例としては、例えば、ビニルメタクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開平2−226149号公報等記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を有するもの等も好適に用いられる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とから形成される重合性アミドの具体例としては、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、特公昭54−21726号公報記載のシクロヘキシレン構造を有するもの等を挙げることができる。
また、1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物(特公昭48−41708号公報等)、ウレタンアクリレート類(特公平2−16765号公報等)、エチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物(特公昭62−39418号公報等)、ポリエステルアクリレート類(特公昭52−30490号公報等))、更に、「日本接着協会誌」、1984年、Vol.20、No.7、p.300−308に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマーも使用することができる。
これらラジカル重合性の多官能モノマーは、二種類以上を併用してもよい。
次に、防眩性ハードコート層のマトリックスの形成に用いることができるカチオン重合性基含有の化合物(以下、「カチオン重合性化合物」または「カチオン重合性有機化合物」とも称する)について説明する。
本発明に用いられるカチオン重合性化合物は、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤の存在下に活性エネルギー線を照射したときに重合反応及び/または架橋反応を生ずる化合物のいずれもが使用でき、代表例としては、エポキシ化合物、環状チオエーテル化合物、環状エーテル化合物、スピロオルソエステル化合物、ビニル炭化水素化合物、ビニルエーテル化合物などを挙げることができる。本発明では前記したカチオン重合性有機化合物のうちの1種を用いても2種以上を用いてもよい。
カチオン重合性基含有化合物としては、1分子中のカチオン重合性基の数は2〜10個が好ましく、特に好ましくは2〜5個である。該化合物の分子量は3000以下であり、好ましくは200〜2000の範囲、特に好ましくは400〜1500の範囲である。分子量が上記の範囲で、皮膜形成過程での揮発および防眩性ハードコート層形成用組成物との相溶性の両方に問題がなくなり、好ましい。
上記エポキシ化合物としては脂肪族エポキシ化合物及び芳香族エポキシ化合物が挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートのホモポリマー、コポリマーなどを挙げることができる。さらに、前記のエポキシ化合物以外にも、例えば、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチルエポキシステアリン酸オクチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエンなどを挙げることができる。また、脂環式エポキシ化合物としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル、或いは不飽和脂環族環(例えば、シクロヘキセン、シクロペンテン、ジシクロオクテン、トリシクロデセン等)含有化合物を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化して得られるシクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物などを挙げることができる。
また、芳香族エポキシ化合物としては、例えば少なくとも1個の芳香核を有する1価または多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のモノまたはポリグリシジルエーテルを挙げることができる。これらのエポキシ化合物として、例えば、特開平11−242101号公報段落番号〔0084〕〜〔0086〕記載の化合物、特開平10−158385号公報段落番号〔0044〕〜〔0046〕記載の化合物等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシ化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
環状チオエーテル化合物としては、上記のエポキシ環がチオエポキシ環となる化合物が挙げられる。
環状エーテルとしてのオキセタニル基を含有する化合物としては、具体的には、例えば特開2000−239309号公報段落番号〔0024〕〜〔0025〕に記載の化合物等が挙げられる。これらの化合物は、エポキシ基含有化合物と併用することが好ましい。
スピロオルソエステル化合物としては、例えば特表2000−506908号公報等記載の化合物を挙げることができる。
ビニル炭化水素化合物としては、スチレン化合物、ビニル基置換脂環炭化水素化合物(ビニルシクロヘキサン、ビニルビシクロヘプテン)等、ビニルエーテル化合物としては、プロペニル化合物(Journal of PolymerScience:Part A:Polymer Chemistry,Vol.32,2895(1994)記載等)、アルコキシアレン化合物(Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.33,2493(1995)記載等)、ビニル化合物(Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.34,1015(1996)、特開2002−29162号等記載)、イソプロペニル化合物(Journal ofPolymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.34,2051(1996)記載等)等を挙げることができる。
2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、本発明において前記多官能性の化合物は、上記のラジカル重合性基及びカチオン重合性基から選ばれる少なくとも各1種を少なくとも分子内に含有する化合物を用いることが好ましい。例えば、特開平8−277320号公報の段落番号〔0031〕〜〔0052〕記載の化合物、特開2000−191737号公報の段落番号〔0015〕記載の化合物等が挙げられる。本発明に供される化合物は、これらに限定されるものではない。
上記したラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物とを、ラジカル重合性化合物:カチオン重合性化合物の質量比で、90:10〜20:80の割合で含有していることが好ましく、80:20〜30:70の割合で含有していることがより好ましい。
これらのバインダーの添加量は、防眩性ハードコート層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜70%であり、特に好ましくは30〜50%である。
次に、前記(ハ)の組み合わせにおいて、バインダー前駆体と組み合わせて用いられる重合開始剤について詳述する。
重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。
本発明の重合開始剤(L)は、光及び/又は熱照射により、ラジカル若しくは酸を発生する化合物である。本発明において用いられる光重合開始剤は、極大吸収波長が400nm以下であることが好ましい。このように吸収波長を紫外線領域にすることにより、取り扱いを白灯下で実施することができる。また、近赤外線領域に極大吸収波長を持つ化合物を用いることもできる。
まず、ラジカルを発生する化合物(L1)について詳述する。
本発明において好適に用いられるラジカルを発生する化合物(L1)は、光及び/又は熱照射によりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を、開始、促進させる化合物を指す。
公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などを、適宜、選択して用いることとができる。また、ラジカルを発生する化合物は、単独又は2種以上を併用して用いることができる。
ラジカルを発生する化合物としては、例えば、従来公知の有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤等の熱ラジカル重合開始剤、アミン化合物(特公昭44−20189号公報記載)、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、スルホン化合物、及びジスルホン化合物等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
上記有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林 等、「Bull Chem.Soc Japan」、1969年、42、2924、米国特許第3905815号明細書、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt"Jurnal of Heterocyclic Chemistry"1(No3),(1970)」等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:S−トリアジン化合物が挙げられる。
より好適には、少なくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がS−トリアジン環に結合したS−トリアジン誘導体が挙げられる。
他の有機ハロゲン化合物の例として、特開平5−27830号公報の段落番号〔0039〕〜〔0048〕記載のケトン類、スルフィド類、スルホン類、窒素原子含有の複素環類等が挙げられる。
上記カルボニル化合物としては、例えば、「最新 UV硬化技術」p.60−62((株)技術情報協会刊、1991年)、特開平8−134404号公報の段落番号〔0015〕〜〔0016〕、同11−217518号公報の段落番号〔0029〕〜〔0031〕に記載の化合物等が挙げられ、アセトフェノン系、ヒドロキシアセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサン系、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体、ベンジルジメチルケタール、アシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
上記有機過酸化化合物としては、例えば、特開2001−139663号公報の段落番号〔0019〕に記載の化合物等が挙げられる。
上記メタロセン化合物としては、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
上記ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3479185号明細書、同第4311783号明細書、同第4,622,286号明細書等のに記載の種々の化合物等が挙げられる。
上記有機ホウ素化合物としては、有機ホウ酸塩化合物が挙げられ、例えば、特許第2764769号明細書、特開2002−116539号公報等、及び、Kunz,Martin"Rad Tech'98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago"等に記載される有機ホウ酸塩記載される化合物があげられる。例えば、前記特開2002−116539号公報の段落番号〔0022〕〜〔0027〕記載の化合物が挙げられる。
他の有機ホウ素化合物として、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
上記スルホン化合物としては、特開平5−239015号公報に記載の化合物等、上記ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報に記載の一般式(II)及び一般式(III)で示される化合物等が挙げられる。
これらのラジカル発生化合物は、一種のみを添加しても、二種以上を併用してもよい。添加量としては、ラジカル重合性モノマーの全量に対し0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜25質量%、特に好ましくは1〜20質量%で添加することができる。この範囲において、防眩性ハードコート層用組成物の経時安定性が問題なく高い重合性となる。
次に、光重合開始剤として用いることができる光酸発生剤(L2)について詳述する。
光酸発生剤(L2)としては、光カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、或いは、マイクロレジスト等に使用されている公知の酸発生剤等、公知の化合物及びそれらの混合物等が挙げられる。
また、光酸発生剤(L2)として、例えば、有機ハロゲン化化合物、ジスルホン化合物、オニウム化合物が挙げられる。有機ハロゲン化合物、ジスルホン化合物のこれらの具体例は、前記ラジカルを発生する化合物の記載と同様のものが挙げられる。
オニウム化合物としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、イミニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、アルソニウム塩、セレノニウム塩等のオニウム塩が挙げられ、例えば特開2002−29162号公報の段落番号〔0058〕〜〔0059〕に記載の化合物等が挙げられる。
本発明において、特に好適に用いられる光酸発生剤(L2)としては、オニウム塩が挙げられ、中でも、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、イミニウム塩が、光重合開始の光感度、化合物の素材安定性等の点から好ましい。
本発明において、好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、例えば、特開平9−268205号公報の段落番号〔0035〕に記載のアミル化されたスルホニウム塩、特開2000−71366号公報の段落番号〔0010〕〜〔0011〕に記載のジアリールヨードニウム塩又はトリアリールスルホニウム塩、特開2001−288205号公報の段落番号〔0017〕に記載のチオ安息香酸S−フェニルエステルのスルホニウム塩、特開2001−133696号公報の段落番号〔0030〕〜〔0033〕に記載のオニウム塩等が挙げられる。
光酸発生剤(L2)の他の例としては、特開2002−29162号公報の段落番号〔0059〕〜〔0062〕に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、光分解してスルホン酸を発生する化合物(イミノスルフォネート等)等の化合物が挙げられる。
これらの酸発生剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの酸発生剤は、全カチオン重合性化合物の全質量100質量部に対し0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%の割合で添加することができる。添加量が上記範囲において、防眩性ハードコート層用組成物の安定性、重合反応性等から好ましい。
本発明の防眩性ハードコート層用組成物は、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の合計質量に対して、ラジカル重合開始剤を0.5〜10質量%及びカチオン重合開始剤を1〜10質量%の割合で含有していることが好ましい。より好ましくは、ラジカル重合開始剤を1〜5質量%、及びカチオン重合開始剤を2〜6質量%の割合で含有する。
本発明の防眩性ハードコート層用組成物には、紫外線照射により重合反応を行なう場合には、従来公知の紫外線分光増感剤、化学増感剤を併用してもよい。例えばミヒラーズケトン、アミノ酸(グリシンなど)、有機アミン(ブチルアミン、ジブチルアミンなど)等が挙げられる。
また、近赤外線照射により重合反応を行なう場合には、近赤外線分光増感剤を併用することが好ましい。
併用する近赤外線分光増感剤は、700nm以上の波長域の少なくとも一部に吸収帯を有する光吸収物質であればよく、分子吸光係数が10000以上の値を有する化合物が好ましい。更には、750〜1400nmの領域に吸収を有し、且つ分子吸光係数が20000以上の値が好ましい。また、420nm〜700nmの可視光波長域に吸収の谷があり、光学的に透明であることがより好ましい。近赤外線分光増感剤は、近赤外線吸収顔料及び近赤外線吸収染料として知られる種々の顔料及び染料を用いることができる。その中でも、従来公知の近赤外線吸収剤を用いることが好ましい。
市販の染料および文献(例えば、「化学工業」1986年5月号p.45−51の「近赤外吸収色素」、「90年代機能性色素の開発と市場動向」第2章2.3項(1990)シーエムシー)、「特殊機能色素」(池森・柱谷編集、1986年、(株)シーエムシー発行)、J.FABIAN、Chem.Rev.、92、p.1197−1226(1992)、日本感光色素研究所が1995年に発行したカタログ、Exciton Inc.が1989年に発行したレーザー色素カタログあるいは特許に記載されている公知の染料が利用できる。
2) 加水分解性官能基を含有する有機金属化合物、及びこの有機金属化合物の加水分解物および/または部分縮合物
本発明に用いる防眩性ハードコート層のマトリックスとして、加水分解可能な官能基を含有する有機金属化合物を用いてゾルゲル反応により塗布膜形成後に硬化された膜を形成することも好ましい。有機金属化合物としては、Si、Ti、Zr、Al等からなる化合物が挙げられる。加水分解可能な官能基な基としては、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、水酸基が挙げられ、特に、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。
好ましい有機金属化合物は、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物及びその部分加水分解物(部分縮合物)である。なお、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、容易に加水分解し、引き続いて脱水縮合反応が生じることは良く知られた事実である。
一般式(1):(Ram−Si(X)n
一般式(1)中、Raは、置換もしくは無置換の炭素数1〜30脂肪族基若しくは炭素数6〜14アリール基を表す。Xは、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子等)、OH基、ORb基、OCORb基を表す。ここで、Rbは置換もしくは無置換のアルキル基を表す。mは0〜3の整数を表す。nは1〜4の整数を表す。mとnの合計は4である。但し、mが0の場合は、XはORb基またはOCORb基を表す。
一般式(1)においてRaの脂肪族基としては、好ましくは炭素数1〜18(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ベンジル基、フェネチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル、ヘキセニル基、デセニル基、ドデセニル基等)が挙げられる。より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは1〜8のものである。
aのアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラニル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
置換基としては特に制限はないが、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アルコキシシリル基(トリメトキシシリル、トリエトキシシリル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、(メタ)アクリロイル等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が好ましい。
これらの置換基のうちで、更に好ましくは水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アルコキシシリル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基であり、特に好ましくはエポキシ基、重合性のアシルオキシ基((メタ)アクリロイル)、重合性のアシルアミノ基(アクリルアミノ、メタクリルアミノ)である。またこれら置換基は更に置換されていても良い。
bは置換もしくは無置換のアルキルを表す。アルキル基中の置換基の説明はRaと同じである。
mは0〜3の整数を表す。nは1〜4の整数を表す。mとnの合計は4である。mとして好ましくは0、1、2であり、特に好ましくは1である。mが0の場合は、XはORb基またはOCORb基を表す。
一般式(1)の化合物の含有量は、防眩性ハードコート層の全固形分の10〜80質量%が好ましく、より好ましくは20〜70質量%、特に好ましくは30〜50質量%である。
一般式(1)の化合物の具体例として、例えば特開2001−166104号公報段落番号[0054]〜[0056]記載の化合物が挙げられる。
防眩性ハードコート層において、マトリックスとして2)加水分解性官能基を含有する有機金属化合物、及びこの有機金属化合物の加水分解物および/または部分縮合物を使用する場合には、シラノール基を有することが好ましい。マトリックスがシラノール基を有することで、防眩性ハードコート層の物理強度、耐薬品性、耐候性がさらに改良される。
シラノール基は、例えば、防眩性ハードコート層形成用の塗布組成物を構成するマトリックス形成成分として、バインダー前駆体(硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)や重合開始剤、高屈折率無機微粒子の分散液に含有される分散剤と共に、架橋または重合性官能基を有する一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を該塗布組成物に配合し、この塗布組成物を透明支持体上に塗布して上記の分散剤、多官能モノマーや多官能オリゴマー、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を架橋反応または重合反応させることによりマトリックスに導入することができる。
上記の有機金属化合物を硬化させるための加水分解・縮合反応は、触媒存在下で行われることが好ましい。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸類、シュウ酸、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸などの有機酸類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基類、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基類、トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシチタネートなどの金属アルコキシド類、β−ジケトン類或いはβ−ケトエステル類の金属キレート化合物類等が挙げられる。具体的には、例えば特開2000−275403号公報中の段落番号[0071]〜[0083]記載の化合物等が挙げられる。
これらの触媒化合物の組成物中での割合は、有機金属化合物に対し、0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。反応条件は有機金属化合物の反応性により適宜調節されることが好ましい。
防眩性ハードコート層においてマトリックスは、特定の極性基を有することも好ましい。特定の極性基としては、アニオン性基、アミノ基、及び四級アンモニウム基が挙げられる。アニオン性基、アミノ基及び四級アンモニウム基の具体例としては、前記分散剤について述べたものと同様のものが挙げられる。
特定の極性基を有する防眩性ハードコート層のマトリックスは、例えば、防眩性ハードコート層形成用の塗布組成物に、透光性粒子、高屈折率無機超微粒子と分散剤を含む分散液(、及び導電性無機微粒子)を配合し、特定の極性基を有するバインダー前駆体(特定の極性基を有する硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーなど)と重合開始剤の組み合わせ及び特定の極性基を有し、かつ架橋または重合性官能基を有する一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の少なくともいずれかを配合し、さらに所望により特定の極性基と架橋または重合性官能基とを有する単官能性モノマーを配合し、該塗布組成物を透明支持体上に塗布して上記の分散剤、単官能性モノマー、多官能モノマーや多官能オリゴマー及び/または一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を架橋または重合反応させることにより得られる。
特定の極性基を有する単官能性モノマーは、塗布組成物の中で無機微粒子の分散助剤として機能する。さらに、塗布後、分散剤、多官能モノマーや多官能オリオリゴマーと架橋反応、または、重合反応させてマトリックスとすることで防眩性ハードコート層における透光性粒子、高屈折率無機超微粒子(及び導電性無機微粒子)を良好に均一な分散性を維持し、物理強度、耐薬品性、耐候性に優れた防眩性ハードコート層を作製することができる。
アミノ基または四級アンモニウム基を有する単官能性モノマーの分散剤に対する使用量は、0.5〜50質量%であることが好ましく、さらに好ましくは1〜30質量%である。防眩性ハードコート層の塗布と同時または塗布後に、架橋または重合反応によってマトリックスを形成すれば、防眩性ハードコート層の塗布前に単官能性モノマーを有効に機能させることができる。
また、本発明の防眩性ハードコート層のマトリックスとして、前記した有機バインダーの(イ)に相当し、従来公知の架橋または重合性官能基を含有する有機ポリマーから硬化・形成されたものが挙げられる。防眩性ハードコート層形成後のポリマーが、さらに架橋または重合している構造を有することが好ましい。ポリマーの例には、ポリオレフィン(飽和炭化水素から成る)、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミドおよびメラミン樹脂が含まれる。なかでも、ポリオレフィン、ポリエーテルおよびポリウレアが好ましく、ポリオレフィン及びポリエーテルがさらに好ましい。硬化前の有機ポリマーとしての質量平均分子量は1×103〜1×106が好ましく、より好ましくは3×103〜1×105である。
硬化前の有機ポリマーは、前記の内容と同様の特定の極性基を有する繰り返し単位と、架橋または重合構造を有する繰り返し単位とを有する共重合体であることが好ましい。ポリマー中のアニオン性基を有する繰り返し単位の割合は、全繰り返し単位中の0.5〜99質量%であることが好ましく3〜95質量%であることがさらに好ましく、6〜90質量%であることが最も好ましい。繰り返し単位は、二つ以上の同じでも異なってもよいアニオン性基を有していてもよい。
シラノール基を有する繰り返し単位を含む場合、その割合は、2〜98mol%であることが好ましく、4〜96mol%であることがさらに好ましく、6〜94mol%であることが最も好ましい。
アミノ基または四級アンモニウム基を有する繰り返し単位を含む場合、その割合は、0.1〜50質量%であることが好ましく、更には0.5〜30質量%が好ましい。
なお、シラノール基、アミノ基、及び四級アンモニウム基は、アニオン性基を有する繰り返し単位あるいは架橋または重合構造を有する繰り返し単位に含まれていても、同様の効果が得られる。
ポリマー中の架橋または重合構造を有する繰り返し単位の割合は、1〜90質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがさらに好ましく、8〜60質量%であることが最も好ましい。
バインダーが架橋または重合してなるマトリックスは、防眩性ハードコート層形成用の塗布組成物を透明支持体上に塗布して、塗布と同時または塗布後に、架橋または重合反応によって形成することが好ましい。
<防眩性ハードコート層の他の組成物>
本発明の防眩性ハードコート層は、更に用途・目的によって適宜他の化合物を添加することが出来る。例えば、本発明の防眩性反射防止フィルムは防眩性ハードコート層の上に低屈折率層を有しており、他の添加化合物を含有した防眩性ハードコート層の屈折率を適切に調整するために、芳香環、フッ素以外のハロゲン化元素(例えば、Br,I,Cl等)、S,N,P等の原子を含有する硬化性化合物などの架橋または重合反応で得られるバインダーもマトリックスとして好ましく用いることができる。これらを含有すると、有機化合物の屈折率が高くなる。
防眩性ハードコート層には、前記の成分(透光性粒子、高屈折率無機超微粒子、導電性無機微粒子、重合開始剤、増感剤など)以外に、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等を含有することも好ましい。特に、コロイダルシリカが好ましい。これにより膜の強度がより向上する。さらには、樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、導電性の金属微粒子等を添加することもできる。
<防眩性ハードコート層の形成>
防眩性ハードコート層は、後述する透明支持体上に直接、又は、他の層を介して上述の防眩性ハードコート層用組成物の塗布液を塗布して構築することが好ましい。
本発明の防眩性ハードコート層用塗布液は、透光性粒子、高屈折率無機超微粒子(「特定の酸化物」および/または「特定の複酸化物」超微粒子分散物)、マトリックス用組成物、必要に応じて用いる添加剤を塗布用分散媒に各々所定の濃度に混合・希釈して調整される。
塗布に用いる塗布液は、塗布前に濾過することが好ましい。濾過のフィルターは、塗布液中の成分が除去されない範囲でできるだけ孔径の小さいものを使うことが好ましい。濾過には絶対濾過精度が0.1〜100μmのフィルタが用いられ、さらには絶対濾過精度が0.1〜25μmであるフィルタを好ましく用いることができる。フィルタの厚さは、0.1〜10mmが好ましく、更には0.2〜2mmが好ましい。その場合、濾過圧力は15kgf/cm2 以下、より好ましくは10kgf/cm2 以下、更には2kgf/cm2 以下で濾過することが好ましい。
濾過フィルター部材は、塗布液に影響を及ぼさなければ特に限定されない。具体的には、前記した高屈折率無機超微粒子の湿式分散物の濾過部材と同様のものが挙げられる。
又、濾過した塗布液を、塗布直前に超音波分散して、脱泡、分散物の分散保持を補助することも好ましい。
本発明において、防眩性ハードコート層は、後述する透明支持体上に本発明の防眩性ハードコート層形成用組成物をディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法やエクストルージョンコート法等の公知の薄膜形成方法で塗布し、乾燥、光及び/又は熱照射することにより作製することができる。好ましくは、光照射による硬化が、迅速硬化することから有利である。更には、光硬化処理の後半で加熱処理することも好ましい。乾燥は室温付近の低温で送風乾燥してもよく、加熱して乾燥してもよい。加熱する場合の温度は、40〜180℃であり、80〜150℃が好ましい。乾燥時間は0.5〜60分が好ましい。
光照射の光源は、紫外線光域或いは近赤外線光のものであればいずれでもよく、紫外線光の光源として、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、メタルハライド灯、キセノン灯、太陽光等が挙げられる。波長350〜420nmの入手可能な各種レーザー光源をマルチビーム化して照射してもよい。また、近赤外光光源としてはハロゲンランプ、キセノンランプ、高圧ナトリウムランプが挙げられ、波長750〜1400nmの入手可能な各種レーザー光源をマルチビーム化して照射してもよい。
近赤外光光源を用いる場合、紫外線光源と組み合わせて用いる、或は防眩性ハードコート層塗設側と反対の支持体面側より光照射しても良い。塗膜層内の深さ方向での膜硬化が表面近傍と遅滞無く進行し均一な硬化状態の硬化膜が得られる
光照射による光ラジカル重合の場合は、空気又は不活性気体中で行なうことができるが、ラジカル重合性モノマーの重合の誘導期を短くするか、又は重合率を十分に高める等のために、できるだけ酸素濃度を少なくした雰囲気とすることが好ましい。照射する紫外線の照射強度は、0.1〜100mW/cm2程度が好ましく、塗布膜表面上での光照射量は100〜1000mJ/cm2が好ましい。また、光照射工程での塗布膜の温度分布は、均一なほど好ましく、±3℃以内が好ましく、更には±1.5℃以内に制御されることが好ましい。この範囲において、塗布膜の面内及び層内深さ方向での重合反応が均一に進行するので好ましい。
防眩性ハードコート層はJIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、JIS K6902に従うテーバー試験で、試験前後の防眩性ハードコート層塗設の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
<低屈折率層>
本発明の防眩性反射防止フィルムは、透明支持体上に設けた防眩性ハードコート層の上に低屈折率層を順次積層して形成される。低屈折率層の屈折率は、1.35以上1.5未満であり、好ましくは1.38以上1.49以下、更に好ましくは1.38以上1.44以下の範囲にある。
耐傷性、防汚性を有する最外層として構築することが好ましい。耐傷性を大きく向上させる手段として表面への滑り性付与が有効で、従来公知のシリコーンの導入、フッ素の導入等から成る薄膜層の手段を適用できる。
本発明の低屈折率層は、含フッ素化合物を主体として形成することが好ましい。
本発明において、「含フッ素化合物を主体とする」とは、低屈折率層中に含まれる含フッ素化合物が低屈折率層の全質量に対し、50質量%以上であることを意味し、60質量%以上含まれることがより好ましい。
含フッ素化合物の屈折率は1.35以上1.50未満であることが好ましい。より好ましくは1.36〜1.47である。また、含フッ素化合物はフッ素原子を35〜80質量%の範囲で含むことが好ましい。
含フッ素化合物には、含フッ素ポリマー、含フッ素界面活性剤、含フッ素エーテル、含フッ素シラン化合物等が挙げられる。具体的には、例えば特開平9−222503号公報段落番号[0018]〜[0026]、同11−38202号公報段落番号[0019]〜[0030]、同2001−40284号号公報段落番号[0027]〜[0028]等の記載の化合物等が挙げられる。
含フッ素ポリマーとしてフッ素原子を含む繰り返し構造単位、架橋性若しくは重合性の官能基を含む繰り返し構造単位、それ以外の置換基からなる繰り返し構造単位からなる共重合体が好ましい。架橋性若しくは重合性の官能基は、前記の防眩性ハードコート層用素材のものと同様のものが挙げられる。
其の他の繰り返し構造単位としては、塗布溶剤可溶化のために炭化水素系共重合成分が好ましく、20〜70質量%程度導入したフッ素系ポリマーが好ましい。この際には、シリコーン化合物と組み合わせることでが好ましい。
シリコーン化合物としてはポリシロキサン構造を有する化合物であり、高分子鎖中に硬化性官能基あるいは重合性官能基を含有して、膜中で橋かけ構造をを有するものが好ましい。例えば、上市品のサイラプレーン(チッソ(株)製等)等の反応性シリコーン、特開平11−258403号公報に記載のポリシロキサン構造の両末端にシラノール基含有の化合物等が挙げられる。
シリコーン化合物の含有量は、低屈折率層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。
架橋又は重合性基を有する含フッ素ポリマーの架橋又は重合反応は、低屈折率層を形成するための塗布組成物を塗布と同時または塗布後に光照射や加熱することにより実施することが好ましい。重合開始剤、増感剤等が、前記防眩性ハードコート層で使用のものと同様のものが挙げられる。
又低屈折率層として、シランカップリング剤と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化するゾルゲル硬化膜も好ましい。
例えば、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物またはその部分加水分解縮合物(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報等記載の化合物)、特開平9−157582号公報記載のパーフルオロアルキル基含有シランカップリング剤、フッ素含有長鎖基であるポリ「パーフルオロアルキルエーテル」基を含有するシリル化合物(特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)等が挙げられる。
低屈折率層は、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、無機微粒子や有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤(ジメチルシリコンなどのシリコン化合物等)、界面活性剤等を含有することができる。特に、無機微粒子、シランカップリング剤、滑り剤を含有することが好ましい。
無機微粒子としては、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム,フッ化バリウム)等の低屈折率化合物が好ましい。特に好ましいには二酸化珪素(シリカ)である。無機微粒子の一次粒子の重量平均径は、1〜150nmであることが好ましく、3〜100nmであることがさらに好ましく、1〜80nmであることが最も好ましい。無機微粒子は、より微細に分散されていることが好ましい。無機微粒子の形状は米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、短繊維状、リング状、あるいは不定形状であることが好ましい。
本発明の低屈折率層は、表面の動摩擦係数が0.25以下であることが好ましい。ここで記載した動摩擦係数は、直径5mmのステンレス剛球に0.98Nの荷重をかけ、速度60cm/分で表面を移動させたときの、表面と直径5mmのステンレス剛球の間の動摩擦係数をいう。好ましくは0.17以下であり、特に好ましくは0.15以下である。
又、最表面の水に対する接触角が90゜以上であることが好ましい。更に好ましくは95゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
又、低屈折率層は、従来公知の気相法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等)により形成されても良い。安価に製造できる点で、上記の塗布法が好ましい。気相法で形成の低屈折率層の場合には、フィルム表面に防汚性を保持するために最上層として上記したと同一の内容の含フッ素樹脂硬化膜が設けられる。
低屈折率層の層厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
低屈折率層のヘイズは、低いほど好ましい。5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが特に好ましい。
低屈折率層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、JIS K6902に従うテーバー試験での摩耗量、表面の動摩擦係数、水との接触角は、最上層と同様の性能が好ましい。
<ハードコート層>
ハードコート層は、防眩性反射防止フィルムに物理強度を付与するために、透明支持体の表面に設ける。特に、透明支持体と前記防眩性ハードコート層の間に設けることが好ましい。
ハードコート層は、光及び/又は熱の硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、多官能モノマーや多官能オリゴマー或いは加水分解性官能基含有の有機金属化合物を含む塗布組成物を透明支持体上に塗布し、硬化性化合物を架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。
硬化性官能基としては、熱及び/又は光重合性官能基が好ましく、ラジカル重合性基(例えば、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニルエステル基等)、カチオン重合性基(例えば、エポキシ基、チオエポキシ基、ビニルオキシ基、オキセタニル基等)が挙げられる。又、加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。具体的には、防眩性ハードコート層のマトリックスと同様の内容のものが挙げられる。
ハードコート層は、一次粒子の平均粒径が300nm以下の無機微粒子を含有することが好ましい。より好ましくは10〜150nmであり、さらに好ましくは20〜100nmである。ここでいう平均粒径は重量平均径である。一次粒子の平均粒径を200nm以下にすることで透明性を損なわないハードコート層を形成できる。
無機微粒子はハードコート層の硬度を高くすると共に、塗布層の硬化収縮を抑える機能がある。また、ハードコート層の屈折率を制御する目的にも添加される。
ハードコート層における無機微粒子の含有量は、ハードコート層の全質量に対し10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜80質量%である。
ハードコート層は、前記の導電性無機微粒子を含有することもできる。ハードコート層における導電性無機微粒子の含有量は、ハードコート層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜70%であり、特に好ましくは30〜60%である。
ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば特開2000−9908号公報、国際公開00/46617号パンフレット等に記載の内容のもが挙げられる。
塗布溶媒としては、防眩性ハードコート層で例示したケトン系溶剤であることが好ましい。ケトン系溶剤を用いることで、透明支持体(特に、トリアセチルセルロース支持体)の表面とハードコート層との接着性がさらに改良する。
特に好ましい塗布溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等が上げられる。塗布溶媒は、防眩性ハードコート層で例示したケトン系溶媒以外の溶媒を含んでいてもよい。
塗布溶媒には、ケトン系溶媒の含有量が塗布組成物に含まれる全溶媒の10質量%以上であることが好ましい。好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
ハードコート層の形成は、前記した防眩性ハードコート層の形成と同様の内容にしたがって塗布方式で形成されるのが好ましい。
ハードコート層の層厚は用途により適切に設計することができる。ハードコート層の層厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7μm、特に好ましくは0.7〜5μmである。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、JIS K6902に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
<その他の層>
本発明の防眩性反射防止フィルムには、さらに、プライマー層、防湿層、下塗り層や保護層、シールド層、滑り層を設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
<透明支持体>
防眩性反射防止フィルムをCRT画像表示面やレンズ表面に直接設ける場合を除き、防眩性反射防止フィルムは透明支持体(透明基材)を有することが好ましい。透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4乃至1.7であることが好ましい。透明支持体としては、ガラス板よりもプラスチックフィルムの方が好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4、4'−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトン等が挙げられる。セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレート等が好ましい。
本発明のプラスチックフィルムとしては、セルロースアシレートフィルムが好ましく、セルロースからエステル化してセルロースアシレートが作製される。特に好ましい前述のセルロースがそのまま利用できる訳ではなく、リンター、ケフナー、パルプを精製して用いられる。
本発明において、セルロースアシレートとはセルロースの脂肪酸エステルのことであるが、特に、低級脂肪酸エステルが好ましい。
低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数が2乃至4のセルロースアシレートが好ましい。セルローストリアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いることも好ましい。
これらの有機基材を構成する有機高分子に、公知の添加剤(例えば、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑り剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等)を含有させたものも使用することができる。これらの詳細は、発明協会公開技法(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。これらの添加剤の添加量は、基材の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。
特に液晶表示装置や有機EL表示装置等に用いるために本発明の防眩性反射防止フィルムを偏光板の表面保護フィルムの片側として用いる場合にはトリアセチルセルロースが好ましく用いられる。トリアセチルセルロースフィルムとしては、公開技報番号2001−1745にて公開されたものが好ましく用いられる。また、平面CRTやPDP等に用いるためにガラス基板等に張り合わせて用いる場合にはポリエチレンテレフタレート、あるいはポリエチレンナフタレートが好ましい。
<防眩性反射防止フィルムの形成>
本発明の防眩性反射防止フィルムの各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書記載)により、塗布により形成することができる。二層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
本発明の防眩性反射防止フィルムにおいては、少なくとも防眩性ハードコート層と低屈折率層を積層するので、ゴミ、ほこり等の異物が存在したとき、輝点欠陥が目立ちやすい。本発明における輝点欠陥とは、前記したように目視により、塗膜上の反射で見える欠陥のことで、塗布後の防眩性反射防止フィルムの裏面を黒塗りする等の操作により目視で検出できる。目視により見える輝点欠陥は、一般的に50μm以上である。輝点欠陥が多いと製造時の得率が低下し、大面積の防眩性反射防止フィルムを製造することができない。
本発明の防眩性反射防止フィルムは、輝点欠陥の数が1平方メートル当たり20個以下、好ましくは10個以下、さらに好ましくは5個以下、特に好ましくは1個以下とする。
本発明の防眩性反射防止フィルムを連続的に製造するために、ロール状の支持体フィルムを連続的に送り出す工程、塗布液を塗布・乾燥する工程、塗膜を硬化する工程、硬化した層を有する支持体フィルムを巻き取る工程が行われる。
ロール状のフィルム支持体からフィルム支持体がクリーン室に連続的に送り出され、クリーン室内で、フィルム支持体に帯電している静電気を静電除電装置により除電し、引き続きフィルム支持体上に付着している異物を、除塵装置により除去する。引き続きクリーン室内に設置されている塗布部で塗布液がフィルム支持体上に塗布され、塗布されたフィルム支持体は乾燥室に送られて乾燥される。
乾燥した塗布層を有するフィルム支持体は乾燥室から放射線硬化室へ送り出され、放射線が照射されて塗布層に含有されるモノマーが重合して硬化する。さらに、放射線により硬化した層を有するフィルム支持体は熱硬化部へ送られ、加熱されて硬化を完結させ、硬化が完結した層を有するフィルム支持体は巻き取られてロール状となる。
上記工程は、各層の形成毎に行ってもよいし、塗布部−乾燥室−放射線硬化部−熱硬化室を複数設けて、各層の形成を連続的に行うことも可能である。
本発明における、輝点欠陥の少ない防眩性反射防止フィルムを作成するためには、前記したように防眩性ハードコート層用塗布物中の高屈折率無機超微粒子分散度を精密に制御すること、及び塗布液の精密濾過操作が挙げられる。これと同時に、防眩性反射防止フィルムを形成する各層は上記の塗布部における塗布工程および乾燥室で行われる乾燥工程が高い清浄度の空気雰囲気下で行われ、かつ塗布が行われる前に、フィルム上のゴミ、ほこりが充分に除かれていることが好ましい。塗布工程および乾燥工程の空気清浄度は、米国連邦規格209Eにおける空気清浄度の規格に基づき、クラス10(0.5μm以上の粒子が353個/(立方メートル)以下)以上であることが望ましく、更に好ましくはクラス1(0.5μm以上の粒子が35.5個/(立方メートル)以下)以上であることが望ましい。また、空気清浄度は、塗布−乾燥工程以外の送り出し、巻き取り部等においても高いことがより好ましい。
塗布が行われる前工程としての除塵工程に用いられる除塵方法として、特開昭59−150571号公報に記載のフィルム表面に不織布や、ブレード等を押しつける方法、特開平10−309553号公報に記載の清浄度の高い空気を高速で吹き付けて付着物をフィルム表面から剥離させ、近接した吸い込み口で吸引する方法、特開平7−333613号公報に記載される超音波振動する圧縮空気を吹き付けて付着物を剥離させ、吸引する方法(伸興社製、ニューウルトラクリーナー等)等の乾式除塵法が挙げられる。また、洗浄槽中にフィルムを導入し、超音波振動子により付着物を剥離させる方法、特公昭49−13020号公報に記載されているフィルムに洗浄液を供給したあと、高速空気の吹き付け、吸い込みを行なう方法、特開2001−38306号公報に記載のように、ウェブを液体でぬらしたロールで連続的に擦った後、擦った面に液体を噴射して洗浄する方法等の湿式除塵法を用いることができる。このような除塵方法の内、超音波除塵による方法もしくは湿式除塵による方法が、除塵効果の点で特に好ましい。
また、このような除塵工程を行う前に、フィルム支持体上の静電気を除電しておくことは、除塵効率を上げ、ゴミの付着を抑える点で特に好ましい。このような除電方法としては、コロナ放電式のイオナイザ、UV、軟X線等の光照射式のイオナイザ等を用いることができる。除塵、塗布前後のフィルム支持体の帯電圧は、1000V以下が望ましく、好ましくは300V以下、特に好ましくは、100V以下である。
<防眩性反射防止フィルムの特性>
防眩性反射防止フィルムの反射率は低いほど好ましい。具体的には450〜650nmの波長領域での平均反射率が2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.7%以下であることが最も好ましい。又、本発明の防眩性反射防止フィルムは、輝点欠陥の数が1平方メートル当たり20個以下、好ましくは10個以下、さらに好ましくは5個以下、特に好ましくは1個以下である。
防眩性反射防止フィルムの強度は、JISK−6902に基づくテーバー磨耗試験における磨耗性は前記した値である。又、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上てあることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
<防眩性ハードコート層、及び防眩性反射防止フィルムの耐候性>
前記した「特定の酸化物」、「特定の複酸化物」から選ばれる高屈折率無機超微粒子を含有する本発明の防眩性ハードコート層、及び防眩性反射防止フィルムにおいて、JISK5600−7−7:1999に基づく促進耐候性試験による耐候性について説明する。具体的には、150時間処理後の性能は、以下に示すような優れたものとなる。
(防眩性ハードコート層)
上記の促進耐候性試験後のヘイズは耐候試験前のヘイズに対し、増加幅が10%以内である。
又、JISK−6902に基づくテーバー磨耗試験における磨耗量の増加幅は10%以内である。
(防眩性反射防止フィルム)
上記の促進耐候性試験後のヘイズは耐候試験前のヘイズに対し、増加幅が10%以内であり且つ最大のヘイズが3%を越えないものである。又、JISK−6902に基づくテーバー磨耗試験における磨耗量の増加幅は10%以内であった。
更に、促進耐候性試験後の防眩性反射防止フィルムとしての50μm以上の大きさの輝度欠陥の数は、1平方メートル当たり20個以下、好ましくは10個以下である。
上記したような耐候試験後の各特性値は、実質上の表示画像品位,及び実質上のフィルムの機械的な耐久性に影響しない範囲であり、本発明の耐候性は極めて良好なものである。
<防眩性反射防止フィルムの防眩性>
本発明に用いる防眩性反射防止フィルムは、防眩性ハードコート層を有する側の表面に凹凸を形成している。その表面形状は、1)防眩性や内部散乱性を付与する透光性粒子の素材種、粒径、添加量、2)更にはマトリックス、あるいはマトリックスと高屈折率無機超微粒子(および導電性無機微粒子)の複合体から成る防眩性ハードコート層の厚み、3)塗布液の溶剤組成、4)Wet塗布量、5)乾燥条件、6)電離放射線硬化樹脂に対する硬化条件など、が制御因子として挙げることができ、この中で1)、2)の影響が大きい。
防眩性は表面の平均表面粗さ(Ra)と相関している。表面の凹凸は100cm2の面積の中からランダムに1mm2を取り出し、取り出した表面の1mm2の面積当たりに対し、平均表面粗さ(Ra)が0.01〜0.5μmであることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.3μm、更に好ましくは0.05〜0.25μmである。
又、他の好ましい態様としての異種粒径の透光性粒子を用いる本発明の防弦性反射防止フィルムの表面突起形状は、突起傾斜角度分布の角度の小さい側から95%頻度の角度とよく相関がある。好ましくは20°未満、より好ましくは15°未満、更に好ましくは13°未満である。
また、防眩性によく相関する、平均の表面突起傾斜角度は、より好ましくは1〜5°、より好ましくは1.5〜4.5°、更に好ましくは2〜4°である。更に、表面突起形状における突起間の平均距離(Sm)は30μm以上70μm未満、より好ましくは、40μm以上60μm未満の範囲が好ましい。
上記したような範囲において、「ざらつき感」のない「黒の締り感」がより一層良好となる表示画像が得られる。
本発明において、傾斜角度は以下の方法で決定される。すなわち、面積が0.5乃至2平方ミクロンである三角形の頂点を透明基材面に仮定し、その点から鉛直上向きに伸ばした3つの垂線が防弦性反射防止フィルム表面と交わる3点によって形成される三角形の面の法線が、基材から鉛直上向きに伸ばした垂線となす角を表面の傾斜角度とし、そのときに基材上で0.25平方ミリメートル以上の面積を該三角形に分割して測定した時の全測定点の数に対して、傾斜角度が10°以上である割合を求める。
傾斜角度を測定する方法をさらに詳細に述べる。図1にあるように、基材上の3点A、B、Cから鉛直上向きに垂線を伸ばし、その3点が表面と交わった点をA’、B’、C’とする。三角形A’B’C’面の法線D−D’が、基材から鉛直上向きに伸ばした垂線O−O’と為す角度θを傾斜角度とする。測定面積は基材上で0.25平方ミリメートル以上が好ましく、この面を基材上で三角形に分割して測定し、求めた傾斜角度を平均して表面の平均傾斜角度を求める。測定する装置はいくつかあるが、一例を述べる。装置はマイクロマップ社(米国)製SXM520−AS150型を用いた場合を説明する。例えば対物レンズが10倍の時、傾斜角度の測定単位は0.85平方ミクロン単位であり、測定範囲は0.48平方ミリである。対物レンズの倍率を大きくすれば、それに合わせて測定単位と測定範囲は小さくなる。測定データはMAT−LAB等のソフトを用いて解析し、傾斜角度分布を算出することができる。これにより傾斜角度が10°以上の割合を容易に求めることができる。
更に、例えば、特開2002−82207号公報等に記載の低屈折率層中に微粒子を使用し、それにより低屈折率層自身の膜表面に更に微細な凹凸を形成する方法も好ましい。
<偏光板用保護フィルム>
本発明の防眩性反射防止フィルムを偏光膜の保護フイルム(偏光板用保護フイルム)として用いる場合、防眩性ハードコート層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が40°以下として、偏光膜との接着性を充分とすることが好ましい。
透明支持体としては、トリアセチルセルロースフィルムを用いることが特に好ましい。
本発明における偏光板用保護フィルムを作製する手法としては、下記2つの手法が挙げられる。
(1)鹸化処理した透明支持体の一方の面に上記の各層(例、ハードコート層、防眩性ハードコート層、低屈折率層等)を塗設する手法。
(2)透明支持体の一方の面に上記の各層(例、ハードコート層、防眩性ハードコート層、低屈折率層など)を塗設した後、偏光膜と貼り合わせる側を鹸化処理する手法。
さらにまた、防眩性反射防止フィルムの偏光膜と貼り合わせる側の透明支持体の表面に鹸化処理液を塗布して、偏光膜と貼り合わせる側を鹸化処理することもできる。
偏光板用保護フィルムは、光学性能(反射防止性能、防眩性能など)、物理性能(耐傷性など)、耐薬品性、防汚性能(耐汚染性など)、耐候性(耐湿熱性、耐光性)において、本発明の防眩性反射防止フィルムで記載した性能を満足することが好ましい。
<表面処理>
透明支持体の表面は、ハードコート層または防眩性ハードコート層との密着性を挙げるために、これらの層を設ける前に親水化処理を行うことが好ましい。透明支持体の表面の親水化処理は、公知の方法で行うことが出来る。例えば、コロナ放電処理、グロー放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、オゾン処理、酸処理、アルカリ処理等で該フィルム表面を改質する方法が挙げられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報公技番号2001−1745号p.30−32に詳細に記載されている。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアセテートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
アルカリ液の中に透明支持体、又は、防眩性反射防止フィルムを適切な時間浸漬或いはアルカリ液を塗布して鹸化処理するのが好ましい。アルカリ液及び処理は、特開2002−82226号公報、国際公開第02/46809号パンフレットに記載の内容が挙げられる。鹸化処理のフィルム表面の水に対する接触角が45゜以下になるように実施することが好ましい。
偏光板用保護フィルムは、透明支持体の親水化された表面を偏光膜と接着させて使用する。
<偏光板>
本発明の好ましい偏光板は、偏向膜の保護フイルム(偏光板用保護フイルム)の少なくとも一方に、本発明の防眩性反射防止フイルムを有する。偏光板用保護フイルムは、上記のように、防眩性ハードコート層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が40°以下であることが好ましい。
本発明の防眩性反射防止フイルムを偏光板用保護フイルムとして用いることにより、反射防止機能を有する偏光板が作製でき、大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
また、本発明の防眩性反射防止フイルムを偏光板用保護フイルムの一方に、後述する光学異方性のある光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムのもう一方に用いた偏光板を作製することにより、さらに、液晶表示装置の明室でのコントラストを改良し、上下左右の視野角が非常に広げることができる偏光板を作製できる。
<光学補償フィルム>
光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号に記載されているディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学補償層を有し、該ディスコティック化合物と支持体とのなす角度が層の深さ方向において変化していることを特徴とする光学補償フィルムが好ましい。
該角度は光学異方性層の支持体面側からの距離の増加とともに増加していることが好ましい。
光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムとして用いる場合、偏光膜と貼り合わせる側の表面が鹸化処理されていることが好ましく、前記の鹸化処理に従って実施することが好ましい。
<画像表示装置>
防眩性反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。防眩性反射防止フィルムは、防眩性反射防止フィルムの透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。
本発明に用いる防眩性反射防止フィルム、及び、偏光板は、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
また、透過型または半透過型の液晶表示装置に用いる場合には、市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、さらに視認性の高い表示装置を得ることができる。
又、λ/4板と組み合わせることで、反射型液晶用の偏光板や、有機ELディスプレイ用表面保護板として表面および内部からの反射光を低減するのに用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれによっていささかも限定して解釈されるものではない。
[高屈折率無機超微粒子分散物(PL)の調製]
(高屈折率無機超微粒子分散物(PL−1)の調製)
コバルトを含有する二酸化チタン微粒子(MPT−129、石原産業(株)製)(P−1)100g、下記構造の分散剤(D−1)25g、重合禁止剤2,4−ジ−t−ブチルハイドロキノン0.05質量部及びシクロヘキサノン285gを、粒径0.1mmのジルコニアビーズ(YTZボール、(株)ニッカトー製)と共に、ダイノミルにより分散した。分散温度は35〜40℃で8時間実施した。200メッシュのナイロン布でビーズを分離して、高屈折率無機超微粒子分散物(PL−1)を調製した。
得られた分散物の分散粒径は、走査型電子顕微鏡で測定した所、単分散性良好な平均粒径30nmの粒子であった。
又、分散物の粒度分布を測定した(レーザー解析・散乱粒子径分布測定装置LA−920.堀場製作所製)結果、粒径100nm以上の粒子は0%であった。
Figure 2005070318
又、得られた分散物を一ヶ月間放置した後の性状を調べた所、分散物に沈殿発生は見られず、分散粒子の粒径は経時前と同じであり、100nm以上の粒子も0%であった。
(高屈折率無機超微粒子分散物(PL−2)の調製)
二酸化チタン粒子(P−2)の作製:特開平5−330825号公報の実施例(段落番号[0014]の3〜17行)に基づいて、鉄(Fe)を塩化コバルト(III)に変更した以外は同公報と同様にして、二酸化チタン粒子の中にコバルトをドープしたコバルト含有の二酸化チタン微粒子を作製した。
コバルトのドープ量は、Ti/Co(質量比)で、98.5/1.5となるようにした。
作製した二酸化チタン粒子は、ルチル型の結晶構造が認められ、1次粒子の平均粒子サイズが40nm、比表面積が44m2/gであった。
高屈折率無機超微粒子分散物(PL−2):上記酸化物微粒子(P−2)100g、下記構造の分散剤(D−2)20g、及びシクロヘキサノン360gを添加して、粒径0.1mmのジルコニアビーズと共にダイノミルにより分散した。分散温度は35〜40℃で6時間実施した。100nm以上の粒径が0%の平均径30nmの高屈折率無機超微粒子分散物(PL−2)を調製した。
Figure 2005070318
(高屈折率無機超微粒子分散物(PL−3)の調製)
二酸化チタン粒子(P−3)の作製:特開平5−330825号公報の実施例(段落番号[0014]の3〜17行)に基づいて、鉄(Fe)を硝酸ジルコニル(ZrO(NO3)2)に変更した以外は同様にして、二酸化チタン粒子の中にジルコニウムをドープしたジルコニウム含有の二酸化チタン微粒子を作製した。ジルコニウムのドープ量は、Ti/Zr(質量比)で、97.5/2.5となるようにした。
作製した二酸化チタン粒子は、ルチル型の結晶構造が認められ、1次粒子の平均粒子サイズが40nm、比表面積が39m2/gであった。
高屈折率無機超微粒子分散物(PL−3):上記酸化物微粒子(P−3)100gに、下記分散剤(D−3)20g、およびシクロヘキサノン480gを添加して、粒径0.1mmのジルコニアビーズを用いてダイノミルにより分散した。分散温度は40〜45℃で分散時間6時間実施し高屈折率無機超微粒子分散物(PL−3)を調製した。得られた分散物の分散粒子の平均径は35nmで、100nm以上の粒子は0%であった。
Figure 2005070318
(高屈折率無機超微粒子分散物(PL−4)の調製)
二酸化チタン粒子(P−4)の作製:特開平5−330825号公報の実施例(段落番号[0014]の3〜17行)に基づいて、鉄(Fe)を塩化コバルト(III)と塩化アルミニウムに変更した以外は同様にして、二酸化チタン粒子の中にコバルトとアルミニウムをドープしたコバルト,アルミニウム含有の二酸化チタン微粒子を作製した。コバルトとアルミニウムのドープ量は、Ti/Co/Al(質量比)で、97.5/1.25/1.25となるようにした。
作製した二酸化チタン粒子は、ルチル型の結晶構造が認められ、1次粒子の平均粒子サイズが30nm、比表面積が39m2/gであった。
高屈折率無機超微粒子分散物(PL−4):上記酸化物微粒子(P−4)100gに、下記分散剤(D−4)22g、およびシクロヘキサノン366gを添加して、粒径0.1mmのジルコニアビーズを用いてダイノミルにより分散した。分散温度は40〜45℃で分散時間6時間実施し高屈折率無機超微粒子分散物(PL−4)を調製した。得られた分散物の分散粒子の平均径は35nmで100nm以上の粒子は0%であった。
Figure 2005070318
(高屈折率無機超微粒子分散物(PL−5)の調製)
上記酸化物微粒子(P−1)92g、下記構造のチタニウム含有化合物 31g及びメチルイソブチルケトン 337gの混合物をサンドミル(1/4Gのサンドミル)にて1600rpm、6時間微細分散した。メディアは0.2mmΦのジルコニアビーズを用いた。ここに1N塩酸0.1gを添加し、窒素雰囲気下で80℃に昇温した、更に4時間攪拌し高屈折率無機超微粒子分散物(PL−5)を調製した。得られた表面処理した酸化物微粒子の粒径は35nmだった。又、100nm以上の粒子は0%であった。
Figure 2005070318
(高屈折率無機超微粒子分散物(PL−6)の調製)
Coイオンを3質量%含有のTiとZrの複酸化物[Ti/Ti+Zr=0.80質量比(酸化物換算)]微粒子(P−5)100gに、下記構造の分散剤(D−5)18g、重合禁止剤t−ブチルヒドロキノン0.1g、及びメチルイソブチルケトン354gを粒径0.1mmのジルコニアビーズを用いてダイノミルにより分散した。分散温度は40〜45℃で分散時間6時間実施し高屈折率無機超微粒子分散物(PL−6)を調製した。得られた分散物の分散粒子の平均径は35nmで、100nm以上の粒子は0%であった。
Figure 2005070318
実施例1及び比較例1〜2
(ハードコート層用塗布液(H−1)の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)315.0gに、平均一次粒径20nmのシリカ微粒子のメチルエチルケトン分散液(MEK−ST、固形分濃度30質量%、日産化学(株)製)450.0g、メチルエチルケトン15.0g、シクロヘキサノン220.0g、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)16.0g、を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用の塗布液(H−1)を調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−1)の調製)
多官能性アクリレートDPHA、270.6gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒439gに溶解し、得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液に、上記の高屈折率無機超微粒子分散物(PL−1)555.4g及び平均粒径3μmの架橋型ポリスチレン(SX−300H、綜研化学(株)製)11.1gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液(AGL−1)を調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−2)の調製)
防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−1)において、DHPMAを211.5gとし、又、上記の高屈折率無機超微粒子分散物(PL−1)555.4gの代わりに上記の高屈折率無機超微粒子分散物(PL−2)651.4g及び平均粒径5μm架橋スチレン粒子(SX−507H、綜研化学(株)製)18.5gを用いた他は、防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−1)と同様にして防眩性ハードコート層塗布液(AGL−2)を調製した。
(低屈折率層用塗布液(A)の調製)
屈折率1.41の含フッ素ポリマー含有光硬化性ゾルゲル化合物(オプスターTM501A、固形分濃度15%、JSR(株)製)50gにシリカ粒子メチルイソブチルケトン分散物(MIBK−ST、一次粒径20nm、固形分濃度30%、日産化学製)2.8gおよびメチルイソブチルケトン147gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液(A)を調製した。
(防眩性反射防止フィルム(AG1−1)の作製)
膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD80UF、富士写真フイルム(株)製)の塗布側表面をコロナ除電器で除電処理した上に、上記のハードコート層用塗布液(H−1)をグラビアコーターを用いて塗布した。100℃で乾燥した後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量500mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ2.5μmのハードコート層を形成した。このハードコート層の上に、上記の防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−1)をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ1.5μmの防眩性ハードコート層を形成した。その上に、上記低屈折率層用塗布液(A)をバーコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥の後、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させた後、さらに120℃で8分間加熱し、厚さ0.10μmの低屈折率層を形成した。
ここで、各層の紫外線照射時は、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら行った。
(防眩性反射防止フィルム(AG1−2)の作製)
上記のトリアセチルセルロースフィルム(TD80UF)の塗布側表面をコロナ除電器で除電処理した上に、上記の防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−2)をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ3μmの防眩性ハードコート層を形成した。その上に、防眩性反射防止フィルム(AG1−1)と同様にして低屈折率層用塗布液(A)を塗設して防眩性反射防止フィルム(AG1−2)を作製した。
比較例1
(比較用防眩性反射防止フィルム(AGR−1)の作製)
実施例1における防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−1)において、高屈折率無機超微粒子分散物(PL−1)の代わりにルチル型酸化チタン(石原産業(株)製)を同量用いた他は同様にして防眩性ハードコート層用塗布液(AGRL−1)を調整した。これを用いて、防眩性反射防止フィルム(AG1−1)と同様にして防眩性反射防止フィルム(AGR−1)を作製した。
比較例2
(比較用防眩性反射防止フィルム(AGR−2)の作製)
実施例1における防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−2)において、高屈折率無機超微粒子分散物(PL−2)の代わりにルチル型酸化チタン(石原産業(株)製)を同量用いた他は同様にして防眩性ハードコート層用塗布液(AGRL−2)を調整した。これを用いて、防眩性反射防止フィルム(AG1−2)と同様にして防眩性反射防止フィルム(AGR−2)を作製した。
(防眩性反射防止フィルムの評価方法)
得られたフィルムについて、以下の項目の評価を行った。
(1)平均反射率
分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの平均反射率を用いた。
(2)ヘイズ
得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL 1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(3)鉛筆硬度
防眩性反射防止フィルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS S6006が規定する3Hの試験用鉛筆を用いて、1kgの荷重にて以下の内容で目視評価した。
○:n=5の評価において傷が全く認められない。
△:n=5の評価において傷が1または2つ。
×:n=5の評価において傷が3つ以上。
(4)防眩性評価
作成した防眩性反射防止フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m2)を映し、その反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
◎:蛍光灯の輪郭が全くわからない 。
○:蛍光灯の輪郭がわずかにわかる。
△:蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる 。
×:蛍光灯がほとんどぼけない。
(5)ギラツキ感
作成した防眩性反射防止フィルムにルーバーありの蛍光灯拡散光を映し、表面のギラツキを以下の基準で評価した。
◎:全く〜ほとんどギラツキが見られない。
○:わずかにギラツキがある。
△:少しギラツキがある。
×:ギラツキがはっきり認識できる。
(6)耐摩耗性
防眩性反射防止フィルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、10cm×10cmの大きさに切り取った。これを試験サンプルとして、JIS K−6902に従って、テーバー摩耗試験を行った。1kg荷重で500回転後の摩耗量を測定した。試験前に試験サンプルの質量をmg単位まで測定しておき、試験後の試験サンプルの質量を測定し、被覆物の摩耗量を算出した。
○:磨耗量50mg未満。
△:磨耗量50mg〜90mg。
×:磨耗量100mg以上。
(7)耐候性
JISK5600−7−7:1999に基づく促進耐候性試験にしたがって、具体的には、サンシャインウエザーメーター(S−80、スガ試験機(株)製)を用いて、サンシャインカーボンアーク灯、相対湿度60%、150時間の条件で耐候試験を行った。露光前後における防眩性反射防止フィルムの白化の程度を観察して、以下の3段階で評価した。
○:目視で変化が全く認められなかった
△:目視で変化が少し認められた
×:目視で変化が顕著に認められた
(耐磨耗性)
耐候性試験後、上記(6)と同じ評価を行った。
○:耐候性試験後の試料の磨耗量と耐候性試験前の試料の磨耗量の差が、耐 候性試験前の試料の磨耗量に対して10%以内であった。
×:耐候性試験後の試料の磨耗量と耐候性試験前の試料の磨耗量の差が、耐 候性試験前の試料の磨耗量に対して10%を超えていた。
(密着性)
耐候性試験後の 露光後の各防眩性反射防止フィルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した。
各防眩性反射防止フィルムの防眩性ハードコート層を有する側の表面において、カッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを入れて合計100個の正方形の升目を刻み、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)における密着試験を同じ場所で繰り返し3回行った。剥がれの有無を目視で観察し、下記の4段階評価を行った。
◎:100升において剥がれが全く認められなかったもの
○:100升において剥がれが認められたものが2升以内のもの
△:100升において剥がれが認められたものが10〜3升のもの
×:100升において剥がれが認められたものが10升をこえたもの
(異物)
前記露光後の防眩性反射防止フィルムの裏面をマジックインキ等で黒塗りした後、塗膜上にある輝点欠陥の数を目視で判定した。目視で見える輝点欠陥のサイズは、50μm以上である。輝点欠陥は、1平方メートルあたりの個数でカウントした。
上記した各性能の評価結果を、表1に記載した。
Figure 2005070318
本発明の実施例1−1及び1−2は、ともに低反射率で、防眩性が良好で且つギラツキ感も殆ど認められなかった。又フィルム表面の鉛筆硬度も良好であった。さらに強制耐候試験を行った試料を評価した所、白化が生じる事がなく膜の強度(耐磨耗性、密着性)も試験前と殆ど変わらない良好な性能を示した。又、異物の数も試験前と殆ど変わらない結果を示し、実用上に何ら問題のないレベルを満足した。
一方、比較例1及び2は、強制耐候試験前の試料は実施例1とほぼ同等の性能を示したが、試験後の試料は、白化及び膜強度の劣化が著しく、実用不可能となった。
以上のことから、本発明の防眩性反射防止フィルムは光学的異物の認められない耐候性に優れた防眩性反射防止フィルムが得られた。
実施例1−1の防眩性ハードコート層塗布液(AGL−1)において、架橋型ポリスチレン粒子及び高屈折率無機超微粒子分散物(PL−1)の代わりに、下記表2に記載の透光性粒子および高屈折率無機超微粒子分散物を各同量(固形分量として)を用いた他は、実施例1−1と同様にして防眩性反射防止フィルム(AG1−3)〜(AG1−5)を作製した。
Figure 2005070318
得られた各防眩性反射防止フィルムを、実施例1−1と同様にして性能評価をした結果、実施例1−1と同等の良好な性能を示した。
実施例2
(ハードコート層用塗布液(A)の調整)
トリメチロールプロパントリアクリレート 1296g及びポリグリシジルメタクリレート(質量平均分子量:1.5×104)のメチルエチルケトン53.2質量%溶液809gを、メチルエチルケトン943g及びシクロヘキサノン880gの混合溶液に溶解した後、攪拌しながらイルガキュア184、48.1g、及びジ(t−ブチルフェニル)ヨウドニウム・ヘキサフルオロフォスフェイト(Di(t−butyl phenyl iodonium hexafluoro Phosphate))24gを加えて10分間攪拌した。この混合物を孔径0.5μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、ハードコート層用塗布液(A)を調整した。
(導電性超微粒子分散液(EL−1)の調整)
ITO(錫含有酸化インジウム、比表面積:40m2 /g、粉体比抵抗:0.1Ω・cm)20重量部、実施例1の高屈折率無機超微粒子分散物(PL−1)で用いた分散剤(D−1)6重量部、およびシクロヘキサノン74重量部を、粒径0.1mmのジルコニアビーズを用いてダイノミルにより分散した。分散温度は40〜45℃で分散時間6時間実施し導電性超微粒子分散液(EL−1)を調製した。得られた分散物の分散粒子の平均径は30nmで、100nm以上の粒子は0%であった。
(防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−3)の調製)
エチルセルソルブ82g、テトラエトキシシラン22g、メチルトリエトキシシラン20g、およびγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン58を加え、液温を5〜10℃に保ち、攪拌しながら0.01モル/lの塩酸37gを3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪拌を行い、シリル化合物の部分加水分解物を得た。つぎに上記の高屈折率無機超微粒子分散物(PL−4)224g、上記の導電性超微粒子分散物(EL−1)46.2g及び平均粒径3μmの架橋型ポリスチレン(SX−300H、綜研化学製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌した。この分散物にアルミニウムアセチルアセトネート2.6g、過塩素酸アンモニウム0.5gを加えて十分に攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層の塗布液(AGL−3)を調製した。
(低屈折率層用塗布液(B)の調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(オプスターJN7228、固形分濃度6質量%、JSR(株)製)を溶媒置換して、熱架橋性フッ素ポリマーの固形分濃度10質量%のメチルイソブチルケトン溶液を得た。上記、熱架橋性フッ素ポリマー溶液56.0gにシリカ微粒子のメチルエチルケトン分散液(MEK−ST、固形分濃度30質量%、日産化学(株)製)8.0g、下記内容のシラン化合物を1.75g、およびメチルイソブチルケトン73.0g、シクロヘキサノン33.0gを添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して低屈折率層用の塗布液(B)を調製した。
(シラン化合物の調整)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)161g、シュウ酸 123g、エタノール415gを加え混合したのち、70℃で4時間反応させた後、室温まで冷却し、硬化性組成物として透明なシラン化合物を得た。重量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(防眩性反射防止フィルム(AG2)の作製)
前記のトリアセチルセルロースフィルム(TD80UF)上に、ハードコート層用塗布液(A)をグラビアコーターを用いて塗布した。100℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ3.5μmのハードコート層を形成した。
ハードコート層の上に、防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−3)をグラビアコーターを用いて塗布した。100℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度550mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、層厚1.5μmの防眩性ハードコート層を形成した。
防眩性ハードコート層の上に、低屈折率層用塗布液(B)をグラビアコーターを用いて塗布した。80℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度550mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射し、120℃で10分間加熱して、低屈折率層(屈折率1.43、層厚86nm)を形成した。このようにして、防眩性反射防止フィルムを作製した。
比較例3
(比較用防眩性反射防止フィルム(AGR−3)の作製)
実施例2における防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−3)において、高屈折率無機超微粒子分散物(PL−4)の代わりに比較例1で使用したルチル型酸化チタン超微粒子を同量用いた他は同様にして防眩性ハードコート層用塗布液(AGRL−3)を調整した。これを用いて、実施例2と同様にして防眩性反射防止フィルム(AGR−3)を作製した。
(防眩性反射防止フィルムの性能評価)
得られた各フィルムについて、実施例1と同様にしてその性能を評価した。その結果、本発明の試料(AG2)は実施例1と同等の性能がえられた。一方、比較例3の試料(AGR−3)は、耐候試験後の試料は白化が著しく、又膜の強度(耐磨耗性、密着性)も劣化した。
さらに「ゴミ付着防止性(耐塵埃付着性)」を評価した。
測定フイルムを硝子板に貼り、除電した後、東レ(株)のトレシーを用いて往復5回擦り、その後微細な発泡スチロールの粉を擬似ゴミとし、フイルム全体にかけた後フイルムを立て、疑似ゴミの落下の様子を観察し、下記の4段階評価を行った。
◎:擬似ゴミがほとんど全て落下する。
○:擬似ゴミが80%以上落下する。
△:擬似ゴミが50%以上落下する。
×:擬似ゴミが50%以上フイルム表面に残存している。
その結果、耐候試験前は、AG2及び比較用のAGR−3の各フィルムともに○レベルであった。耐候試験後は、本発明のAG2は試験前と同等レベルであったが、比較用のAGR−3は×となった。
以上より、本発明の防眩性反射防止フィルムは、反射防止性・防眩性・ゴミ付着防止性(耐塵埃付着性)・膜の強度等の各性能は耐候性に優れるものであった。
実施例3
(ハードコート層用塗布液(B)の調整)
多官能性アクリレートモノマーDPHA、125gおよびウレタンアクリレートオリゴマーUV−6300B(日本合成化学工業(株)製)125gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。得られた溶液に、イルガキュア907、7.5gおよびカヤキュアーDETX、)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を攪拌した後、シリカ微粒子のメチルエチルケトン分散液(MEK−ST、固形分濃度30質量%、日産化学(株)製)93.3g、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層の塗布液(B)を調製した。
(防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−4)の調製)
多官能性アクリレートDPHA、231gをメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒439gに溶解し、得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。次に、上記の高屈折率無機超微粒子分散物(PL−5)579g、五酸化アンチモン亜鉛超微粒子分散物「セルナックス CX−Z200M改2」(日産化学社製、30質量%のメタノール分散液:EL−3)90g、及び平均粒径2.5μmの架橋型ポリスチレン(SX−250H、綜研化学製)10.8gを加え、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層塗布液(AGL−4)を調製した。
(低屈折率層用塗布液(C)の調製)
下記構造のフッ素系共重合体をメチルイソブチルケトンに30質量%の濃度になるように溶解し、光ラジカル発生剤イルガキュア907(商品名)を固形分に対して5質量%添加し、低屈折率層用塗布液(C)を調製した。
Figure 2005070318
(防眩性反射防止フィルム(AG3)の作製)
前記のトリアセチルセルロースフイルム:TD80UFに、上記のハードコート層の塗布液(B)を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した。次に紫外線を照射して、塗布層を硬化させ、厚さ5.5μmのハードコート層を形成した。ハードコート層の上に、防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−4)をグラビアコーターを用いて塗布した。100℃で乾燥した後、120℃で2時間の加熱処理をして塗布層を硬化させ、防眩性ハードコート層(層厚1.4μm)を形成した。この上に、低屈折率層用塗布液(C)をグラビアコーターを用いて塗布した。80℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、照度550mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射し、低屈折率層(屈折率1.43、層厚86nm)を形成した。このようにして、本発明の防眩性反射防止フィルム(AG3)を作製した。
(フィルムの評価)
上記の防眩性反射防止フィルム(AG3)について、実施例2と同様にして性能評価を行った。その結果は、実施例2と同等の性能を示し良好であった。
[実施例4]
(画像表示装置の評価)
このようにして作製した各本発明の防眩性反射防止フイルムを装着した画像表示装置は、防眩性と反射防止性能に優れ、極めて視認性が優れていた。
[実施例5]
(偏光板用保護フィルムの作製)
実施例1−1〜1−5、実施例2および3で作製した防眩性反射防止フィルムにおいて、本発明の防眩性反射防止層を有する側とは反対側の透明支持体の表面を、1.0モル/Kgの水酸化カリウム溶液(溶剤:イソプロパノール/プロピレングリコール/水=75/13/12質量%)を#6バーで塗布し、45℃で10秒間加熱した後、濡れたままの塗布面に#1.6バーで水を塗布し、すぐに40℃の洗浄水500cc/m2をノズルから吹き付け、エアナイフでフィルム表面の洗浄水を吹き飛ばす処理を三回連続して行い、100℃の温風で乾燥して表面が鹸化された偏光板用保護フィルムを作製した。鹸化処理面の水との接触角は36度であった。
(偏光膜の作製)
膜厚75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製)を水1000g、ヨウ素7g、ヨウ化カリウム105gからなる水溶液に5分間浸漬し、ヨウ素を吸着させた。次いで、このフィルムを4質量%ホウ酸水溶液中で、4.4倍に縦方向に1軸延伸をした後、緊張状態のまま乾燥して偏光膜を作製した。
接着剤としてポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の一方の面に本発明の防眩性反射防止フィルム(偏光板用保護フィルム)の鹸化処理したトリアセチルセルロース面を貼り合わせた。さらに、偏光膜のもう片方の面には上記と同様にして鹸化処理したセルロースアシレートフィルム:TD80UFを同じポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせた。
(画像表示装置の評価)
このようにして作製した本発明の偏光板を装着したTN,STN,IPS,VA,OCBのモードの透過型、反射型、又は、半透過型の液晶表示装置は、反射防止性能に優れ、極めて視認性が優れていた。
[実施例6]
(偏光板の作製)
ディスコティック構造単位の円盤面が透明支持体面に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化している光学補償層を有する光学補償フィルム(ワイドビューフィルムWV A 12B、富士写真フイルム(株)製)において、光学補償層を有する側とは反対側の表面を実施例5と同様の条件で鹸化処理した。
実施例5で作製した偏光膜に、接着剤としてポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の一方の面に、実施例4で作製した防眩性反射防止フィルム(偏光板用保護フィルム)の鹸化処理したトリアセチルセルロース面を貼り合わせた。さらに、偏光膜のもう片方の面には鹸化処理した光学補償フィルムのトリアセチルセルロース面を同じポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせた。
(画像表示装置の評価)
このようにして作製した本発明の偏光板を装着したTN,STN,IPS,VA,OCBのモードの透過型、反射型、又は、半透過型の液晶表示装置は、光学補償フィルムを用いていない偏光板を装着した液晶表示装置よりも明室でのコントラストに優れ、上下左右の視野角が非常に広く、更に、反射防止性能に優れ、極めて視認性と表示品位が優れていた。
[実施例7]
(導電性超微粒子分散液(EL−3)の調整)
ATO(アンチモン含有酸化錫)20重量部、上記の分散剤(D−1)3重量部、及びシクロヘキサノン77重量部を、粒径0.1mmのジルコニアビーズを用いてダイノミルにより分散した。分散温度は40〜45℃で分散時間6時間実施し導電性超微粒子分散液(EL−3)を調製した。得られた分散物の分散粒子の平均径は30nmで、100nm以上の粒子は0%であった。
(防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−4)の調製)
重合性モノマーDPHA、196質量部、光重合開始剤イルガキュア907、9.8質量部及びメチルイソブチルケトン、205.8質量部の混合液に、上記の高屈折率無機超微粒子分散物(PL−6)874.5質量部、上記の導電性超微粒子分散液(EL−3)118.3質量部及びを加えて攪拌した。
さらにこの分散物に、平均粒径5μmの架橋ポリスチレン粒子(SX‐500H、綜研化学(株)製)の25%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分間分散した分散液を11.0質量部加え、次いで、平均粒径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子(SX−350H、綜研化学(株)製)の25%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を14.4質量部加えた。更に、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103信越化学工業(株)製)を4.9質量部加えた。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、防眩性ハードコート層塗布液(AGL−5)を調製した。
(低屈折率層用塗布液(D)の調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7228、固形分濃度6%、JSR(株)製)55.2質量部に、コロイダルシリカ分散液(MEK−ST、平均粒径10〜20nm、固形分濃度30%、日産化学社製)4.8質量部、メチルエチルケトン28.0質量部、シクロヘキサノン2.8質量部、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103信越化学工業(株)製)を9.2質量部を添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液(D)を調製した。
(防眩性反射防止フィルム(AG4)の作製)
トリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80UL)をロール形態で巻き出して、上記の防眩性ハードコート層用塗布液(AGL−5)を線数110本/インチ、深度35μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数40rpm、搬送速度10m/分の条件で塗布し、120℃、2分で乾燥の後、酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、乾燥層厚4.3μmの防眩性ハードコート層を形成し、巻き取った。
次に、該防眩性ハードコート層を塗設したフイルムを再び巻き出して、上記低屈折率層用塗布液(D)を線数200本/インチ、深度35μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数40rpm、搬送速度10m/分の条件で塗布し、80℃で2分乾燥の後、さらに酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射し、続けて140℃で8分間熱架橋し、厚さ0.096μmの低屈折率層を形成し、巻き取った。低屈折率層の屈折率は、1.43であった。
(防眩性反射防止フィルムの鹸化処理)
上記のフィルムロールを温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度40℃に昇温した後に、下記に示す組成のアルカリ溶液(S)をロッドコーターを用いて塗布量12cc/m2で塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に15秒滞留させた後に、同じくロッドコーターを用いて純水を3cc/m2塗布した。この時のフイルム温度は40℃であった。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に70℃の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥した。得られたフィルム表面の水との接触角は37度であった。
アルカリ溶液(S)組成
水酸化カリウム 8.55質量%
水 23.24質量%
イソプロパノール 54.20質量%
界面活性剤(K−1:C14H29O(CH2CH2O)20H) 1.0質量%
プロピレングリコール 13.0質量%
消泡剤サーフィノールDF110D(日信化学工業(株)製) 0.010質量%
(防眩性反射防止フィルムの偏光板作成、実装)
次に、鹸化処理したフィルムを用いて、実施例6と同様にして防眩性反射防止偏光板を作成した。
更に、市販の高精細タイプのノートPC((株)DELL社製、15インチUXGAノートPC)の、外面の防眩性反射防止フィルムを、粘着層ごときれいに剥がし、改めて粘着層を鹸化された裏面TACに付与し、防眩性反射防止フィルムが外面に向くようにして、張り合わせ、実装させた。
(防眩性反射防止フィルムの評価)
得られたフィルムについて、実施例1記載の評価項目、及び以下の項目の評価を行った。
1)表面突起傾斜角度
作製した防眩性反射防止フィルムに対し、表面突起傾斜角度を、(株)RYOKA SYSTEM社製の「マイクロマップ」機を用いて測定した。測定のサンプリング面積は800μm×800μmである。表3に記載した「表面突起傾斜角度分布」は、傾斜角度分布の小さい側から積算して95%頻度となる角度を表記している。
2)平均突起間距離
作製した防眩性反射防止フィルムに対し、表面の平均突起間距離(Sm)を、(株)小坂研究所 Surfcorder Model 3E−3F機を用いて測定した。
3)黒の締まり性
防眩性反射防止偏光板を実装したノートPCを黒表示させて 黒の締まりを目視の官能評価で判定した。
黒が締まって見える。(○の数が多い方が良好) :○〜○○○○○○
黒の締まりがやや劣る。 :△
黒の締まりがない。 :×
4)ざらつき感
防眩性反射防止偏光板を実装したノートPCの電源をOFFにして、表面のざらつき感を目視の官能評価で判定した。
ざらつき感がなく良好。(○の数が多い方が良好) :○〜○○○
ざらつき感がある。 :×
上記の評価内容の主な結果を表3に記載した。尚、防眩性及び耐候性については、実施例1と同様に評価した。
Figure 2005070318
本発明のAG4は、防眩性が極めて良好で、液晶表示画像装置上の黒の締りがよく及びざらつき感がなく、ともに良好で視認性良好であった。このことは、表面突起傾斜角度分布及び平均突起間距離が適切な範囲に制御されたことにより達成された。又、強制耐候試験後の試料は白化及び膜強度ともに試験前と殆ど変わらない良好な性能を示し、ゴミ付着防止性(耐塵埃付着性)も充分に保持していた。
本発明の傾斜角度の測定を示す模式図である。
符号の説明
A、B、C : 基材面に仮定した面積が0.5乃至2平方ミクロンである三角形の頂 点
A’、B’、C’ : 3点A、B、Cから鉛直上向きに垂線を伸ばし、その3点が防 眩性反射防止フィルムの表面と交わった点
D−D’ : 三角形A’B’C’面の法線
O−O’ : 基材から鉛直上向きに伸ばした垂線
θ : 法線D’が、垂線O’と為す角度。傾斜角度。

Claims (12)

  1. 透明支持体上に、少なくとも一つの防眩性ハードコート層、少なくとも一つの低屈折率層をこの順序で有する防眩性反射防止フィルムにおいて、該防眩性ハードコート層が、防眩性を付与する透光性粒子、平均粒径100nm以下のコバルト、アルミニウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有し、かつ二酸化チタンを主成分とする高屈折率無機超微粒子、並びにマトリックスを各々少なくとも1種ずつ含有することを特徴とする防眩性反射防止フィルム。
  2. 前記の防眩性反射防止フィルムが、該フィルムの促進耐候性JISK5600−7−7:1999に基づく150時間処理後のヘイズが、耐候試験前のフィルムの値に対して変化率が10%以内であることを特徴とする請求項1記載の防眩性反射防止フィルム。
  3. 前記の防眩性反射防止フィルムが、該フィルムの促進耐候性JISK5600−7−7:1999に基づく150時間処理後のヘイズ、及びJISK−6902に基づくテーバー磨耗試験において試験後の磨耗量が、いずれも耐候試験前のフィルムの値に対して変化率が10%以内であることを特徴とする請求項1または2記載の防眩性反射防止フィルム。
  4. 前記の透光性粒子が、前記の防眩性ハードコート層の層厚に対し60%以上95%未満の平均粒径を有する第1の透光性粒子を少なくとも1種と、同層厚に対し105%以上140%未満である平均粒径を有する第2の透光性粒子を少なくとも1種とを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。
  5. 前記のマトリックスが、有機バインダー、有機金属化合物及び有機金属化合物の部分加水分解物から選ばれる少なくとも1種を含有する硬化物から形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。
  6. 前記の低屈折率層の屈折率が1.35以上1.5未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。
  7. 前記の透明支持体と前記の防眩性ハードコート層の間にハードコート層を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。
  8. 前記の防眩性ハードコート層及び前記のハードコート層の少なくともいずれかが、平均粒径100nm以下の導電性無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルムにおいて、上記防眩性ハードコート層の、二酸化チタンを主成分としかつ平均粒径100nm以下のコバルト、アルミニウムおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する高屈折率無機超微粒子、並びに分散剤とを平均粒径0.8mm未満のメディアを用いて湿式分散して、平均粒径100nm以下の超微粒子を製造することを特徴とする防眩性反射防止フィルムの製造方法。
  10. 偏光膜の少なくとも一方の保護フィルムとして請求項1〜8のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルムが用いられていることを特徴とする偏光板。
  11. 偏光膜の一方の保護フィルムとして請求項1〜8のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルムを、偏光膜のもう一方の保護フィルムとして光学異方性のある光学補償フィルムを用いたことを特徴とする偏光板。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム、並びに請求項10または11記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
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